整形外科と災害外科
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56 巻 , 1 号
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  • 藤原 稔史, 神宮司 誠也, 首藤 敏秀, 中島 康晴, 山本 卓明, 岩本 幸英
    2007 年 56 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    変形性股関節症に対する骨盤骨切り術の適応年齢は一般には50歳未満の若年者と思われるが,これまで60歳以上の症例でも少数例ながら行われてきた.これらの症例について後ろ向きに手術時条件や成績を調査し,その適応について検討した.1994~2004年に当科で行なわれた60歳以上の症例は6例(全寛骨臼移動術症例中1.8%).全例女性,手術時平均年齢62歳.病期は初期5例,進行期1例.平均経過観察期間は61カ月であった.術後臼蓋による骨頭の被覆は全例で改善,5例(83%)で関節症改善や進行防止が認められた.1例に関節症増悪を認め人工股関節全置換術を行った.2回目手術を行っていない症例では平均 JOA スコアは術前68点から最終調査時84点に改善していた.適応条件を満たした症例で後療法に注意して行えば60歳以上でも寛骨臼移動術の効果が期待できると思われた.
  • 田代 泰隆, 神宮司 誠也, 首藤 敏秀, 中島 康晴, 山本 卓明, 岩本 幸英
    2007 年 56 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    大腿骨頭壊死症に対する両側への骨切り術は,長い治療期間や,免荷が十分に得られず成績不良となる可能性が考えられる.当科での両側骨切り術症例を片側骨切り術症例を対照として後ろ向きに比較検討した.対象は2000年~2003年の両側骨切り術11例(男性8例,女性3例).平均年齢36(23-55)歳,観察期間3.9(2.0-5.8)年であった.術式は大腿骨頭前方回転骨切り術18股,大腿骨転子間弯曲内反骨切り術4股.同時期に片側骨切り術を受け、反対側に壊死が無いか,圧潰がない症例で,性や年齢,術式,ステージでマッチングさせた片側群と比較した.最終時の JOA スコア,関節症進行例や圧潰進行例の比率,感染症等の術後合併症の割合は両群で同様であった.入院期間や杖無し歩行までの期間は両側群が片側群の約2倍で,それ以上ではなかった.大腿骨頭壊死症に対する両側骨切り術の成績や治療期間は片側群と変わらなかった.
  • 中村 雅洋, 吉野 伸司, 鶴 亜理紗, 肥後 勝, 山口 正男, 貴島 稔
    2007 年 56 巻 1 号 p. 9-11
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    今回我々はペルテス病に続発し,臨床症状を呈した離断性骨軟骨炎(OCD)1例を経験したので報告する.症例は19歳男性,主訴は右股関節痛で,既往歴に Catterall 分類3型,Herring 分類 C 群のペルテス病がある.ペルテス病初期治療終了後4年経過した12歳時に X 線上 OCD を疑わせる異常陰影が出現,15歳頃からは locking を伴う股関節痛も出現した.16歳時に行った関節鏡では骨頭荷重部後方に flap 状に翻転した変性軟骨,1年後に股関節痛再発のため行った再鏡視では骨頭荷重部に広範な軟骨剥離が認められた.本症例の X 線経過からはペルテス病治癒過程が何らかの原因で障害され,新生骨癒合不全により OCD が生じたことが示唆された.さらに関節運動によって OCD に剪断力が作用し,徐々に母床から分離,剥離して臨床症状を呈したものと思われた.
  • 田中 寿人, 小峰 光徳, 黒川 宏亮
    2007 年 56 巻 1 号 p. 12-21
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】近年,大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(以下 SIF)は急速破壊型股関節症(以下 RDA)の前段階である可能性が指摘されており,その予後予測や病態解明が重要と考えられる.今回 SIF 症例,RDA 症例さらに転子部骨折後の骨頭壊死症例の MRI 画像を比較し経過観察を行った.【症例】80歳,女性.転倒受傷.AO31-A1.NTX114.3.受傷時 X-P にて骨頭変形も認め,MRI 施行したところ,骨頭軟骨下に T1強調像にて低信号帯,STIR 像にて骨頭にびまん性骨髄浮腫を認め,SIF と診断.T2強調像ではさほどの異常輝度変化を認めなかった.骨接合術後4週で部分荷重開始し,10週で全荷重許可した.その後,骨頭圧潰変形等は認めていない.【考察】MRI において T1強調像や STIR 像では骨浮腫が反映されるため診断には有効だがやや強調された所見となる.その後の骨頭圧潰の予測には T2強調像が適当と考えられた.
  • 下雅意 亮臣, 西畑 貴子, 岡野 徹, 萩野 浩, 豊島 良太
    2007 年 56 巻 1 号 p. 22-25
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】乾癬性関節炎に化膿性股関節炎を合併した症例を経験したので報告する.【症例】55歳女性.主訴は左股関節痛.33歳時より尋常性乾癬で加療を受けていたが,36歳時より乾癬性関節炎を併発し当科通院加療中であった.55歳時に特に誘因なく左股関節痛出現し,歩行困難となった.左股関節は可動域制限著明であり,腸腰筋肢位を認めた.炎症反応は亢進しており,入院後の画像検査で左腸骨窩に膿瘍形成を認め,股関節造影でその膿瘍との連続性が確認された.化膿性股関節炎に合併した腸骨窩膿瘍と診断し,観血的に掻爬ドレナージを施行した.膿瘍から MRSA が同定され,ドレナージ後も感染の再燃を繰り返し,頻回の観血的処置を要した.最終的に発症後2.5カ月時に抗生剤含有セメントビーズ留置と resection arthroplasty を行い感染の沈静化が得られた.化膿性股関節炎の診断が遅れたことが治療に難渋した原因と考えられた.
  • 植木 里紀, 重松 正森, 本岡 勉, 井手 衆哉, 馬渡 正明, 佛淵 孝夫
    2007 年 56 巻 1 号 p. 26-29
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】これまでに我々は,THA 術前後の歩行の変化について報告してきた.今回は,歩行時の爪先開き角の変化に注目し検討した.【対象・方法】2003年3月~12月に片側 THA を行った症例を,患側股関節の術前可動域により外旋拘縮群(A群),内旋拘縮群(B群),可動域良好群(C群)に分類した.術直前・術後2か月・6か月・1年の自由歩行を計測し,爪先開き角の変化を調べた.A群16例,B群4例,C群14例であった.【結果及び考察】A群では術前平均19.8度から術後2か月で平均8.0度へ,B群では平均17.8度から6.2度へ改善した.C群では術前平均8.9度から術後1年で4.6度に改善していた.THA により全例,爪先開き角は改善していた.内旋拘縮がある症例でも術前の爪先開き角は大きく,膝,足関節など下肢アライメントに影響を与えているものと考えられた.
  • 東 栄治, 篠原 道雄
    2007 年 56 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    53歳女性.2005年12月,急に頸部より左上肢の激痛・左上肢筋力低下・シビレ感自覚.転倒や外傷の既往なし.すぐに総合病院救急部受診.受診時には軽減していたものの,帰宅時に再発.翌日別のクリニックを受診.MRI で頸椎内硬膜外腔後外側に病変を認めたため,当院紹介.血腫自体は二週間程度で消退し,左上肢症状も改善したが,新たに右上肢の知覚障害自覚するようになった.経過中,下肢症状は認められなかった.本症例では特異的な経過を辿り,寒冷刺激が関与した可能性が考えられた.
  • 越智 康博, 木戸 健司, 井上 裕文, 東 良和, 砂金 光藏
    2007 年 56 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    C1,2の椎弓に発生し,ミエロパチーを呈した骨軟骨腫の1例を報告した.症例は45歳女性.両手指のしびれと巧緻運動障害が徐々に増悪し,初診.四肢痙性麻痺であり,JOA score は13点であった.CT では C1椎弓左側下縁および C2椎弓左側上縁から,脊柱管内に突出した骨性隆起を認めた.MRI では同部位に T1,T2強調像とも low intensity area を認め,左後方から,高度に硬膜を圧排していた.C1,2の椎弓から発生した骨腫瘍によるミエロパチーと診断し,椎弓切除術を施行した.病理学的所見から骨軟骨腫と診断された.術後1週から歩行器歩行を開始とした.現在,四肢の腱反射亢進は残存するものの,ADL 上支障なく,腫瘍の再発も認めない.本例はミエロパチーを呈し,画像上の圧迫も明らかであり,しかも,症状が増悪傾向であるため,手術適応とした.脊柱管内発生骨軟骨腫では症状が比較的軽度でも早期に摘出術を考慮すべきと考える.
  • 豊田 耕一郎, 小笠 博義, 椎木 栄一, 寒竹 司, 及川 哲也, 武藤 正記, 酒井 和裕
    2007 年 56 巻 1 号 p. 42-44
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    麻痺のない骨粗鬆症性椎体骨折の椎体骨癒合不全例について検討した.対象は3ヶ月以上経過観察可能であった椎体癒合不全例10例11椎体で,男性1例,女性9例で,平均年齢76歳である.X 線前後,側面像に加えて仰臥位側面像を追加し,椎体内 vacumn が存在し椎体幅が増大したものを椎体癒合不全と定義した.治療は軟性または半硬性コルセットを厳密に装着し仰臥位での臥床の禁止を徹底指示した.検討項目として椎体高位,癒合不全の出現時期,椎体圧潰率,骨癒合の有無を検討し,疼痛は VAS で評価した.罹患椎体高位は L1椎体が5例と多かった.初診時から追跡可能であった5例では癒合不全の出現時期は平均3ヶ月であった.圧潰率は初診時52%,癒合不全時32%,最終26%であった.骨癒合の有無は骨癒合ありが6椎体55%に認めたが,完全癒合は2椎体18%であった.疼痛を VAS で評価すると癒合不全診断時平均8.6が最終2.6と低下していたが疼痛残存例が多かった.
  • 河村 一郎, 武富 栄二, 砂原 伸彦, 片平 光昭, 井尻 幸成, 松永 俊二, 米 和徳, 石堂 康弘, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】強直性脊椎骨増殖症(以下:ASH)は比較的軽微な外力でも椎体骨折を受傷し易く,神経障害,偽関節等が問題となる.今回我々は ASH の胸椎椎体骨折偽関節に対し観血的治療を行い良好な成績を得たので報告する.【症例】症例は3例(男性:1例,女性:2例,受傷起点;転倒:2例,転落:1例,受診時の症状;背部痛:2例,歩行困難:1例).他医で保存加療(軟性コルセット+安静臥床)を受けており,受診時に椎体偽関節を認めた.後方除圧固定術を施行し,良好な整復位と骨癒合が得られた.【考察】本症例は骨粗鬆性圧迫骨折と診断され,安静臥床を中心とした保存療法が取られがちである.特に受傷部位が胸椎である場合,臥床により骨折部にストレスが集中し,unstable spine となり易い.Casting による外固定も治療の選択肢の一つではあるが,固定性が得られにくい事を考慮すると,強固な内固定が第一選択と考えられる.
  • 久芳 昭一, 内田 雄, 麻生 英一郎, 朝長 匡
    2007 年 56 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    硬膜内脱出ヘルニアを経験したので報告する.【症例】66歳,男性.元来腰痛があり,平成17年5月頃より左下肢痛出現し近医にて保存的治療を行うも改善なく,平成17年7月に当科紹介となった.初診時左大腿前面の疼痛を訴えたが,神経学的異常を認めなかった.単純X線像で L2/3~L4/5の椎間腔の狭小化と骨棘を認めた.腰椎 MRI 像では L2/3で硬膜管を圧排する腫瘤を認め,脊髄造影では L2/3椎間での硬膜管の圧排・欠損像を認めた.左 L3神経根ブロックにて左下肢痛は一時的に軽減した.以上より L2/3椎間板脱出ヘルニアと診断し手術を行った.【手術】 L2/3の骨棘の突出と一部神経根との癒着を認めるのみで明らかな腫瘤を見出せなかった.硬膜内腫瘤病変を疑い,硬膜を切開し観察すると硬膜内に白色の径1×1.5cm で表面不整な腫瘤を認め,これを摘出した.【術後経過】左下肢痛は消失し,現在外来にて経過観察中である.
  • 前田 勇一, 中馬 東彦, 清家 一郎, 松村 健
    2007 年 56 巻 1 号 p. 53-55
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    我々は,立位に支障を来す程の痛みを有する腰椎椎間板ヘルニアの6例にリン酸コデインを使用した.結果は,5人に脚の痺れが残存していたが,職場復帰には支障がなかった.残りの1人は,痛みが残存していたが職場復帰をしていた.
  • 薛 宇孝, 齊藤 太一, 犀川 勲, 入江 努, 田中 哲也, 松浦 傑
    2007 年 56 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    腰椎後方椎体間固定術(PLIF)の合併症としての脊椎炎の早期診断に MRI が有用であるか検討した.当科で PLIF を施行した18例(21椎間)について,術後2週から3週で MRI 矢状断像を撮影して評価を行った.非感染例においても高率に椎体の信号変化・終板の不整像を示し,PLIF 後の脊椎炎の診断においては術後早期の MRI は信頼性が低く,臨床経過から総合的に判断する必要があると思われた.
  • 水溜 正也, 瀬井 章, 薬師寺 俊剛, 藤本 徹, 谷脇 琢也, 福田 和昭, 水田 博志
    2007 年 56 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    今回,脊柱管内病変を伴う schwannomatosis 3例を報告した.症例1. 44歳の男性.縦隔腫瘍を指摘され摘出術を施行された.神経鞘腫であった.その後,C7/Th1の頚髄腫瘍を指摘され,当科にて摘出術施行.神経鞘腫であった.症例2. 34歳の男性.腰痛と右大腿部しびれ感にて受診された.33歳時に右大腿部の神経鞘腫を摘出されている.MRI にて Th12/L1の脊髄腫瘍を認めた為,摘出術を施行した.神経鞘腫であった.症例3. 36歳の女性.19歳から32歳時までに背部と右下腿の神経鞘腫の摘出術を施行されている.腰痛と右臀部痛にて受診された.MRI にて4箇所に馬尾腫瘍を認めた.5×5mm の腫瘍は症状に関与していないと判断し初回手術では摘出しなかった.術後1年での MRI にて初回手術で摘出しなかった腫瘍が2倍以上に増大していた.摘出術を施行した.症状は軽快した.すべて神経鞘腫であった.多発性の神経原性腫瘍を認めた場合,NF1や NF2,schwannomatosis を念頭に置き局所病変だけでなく脊柱管内を含めた全身検索が必要である.また腫瘍が急速に増大する場合があり,特に脊柱管内病変では MRI による経時的観察が必要である.我々は症状をきたさないサイズでも摘出すべきと考えられた症例を経験した.
  • 久保 勝裕, 河野 修, 芝 啓一郎, 恒吉 正澄, 的野 浩士
    2007 年 56 巻 1 号 p. 65-68
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    第7頚椎椎弓根に発生した類骨骨腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は14歳,男性.約1年前より特に誘因無く頚部痛出現し,夜間と寒冷時期に頚部痛増強するため当センター来院.初診時に頚部は軽度右側屈・左回旋位を取っており,運動時痛を認めた.神経学的異常は認めなかった.頚椎単純 X 線写真では第7頚椎の椎体右側~椎弓根部に骨硬化像を認め,MRI では第6頚椎椎体に強い信号変化を認めた.CT では第7頚椎の右椎弓根部から椎体の中心部に石灰化を伴う直径1.5cm の骨透亮像を認めた.NSAID 投与を行うも疼痛の改善が得られなかったので腫瘍摘出・Rogers' wiring による第6/7頚椎後方固定術を施行.術後は頚部痛消失した.10~20歳代の男性の頚部の疼痛,夜間痛と可動域制限を呈する症例に対しては本症も念頭に置く必要があると思われた.
  • 小関 弘展, 馬場 恒明
    2007 年 56 巻 1 号 p. 69-72
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】金属材料は整形外科領域において頻用されるが,腐食や金属疲労による折損などの問題がある.これに対し金属表面改質技術,特に diamond-like carbon(DLC)膜が注目されている.今回,我々は炭素イオン注入(C 注入)と DLC 膜を作製し,その表面構造,特性について検討した.【方法】Co-Cr-Mo 合金表面に C 注入,DLC 膜を作製した.表面深さ方向分布をオージェ電子分析,表面硬度と深さをナノインデンター法,表面粗さと性状をレーザー顕微鏡で観察した.【結果】深さ分析では表面と基板との間にミキシング層が形成され,良好な密着性を示した.C 注入,DLC 膜の表面硬度は基板より硬化したが,DLC 膜の表面粗さが増加していた.【考察】C 注入,DLC 膜は金属表面硬質化が可能であり,生体内でも化学的に安定していることから医療分野での応用が期待される.
  • 松永 俊二, 長友 淑美, 宮口 文宏, 川畑 了大, 救仁郷 修, 山元 拓哉, 井尻 幸成, 米 和徳, 石堂 康弘, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 1 号 p. 73-75
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    80歳以上の健康老人の心理的特徴を明らかにする目的でモーズレイ心理テストを実施した.現在も介助を受けず自立して健康に生活している80歳以上の超健康老人(super healthy elders)50名と明らかな頚椎由来の症状を有する80歳以上の高齢者50名を対象とした.頚椎由来の症状を呈する老人は23名(46%)がモーズレイ心理テストで異常がみられた.super helthy elders でも24例(48%)は異常型であったがその88%は転嫁順応型であった.super helthy elders は外界から受けるストレスを適当に転嫁させて健康を保持しているのではないかと考える.
  • 森田 誠, 井手 淳二, 時吉 聡介, 佐藤 貴久, 水田 博志
    2007 年 56 巻 1 号 p. 76-78
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    修復が困難な腱板広範囲断裂の対処法として,症例を選んで上腕二頭筋長頭腱を補強材料とした鏡視下再建法を行った.その術後成績を検討した.鏡視下腱板修復術112例中,本術式を行った6例(男性5例,女性1例)を対象とした.平均年齢は,60歳(55-69歳)であり,右肩罹患が3例であった.5例は外傷性であり,平均罹病期間は5.7カ月(1-18カ月)であった.棘上筋・棘下筋断裂4例,棘上筋・棘下筋・肩甲下筋断裂2例であった.経過観察期間は,平均28カ月(6-38カ月)であった.術前 JOA score は平均56点(47-68点)から術後平均89点(85-92点)に有意に改善した.JOA score の挙上点数は平均7.5点(3-12点)から術後平均14.5点(12-15点)へ有意に改善した.上腕二頭筋長頭腱を補強材料とした鏡視下再建法は,修復困難な腱板広範囲断裂に対する選択肢の1つとして推奨できる.
  • 前田 鎮男, 上園 春仁, 福島 好人, 春花 利江, 喜名田 健二郎, 丸山 寿美恵, 村上 崇, 日高 浩平, 西前 育矢
    2007 年 56 巻 1 号 p. 79-81
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    当院では平成15年から17年10月まで,腱板断裂80例(平均年齢63歳)に対して,直視下腱板修復術(McLaughlin 法,46例)と鏡視下腱板修復術(suture anchor 使用,34例)を行った.後療法はゼロポジション(挙上位)からのリハビリ(42例)と下垂位(外転位固定)からのリハビリ(38例)をそれぞれ行い,術後3ヶ月経過後軽作業を許可した.平均フォロー期間は7.3ヶ月であった.JOA score 総点の平均は術前47.8から術後88.8へと改善し,直視下,鏡視下,ゼロポジション,下垂位各群の術後平均はそれぞれ88.1,89.8,90,87.6点で,有意差はなかった.
  • 佐藤 貴久, 井手 淳二, 時吉 聡介, 森田 誠, 水田 博志
    2007 年 56 巻 1 号 p. 82-84
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    保存療法に抵抗する上腕二頭筋長頭腱炎に対して関節鏡検査を行い,長頭腱不全断裂例に対して症例を選んで鏡視下切腱術を行った.その術後成績を検討した.本術式を行い1年以上経過した7例(男性2例,女性5例)を対象とした.平均年齢は,69歳(5178歳)であり,右肩罹患が6例であった.3例は外傷性であり,平均罹病期間は8.7カ月(322カ月)であった.経過観察期間は,平均25カ月(1333カ月)であった.術前 JOA score は平均52点(3767点)から術後平均90点(8691点)に改善した.JOA score の疼痛点数は平均6.4点から術後平均25点へ改善した.術後に上腕二頭筋筋腹の遠位への移動を認めた症例は1例のみであり,肘屈曲筋力は徒手検査で全例5であった.難治性上腕二頭筋長頭腱炎に対する鏡視下切腱術は治療選択肢の1つとして推奨できる.
  • 白地 仁, 柴田 陽三, 熊野 貴史, 篠田 毅, 内藤 正俊
    2007 年 56 巻 1 号 p. 85-91
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    我々は Oudard 法術後に再脱臼を来した2症例に対し鏡視下 Bankart 法を施行して良好な成績をえることができたので報告する.(症例1)34歳男性 右肩に O 法施行後,16年で柔道再開後,再脱臼.脱臼不安感が強く,鏡視下に鏡視下 Bankart 法施行.術後2年の現在,脱臼不安感ない.(症例2)21歳男性 1年前に右肩に対して Oudard 法施行.術後1年間は右手を挙げないように注意していた.1年後,ゴミ袋を投げた際に再脱臼.脱臼不安感続くため,初回手術から13ヵ月後に鏡視下 Bankart 法施行 術後17ヶ月の現在,疼通,脱臼不安感なく治癒.Oudard 法術後は烏口突起の骨変形が生じており,直視下の Bankart 法,Boytchev 変法は施行困難,あるいは不能である.しかし,移植骨の外側から,骨関節前方に2個の working portal 作成が可能で,鏡視下 Bankart 法は特に支障なく施行可能であった.
  • 尾上 英俊, 木村 一雄, 松永 和剛, 山口 哲, 平井 信幸, 信藤 真理, ファン ジョージ
    2007 年 56 巻 1 号 p. 92-95
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    上腕骨骨幹部偽関節および遷延癒合症例4例を前方進入による plate 固定と腸骨移植で治療した.手術時年齢は27歳から60歳で,男1例・女3例であった.初回治療は functional brace による保存療法2例,エンダー釘による骨接合術2例で,受傷から偽関節手術までの期間は3から63ヵ月であった.全例6ヵ月以内に骨癒合した.Plate 固定の最大の利点は強固な圧迫固定性と,肩肘を損傷しないので術直後から関節可動域訓練が行えることである.
  • 中原 信一, 衛藤 正雄, 古川 敬三, 馬場 秀雄, 進藤 裕幸
    2007 年 56 巻 1 号 p. 96-99
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    MRSA 化膿性肩関節炎の3例を経験したので報告する.症例1:61歳男性.肩脱臼粉砕骨折術後に MRSA 肩関節炎を発症し,抗生剤投与及び病巣掻爬を施行するも改善しないため,広背筋皮弁移植術を施行した.症例2:68歳女性.肩腱板断裂にて McLaughlin 法を行 った.術後に肩の前方脱臼を認め,観血的脱臼整復術を施行した.整復後に MRSA 感染を生じたため病巣掻爬し持続潅流や抗生剤投与したが感染の再発を繰り返したため,上腕骨頭を切除し大胸筋を死腔に充填した.症例3:57歳男性.肩痛のため関節腔内ステロイド注射を受けていたが疼痛増悪し,近医に入院した.MRSA が検出され,抗生剤投与と肩峰下滑液包の間歇洗浄を行ったが完治せず,当院紹介となった.鏡視下滑膜切除し,持続潅流の後に,カテーテル留置し洗浄を行った.3例とも感染の再燃なく経過観察中である.化膿性肩関節炎の治療法に持続潅流や,潅流のみでは治癒しない場合は筋皮弁・筋弁術が有効な治療法であると考えられる.
  • 前田 鎮男, 上園 春仁, 福島 好人, 中村 悦子, 北 みどり, 原田 亜里沙, 中山 聡子
    2007 年 56 巻 1 号 p. 100-103
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    当院は平成15年4月から17年7月までの整形外科手術810例中,術後感染が3例あり,感染率0.37%であり,感染予防法が有効であった.具体的には,次の方法で行った:(1)抗菌薬投与:術前 CEZ 又は CTM 1~2g,手術日のみ562例,翌日まで120例.日帰り小手術:術前 CEZ 1g,術後内服全くしない~3日間128例.(2)剃毛をしない.(3)術野の術直前の洗浄.(4)徐放性ヨードホールドレープの使用.(4)手術用手袋を2重にする.(5)術後ドレーン抜去,抜糸以外は原則的には創の消毒はしない.(6)アンプルやバイアル類の使用直前消毒.(7)摂子類,注射針の扱い方の注意.(8)開放骨折に対する抗菌薬の3日間2剤併用.術後フォロー期間は日帰り小手術7~14日,その他は平均263日であった.抗菌薬の投与期間に対して,1日群と2日群では差がなく,周術期の抗菌薬投与は1日で十分だと考えている.
  • 原 克利, 加来 信広, 津村 弘
    2007 年 56 巻 1 号 p. 104-107
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    感染予防または治療のために抗菌薬投与を行った結果,菌交代現象が生じ腸炎を発症することが知られている.特に偽膜性腸炎は Clostridium difficile が産生する毒素により発症し,しばしば重篤化する.今回,我々は1996年から2006年までに術後に偽膜性腸炎を14症例経験した.平均年齢は64.4歳であった.院内感染を疑わせる症例はなかった.診断は CD 毒素検査,大腸内視鏡検査にて行った.治療は大部分の症例で原因抗菌薬の中止,絶飲食,VCM 内服とした.1ヶ月以上の加療を要したものが5症例で,1症例において中毒性巨大結腸症,麻痺性イレウスを併発し死亡に至った.術後に炎症反応の増悪,発熱が見られた場合には,抗菌薬が原因や増悪因子となる偽膜性腸炎の可能性を考慮し,早期発見に努め,漫然と抗菌薬投与を行うことがないように注意しなければならない.
  • 野口 蒸治, 下山 議七郎, 篠崎 俊郎
    2007 年 56 巻 1 号 p. 108-111
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    近年,橈骨末端骨折に対する掌側プレート固定法についての有用性に関する報告が散見されるようになってきた.当院においても2004年7月以降,DRV Locking Plate System を用いて治療を行っている.今回,その治療成績について報告する.対象は術後2ヶ月以上追跡しえた18名19例(男性2名,女性16名)で,年齢は平均69歳だった.骨折型は AO 分類で A3:6例,B3:2例,C1:1例,C2:9例だった.術後追跡期間は平均24週であった.これらの症例について,X 線学的および機能評価(斉藤の治療評価基準)を検討した.骨癒合は術後2ヶ月以上経過しても骨癒合の完成しない1例を除き,17例(94%)に見られた(抜釘時に骨癒合は確認).X線学的には術直後の良好な整復位が追跡時まで保たれていた.斉藤評価では Excellent 13例,Good 5例であった.橈骨末端骨折に対する DRV を用いた掌側プレート固定法は強固な固定と術後早期より積極的な後療法が可能であり,有用な内固定法であると考えられた.
  • 松永 和剛, 尾上 英俊, 木村 一雄, 山口 哲, 平井 伸幸, 信藤 真理, ファン ジョージ
    2007 年 56 巻 1 号 p. 112-115
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    稀な遠位橈尺関節掌側脱臼を2例経験したので報告する.症例1 44歳男性.倒れて来た人を左手で支えようとした時に,左手関節を受傷した.左手関節部痛が出現し,前腕回内が出来なくなった.受診時 X 線,CT で遠位橈尺関節の掌側脱臼を認めた.全身麻酔下に徒手整復を行い,前腕からのギブス固定を6週間行った.症例2 29歳男性.ラクビーのレフリーをしていて,右手関節を捻って受傷した.右手関節部痛が出現し,前腕回内が出来なくなった.受診時 X 線,CT で遠位橈尺関節の掌側脱臼を認めた.全身麻酔下に徒手整復を行い,前腕からのギブス固定を4週間行った.最終調査時には2例とも疼痛はなく,手関節,前腕の可動域制限は認めなかった.遠位橈尺関節掌側脱臼は早期に徒手整復,ギブス固定を行うために,早期診断することが重要である.
  • 樫原 稔
    2007 年 56 巻 1 号 p. 116-118
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】示指 DIP に発生した痛風結節を経験したので報告する.【症例】85歳女性で高血圧,狭心症,高脂血症などに対して当院循環器科で11年間ループ利尿薬等が投与されていた.高尿酸血症は指摘されていたが,未治療であった.平成17年10月4日誘因なく右示指 DIP の疼痛,腫脹,発赤が出現した.10月20日初診し,血清尿酸値は11.0mg/dl で X 線では DIP 関節面掌側の punched out lesion 様の骨透亮像をみとめ,10月31日手術を行った.皮下組織直下に白色のチョーク様物質があり,これは掌側の骨欠損部にも充満していたので可及的に掻爬し,DIP 関節固定をした.この白色物質は偏光顕微鏡で針状結晶が認められ,成分は尿酸 Na 塩であった.以上から痛風結節と診断した.【考察】本症例はループ利尿薬常用による高尿酸血症が一因となった痛風結節である.高尿酸血症に対する治療が必要であるが,疼痛や関節破壊などがあれば外科的治療の適応である.
  • 有島 善也, 山崎 康平, 横内 雅博, 瀬戸口 啓夫, 栫 博則, 山下 芳隆, 廣津 匡隆, 神囿 純一, 救仁郷 修, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 1 号 p. 119-122
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    手指に生じた内軟骨腫4例に対して内視鏡補助下に腫瘍掻爬術,骨ペースト移植術を施行した.術後平均10か月の短期成績において,腫瘍再発はなく,関節可動域は術後1か月で術前レベルに回復した.1例で骨ペーストの骨外漏出を認めたものの臨床的に問題はなかった.内視鏡下腫瘍掻爬術は小皮切,早期リハビリテーション,拡大画像による確実な掻爬など多くの利点を有する優れた方法である.
  • 柳園 賜一郎, 福島 克彦, 吉川 大輔, 山口 和正
    2007 年 56 巻 1 号 p. 123-127
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】脳性麻痺片麻痺患者において尖足歩行は最もよく遭遇する歩行障害の一つである.今回我々は手術・装具治療をしていない片麻痺患児の歩行分析を行ったので報告する.【対象・方法】脳性麻痺片麻痺の診断のもと当センター外来通院をしていて手術・装具治療を必要としていない5症例を対象とした.アニマ社製三次元動作分析装置MA2000,フォースプレートMG1090を用いて運動学的・運動力学的評価を行い,当センターで得られた成人データと比較検討した.【結果および考察】運動学的には正常と比して遊脚相での尖足を認め,5例中4例に1st rocker の欠如をみた.運動力学的には痙性麻痺歩行の特徴である mid stance における底屈モーメントの増加,terminal stance における底屈モーメントの低下は2例に認めたが,パワーパターンの異常は認めなかった.脳性麻痺児の歩容異常の評価において歩行分析検査は有用である.
  • 吉川 大輔, 福島 克彦, 柳園 賜一郎, 山口 和正
    2007 年 56 巻 1 号 p. 128-131
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】小児歩行の成熟について,歩行分析上運動学的に3歳,運動力学的に7歳で成人パターンを獲得すると言われている.今回我々は新しく導入した三次元歩行分析装置を用いて小児と成人の歩行解析を行ったので報告する.【対象・方法】小児6名(平均年齢6歳3ヵ月),成人6名(平均年齢23歳10ヵ月)を対象とした.アニマ社製三次元動作分析装置MA2000,フォースプレートMG1090を用いて運動学的・運動力学的評価を行った.【結果および考察】運動学的には抽出したピーク値・タイミング共に小児・成人間で有意な差はみられず,6歳の時点で成人様パターンを獲得していると思われた.運動力学的には Cupp らの報告にみられるように立脚期後半の足関節底屈モーメントピーク値は,小児において有意に低値を示した.年齢に関連した歩行パターンの変化の理解は小児の病的歩行の診断や治療において重要である.
  • 井田 敬大, 吉村 一朗, 金澤 和貴, 竹山 昭徳, 内藤 正俊, 井上 敏生
    2007 年 56 巻 1 号 p. 132-136
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    〈はじめに〉Freiberg 病の治療は病期の進行した症例について楔状骨切りを選択するのが一般的である.しかし病変が底側に及ぶ症例では適応外となる.今回晩期の Freiberg 病に対して骨軟骨柱移植術を施行したので報告する.〈症例〉30歳女性,中学生の頃より左第2趾 MTP 関節付近の疼痛が出現していたが放置していた.最近になり疼痛が増強したため当院受診.初診時レントゲン上 Gauthier 分類で Stage4の Freiberg 病を認めた.CT において遊離した骨片及び底側まで拡がる病変を認めた.楔状骨切りの適応外と判断,遊離した骨片と骨棘を切除した後に骨軟骨柱移植術を施行した.術後1週後より底屈のみ許可し,7週目より全荷重歩行とした.術後8ヵ月の現在経過良好である.〈まとめ〉晩期の Freiberg 病に対する骨軟骨柱移植術は有用な方法であると考えられる.
  • 生田 拓也, 久賀 太, 余 みんたく, 當銘 保則
    2007 年 56 巻 1 号 p. 137-140
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    足関節外果骨折に対し症例により CCS を用いた tension band wiring を用いて手術治療を行い,良好な結果を得ているので報告した.2000年以降に本法にて治療を行った症例は6例で,性別は男性4例,女性2例,年齢は平均 35.3歳であった.骨折型は Lauge-Hansen 分類に従うと SER stageII4例,SA stageII2例であった.全例,径3mm の CCS に suture wire を用い tension band wiring を行った.全例において解剖学的整復が得られており骨癒合が得られた.内固定材の折損や loosening は認められなかった.外果の疼痛を訴える症例はなかった.足関節外果骨折に対する固定法としては plate や tension band wiring による固定が一般的であるが,本法は骨片が小さい場合によい適応があり,骨片の小さい場合にも強固な固定が可能な有用な方法であると考えられた.
  • 三島 香織, 池田 聡, 有田 忍, 田中 伸哉
    2007 年 56 巻 1 号 p. 141-144
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    距骨外側突起骨折は比較的稀な骨折であり,初診時に見落とされることが多い.今回我々は,足関節外果剥離骨折を伴った距骨外側突起骨折を経験したので報告する.症例は67歳女性.平成17年4月,旅行中に階段を踏みはずし左足関節を背屈強制され受傷.同日近医受診.左足関節外果剥離骨折の診断にてシーネ固定され,2日後当院紹介受診.左足関節外果周囲の腫脹,疼痛,外果前面ならびに後面の圧痛を認めた.初診時単純 X 線像では,左足関節外果に剥離骨片を認めた.CT 再構築像にて距骨外側突起骨折も明らかとなった.後日外果部ならびに外側突起部を cancellous screw で整復固定した.術後3週目よりサポーター装着下にて部分荷重歩行を開始し,術後6週で1本杖歩行にて退院した.1年後抜釘し,経過良好である.距骨外側突起骨折は比較的稀な骨折で,しばしば見落とされる.今回我々が経験した症例は,診断に CT が有用であった.
  • 金澤 和貴, 吉村 一朗, 井田 敬大, 竹山 昭徳, 内藤 正俊, 井上 敏生
    2007 年 56 巻 1 号 p. 145-148
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    1996~2004年の間に治療を行ったリスフラン関節脱臼骨折は7例7足(全例男性)で,このうち陳旧例1例を除く6例6足に対し後ろ向き調査を施行した.年齢は21~58歳(平均34.7歳)で,経過観察期間は4~30ヶ月(平均15.3ヶ月)であった.骨折型は Hardcastle 分類で type A は3足,type B は2足,type C は1足で受傷原因は交通事故3足,労働災害3足であった.リスフラン関節脱臼骨折は見逃され陳旧化した場合やリスフラン関節の正確な整復を怠ると疼痛の原因になるため注意が必要である.
  • 竹山 昭徳, 金澤 和貴, 吉村 一朗, 井田 敬大, 内藤 正俊
    2007 年 56 巻 1 号 p. 149-152
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】若年者に起こった踵骨裂離骨折で術後皮膚壊死を生じた1例を経験したので報告する.【症例】28歳女性.2005年11月21日,走行中に転倒し(受傷肢位不明)歩行困難となったため当院受診.左踵部に骨性の隆起を認め,単純 X 線にて踵骨アキレス腱付着部裂離骨折を認めた.同日,経皮的にスクリュー固定術を行った.術後は軽度尖足位でシーネ固定とした.術後,スクリュー刺入部とは異なる部位に皮膚壊死を生じた.局所のデブリードマンを行い治療し,創治癒までに12週を要した.骨癒合は良好に得られ現在特に支障なく仕事復帰もされている.【考察及び結論】本骨折は皮膚壊死や固定後の再転位などの合併症をおこしたとの報告が多く,自験例でも受傷当日に手術を行ったにも関わらず皮膚壊死を生じた.壊死部位が軽度尖足位としたためにできた皺の谷部分であったことから軽度尖足位シーネの影響も示唆された.
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