整形外科と災害外科
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62 巻 , 1 号
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  • 石堂 康弘, 瀬戸口 啓夫, 神囿 純一, 栫 博則, 田中 源幸, 廣津 匡隆, 藤元 裕介, 前田 真吾, 河村 一郎, 今村 勝行, ...
    2013 年 62 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    セメントレスPCA人工股関節の長期成績について調査した.PCAは近位1/3がビーズによりポーラスコーティングされたアナトミカル型ステムであり,カップも同様にポーラスコーティングされている.1990年から1999年までに手術した最終調査時年齢80未満を対象とした.症例は19例26関節で調査率は83.9%であった.手術時平均年齢は50歳,平均経過観察期間は15年であった.5関節が再置換を受けており,その原因は3関節がカップの弛み,1関節はステムの弛み,1関節は大腿骨骨折であり,感染は無かった.X線学的なインプラント固定性の評価ではカップは8関節がunstable fibrous fixation,ステムは1関節のみunstable implantであった.この機種における15年でのインプラント生存率は75.8%であり,カップのbone ingrowthは不良で,その成績も良好とは言えなかった.
  • 猪俣 尚規, 黒木 浩史, 濱中 秀昭, 増田 寛, 樋口 誠二, 深尾 悠, 大塚 記史, 帖佐 悦男
    2013 年 62 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    今回われわれは化膿性脊椎炎の検討を行ったので文献的考察を加え報告する.2002年1月から2011年12月の10年間に化膿性脊椎炎と診断し入院治療を行った28例(男性23例,女性5例,平均初診時年齢68.8歳)を対象とし,患者数の推移,罹患高位,起炎菌,同定法,治療成績などについて調査した.本検討では,高齢者が多く,患者数は最近2年で急激に増加していた.罹患高位は,頚椎1例,胸椎10例,胸腰移行部7例,腰椎10例で,起炎菌はMSSAが9例(32.1%),MRSAが6例(21.4%),起炎菌同定率は64.3%で,CTガイド下ドレナージによる生検での同定率が77.8%で最も高かった.治療は,原則保存的に行なったが,膀胱直腸障害や進行性麻痺のある症例には緊急手術を施行した.麻痺残存症例が5例(17.9%)認められたが,感染は全例で沈静化していた.本疾患の治療には起炎菌の同定が極めて重要で,感受性のある抗生剤の十分量の投与が必要で早期の診断と適切な治療開始が予後に大きく影響する.
  • 塚本 学, 中村 英一郎, 大友 一, 山口 将則, 亀川 修一, 中村 利孝
    2013 年 62 巻 1 号 p. 9-12
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    TCZ(トシリズマブ)投与により急性期反応(発熱,CRP上昇等)が抑制され,感染症発見が遅れる可能性があり注意が必要である.今回,TCZ使用者の上位頸椎病変に対して後方固定術を行い,術後感染を起こした1例を経験した.症例は64歳女性.S54年発症のRA(stage IV,class3).H23年3月頃から両上肢痺れ,歩行障害,後頚部痛が徐々に増悪.術前3週前にTCZを休薬し,環軸椎亜脱臼に対し後方固定術を施行.術後24日に術創部に感染徴候あり,掻爬・洗浄術を行った.起因菌はMRSEであり,VZD(ザイボックス)投与により感染は沈静化した.CRPの推移に注目すると,1)手術日の3週間前にTCZを休薬したが,術後2週頃までCRPが抑制されており周術期のCRPの推移を把握できなかった,2)休薬後2ヶ月経過した頃からRAの症状が再燃したため感染の沈静化をCRPでは把握できなくなった,以上2つの問題点が挙げられる.至適な術前休薬期間と術後再開時期について検討する.
  • 野口 康男, 佛坂 俊輔, 前 隆男, 佐々木 宏介, 竹内 直英, 松下 昌史, 見明 豪, 口石 倫太朗
    2013 年 62 巻 1 号 p. 13-15
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症患者の転倒骨折は高齢化とともに増加しており,その予防は整形外科の重要な課題である.手術を中心に診療している急性期病院では骨粗鬆症患者の継続的治療は難しいが,骨折で入院してくる患者への再骨折予防を目的としての骨粗鬆症治療の重要性や転倒予防に関する啓発は可能であると考え,当科では再骨折予防教室を開催している(毎週水曜日に骨粗鬆症の薬物治療と食事療法について,金曜日に転倒予防について).当初5ヶ月間の実施状況及び問題点を検討した.検討対象は脆弱性骨折で入院の123例(大腿骨近位部72例,橈骨遠位端17例,胸腰椎14例など)で,このうち受講した患者は33例(全体の26.8%)で,部位別には大腿骨近位が25例と最も多かった.受講できなかった90例の主な理由は,認知症が35.6%,短期入院が25.6%などであった.認知症例が多く,また短い在院日数も受講を困難にしており,実施方法の再検討を要すると考えられた.fracture prevention
  • 鮫島 浩司, 川内 義久, 吉野 伸司, 富村 奈津子, 高橋 健吾, 中原 真二, 小宮 節郎
    2013 年 62 巻 1 号 p. 16-17
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    今回,大腿骨頚部骨折と同様に脊椎椎体骨折地域連携パスを作成し,当院と4連携施設とで運用を試み,その効果,問題点を検討した.連携パス作成にあたり,XP,CT,MRI等にて圧迫骨折と破裂骨折に骨折型をわけ,治療方針を区別した.【方法】脊椎椎体骨折にて当院にて入院治療した12例,平均年齢75.5歳を対象とした.連携パス導入による急性期,回復期病院での在院日数の変化,骨癒合率,バリアンス発生率などを検討した.【結果】大腿骨頚部骨折連携パスの経験から導入はスムースであり,急性期病院においては在院日数の短縮が得られ,偽関節の発生はなかった.本パスは,脊椎椎体骨折において偽関節などの症状重症化を予防しうるツールとなりえる.
  • 杉山 健太郎, 土井口 祐一, 太田 真悟, 野村 賢太郎, 石井 孝子, 杉谷 勇二, 田口 勝規
    2013 年 62 巻 1 号 p. 18-21
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】ビスホスホネート(BP)は骨粗鬆症の治療薬として多く用いられているが,その長期使用による骨代謝回転の過剰抑制に起因する非定型的大腿骨骨折の報告が多数見られる.今回我々は,BP内服患者における非定型大腿骨骨折について検討したので報告する.【対象・方法】2005年9月から2011年12月の間に非定型大腿骨骨折と診断し,BP内服歴のあった4例6肢を対象とした.全例女性で,平均年齢は72歳であった.これらに対して骨折までのBP内服期間,受傷機転,骨癒合までの期間を調査した.【結果】BP内服期間は平均54カ月(9~82カ月),受傷機転は転倒4肢,非外傷性2肢であった.全例髄内釘による骨接合術を行った.骨癒合期間は平均7カ月(6~12カ月)であった.【考察】BP長期投与患者における非定型大腿骨骨折は骨癒合が遅延する傾向にあり注意を要すると思われた.
  • 園田 和彦, 青野 誠, 末永 英慈, 田中 哲也, 入江 努, 齊藤 太一
    2013 年 62 巻 1 号 p. 22-24
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    当院では,2011年4月より人工骨頭置換術に対し直外側アプローチを用いているが,従来の後方アプローチとの比較検討を行った.2007年1月から2012年2月までに当院において大腿骨頚部骨折に対し,人工骨頭置換術を施行した86例86股を対象とした.直外側アプローチは29股,後方アプローチ57股であった.手術時間は直外側群110±22分,後方群79±26分と直外側群の方が有意に長くなるも,術中出血量は直外側群150±98ml,後方群158±136mlと差を認めなかった.後方群で術後脱臼を2例,深部感染を1例認めた.直外側群では術後脱臼を認めず,インプラント周囲骨折,肺塞栓症をそれぞれ1例認めた.直外側アプローチは後方アプローチと比較し手術時間が長くなるも,術中出血量は差がなく,脱臼防止の点では有効と思われた.
  • 野口 康男, 佛坂 俊輔, 前 隆男, 佐々木 宏介, 竹内 直英, 松下 昌史, 見明 豪, 口石 倫太朗
    2013 年 62 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    医療の効率化と質の向上を目指してクリニカルパスが日常的に使用されてきている.医学の進歩とともに最善の方法は変化していくため,パスは常に見直しが必要となる.その一つの方法としてパスのベンチマーキングを実施した.【方法】インターネットの病院ホームページ上に公開されている人工骨頭パスを入手し,近隣医療機関からもパスの提供を依頼して入手し,予防的抗菌薬,術後リハビリ,脱臼予防策等について当院パスと比較し,妥当性を検討した.【結果】ネットから14,直接依頼で3つの合計17のパスが入手可能だった.予防的抗菌薬や術後リハビリについては病院間で大きく異なっており,ガイドライン等を参考にして当院の方法を概ね妥当と判断した.脱臼予防策も病院間で大きく異なり,これには文献やガイドラインでの言及がほとんどなく,独自に改善をはかった.【結論】他の医療機関のパスは自院のパスの見直しのための有用な情報源となりうる.
  • 光武 聖史, 牧野 佳朗, 川原 俊夫, 島内 誠一郎, 金丸 由美子, 前原 史朋, 宮原 健次
    2013 年 62 巻 1 号 p. 32-37
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    慢性再発性多発性骨髄炎(chronic recurrent multifocal osteomyelitis,以下CRMO)の1例を経験した.症例は8歳の女児.7歳8カ月時に誘因なく右足部に発赤・腫脹・疼痛が出現.MRI上左1-5趾に信号異常が散在し化膿性骨髄炎と診断したが臨床症状は軽微で抗菌薬投与数日で症状軽快した.約1年後に左5趾と右2趾の腫脹・疼痛が出現しMRI上両足部に同様の信号異常を認め病巣部の骨生検を実施したが,肉眼上明らかな化膿性病変はなく,病理上慢性骨髄炎の所見を認めたが骨腫瘍や化膿性骨髄炎は否定的であった.以上よりCRMOと診断し抗菌薬投与を中止し消炎鎮痛剤を投与し,症状軽快した.CRMOは自己炎症性疾患の1つで,インフラマソーム・IL-1β系の遺伝的異常により起こると考えられている.本邦での報告は稀で,遺伝子解析など進んでいるが治療法や長期予後について未だ不明な点が多い.
  • 富村 奈津子, 川内 義久, 吉野 伸司, 鮫島 浩司, 川添 泰臣, 小宮 節郎
    2013 年 62 巻 1 号 p. 38-41
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    高齢者や糖尿病透析患者の末梢動脈疾患の足病変を治療する機会が増え,下肢切断件数も増加している.2008年本学会誌で四肢切断術後予後調査結果を発表したが,今回追跡期間を延長し,下肢切断患者の予後を再調査したので報告する.(対象)H15年1月から22年3月までに下肢切断を受けた患者91例99肢,男性52名,女性39名.初回手術時平均年齢は71.7歳.(結果)H22年5月調査時,生存者19名(21%),死亡者61名(67%),生死不明11名.術後平均生存期間は399日で,死因は敗血症や心不全,肺炎であった.累積生存率は1年54.6%,3年38.6%,5年は23.8%で,下腿より大腿切断の予後が悪く有意差を認めた.糖尿病や透析の有無では生存率に有意差を認めなかったが,PAD患者に関しては生存率に有意差を認めた.(考察)周術期管理が困難な患者も多く,合併症のため多数回手術を受ける危険性や短い術後生存期間を考慮すると,血流障害のない部位を初回手術で選択すべきである.
  • 竹内 直英, 前 隆男, 佛坂 俊輔, 佐々木 宏介, 松下 昌史, 見明 豪, 口石 倫太朗, 野口 康男
    2013 年 62 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    症例は58歳男性.小屋の解体作業中に立てかけていた材木(20cm×15cm×3.5m)が右下腿部に落ちてきて受傷した.前医で創処置とギプスシーネ固定を受けた後,翌日(受傷から28時間経過)当院紹介受診となった.右下腿近位部に2cm大の開放創を認めた.また,前脛骨筋筋力の低下(MMT 3)を認めた.単純X線,CTにて右脛骨近位端開放骨折(AO41-C1.1,Gustilo type 2)と診断した.同日デブリドマン・創外固定術を行った.下腿筋区画内圧は,前外側73mmHg,外側79mmHg,後方浅層64mmHg,後方深層59mmHgであったため,筋膜切開とshoelace法による創処置を追加した.初回手術後7日目に筋膜切開部を創閉鎖し,14日目にプレート固定術を行った.脛骨近位端開放骨折では,開放創の大きさや骨折型によらず下腿コンパートメント症候群の合併を常に留意する必要がある.本症例は,架橋型創外固定術,筋膜切開,最終固定術の段階的治療により創感染や運動麻痺を予防し,良好な経過であった.
  • 福田 雅俊, 鬼木 泰成, 中村 英一, 田中 あづさ, 西岡 宏晃, 高田 興志, 唐杉 樹, 岡元 信和, 水田 博志
    2013 年 62 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【症例】17歳男性.生下時から腎不全を有し,12歳より右足関節の歩行時痛と変形を認めた.足関節装具にて加療を受けるも変形が進行し当科を紹介となった.13歳時の初診時,右足関節に著明な外反変形を認めたが,腫脹はなく,可動域は背屈15°,底屈40°であった.初診時のX線では50°の外反変形と天蓋側面角77°の前方角状変形を認めた.5年後には85°の外反変形を呈していたため,腎移植術後にTSFによる変形矯正術を施行した.術後5カ月で術前目標値であった外反角10°へと矯正され,術後1年にて歩行時痛は消失し,下肢アライメントも良好である.【考察】慢性腎不全による骨変形は部分的な骨端線離開によって生じ,約10%に見られるとされている.本症例は角状・回旋・軸偏位・短縮と4種の複合変形であったが,TSFは術前プログラムの遂行により簡易に詳細な矯正が可能であり,これらの重度足関節変形に有用と考えられた.severe ankle deformity
  • 白地 仁, 尾上 英俊, 櫻井 真, 田中 潤, 轟木 将也, 亀川 史武
    2013 年 62 巻 1 号 p. 51-53
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    スキントラブルを引き起こす可能性が高い踵骨裂離骨折に対して受傷当日に緊急手術を行った1例を経験したので報告する.症例は54歳女性,仕事中にシーツに足を取られて階段より転落して受傷し当院搬送された.転位した骨片による皮膚への圧迫が強く皮膚壊死を引き起こす可能性が高いため緊急手術を行った.手術は内側縦弧状切開で骨折部を展開し骨片を整復しワッシャー付き6.5mmの海綿骨スクリューで骨接合を行った.術後3週間の外固定の後に可動域訓練を始め術後5週間目より装具を着用し荷重歩行開始した.感染,皮膚壊死などを起こすことなく良好に骨癒合したため,術後9カ月で抜釘術を行った.
  • 山岡 康浩, 安部 幸雄, 屋良 貴宏, 吉田 綋二, 明石 浩介, 津江 和成
    2013 年 62 巻 1 号 p. 54-57
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    初診時に見逃され有痛性に経過した踵骨前方突起偽関節の一例について報告する.症例は16歳男性で,約2年半前に足関節を内反するように捻り受傷した.近医では靭帯損傷の診断にて保存的に加療されスポーツ活動へも復帰していたが,運動時の疼痛が残存し十分な活動ができない状況であった.X線所見では明らかな骨折は認めなかったが,CT,MRI等での精査にて踵骨前方突起部の偽関節を認めた.症状改善のため偽関節部の新鮮化および骨接合を実施し,術後6ヶ月の経過にて疼痛の再燃はなく経過は良好である.踵骨前方突起骨折はその受傷機転から見逃されやすい骨折の一つである.新鮮例では保存的加療にて良好な成績が報告されており,偽関節例では骨接合,骨片切除等の観血的治療の適応となる.踵骨前方突起偽関節例における治療選択について文献的考察を加え報告する.
  • 井上 敏生, 碇 伸博, 山口 史彦, 齊田 光, 塩川 晃章
    2013 年 62 巻 1 号 p. 58-61
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    腓骨筋腱の縦断裂の1例を経験し,手術時に補助診断として腱鏡視を行ったので報告する.症例は64歳女性.普段履くことのないハイヒールの靴を履いて歩き回ったあとから,左後足部の外側が痛くなったため,翌日当科受診.消炎鎮痛剤などで1ヶ月保存的に治療したが軽快しないため,MRI施行.腓骨筋腱周囲に水腫様所見がみられたため,腓骨筋腱腱鞘炎あるいは損傷を疑い手術を行った.まず腓骨筋腱鏡視を行い,障害部が腓骨先端より遠位の長腓骨筋腱にあると判断し,同部に皮膚切開を加え展開.直視下に長腓骨筋腱の縦断裂を確認し,一部切除し縫合した.術後10ヶ月現在,疼痛は消失しており,経過良好である.今回,腓骨筋腱の遠位を展開し直視下に腱縫合を行ったが,腱鏡視が腓骨筋腱損傷部位の確認に有用で,皮膚切開を必要最小限にすることができた.
  • 森 達哉, 白仁田 厚
    2013 年 62 巻 1 号 p. 62-65
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    長母趾伸筋腱(EHL)皮下断裂は,比較的まれであり報告例は少ない.EHL皮下断裂を経験し,さらに術後再断裂を経験したので報告する.症例は72歳男性,明らかな外傷なく,左母趾痛と背屈困難を主訴に受診.EHL皮下断裂と診断し,受傷7日目で腱縫合術を施行した.4週ギプス固定後にROM訓練を開始した.術後6週に正座し,背屈困難再度出現し,EHL再断裂と診断.再断裂13日目に第3腓骨筋腱を用いた腱移植術を施行した.2週ギプス固定とし,背屈運動を開始.その後2週シャーレとし,自動底屈開始した.術後6カ月で,extension lag30度と可動域制限を認めるが,JSSF hallux scale88点(術前67点)と改善を認めている.EHL皮下断裂について,治療法,後療法とも一貫したプロトコールがなく,患者の理解度を考慮し,慎重なリハビリテーションが必要と思われた.また第3腓骨筋腱を用いた腱移植は有用な方法と思われた.
  • 築谷 康人, 岡野 徹, 山下 優嗣, 豊島 良太
    2013 年 62 巻 1 号 p. 66-71
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】先天性無痛無汗症の骨折患者1例を経験したので報告する.【症例】1歳8か月,女児.3週間前に母親が右前腕腫脹に気付き,前医を受診した.右尺骨骨折と診断され,右上腕~手関節までギプス固定を受けたが,骨折部での変形が改善せず,治療目的に当院紹介となった.X線像で右尺骨骨幹部に骨折を認め,仮骨の増生を認めたが,受傷時より転位は進行していた.ギブスを石膏ギブスに変更し,右肘関節を約100度屈曲位で固定させ,さらにストッキネットで右上肢全体を体幹に密着させる形で固定した.その結果,受傷後6か月で骨癒合を得ることができた.【考察】先天性無痛無汗症は,温痛覚と発汗機能の欠如,自傷行為,精神発達遅滞が特徴であり,幼少時より骨折・脱臼を生じやすく,偽関節,変形治癒になりやすい.本症例では,固定法を工夫することで,骨癒合まで長期間を要したが,最終的に良好な結果を得ることができた.
  • 黒木 一央, 野口 雅夫, 辻 正二, 乗松 崇裕, 黒木 綾子
    2013 年 62 巻 1 号 p. 72-74
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    小児橈骨頚部骨折は小児の肘関節周辺骨折において比較的稀な骨折である.転位の程度に応じて徒手整復,経皮的整復,観血的整復を行うが,観血的整復は近位橈尺関節癒合や橈骨頭壊死などの重篤な合併症を起こす危険性が高いため,なるべく低侵襲に整復固定を行うべきである.今回我々は2010年から2011年の間に小児橈骨頚部骨折3例に対しintrafocal pinning法による経皮的鋼線刺入固定術を行った.全例,橈骨頭傾斜角度0度の骨癒合が得られ,最終観察時に肘関節・前腕回内外の可動域に腱側との左右差を認める症例はなく,有用な治療法であった.
  • 坂井 達弥, 古市 格, 村田 雅和, 小河 賢司, 井上 拓馬, 森口 昇, 田中 尚洋
    2013 年 62 巻 1 号 p. 75-77
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    CWプレートは,鎖骨遠位端骨折に対して,6本のロッキングスクリューと,3本のケーブルを用いることで遠位骨片に対し強固な固定性が得られることを特徴としている.今回本機種で骨接合術を行った3例について検討した.対象は2011年に手術を施行した3例とした.全例男性で,平均年齢58.3歳であった.骨折型はCraig分類type1:1例,type2a:2例であった.比較対照群として2007-2010年にScorpionプレートを用いて手術を施行した9例を用いた.調査項目は最終調査時の骨癒合の状況,肩関節JOA scoreを用いた臨床成績,術後合併症とした.CW群で全例に骨癒合を認め,SP群で9例中8例に骨癒合を認めた.平均骨癒合期間はCW群で5.3カ月,SP群で5.5カ月であった.最終診察時のJOA scoreはCW群で平均96.3点,SP群で平均98.6点であった.術後合併症はSP群で1例にプレートの脱転を認めた.両群ともに良好な成績であったが,プレート脱転の観点からはCWプレートは小骨片に対し強固な固定性を得ることができ,Scorpionプレートの短所を補える有益な内固定材と思われた.
  • 田村 諭史, 井手 淳二, 徳永 琢也, 久永 哲, 水田 博志
    2013 年 62 巻 1 号 p. 78-81
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】新しい手術手技であるノットレススーチャーブリッジ法を用いて鏡視下腱板修復術を施行した症例の短期成績について前向き研究を行った.【方法】2010年9月から2011年7月の間に当科にて本法を施行された25例(男性17例,女性8例,平均年齢62歳)を対象とした.除外基準は,1)術前MRI評価で複数の腱板筋にGoutallier分類のステージ3,4の脂肪変性がある,2)術前X線検査にてSamilson分類の中等度以上の変形性肩関節症を認めるとした.断裂サイズは小1例,中8例,大13例,広範囲断裂3例であった.臨床成績はJOAスコアを用いて評価した.解剖学的修復状態は術後6カ月時のMRIにて評価した.【結果】平均経過観察期間14ヵ月(10-20ヵ月)時の平均JOAスコアは術前56.7±7.9点から術後93.4±4.7点に有意に改善した.解剖学的修復状態不良例は大断裂2例,広範囲断裂1例の3例(12%)であった.【結論】本法の短期成績は,臨床成績,解剖学的修復状態ともに良好であった.
  • 小浜 博太, 山口 浩, 堀切 健士, 森山 朝裕, 普天間 朝上, 金谷 文則
    2013 年 62 巻 1 号 p. 82-84
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    軟骨低形成症の合併症に対する手術報告は散見されるが,肩腱板断裂に対する手術報告は渉猟しえた限りない.今回,軟骨低形成症に発生した肩腱板広範囲断裂の1例を報告する.症例は55歳,男性.6カ月前より右肩の疼痛を自覚していた.1カ月前に階段でバランスを崩し,右腕で体を支え受傷した.疼痛が持続したため近医を受診し,関節穿刺を3回施行され血性関節液を指摘された.血性関節液と疼痛の精査目的で当科を紹介された.初診時,右肩関節可動域(a-ROM)は屈曲45°,外旋30°,内旋不可であった.単純X線像では関節症性変化,MRIでは肩腱板広範囲断裂を認め,日本整形外科肩関節疾患治療判定基準(JOAスコア)は41点であった.直視下腱板修復術を施行した.術後1年でMRI上腱板連続性を認め,疼痛は改善,右肩a-ROMは屈曲135°,外旋70°,内旋L1レベル,JOAスコアは86点に改善した.
  • 瀬尾 哉, 柴田 陽三, 伊崎 輝昌, 篠田 毅, 城島 宏, 秋吉 祐一郎, ファン ジョージ, 今村 尚裕, 轟木 崇也
    2013 年 62 巻 1 号 p. 85-88
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    アルコール性上腕骨頭壊死の1症例に骨軟骨移植術を施行し,満足できる結果を得たので報告する.症例は22歳男性.職業:農業.高校卒業後より農閑期になると連日連夜1升の飲酒を続ける.某医受診し右上腕骨頭の異常陰影を指摘され当科を紹介.挙上150度,外旋50度,内旋L2,JOA score:77点(疼痛:15点)であった.単純X線写真で骨頭頂部に骨透過像を認め,MRIで骨頭内に帯状低信号域,CTで骨頭の陥凹を認めた.アルコール性上腕骨頭壊死の診断で直視下骨軟骨移植術を施行した.病巣を掻爬後,右膝から採取した3本の骨軟骨柱を移植した.患肢を前胸壁固定とし,3日目から振り子運動・下垂位他動外旋を開始.他動挙上は5週目から,自動挙上は7週目から開始した.術後1年の現在,疼痛は消失し,JOA scoreは95点である.Xp・CT・MRI上,骨壊死の進行を認めない.若年者の上腕骨頭壊死に対する骨軟骨移植術は有用な方法である.
  • 南川 智彦, 柴田 陽三, 伊崎 輝昌, 篠田 毅, 櫻井 真, 轟木 崇也, 瀬尾 哉, ファン ジョージ, 城島 宏, 秋吉 祐一郎, ...
    2013 年 62 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    我々は特殊な変形を呈した変形性肩関節症の2症例に対して人工関節置換術を施行しほぼ満足できる結果を得たので報告する.症例1;86歳女性 左肩のWalchのB2変形bicentric prosthesisによるhemiarthroplastyを施行した.術後2年の現在,自動挙上60度が120度へ改善し,JOA scoreは51.5点から89点に改善した.症例2:79歳女性 右肩関節の脱臼制動術を受ける.関節窩に刺入されたスクリューヘッドが上腕骨頭に陥頓し,このため骨頭がロッキングを生じていた.スクリューを抜去し,全人工肩関節置換施行した.術後1年の現在自動挙上70度が100度へ改善し,JOA scoreは42点から81.5点に改善した.
  • 黒川 祐虎, 園田 昭彦, 内野 潔, 岸本 浩, 牟田 實
    2013 年 62 巻 1 号 p. 94-97
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    三角筋損傷により右上腕が挙上不能であった一例に対して広背筋移行術を行い良好な機能回復が得られたので報告する.症例は40歳男性で,油圧機の爆発事故により右上腕骨頚部開放性粉砕骨折および右三角筋損傷を受傷.前医でデブリドマン,骨接合術を行われたが右肩関節機能障害が強く,受傷後4ヶ月で当院受診した.初診時右肩には前方から後方に及ぶ瘢痕を認めた.また右肩の自動屈曲,外転とも不能であった.X線像上,右上腕骨頚部は偽関節を呈し,右肩関節の下方亜脱臼を認めた.受傷後6ヶ月で手術を施行した.三角筋は損傷が強く瘢痕化しており,偽関節手術と広背筋を用いた三角筋の再建を行った.術後9年の現在骨癒合は良好であり,右肩関節の可動域は屈曲95度,外転90度,肩関節の屈曲はMMT4+と良好である.広背筋移行術は三角筋損傷に対して有効な方法であると考えられた.
  • 秋穂 俊輔, 伊崎 輝昌, 柴田 陽三, 藤澤 基之, 篠田 毅, 熊野 貴史, 寺谷 威, 原 康二, 内藤 正俊
    2013 年 62 巻 1 号 p. 98-101
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    同側の烏口突起骨折に,鎖骨外側端骨折,肩峰骨折を合併した症例を経験したので報告する.症例は,40歳男性,バイク事故で受傷した.単純X線検査とCT検査で,Gossの提唱したsuperior shoulder suspensory complex(SSSC)のうち,3ヶ所に損傷が生じていることが判明した.肩甲帯に不安定性が生じていると判断して,烏口突起骨折はCCS,鎖骨外側骨折はtension band wiringで骨接合を行った.合併した両側肋骨骨折および血胸は保存的に加療した.術後8か月で骨癒合は良好,抜釘術を施行した.関節可動域は,拳上140°,外旋30°,内旋L2でJOAscoreは86点である.SSSCの概念は,同側鎖骨肩甲骨骨折の治療方針決定に有用である.
  • 末広 昌嗣, 白石 公太郎, 金丸 由美子, 土居 満, 江良 允, 河野 昌文
    2013 年 62 巻 1 号 p. 102-106
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】脛骨骨切り術後に内反変形の再発や外側型OAの出現によってTKAが必要となることがある.骨切り術後TKAは展開および内外側のバランス獲得,脛骨コンポーネントの設置が通常のTKAに比し困難である.今回脛骨骨切り術後に施行したTKA例について検討したので報告する.【対象および方法】2002年1月以降脛骨骨切り術後にTKAを行った例はHTO後14例TCVO後5例の計19例であり男性3名女性16名,平均年齢は76.1歳であった.これらの症例について術前後のFTA,手術時間,出血量,JOAscoreについて比較検討した.【結果および考察】骨切り術からTKAまでの期間はHTO後で170.2ヶ月,TCVO後で97.2ヶ月であった.術前後のFTAはHTO後181.6→172.1度TCVO後167.4→171.6度であった.手術時間,出血量はHTO後111分251g,TCVO後125分274gであった.術後のJOAscoreはそれぞれ80.0,77.1であった.最終的な臨床成績に差はないがTCVO後に外反膝が多く手術が困難であった.
  • 浦島 太郎, 喜名 政浩, 入佐 隆彦
    2013 年 62 巻 1 号 p. 107-108
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    Posterior stabilized型人工膝関節置換術(以下PS型TKA)後に脛骨インサートのポストが破損し,膝関節屈伸時に有痛性の弾発症状を呈した症例を経験したので報告する.症例は64歳女性,右PS型TKA術後2年後,右膝痛を伴う弾発現象を自覚するようになった.他覚所見では膝関節屈曲位で脛骨の後方動揺性を認めた.単純X線では顆間部に骨セメントと思われる陰影を認めた.確定診断をつける目的で関節鏡を行った.鏡視所見では脛骨インサートのポストが破損しており破損片を大腿骨コンポーネントとポリエチレンの間に認めた.軟部組織と癒着していた.この破損片のインピンジが弾発症状の原因と考えられた.
  • 上野 雅也, 河野 俊介, 北島 将, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2013 年 62 巻 1 号 p. 109-111
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】血栓塞栓症(VTE)予防として皮下注射と経口のXa阻害剤を比較したので報告する.【対象】2011年4月より2012年3月までで人工股関節全置換術後にXa阻害剤を使用した316例を対象とした.皮下注群は123例であり経口群は193例であった.【方法】術翌日よりXa阻害剤を使用し,術後4日目に高度の貧血の進行を認めた場合中止とした.経口群は簡易クレアチニンクリアランス計算式,年齢,体重,併用薬にて使用容量を決定した.評価項目として術後出血量,術前-術後1週でのHb低下量,術後1週でのD-dimer値,Xa阻害薬の中止率・延長率,輸血の有無,VTEの発生率において検討を行った.【結果】全例で症候性VTEを認めず,皮下注群と経口群では術後1週でのD-dimer値において経口30mg投与群が皮下注群と比較し有意に低値であったが,それ以外の項目においては有意差を認めなかった.【考察】使用量の決定は適切であったと考えられる.今後さらなる検討が必要である.
  • 徳重 厚典, 今釜 隆, 武藤 正記, 目 昭仁, 田口 敏彦
    2013 年 62 巻 1 号 p. 112-115
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    症例 40歳男性【主訴】両股関節痛,両手巧緻運動障害,四肢末梢のしびれ【既往歴】脊椎骨端異形成症,【現病歴】2009年より両股関節痛出現,2010年末頃より悪化し,2011年2月当院受診となる.【初診時所見】両股関節痛のため歩行困難,股関節単純X線写真にて大腿骨頭の著明な変形を伴う末期変形性股関節症を認めた.また両手巧緻運動障害を認め,頚椎単純X線写真側面像にて環軸椎亜脱臼を認めた.【加療経過】頚髄症の悪化が危惧され,まず2011年4月,頚椎後方固定術(C0-C3)施行した.脊髄症症状の改善を待ち,同年9月Depuy社S-ROMステムを用いた左転子下骨切り併用人工股関節置換術施行,翌2012年1月同様に左転子下骨切り併用人工股関節置換術を行った.現在,両手巧緻運動障害も改善し,歩行訓練中である.【考察】脊椎骨端異型性症に伴う股関節変形は高度であり,強い内反股を呈するため,modular型ステムの使用が有用であり,術前からの3Dテンプレートが有効である.
  • 小河 賢司, 古市 格, 村田 雅和, 井上 拓馬, 森口 昇, 田中 尚洋, 坂井 達弥
    2013 年 62 巻 1 号 p. 116-118
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】大腿骨頚部骨折に対して,Synergy Select IIを使用した人工骨頭置換術のステム側X線短期成績について報告する.【対象と方法】対象は,当院にて2007年9月から2010年12月までに本機種を使用して手術を行った102例103関節.手術時平均年齢81歳(46~99歳),平均観察期間は8.5か月(1~49か月).術直後から経過観察可能な時期のステム側のX線学的評価を行った.【結果】3か月以上フォロー可能であった症例は51関節(50%)で,今回調査時死亡が確認できたのは27例であった.2mm以上のsubsidenceを20例に,近位部骨折を3例に認めた.【結語】Synergy Select IIは,近位固定型・先端はTaper・カラーなしのステムで比較的日本人の骨形状を考えたステムである.しかし高齢者に使用する場合はsubsidenceおよび骨折の問題があり手術時の十分な配慮が必要である.
  • 井浦 国生, 中島 康晴, 秋山 美緒, 池田 啓一, 岩本 幸英
    2013 年 62 巻 1 号 p. 119-123
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】Femoroacetabular impingement(FAI)は股関節臼蓋前方と大腿頚部の病的な衝突現象であり,関節障害につながり得る関節動態である.高齢発症ペルテス病後に発生したFAIの一例を経験したので報告する.【症例】15歳男児.主訴:左股痛と可動域制限.現病歴:11歳時に左股関節痛が出現し,免荷などの治療を受けた.その後も違和感は続いており,15歳児より疼痛が増強,当科受診となった.約2cmの脚長差が存在し,左股は屈曲95度に制限,impingement test陽性であった.X線側面像ではhead-neck offsetが消失し,頚部前面の骨性隆起と臼蓋前縁とのimpingementが透視下で確認された.前側方進入で骨性隆起の切除と約30度の転子下屈曲骨切りを行い,疼痛の軽減と可動域の改善をみた.
  • 境野 昌範, 木下 斎, 諌山 照刀, 井上 明生
    2013 年 62 巻 1 号 p. 124-130
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】寛骨臼回転骨切り術(以下“RAO”)の成績不良例に対する当院での治療を検証する.【対象と方法】2000年以降12年間に当院を受診したRAO後の成績不良例,7例8股関節を対象とし,その後の経過を追跡した.【結果】8股関節中5股関節はキアリ骨盤骨切り術(以下「キアリ手術」)で救済しえた.残りの3例3股関節にキアリ手術の適応はなく,jiggling(貧乏ゆすり)を勧めたが,2例は人工股関節置換術(以下“THR”)を選んだ.【考察】RAO後の成績不良の原因として最も多いのは,二ノ宮のIII,IV型に対するRAO後の関節面不適合であるが,臼蓋荷重部に欠損を生じているときには,キアリ手術の適応があるが,欠損部のないときには,THRもしくはjigglingを指導することになる.【まとめ】RAO後の成績不良例に対する救済方法としてのキアリ手術の適応とjigglingについて述べた.
  • 井本 光次郎, 佐久間 克彦, 本多 一宏, 宮本 和彦, 岡田 二郎, 岡村 直樹, 岡野 博史, 細川 浩, 城下 卓也, 田村 諭史, ...
    2013 年 62 巻 1 号 p. 131-134
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】変形性膝関節症治療薬として,高分子ヒアルロン酸架橋体製剤(サイビスク®)が発売され,本院でも使用を開始している.今回,中等度から比較的重症な例に対するサイビスク®の使用経験を報告する.【方法】サイビスク®投与症例の投与前後および投与終了後1ヶ月後の痛みのVAS値,水腫/腫脹の有無を解析した.【結果】47例62膝にサイビスク®を投与した.投与前後および投与終了後1ヶ月時点の評価が得られた26例35膝を解析した.VAS値は50.2±21.3から23.9±17.2に,水腫/腫脹を有する膝は16/15膝から3/3膝に減少した.8例10膝は半年以上経過後に再投与を行い,初回同様の有効性を認めた.62膝中2膝に関節炎の有害事象を認めた.【まとめ】中等度から比較的重症な患者に対して投与終了1ヶ月後でも疼痛緩和作用,水腫改善作用を認めた.サイビスク®は治療の新たな選択肢となる薬剤だと考える.
  • 井原 秀俊, 帖佐 博文
    2013 年 62 巻 1 号 p. 135-137
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    Kellgren-Lawrence分類IV度の内側型膝OA患者を対象に,人工関節置換術を望まない患者に対して,軽量の膝装具を用いて症状の軽減を図った.対象は7名9膝で,女性6名,男性1名,年齢42~84歳であった.使用した装具はUnloader One®で,重量はサイズにより350~430gであった.評価は,WOMACとVASを全例,立位XP(Rosenberg法)評価を6名8膝,加速度計を用いた側方加速度評価を5名6膝に行った.結果は,装具装着にて,VASが平均5.1から2.6点に,WOMACが平均54から36.6点に有意に改善した(ウイルコクソン符号付順位和検定,p<0.05).立位XPでのFTAは,1膝で改善したが,7膝で変化しなかった.歩行時の側方加速度は,6膝中3膝で減少した.Unloader Oneは,高度変形内側型膝OAの保存療法の1つのオプションとして利用できると考えられた.
  • 本山 達男, 尾川 貴洋, 永芳 郁文, 古江 幸博, 川嶌 眞之, 樋髙 由久, 田村 裕昭, 品田 良太, 川嶌 眞人
    2013 年 62 巻 1 号 p. 138-140
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    細いワイヤーサンダー針が膝に迷入し,関節鏡で摘出できた1例を報告する.症例,70歳男性,5月錆び取りのワイヤーサンダーを使用中に壊れて非常に細い針が左膝に飛んできて受傷した.2-3日後より左膝痛が出現し,受傷後5日で紹介にて当院受診となった.左膝蓋大腿関節の内方に圧痛が強く認められるも腫脹や発赤はなく,異物は触知できなかった.単純X線では膝蓋骨の内方に細いwireが描出されていた.受傷7日目に関節鏡を行った.膝蓋上窩の内側より細い針が数ミリ関節内に出ており,鏡視下に摘出した.術後疼痛軽減し3週で症状はなくなった.針は非常に細く,単純X線では描出されるもX線透視にての描出は不明で,開放して摘出しなければならなかった場合は容易ではなかったかもしれないが,関節内に数mm入り込んでおり,関節鏡にて同定でき容易に摘出が可能であった.
  • 井上 三四郎, 菊池 直士, 宮崎 幸政, 高野 祐護, 横田 和也, 宇都宮 健, 後迫 宏紀, 阿久根 広宣, 河野 徳明, 姫路 大輔 ...
    2013 年 62 巻 1 号 p. 141-144
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    (要旨)症例1:53歳男性.胸腺腫の診断で加療中,突然左下肢の脱力を自覚し救急搬送された.Frankel分類Cであった.MRIではT8-11の硬膜外腔背側に腫瘤あり.コハク酸メチルプレドゾロンの経静脈投与と放射線治療を行った.速やかにFrankel分類Eまで改善,MRIにて腫瘤も消失した.その後の精査で,リンパ芽球性リンパ腫と診断された.救急搬送より7ヶ月後に死亡した.症例2:54歳女性.腰痛とふらつきを主訴に受診した.Frankel分類Dであった.MRIではT5-12の硬膜外腔背側に腫瘤あり.右上腕部より生検を行い,B細胞性びまん大細胞型悪性リンパ腫と診断した.その後症例1と同様の治療を行った.速やかにFrankel分類Eまで改善,MRIで腫瘤の消失を確認した.初診より1年後化学療法を施行中である.【結語】硬膜外腫瘤の鑑別に悪性リンパ腫を挙げ,速やかに対応する必要がある.
  • 久永 哲, 岡田 龍哉, 谷脇 琢也, 藤本 徹, 瀬井 章, 水田 博志
    2013 年 62 巻 1 号 p. 145-148
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】頚髄の硬膜内外に発生し,ダンベル型を呈した孤発性線維性腫瘍(solitary fibrous tuomr:SFT)の1例を経験したので報告する.【症例】33歳,女性.特に誘因無く,下肢の脱力感が出現し,歩行困難となったため発症後4カ月で当院紹介受診となった.MRI上,第7頚椎から第1胸椎レベルの硬膜内外に脊髄を強く左方に圧排する腫瘍性病変を認め,C7/Th1レベルの右椎間孔を介して脊柱管外に進展し,ダンベル型を呈していた.病理組織上,腫瘍は主に豊富なコラーゲン基質により隔てられた紡錘形細胞で成り立ち,免疫染色上CD34やBcl-2は陽性,S-100やCytokeratin等は陰性を示し,SFTと診断された.【考察】ダンベル型を呈し,硬膜内外に発生した稀なSFTの1例を経験した.SFTは中間型から悪性に分類される腫瘍であり,長期かつ厳重な経過観察が必要である.
  • 田中 慎一郎, 藤本 徹, 瀬井 章, 谷脇 琢也, 水田 博志
    2013 年 62 巻 1 号 p. 149-152
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】腰椎硬膜外に発生したまれな血管脂肪腫を経験したので報告する.【症例】62歳男性で,1年前より特に誘因なく歩行時に両下肢のしびれ感を自覚し近医にて加療していたが,立位での両下肢痛が出現したためにMRI撮像され脊柱管内に腫瘍性病変認め当科初診となる.筋力低下や感覚障害などの神経学的異常所見は認められなかった.MRIではL1-2脊柱管後方にT1強調像にて高信号領域内に点状陰影示す腫瘍性病変により硬膜管の著明な圧迫が確認できた.椎弓切除後に腫瘍摘出術施行するが,硬膜との癒着は軽度で一塊として全摘可能であり,術後経過は良好である.【考察】腰椎脊柱管内の血管脂肪腫はまれであるが,MRIにて特徴的な所見を示し,硬膜管背側に発生する非浸潤型腫瘍は全摘が可能で,予後も良好である.
  • 金丸 由美子, 河野 昌文, 末広 昌嗣, 白石 公太郎, 土居 満, 江良 允
    2013 年 62 巻 1 号 p. 153-156
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    脊髄ヘルニアと鑑別を要し脊髄症状を呈した硬膜内くも膜嚢腫の1例を報告する.症例は80歳男性で,以前よりふらつきの自覚があり,しゃがんで作業中に急激に両下肢脱力が出現し歩行不能となった.近医受診し脊髄ヘルニアが疑われ当科紹介となった.初診時には両下肢筋力低下と感覚鈍麻,膀胱直腸障害を認めた.MRIにて第8胸椎レベルで脊髄が前方に偏位し扁平化・萎縮しており,脊髄腔造影後CTでは脊髄前方にも造影剤の流入を認め,脊髄ヘルニアを疑った.術中所見では硬膜欠損像や脊髄ヘルニアは確認できず,脊髄後方のくも膜と軟膜との間で脊髄の拍動に合わせてチェックバルブ様の動きをする嚢腫が存在していた.これを剥離し摘出した.術後MRIでは脊髄の前方偏位や扁平化・萎縮は改善し,術後早期より筋力の改善を認めたが歩行には至っていない.硬膜内くも膜嚢腫と脊髄ヘルニアは画像が近似するため,脊髄造影CTの経時的変化など更なる検討が必要と考える.
  • 佐々木 大, 横山 庫一郎, 清水 敦, 上田 幸輝
    2013 年 62 巻 1 号 p. 157-159
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】比較的稀な低悪性線維粘液性肉腫を3例経験したので報告する.【症例1】21歳女性.6ヶ月前より増大するφ8cmの腫瘤を左殿部に認めた.術前・術中に針生検を行ったが悪性所見なく辺縁切除を行った.【症例2】39歳女性.10年前より増大するφ5cmの腫瘤を右前腕に認めた.MRIでは橈骨に隣接した境界明瞭な充実性腫瘤であった.術前針生検で悪性所見なく辺縁切除を行った.【症例3】51歳女性.7年前より増大するφ8cmの腫瘤を左腹壁に認めた.MRIでは左腹直筋~皮下に存在する境界明瞭な多結筋性充実腫瘤であった.術中針生検で悪性腫瘍を否定できず広範切除行った.【考察】低悪性線維粘液性肉腫は細胞異型が少なく細胞成分に乏しい悪性腫瘍で,その診断には十分量の検体が必要である.長期経過を経て増大する軟部腫瘍は,針生検で悪性の確診が得られずとも本疾患を念頭に置いて,更に切開生検を行う必要がある.
  • 有村 仁志, 岡 潔, 佐藤 広生, 薬師寺 俊剛, 水田 博志
    2013 年 62 巻 1 号 p. 160-163
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    Vacuum-assisted closure(以下,VAC)療法は,褥創や糖尿病性潰瘍,外傷後の皮膚欠損などの治療に用いられており,有効な治療成績が報告されている.軟部腫瘍,特に悪性腫瘍では広範切除を行うため術後に広範に皮膚・軟部組織が欠損する症例を多く認める.当科では,軟部腫瘍術後の皮膚・軟部組織欠損に対して2011年よりVAC療法を用いており,良好な成績が得られたので報告する.症例は,平滑筋肉腫2例,滑膜肉腫1例,悪性線維性組織球腫1例,腱鞘巨細胞腫1例の計5例であった.VAC使用期間は平均で21日(14~33日)であった.VAC施行前に創部感染を来した症例を2例認めたが,いずれもVAC使用期間中に感染の鎮静化を認め,全例合併症なく創閉鎖が可能であった.低侵襲かつ簡便な手技にて創治癒が得られるVAC療法の有用性は,今後も増すものと考えられる.
  • 佐々木 裕美, 永野 聡, 横内 雅博, 嶋田 博文, 瀬戸口 啓夫, 吉井 理一郎, 徳本 寛人, 日高 亮, 有島 善也, 小宮 節郎
    2013 年 62 巻 1 号 p. 164-167
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    手・指に発生する悪性軟部腫瘍は稀であるが,良悪性の判別が困難な症例もある.当科にて手術を行った手・指に発生した軟部腫瘍および腫瘍類似疾患の内訳,特に術前診断の妥当性について検討した.軟骨肉腫1例を除きすべて良性で,GCTTSが11例,lipoma4例,ganglion4例,fibroma3例,hemangioma3例,schwannoma2例,angioleiomyoma2例その他8例と諸家の報告とほぼ一致していた.これらの良性腫瘍は臨床症状や局在,MRI・エコー等の画像所見からほぼ術前診断が可能であったが,schwannoma・angioleiomyomaの一部の症例では術前に悪性が疑われ,生検術を施行していた.手という解剖学的特殊性上,無計画な治療は重大な損失につながる.悪性も念頭に置き,大きさ5cm以上やMRI上悪性軟部腫瘍が疑われるもの,エコードプラー法にて腫瘍内に血流が豊富であるものは生検術が必要と考えられた.
  • 中原 信一, 衛藤 正雄, 中添 悠介, 﨑村 幸一郎
    2013 年 62 巻 1 号 p. 168-172
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    色素性結節絨毛性滑膜炎(以下PVS)は比較的稀な疾患で膝関節に発生することが多いが,今回,我々は肩関節に発生したPVSの2例の治療を経験したので報告する.症例1,81歳女性,症例2,76歳男性.両症例とも誘因なく肩痛,肩腫脹をきたし,近医での穿刺にて血性関節液を認めPVS疑いにて紹介となった.MRIで両症例とも関節液貯留と滑膜組織があり,症例2は広範囲腱板断裂を認めた.症例1は鏡視下滑膜切除を行った.症例2は変形性関節症を認めたので鏡視下滑膜切除を行い,広範囲腱板断裂用上腕骨人工骨頭置換術を一期的に施行した.術中に摘出した滑膜の病理診断では2例とも滑膜にヘモジデリン沈着を認めPVSとの診断であった.PVS治療後の再発の報告が散見されるが,今回の症例はそれぞれ術後20ヵ月,9ヵ月時点での再発なく経過良好である.
  • 富田 雅人, 宮田 倫明, 野崎 義宏, 尾﨑 誠
    2013 年 62 巻 1 号 p. 173-177
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    KLSシステムの再置換例における予後不良因子を検討し報告する.【症例】KLSを用いた症例は8例あり,うち4例(セメントレス3例,セメント1例)に再置換術を行った.初診時平均年齢は21.8歳(14~39歳).原疾患は,骨肉腫2例,ユーイング肉腫1例,傍骨性骨肉腫1例であった.【結果】再置換の原因は,大腿骨ステム折損2例,大腿骨ステムの弛み2例であった.セメントレスの3例はサイドボルトの折損や弛みを伴っていた.大腿骨ステムの折損は,2例ともに直径11mmであった.大腿骨ステムの弛みの1例は,術中照射による処理骨の圧壊後のKLS置換例であり,他の1例は,膝関節屈曲が非常に良好な為ステムが回旋し弛みを生じたと考えられた.【考察】大腿骨セメントレスステムは,デザインの改良または直径12mm以上を使用する必要がある.大腿骨ステムの弛みを予防するためには,術後は膝関節屈曲角度を制限する必要があると考えた.
  • 大石 秀和, 貝原 信孝, 今澤 良精, 佐々木 伸一, 麻生 龍磨, 前川 啓, 河村 誠一
    2013 年 62 巻 1 号 p. 178-181
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】多発性軟骨性外骨腫の好発部位は膝関節周囲・上腕骨近位・橈骨遠位であり,関節変形の原因となることが多い.特に尺骨遠位部の外骨腫では尺骨の短縮を生じやすく,手関節の尺屈変形の原因となる.尺骨骨幹部に生じた外骨腫により橈骨のbowingが起こり,橈骨頭が亜脱臼し変形性肘関節症を呈した1例を経験した.【症例】55歳,男性.幼少時に多発性外骨腫と診断されていた.数年前より右肘関節痛が出現.右尺骨骨幹部に外骨腫を認め,それに伴う橈骨のbowingおよびMadelung様変形を認めた.右手関節の症状はなく,保存療法が無効であったため,右橈骨頭切除による関節形成術を行った.術後,肘関節痛は著明に改善し,肘関節可動域は伸展-5→0度,屈曲135→145度,回内30→60度,回外45→80度となり,JOA score65点→87点と改善し,現在職場復帰している.上記の症例に対し文献的考察を加え報告する.
  • 嶋田 博文, 永野 聡, 横内 雅博, 佐々木 裕美, 瀬戸口 啓夫, 日高 亮, 徳本 寛人, 小宮 節郎
    2013 年 62 巻 1 号 p. 182-187
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    傍骨性骨軟骨異形増生(BPOP)は,Noraらにより報告された,手足の短管骨に好発し傍骨性腫瘤を形成する稀な疾患である.今回我々は手指に発生した2例を経験したので報告する.【症例1】58歳女性.3年前より小指中節骨背側の腫瘤を主訴に受診.単純X線では,中節骨背側に接する骨病変を認めた.CTでは骨髄との連続性は明らかでなかった.術中所見は,中節骨背側より発生する軟骨性腫瘍であり,BPOPと診断した.【症例2】33歳男性.1年5か月前から示指中節骨橈側の腫瘤を主訴に近医受診,切除術を受けた.類骨骨腫の病理診断で観察中,半年後から同部の腫脹自覚し当科紹介受診.単純X線では骨腫瘍基部の残存,その浅層にMRIで軟部病変を認めた.術中所見は骨皮質から連続する基部に軟骨性腫瘍が存在しておりBPOPの再発と診断した.両症例とも組織学的に線維性被膜に覆われた軟骨組織で,骨化巣や,大型,二核の軟骨細胞も認めた.再発に十分注意が必要である.
  • 藤枝 浩司, 佐藤 広生, 岡 潔, 薬師寺 俊剛, 水田 博志
    2013 年 62 巻 1 号 p. 188-193
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】比較的稀なBizarre Parosteal Osteochondromatous Proliferation(以下BPOP)の2例を経験したので報告する.【症例1】52歳男性.右母指基節骨の骨腫瘍を疑われ近医で腫瘍切除術が施行された.病理検査にてBPOPと診断され,術後3ヶ月で再発を認めたために当科紹介された.単純X線にて右母指基節骨背側に2.5cm大の骨性隆起を認めた.経過観察を行い病変の成熟を待ち待機的に手術を行った.手術では骨皮質を含めた腫瘍切除を行った.術後6ヶ月の現在,再発はない.【症例2】31歳男性.1年前より左示指に疼痛を伴う腫瘤を自覚し,当科紹介された.単純X線にて左示指中節骨の1.5cm大の骨性隆起を認め,経過観察を行ったのちに腫瘍切除術を行った.【結語】BPOPは再発率が高いため病変の成熟を待ち病変の骨皮質の処置まで行う必要がある.
  • 上野 明菜, 平岡 弘二, 濱田 哲矢, 庄田 孝則, 福嶋 信広, 石橋 千直, 永田 見生
    2013 年 62 巻 1 号 p. 194-197
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    線維性骨異形成と筋肉内粘液腫が合併するMazabraud症候群の1例を経験したので報告する.症例は64歳,女性.1か月前より右上腕外側に腫瘤を自覚し近医受診.単純X線にて右上腕骨に異常陰影を認めたため,平成23年7月当科紹介となった.右上腕近位外側に約3cmの弾性硬,可動性良好な腫瘤を触知,MRI検査にて右三角筋内および右上腕骨に腫瘍性の病変を認めた.診断を確定するため,軟部腫瘍摘出と右上腕骨病変の生検を施行した.病理組織診断結果は,それぞれ筋肉内粘液腫,線維性骨異形成であり,これらの合併からMazabraud症候群と診断した.現在までのところ粘液腫の再発や病的骨折の発生はなく,経過良好である.Mazabraud症候群における線維性骨異形成は悪性転化も報告されており,長期間の経過観察が必要と考えられた.
  • 上原 敏則, 粟國 敦男, 金城 健
    2013 年 62 巻 1 号 p. 198-202
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    圧迫性脊髄症のため歩行障害をきたした80歳以上の超高齢者の環軸椎亜脱臼に対して不安定性のないのを確認し,手術侵襲の軽減のため後弓切除のみを行い症状改善した3例を経験したので報告する.術前JOAスコアは平均8.8点で最終フォローアップ時のJOAスコアは平均14点であった.1例で術後症状は劇的に良くなったものの環軸椎不安定性の悪化を認めたため注意深く経過観察を行っている.高齢者では環軸椎脱臼に対し低侵襲の後弓切除術を考慮しても良いと考える.
  • 宮崎 幸政, 井ノ口 崇, 菊池 直士, 井上 三四郎, 高野 祐護, 横田 和也, 宇都宮 健, 阿久根 広宣
    2013 年 62 巻 1 号 p. 203-205
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    頸椎手術後の髄液漏により頭蓋内硬膜下血腫を生じた1例を経験した.症例は77歳女性で頸椎後縦靭帯骨化症(以下OPLL)に対して頸椎椎弓形成術をおこなった.術後1ヵ月で頭痛,複視の訴えあり近医脳外科受診,頭蓋内硬膜下血腫の診断で同日緊急血腫除去術を施行された.その後の精査で後頸部に偽性髄膜瘤を指摘され,低髄圧に伴い頭蓋内硬膜下血腫が発生したことが疑われた.その後経過観察していたが,偽性髄膜瘤の改善がないため血腫除去術から6週後に髄液漏の閉鎖術をおこない症状の改善をえた.現在,術後1年経過したが,再発所見なく神経症状も改善がえられた.頸椎術後の偽性髄膜瘤により低髄圧が持続し,頭蓋内硬膜下血腫が生じたと思われる症例を経験したので,これを報告する.
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