整形外科と災害外科
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58 巻 , 1 号
選択された号の論文の34件中1~34を表示しています
  • 梅木 俊伸, 橋口 浩一, 高橋 良正, 岸本 英彰, 縄田 耕二, 山本 敦史, 山崎 大輔, 田中 秀敏, 吉岡 丈
    2009 年 58 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    比較的稀である腰椎化膿性椎間関節炎を2例経験したため,文献的考察を加えて報告する.【症例1】58歳女性,誘因なく発熱・腰痛が出現.単純レントゲン・CTで右L4/5椎間関節の骨融解像があり,MRIでは傍脊柱筋と硬膜外に膿瘍を疑う輝度変化を認め,腰椎化膿性椎間関節と診断した.【症例2】62歳女性,1カ月前から発熱・腰痛あったが,内服薬で経過観察となっていた.腰痛増強し当院を受診した.単純レントゲンでは左L5/S椎間関節は不鮮明であり,MRIでは左L5/S中心に硬膜外膿瘍認めた.骨シンチでも左L5/Sに強い集積を認め,化膿性椎間関節炎と診断した.2例とも術中採取した膿瘍から起因菌を同定でき,効果的な抗菌薬を投与できた.また,術直後より腰痛は著明に軽減した.
  • 福永 絵里奈, 川内 義久, 鮫島 浩司, 富村 奈津子, 山下 芳隆, 山王 朋佳, 小宮 節郎
    2009 年 58 巻 1 号 p. 7-9
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    近年,高齢化やcompromised hostの増加などによって整形外科領域におけるMRSA感染症は増加傾向にある.MRSAに対する薬剤では,vancomycin(VCM),teicoplanin(TEIC)が代表的であるが,骨への移行性の問題や,内服治療剤がないことなど整形外科領域では必ずしも有効ではない症例もある.最近,そのような症例に対し,linezolid(LZD)が有効であったという報告が散見される.今回我々もLZDが有効であったMRSA脊椎感染症を経験したので報告する.症例は化膿性脊椎炎と診断した男性3例,女性2例の5例である.感染経路は血行感染4例,術後感染1例であった.LZD使用の理由としてはVCMの効果が不十分であったものが4例,VCMアレルギーが1例であった.LZDの投与期間は15~86日(平均41.4日)で,副作用として汎血球減少を3例に,食欲不振を4例に認めた.
  • 林 哲生, 白澤 建藏, 山下 彰久, 城戸 秀彦, 原田 岳, 藤村 謙次郎, 牛島 貴宏, 城戸 聡
    2009 年 58 巻 1 号 p. 10-15
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    インプラントを用いた腰椎固定手術の手術部位感染ではMRSAなどの耐性菌が多く,ひとたび感染が起こるとその治療は難渋し,インプラント抜去を余儀なくされることが多い.しかしPLIFやTLIFではインプラント抜去後に不安定性の増大や骨癒合不全が起こることが懸念されるため,早期抜去は回避が望ましい.今回,我々が行っているSSIに対する治療プロトコールにより,PLIF/TLIF術後MRSA感染3例においてインプラントを抜去せずに感染を制圧できたので報告する.症例1:68歳女性.腰椎変性すべり症に対してL4/5 TLIF施行.術後11日に創感染にて掻爬洗浄施行.症例2:73歳男性.腰部脊柱管狭窄症に対してL2/3-3/4 Laminotomy+L4/5 TLIF施行.術後26日目に熱発.その3日後に掻爬洗浄施行.症例3:75歳女性.腰椎変性側弯症に対してL3/4 PLIFを施行.術後22日目に感染を疑い掻爬洗浄施行.いずれのMRSA感染症も早期診断・早期デブリードマンおよびリネゾリドやバンコマイシンを含む単剤および多剤化学療法にてインプラントを温存し手術部位感染を制圧した.
  • 中原 寛之, 坂本 央, 土屋 邦喜, 佐々木 大, 川村 秀哉, 伊豆 邦夫
    2009 年 58 巻 1 号 p. 16-18
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    我々は,左肩関節離断術により救命し得た1症例を報告する.症例は82歳女性で,左前腕部に水疱と腫脹を認めた.他院を受診したが,翌日に水疱と腫脹の増悪を認めたため,当院を受診した.数時間で皮膚病変は悪化し,腋窩部まで拡大した.水疱からStreptococcus pyogenesが検出されたため,壊死性筋膜炎と診断した.緊急で左肩関節離断術を行い,その後ピペラシリンとクリンダマイシンの静脈内投与を行った.約1ヶ月後に全身状態は改善した.
  • 青柳 孝彦, 鶴田 敏幸, 可徳 三博, 峯 博子, 笠原 貴紀
    2009 年 58 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    当院で経験したMRSA感染による鎖骨偽関節の治療経験を報告する.症例は16歳,男性.平成18年7月ラグビー練習中に受傷,左鎖骨骨幹部骨折の診断で近医にて骨接合術を受けるも術後感染を発症し抜釘.その後,保存的に治療を受けていたが感染症状持続し,11月当科紹介となった.初診時,局所の疼痛,腫脹,発赤と瘻孔からの排膿が認められた.単純X線では一部骨吸収像を伴う偽関節を呈していた.CRP陽性,培養にてMRSAが検出されたため,抗菌薬の全身投与後,病巣掻爬と抗菌薬含有セメントビーズの留置を行った.1ヵ月後,局所の感染症状は軽減しセメントビーズを抜去.自家骨(腸骨)移植を併用しプレート固定を施行した.4ヵ月後に骨癒合が得られ,1年後抜釘したが,感染の再発や機能障害無く治療を終了した.鎖骨のMRSA感染性偽関節に対し,抗菌薬含有セメントビーズを用いた治療は有用な治療法の1つと考えられた.
  • 宮崎 健洋, 肱岡 昭彦, 原 夏樹, 大隈 暁, 戸羽 直樹, 福田 文雄
    2009 年 58 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    MRSA化膿性股節炎に対して,バンコマイシン封入ハイドロキシアパタイトを使用した1症例を経験したので報告する.76才男性で特に誘引なく右股関節部痛,発熱が出現し,歩行不能となり紹介受診となる.糖尿病の既往で内服中である.MRIおよび,関節穿刺にてMRSA化膿性股関節炎と診断されたため,切開排膿,病巣郭清後,局所持続潅流を一期的に行い,いったん感染徴候は鎮静化したが,3ヵ月後に,症状の再燃を認めた.再手術にて病巣郭清後,抗生物質(VCM)封入ハイドロキシアパタイトブロック充填法を行った.再手術後1年3ヶ月の現在,感染は沈静化し,独歩可能となっている.MRSA化膿性股節炎に対して,バンコマイシン封入ハイドロキシアパタイト(以下,HA)は骨頭の温存できる有効な治療法となりうると考えられた.
  • 藤村 謙次郎, 山下 彰久, 白澤 建藏, 城戸 秀彦, 原田 岳, 林 哲生, 牛島 貴宏
    2009 年 58 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】当院で2000年以降に経験した化膿性膝関節炎を検討し,今後の治療方針決定に役立てる.【対象および方法】2000年から2008年2月までに当科で化膿性膝関節炎と診断されたのは21例21膝.うち合併症のために最終的に下肢切断術を余儀なくされた2例とACL術後感染1例,真菌性膝関節炎1例を除外して検討を加えた.平均年齢69.5(32~89)歳,男性8例,女性9例であった.手術方法は関節鏡下滑膜切除+持続灌流を基本とし,症例に応じて適宜変更した.【結果・考察】退院時のBallard評価基準はgood 2,fair 13,poor 1,死亡1であった.起炎菌の同定,早急な外科的治療および抗生剤投与が重要であり,また,MRSAは治療遷延化および変形性膝関節症(OA)の進行を招き機能予後を低下させる原因であった.さらに2006年以降の4例中3例はMRSA感染であり,近年のMRSA感染増加が示唆された.
  • 花田 麻須大, 萩原 博嗣, 久我 尚之, 寺本 全男, 田中 智顕, 中川 憲之, 河村 好香, 神宮司 誠也, 西田 顕二郎, 池村 聡
    2009 年 58 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】特に誘因無く両側骨頭下骨折を生じた両側大腿骨頭壊死症例を経験したので報告する.【症例】59歳 男性.主訴は両大腿部痛.ステロイド使用歴なし.飲酒歴は,30歳から15年間,毎日日本酒3合程度.年間60日の潜水歴があった.1年前より特に誘因なく両股部痛が出現.半年後歩行不能となり近医受診し,両側大腿骨頭骨折と診断され,当科紹介となった.単純X線写真にて両側骨頭下骨折を認めた.右側には頚部に比較的大きな嚢胞像を認めた.CTでは右側は嚢胞との近位境界で骨頭骨折を生じていた.両側ともTHAが行われ,摘出骨頭の病理組骨診断でempty lacunaeがみられ,骨壊死の診断であった.【考察】広範な大腿骨頭壊死であった為に,荷重部の骨頭圧潰ではなく,骨頭下骨折を起こしたと考えられた.右側は頚部に形成された嚢胞も骨頭骨折に関わっている可能性があると思われた.
  • 生田 拓也
    2009 年 58 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    人工股関節再置換術に際してKTプレートを用いて臼蓋の再建を行ったので報告した.症例は4例である.再置換術例,再々置換術例がそれぞれ2例であった.大腿骨側のゆるみは2例に認められ同時に再置換術をおこなった.保存骨をimpaction graftした後でKTプレートを設置固定し,ソケットを骨セメントにて固定した.術後4~6週で部分荷重を開始した.荷重開始後,軽度のフックの上方移動を1例に認めたがプレートおよびスクリューの折損はなく移植骨は生着し,症状は軽快した.臼蓋側の再建を行う際,骨欠損が大きい場合,保存骨の移植が必須となるが保存骨の生着まで長期間の免荷が必要である.外側壁が保たれていればKTプレートを用いることが可能であり,術後,より早期から荷重が可能で安定した術後経過が期待できる.
  • 越智 龍弥, 中野 哲雄, 稲葉 大輔, 安岡 寛理, 立石 慶和, 平井 奉博
    2009 年 58 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】下肢骨折患者(大腿骨骨幹部対脛骨骨幹部)のDVT発生頻度の比較とリスク因子の調査.【研究デザイン】前向きコホート研究.【対象】観血的治療を行った大腿骨骨幹部骨折11例(すべて単独骨折,平均年齢73.1歳)と脛骨骨幹部骨折21例(脛骨単独4例および腓骨骨折合併17例,平均年齢63.9歳)の合計32例.【研究方法】DVT診断に両下肢造影CTを用い,術前(受傷後平均5.6日)および術後(術後平均6.8日)に撮影.予防的薬物投与なし.【結果】DVT発生頻度は大腿骨36.4%(4/11例),脛骨14.3%(3/21例)であった.2cm以上の近位型DVTの発生頻度は大腿骨27.3%(3/11例),脛骨9.5%(2/21例)であった.開放骨折例のDVT発生頻度は40.0%(2/5例)であった.【結論】脛骨骨幹部骨折と比較し,大腿骨骨幹部骨折のDVT発生頻度が高い傾向にあった.開放骨折はDVTリスク因子と思われた.
  • 田中 寿人, 小峯 光徳, 秋山 菜奈絵
    2009 年 58 巻 1 号 p. 47-48
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】大腿骨頸部骨折術後譫妄はその後の認知機能低下に影響し,ADL低下をまねく恐れがある.要因として低酸素状態の関与の可能性もある.術後持続酸素投与を行い,術後譫妄の予防状況を観察した.【対象と方法】対象は当院で大腿骨頸部骨折手術を施行した症例の中で80歳以上とした.酸素非投与群は平成15年1月~平成16年12月に手術を施行した男性9例,女性30例.年齢は80歳~99歳(平均88.6歳)であった.酸素投与群は平成18年1月~平成19年12月に手術を施行した男性6例,女性30例.年齢は80歳~98歳(平均87.1歳)であった.酸素投与群は術後より2~3日間持続酸素投与を行い,両群間の術後譫妄の発生状況を比較した.【結果】酸素非投与群では術後譫妄が39例中19例(48.7%)認めたのに対して,酸素投与群では36例中5例(13.9%)しか認めず,統計学的に有効性が確認できた(P<0.05).
  • 井手 昇, 渡邉 英夫, 久保田 健治, 小田 勇一郎
    2009 年 58 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    脊椎圧迫骨折の保存療法には,ギプス固定や装具療法などがある.体幹ギプスや胸腰仙椎装具ナイトテーラー型,胸腰仙椎装具ジュエット型は,固定性は良いがADLに不自由を来たし,胸腰仙椎装具軟性は固定性に問題がある.我々は可撓性プラスチックキャストであるソフトキャストを用いて即席体幹装具の作製を試みている.今回,健常成人男性1名に第1腰椎圧迫骨折を想定して,上記各装具とクロスバンド式胸腰仙椎装具,体幹ギプスの計6種を作製し,ADLの不自由さと固定性について検討した.ADLの不自由さは我々が作成したADL評価表にて評価し,固定性は30度胸腰椎を屈曲させるのに要する力を筋力計にて測定した.即席体幹装具は,ADLの不自由さが最も少なく,固定性も良好で脊椎圧迫骨折の保存療法に十分有用だと考えられた.
  • 本木下 亮, 松永 俊二, 古賀 公明, 廣田 仁志, 永田 政仁, 今給黎 尚典, 石堂 康弘, 小宮 節郎
    2009 年 58 巻 1 号 p. 55-57
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    超高齢者の大腿骨近位部骨折の治療方針決定に役立てる為に,非手術例の生命予後を調査した.2000年~2007年に当院に入院した85歳以上の大腿骨近位部骨折患者350人名中,手術に伴う危険が高い為に手術を断念した患者30名(A群)と患者の手術拒否の為に手術を施行しなかった患者20名(B群)の計50名を対象とした.受傷後の生命予後と死因について調査した.受傷後1ヶ月以内の死亡は5名あった.内3名はB群の患者であり死因は全例肺炎であった.A群の2名は肺炎と腎不全で死亡した.累積生存率は発症2ヶ月で82%,12ヶ月で63%,24ヶ月で53%でありA群とB群とでは累積死亡率に有意差はなかった.
  • 堀川 朝広, 山下 武士, 瀬形 建喜, 米村 憲輔
    2009 年 58 巻 1 号 p. 58-62
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    同側大腿骨頚部骨折と転子部骨折を合併した超高齢者3症例を経験したので報告する.3例とも女性.平均年齢91歳.いずれも転倒などの低エネルギー外傷によるものであった.骨折型は,頚部骨折+転子部骨折2例,頚部骨折+転子部・転子下骨折1例であった.1症例に対して人工骨頭置換術,2症例に対しては人工骨頭置換術とケーブルプレートを併用して使用した.平均経過観察期間は103日であり,3例とも受傷前の歩行能力に近いレベルまで回復した.高齢者の同側大腿骨頸部・転子部周辺合併骨折は,我々が渉猟しえた範囲で20例であり,90歳以上の高齢者は4例であった.80歳以上の症例では全例とも人工骨頭置換術を施行されていた.今回の3症例も,人工骨頭置換術および必要に応じてケーブルプレートを併用したが,短期成績は良好であり,有用な方法と考えられた.
  • 大野 晃靖, 岸本 哲朗, 三原 修三, 大中 博司, 大藤 晃
    2009 年 58 巻 1 号 p. 63-66
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    Vibrationを利用したWoodpeckerを用いて術中合併症なく,正確に髄腔形成を行うことが出来たので報告する.2007年1月から人工骨頭置換術を行った大腿骨頚部骨折症例のうち,Woodpeckerでraspingを行った22例を対象とした.手術時平均年齢81歳であった.全ての症例にセメントレスステムのraspingを行ったが,3例で最大サイズを行うも固定性が得られずセメントステムを用いた.その3例はstovepipeの髄腔を呈していた.セメントレス症例のうち7例にもstovepipeを認めた.術後,セメントレスの1例にステムの沈み込みを認めたが,これはWoodpeckerを用いた最初の症例で高度内反例であった.術中骨折は認めなかった.骨粗鬆症例にWoodpeckerを用いることで骨折などの合併症のない,正確なstemの挿入を行うことが出来,今後,有用な方法になると考えられた.
  • 本田 透, 松本 俊之
    2009 年 58 巻 1 号 p. 67-70
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    当院では大腿骨近位部骨折患者の60%に地域連携パスが適応され,その短期的なQOLの回復は良好であった.このQOLを維持したい.骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版では本骨折患者は骨粗鬆症の薬物治療の対象である.昨年,本骨折は約16万人に発生した.8万人にパスを適応し薬物治療開始,継続率80%として連携パスへの骨粗鬆症治療組み込みのシミュレーションを行うと,必要経費57.6億円/年に対し,続発骨折減少により骨折治療費24.6億円/年と介護費用67.7億円/年,計92.3億円/年の削減となった.また,同ガイドラインによれば本骨折患者の子供は脆弱性骨折の危険因子を持つ.この方々は骨折予防の意義を理解され,骨密度検査を勧めると女性はほぼ全員が受診され,低骨密度で治療開始となる方が多い.我々は連携パスに骨粗鬆症治療を組み込みたい.また,本骨折患者の子供に骨密度検査を勧めたい.
  • 生田 拓也, 久賀 太, 矢渡 健一, 石川 純一郎, 田畑 知法
    2009 年 58 巻 1 号 p. 71-74
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    小児大腿骨骨折にlocking plate(以下LP)を用いて内固定を行い良好な結果を得ているので報告した.症例は3例である.受傷時年齢は8歳,9歳,10歳で,男児1例,女児2例であった.全例,骨折部を展開整復しlag screw固定もしくはK-wireにての仮固定を行った後にLPを用いてMIPO (minimally invasive plate osteosynthesis) 法を併用して固定を行った.術後は免荷装具を作製し術後4週より部分荷重を開始した.全例順調に骨癒合が得られた.小児大腿骨骨折において手術を行う場合,髄内釘は骨端線を障害する可能性があるため用いられず,我々は創外固定による治療を以前に報告した.LPによる固定は創外固定と比べpin刺入部の管理などの処置が不要である点が利点であり,MIPO法を併用すれば創の問題も少なくて済み,有用な内固定材であると考えられた.
  • 佐藤 元紀, 半仁田 勉
    2009 年 58 巻 1 号 p. 75-77
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    平成17年1月より平成19年3月までにPilon骨折に対する骨接合(ダブルプレート使用)を施行し術後治療成績を検討した.症例は7症例(男性6人女性1人),平均年齢47歳(26歳から64歳)であった.骨折型はAO分類における部分関節内骨折B型は2型が1症例,完全関節内骨折C型は1型が1症例,2型が3症例,3型が2症例であった.手術までの平均待機日数は,9日であり平均荷重開始時期は30日であった.7症例とも骨融合は良好でありPilon骨折において早期にプレートを用いた内固定を行い早期リハビリテーションを行うことは有用であると考えられる.
  • 崎村 幸一郎, 山口 貴之, 北原 博之, 矢部 嘉浩, 瀬良 敬祐
    2009 年 58 巻 1 号 p. 78-81
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    比較的稀な距骨外側突起骨折の3例を経験したので報告する.症例1は25歳,女性で,転位を伴う距骨外側突起骨折に対して観血的整復固定術を行った.症例2は63歳,男性で,回内型の足関節果部骨折(Lauge-Hansen分類P-A stage3)と距骨外側突起骨折を認めた.骨折部の転位が大きく観血的整復固定術を行った.症例3は10歳,女児で,回内型の足関節果部骨折(Lauge-Hansen分類P-ER stage4)と距骨外側突起骨折を認めた.転位を伴う足関節内果骨折に対して観血的整復固定術を行い,転位のない距骨外側突起骨折に対しては保存的治療を行った.今回経験した距骨外側突起骨折の3例のうち2例に回内型の足関節果部骨折を合併していた.足部の肢位は外がえしで距骨外側突起骨折が発生した.
  • 中川 憲之, 萩原 博嗣, 久我 尚之, 寺本 全男, 田中 智顕, 花田 麻須大, 河村 好香
    2009 年 58 巻 1 号 p. 82-84
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    日本では,猟,クレー射撃などでの散弾銃の所持が許可されているため,事件,事故により散弾銃創を治療する可能性はある.今回我々は2007年12月に佐世保市のスポーツジムで発生した散弾銃乱射事件の被害者の治療を経験した.当院に搬送された被弾者は4例で,1例は死亡,3例は待機的に散弾摘出を行った.1例はすべて摘出できたが,2例は全摘困難であり一部残存した.散弾銃創における治療,合併症について報告する.
  • 宮田 倫明, 村田 雅和, 穂積 晃, 久芳 昭一, 前田 和政, 松村 陽介, 古市 格
    2009 年 58 巻 1 号 p. 85-88
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【はじめに】X線上軽傷と思われた骨盤骨折後に大量の出血を生じ動脈塞栓術を要した2例を経験したので報告する.【症例1】87歳,女性.しりもちをついて受傷.X線では左恥骨上枝の単独骨折だった.CTで骨盤腔内に大量の出血を生じていた.造影CTでactive bleedingの所見だったため血管造影を行い両側の閉鎖動脈を塞栓した.処置中にショック症状を呈し輸血を行った.TAE後状態は安定し53日間で退院した.【症例2】85才,男性.2mの高さより転落して受傷.X線では左坐骨の単独骨折だった.造影CTでactive bleedingがみられたため血管造影を行い閉鎖動脈を塞栓した.処置中に血圧が低下し輸血を行った.TAE後状態は安定し38日で退院した.【結語】X線上軽傷と思われる骨盤骨折でも重傷化する症例があることを念頭に置くべきである.
  • 久 尚史, 半仁田 勉, 藤井 正道, 佐藤 元紀, 田中 基貴, 宮井 保尚, 稲留 辰郎, 柴田 真彰
    2009 年 58 巻 1 号 p. 89-92
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    橈骨遠位端骨折に対する手術法として現在掌側Locking Plate固定が主に行われている.骨脆弱性を有する高齢者と若年者において,その術後成績について検討を行った.2006年2月から2007年7月の期間に,当院において本骨折に対し掌側Locking Plate固定(ステラ:日本ユニテック社)を行った70歳以上の高齢者群10症例,70歳未満の群10症例を対象とした.70歳以上の群では男性3例,女性7例,年齢70~88歳(平均77歳).70歳未満の群では男性6例,女性4例,年齢17~69歳(平均51歳).X線および斎藤の評価基準を用い,両群ともに有意差なく良好な術後成績が得られた.掌側Locking Plate固定は高齢者の橈骨遠位端骨折に対しても強固な内固定が期待できる術式であった.
  • 寺本 全男, 萩原 博嗣, 久我 尚之, 花田 麻須大, 田中 智顕, 中川 憲之, 河村 好香
    2009 年 58 巻 1 号 p. 93-97
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】掌側遠位端骨折に対する手術療法で掌側ロッキングプレートが近年用いられるようになってきおり,今回当科における治療成績を検討した.【対象と方法】橈骨遠位端骨折に対して掌側ロッキングプレート(日本ユニテック Stellar locking plate)による手術療法を行い,6ヶ月以上経過観察し得た43例を対象とした.受傷時平均年齢58.8歳,平均経過観察期間10.9ヶ月,骨折型はAO分類でA型10例,B型5例,C型28例であった.これらの症例に対し,radial inclination (RI),volar tilt (VT),ulna valiance (UV)を計測しX線評価を行い,臨床評価を関節可動域・握力・斎藤の評価法を用いて検討した.【結果】RIは術直後平均22.6°から最終観察時平均22.4°へ,VTは術直後11.7°から最終時10.9°へ,UVは術直後-0.1mmから最終時0.4mmへといずれも整復位が良好に保たれ,また関節可動域や握力など臨床評価もおおむね良好であった.
  • 梅崎 哲矢, 渡邊 信二, 帖佐 悦男
    2009 年 58 巻 1 号 p. 98-103
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    当院で施行した足趾の仮骨延長症例につき検討を行ったので報告する.対象は,平成17年4月から小型延長器(Mini Hoffman延長器,Orthofix Mini Rail System)を用いて仮骨延長を行った4例6趾(男性1例2趾,女性3例4趾,平均年齢17歳9か月)である.原疾患は第4中足骨短縮症3例5趾,多趾症術後の変形1例1趾である.評価項目を延長量,延長率,延長器装着期間,Healing Index(HI),合併症等について検討した.結果は,平均延長16.4mm,延長率42.5%,EF平均118.5日,HI平均で77.8日/cmであった.合併症として早期癒合,創外固定器の破損と弛み,感染,術後変形がみられた.手術手技,長期の治療期間,管理や延長器の強度などの問題があり,足趾の延長についてはまだ広く行われていないが,機能温存・整容面で有用な治療法と考えられた.
  • 牛島 貴宏, 山下 彰久, 白澤 建藏, 城戸 秀彦, 原田 岳, 林 哲生, 藤村 謙次郎
    2009 年 58 巻 1 号 p. 104-110
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】踵骨関節内骨折に対するWesthues法の治療成績を報告するとともに問題点に関する検討を行った.【対象と方法】1998年から2007年までにWesthues法を用いて手術を行った踵骨骨折26例28足を対象とした.男性17例19足,女性9例9足,平均年齢は54.9歳,平均観察期間は8.6ヶ月であった.骨折型はEssex-Lopresti分類に従い,tongue type 17足(T2:11足,T3:6足),joint depression type 11足(D2:7足、D3:4足)だった.X線学的評価として,初診時,術後および最終調査時のBhler角と横径指数を測定した.術後の臨床評価としてMaxfieldの判定基準を用いた.【結果】臨床成績はExellent 8足,Good 17足,Fair 3足,Poor 0足であった.最終調査時のBhler角および横径指数と臨床成績の間には相関関係は認められなかった.joint depression typeではBhler角の矯正損失値が有意に大きく,横径指数の改善率が小さい傾向にあった.【まとめ】踵骨骨折に対するWesthues法は低侵襲であり成績も良好であった.joint depression typeではBhler角の矯正損失と横径改善に注意が必要と考えられた.
  • 村田 雅和, 古市 格, 宮田 倫明, 穂積 晃, 久芳 昭一, 前田 和政, 松村 陽介
    2009 年 58 巻 1 号 p. 111-115
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    我々は,上腕骨近位部骨折における関節内骨折例または透視下での整復不能例に対しては,観血的整復,内固定術(ORIF)を行っている.一昨年よりsynthes社LCPを用いており,本プレートの利点,問題点について検討した.症例は男性6例,女性1例,平均年齢53.4歳で,骨折型はAO分類:A2-1例,B1-1例,B2-1例,C2-3例,C3-1例であった.術後成績はJOA scoreで平均80.7点であった.3例で内反変形の進行,screwのcut outを認めた.LCPはlocking機構によるangular stabilityおよびlooseningの軽減が期待できる.しかしその安定性ゆえに,骨質が脆弱な症例や,関節内骨片の固定がscrew先端のみで不十分な症例にたいしては,術後の再転位によりscrewのcut outを起こしうることを念頭におく必要がある.
  • 畠山 昌久, 西田 茂喜, 石原 善三郎, 西田 智
    2009 年 58 巻 1 号 p. 116-118
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    腕立て伏せにより上腕三頭筋に限局して生じた横紋筋融解症の1例を報告する.症例は16歳男性で部活動で腕立て伏せをした翌日に両上腕の疼痛,腫脹,両肘関節の屈曲制限が出現した.血清CKは28000 IU/lと上昇していた.MRIで上腕三頭筋の内側頭にT1強調像で等信号,T2強調像で高信号を呈し,臨床所見などと合わせ,横紋筋融解症と診断した.安静,補液により症状及びCK値は徐々に改善し,12日目には正常化した.本症例は腕立て伏せが横紋筋融解症を来たした誘因と思われた.しかし腕立て伏せの回数は部活動での通常通りのものであった.通常行っている運動でも横紋筋融解症を来す可能性があり注意が必要であると思われた.
  • 中村 雅洋, 吉野 伸司, 肥後 勝
    2009 年 58 巻 1 号 p. 119-123
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病の下肢変形は小児期からの内科的治療により予防可能とされているが,実際には観血的治療を要する遺残変形例も散見される.今回3例6肢のO脚変形に対する矯正手術を行ったので報告する.症例1,14歳男児.脛骨内反のIlizarov法による緩徐矯正を施行したが,toe-in gaitが残存したため内捻矯正を追加した.症例2,14歳男児.大腿骨の一期的矯正とEnder釘による内固定,脛骨のIlizarov法による内反,内捻の緩徐矯正を行ったが,大腿骨には固定性不良による矯正損失が生じた.症例3,11歳女児.大腿骨はOrthofix創外固定器による一期的矯正,脛骨はIlizarov法による内反,内捻の緩徐矯正を行った.今回の結果からは,くる病のO脚変形には大腿骨は単支柱式創外固定器による一期的矯正,脛骨にはリング式創外固定器による緩徐矯正が適していると思われた.
  • 大久保 宏貴, 半澤 浩明, 前原 博樹, 金谷 文則
    2009 年 58 巻 1 号 p. 124-129
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    Gossypibomaとは布性異物遺残による医原性偽性腫瘍を意味し,その報告は腹腔内で最も多く四肢での報告は少ない.今回,大腿部に発生したgossypibomaの1例を報告する.症例は41歳,男性.25年前,左大腿骨骨幹部骨折を受傷し,他院にてプレート固定術を受け,その翌年抜釘術を施行された.10年程前より左大腿部腫瘤を自覚していたが,疼痛なく近医にて経過観察されていた.2か月前より疼痛を自覚し,画像診断にて悪性軟部腫瘍が疑われ当院紹介となった.初診時,腫脹が強く,大腿外側後面に3.5×4 cmの皮膚潰瘍と周囲の発赤を認めた.針生検ではdesmoid疑いの診断であったが,確定診断を得る目的で切開生検術を施行した.腫瘍性病変内に25年前の手術時のものと思われるガーゼを2~3枚認めた.病理では炎症性肉芽組織像を呈し,腫瘍細胞は認めず,gossypibomaと診断した.私たちが渉猟しえた範囲で下肢発生gossypibomaは10例の報告のみであった.
  • 田畑 知法, 生田 拓也, 矢渡 健一
    2009 年 58 巻 1 号 p. 130-134
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【はじめに】類骨骨腫は夜間痛が特徴的で,関節近傍に発生した場合は関節炎様の症状を示すとされる.今回我々は,大腿骨小転子部に発生し股関節炎様症状を示した2症例を経験したので報告する.【症例1】21歳男性.3ヶ月前から左股関節の運動時痛,夜間痛を自覚.近医受診するも異常指摘されず,経過観察とされた.症状続くため当院受診.単純X線,MRIにて類骨骨腫と診断.腫瘍摘出術を行った.術後夜間痛軽快し,経過良好である.【症例2】18歳男性.3ヶ月前より左股関節の運動時痛,夜間痛あり当院初診.単純X線,MRI,CTにて大腿骨小転子部の類骨骨腫と診断.腫瘍摘出術を施行.術後夜間痛軽快し,経過良好である.【考察】大腿骨小転子部に発生した類骨骨腫の2症例を経験した.腫瘍摘出により症状軽快し,経過良好である.夜間痛を伴う股関節炎が存在する症例では類骨骨腫も考慮すべきである.
  • 富田 雅人, 熊谷 謙治, 中村 隆幸, 志田 崇之, 楊井 知紀, 進藤 裕幸
    2009 年 58 巻 1 号 p. 135-140
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    多発性内軟骨腫は,比較的稀な疾患である.大腿骨顆上部に発生した内軟骨腫のために外反膝変形及び脚長差を生じ矯正骨切り術を行った症例を経験した.症例は6歳7ヵ月の女児である.母親が左膝の変形に気付き受診した.初診時左膝の外反変形及び約4 cmの脚長差があり,X線では左大腿骨近位及び顆上部外側に骨透亮像を認めた.その後外反変形が進行し,切開生検にて診断を確定し,8歳で手術を行った.術後9ヵ月の現在,骨癒合良好で姿勢・歩容ともに改善している.考察 本症例は,同側大腿骨の近位部と遠位部に内軟骨腫が発生した.近位部はX線上腫瘍の増大・変形の進行はなかったが,遠位部では著明な成長障害・変形を生じた.現在,経過は比較的良好であるが,成長障害による脚長差の増大や,変形の再発などの問題があり,今後の長期間の経過観察が必要である.
  • 佐藤 広生, 薬師寺 俊剛, 依光 茂太, 岡 潔, 水田 博志
    2009 年 58 巻 1 号 p. 141-145
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】骨外性骨肉腫は非常に予後不良である.広範切除術後に肺転移を来たし化学療法もしくは肺切除により長期生存中である骨外性骨肉腫の2症例を経験したので報告する.【症例1】58歳男性.2000年8月右下腿後面の腫瘤を自覚.術前化学療法(CDDP)を行い,同年12月20日広範切除術施行.術後化学療法(VAC)を施行した.術後1年4ヶ月で右肺転移を認め,右肺上葉切除術を施行.化学療法(ADM, IFM)を再開し,現在初回術後7年2ヶ月で無病生存中である.【症例2】36歳男性.1998年6月右大腿遠位外側の腫瘤を自覚.同年10月14日広範切除術を行い、術後化学療法(ADM, CDDP)を施行した.術後2年5ヶ月で両肺に多発性の結節性病変が出現し多発性肺転移が疑われ,化学療法(ADM, IFM)を再開した.2ヶ月後病変は消失し,現在術後9年4ヶ月で無病生存中である.【考察】骨外性骨肉腫の5年生存率は25%~37%程度と予後不良とされてきたが,近年,手術に加えて化学療法を行い,5年生存率が60%~70%程度と予後が改善されてきている.我々の症例も広範切除術に加えて化学療法を行っており,そのことが長期生存につながったものと考えられた.
  • 川添 泰臣, 横内 雅博, 有島 善也, 松山 金寛, 本木下 亮, 小宮 節郎
    2009 年 58 巻 1 号 p. 146-148
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    下肢転移性骨腫瘍に対し外科的治療を行った症例について検討を行ったので報告した.平成13年以降に当科にて手術を施行した22例を対象とした.男性12例,女性10例で手術時年齢の平均は66.5歳であった.術前PSは0が9例,1が11例,2が2例であった.手術前に病的骨折を7例に認めた.切迫骨折は15例でそれらのMirels scoreは平均9.5であった.最終観察時の予後は評価が可能であった20例のうち,DOD 13例,AWD 3例,DF 3例,DOOC 1例であった.脛骨病巣に対し辺縁切除及び骨セメント充填を施行した1例に術後1年での局所再発と疼痛の再燃を認めた.集学的治療の進歩に伴い各種がんの生命予後が改善されつつある現在,骨転移症例も増加してきている.予後が長期に及ぶ症例もあり,その手術適応および術式選択には慎重を要すると考えられた.
  • 古川 雄樹, 辻 王成, 高口 太平, 松本 伸也, 吉野 啓四郎, 馬渡 玲子, 濱崎 将弘, 吉野 與一郎, 重盛 廉
    2009 年 58 巻 1 号 p. 149-152
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
    近年,舟状骨骨折に対して種々の内固定材料が開発され良好な成績がえられている.今回我々はAcutrak Screw®を使用しCTにてスクリューの位置を評価した.2006年11月~2007年12月までに当院及びその関連施設にて手術を行った5例5手を対象とした.手術は掌側法にて行った症例は3例,背側法にて行った症例は2例であった.CTにおける評価法は藤谷らの評価法を用いた.全例骨癒合が得られ,Cooneyの評価は全例優であった.CTにおけるスクリューの位置は舟状骨の遠位,中央,近位どの断面においても舟状骨中央1/3に挿入されていなかった.特に掌側法において舟状骨近位ではスクリューは中央から大きくずれていた.スクリューの位置不良の原因として技術的な問題と,舟状骨近位の形状が考えられた.
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