整形外科と災害外科
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56 巻 , 2 号
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  • 川畑 英之, 中村 俊介, 栫 博則, 長嶺 智徳, 石堂 康弘, 井尻 幸成, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 2 号 p. 153-156
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】今回我々は,膝蓋大腿関節の大腿骨側に広範な欠損を生じ,膝屈曲障害を呈した離断性骨軟骨炎の一例を経験したので報告する.【症例】14歳男性.バスケットボール練習中に誘因なく膝関節痛を自覚.休息および保存療法にて軽快していた.平成18年1月に練習中に左膝激痛出現し,歩行不能となり当科受診した.【初診時現症】左膝腫脹あり,屈曲障害を認めた.単純X線およびCTにて膝蓋大腿関節の大腿骨側外側に軟骨下骨の不整を認め,MRIにて同部における広範な軟骨の欠損を認めた.【手術時所見】関節鏡にて完全に遊離し,膝蓋大腿関節外側に陥頓した軟骨片を認めた.切開を加え,母床を新鮮化し吸収性ピンにて固定した.【考察】膝蓋大腿関節の大腿骨側での離断性骨軟骨炎は比較的稀である.発生の要因および治療法についてもいくつかの報告がなされているが遊離軟骨片の大きさや年齢により予後が変わり,治療法の選択が重要と考える.
  • 中村 英一, 鬼木 泰成, 工藤 智志, 前川 剛史, 水田 博志
    2007 年 56 巻 2 号 p. 157-161
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】大腿四頭筋腱損傷に対し,自家腱を用いた腱補強修復術を行ったWerner症候群の1例を経験したので報告する.【症例】57歳,男性.約5年前より両踵部の難治性皮膚潰瘍が出現し,近医を受診.早老性顔貌や白内障などがみられ,Werner症候群と診断された.1年前風呂場で転倒した際,右膝を打撲し,以後歩行不能となったため,当科外来を受診した.大腿四頭筋総腱部に圧痛を認め,また陥凹を触知した.膝自動伸展は不能であった.X線上腱付着部剥離骨折と膝蓋骨低位を認め,大腿四頭筋腱損傷と診断した.緊急入院後,大腿四頭筋腱補強修復術を行った.補強は,人工靭帯は使用せず,患肢より半腱様筋腱を採取し,これを膝蓋骨下端に通した後,総腱内を8字状に通して膝屈曲60°で縫合した.術後11ケ月時,右膝関節の可動域は0-115°,伸展不全は10°で,踵部痛のため歩行距離は制限されているが,独歩可能である.
  • 村上 勝彦, 相谷 哲朗
    2007 年 56 巻 2 号 p. 162-164
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】変形性膝関節症に対して,NexGen LPS Flex(以下LPS)を用いたTKAを施行し,その術後短期成績について検討した.【対象と方法】症例は2002年6月以降,LPSを用いてTKAを行った55例70膝(男性7例,女性48例),手術時平均年齢76.7歳(64~89歳),術後平均経過観察期間23.3ケ月(3~45ケ月)であった.これらの術前・術後の関節可動域,立位膝外側角(FTA),JOAスコア,インプラントの設置角(α・β・γ・δ),tilting angle,lateral shiftについて調査した.【結果】術前・術後の関節可動域は伸展-9.3°が-5.9°,屈曲117.9°が115.2°とほとんど不変であったが,JOAスコアは49.9点が73.2点と良好な改善を認めた.また,130°以上の深屈曲可能となったものは10膝であった.【考察】LPSを用いたTKAの術後短期成績は良好であった.
  • 城戸 秀彦, 白澤 建藏, 入江 学, 山下 彰久, 緒方 淳也, 光安 浩章
    2007 年 56 巻 2 号 p. 165-170
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    TKAにおける術後感染は重篤な合併症のひとつであり,治療に難渋することが多い.当科において経験したTKA術後感染に対し,その治療法,術後成績を検討した.
    1998年4月より2005年12月までに当科において施行したTKA 276膝中,術後感染を3例(1.1%)で認めた.原疾患はRA 2例,OA 1例であり,全て術後1年半以降の遅発性感染であった.RA 1例,OA 1例はインプラント抜去,抗生剤含有セメントスペーサー留置後,2期的再置換術を施行した.残りの1例はMRSA感染であり,インプラント抜去,抗生剤含有セメントスペーサー留置後いわゆる切除関節形成術で経過観察中である.
    抗生剤含有セメントスペーサーを用いた2期的再置換術の2例は術後経過良好であり,TKA術後感染に有効な治療法であった.但し治療経過や起炎菌によって2期的再置換術が困難な例もあり,個々の症例に応じた治療方針の検討が必要と思われる.
  • 長嶺 隆二, 片井 憲三, 近藤 桂史
    2007 年 56 巻 2 号 p. 171-175
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    矢状面single radiusを持つStryker社Scorpioとwright社Advanceが実際にsingle radiusを持つか検証した.大腿骨sawboneの内外上顆にKワイヤーを通し,装置に固定してKワイヤーを中心に回転させ膝屈曲を再現した.屈曲90度から135度まで遠位方向よりデジタルカメラで撮影し,各画像をコンピューター上で処理した.次に各システムの解剖学的サイズとPS型TKAを想定して2サイズ大きいサイズを使用し通常の手技にてコンポーネントを挿入し,撮影を行い解析を行った.解剖学的サイズでは両システムとも上顆軸を中心としたsingle radiusを示した.しかし,2サイズ大きいサイズではradiusは大きくなり,その中心は近位へ移動した.PCL切離により膝屈曲位では関節裂隙が広がり1~2サイズ大きい大腿骨コンポーネントを使用するが,この場合,single radiusの意味が異なる.
  • 高口 太平, 小柴 民子, 駿河 保彰, 行田 義仁, 重盛 廉
    2007 年 56 巻 2 号 p. 176-178
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    大腿骨頚部骨折に対してハンソンピンを用いて従来の適応を拡大した骨接合術の治療成績を検討した.
    対象は2003年11月~2005年12月までにハンソンピンで治療した大腿骨頚部骨折37例(修正Garden分類別1:6例,2:10例,3a:16例,3b:3例,4:2例)で,X線評価(骨癒合状態)と歩行能力を検討した.
    追跡可能であった37例中,骨癒合は30例.骨癒合率は,Stage 1,2:100%,3a:88%,3b:0%,4:0% であった.Stage 3b,4では骨癒合,歩行能力の面からも不十分であった.再転位例中5例は術中整復不良,2例は長期ステロイド服用者,1例は透析患者であった.骨癒合には整復状態と骨脆弱性を来たす合併症が関与していると考えられた.適応はStage 3aまで可能と考えるが,3bと4に関しては合併症のデメリットを症例ごとに十分検討し,手術法・後療法を含めた治療方針を決定すべきである.
  • 山下 彰久, 白澤 建藏, 城戸 秀彦, 入江 学, 緒方 淳也, 光安 浩章
    2007 年 56 巻 2 号 p. 179-182
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    高齢者大腿骨骨頭下骨折に対するCannulated Cancellous Screw(以下CCSと略す)固定術は臨床的に確立された手術手技である.術後合併症では,偽関節,外傷性大腿骨頭壊死が時に認められるものの,インプラント周囲骨折の頻度は比較的少ない.我々は高齢者CCS術後転子下骨折を3例経験した.術後転子下骨折を来した要因としては,遠位スクリューの挿入位置,挿入角度,ワッシャー非使用などの手技的要因に加え,骨脆弱性が関与したものと推察された.
  • 成田 健, 野口 蒸治, 下山 議七郎, 篠崎 俊郎
    2007 年 56 巻 2 号 p. 183-187
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    当院では大腿骨頚部骨折転位型に対して症例に応じてHansson pinによる骨接合術を施行している.今回,同時期に施行した人工骨頭置換術との比較検討を行ったので報告した.対象はハンソンピンによる骨接合術13例と人工骨頭置換術14例とした.
    骨接合術においては術後合併症の発生が6例,46%と高率となる傾向があったが,再手術に至る症例は3例,23%とある程度限定された.人工骨頭置換術では術前の歩行能力の維持が6例,43%であった.又,術後早期の死亡を3例認めた.人工骨頭置換術は骨接合術より侵襲の大きいため,症例に応じて骨接合術も試みられていい方法であると思われた.当院では高齢者でも術前に整復可能と判断した場合にはまず骨接合術を考慮するが,陳旧例や,後療法阻害因子の存在,骨粗鬆症が高度の場合には人工骨頭置換術の適応と考えている.今後の課題として,骨接合術に対するcontraindicationの明確化が必要と思われた.
  • 山下 彰久, 白澤 建藏, 城戸 秀彦, 入江 学, 緒方 淳也, 光安 浩章
    2007 年 56 巻 2 号 p. 188-192
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    大腿骨転子部骨折治療におけるAsian Intramedullary Hip Screw(A-IMHS)の特性及び問題点について検証した.【対象と方法】2005年4月から12月までにA-IMHSを使用し術後2週以上フォローできた症例を対象とした.症例は34例,平均年齢は84歳,平均観察期間は2.8ケ月であった.これらの症例で,手術侵襲,ラグスクリュー先端の位置,術後スライディング,カットアウトなどの合併症に関して調査した.【結果】平均手術時間は59.8分,平均出血量は44.4mlであった.ラグスクリュー先端の位置は前後像で骨頭上半分,軸写で骨頭中1/3のパターンが55.9%と最も多かった.術後スライディングは平均2.3mmであった.術後合併症としては1例に骨頭内カットアウトを認めた.【まとめ】本システムは大腿骨転子部骨折手術において有効な内固定システムであると考えられた.
  • 屋良 貴宏, 石田 洋一郎, 花岡 篤哉, 今村 竜治, 田口 敏彦
    2007 年 56 巻 2 号 p. 193-196
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    当院関連病院で治療した,大腿骨近位部骨折を伴う90歳以上の骨粗鬆症患者の機能予後および生命予後について検討した.対象は1996年から1998年までの3年間に入院治療を行った48例(男性7例,女性41例)であり,全例に観血的手術が行われた.生命予後に有意な影響を与える因子として,術前全身状態,受傷前歩行能力,術前合併症数,椎体骨折数,骨折タイプ,術式が挙げられ,術前全身状態が悪く,受傷前歩行能力が低く,術前合併症数や椎体骨折数が多く,内側骨折,人工骨頭例で生命予後が劣っていた.機能予後に有意な影響を与える因子として,術前全身状態,術前後の痴呆が挙げられ,痴呆の重い症例ほど術後の歩行再獲得率は劣っていた.超高齢者の大腿骨近位部骨折の治療は,単に骨折部を治療するだけではなく,骨粗鬆症,痴呆などを含む全身状態が大きく関与しており,これらに対する多方面からの総合的アプローチが必要である.
  • 生田 拓也, 久賀 太, 余 みんたく, 當銘 保則
    2007 年 56 巻 2 号 p. 197-201
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    MIPO法を用いて脛骨骨折に対して手術治療を行ったので,その有用性を検討した.2003年10月より2005年12月までにMIPO法を用いて手術治療を行った脛骨骨折の症例は20例で,内訳は近位端骨折7例,近位~骨幹部骨折1例,骨幹部骨折2例,遠位~骨幹部骨折1例,遠位端骨折9例であった.また,骨端線閉鎖前の症例は3例(11歳1例,14歳2例)であった.全例,MIPO法を併用してLCPを用いて固定を行った.plateやscrewのlooseningや折損例はなかった.また感染例もなかった.脛骨遠位端骨折の1例に骨癒合の遷延を認めたが,全例で骨癒合が得られた.経過中,術直後の固定状態の矯正損失例はなかった.MIPO法は骨幹端部骨折がよい適応で,髄内釘の適応とならない骨幹部骨折に対して有用であると考えられた.
  • 山下 彰久, 白澤 建藏, 城戸 秀彦, 入江 学, 緒方 淳也, 光安 浩章
    2007 年 56 巻 2 号 p. 202-206
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    下肢長管骨骨折に対して適応を限定したminimally invasive plate osteosynthesis(以下MIPO)を施行した6例を報告する.症例は大腿骨遠位端骨折2例,下腿骨折4例であった.全例にLocking Compression Plateを使用した小切開によるMIPOを施行した.術後,脛骨近位端骨折の1例に変形癒合を合併した.また,大腿骨遠位端開放骨折の1例は術後にMRSA深部感染を併発したがプレートは温存しえた.MIPOは,開放性骨折,糖尿病合併,皮膚・軟部組織損傷を伴い髄内釘が困難である症例に良い適応と考える.また,関節近傍骨折においても透視,関節鏡などの補助手段を併用して応用可能である.当科におけるMIPOの現状を報告する.
  • 宮里 朝史, 古川 雄樹, 川畑 亜矢人, 馬渡 玲子, 辻 王成, 濱崎 将弘, 吉野 興一郎, 重盛 廉
    2007 年 56 巻 2 号 p. 207-210
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    高エネルギー外傷による大腿骨骨幹部骨折において大腿骨近位部骨折を併発する事がある.その際初診時での近位部骨折が見逃される例も多く注意が必要である.今回両側の大腿骨近位部・骨幹部骨折の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.57歳男性.交通事故により受傷.初診時レントゲン上,右大腿骨骨幹部開放骨折,左大腿骨骨幹部骨折,右脛腓骨開放骨折,その他多発骨折を認めた.同日,右大腿骨・脛骨の開放骨折に対し洗浄・デブリドマンを行い創外固定施行.その他骨折に対し待機的に観血的骨接合術となる.左大腿骨骨幹部骨折に対し髄内釘による固定術を施行.術後のレントゲンにて転子部骨折が確認され再手術となる.さらに右大腿骨にも頚部骨折が確認されたため骨接合術が追加となった.術後感染等なく両側近位・骨幹部ともに骨癒合が得られた.
  • 鮫島 浩司, 川内 義久, 丸山 裕之, 佐々木 裕美, 横内 雅博, 井尻 幸成, 石堂 康弘, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 2 号 p. 211-213
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】脊椎感染症に対し,保存治療に高気圧酸素療法を併用し良好な結果を得たので報告する.【方法】対象は8例(男5例,女3例),年齢は15~83歳(平均65.2歳)であり,疾患は椎体椎間板炎6例(頚椎1例,胸椎2例,腰椎3例),腰椎硬膜外膿瘍2例であった.感染原因は血行感染6例,硬膜外チューブ1例,星状神経節ブロック1例であった.保存治療計画は,患部穿刺や血液培養などにて起因菌を同定の後,抗生剤投与および高気圧酸素療法を10~20回を目安に実施した.【結果】治癒(CRP陰性化)6例,軽快(CRP低下)2例であった.治療開始より退院までは10~60日(平均34.2日)であった.起因菌は,MSSA 2例,MRSA,肺炎球菌,溶連菌,真菌がそれぞれ1例,不明2例であった.神経症状のない脊椎感染症には,保存治療が第一選択であるが,高気圧酸素療法を併用することにより良好な成績が得られた.
  • 大宮 博史, 岡嶋 啓一郎, 阿部 靖之, 田上 学, 村上 直也, 森 信太郎
    2007 年 56 巻 2 号 p. 214-216
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    近年,脳・心血管障害の為に抗凝固薬内服中の患者が増加している.脊椎手術に関して,術中出血・術後血腫等の危惧にて,術前の内服中止が一般的である.当科ではここ数年,年間1~2人の周術期脳梗塞を経験した為2005年2月から内服継続で脊椎手術を行っている.これ以前の脊椎手術447例と以後の424例について危険因子・出血量(術中・術後)・ドレーン留置期間・術後合併症等を比較した.内服歴のないA群・内服継続B群・内服中止C群で比較すると,B・C群は高齢で生活習慣病が多く,脳・心血管障害の既往が有意に多かった.ドレーン留置期間は変わらず,B群で術中出血が約50cc,術後出血が約100cc多かった.周術期脳梗塞はB群には認めず,術後胸痛発作は各群に認められた.術後血腫による再手術は無かった.脊椎手術でも合併症の多い高齢者が増えており,周術期の脳・心血管障害は重篤である.神経内科・循環器科は周術期抗凝固療法の継続を推奨しており再考の必要がある.
  • 瀬尾 健一, 河村 誠一, 今澤 良精, 佐々木 伸一, 喜多 正孝
    2007 年 56 巻 2 号 p. 217-221
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【目的】当科では関節リウマチ患者において肘関節破壊の著しい症例に対して非拘束型の人工肘関節置換術を行ってきたので報告する.【方法】対象は,2002年から2005年までに人工肘関節置換を施行し,経過観察しえた7例8肘である.全例女性で,手術時年齢35~73歳(平均年齢60.9歳)で,経過観察期間3ケ月~2年5ケ月(平均1年2.5ケ月)だった.術前X線はLarsenのX線分類でgrade4が7肘,grade 5が1肘,使用機種は工藤式type 5が7肘,MNSKが1肘であった.【結果】JOAスコアは術前平均35.1点から術後78.1点に改善した.合併症は,術後2ケ月で亜脱臼を生じるようになったのが1肘だった.【考察】短期成績ではあるが,高度に破壊されたRA肘に対して,非拘束型人工肘関節置換術は有効な手段となるが,過度の負担をかけないように,日常生活には配慮を要する.
  • 藤原 稔史, 白仁田 厚
    2007 年 56 巻 2 号 p. 222-227
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    【対象】5例5足(男性2例女性3例)で,手術時年齢は平均14.2歳(11~17歳),全例Veitch分類のtype 2,術後経過観察期間は平均6.8ケ月(3ケ月~1年)であった.【方法】小皮切にて径1.5mmのK-wireによるDrillingを行い,径1.5mmのPLLA thread pin 1本で固定した.後療法は術後1週で歩行ギプス固定にて荷重開始,3~4週でROM訓練開始,4~5週で全荷重歩行,6~10週間でスポーツ復帰を許可した.【結果】疼痛消失期間は平均4.4週(3~8週),スポーツ復帰可能は4例中3例,骨性癒合は4例であった.立位X線側面像でMeary角は術後3ケ月で4例に増加をみたが,有意差はなかった.【考察】Drillingに抜釘不要であるPLLAピンを併用することで骨性癒合率の向上と,10代前半のみでなく10代後半にも骨性癒合が期待できる有用な方法と考えられた.
  • 新垣 薫, 大湾 一郎, 砂川 憲政, 大嶺 啓, 山口 健, 城間 隆史, 池間 康成, 金谷 文則
    2007 年 56 巻 2 号 p. 228-232
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    人工股関節置換術後の股関節部痛の鑑別疾患として人工関節の感染,臼蓋コンポーネントのloosening,恥骨の不顕性骨折,腰椎疾患,腹部疾患などがある.今回,人工股関節置換術後に鼠径部痛を来たし,腸腰筋腱炎の診断にて腸腰筋腱切離術を施行し,疼痛が消失した症例を経験したので報告する.症例は57歳,女性.平成11年右THA,平成12年左THAを施行し,右THA術後4カ月頃より右鼠径部痛を自覚.血液検査所見,骨シンチ,関節穿刺液の培養検査より感染は否定的で,鎮痛剤により経過観察したが疼痛改善を認めなかった.関節内への局麻剤の注入にて一時的に症状が改善し,関節造影にて臼蓋カップの前方に腱性索状物が造影され,身体所見と併せて腸腰筋腱炎と診断.手術にて腸腰筋腱の切離を行ったところ術後は鼠径部痛が消失し,現在は疼痛なく経過.人工股関節置換術後の腸腰筋腱炎は臼蓋カップ辺縁が前方に突出する場合に生じることがあり,術後疼痛の鑑別疾患として念頭におく必要がある.
  • 光井 康博, 西岡 英次, 二宮 康明, 永田 見生
    2007 年 56 巻 2 号 p. 233-236
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    2000~2004年に当院で踵骨骨折と診断した症例のうち,手術を施行した10例(男性6例,女性4例)を対象とし,分類・治療法について検討を行った.平均年齢58.4歳.観察期間は平均9ヶ月であった.単純X線によるEssex-Lopresti分類及びCTによるSanders分類に従い分類した.Westhues変法8例.外側進入法による観血的整復固定術2例施行し,Maxfield法で臨床評価を行った.Westhues変法を施行した症例にfairが1例あったが,その他の症例はgood以上と良好な成績であった.術前に骨片の転位,関節面の適合性を正確に把握する為に,Essex-Lopresti分類による評価だけでなく,CTによるSanders分類を用いて骨折型に応じた治療方針を決定すべきである.
  • 鎌田 聡, 副島 修, 西尾 謙吾, 唐島 大節, 内藤 正俊, 田原 敬士
    2007 年 56 巻 2 号 p. 237-241
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    今回我々は,有鉤骨鉤偽関節に小指屈筋腱損傷を合併したゴルフシングルプレイヤーの1症例を経験し,ゴルフを継続したいというニーズに対して高い満足度を得たので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は57歳男性.ゴルフ中に振り上げたクラブが枝に引っ掛かったままスイングし左手受傷.左手掌部痛が出現した.受傷後1ヶ月頃より左小指屈曲制限も出現した.数箇所の病院を受診するも詳細不明とのことで,受傷後3ヶ月で当科紹介受診となった.術前の単純X線CT.MRIにて有鉤骨鉤偽関節および小指屈筋腱損傷が明らかになり,骨片摘出・腱縫合術を施行した.術後7ヶ月の現在,支障なくシングルプレーヤーとしてゴルフを再開している.
  • 森本 忠嗣, 浅見 昭彦, 前田 和政, 釘本 康孝, 可徳 三博
    2007 年 56 巻 2 号 p. 242-245
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    前立腺癌の硬膜外転移に対してホルモン療法を行い,短期間に腫瘍の縮小がみられた1例を経験したので報告する.【症例】80歳,男性【現病歴】体動困難な腰痛・右下肢痛のため,当院に救急搬送された.右下腿外側から足背にかけての痛覚低下を認め,右前脛骨筋が2レベルと低下していた.腰椎MRIでは,L5椎体背側にφ2cm程のT1高信号,T2低信号の硬膜外病変を認めた.血液生化学所見ではALP 3030IU/l,PSA 57.7ng/mlと高値を示し,骨盤CTで前立腺異常を指摘された.泌尿器科にて前立腺癌と診断されたため,前立腺癌の腰椎硬膜外転移(による右L5根症)と診断し,ホルモン療法を開始した.ホルモン療法開始後3日で腰下肢痛は軽減し,右前脛骨筋は4レベルに改善した.10日後のMRIでは,腫瘍は著明に縮小していた.半年後のMRIでも腫瘍の縮小は維持され,疼痛の再燃や神経学的所見の悪化は認めていない.
  • 三好 晋爾, 佐藤 栄, 野原 博和, 金谷 文則
    2007 年 56 巻 2 号 p. 246-250
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    黄色靭帯嚢腫で臨床症状を呈した5症例(6嚢腫)を報告する.【対象と方法】全例男性,年齢56~87歳(平均61.5歳).全例,摘出後の病理検査にて本症と診断した.術後経過観察期間は3~37ヵ月(平均11.5ヵ月).臨床像と病理所見を検討した.【結果と考察】全例が下肢痛を,4例は間欠跛行を訴えていた.MRI上,嚢腫は片側硬膜の後方に存在し,T2強調像で内部の高輝度域を輪状の低輝度が取り囲む所見であった.3例では準ラブ法により,1例ではSCD(半全周性除圧)により,開窓術後に生じた1例ではen-block laminectomyにより,嚢腫を摘出した.術中所見では嚢腫は黄色靭帯内に存在し,病理検査で線維性嚢腫壁が懐死組織を取り囲む像であった.腰椎スコアは術前平均13点,術後25点,平均改善率は79%であった.摘出後1年で同一椎間の反対側に本症を発症した1例を経験し,術後の経過観察が必要と考えた.
  • 吉松 弘喜, 濱田 哲矢, 草場 信秀, 仲摩 憲次郎, 西田 俊晴, 中村 英智, 田中 憲治, 山下 寿, 吉田 健治, 後藤 琢也, ...
    2007 年 56 巻 2 号 p. 251-253
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    過去7年間に新たに多発性骨髄腫と診断された19例について調査した.男性9例,女性10例,年齢は33~88歳であった.腰痛を有するものは12例,初発症状として腰痛を認めたものは9例であった.診断までに整形外科受診を行っていた症例は11例で,整形外科受診が診断の契機となった症例は4例にすぎなかった.診断の契機としては,15例が血液検査異常,特に血清蛋白の高値8例,貧血7例,蛋白分画異常7例であった.また,整形外科受診時の診断名は6例が脊椎圧迫骨折,3例が変形性脊椎症などであった.MRIを施行した15例中,多発性骨髄腫の所見を認めるものは7例であった.多発性骨髄腫の多くが腰痛を有し,初発症状として腰痛を認め,整形外科受診を行う可能性が高いことがわかった.頑固な腰痛・増強する腰痛や付随症状を有する腰痛に対しては血液検査,尿検査,MRIの精査が必要であると思われた.
  • 楊 昌樹, 大賀 正義
    2007 年 56 巻 2 号 p. 254-257
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    近年,METRx Systemをはじめとするチューブラーレトラクターを使用する低侵襲手術が急速に普及しつつある.手術法を工夫して進入側の椎間関節の温存をはかっているが,上位腰椎に手術を行った際に椎間関節の過切除となる症例もあった.そこで,渡辺らが考案した棘突起縦割式椎弓切除術をMETRx-MD法に応用したところ,片側進入の欠点が解消し,術後成績も良好であったので報告する.症例は腰部脊柱管狭窄症で後方徐圧術を行った14例(男性8例,女性6例),平均年齢73.2才,平均経過観察期間75.7日間である.術前平均JOA scoreは16.7点から24.1点に改善していた.術中出血は10-195g(一椎間平均出血は23.5g)と少量であった.手術時間は58-296分(一椎間あたりの平均は88分)であった.棘突起正中縦割進入MD法は上位腰椎でも椎間関節の温存ができ,左右対称の視野がえられ,棘突起のレバーアーム機能も温存ができる手術法で,上位腰椎の症例のみならず勧められる方法である.
  • 城戸 秀彦, 白澤 建藏, 入江 学, 山下 彰久, 緒方 淳也, 光安 浩章
    2007 年 56 巻 2 号 p. 258-262
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    当科におけるLPS Flex TKAのmobile bearing 55膝とfixed bearing 30膝の術後可動域及び短期成績について比較検討した.術後可動域はmobile群がfixed群に比べ比較的早期に改善したが,最終観察時の屈曲達成率はmobile 105.0%,fixed 105.7%と両群間に有意差なく,共に短期成績は良好であった.深屈曲はmobile bearingの効果のみで達成できるものではなく,手術手技の工夫等様々な要因が関与しており,当科においては特に深屈曲を得るための手術手技の工夫(posterior clearance)と厳密な軟部組織バランス調整が,良好な術後屈曲達成率を獲得できた大きな要因と考えている.mobile bearingの意義は深屈曲の達成と耐久性の両立であるが,生体内の動態解析でもまだ不明な点が多く,今後の長期成績に期待しつつも,注意深い経過観察が必要である.
  • 益田 宗彰, 王寺 享弘, 徳永 真巳, 宮城 哲, 吉本 栄治, 松田 秀策, 碇 博哉
    2007 年 56 巻 2 号 p. 263-266
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    変形性膝関節症に対し,NexGen LPS-Flex(以下LPS)を用いた人工膝関節置換術(以下TKA)施行後,2年以上経過観察した成績につき検討した.2001年以降,LPSを用いたTKAを行った118名150膝(男性12,女性106),手術時平均年齢72.3歳(59~85歳),平均経過観察期間2年10ケ月(2~4.2年)であった.機種の内訳はMobile 16膝,Fixed 134膝であった.術前・術後の可動域は伸展-9.6°が-0.97°,屈曲121.3°が124.4°,JOAスコアは51点が83.9点,Knee Scoreは34.2点が94.2点,Functional Scoreは35.5点が77.8点といずれも良好な改善を認めた.また,130°以上の深屈曲可能となったものは67膝であった.LPSを用いたTKAの術後短期成績は良好であったが,今回の検討ではMobile type,Fixed typeの機種別での有意な差は認めなかった.
  • 藤林 功, 小河 賢司, 北島 将, 重松 正森, 小峯 光徳, 馬渡 正明, 佛淵 孝夫
    2007 年 56 巻 2 号 p. 267-269
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    急速破壊型股関節症(以下RDC)の病因・病態は未だ明らかでなく,我々はこれまでRDCの画像及び摘出骨頭所見にて病型・病期分類や,関節滑膜内破骨細胞の存在について報告してきた.そこで,今回は骨頭圧潰型に分類したRDCの病期とその関節滑膜内破骨細胞数との関係について検討した.対象は骨頭圧潰型RDC 13例14股及び,経過の長い変形性股関節症33例33股とした.StageI・IVでは,滑膜そのものの採取が困難であり,stageII・IIIで滑膜内破骨細胞を多数認めた.RDCの原因として,構築・力学的要因と免疫・生化学的要因の関与が示唆されているが,病期による変化をみた報告は数少ない.今回の検討にて,RDCの進行には破骨細胞の活動性が関与している事が示唆された.その病因・病態を検討する際には病型ばかりでなく,病期も考慮する必要性があると思われた.
  • 有島 善也, 川畑 英之, 長嶺 智徳, 栫 博則, 横内 雅博, 濱田 裕美, 藤元 祐介, 石堂 康弘, 井尻 幸成, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 2 号 p. 270-273
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    (目的)キアリ骨盤骨切り術施行時と内固定材料抜釘時に股関節鏡を行い,鏡視所見と治療成績について検討した.(対象と方法)2001年以降のキアリ症例44例47股中,鏡視を行い得た10例10股(全例女性)を対象とした.手術時平均年齢は43歳で,抜釘術までの期間:平均1年1ケ月,病期分類は進行期3例,末期7例であった.評価はJOAスコアと種田分類を用いた.(結果と考察)JOAスコアは48点から74点に改善していた.種田分類では多くの症例で変化なかった.疼痛などの臨床所見はよく改善されていたが,関節鏡所見の変化は乏しく,臨床成績との関連性は明らかではなかった.またキアリ変法に関節内処置を併用することが,どれほど臨床成績の向上に貢献しているかも不明であるため,今後長期にわたる経過観察が必要であると思われる.
  • 本家 秀文, 河野 俊介, 園畑 素樹, 馬渡 正明, 佛淵 孝夫
    2007 年 56 巻 2 号 p. 274-276
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    人工股関節全置換術(以下THA)を行う際に,術前に内転拘縮を認める例では術後の外転可動域の改善を目的として内転筋腱切離を行うことがある.当科ではこの手技を行っていないが,多くの症例で内転拘縮の改善が経過中に得られており検討を行った.1998年9月から2000年7月までに当科にて行った片側THA 122例を対象とした.術前最大外転可動域を用いて高度内転拘縮群,軽度内転拘縮群,内転拘縮なし群の3群に分類し,術前と最終診察時の可動域について検討を行った.全例で内転筋腱切離は行っていない.3群とも術後に外転可動域の改善が得られ,高度内転拘縮群では術前-3°から術後24°へ,軽度内転拘縮群では8°から30°へ,内転拘縮なし群では22°から29°へそれぞれ改善した.術後可動域は3群間で有意差を認めなかった.術前に内転拘縮が強い例であっても,内転筋腱切離は必ずしも必要でないと考えられた.
  • 川村 英樹, 山元 拓哉, 長友 淑美, 鶴 亜里沙, 石堂 康弘, 横内 雅博, 井尻 幸成, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 2 号 p. 277-281
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    25歳女性.妊娠34週突然左腰殿部痛出現.仙骨硬膜外ブロック施行されるも疼痛軽減せず当院産科に緊急搬送となる.入院時疼痛強く仰臥位不能,左仙腸関節部に圧痛を認めた.発熱,炎症所見(白血球数9400/μl,CRP 11.91)があり,骨盤部MRI上左仙腸関節周囲の信号変化,また血液培養,カテーテル尿培養よりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を認め,尿路感染に伴う菌血症により発生した化膿性仙腸関節炎と診断し,セファゾリンによる抗菌化学療法を開始.症状改善し妊娠39週にて帝王切開により出産.母子ともに経過良好であり産後3週自宅退院となる.仙腸関節は菌血症性関節炎の好発部位の一つであり,妊娠にともなう子宮の増大等が誘因と考えられた.胎児への影響を考慮する必要があるため診断,治療に難渋するが,妊婦の腰殿部痛の原因として化膿性仙腸関節炎も鑑別する必要がある.
  • 土屋 邦喜, 山岡 和弘, 宮城 光晴, 岡村 武志
    2007 年 56 巻 2 号 p. 282-286
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    頚椎前方除圧固定術を施行した血液維持透析患者8名の術後経過を検討した.術前の症状は全例脊髄症であった.8例中6例で2度以上の矯正損失が見られた.骨癒合は6例に得られ2例が偽関節となった.骨癒合を得られた症例の平均骨癒合期間は9ヶ月と骨癒合には長期を要した.神経症状の改善率は平均53.8%でおおむね良好であった.周術期には一過性不整脈を1例に認めたがその他重篤な合併症は見られなかった.経過観察中2名が手術と直接関係ない理由で死亡した.術後平均骨癒合期間は平均9ヶ月と長期を要し,術後矯正損失は平均11.5度でさらに2例が偽関節となったことから今後はインストゥルメントを併用した後方法単独あるいは前後合併手術を検討すべきと考えられた.
  • 浅見 昭彦, 釘本 康孝, 森本 忠嗣
    2007 年 56 巻 2 号 p. 287-289
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    前・後骨間神経麻痺における神経のくびれはその成因として着目されている.しかし,下肢の神経におけるくびれの存在は我々の渉猟し得た限りではない.今回,左総腓骨神経麻痺の術中所見で神経にくびれが存在した症例を経験したので報告する.症例は74歳,女性.RAにて平成15年4~5月に両側THA,左TKAを行ったが,特に誘引なく6月始め頃より左総腓骨神経麻痺症状が出現した.完全麻痺であったこと,原因不明であったこと,Tinel様微侯がなかったこと,1ヶ月保存的治療を行うも改善傾向がなかったことから7月に神経剥離術とRAのためのADL障害を考慮に入れて機能再建術を行った.術中所見では神経剥離を行うと浅腓骨神経にくびれがみられた.再建術は後脛骨筋腱を移行するWatkins-Barr法に準じて行った.本症例は神経にくびれがみられたことにより,多数回手術によるストレスが原因での神経炎の可能性があると思われた.
  • 白地 功, 福田 浩子, 内川 知也
    2007 年 56 巻 2 号 p. 290-293
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    当院では2003年1月にMDM社製双軸固定型インプラントシステム使用例にて,SCREWの骨盤内穿破を経験した.その経験後,使用器材をCHSや単軸型や双軸型に変更し使用してきた.そして2003年9月より双軸型インプラントで,SCREWとPINがSTEMに固定でき,回旋防止機能を有したTARGON PF NAILを使用している.今回その使用経験につき報告する.2003年9月より2005年3月までに当院にて手術を行った59例(男性8例,女性52例)を対象とした.年齢は48歳から98歳(平均82.4歳).使用角度は125°46例,130°13例であった.手術平均時間は59分,術中出血量は平均36.5ml.85%の症例でLag screwは至敵位置に挿入されていた.Telescoping量は平均1.15mmであった.術後3ヶ月以上経過した症例について全症例骨癒合認めた.1例原因不明の表皮壊死にて早期抜去,1例Support SleeveのBack outを認めたがCut Outをきたしたものはなく,良好な結果を得た.
  • 森本 忠嗣, 浅見 昭彦, 釘本 康孝, 中尾 俊憲, 鶴田 敏幸
    2007 年 56 巻 2 号 p. 294-297
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    安静時症状は軽度であるが,歩行負荷試験により症状の再現の得られた胸腰椎移行部の硬膜内髄外腫瘍(神経鞘腫)の2例を報告する.(症例1)主訴は夜間や労作時の腰痛・右下腹部痛(症例2)主訴は歩行時の右下肢痛.2例とも歩行負荷時に上記症状の再現が得られ,2例ともT12高位の硬膜内髄外腫瘍であり,組織診断は神経鞘腫であった.(考察)胸腰椎移行部の脊髄腫瘍は,多彩な症状を呈するため,診断に長期間を要することも稀ではない.そのため,症候の知見の集積の重要性が認識され,多数の報告がある.今回の結果から,本症において歩行負荷時に症状の再現が得られた.すなわち,安静時症状が軽度の症例でも症状誘発テストである歩行負荷テストにより多様な症状が顕在化し,同行した医師により刻々と病態把握が可能であった.本試験により,症候に関する新たな知見が得られる可能性,そして,より病態に迫りうる可能性がある.
  • 吉光 一浩, 吉田 健治, 田中 憲治, 中村 英智, 西田 俊晴, 吉松 弘喜, 増田 賢一, 後藤 琢也, 山下 寿
    2007 年 56 巻 2 号 p. 298-302
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    脛骨プラトー骨折の観血的治療成績に関して,術後成績に影響をおよぼす因子について検討した.2000年1月から2004年12月の間に脛骨プラトー骨折に対し観血的治療を行い,術後6か月以上追跡可能であった33例33膝を対象とした.治療法として内固定にプレートを用いた症例は32例であり,人工骨を併用したものは19例であった.全例で骨癒合が得られた.Hohl & Luckの機能的評価では,excellent:22例,good:10例,fair:1例であった.関節面の陥没の進行により治療成績が悪化する傾向がみられ,関節面の陥没,内外反の変位と関節症変化との関連性が示唆された.全例で骨癒合が得られ,短期ではおおむね良好な治療成績を得ることができた.
  • 竹山 昭徳, 吉村 一朗, 金澤 和貴, 内藤 正俊
    2007 年 56 巻 2 号 p. 303-305
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/01
    ジャーナル フリー
    末期変形性足関節症に対して鏡視下固定術を施行した一例を経験した.症例は足関節骨折の既往のある55歳男性で,当院受診時には末期変形性足関節症を呈していた.年齢,活動性を考慮し,鏡視下足関節固定術を施行した.手術は前方の3portalから径2.7mmの関節鏡を用いて行った.シェーバーで滑膜切除を行った後に,鋭爬やアブレーダーを使用し出血が確認できるまで軟骨と軟骨下骨の掻爬を行った.足関節を底背屈0°,軽度外反・外転に保持し,レントゲン透視下に6.0mmの中空スクリュー3本で固定した.術後6週間膝下ギプスで免荷後に荷重を開始した.術後10週で骨癒合が得られ,疼痛や合併症はなく良好な経過である.諸家の報告と同様に,変形が軽度の場合有用な治療法であると思われた.
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