整形外科と災害外科
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61 巻 , 3 号
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  • 井手 衆哉, 高山 剛, 西古 亨太, 米倉 豊, 上杉 勇貴, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2012 年 61 巻 3 号 p. 341-345
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    Scorpio posterior stabilizer型人工膝関節置換術(PS TKA)について,単純X線像にて脛骨component周囲のradiolucent lineを調査し,セメント固定の有無による違いを比較検討した.対象は150例242膝で,年齢は平均74.5歳,疾患は全例内側型変形性膝関節症で経過観察期間は平均2.7年であった.脛骨componentの固定法によりセメント群71例114膝,セメントレス群79例128膝に分類した.Radiolucent lineの出現率はセメント群18.4%,セメントレス群10.1%と,セメント群において高率にradiolucent lineの出現が認められた.セメントレス群において,早期にradiolucent lineが出現する傾向であったが,経時的に改善する症例も認められた.セメントレスPS TKAにおいては,やはり初期固定力が最も問題であるため,適応を明確にすることが重要である.
  • 石田 康行, 矢野 浩明, 山本 惠太郎, 河原 勝博, 田島 卓也, 山口 奈美, 大田 智美, 中村 志保子, 帖佐 悦男
    2012 年 61 巻 3 号 p. 346-349
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    以前,鏡視下腱板修復術(ARCR)の成績を報告した.術後臨床成績は良好であったが大,広範囲断裂例,術前筋萎縮進行例で再断裂が多かった.この反省を踏まえ適応を厳選しARCRを行ってきた.今回,適応厳選前後の成績を調査したので報告する.2005年10月から2009年7月の前期に行った80肩と2009年8月から2010年8月の後期に行った58肩を対象とした.両期での断裂形態,断裂腱板筋萎縮,腱板修復状態,臨床成績を調査した.大,広範囲断裂,筋萎縮進行例の割合が有意差はなかったが後期で減少していた.腱板修復状態は後期で有意に改善していた.臨床成績は両期とも術後有意に改善していた.適応を厳選すれば再断裂例は減少していた.一時修復不能例の多くは陳旧性腱板断裂の有症状化と考えられる.個々の症例に合わせた保存療法も含めた治療法の選択が必要である.近年のARCRの成績から若年の修復可能な症候性腱板断裂例は修復不能例を予防するためにも積極的な手術が推奨される.
  • 衛藤 正雄, 崎村 幸一郎, 中原 信一, 中添 悠介
    2012 年 61 巻 3 号 p. 350-354
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    腱板広範囲断裂に対する直視下パッチ法の適応と限界について検討した.当院でパッチ法を行った広範囲断裂12肩(男10例,女2例)を対象とした.平均年齢は71(66-79)歳で,平均観察期間は21(6-33)ヵ月であった.大腿筋膜パッチを9肩(うち小円筋移行術の併用4肩),上腕二頭筋長頭腱(LHB)パッチが3肩であった.術前後のJOAスコアを調べ成績に影響を及ぼす因子を検討した.平均JOAスコアは58.6が80.5に改善した.大腿筋膜パッチ5肩中1肩とLHBパッチ3例全例に再断裂を認めた.再断裂例および術前の肩甲下筋腱断裂例の成績が劣っていた.LHBパッチは全例再断裂しており,再考の必要がある.肩甲下筋腱断裂例や大腿筋膜パッチの大きさが5cmを越えるような場合は,小円筋移行術の併用が望ましい.
  • 柳澤 義和, 野村 裕, 幸山 敦子, 堀田 謙介, 城戸 聡, 田中 孝幸, 中野 壯一郎, 有馬 準一, 大賀 正義
    2012 年 61 巻 3 号 p. 355-361
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    目的 腰椎変性側彎症に対する手術治療では除圧術に加え,PLIFやより低侵襲なTLIFが行われる.今回当科における腰椎変性側彎症に対するPLIFとTLIFの治療成績について調査・検討した.方法 当科にて2007年から2009年において腰椎変性側彎症と診断され後方固定術を施行した9例(男2例,女7例)を調査対象とし術前後のアライメントならびにJOA scoreを評価した.結果 出血量と手術時間に関してPLIF群とTLIF群とでは有意差は認めなかった.また最終経過観察時点でのCobb角,前彎角においてPLIF群とTLIF群では有意差は認めなかった.JOA score(29点満点)においてもPLIF群とTLIF群では有意差は認めなかった.考察 TLIF群において術後2年経過するとCobb角は術前よりも増大していたが,臨床症状の悪化は認めなかった.まだ中期での治療成績であるため今後も継続してfollowする必要があると考えられた.
  • 石原 康平, 白澤 建蔵, 山下 彰久, 渡邊 哲也
    2012 年 61 巻 3 号 p. 362-365
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【要旨】当院では腰椎変性側弯症(以下DLS)に対し,原則として根症状,馬尾症状などの症状を誘発する責任椎間の後方椎体間固定術で対応している.一方でDLSの中には頑固な腰痛を合併し,経年的に冠状面バランスが不良となる症例も含まれている.今回そのような症状に対し,脊椎後方再建術を施行した症例について報告する.平成15年から平成23年の8年間でDLSに対し当院で後方からの手術を行った60症例(男性11例,女性49例,手術時平均年齢74.7歳)のうち,4椎間以上の後方再建術を施行したのは3例で,どの症例も80歳台であった(手術時平均81.7歳).術前の立位Cobb角の平均は36.3度,平均固定椎間数は6椎間(4-9椎間)で,可及的にバランスを調整し,術後の立位Cobb角は17.3度であった.ADLに関してもJOAスコアにて68.5%の改善(平林法)を認め,症状の軽快をみとめた.
  • 井尻 幸成, 田邉 史, 川畑 直也, あべ松 昌彦, 中川路 愛弓, 海江田 英泰, 山元 拓哉, 武富 栄二, 米 和徳, 小宮 節郎
    2012 年 61 巻 3 号 p. 366-368
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    腰椎変性側弯症に対する固定術については,神経学的責任病巣を絞り最小限の除圧・固定術を行うべきとする考えや,脊柱変形の立場から全脊柱のalignmentを重視する考え方などがある.後方矯正固定術を行った自検例をretrospectiveに調査した.対象は2000年以降除圧固定術を施行した42例(男性18例,女性24例)で,Cobb 角15°以上の側弯変形を認めた49歳以上を対象とした.神経根障害レベルを同定し,限局したPLIFを行った症例が33例(N群),alignmentと腰痛を考慮し固定範囲を延長したものが9例(A群)であった.臨床的には両群とも良好な結果が得られたが,特に変形高度の症例で胸椎まで固定したA群の症例では満足度が高かった.N群では遅発性椎体骨折を3例,隣接椎間障害を3例認め,A群では一例に術後深部感染を生じた.追加手術はN群で4例,A群で1例に施行した.
  • 上杉 勇貴, 井手 衆哉, 西古 亨太, 米倉 豊, 高山 剛, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2012 年 61 巻 3 号 p. 369-372
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】異なる2機種において膝蓋骨非置換人工膝関節全置換術(TKA)後の膝蓋大腿関節(PF)の術後関節症変化を比較検討した.【対象と方法】症例は変形性膝関節症(膝OA)に対しTKAを行った61例100膝である.使用機種はNexGen(N群)50膝,Scorpio(S群)50膝であった.検討項目はX線定量評価として術直後,最終観察時の屈曲60°軸写像にてlateral tilt(LT),lateral shift ratioを,側面像にてpatella heightを評価した.またOA変化の評価として骨硬化像の有無,骨棘の有無,関節裂隙狭小化の有無を評価した.【結果】X線定量評価は,LTのみS群が小さく2群間に有意差を認めた(p<0.05).OA変化の評価では,骨硬化像の有無,OA進行について2群間で有意差を認め(p<0.05),S群によりOAの進行を認めた.【考察】Scorpioにおいて術後OA進行をより多く認めた原因としては,patellar grooveが放射状であるため,central ridgeに応力が集中した可能性が示唆された.
  • 佐久間 克彦, 宮本 和彦, 今村 悠哉, 井本 光次郎, 城下 卓也, 細川 浩, 岡野 博史, 岡村 直樹, 岡田 二郎, 本多 一宏, ...
    2012 年 61 巻 3 号 p. 373-376
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】大腿骨遠位前面を大腿骨コンポーネントの回旋指標として導入し,術前計画と,TKA術後の大腿骨コンポーネントの設置位置の誤差を評価・検討したので報告する.【方法】JIGENTM systemを用いて術前計画を行い,施行したTKA(WRIGHT社ADVANCE)15症例,19膝を対象とした.術中は,術前計画に従い,専用ジグを使用して骨切りを行った.術後は,ソフトウェア内のインプラントデータと重ね合わせ,大腿骨コンポーネントの設置位置を評価した.【結果】術前計画と大腿骨コンポーネントの設置角度の平均誤差は,内外反角1.1°±1.1°,最大差は4°外反.屈曲伸展角1.1°±0.8°,最大差は3°屈曲.回旋角1.5±0.9°,最大3°内旋であり術前計画との誤差は各パラメータとも平均は3°以内であり良好な結果であった.【結論】JIGEN systemを用いて大腿骨遠位前面を指標に行ったTKAは,術前計画を正確に反映しており,術中の大腿骨コンポーネント回旋設置位置の決定方法として有用であると考えられる.
  • 轟木 崇也, 柴田 陽三, 篠田 毅, 瀬尾 哉, 今村 尚裕, ファン ジョージ, 城島 宏, 秋吉 祐一郎
    2012 年 61 巻 3 号 p. 377-380
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    Versalok®を用いて鏡視下腱板修復術(ARCR)を施行した短期臨床成績を報告する.【対象ならびに方法】術後半年以上観察可能であった21肩を対象とした.術前,最終経過観察時の可動域,JOA score,合併症について検討した.統計学的検定にはt-検定を用い,p値0.05未満を有意差ありとした.【結果】拳上角度は術前平均118.3±39.9°,術後平均139.5±23.2°(p=0.01),外旋はそれぞれ47.9±14.6°と51.4±8.2°(NS),内旋はそれぞれTh11.9±3.6とTh11.7±2.4(NS)であった.JOA scoreは術前65.6±10.4点から90.2±8.0点へ有意に改善した(p<0.0001).術中1例でVersalok®が脱転した.術後の脱転例は認めなかった.【結語】Versalok®アンカーを使用したARCRの短期成績は良好であった.
  • 立花 真理, 山口 浩, 普天間 朝上, 金谷 文則, 森山 朝裕
    2012 年 61 巻 3 号 p. 381-384
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    一次修復不能な腱板広範囲断裂に対して,さまざまな術式が報告されている.今回,肩甲下筋を含む前上方欠損に対して大胸筋を用いた二次修復術を行った3例の結果を報告する.症例1:68歳男性.肩痛と屈曲制限あり受診.肩甲下筋の部分断裂と棘上筋,棘下筋断裂に対して大胸筋移行術を施行.現在術後10ヵ月で疼痛,可動域とも改善している.症例2:75歳男性.7年前からの肩痛で受診.肩甲下筋の部分断裂と棘上筋,棘下筋断裂を認めた.現在術後13ヵ月で,MRIにて一部再断裂像を認めるが,疼痛,可動域は改善している.症例3:71歳,女性.慢性の肩痛が6ヵ月前から増悪し,屈曲制限あり受診した.棘上筋,棘下筋,肩甲下筋と小円筋の部分断裂を認め,手術を施工.現在術後9ヵ月で疼痛,可動域が改善している.3例全例で,良好な成績であったことから,本術式は有用と考えられる.
  • 上木 智博, 冨田 伸次郎, 浦川 伸弘, 菅 政和
    2012 年 61 巻 3 号 p. 385-387
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    三角骨骨折は比較的まれな外傷である.今回我々は,転倒外傷後に嚢腫様病変を呈した三角骨骨折の1例を経験したので報告する.症例:53歳,男性.現病歴:2010年10月自転車走行中に左手をついて受傷.左手関節背側部痛を訴え,当院受診後精査にて三角骨嚢腫の診断にいたる.左手関節痛が持続し,嚢腫性病変の診断のため同年12月手術施行.手背部の小切開によるアプローチにて三角骨に到達後,欠損部分の掻爬後リン酸カルシウム骨セメント(以下CPC)を注入して手術終了した.病理所見上骨の壊死組織主体で腫瘍性病変なく,確定診断は三角骨骨折であった.術後三カ月程度で疼痛も消失し,現在日常生活に支障のない状態である.考察と結語:今回嚢腫性病変を来した三角骨骨折を経験したが,海綿骨の損傷が大きい場合,今回のような骨嚢腫との鑑別が必要となるため注意が必要である.
  • 土持 兼信, 多田 弘史, 松﨑 尚志, 西島 毅志
    2012 年 61 巻 3 号 p. 388-391
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    血液透析患者,糖尿病患者の壊疽は通常下肢に生じ,上肢に発症する例はまれである.今回,当院における外傷,腫瘍を除く上肢切断例について検討した.【症例】2002年1月から2011年8月までに上肢切断を行った21例を対象とした.男性15例,女性6例.初回手術時の年齢は40~88歳(平均64.2歳).透析中が17例(糖尿病性腎症が12例),11例はシャント側の切断であった.非透析例では糖尿病性壊疽が1例,ヘパリン起因性血栓症が1例,播種性血管内凝固症候群が1例,シェーグレン症候群(心不全合併)が1例であった.最終切断高位は手指が13例,手関節が5例,前腕が2例,肩関節が1例であった.6例に多数回の手術が行われた.【結語】上肢切断例の多くは血液透析例で,特にシャント側に多く,スチール症候群の関与が考えられた.透析技術の進歩により透析患者の生命予後が改善し,今後,上肢切断例は増加することが予想された.
  • 角田 憲治, 樋口 健吾, 田中 博史, 石井 英樹, 重松 正森, 浅見 昭彦
    2012 年 61 巻 3 号 p. 392-396
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    尺骨短縮術は尺骨突き上げ症候群や三角線維軟骨複合体損傷などの尺側手関節痛を生じる疾患に対して行われ,良好な成績が報告されている.しかし,尺骨の骨切り部の横径は細く,海綿骨に乏しいことなどから,時として骨切り部の遷延骨癒合や偽関節を経験することがある.われわれはV字に骨切りを行うことで骨切り部位の接触面積を大きくし,回旋運動に対し安定させることができるため,遷延癒合や偽関節の出現を少なくさせうるのではないかと考えた.フリーハンドでV字に骨切りを行い,形状を合わせて固定することは非常に難しいため,V字骨切りデバイスを考案し,臨床応用した.8例8手を対象とし尺骨短縮術を行った.骨癒合までの期間は平均で12.4±5.4週であった.日手会評価基準ではexcellent 6手,good 2手であった.デバイスを使用することで,正確な尺骨V字骨切りが可能であった.
  • 高橋 洋平, 谷川 泰彦, 越智 康博, 國司 善彦, 木戸 健司
    2012 年 61 巻 3 号 p. 397-401
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】肘部管症候群において電気生理学的検査での障害部位と術中所見を比較し病態について考察する.【対象】2006年4月から2011年6月までに当科で手術を行った肘部管症候群の患者23例24肘を対象とした.【方法】肘関節90°屈曲位で内側上顆を中心に2cm間隔で5点の刺激部位を設定し最大上刺激を行った.この2点間潜時の最遅延部と実際の術中所見を比較した.【結果】刺激した2点間を末梢より順にZone1,2,3,4と定義した.2点間潜時の最遅延部がZone1,2であった群では尺骨神経の圧痕などの肉眼的異常所見を認めたが,内側上顆より中枢側で遅延していた群とZone2~4に多区間の遅延を認めた群では尺骨神経の肉眼的異常所見は認めなかった.これらの群では前方移行により良好な成績を得た.【考察】尺骨神経に肉眼的異常所見を認めなかった群は電気生理学的検査の所見と合わせ摩擦による神経障害が主因と考えられ,前方移行の良い適応であったと考える.
  • 田中 潤, 尾上 英俊, 白地 仁, 櫻井 真, 轟木 将也, 亀川 史武
    2012 年 61 巻 3 号 p. 402-405
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    橈骨遠位関節内から骨幹部にかけての骨折の発生頻度は少なく,その治療法に関する報告はほとんど見られず,治療法に難渋する骨折と言える.今回我々は上記骨折2症例に対し,2種類のplateを用い手術を行い,良好な成績を得たので若干の文献的考察を加え報告する.症例1:42歳男性.乗用車の単独事故で受傷.右橈骨遠位関節内から骨幹部にかかる骨折を認め,尺骨頭の脱臼を伴ういわゆるGaleazzi骨折であった.受傷後5日目に小林メディカル社Acu-loc extra-long plateを用いて手術を行った.症例2:43歳男性.アパート4階から転落し受傷.橈骨遠位関節面の高度の粉砕を伴う骨幹部にかけての右橈尺骨開放骨折を認めた.受傷後4日目にSynthes社 LCP-Metaphyseal plate3.5をdorsal wrist-forearm plateとして使用し手術を行った.結果:2例とも骨癒合が得られ,著明な可動域制限も認めず,経過良好である.
  • 石井 英樹, 浅見 昭彦, 重松 正森, 田中 博史, 角田 憲治, 樋口 健吾
    2012 年 61 巻 3 号 p. 406-409
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】橈骨遠位端骨折に対しDePuy社製DVR® Anatomic Volar Plate System(DVR)を用いたDouble-tiered Subchondral Support(DSS)法による治療を検討すること.【対象】DVRにて治療した橈骨遠位端骨折10手(平均年齢67.6歳).AO分類A3.3: 4手,C3.1: 5手,C3.2: 1手で8手に尺骨骨折の合併を認めた.【方法】可動域,握力などの臨床評価と術直後から最終経過観察時の単純X線写真上の矯正損失を評価した.【結果】最終経過観察時,関節可動域や握力など臨床評価は良好でX線学的評価でも矯正損失はごく軽度認めるのみであった.【考察】このプレートはOrbayが提唱する‘Watershed Line’を越えない様にデザインされている.また遠位1列目から掌側の,2列目から背側の関節軟骨下骨を支持固定するDSS法を使用できることも特徴で,今回の結果からも矯正損失を認めず,橈骨遠位端骨折に対して良好な固定材料となり得ると考える.
  • 安部 幸雄, 吉田 紘二, 中島 大介, 富永 康弘
    2012 年 61 巻 3 号 p. 410-413
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】掌背側の小皮切から掌側ロッキングプレート(VLP)固定と人工骨移植による背屈転位型橈骨遠位端骨折変形治癒の治療成績について報告する.【対象】症例は6例で全例女性,年齢は47歳~88歳,平均66歳であった.術式は背側2cmの皮切でopen wedge で骨切り,矯正して鋼線にて仮固定し,掌側3~4cmの皮切にてVLPを挿入し固定したのち骨切り部にβ-TCPを移植した.術後3日目より可動域訓練を開始した.経過観察期間は6~36か月,平均18か月,術後成績はMayo modified wrist scoreにて行った.【結果】全例,疼痛は消失しE:2例,G:4例と良好な成績が得られた.【考察】橈骨遠位端骨折変形治癒の治療は従来,矯正損失を防止するため腸骨移植と術後の外固定を要したが,今回,低侵襲でのVLP固定,人工骨移植と早期機能訓練で良好な成績が獲得できた.
  • 村井 哲平, 酒井 昭典, 大茂 壽久, 目貫 邦隆, 善家 雄吉, 中村 利孝
    2012 年 61 巻 3 号 p. 414-418
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    Essex-Lopresti骨折は比較的稀な骨折である.粉砕した橈骨頭骨折に生体内吸収性骨接合材(SuperFIXSORB-MX)を使用し,良好な結果が得られたので報告する.症例は26歳男性,約2.5mの高さから転落して左手をついて受傷,翌日当院に紹介となった.左肘,前腕,手関節に腫脹と疼痛を認めた.画像検査にて橈骨頭粉砕骨折,尺骨頭の背側脱臼,および骨間膜の損傷を認め,Essex-Lopresti骨折type 1と診断した.粉砕した橈骨頭骨片をDTJミニスクリューで固定し,腸骨から採取した骨を移植して,吸収性プレートを用いて骨幹部と固定した.遠位橈尺関節は不安定性を認めたため,一時的にK-wireを用いて固定を行った.術後7ヶ月で骨癒合しており,関節可動域も概ね良好であり,合併症は認めていない.粉砕した橈骨頭骨折に対する骨接合材として,生体内吸収性骨接合材は有用であった.
  • 岡村 直樹, 中島 伸一, 佐久間 克彦, 本多 一宏, 宮本 和彦, 岡田 二郎, 今村 悠哉, 井本 光次郎, 細川 浩, 城下 卓也, ...
    2012 年 61 巻 3 号 p. 419-423
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    開放性骨盤骨折は腹部臓器の損傷を伴うことが多く,致死性の外傷である.今回我々は尿路損傷,直腸断裂を伴う開放性骨盤骨折を経験したので報告する.症例は36歳男性,乗用車運転中大型クレーン車との衝突事故にて受傷.不安定型骨盤骨折が認められ,出血性ショックのため血管造影,塞栓術施行.術後尿路損傷,直腸断裂が判明し,膀胱瘻造設,人工肛門造設施行.骨盤骨折に対しては創外固定術施行.その後深部感染,敗血症を生じ計3回の切開排膿,デブリードマンを施行し改善.現在両下肢装具にて杖歩行のレベルである.直腸損傷は頻度は少ない合併症であるが,便汚染を生じると深部感染を生じやすく敗血症を生じ晩期の死因の一つとなる.診断には今まで出血の有無が重視されてきたが,精度に疑問視も多く,繰り返し行うCTが重要であると考える.また,治療には膀胱瘻,人工肛門造設して二次感染を防止することが重要であると考える.
  • 原 紘一, 古庄 耕史, 二宮 直俊
    2012 年 61 巻 3 号 p. 424-428
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    Locking Compression Plate(以下LCP)は骨折治療において有用な内固定剤であるが, 近年, 抜去困難の報告が散見される. 当科でもLCP抜去困難症例を2例経験した. 抜去方法は, LCPを部分切除したものが1例, LCPを回転させて摘出したものが1例であった. 初回手術時の正確な手術手技は勿論のこと, 抜釘時には抜去困難用器具の準備とその手技を十分に熟知して臨むことが重要であると思われた.
  • 桑野 洋輔, 鳥越 雄史, 前田 和成, 岡野 邦彦, 山口 貴之, 泉 政寛, 横田 和明, 本川 哲
    2012 年 61 巻 3 号 p. 429-434
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    同側下肢多重骨折の報告は散見されるが,大腿骨頚部・骨幹部・脛骨骨幹部合併骨折の報告は少ない.同側大腿骨頚部・骨幹部・脛骨骨幹部合併骨折の2例を経験したので固定法,治療成績を報告する.症例1:35歳男性,交通事故で受傷.右大腿骨転子部・骨幹部骨折,両脛腓骨骨幹部骨折を認めた.同日両下腿を創外固定器にて牽引,右大腿骨直達牽引施行した.受傷後18日目,両脛骨髄内釘固定,右大腿骨転子部・骨幹部髄内釘固定施行した.症例2:36歳男性,交通事故で受傷.右大腿骨頚部・骨幹部骨折,右脛腓骨骨幹部骨折を認めた.同日右下腿を創外固定器にて牽引,右大腿骨直達牽引施行した.受傷後16日目,右脛骨髄内釘固定,右大腿骨骨幹部プレート固定,大腿骨頚部スクリュー固定施行した.多重骨折例では固定材料の選択が難しい.大腿骨に対しては髄内釘単独,プレートとスクリューの組み合わせ等が考えられ,骨折型にあわせた固定材料の選択が必要となる.
  • 櫻井 真, 尾上 英俊, 白地 仁, 田中 潤, 轟木 将也, 亀川 史武
    2012 年 61 巻 3 号 p. 435-438
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【はじめに】脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘手術において,閉鎖的整復が困難な症例が存在する。我々はそのような症例に対し観血的整復を行っており,今回その治療成績について報告する。【対象及び方法】2001年1月から2010年12月までの間,閉鎖性脛骨骨幹部骨折に対し,Stryker社製T2 tibial nail を用いて骨接合術を行った65例中,観血的整復を必要とした症例は6例で,術後早期に転医となった1例を除く5例を対象とした。手術は骨折部に切開を加え骨把持鉗子にて整復位を保持し髄内釘手術を行った。骨癒合,骨癒合までの期間,骨癒合時の骨折部の変形について検討した。【結果】全例に骨癒合を認め,骨癒合までの期間は16~25週(平均20.5週),角状変形は3°以内であった。
  • 安楽 喜久, 國武 克彦, 堤 康次郎, 安中 正法, 束野 寛人, 田原 隼, 小山 雄二郎, 西田 公明
    2012 年 61 巻 3 号 p. 439-442
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【はじめに】当科では2011年4月より大腿骨頚部骨折に対しSliding hip screwとMultiple cancelleous screw両方の特徴を兼ねたTargon FNを用いて骨接合術を行っており,その治療経験を報告する.【対象】症例は男性3例女性8例,平均年齢は69才,平均追跡期間は2.8ヶ月であった.【結果】平均手術時間は51.8分,出血量は全例50ml未満であった.骨折型はGarden分類にてstageI:4例, stageII:6例, stageIII:1例であった.正面像における術後スライディング量は平均3.9mm(0~8mm)であった.偽関節やカットアウト症例はなく,対側の大腿骨骨折合併例を除いて歩行可能であった.【考察】当機種は,複数のスクリューで回旋安定性が得られ,かつロッキングプレートで固定されることより,骨折治癒における合併症の軽減が期待される.
  • 樋高 由久, 古江 幸博, 田村 裕昭, 永芳 郁文, 本山 達男, 川嶌 眞之, 尾川 貴洋, 片山 隆之, 川嶌 眞人
    2012 年 61 巻 3 号 p. 443-446
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    γネイルを用いた骨接合術後に二次骨折をおこした3例について報告する.〈症例(1)〉87歳,女性.施設で転倒し,左大腿骨転子部骨折を受傷.初回手術後35日目に転倒し,再骨折を認めた.〈症例(2)〉52歳,男性.施設入所中転倒し,左大腿骨転子下骨折を受傷.初回手術後38日目に転倒し,再骨折を認めた.〈症例(3)〉79歳,男性.ベッド上で左股関節痛により体動困難となり,左大腿骨転子下骨折を認めた.初回手術後182日目に転倒し,再骨折を認めた.全例がネイル先端から遠位横止めにかかる二次骨折であり,遠位横止め部位にかかる応力の集中が二次骨折に関与していることが考えられた.しかし,捻転力による二次骨折,ネイルの回旋や沈み込みによる変形や疼痛などの合併症を避けるためには,遠位横止めは必要であり,遠位横止めの是非は今後の検討が必要と考えられた.
  • 細川 浩, 中島 伸一, 佐久間 克彦, 本多 一宏, 宮本 和彦, 岡田 二郎, 今村 悠哉, 井本 光次郎, 岡村 直樹, 城下 卓也, ...
    2012 年 61 巻 3 号 p. 447-452
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    同側大腿骨複合骨折の中でも稀な三重骨折(大腿骨頚部/転子部・骨幹部・顆部)の2例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.同骨折の治療方針として,大腿骨骨幹部骨折では,稀に同側の頚部骨折合併の可能性があり注意が必要である.また,骨幹部骨折に対しては髄内釘での固定が理想であるが,骨折型,部位,様式も様々であり,困難な場合もある.
  • 冨田 伸次郎, 浦川 伸弘, 菅 政和
    2012 年 61 巻 3 号 p. 453-455
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    目的:2011年3月11日東日本大震災を来してから亜急性期に医療支援を行い,整形外科医視点よりその役割につき再認識したため報告する.方法:今回の現地での医療支援および調査期間は,2011年4月19日~4月22日であった.支援場所は,坂総合病院および同病院の担当する避難所である.支援内容は,(1)避難所訪問調査,(2)坂総合病院での医療支援の2点であった.各支援業務につき整形外科的視点の重要性を評価した.結果:調査できた避難民は18例で,運動器の症状を訴える患者は17例であった.うち腰痛12例,肩こり9例,膝関節痛5例であった(複数回答).避難所の生活で同症状が発症,および症状増悪した症例は15例88.2%であった.(2)大腿骨転子部骨折の手術助手として2例経験した.考察と結語:災害救急の急性期が過ぎても,運動器の症状を患っている症例が多数存在し,引き続き整形外科的視点での医療支援の重要性を確認した.
  • 野村 裕, 有馬 準一, 中野 壮一郎, 田中 孝幸, 柳澤 義和, 城戸 聡, 堀田 謙介, 幸山 敦子, 大賀 正義
    2012 年 61 巻 3 号 p. 456-458
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    日本赤十字社広島県救護班班長として,東日本大震災の被災地で活動したので報告する.平成23年3月20日から24日までの5日間,宮城県石巻市に派遣され,石巻専修大学に設置された災害救援用移動式仮設診療所を拠点とした医療奉仕に従事した.石巻赤十字病院に設置された本部の指揮下に活動した.活動内容は,仮設診療所での医療活動,避難所への巡回診療および被災地での周辺聞き込み調査であった.仮設診療所にレントゲンや採血の測定器はなく,理学所見に基づいて診療を行った.患者内訳は3月17日から19日と比較して,我々の活動時期では呼吸器系疾患が増加していた.避難所では認知症の患者の介護負担が最も重かった.医療救護活動タイムスケールによると,我々が派遣された時期はphase2に相当する.被災地での問題点は刻々と変化するため,原地で収集した情報に基づき,次に生じる問題を予測することが重要であった.
  • 小河 賢司, 古市 格, 村田 雅和, 井上 拓馬, 森口 昇, 田中 尚洋, 坂井 達弥
    2012 年 61 巻 3 号 p. 459-462
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】疼痛を愁訴にした患者に対して,整形外科やペインクリニックでは,薬物療法やブロック注射などにより保存的治療を行ってきた.そこに,新たな薬物療法の選択肢としてプレガバリンが加わった.今回,その使用方法などを検討する事を目的として,当院における当薬剤の使用状況を調査した.【対象と方法】2010年6月から2011年3月までに当院にてプレガバリンを処方された121例について,処方した診療科・対象病名・効果・副作用について調査を行い,問題点を抽出した.【結果】麻酔科(57%)・整形外科(19%)の順で処方を行っていた.整形外科関連の処方では脊椎疾患に対するものが多かった.癌性疼痛に対して処方されている例も見られた.約50%の症例で除痛効果が得られていた.【結語】比較的効果のある薬剤ではあるが,合併症・併用薬なども含め今後も検討を要する.
  • 川上 広高, 瀬戸山 傑, 内山田 桜, 冨永 博之, 恒吉 康弘, 小宮 節郎
    2012 年 61 巻 3 号 p. 463-467
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【背景と目的】整形外科手術では縫合糸やスキンステープルを用いて表皮縫合が行われるが,発赤や水疱などの二次的損傷や抜鉤痛を認めていた.そのため新たな創傷閉鎖方法として,ステリストリップ®(3M)やダーマボンド®(Ethicon, Johnson & Johnson)を導入した.【対象と方法】骨折観血的手術48例,外傷・軟部組織手術4例を対象とした.創処置の原因,皮膚障害の頻度,コストパフォーマンス,患者アンケートによる検討を行った.【結果】創処置の原因は両群とも表皮離開,出血によるものであった.ステリストリップ®の14%,ダーマボンド®の28%に皮膚障害を認めた.ダーマボンド®を使用した1例に表層感染を認めた.【結語】ステリストリップ®,ダーマボンド®のどちらも抜糸が不要であり,患者の満足度も高いものであった.コストの観点や関節面での使用においては,ステリストリップ®が推奨される.
  • 相良 孝昭, 赤崎 幸二, 川谷 洋右, 渡邉 弘之, 田畑 聖吾, 竹村 健一, 永田 武大, 清家 一郎
    2012 年 61 巻 3 号 p. 468-472
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    当科にて2001年以降に診断・治療を行った骨髄腫症例8例を検討した.入院時年齢は平均64歳(35~78歳),男性5例,女性3例であった.内訳は多発性骨髄腫7例,孤立性骨髄腫1例で,手術治療を行ったのは,多発性骨髄腫4例,孤立性骨髄腫1例であった.手術レベルは4例が胸椎,1例は腰椎であり,胸椎は椎弓切除+後方固定術,腰椎は椎弓切除が施行されていた.術前Frankel Bの症例は術後も神経学的回復は無くADL回復は得られなかった.8例中6例は診断確定後3ヶ月~3年10ヶ月で死亡した.骨髄腫は血液悪性疾患のため病態が複雑であり,予後予測は困難であった.しかし多発性骨髄腫に対する新薬治療により今後患者の生命予後が改善することが予想され,患者のADL改善のため今後更に整形外科医と内科医の連携が重要になると考えられた.
  • 依田 周, 馬場 秀夫, 田上 敦士, 安達 信二, 日浦 健, 尾崎 誠
    2012 年 61 巻 3 号 p. 473-477
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【はじめに】当院におけるダンベル腫瘍の治療成績について調査したので報告する.【対象と方法】当院で2005~2011年までに手術的治療を行ったダンベル腫瘍12例(平均50.8歳,男性5例,女性7例)を対象とした.腫瘍の局在,Eden分類,手術方法,病理診断,麻痺症状とその経過などについて評価した.【結果】腫瘍の局在はC2:2例,C4:1例,C5:2例,C7:1例,Th1:1例,Th7:2例,L3:2例,S1:1例.Eden分類はType1:2例,Type2:7例,Type3:3例であった.手術方法は全例後方アプローチで8例が腫瘍摘出のみ,4例は腫瘍摘出+固定であった.術後感覚低下を3例,膀胱直腸障害を1例に認めたが全例自然回復し,腫瘍再発は認めなかった.【考察】我々は腫瘍の局在が四肢機能に関わる場合は神経根を切断せず腫瘍核出術を行っている.今回,四肢機能に関わる神経根から発生している症例は7例(58%)あったが,術後の麻痺は一過性で自然回復し腫瘍再発も認めていない.
  • 神保 幸太郎, 井手 洋平, 胤末 亮, 大園 宏城, 吉田 史郎, 加藤田 倫宏, 坂井 健介, 田中 憲治, 吉田 健治, 後藤 琢也, ...
    2012 年 61 巻 3 号 p. 478-482
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】高齢化社会の進行により軽微な外傷による骨折が増加している.しかし大腿骨頚部骨折,胸腰椎圧迫骨折などに比べ仙骨骨折は見逃されやすい.今回仙骨脆弱性骨折後に遅発性膀胱直腸障害を発生した2例を経験したので報告する.【結果】症例1,79歳女性,整骨院で施術後殿部痛続くため近医受診恥骨骨折と診断.14日目に尿閉,診断に難渋し31日目(尿閉17日目)に仙骨椎弓切除行うも改善なし.症例2,81歳女性,転倒受傷.16日目に尿閉,25日目(尿閉9日目)に仙骨椎弓切除行い,術後19日目に排尿自立.【結論】高エネルギー外傷による仙骨骨折に伴って初診時から膀胱直腸障害をきたす症例の報告は散見されるが,軽微な外傷による仙骨脆弱性骨折後に遅発性膀胱直腸障害を発生した報告は我々が調べた限りでは無かった.高齢者の膀胱直腸障害では本疾患も鑑別にあげる必要がある.
  • 勢理客 久, 伊佐 智博, 大城 朋之, 呉屋 五十八, 金谷 文則
    2012 年 61 巻 3 号 p. 483-487
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    臀部および下肢痛を有した高齢者の仙骨脆弱性骨折の3例を報告する.症例1:76歳女性.腰仙部痛,左臀部および下肢痛を主訴に受診した.MRIでL2,4に陳急性圧迫骨折を認めたが,狭窄,ヘルニアはなかった.STIR像で仙骨に高輝度像を認めたので骨盤MRI,CTを追加したところ両仙骨翼および左S1神経孔に骨折を認めた.症例2:80歳女性.腰仙部痛,両臀部および下肢痛を主訴とし受診した.MRIで多発陳急性腰椎圧迫骨折を認めたが,狭窄,ヘルニアは認めなかった.仙骨叩打痛より骨盤MRI,CTを追加したところ,両仙骨翼に骨折を認めた.症例3:80歳女性.左臀部および下肢痛が生じ,体動困難となり受診した.腰椎MRIではL5分離すべりを認めたが,狭窄,ヘルニアはなかった.仙骨叩打痛を認めたため骨盤MRI,CTを追加したところ両仙骨翼に骨折を認めた.
  • 幸山 敦子, 野村 裕, 有馬 準一, 中野 壮一郎, 田中 孝幸, 栁澤 義和, 城戸 聡, 堀田 謙介, 大賀 正義
    2012 年 61 巻 3 号 p. 488-492
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【はじめに】軸椎歯突起後方偽腫瘍の2症例を経験したので報告する.【症例1】92歳,男性.1年前から両手の巧緻運動障害としびれが出現した.レントゲンでは環軸関節に不安定性を伴わない変性を認めた.MRIでは,軸椎歯突起後方にT1強調像で等信号,T2強調像で低信号の腫瘤が存在し,脊髄を圧迫していた.環椎後弓切除による後方除圧を行い,症状は改善した.【症例2】81歳,男性.4か月前から歩行障害と巧緻運動障害が出現した.既往症に高度の心不全があった.レントゲンでは環軸関節に軽度の不安定性を認めた.MRIでは,軸椎歯突起後方にT1強調像で等信号,T2強調像で低信号,造影効果を認めない腫瘤が存在し,脊髄は高度に圧迫されていた.環椎後弓切除による後方除圧を行い,症状は改善した.【考察】高齢者や合併症を伴う軸椎歯突起後方偽腫瘍の症例に対して環椎後弓切除は低侵襲かつ有効な治療法であると考えられる.
  • 福田 雅俊, 谷脇 琢也, 藤本 徹, 岡田 龍哉, 瀬井 章, 水田 博志
    2012 年 61 巻 3 号 p. 493-496
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【症例】55歳女性.上肢のしびれを主訴に当科を受診.しびれと両下肢の痙性・失調が増悪したため単純CT検査を施行した.CT上C2/3~Th2/3レベルの硬膜周囲に石灰化病変を認めたため,頸胸髄硬膜周囲石灰化症の診断にて頸椎硬膜周囲石灰化巣の摘出術と椎弓形成術を施行した.術後2週で上肢のしびれ,下肢の痙性・失調は改善し,歩容は安定したため退院した.現在は外来で経過観察中であるが経過良好である.【考察】透析患者における合併症としての硬膜周囲石灰化症の報告は認知されているが,非透析患者においては極めて稀である.しかしながら,非透析患者においてもMRI像で硬膜周囲に連続したT1とT2で低信号を示す占拠性病変が認められるときには本症を疑いCTを撮影する必要がある.
  • 李 徳哲, 黒木 浩史, 濱中 秀昭, 川野 啓介, 樋口 誠二, 増田 寛, 猪俣 尚規, 帖佐 悦男
    2012 年 61 巻 3 号 p. 497-499
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    帯状疱疹にはRamsay-Hunt症候群に代表される運動神経障害を合併することがある.われわれは左C5神経根麻痺を合併した比較的稀な症例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は75歳男性.左肩挙上, 外転困難が出現.翌日,左C5領域に疼痛を伴う皮疹が出現した.帯状疱疹と診断された後,当科を受診した.理学所見ではMMT左側三角筋 2,上腕二頭筋 2,上腕二頭筋, 腕橈骨筋深部腱反射の消失を認めた.造影MRIでは左C5神経根の炎症所見を認め,帯状疱疹に合併した左C5神経根障害と診断した.病初期から投与された抗ウィルス薬に加え,ステロイド内服追加により症状改善した.帯状疱疹による運動神経麻痺は約3%と報告されている.同時期発症の皮疹, 四肢運動麻痺を認めた場合,本疾患を鑑別に挙げ加療することが望ましいと考えた.
  • 木内 正太郎, 密川 守, 佐藤 公昭, 山田 圭, 吉松 弘喜, 江崎 佑平, 永田 見生
    2012 年 61 巻 3 号 p. 500-505
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    (はじめに)不安定性を合併する頚椎疾患に対して,頚椎インストゥルメンテーションは非常に有効である.当科では,2005年から頚椎固定に外側塊スクリューを使用してきた.今回は外側塊スクリューの有用性と問題点について検討した.(対象・結果)症例は,2005年から2011年に外側塊スクリューを使用した13例男性7例,女性6例.平均年齢65歳.疾患は,頚椎脱臼3例,変性すべり6例,環軸椎亜脱臼2例,頚椎椎間板ヘルニア1例,透析性DSAが1例であった.スクリューはbicorticalな挿入を試み,経過観察中のスクリューのバックアウトも認められず,良好な固定性が得られていた.(考察)外側塊スクリューは固定性では椎弓根スクリューに比べて劣るとされるが,比較的安全に挿入できるという最大の利点がある.今回の我々の症例においても,bicorticalに挿入する事で,安全かつ十分な固定性が得られた.
  • 増田 寛, 黒木 浩史, 濱中 秀昭, 猪俣 尚規, 樋口 誠二, 川野 啓介, 李 徳哲, 帖佐 悦男
    2012 年 61 巻 3 号 p. 506-508
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    現在我々は脊椎手術創に対して皮膚表面接着剤であるダーマボンド®HV(2-octyl cyanoacrylate)を使用している.今回頚椎椎弓形成術症例に対しこれまで行っていた縫合法との比較検討を行った.2010年に当科で頚椎椎弓形成術を施行し術後3か月以上経過観察できた45症例(ダーマボンド使用22例,不使用23例)を対象とした.性別は男性37例,女性8例であった.以上の症例に対し手術時間,腹臥位の時間,術中出血,包交回数,ドレーン抜去及びガーゼオフまでの期間について調査した.ダーマボンドへの変更による有害事象の増加は認められなかった.包交回数は減少しガーゼオフまでの期間も有意に短縮出来た.ダーマボンドを使用することで手術創管理に関し良好な結果を得ることが出来た.
  • 神原 なおこ, 豊田 耕一郎, 田中 浩
    2012 年 61 巻 3 号 p. 509-512
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    骨髄線維症に合併した胸椎硬膜外髄外造血巣に対して放射線治療を施行し,短期間で再発した症例を経験したので報告する.症例は59歳男性.H19年に骨髄線維症と診断され血液内科通院中であった.H21年9月に下肢筋力低下,歩行障害が出現し当院入院となった.MRIでは,T4~T9の硬膜外背側に連続する腫瘤像と脊髄の圧迫を認めた.血小板輸血後にCTガイド下針生検を施行し,病理組織より髄外造血と診断した.放射線治療により腫瘤は縮小し,独歩可能となり退院したが,2か月後のMRIにてT5~T9の硬膜外背側に腫瘤の再発を認めた.再発までの時間,再再発のリスクを考慮し,T4~T10の椎弓切除術を施行し,放射線の追加照射後に独歩退院した.術後約1年で骨髄線維症の増悪により永眠されたが,髄外造血巣の再発は認めなかった.硬膜外髄外造血巣による脊髄圧迫による下肢進行性麻痺に対しては手術療法による除圧を積極的に考慮すべきである.
  • 田畑 聖吾, 赤崎 幸二, 相良 孝昭, 川谷 洋右, 渡邊 弘之, 竹村 健一, 永田 武大, 清家 一郎
    2012 年 61 巻 3 号 p. 513-517
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【はじめに】胸椎における後縦靭帯骨化症(以下OPLL)など前方からの圧迫病変に対しては,生理的後彎があるため後方除圧術では効果が不確実であるため前方除圧固定術が合理的である.ただし前方除圧固定術は手技が煩雑,心臓,肺,大血管が近接しており重篤な胸腔内合併症の危険性があるなど手術手技の難易度が高い.上位胸椎OPLL2例に対して胸骨全縦割侵入法による上位胸椎前方除圧固定術の治療を経験したので報告する.【対象・方法】胸椎OPLL2例に対してTh2/3とTh1から3の前方除圧固定術を施行した.【結果】2例ともに周術期合併症を認めず,術前歩行困難であったが,術後歩行可能に麻痺の改善を認めた.JOAスコアは4点から8点,3点から9点とそれぞれ改善を認めた.胸骨縦割による合併症はなかった.【考察】胸骨全縦割進入法は内胸動脈損傷のリスクが低く安全で,良好な術野を展開でき有用な進入法である.
  • 吉本 如良, 密川 守, 佐藤 公昭, 山田 圭, 吉松 弘喜, 白石 絵里子, 永田 見生
    2012 年 61 巻 3 号 p. 518-523
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    [初めに]キアリ奇形とそれに併発する脊髄空洞症は側弯症に高率に合併すると報告され,当科でも矯正手術適応と判断した53例中3例にキアリ奇形と空洞症を認めた.キアリ奇形未治療での矯正手術では麻痺の危険性が高くなると報告される.今回は,まず後頭下減圧術施行し,その後に側弯矯正手術を施行した2例について報告する.[症例1]14歳男児,主カーブは左凸62度の胸腰椎カーブ.Th7~L3までのsegmental screw fixation法での矯正手術施行.[症例2]14歳女児,主カーブは右凸64度の胸腰椎カーブ.Th4~L3までのハイブリット法による矯正手術施行.[考察]今回の症例では後頭下減圧術施行後も脊髄空洞が残存したが,術中矯正の程度を術前牽引レントゲンのCobb角を参考とし,術中誘発電位をmultimodaring monitoringとすることで安全に矯正手術を施行できた.
  • 岡﨑 朋也, 豊田 耕一郎, 椎木 栄一, 栗山 龍太郎, 藤澤 武慶, 瀬戸 隆之, 田中 浩
    2012 年 61 巻 3 号 p. 524-526
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    胸腰椎の硬膜内血腫の症例を経験したので報告する.症例は70歳男性である.心房細動に対してワーファリンを内服していた.排便時に強く息んだ後から腰痛,左下肢痛が出現.近医に救急搬送され、翌日左下肢の筋力低下を認め当科紹介された.Frankel分類Cであり,左下肢優位の筋力低下を認めた.MRI矢状断で第11胸椎から第1腰椎にかけてT1強調像で低信号 ,T2強調像で等~高信号の病変を認めた.横断像では,T1強調像では不明瞭であるが,T2強調像で低信号領域があり,境界不明瞭の病変を認めた.VitKを投与し,ワーファリン作用を拮抗したが症状は改善せず,筋力低下が進行したため,硬膜外血腫及び硬膜内血腫を疑い,血腫除去術を施行した.硬膜内に暗黒色の病変を認めた.硬膜切開を施行し,硬膜内に血腫を認めた.病理検査でも出血組織であり,急性硬膜内血腫と診断した.現在術後8カ月で1本杖歩行可能である.出血傾向のある患者では硬膜内血腫も念頭におく必要がある.
  • 森 圭介, 馬場 秀夫, 田上 敦士, 安達 信二, 日浦 健, 依田 周, 尾崎 誠
    2012 年 61 巻 3 号 p. 527-530
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】高度な脊柱変形を伴う先天性後側弯症に対し矯正固定術を行った2例を経験したので報告する.【症例1】19歳男性.右下肢痛,しびれ,脱力感があり,画像上L2半椎由来の左凸の後側弯を認めた.半椎全摘・後方固定術施行し,術前後でCobb角:44→19°,後弯角:43→18°に矯正された.【症例2】16歳男性.約1時間で後弯のため座位困難があり,画像上Th11蝶形椎由来の左凸の後側弯を認めた.左半椎全摘・後方固定術施行し,術前後でCobb角:44→18°,後弯角:66→44°に矯正された.【考察】先天性側弯症は通常インストゥルメンテーションの大きさ,骨質,手技面などの観点から5歳前後での手術が望ましいとされている.しかし無症状であるため手術は行われていないケースも多い.本症例では思春期以降に診断され,後側弯角が進行性で自覚症状を有したため手術を必要とした.手術は高度な後側弯を呈していたため,半椎全摘,矯正固定術を行い,良好な結果が得られた.
  • 密川 守, 佐藤 公昭, 山田 圭, 吉松 弘喜, 松田 光太郎, 中村 翠, 永田 見生
    2012 年 61 巻 3 号 p. 531-534
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    特発性側弯症に対しては種々の矯正法が報告されているが,フック,ロッド,サブラミナワイヤーおよび椎弓根スクリューを組み合わせたハイブリット法と主に椎弓根スクリューを多用するsegmental screw fixation法が代表とされる.両方法にはそれぞれ長所・短所があり,当科では症例毎に適応を考慮してきた.今回は同一術者による両術式の治療成績を比較検討した.症例は2007年7月から2011年8月に手術施行した36例(男性3例,女性33例).平均年齢は15.7歳.ハイブリット法が24例,segmental screw fixation法が12例であった.術後平均矯正率はそれぞれ61.9%と67.8%であった.術後矯正率ではsegmental screw fixation法が若干良好ではあったが,術後の脊柱バランスは両術式ともに良好で,満足する結果であった.
  • 烏山 和之, 藤原 将巳, 佐藤 英, 宮岡 健, 秋山 徹
    2012 年 61 巻 3 号 p. 535-538
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    MRIで同定困難なほど小さなヘルニアでも,保存療法が無効で手術を要する症例を経験する.腰椎椎間板小ヘルニアに対し,手術を行った8症例の治療成績と傾向について検討した.対象は2005年9月から2011年10月までに部分椎弓切除術,ヘルニア切除術(LOVE法を含む)を行った8症例(男性4例,女性4例).MRI横断像1スライス(5mm)のみで同定可能,もしくは同定困難なものを小ヘルニアと定義した.全症例で脊髄造影検査を施行,症例ごとに神経根ブロック,椎間板造影検査を追加し,責任病巣を確認した.術中所見ではsubligamentous typeが3例,transligamentous typeが5例であり,全例において神経根直下にヘルニアを認めた.JOAスコアは術前平均10点から術後平均24.1点へ改善認めた.MRI上同定困難なほど小さなヘルニアでも手術を要するものもあり,臨床所見をふまえ追加検査を行い,正確にヘルニアを診断する必要がある.
  • 鮫島 浩司, 川内 義久, 吉野 伸司, 富村 奈津子, 川添 泰臣, 石堂 康弘, 小宮 節郎
    2012 年 61 巻 3 号 p. 539-542
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    当院における腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下椎間板摘出術(MED)において早期再手術例について検討した.2007年9月~2011年7月までに当院において腰椎椎間板ヘルニアに対し実施したMED手術148例を対象とした.術後2週間以内の早期に再手術を要した症例に対し,その原因,対策等について,同時期に実施した従来法106例と比較検討した.MED法において再手術は7例(4.7%)に実施されており,従来法では2例(1.9%)実施されていた.MED法での再手術の原因は,ヘルニア再発4例,硬膜外血腫1例,除圧端症候群1例,原因不明の疼痛悪化1例であった.従来法では,硬膜外血腫1例,創感染1例であった.MED法でのヘルニア再脱出例は,初回手術時のヘルニア形態が脱出ヘルニアであり,早期離床が原因というより椎間板内ヘルニアの取り残しが原因と考えられた.
  • 田村 諭史, 藤本 徹, 瀬井 章, 谷脇 琢也, 岡田 龍哉, 藤枝 浩司, 水田 博志
    2012 年 61 巻 3 号 p. 543-546
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    【目的】右L5・S1神経根奇形を伴う椎間孔狭窄に対し内視鏡視下除圧術が有効な1例を経験したので報告する.【症例】69歳女性.右大腿外側から下腿にかけての痺れと痛みを自覚し近医にて腰部脊柱管狭窄症の診断にて加療中であったが症状の増悪を認めたため当科入院となった.右足関節底背屈MMT5-,母趾底背屈MMT4の筋力低下を認め,JOA Score12点,VAS75mmであった.3-D MRIにて右L5・S1神経根奇形が認められ,右L5/S椎間孔内での2根障害が確認できた.内視鏡下に右L5/S1椎間関節1/2切除しL5・S1神経根を除圧した.現在麻痺は5-に改善し,JOA Score 21点,VAS0mmである.【考察】従来,神経根奇形が椎間孔に認められる場合には固定術や骨形成的椎弓切除術が選択される事が多かった.内視鏡下手術では斜視鏡を用いて内側より椎間孔を観察できるので,椎間関節を温存しながら除圧する事が可能であり,椎間孔部の神経根奇形に対し低侵襲かつ有用な術式と考える.
  • 元嶋 尉士, 肱岡 昭彦, 古川 佳世子, 岡田 祥明, 中井 健一郎, 古子 剛, 戸羽 直樹, 福田 文雄
    2012 年 61 巻 3 号 p. 547-550
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    第5腰神経がL5/S1椎間孔外で,椎体骨棘や靱帯組織,膨隆椎間板などにより絞扼される病態は,「いわゆるfar-out 症候群」もしくは「椎間孔外狭窄症」と呼称されている.診断には,単純レントゲンや神経根造影などが有用とされているが確立した診断方向はない.今回,我々は第5腰神経絞扼症状を呈し,神経根造影後CTにより「いわゆるfar-out症候群」と診断し得た症例を1例経験した.直視下に後方アプローチで侵入し,椎間関節外側を切除して椎間孔外側に至り,神経根背側の絞扼因子であるL5横突起下縁および仙骨翼の一部,神経根背側の靱帯組織(lumbosacral ligament; LSL)を切除し良好な治療成績を得たため,文献的考察を加えて報告する.
  • 川添 泰弘, 池田 天史, 宮崎 真一, 大山 哲寛, 土田 徹, 安藤 卓, 山城 和馬, 橋本 憲蔵
    2012 年 61 巻 3 号 p. 551-553
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    当院では、2008年1月以降腰椎椎間孔外ヘルニアに対して,Wiltseのアプローチによる顕微鏡視下外側開窓ヘルニア摘出術を施行している.その手術成績について,検討を行った.2008年1月以降,腰椎椎間孔外ヘルニアの診断で手術を行った8例(男性5例,女性3例)を対象とした.手術時平均年齢は60.4(42-74)歳,罹患高位は,L4/5 6例,L5/S 2例であった.平均手術時間82(45-155)分,術中出血量40(10-150)gであった.術中,術後を通して合併症は認めなかった.全例術翌日から離床開始し,術後退院までの平均期間は20.3(11-41)日であった.JOA scoreは,術前11.0(6-17)点が,最終経過観察時25.5(20-27)点,平均改善率80.6%であった.Wiltse approachによる顕微鏡視下外側開窓ヘルニア摘出術は,小切開で良好な視野が得られ,傍脊柱筋に対する侵襲も少なく,有用な方法である.
  • 碇 博哉, 吉本 隆昌
    2012 年 61 巻 3 号 p. 554-556
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    腰部脊柱管狭窄症(LSCS)に対して,顕微鏡視下片側進入両側除圧術を施行した症例について検討した.症例は,術後1年以上経過観察した30例(男性22例,女性8例)で,手術時平均年齢76.3歳(60~88歳)であった.手術椎間は,1椎間除圧:18例,2椎間除圧:11例,3椎間除圧:1例であり,術後平均経過観察期間は1年6ヶ月であった.検討項目は,術前と最終経過観察時でのJOA score,単純X線側面動態撮影における術前後の椎間可動域,前屈時での椎間後方開大角について調査した.JOA scoreは術前13.5点が術後24.5点と有意に改善し,平均改善率は71.0%であった.また,術前後の椎間可動域,椎間後方開大角において有意差はなかった.LSCSに対する顕微鏡視下片側進入両側除圧術は,短期ではあるが概ね良好な成績であった.手技上の留意点はあるものの,低侵襲で有用な術式であると考えられた.
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