整形外科と災害外科
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56 巻 , 4 号
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  • 石田 康行, 帖佐 悦男, 矢野 浩明, 山本 恵太郎, 河原 勝博, 田島 卓也, 小牧 ゆか, 樋口 誠二, 酒井 健, 海田 博志
    2007 年 56 巻 4 号 p. 525-528
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】神経麻痺を伴った腱板断裂の治療法は見解が分かれる.我々は肩関節脱臼後に腋窩神経麻痺を伴った腱板広範囲断裂2例に対し鏡視下腱板修復術を行い良好な成績を得たので報告する.【症例1】60歳,男性.転倒し右肩関節受傷.右肩自力挙上困難にて受傷後6週で初診.右三角筋に筋萎縮,右肩外側に痺れ感を認めた.受傷後3ヶ月で鏡視下腱板修復術施行した.JOA scoreは術前31点が術後1年で94点に改善した.【症例2】47歳,男性.転倒し右肩関節受傷.右肩自力挙上困難にて受傷後3週で初診.右三角筋の筋萎縮,右肩外側に痺れ感を認め,EMGにて右三角筋に安静時脱神経電位を認めた.受傷後1ヶ月で鏡視下腱板修復術を施行した.JOA scoreは術前45点が術後6ヶ月で93点に改善した.【考察】腱板の変性を考えると断裂が大きい場合は神経の回復傾向がみられたら早期に手術を考慮していいのではと考える.
  • 小川 光, 小島 哲夫, 溝口 知行, 後藤 健志, 上新 淑文, 花田 麻須大
    2007 年 56 巻 4 号 p. 529-532
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    平成13年1月~平成18年8月に,受傷から手術まで6ヶ月以上経過した舟状骨骨折遷延癒合症例に対し小切開手術を行った10例の報告をする.症例は,男性8例・女性2例,手術時年齢は平均30.3歳(18歳~65歳)であった.受傷から手術までの期間は平均11.2ヶ月(6~24ヶ月),Herbert分類はType D1 8例,Type D2 2例であった.手術時間は平均20.4分で,すべて初回手術の症例で術前の変形はなかった.結果は1例をのぞき骨癒合が得られ,術後の合併症は認められなかった.日本手の外科学会の手関節機能評価は,8例中Excellent 7例,Good 1例であった.
  • 古江 幸博, 佐々木 誠人, 永芳 郁文, 本山 達男, 南 達也, 川嶌 眞之, 後藤 剛, 川嶌 眞人, 田村 裕昭
    2007 年 56 巻 4 号 p. 533-535
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    舟状骨偽関節が原因と考えられた長母指屈筋腱皮下断裂の1症例を経験した.症例は53歳,男性.右手のむくみ感,違和感を感じた後,右母指IP関節の屈曲が不能となった.中学生時に右手関節外傷の既往があるが放置していた.X線画像では舟状骨の偽関節が認められた.理学所見とMRIから長母指屈筋腱断裂と診断した.MRIは診断に非常に有用であった.手術は,舟状骨遠位骨片摘出と長掌筋腱の腱移植を行った.結果は,可動域制限が残ったものの,ピンチ力の改善によって,患者の高い満足度が得られた.今回我々は,腱移植と舟状骨遠位骨片摘出を行ったが,遠位骨片摘出については母指の短縮,ピンチ力の低下など今後の経過を診ていく必要があると考える.
  • 尾上 英俊, 木村 一雄, 松永 和剛, 濱田 賢治, 山口 史彦, 中村 厚彦, ファン ジョージ
    2007 年 56 巻 4 号 p. 536-537
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    有鉤骨鉤骨折の自然治癒例と思われた1例を経験したので報告する.症例:19歳男性 バイク走行中に左手をついて転倒した.初診時のX線では異常を認めなかったため,外固定は行われなかった.受傷後1ヵ月,軽度の疼痛が持続するためCTを行い鉤基部に骨折を認めた.ギプス固定を勧めたが同意が得られず,大学生として普通に生活した.受傷後3ヵ月のCTで骨の連続性を認め,受傷後8ヵ月の最終調査時には完全に骨癒合し,全く症状を認めなかった.この症例は挫創のため約1ヵ月手を使えなかったこと,非利き手であったこと,バイクに乗らなかったことが骨癒合に有利に働いたと考えられた.しかし骨折に対するギプスや低出力超音波パルスなどの医学的な治療は行っていないにもかかわらず骨癒合が得られた.
  • 中寺 尚志, 木原 清
    2007 年 56 巻 4 号 p. 538-541
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】整形外科的選択的痙性コントロール術(OSSCS)は脳原性障害児者の機能再建術として有効な手技であるが腱の延長量は術者の経験によるところが大きい.我々は私の考えた腱延長量の基準に従い手術を施行してきた.今回,麻痺性尖足の手術成績と延長量について考察したので報告する.【対象】脳原性障害児16例26足に対してOSSCSを施行した.痙性四肢麻痺1例,両麻痺9例,片麻痺6例,男児11例,女児5例,手術時年齢は平均10歳8ヵ月であり,経過観察期間は平均4年9ヵ月であった.【方法】(1)脳性麻痺下肢手術のための機能評価表からDKEとDKF (2)松尾の動的尖足度 (3)粗大運動能力尺度を使用し,この結果から延長量の適否とした.【結果と考察】術後成績はほぼ良好であったが尖足再発が3例3足にあった.病型,抗重力性,踵骨内反度,DKE,DKF,X-P等を参考にした私の基準による延長量は概ね適切であったが今後修正を加えていく必要性も認められた.
  • 吉光 一浩, 松垣 亨, 永田 見生, 名護 健, 荻野 美佐, 志波 直人, 井上 貴嗣, 稲田 智久, 田川 善彦
    2007 年 56 巻 4 号 p. 542-545
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    対麻痺患者などを対象としたモーターアシスト付き機能的電気刺激足漕ぎ車いすを開発した.健常男性1名を被験者とし,大腿四頭筋,ハムストリングスに表面電極による電気刺激を加えた.モーターは,車いすの速度と連動してアシストを加えるものとした.平坦路で電気刺激のみ,モーター駆動のみ,電気刺激とモーターアシストの3つの方法で,速度と一定速度に達するまでの時間について検討した.モーターアシストのみでは充分な速度が得られず,電気刺激のみでは,一定の速度を得るために高い電圧による電気刺激が必要であった.電気刺激とモーターアシストを併用した場合,モーターアシストによるスムーズな加速と電気刺激電圧の低減を得られた.モーターアシスト付き機能的電気刺激車いすは,対麻痺患者の身体的負担を軽減し,滑らかで安定した移動を可能にした.
  • 米倉 豊, 中村 隆弘, 馬渡 正明
    2007 年 56 巻 4 号 p. 546-548
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    鎖骨近位端骨折は鎖骨骨折の中で比較的稀な骨折である.我々は鎖骨近位端骨折に対し,橈骨遠位端骨折用のロッキングプレートを用いて治療を行った1例を経験したので報告する.症例.69歳,男性.階段より転落し受傷した.右肩痛が出現し受診した.鎖骨近位端骨折と診断し,鎖骨バンドによる固定を行った.整復保持困難であったため手術治療を行った.術後10ヶ月において右肩関節の可動域は正常で,骨折部の疼痛・不安定性は認めなかった.本邦において鎖骨近位端骨折に対し,ロッキングプレートを用いた治療例の報告は少ない.大多数は保存的治療が可能であるとしているが,転位が大きい場合,保存的治療では遷延癒合や偽関節の生じる可能性がある.鎖骨近位端骨折治療の原則は保存的治療であるが,転位の著しいものは手術治療を検討する必要がある.鎖骨近位端骨折に対する手術治療においてロッキングプレートは有効な固定材料になり得ると思われた.
  • 福元 真一, 志田 純一, 桑野 隆史, 濱田 貴広, 緒方 淳也, 時任 毅, 有薗 剛
    2007 年 56 巻 4 号 p. 549-553
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    我々は,症状のある外反母趾に対して2平面骨切り術を行い,ロッキングプレート(以下,プレート群)あるいはリングスクリュウ(以下,スクリュウ群)で固定した15症例28足に対して比較検討を行った.対象は2000年9月から2005年6月までに当科で行ったスクリュウ群,7症例14足,2005年7月以降の症例で,6カ月以上経過観察し,前向き調査したプレート群,8症例14足であった.手術時年齢は,スクリュウ群では平均年齢55歳11カ月,プレート群では平均年齢50歳6カ月,術後経過観察期間は,スクリュウ群では平均3年6カ月,プレート群では平均9カ月であった.Relative metatarsal protrusionは,スクリュウ群では,術直後で0.29±2.6 mm,最終調査時で-1.36±2.4mm,プレート群では,術直後で-0.69±2.6mm,最終調査時で-1.54±2.6mmであった.入院期間(日)は,スクリュウ群で62.6±6.9日,プレート群で41.1±3.1日であった.ロッキングプレートを使用することにより術後母趾の中足骨の短縮を防止でき,早期荷重,早期退院をすることができた.
  • 由布 竜矢, 福島 一彦, 田坂 善彦
    2007 年 56 巻 4 号 p. 554-557
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】高位脛骨骨切り術(以下HTO)に対し,近年強固な内固定材料の出現にて早期荷重が可能となった.当科では,HTOはinterlocking wedge osteotomyとし,内固定材料として平成18年3月よりLCP(TomoFixロッキングプレートPLT 3穴)を使用,術後2日以内で両側支柱付き軟性サポーター装着下に全荷重・可動域訓練を許可,良好な成績を収めている.その短期成績を報告する.【対象】症例は平成18年3月から現在までに当科でTomoFixロッキングプレートPLT 3穴を用いてHTOを行った25膝,男性7膝,女性18膝,変形性膝関節症22膝,骨壊死症3膝.平均年齢は67(48~79)歳であった.【結果】全例で疼痛改善し,JOA scoreは大幅に改善した.レ線での矯正角度の減弱の出現頻度は大幅に減少し,在院期間も短縮できた.好成績の理由はプレートの形状および強度によるものと考えられた.
  • 上杉 勇貴, 森本 忠嗣, 北島 将, 重松 正森, 園畑 素樹, 馬渡 正明, 佛淵 孝夫
    2007 年 56 巻 4 号 p. 558-561
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】本研究の目的はHip-Spine Syndromeの観点から,変形性股関節症(以下,OA)患者の冠状面における骨盤傾斜の頻度と罹患側との関係(方向),骨盤傾斜に影響を及ぼす因子について調査することである.【対象と方法】2006年1月から5月に人工股関節全置換術を行った片側OA患者116例(女性96例,男性20例,平均年齢62歳)を対象とした.術前の股関節X線像より骨盤傾斜の方向,骨盤傾斜角,脚長差,股関節の肢位について調査した.臨床所見は疼痛(JOA Hip Score),片脚起立の可否について調査した.【結果】骨盤傾斜を67例(57.8%)に認めた.56例(83.6%)は患側に骨盤が傾斜していた.骨盤傾斜と有意な相関を認めたのは脚長差のみであった(p<0.05).【まとめ】骨盤傾斜を有するOA患者では約8割の症例が短下肢側である罹患側へ骨盤が傾斜していた.
  • 田中 一広, 玉城 一, 大久保 宏貴, 赤嶺 良幸, 大城 義竹, 屋良 哲也, 外間 浩, 仲宗根 朝洋, 金谷 文則
    2007 年 56 巻 4 号 p. 562-565
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    比較的まれな特発性一過性大腿骨頭萎縮症の3例を経験したので報告する.【症例1】44歳男性.2週間前ジョギング後より左股関節痛出現,MRIより特発性一過性大腿骨頭萎縮症(以下TOH)と診断された.免荷とし外来にて経過観察していったところ6週後から疼痛は消失,3カ月後のMRIでは異常信号は認められなかった.【症例2】35歳女性.妊娠30週ころより右股関節痛出現,出産後当科外来受診した.MRIにてTOHの診断に至り現在免荷にて外来通院中である.【症例3】32歳男性.1カ月前より右股関節に荷重時疼痛認められ,近医にて加療を受けていたが,症状改善せず当科紹介受診した.可動時痛は認められなかった.MRIによりTOHの診断に至り,外来にて経過観察中である.
  • 小島 政廣, 富山 聡, 新垣 晃, 永山 盛隆, 外間 力人, 工藤 啓久, 岩田 友希江, 仲間 靖, 比嘉 英麿
    2007 年 56 巻 4 号 p. 566-569
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    特に誘因なく両側大腿骨転子下に脆弱性骨折をきたした関節リウマチの一例を経験したので報告する.症例は69歳女性.51歳発症の関節リウマチでステロイド内服中.68歳時特に誘因なく左股関節部痛生じ歩行困難となった.レントゲン所見で左大腿骨転子下骨折認め髄内釘による骨接合術施行.歩行可能となったが,1年後さらに右も左と同様に誘因なく大腿骨転子下骨折を生じCHS施行.術後約3カ月から全荷重歩行開始したが,術後4カ月にCHSのラグスクリュー基部で金属の折損と内反変形を認めCHSを抜去,髄内釘固定に変更し,偽関節部位には腸骨移植を行った.現在は骨癒合得られ独歩可能となった.画像・組織所見・血液検査より病的骨折や代謝性骨疾患は否定され脆弱性骨折と考えられた.
  • 熊谷 達仁, 井原 成男, 山中 芳亮, 酒井 昭典, 大茂 壽久
    2007 年 56 巻 4 号 p. 570-573
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    今回我々は,約20年の間に両側の大腿骨転子部骨折と骨幹部骨折を繰り返し,4回の観血的骨接合術を施行された例を経験した.症例は96歳女性,他施設にて79歳時に右大腿骨転子部骨折にてCHS,85歳時に左大腿骨転子部骨折にてγ-nailを施行されており,87歳時に左大腿骨骨幹部骨折を生じ,当院にてγ-nail抜去後に髄内釘術施行した.94歳時には右大腿骨骨幹部骨折にてEnder釘を施行され,96歳で左大腿骨転子下骨折を生じ,保存的加療とした.CHS後の二次性大腿骨骨幹部骨折の対処法として,抜釘後に髄内釘やEnder釘の挿入を行った報告があるが,本症例のように抜釘せずにEnder釘を挿入した報告は見られず,除痛目的には有効な方法だと考えられた.また,高齢化社会の到来により今回のような症例は増加してくると思われ,ADLに応じた対処が必要となると思われた.
  • 生田 拓也, 北村 歳男, 石川 純一郎, 島袋 孝尚, 原 紘一
    2007 年 56 巻 4 号 p. 574-577
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    化膿性膝関節炎に対し関節切開排膿後,創開放のまま直後より運動療法を行い良好な結果を得ているので報告した.症例は25例26膝で,性別は男性8例,女性17例,年齢は平均68.0歳であった.発症原因として明らかであった症例は14膝で関節内注射13膝,針治療1膝であった.起因菌が同定された症例は13膝でMSSA 8膝,MRSA 2膝,ブドウ球菌属1膝,連鎖球菌属1膝であった.全例,一次的に炎症は鎮静化し再発を認めていない.創は縫合を追加した3例を除き自然閉鎖した.創閉鎖まで要した期間は平均29.0日であった.本法は他の方法と比較し,簡便であり治癒率が高く優れた方法であると考えられた.しかしながら,高齢で関節変形が高度な症例にいかにモチベーションを維持させるかという問題点が存在した.
  • 前田 勇一, 中馬 東彦, 清家 一郎
    2007 年 56 巻 4 号 p. 578-580
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    感染性脊椎炎の治療に対して,保存療法の限界についてガドリニウム(Gd)を使用した造影MRI(Gd MRI)を用いて自らの症例を検討した.Gd MRIにて,椎体内に低輝度領域(Gd(-))が無いものは,保存療法の適応だが,椎体内に小範囲Gd(-)が在るものは,よく検討して保存療法を行うべきである.
  • 相良 孝昭, 赤崎 幸二, 木村 真, 福本 巧, 河野 淑彦, 渡邉 弘之, 依光 茂太, 末吉 貴直
    2007 年 56 巻 4 号 p. 581-584
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    肺癌手術後に肺アスペルギルス症となりその治療中に脊椎への直接浸潤から対麻痺となり手術したアスペルギルス脊椎炎の1例を経験したので報告する.症例,77歳,男性.平成11年9月肺癌に対し右上葉部分切除術及び術後根治的放射線療法を受けた.平成15年頃から放射線肺臓炎による線維化をおこした右上葉にfungas ballが出現.針生検でアスペルギルス症と診断された.抗真菌剤の投与を受けていたが,平成17年9月2日より下肢筋力低下が起こり歩行不能となり当科に入院した.MRIで第3~4胸椎椎体に右肺上葉の病変が直接浸潤し,同レベルでの脊髄圧迫を認めた.9月7日第3~4胸椎椎弓切除術+後方固定術を施行した.術後一時的に軽度の筋力回復がみられたが,術後2週より再度悪化した.現在手術後1年2ヶ月でFrankel C1の状態であるが存命中である.
  • 志田 崇之, 馬場 秀夫, 衛藤 正雄, 古川 敬三, 安達 耕一, 津田 圭一, 森口 昇, 進藤 裕幸, 池田 友紀子, 新野 大介, ...
    2007 年 56 巻 4 号 p. 585-588
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    症例は29歳男性.14ヶ月前より頸背部痛,腰痛が出現.近医外来にて加療したが症状軽快せず,総合病院入院.頸椎から仙椎にかけての多発する溶骨性変化,Th1/2,3/4,7の硬膜外膿瘍および腸骨,肋骨に溶骨性変化を認めた.骨生検にて乾酪性肉芽腫,ラングハンス巨細胞,抗酸菌を認めたことから多発性骨結核と診断され,抗結核薬の内服を開始したが,内服加療開始後よりTh4以下のしびれが出現し,両下肢不全麻痺を呈した.約6ヶ月間の抗結核薬内服と臥位安静加療を行ったが麻痺の十分な改善が得られなかったため当科入院.Th3,4に認めた膿瘍が硬膜管を圧排しており,後方よりインストゥルメンテーションを使用した7椎間におよぶ脊椎固定術,骨移植術を施行し,症状の著明な改善を得た.術後4ヶ月で再発兆候はなく,独歩も可能となった.今回我々は,病変が極めて広範囲である稀な骨結核の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 鬼木 泰成, 中村 英一, 水田 博志
    2007 年 56 巻 4 号 p. 589-592
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    足関節impingement exostosis(以下IE)は脛骨前下縁と距骨背側に発生する骨増殖性変化であり,足関節痛を引き起こす場合がある.今回,IEによる疼痛に対し鏡視下手術を施行した4例を経験したので報告する.【対象】足関節痛にて受診し,単純X線にてIEが確認された4名(男性3名,女性1名),平均年齢15.5歳.【局所所見】軽度の背屈制限と足関節前面に圧痛,運動時痛を認めた.【X線】脛骨前下縁と距骨頸部背側にIEを認め,強制背屈にて衝突像を認めた.足関節不安定性を2名に認めた.【足関節鏡所見】滑膜の増生と軟骨に覆われた骨増殖像を確認し,強制背屈にて衝突を確認した.【手術】鏡視下に骨棘切除術,滑膜切除術を施行した.【経過】疼痛は消失し,スポーツ可能となった.【考察】IEに対する鏡視下手術は低侵襲で,比較的早期のスポーツ復帰が可能であった.問題点としては骨棘の再発についての十分な経過観察が必要であると考えられた.
  • 森田 誠, 中村 英一, 鬼木 泰成, 水田 博志
    2007 年 56 巻 4 号 p. 593-596
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    足関節に発生した滑膜骨軟骨腫症に対し関節鏡視下に治療した1例を経験した.症例は75歳男性,2004年11月初旬に特に誘因なく左足関節の軽度のひっかかり感と歩行時痛を自覚するようになり,症状持続するため同年11月11日当科外来を受診した.初診時,左足関節前方を中心に腫脹及び前方から外側にかけて圧痛を認め,健側と比較し5度の背屈制限を認めた.単純X線像では,距骨関節前面に小豆大の4個の骨性腫瘤陰影を認め,多数の粒状陰影を前方・後方に認めた.造影MRI像では左足関節前方・後方に著明な滑膜増生を認めた.以上より左足関節滑膜骨軟骨腫症のMilgram II期と診断した.症状が軽度であったため保存療法を行ったが,改善しないため3ケ月後関節鏡検査を施行した.鏡視上,遊離体による距腿関節前面の軟骨に溝状の損傷が認められ,本症と診断した時点で早期に遊離体摘出を行う必要があったものと考えられた.
  • 金澤 和貴, 吉村 一朗, 井田 敬大, 竹山 昭徳, 内藤 正俊
    2007 年 56 巻 4 号 p. 597-600
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    〈はじめに〉今回我々は,新鮮足関節果部骨折時に足関節鏡を施行した症例の関節内病変について検討を行ったので報告する.〈対象・方法〉2002年9月~2006年6月までに当院で手術を施行した足関節果部骨折は18例18足で,このうち骨接合術直前に足関節鏡を施行した9例9足を対象とした.骨折型はLauge-Hansen分類でSER型8足,PER型1足,PA型1足であった.全例足関節鏡視後に螺子,プレート,鋼線締結圧迫固定による骨接合術を施行した.〈結果〉9足中7足(78%)に骨軟骨損傷を認めた.〈考察〉足関節果部骨折における足関節鏡は単純X線像・CTでは評価困難である軟骨・靭帯損傷を的確に診断できるため有用と思われた.
  • 田中 孝明, 土屋 邦喜, 山岡 和弘, 佐々木 聡明
    2007 年 56 巻 4 号 p. 601-603
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    われわれは第3腰神経根単独に発症したサルコイドーシスの1例を経験した.術前の診断では神経根腫瘍や遊離ヘルニアが鑑別診断に挙げられたが病理結果では乾酪性壊死を伴わない肉芽腫の所見であった.末梢神経単独に発症するサルコイドーシスは稀であるが今後念頭に入れる必要があると思われた.
  • 別府 俊介, 吉田 健治, 山下 寿, 星子 久, 中村 英智, 山田 圭, 渡部 裕一, 永田 高志, 名護 健, 後藤 琢也
    2007 年 56 巻 4 号 p. 604-607
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    小児肩鎖関節損傷は肩鎖靭帯,鳥口鎖骨靭帯の断裂を伴わず,骨膜が靭帯に付着したまま骨のみが脱出し,いわゆるpseudodislocationの型をとるとされており,比較的稀である.DameronとRockwoodはtype I~VIに分類しIV,V,VIに手術適応があるとした.今回,我々はtype IVと思われる2例を経験し,それぞれに保存治療及び観血的治療を行った.いずれも分岐鎖骨を認めたが,ほぼ満足できる結果であった.手術の適応は転位の程度によって決まってくると思われるが,前後方向への転位は2方向のみでのX線撮影では判断が難しく,多方向からの撮影が重要と思われた.
  • 信藤 真理, 副島 修, 古賀 敬, 内藤 正俊
    2007 年 56 巻 4 号 p. 608-611
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    当科における過去7年間の特発性前骨間神経麻痺および後骨間神経麻痺7症例の手術成績を報告する.症例は前骨間神経麻痺5例,後骨間神経麻痺2例であり,6ヵ月以上保存的に加療するもMMTの改善が2以下の症例に対して神経剥離術を施行した.術後平均観察期間は6.3ヵ月であり,MMTにて4以上の改善を認めた症例は前骨間神経麻痺で2例,後骨間神経麻痺で2例であり,改善を認めなかった症例は3例であった.当院の成績では,前骨間神経麻痺ではFDP麻痺型が術後良好例が多かった.一方,後骨間神経麻痺では全例母指,手指型であったが,術後全例で改善を認めた.また術後2週間で徒手筋力の改善を見せた症例が7例中4例で,すべて経過良好であった.術後急速に回復する症例の存在や,保存療法で回復が遅い症例は予後が悪いとする報告もあり,6ヵ月程度保存的に見て回復傾向が見られなければ,神経剥離術を考慮する方が望ましいと考えられた.
  • 浦野 典子, 有薗 剛, 時任 毅, 藤本 俊博, 志田 純一, 福元 真一, 井口 貴裕
    2007 年 56 巻 4 号 p. 612-614
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】アテトーゼ型脳性麻痺を伴う頚椎症性背髄症に対して後方固定術後,スクリューの破損を生じた一例を経験したので,その治療経過について考察を含め報告する.【症例】30歳,男性.在胎9ヶ月,2300 gで出生.生来アテトーゼ型脳性麻痺にて坐位レベルであった.頚部痛出現の3ヶ月後より両上下肢筋力低下,尿失禁出現し,当科紹介受診.頚椎症性脊髄症の診断にて後方固定術(C2~Th1)を施行した.術後創感染認め,抗生剤投与行い,徐々に沈静化した.術後4週単純X線にてC2セットスクリューの転位を認め,再度手術を行った.術中,深部にまで及ぶ感染性の不良肉芽,C2右側のセットスクリューの脱転及びC2左側のスクリューヘッドの破損を認めた.術後2ヶ月時点で上肢機能の改善が得られている.
  • 石谷 栄一, 松浦 恒明, 進 訓央, 佐々木 聡明, 小橋 芳浩, 五味 裕子, 岸 綾子, 村岡 雄大
    2007 年 56 巻 4 号 p. 615-618
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】健常人において,各種の肩関節筋力テスト結果を検討して,その特徴を示すことである.次に,利き手―非利き手間に筋力差があるかどうかを確認することである.【対象及び方法】肩の愁訴のないボランティア30例(男性が15例,女性が15例)を対象とした.平均年齢は36歳であった.両肩の筋力測定は徒手筋力測定器(MICROFET)を用いて測定した.各テストを3回計測して,平均値をもとめた.臨床筋力テストは外転筋力テストが40度テスト,Jobeテスト,90度テストの3種類とした.外旋筋力テストはISPテストとER IIテストの2種類,内旋筋力テストはBelly pressテストとSSCテストの2種類とした.【結果】外転筋力を100とすると外旋筋力は115,内旋筋力は160となった.利き手―非利き手間の筋力差は内外旋筋力テストではなく,外転筋力テストの中でJobeテストと90°テストにて有意差を認めた.女性の筋力は男性の60~70%であった.
  • 埜口 貴弘, 徳永 真巳, 宮城 哲, 吉本 栄治, 松田 秀策, 碇 博哉, 徳永 純一
    2007 年 56 巻 4 号 p. 619-622
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】大腿骨頚部骨折に対するハンソンピンの治療成績を報告する.【対象】1999年8月より2004年11月までに大腿骨頚部骨折へのハンソンピンによる骨接合術を施行した66例中,術後2ヶ月以上経過観察可能であった60例を対象とした.女性46,男性14,受傷時平均年齢72.5歳,平均観察期間12.2ヶ月であった.【結果及び考察】手術時間平均36.4分,荷重開始平均術後3.7日,術後合併症は,大腿骨転子下骨折1例,大転子骨折1例,骨頭壊死4例,偽関節6例であった.骨頭壊死,偽関節を起こした例はGarden分類stage 1:0/6例(0%),stage 2:3/27例(11.1%),stage 3:3/22例(13.6%),stage 4:4/5例(80%)であり,7例に人工骨頭股関節置換術を施行し,3例は経過観察中である.骨癒合率は88.2%であり,大腿骨頚部骨折に対するハンソンピンは有用であった.
  • 久保 勝裕, 河野 修, 芝 啓一郎
    2007 年 56 巻 4 号 p. 623-625
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    頚椎症性脊髄症により脊髄空洞症を呈し,頚椎椎弓形成術により空洞の消失を認めた1例を経験したので報告する.症例は85歳,男性,両前腕痛,歩行障害,四肢しびれを主訴に来院,初診時痙性歩行を呈し,両上肢とTh8以下の知覚低下を認めた.MRI矢状断ではC4/5,C5/6での圧迫が高度で,C2からTh2レベルの髄内にT1強調画像にて低輝度,T2強調画像では高輝度の信号変化を認めた.脊髄造影後のCTでも圧迫が高度で,髄内造影効果を認めた.この症例に対し第3-7頚椎椎弓形成術を施行した.両前腕痛は軽快し,痙性歩行も改善.術後MRIでは空洞は消失した.頚椎症性脊髄症を原因とした脊髄空洞症の発生は稀であるが,脊髄空洞症の原因となりうると思われた.
  • 田島 智徳, 西田 圭介, 會田 勝広, 森本 忠嗣, 北島 将, 小河 賢司, 馬渡 正明, 佛淵 孝夫
    2007 年 56 巻 4 号 p. 626-629
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    日常生活における前屈動作は股関節と脊椎の協調動作であり互いに密接に関わりあっている.変形性股関節症患者における股関節と脊椎の前屈時の動作関係を明らかにするために,立位中間位および座位前屈位の単純X線側面像を用いて股関節可動域と腰椎可動域を測定した.対象は初回人工股関節全置換術を受けた40~88歳(平均62歳)の変形性股関節症の女性患者164例であり,術前の単純X線で評価した.中間位からの前屈動作で股関節と腰椎と合計して80~120度屈曲していた.腰椎変性の強い高齢者ほど前屈時の腰椎可動域が小さく,変形性股関節症があるのにもかかわらず主に股関節で前屈していた.中高年者は腰椎変性が進行していないため,主に腰椎で前屈しており股関節可動域は小さかった.そのため変形性股関節症の罹病期間が長くなると腰椎へ過度の負荷がかかることとなり,腰痛や腰椎変性の原因となることが予想される.
  • 野崎 修, 河野 俊介, 重松 正森, 馬渡 正明, 佛淵 孝夫
    2007 年 56 巻 4 号 p. 630-633
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    当科では人工股関節再置換術は原則,セメントレスで行い,早期荷重を行っている.今回,ロングステムを用いた人工股関節再置換術について報告する.対象は1998年9月から2004年12月までにロングステムを用いて人工股関節再置換術を行った8例で,平均年齢72歳,平均観察期間22か月であった.大腿骨の骨欠損の程度(Endo-Klinik分類),合併症,JOAスコアを検討し,X線学的評価を行った.結果はEudo-Klinik分類ではgrade 3が7例,grade 4が1例であった.脱臼,感染などの合併症はなく,X線学的にも良好な成績が得られた.近位固定が不十分な症例にロングステムを使用することで,遠位でも初期固定が得られることにより早期荷重が可能であった.
  • 小柴 民子, 重盛 廉, 行田 義仁, 駿河 保彰, 松本 伸也, 川野 大介
    2007 年 56 巻 4 号 p. 634-636
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    当院で近年経験した脊髄硬膜外血腫の2症例を報告・検討する.【症例1】15才男性.早朝の項部・右肩甲部の一過性の疼痛が2日連続あり,受診.四肢深部腱反射亢進以外の神経学的異常所見を認めなかった.MR検査で,C6~Th1レベルまで硬膜外腔背側に圧迫性病変を認めた.経過観察中に自然吸収された.造影MR検査では血管腫などの異常所見はなかった.【症例2】79才女性.既往に高血圧症あり.早朝に腰痛と両下肢麻痺,膀胱直腸障害で発症.MR検査で,Th12からL4レベルの硬膜外腔背側に圧迫性病変を認めた.発症16時間後に血腫除去術を行った.術後高気圧酸素療法も行った.発症後3ヶ月で,Frankel分類はBからDに改善していた.脊髄硬膜外血腫はこれまで緊急手術の対象とされてきたが,近年自然治癒した症例報告が散見される.一過性の疼痛のみで,運動障害・膀胱直腸障害を呈さない症例の報告は他にも渉猟しえたが,緩徐に進行する症例の報告もあり,十分な経過観察を要する.
  • 小橋 芳浩, 進 訓央, 松浦 恒明, 石谷 栄一, 園田 康男
    2007 年 56 巻 4 号 p. 637-639
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    2003年Forleyらにより,Tube retractorを使用したTransforaminal lumbar interbody fusionが報告され最小侵襲腰椎椎体間固定(MIS-TLIF)として徐々に広まりつつある.この方法を2004年より導入し,腰椎固定術の低侵襲化をはかってきた.MISによる椎体間固定の問題点と利点について報告する.現在まで24症例にMIS-TLIFを行った.手術時間,出血量,術後CK値,術後CRP値について,conventional TLIFと比較検討した.MIS群とconventional群では,2椎間以上の症例で,手術時間,出血量,術後CK値,術後CRP値で,MIS群が有意に低かった.しかし,1椎間の症例ではいずれの値においても有意差を認めなかった.1椎間症例においてMISと呼ぶには問題があり,今後の課題と思われた.
  • 横内 雅博, 有島 善也, 山崎 康平, 濱田 裕美, 河村 一郎, 藤元 祐介, 島田 隆太郎, 瀬戸口 啓夫, 石堂 康弘, 小宮 節郎
    2007 年 56 巻 4 号 p. 640-642
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    軟部肉腫に対する温熱療法併用化学放射線療法(以下RHC)の短期成績について検討した.当科において2004年11月よりRHCを施行した15例のうち,他の化学療法を併用しなかった12例を対象とした.疾患の内訳は粘液型脂肪肉腫3例,滑膜肉腫2例,MPNST 2例,MFH 2例,間葉系軟骨肉腫,血管肉腫,GISTが各1例であった.予定の5コースを完遂できた症例は8例であり完遂率66.6%,MRI画像評価はPR 2例,NC 6例でPDはなかった.完遂できた8症例中で生検,摘出術が行われた6例の組織学的奏効率はgrade 2以上が4例で奏効率66.6%であった.RHC完遂症例8例の転帰はCDF 5例,AWD 3例であった.有害事象については,RHCは全身化学療法に比べ局所への侵襲性が高く,三者併用に伴う合併症に十分に注意し管理していく必要性があると考えられた.
  • 平井 奉博, 薬師寺 俊剛, 佐藤 広生, 岡 潔, 上川 将史, 水田 博志
    2007 年 56 巻 4 号 p. 643-646
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    神経鞘腫の骨内発生は比較的稀である.今回われわれは,脛骨内より発生した骨内神経鞘腫の1例を経験したので報告する.症例は,79歳女性であった.約1年前より右膝窩部の腫脹・疼痛を自覚し,平成17年1月,近医にて右脛骨の異常陰影を指摘され当科を紹介された.単純X線像では右脛骨の骨幹端から近位骨端部にかけ辺縁の硬化性変化を伴う骨透亮像を認め,後方皮質は一部で膨隆・菲薄化していた.MRIにて脛骨骨髄内から後方の骨外へ広がる病変は,T1強調像で低信号,T2強調像で高・低信号の混在,造影にて比較的均一に増強効果を認めた.切開生検では病理組織学的に神経原生腫瘍が考えられたが確定診断には至らず,臨床的に骨内神経鞘腫と診断し腫瘍切除ならびにセメント充填術を施行した.術後切除標本による病理組織学的検査の結果は骨内神経鞘腫の診断であった.術後1年半の現在,再発ならびにADL制限は認めていない.
  • 村越 太, 南 昌宏, 杉本 裕宣, 重冨 博之, 廣藤 真司, 星山 芳亮
    2007 年 56 巻 4 号 p. 647-648
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    上腕骨近位端骨折に対しLHSPを用いて骨接合術を行った10症例中,4例にlocking screwが骨頭を穿破した.うち2例は術後整復位損失に伴うものであり,いずれも骨頭が内反傾向を示した.術中所見から骨粗鬆あるいは骨折型によると思われる海面骨部のdefectが存在したためリン酸カルシウムペーストを充填したにもかかわらず術後変形が生じた.この原因として,(1)骨密度の低下,(2)粉砕を伴う骨折型,ともに成績不良因子となっていた.骨粗鬆が高度,あるいは整復位が十分でない場合は,リン酸カルシウムペーストでは固定は強固になっておらず,骨質が脆弱で粉砕の著明な骨折に対しては人工骨よりも骨セメントなどのより強固な補填剤を使用してもよいと考える.
  • 木村 岳弘, 畑中 均
    2007 年 56 巻 4 号 p. 649-653
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    骨折治療の際,骨欠損部に対して使用される人工骨補填材には,通常ハイドロキシアパタイト(HA),β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を用いることが多い.橈骨遠位端骨折治療において,我々は当初,骨補填材を用いずに骨接合術を行った.しかし,しばしば偽関節及び遷延癒合例を認めるようになり,2004年1月より骨欠損を認めるAO分類A3,C2,C3などの橈骨遠位端骨折治療の際,骨欠損部に対して人工骨補填材を使用している.当初,骨欠損部にはHA(ネオボーン)を用いた.しかし5例中1例に遷延癒合例が生じたため,2005年5月よりβ-TCP(オスフェリオン)を使用している.手術は掌側アプローチで進入し,骨欠損部に顆粒状のβ-TCP(オスフェリオン)を補填した上で,掌側ロッキングプレートにて固定している.現在β-TCPを補填した症例を経時的にX線像で骨形成を評価し,その有用性について経過観察中である.
  • 川村 秀哉, 田中 博子, 山口 智太郎, 猪原 未穂, 林 秀俊, 坂本 央
    2007 年 56 巻 4 号 p. 654-656
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    TKA術後在院日数を短縮させるべく問題点を解析するため,2005年に行われたTKA症例を検討した.対象症例は関節リウマチ患者を除く初回TKA 51例,52膝である.術後在院日数と手術時麻酔内容,術後の疼痛の度合い,術後合併症の有無について検討した.これらの症例の術後平均在院日数は30.8日であり,術後創治癒遅延や深部静脈血栓症の合併症を生じた症例では40.4日と延長していた.このような結果をふまえて,TKA術後在院日数を延長させるような合併症の予防対策を翌年にかけて計画した.
  • 川村 秀哉, 本村 悟朗, 山口 智太郎, 坂本 央
    2007 年 56 巻 4 号 p. 657-660
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    人工膝関節置換術におけるMISは有用であるが,近年いくつかの問題点も指摘されてきている.我々は2004年よりTKA手術において従来の器具を用い,皮膚切開を小さくしてきた(Mini-Incision TKA).そして2005年4月よりMini-Mid Vastus ApproachによるMIS TKAを開始した.今回両方法の手術を検討し,その効果を比較検討した.
    症例は当院にて2005年4月より12月の期間に関節リウマチをのぞく変形性関節症,骨壊死を対象に行った初回TKA症例であり,45例が選択された.手術時間,皮膚切開の長さ,術後SLRが可能になった日数,術後在院日数などについてMini-Incision TKAとMIS TKAについて比較検討した.
    MIS TKAではMini-Incision TKAより皮膚切開の長さは短かったが,手術時間は延長していた.術後SLR可能日数,術後在院日数には両者に有意な差はなかった.
  • 吉松 弘喜, 西田 俊晴, 吉田 健治, 山下 寿, 田中 憲治, 中村 英智, 増田 賢一, 田中 順子, 中村 秀裕, 後藤 琢也, 佐 ...
    2007 年 56 巻 4 号 p. 661-663
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    化膿性脊椎炎59例の診断に至る経過を調査した.整形外科受診は50例に認め,13例が変形性脊椎症,10例が脊椎圧迫骨折,7例が化膿性脊椎炎疑いと診断されていた.診断の契機はMRIが34例と最多であった.診断遅延群では診断が遅れた理由は整形外科にて別病名で治療されていた12例,元来整形外科疾患を有する10例,初回MRIにて所見なし6例などであった.診断が遅延しやすい症例は内科にて不明熱として治療されているものと,整形外科にて別病名で治療されているものの2つに大別された.化膿性脊椎炎を見逃さないためには我々整形外科医のより深い認識と他科医師への啓蒙が必要であると思われた.
  • 土屋 邦喜, 山岡 和弘, 宮城 光晴, 岡村 武志
    2007 年 56 巻 4 号 p. 664-668
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    計41例の脊椎手術に微繊維性コラーゲン(アビテン)を生理食塩水に懸濁して使用した.様々な程度の出血に対し効率的な止血が得られた.特に効果的であったものは椎弓切除部辺縁の止血,頚椎椎間孔開放術,骨粗鬆症例の椎弓形成等における骨切除時の止血,後方椎体間固定術の際の椎間板腔や硬膜外静脈叢からの出血に対する止血であった.幅の狭い深いスリットの奥からの出血はコントロール困難であった.本使用法は製剤の無駄が少ないこと,止血効果が確実なこと,強い圧迫操作が必要ないため脊椎手術で特に神経組織露出後の止血に適していると考えられた.
  • 土屋 邦喜, 山岡 和弘, 宮城 光晴, 岡村 武志
    2007 年 56 巻 4 号 p. 669-672
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    脊椎疾患133例の手術に超音波骨切除装置を使用した.超音波骨メスの使用により骨切除が容易かつ安全に施行可能であった.特に有用であった術式は頚椎椎弓形成の正中縦割,頚椎前方除圧固定,胸椎レベルの靭帯骨化に対する除圧術,腰椎では骨形成的椎弓切除術であった.2例に硬膜損傷を経験した.これらはハンドピースの先端部のフックで機械的に硬膜を挟み込んだものと推定され,手技的なものと考えられた.その他超音波骨メスは硬膜露出後の追加骨切除の際に有用であった.超音波骨メスは削開スピード自体はエアトームに劣るが術者の負担軽減が期待でき,脊椎手術の際有用であることが示された.
  • 北城 梓, 朴 珍守, 神保 幸太郎, 横須賀 公章, 山田 圭, 佐藤 公昭, 永田 見生
    2007 年 56 巻 4 号 p. 673-676
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/27
    ジャーナル フリー
    慢性関節リウマチ(RA)において,脊椎に破壊性病変が生じる事はよく知られ,高度な後頭頚部痛や重篤な脊髄症を発症した場合,長期的な保存療法のみで制御する事は困難となり,手術療法が選択される.今回我々は,当科におけるRA頚椎病変に対する手術症例と今後の課題について検討した.手術を施行した19例のうち,高度な後頭部痛を認めた3例では,術後全例疼痛が消失した.重症脊髄症を認めた16例では,Ranawatの治療成績判定基準で12例が改善,4例が不変で,悪化症例は認めなかった.最近のインスツルメンテーションの進歩により,重傷度の高いRA患者においても,積極的に手術を行い,術直後から強固な固定が可能となり,良好な短期成績が得られるようになった.しかし,重篤なRA患者であるほど,また強固な固定をするほど,将来の椎間関節障害を引き起こす可能性が高くなると考えられ,注意深い長期の経過観察が必要とされる.
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