整形外科と災害外科
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62 巻 , 2 号
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  • 柳樂 慶太, 岡野 徹, 岸本 勇二, 大槻 亮二, 萩野 浩, 豊島 良太
    2013 年 62 巻 2 号 p. 209-213
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    THA術後脱臼は高齢者においては,最も頻度が高い合併症である.今回,高齢者に対するTHA術後の脱臼発生率について,手術進入法による違いを後ろ向きに調査した.対象は70歳以上でTHAを行った後側方進入群26例29関節(平均75.5歳)と前側方進入群37例39関節(平均75.3歳)についてである.全例,使用機種はCharnley型で,骨頭径は22mmである.性別,原疾患,骨盤傾斜とcup設置位置(外方傾斜角と前方開角)について,両群間で比較検討を行った.後側方進入群に脱臼例はなく,前側方進入群では,3関節(7.8%)に脱臼を生じた.骨盤傾斜,外方傾斜角,前方開角とも両群間に優位な差は認めなかったが,脱臼した3例は,cup設置位置が平均より大きく逸脱していた.
    一般的に,後側方進入の脱臼率が高いといわれているが,今回,前側方進入の脱臼率が高い傾向にあった.cup設置異常が最大の原因であった.
  • 北島 将, 河野 俊介, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2013 年 62 巻 2 号 p. 214-216
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】人工股関節置換術の脚長を決める指標を検討すること.【対象・方法】当院で片側人工股関節置換術を行ったCrowe1,2の43症例を対象とした.平均年齢70歳.手術は,後側方アプローチで展開し,機種は全例JMM社製AMSカップ,910ステムを用いた.ステムとカップを設置した後に,手術中牽引した状態でカップ縁とネック上縁との距離を計測した.計測した値と術後の単純X線による脚長差とを比較検討した.また,選択したボールとの比較検討も行った.【結果】カップ―ネック間距離は平均0.8±4.6mm.術後の脚長差は平均0.7±4.8mm.カップ―ネック間距離と脚長差は,相関係数-0.474と有意な相関を認めた.【考察】手術中のカップとネック間距離はネック長を決める一助になりうる.
  • 中川 剛, 糸川 高史, 中島 康晴, 山本 卓明, 馬渡 太郎, 本村 悟朗, 大石 正信, 秋山 美緒, 岩本 幸英
    2013 年 62 巻 2 号 p. 217-219
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    人工股関節全置換術(THA)後の脱臼は最も頻度の高い合併症の一つであり,多くの因子の関与が報告されている.そのうち,骨頭径は最も大きなインプラント因子であることとされている.32mm骨頭径の脱臼予防効果を明らかにする目的で,1998年以降の初回THA症例で1年以上経過観察し得た923症例1033関節の脱臼率を調査した.各骨頭径における脱臼率は22mm:194関節中9関節(4.6%),26mm:717関節中15関節(2.09%),32mm:110関節中0関節(0%)であり,Pearson単変量解析にて3群間に有意差を認めた.32mm径骨頭は有意にTHA後脱臼を減少させた.
  • 河野 裕介, 井原 和彦, 島田 信治, 別府 達也, 竹下 都多夫, 佐藤 陽昨, 中川 憲之, 吉本 憲生
    2013 年 62 巻 2 号 p. 220-223
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】当院においてDirect lateral approachで行った人工股関節置換術(以下THA)の術後成績を評価すること.【対象と方法】2004年11月から2009年12月までに同一の機種(stryker社のSuper Secur-Fit HAステム,およびTriAD HA PSLカップ)を用いて初回THAを行い,1年以上の経過観察が可能であった72例を対象とした.男性7例,女性65例,手術時平均年齢は64.7歳,平均経過観察期間は3年10ヶ月であった.調査項目として術前後のJOA score,術後合併症の臨床的評価と,最終経過観察時のX線評価を行った.【結果】JOA scoreは術前平均40.2点から最終調査時平均81.5点と有意に改善を認めた.術後合併症として単回の後方脱臼を2例に認めた.X線学的には異所性骨化30例(Brooker分類class 1:14例,class 2:5例,class 3:3例,class 4:0例,および転子部異所性骨化16例)に認めた.また,カップ側のosteolysisを2例に認めた.【結論】異所性骨化は41.7% と高い発生率であったが,臨床成績に影響を及ぼす合併症は認めず,Direct lateral approachによるTHAの術後短期~中期成績は良好であった.
  • 川添 泰臣, 吉野 伸司, 鮫島 浩司, 富村 奈津子, 中川路 愛弓, 川内 義久
    2013 年 62 巻 2 号 p. 224-226
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    Direct Anterior Approach(DAA)は臼蓋側の展開に優れた手技である.今回,DAAにて臼蓋側のみの再置換術を施行した症例について手術時間,術中出血量,手術中の留意点及び手術後の短期成績について検討した.症例は4例4股.全例女性で手術時年齢は50歳~65歳.再置換方法はカップ置換2例,ライナー交換1例,人工骨頭感染例のセメントモールド挿入後の臼蓋側置換1例である.手術時間は140分~200分で平均161分,術中出血量は115g~250gで平均196gであった.ライナー抜去やセメントの破砕に難渋し手術時間が長くなった症例があるが,全例で大腿骨側の処置はほとんど不要であった.術中,周術期に重篤な合併症は認めず,後療法も簡便に行うことができ早期に歩行可能となった.DAAは臼蓋側のみの再置換術には有用な術式であると考えた.
  • 久保 祐介, 美浦 辰彦, 新井 堅, 城野 修, 浜崎 晶彦, 喜多 正孝, 仲西 知憲, 原口 明久, 白石 浩一
    2013 年 62 巻 2 号 p. 227-230
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】橈骨遠位端骨折術後の合併症として長母指屈筋腱(以下FPL)断裂が問題視されており,健常者におけるFPLの走行とwatershed line(以下WS)との位置関係を超音波エコーで評価し,プレート設置におけるFPL断裂のリスクを検討した.【対象と方法】当院職員および手の疾患以外の入院患者計60例を対象とし,超音波エコーの機種は日立メディカルのprosound C3 cv(6 MHz)を用いた.【結果】WSとFPLとの距離は中間位で平均1.40mm,背屈位で0.28mm短くなった.方形回内筋の最大筋腹幅は男性5.06mm,女性4.28mmで統計学的有意差を認めた.【結論】超音波エコーを用いることで,FPLとWSとの関係性を簡便かつ低侵襲に評価できた.FPLとWSの距離は平均1.40mmと狭く,近位設置型で先端の厚みが小さいプレートを用いることでFPL断裂のリスクを減らせると考えられた.
  • 山下 尚寛, 上村 篤史, 山家 健作, 吉川 尚秀, 南崎 剛
    2013 年 62 巻 2 号 p. 231-233
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    近年橈骨遠位端骨折に対して掌側ロッキングプレートによる固定が定着しつつあるが,その一方で,術後の長母指屈筋腱(FPL)断裂の報告が散見される.今回FPL断裂を生じた一例を経験したので報告する.症例は42歳,女性.階段から転倒し,右橈骨遠位端骨折(AO分類C-1)を認めた.受傷翌日Acu-Loc Distal Radius Plateによる掌側プレート固定を行った.その後経過良好で骨癒合を認めたが,術後4カ月にまな板を持ち上げた際に音がし,直後から母指IP関節の屈曲が不能となった.FPL断裂と診断して手術を行った.術中所見は,プレートの遠位のエッジに一致した部位でFPLの断裂を認めた.プレート抜去と長掌筋腱腱移植術を行った.FPL断裂の原因として術後の橈骨の短縮,方形回内筋の修復が不十分であること,プレートの浮きやスクリューのバックアウトなどが報告されている.本症例では橈骨の短縮とプレートの突出が原因と考えた.
  • 安部 幸雄, 吉田 紘二
    2013 年 62 巻 2 号 p. 234-236
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】三角線維軟骨複合体(TFCC)の実質部損傷は手関節尺側部痛の代表的疾患であり掻爬にて除痛が得られる.掻爬の理論的根拠はTFCCの血行に由来する.TFCCは辺縁20%程度に血流が存在するが,実質部には血行が存在しないとされている.今回,TFCC実質部掻爬後に再鏡視にて再生が認められた症例について報告する.【対象】症例は3例,2例は尺骨突き上げ症候群にて尺骨短縮骨切りと同時にTFCC掻爬を行い,抜釘などの再手術時に再鏡視を行ったもの,1例は遠位橈尺関節症にて関節形成時にTFCC掻爬を行い,後日橈骨遠位端骨折を受傷して鏡視下手術を行った例であった.【結果】全例に実質部は完全に新生軟骨にて閉鎖していた.掻爬から再生を認めた期間は4~14カ月,平均7.7カ月であった.【考察】TFCC実質部は無血行野であり再生は期待できないとされてきた.今回,掻爬後も再生を認めたことから,TFCC損傷の治療方針について再検討を要する.
  • 佐々木 誠人, 秋元 信之, 古賀 隆弘, 井上 順
    2013 年 62 巻 2 号 p. 237-240
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    左示指基節骨遠位部と右鎖骨遠位部に血行性骨髄炎を生じた低酸素血症を伴う慢性呼吸器疾患を有する83歳男性の一例報告である.両部位とも痛みを主訴とし,発熱は殆どなかった.X線,MRIで骨融解像,嚢腫状病変が見られた.両部位とも切開による病巣掻爬で炎症は鎮静化した.摘出病巣組織の病理検査では骨吸収像と炎症所見を認めたが,細菌は検出されなかった.動脈血の細菌培養検査と血清プロカルシトニン検査は陽性であった.本例は慢性呼吸器疾患による免疫能低下による亜急性な血行性骨髄炎を生じた非定型的な症例と思われたので報告した.
  • 宇都宮 健, 菊池 直士, 横田 和也, 高野 祐護, 宮崎 幸政, 井上 三四郎, 谷口 博信, 阿久根 広宣
    2013 年 62 巻 2 号 p. 241-247
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    本疾患は1970年Maroteuxが初めて報告した.手指に紡錘形の腫脹・熱感・疼痛を生じるが,数カ月の経過で自然軽快し予後は良好とされる.生後2カ月-15歳に好発し,寒冷期に多い.血液検査では炎症反応は認めない場合が多く,単純X線写真で中節骨に1mm大の小透亮像を多数有することが特徴である.今回本疾患と思われた3症例を経験したので報告する.
  • 吉田 紘二, 安部 幸雄, 山岡 康浩, 屋良 貴宏, 明石 浩介
    2013 年 62 巻 2 号 p. 248-250
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    母指MP関節尺側側副靭帯(以下UCL)損傷の多くは保存的治療で治癒するが,損傷靱帯が反転しているStenar lesionには手術療法が必要になる.今回,MRI検査でStener lesionが診断可能かどうかを検討したので報告する.UCL損傷に対して手術を行った25例中,術前にMRI検査を行った8例を対象とした.平均年齢37.3歳(17~54),男性2例,女性6例であった.MRIではT2強調像STIRの冠状断が有効であり,Stener lesionでは中手骨頭部に不規則な盛り上がり像を呈していた.axial像は靭帯損傷の範囲を決めるにはあまり有用ではなかった.今回の検討でMRI検査でもStenar lesionの診断は可能であるが,超音波検査を併用する事でより診断精度を向上させることが期待され,現在両検査を併用し検討中である.
  • 井上 拓馬, 古市 格, 村田 雅和, 小河 賢司, 森口 昇, 田中 尚洋, 坂井 達弥
    2013 年 62 巻 2 号 p. 251-254
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    サルモネラ菌は消化器感染症の原因菌として知られ,消化器以外にも多様な臨床症状を呈するが,まれに骨髄炎を発症することがある.今回,我々は中手骨に発症したサルモネラ骨髄炎の1例を経験したので報告する.症例は18歳男性.幼少時に右3,4指の結核性骨髄炎の疑いにて手術の既往あり.17歳時,特に誘因無く右手背の腫脹と疼痛出現.近医受診し当院へ紹介となる.MRIにて皮下膿瘍を認め,洗浄,ドレナージ,サルモネラ菌検出され,抗菌剤投与にて症状改善している.13カ月後に再度右手背の腫脹が出現し来院.単純X線,MRIにて骨髄内病変を認め掻爬洗浄,抗菌剤含有β-TCPを骨髄内に留置している.術後症状改善.術後3カ月現在,感染再発兆候は認めていない.サルモネラ骨髄炎は経口から腸管吸収を経て血行性に成立するとされるが,今回の症例の様に先行する消化器症状無く骨髄炎を生じる場合や,数回の外科的治療を要す場合もあり注意が必要と考える.
  • 吉兼 浩一, 山口 司, 西井 章裕, 林田 光正, 大江 健次郎, 岡田 文, 仲西 知憲, 伊東 孝浩
    2013 年 62 巻 2 号 p. 255-257
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    PED (percutaneous endoscopic discectomy) transforaminal approach導入期47例(男30,女17)(L1-2:1,L2-3:2,L3-4:12,L4-5:32)の臨床成績を,MED 54例(男31,女23)(L2-3:2,L3-4:10,L4-5:42)と比較検討した.手術時間はMED:66.8に対しPED:48.1分と有意に短縮し,術中出血量はMED 54.7gに対しPEDは計測不能と少量であった.CRP値は術前差を認めなかったが,術後はPEDが有意に低値であった.合併症はMEDで硬膜損傷3例,術後一過性の下肢dysesthesia 1例を認めたが,PEDに特記すべきものはなかった.再発はともに1例認めた.JOA scoreは術前,術後および改善率で差を認めなかった.追跡期間はMED:34.4,PED:11.6ケ月であった.PEDはMEDと比較し,手術時間,出血量,術後炎症,合併症を抑えることが出来,短期ではあるが同等の臨床成績を得ることが出来た.Transforaminal approachは,土方式PN法から発展した手技で,傍脊柱筋と脊椎構築にほぼ侵襲を加えず,ヘルニア部位にピンポイントに到達出来る.PN法が髄核摘出による間接的神経除圧であるのに対し,PEDは直近鏡視下にヘルニア摘出し神経除圧出来る利点がある.
  • 吉兼 浩一, 山口 司, 西井 章裕, 林田 光正, 大江 健次郎, 岡田 文, 仲西 知憲, 伊東 孝浩
    2013 年 62 巻 2 号 p. 258-260
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    PED(percutaneous endoscopic discectomy)interlaminar approach導入期78例(男48,女30)(L5-S1:49,L4-5:29)の臨床成績を,MED 83例(男47,女36)(L5-S1:42,L4-5:41)と比較検討した.手術時間はMED:64.2に対しPED:56.0分と有意に短縮し,術中出血量はMED 40gに対しPEDは計測不能と少量であった.CRP値術前後の変動に差はなかった.JOA scoreは術前,術後および改善率で差を認めなかった.合併症は,MEDで硬膜損傷4例,術後一過性の下肢dysesthesia 1例を認めた.PEDはdysesthesiaを11例認め,内2例は馬尾障害を伴った.再発はMED:2例,PED:3例であった.追跡期間はMED:34.4,PED:15.0ケ月と短期であるが,PEDはMEDと比較し,手術時間,出血量を抑えることが出来,短期的に同等の臨床成績を得られた.導入期の合併症が多かったが,learning curveで減少した.腰部脊柱管狭窄や椎弓間狭小合併例には,専用ドリルによる部分椎弓切除の追加が必須である.Interlaminar approachは,L5-S1を含めたほぼすべてのタイプの脊柱管内ヘルニアに対応可能であり,transforaminal approachの適応限界を補完することの出来る低侵襲なヘルニア摘出術と成り得る.
  • 中山 美数, 大田 秀樹, 松本 佳之, 酒井 翼, 井口 洋平, 小林 達樹, 日高 正嗣, 木田 浩隆, 竹光 義治
    2013 年 62 巻 2 号 p. 261-265
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    腰椎手術後ドレナージチューブによる硬膜損傷2例経験したので報告する.症例1.80歳女性.術中硬膜損傷はなくドレナージチューブを留置した後,急激に出血性浸出液が増加したため,術野を確認すると硬膜は裂傷しており,髄液は漏出し馬尾が噴出していた.術後覚醒せずてんかん発作を繰り返したため,脳外科に搬送.CTにて気脳症の診断.術後6時間で意識は徐々に回復した.症例2.81歳男性.術中硬膜損傷はなく同様のチューブを留置し閉創終了.術後激しい腰痛,右臀部痛出現.術後12日目髄液漏疑いで再手術を行なったところ,硬膜裂傷及び馬尾神経の噴出を認めた.今回使用したチューブは縦に二本のフラップを有しており,硬膜,クモ膜がスリットの中に陰圧で吸い込まれ損傷した可能性が高い.髄液漏の持続吸引にて脳ヘルニアや脳出血を呈したという報告もある.ドレナージチューブを硬膜の上に直接置かないなどの対策が必要と思われる.
  • 田中 寿人, 笠原 貴紀, 児玉 香奈子
    2013 年 62 巻 2 号 p. 266-270
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】拡散強調MRIを用いて水分子の移動を強調し,神経損傷の定量化を試みた.【症例と方法】症例は平成23年度7月から10月までに当院を受診し,根性坐骨神経痛と診断された58例のうち症状が片側のみの22例,男性17例,女性5例.平均年齢は59.6才(24~81才).拡散強調MRIを追加撮影し,症状側の神経根を観察した.撮像シークエンスはTR:6200ms,TE:130msにて前額断撮像である.【結果】神経根から神経節以遠の末梢神経の部分において高信号を呈した場合を異常所見とした.症状が片側で発症側神経根に異常所見を認めたのは14例(63.6%)であった.圧迫が軽度な症例や側彎変形が強い症例は画像で捕らえる事が困難であった.【考察】今回の調査では陽性感度はそれ程高くなく,撮像時間も長い事から全ての症例で施行するのは難しいが,発症高位診断に難渋するような場合などの判断の一助になる可能性がある.
  • 岡田 二郎, 細川 浩, 田村 諭史, 井本 光次郎, 城下 卓也, 岡野 博史, 岡村 直樹, 宮本 和彦, 本多 一宏, 佐久間 克彦, ...
    2013 年 62 巻 2 号 p. 271-275
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    井野らが考案したSliding Spacer Method(以下SSM)を用いてTLIFを行いその成績を報告する.対象は28例41椎間,男19例,女9例,年齢平均58.8歳,経過観察期間平均12.7ケ月,疾患内訳は腰椎変性すべり症が12例と最も多かった.手術は片側椎間関節よりアプローチし椎体間操作後ProspaceとHAスペーサーを用いてSSMを行った.検討項目は手術時間,術中出血量,周術期合併症,JOA scoreの推移,固定椎間のdisc angle,%slipの変化,側面像前後屈可動角,腰椎伸展位CTにおけるスペーサー可動性の有無である.JOA scoreは改善率平均75.8%,disc angle,%slipは術後から良好に保たれていた.固定椎間の側面像前後屈可動角平均1.5度,腰椎伸展位CTにて全例スペーサーの可動性を認めなかった.SSMはTLIFを行う上で有効な方法の一つである.
  • 力丸 俊一, 石村 啓司, 野口 康男
    2013 年 62 巻 2 号 p. 276-278
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    腰椎変性側弯や変性すべりを伴う脊柱管狭窄症の手術治療に於いて,除圧に加え固定が必要な症例がある.Rigid systemを用いた強固な固定は手術侵襲の大きさや術後隣接椎間への影響が危惧され,特に高齢者への適応は躊躇される.2005年よりsemi-rigid systemを用いた制動・固定(ハイブリッド)法を考案し,良好な臨床成績が得られている.対象は18例(女性9例,男性9例),手術時平均年齢は72.4歳(58-85歳),術後追跡期間は平均37.9カ月(6-79カ月).制動・固定椎間は2椎間11例,3椎間6例,5椎間1例.椎間固定には局所骨のみ,局所骨にハイドロキシアパタイト(HA)または椎間スペーサーを用いた.脱回旋による側弯矯正を行ない,また過度なすべり矯正は行わず制動・固定した.X線画像上,1)立位にて側弯増強の症例,2)2椎間すべりの症例が制動・固定(ハイブリッド)法の適応と考えている.術後1例にscrewの折損がみられたが,臨床症状への影響はなく,有用な術式一つと考えられる.
  • 篠原 直弘, 山元 拓哉, 井尻 幸成, 川畑 直也, 田邊 史, 棈松 昌彦, 石堂 康弘, 米 和徳, 小宮 節郎
    2013 年 62 巻 2 号 p. 279-281
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    (はじめに)severeかつrigidな胸椎カーブを有す特発性側彎症放置例に対する矯正操作中に,顕著な血圧低下を示し手術術式の変更を余儀なくされた症例を経験したので報告する.(症例)22歳女性.身長155cm,体重33kg.コブ角(T4-11)は立位116度,右側屈91度.2011年11月に前方後方解離後,二期的に後方固定術を施行.rodの回旋による側弯症矯正を行った際に動脈圧が一気に低下し計測不能となり,回旋を戻すと速やかに復した.再度のrod rotationでも同じ状態となり一旦手術を中止した.胸郭の狭小化とintrathoracic humpがあり,胸腔内圧上昇に伴い静脈還流が低下したと考えた.再手術では凹側の肋骨基部切除とtemporary rodの併用と,十分な補液を行い,血圧低下なく終了し得た.(考察)severeかつrigidな側弯では術前に脊柱や胸郭の変形,心臓や大血管の圧迫所見の評価,及び術中の血圧低下への対策も重要と考えられた.
  • 口石 倫太朗, 野口 康男, 佛坂 俊輔, 前 隆男, 佐々木 宏介, 竹内 直英, 松下 昌史, 見明 豪
    2013 年 62 巻 2 号 p. 282-284
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    目的:急速に進む高齢化と核家族化の影響で独居高齢者の骨折が増加している.大腿骨近位部骨折症例について受傷時独居だった患者の転帰の現状を調査し,在宅復帰と関連する因子を検討したので報告する.対象と方法:対象は過去2年間に当院で手術を施行した283例.男性51例,女性232例.平均年齢は82歳.在宅患者の在宅復帰率を算出し,独居例において転帰に影響する因子を検討した.結果:在宅患者の独居例34例,同居例162例のうち在宅復帰率は独居例では61.7%,同居例では66.7%で独居例では同居例よりわずかに在宅復帰が少なかった.独居例で在宅復帰できた21症例(H群)とできなかった13例(T群)で比較すると,認知機能の低下の有無および当院退院時の歩行能力に有意差を認めた.また,受傷前の歩行能力がT群で低い傾向にあった.結論:受傷前の低い歩行能力,認知機能の低下,および当院退院時の低い歩行能力は在宅復帰を妨げる危険因子と考えられた.
  • 吉川 大輔, 園田 典生, 田邊 龍樹, 帖佐 悦男
    2013 年 62 巻 2 号 p. 285-290
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    60歳以上の大腿骨頚部骨折に対して骨接合術を施行した症例の治療成績ならびに成績不良因子に関し検討した.2007年1月から2011年12月までに行った症例のうち術後3カ月以上観察できた24例を対象とした.男性7例,女性17例で,手術は全例ハンソンピンを用いて行った.手術時平均年齢は80.3歳(60歳~99歳),骨折型はGarden分類でStage I:5例,II:10例,III:6例,IV:3例であった.これらの症例に対し,再手術率,術後合併症,術後のGarden alignment index(GAI),ピン刺入位置,telescoping量について検討した.骨癒合率は79.1%(Stage I:100%,II:100%,III:50%,IV:33%)で,術後合併症は偽関節5例,late segmental collapse 1例であった.再手術率は12.5%(3例)であった.成績不良因子は骨折型,ピン刺入位置,telescoping量であった.治療成績向上のために,technical errorを最小限に抑えること,術前評価を的確に行い手術法を選択することが重要と考えられた.
  • 細川 浩, 中島 伸一, 佐久間 克彦, 本多 一宏, 宮本 和彦, 岡田 二郎, 井本 光次郎, 岡村 直樹, 城下 卓也, 岡野 博史
    2013 年 62 巻 2 号 p. 291-297
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    同側の大腿骨骨幹部複合骨折は比較的稀であり,強い外力によって発生することが多い.当院で経験した大腿骨複合骨折6例(うち3重骨折を2例含む)の治療成績について検討した.2006年から2010年まで5年間に当科で治療を行った大腿骨骨幹部骨折は111例112肢で,そのうち同側大腿骨複合骨折は6例(全骨幹部骨折の4.5%)で評価ができた症例は5例であった.青柳分類ではG Ia 3例,G Ib 2例,G IV 1例であった.治療成績はKarlstromの評価基準を使用し,good 3例,poor 2例であった.大腿骨骨幹部骨折では,稀に同側の頚部骨折合併と見逃しの可能性があり注意が必要である.また,骨折型,部位,様式も様々であり,困難な場合もあるが,骨幹部骨折に対しては髄内釘での固定が理想である.
  • 亀川 史武, 尾上 英俊, 白地 仁, 櫻井 真, 田中 潤, 轟木 将也
    2013 年 62 巻 2 号 p. 298-300
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    2000年から2011年に大腿骨ステム周囲骨折に対して当院にて手術を行った8症例について検討した.男性2例,女性6例で,手術時年齢は66~90歳(平均81歳)であった.初回手術は人工骨頭置換術が6例,人工股関節置換術が2例であった.骨折型はVancouver分類でB1が5例,Cが3例で,経過観察期間は2~16カ月(平均5.3カ月)であった.8例中4カ月以上フォローできた6例では良好な仮骨形成を認め,最終経過観察時の歩行能力は8例中7例が自力歩行可能であった.大腿骨ステム周囲骨折は,治療に難渋することが多く,通常の骨接合より高度な技術が必要とされる.近年高齢化社会に大腿骨ステム周囲骨折も増加しており,今後予防法や治療法の確立が求められる.
  • 轟木 将也, 尾上 英俊, 白地 仁, 櫻井 真, 田中 潤, 亀川 史武
    2013 年 62 巻 2 号 p. 301-304
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    外傷性股関節前方脱臼は比較的まれな外傷である.今回我々が経験した5例に文献的考察を加え報告する.対象は2000年から2011年までの12年間に治療を行った5例である.受傷時年齢は38歳から77歳で平均49.4歳,性別は全例男性であった.脱臼型はEpstein分類による恥骨上脱臼で骨折のないtype I Aが2例,恥骨上脱臼で寛骨臼骨折のあるtype I Cが1例,閉鎖孔脱臼で骨折のないtype II Aが2例であった.受傷原因は屋内での転落・転倒が各々1例,交通事故が2例,落下した重量物に挟まれての受傷が1例であった.5例とも受傷後早期に静脈麻酔下に徒手整復を行うことで容易に整復位を獲得することができた.整復後10日で自己退院した1例を除いた4例の経過観察期間は2カ月から1年7カ月で平均12カ月であった.1年6カ月以上経過観察可能であった2例では合併症の発生は認めなかった.
  • 金﨑 彰三, 東 努
    2013 年 62 巻 2 号 p. 305-308
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    人工股関節・人工骨頭置換術後の大腿骨ステム周囲骨折に対して骨接合術を施行する場合,治療に難渋することが多い.2008年から2011年に当院にて大腿骨ステム周囲骨折Vancouver分類Type B1と診断し骨接合術を施行した9例を対象とし,治療成績を検討した.平均年齢は80.6歳,平均経過観察期間は8.7カ月であった.ステム先端より近位に骨折があった4例ではケーブルのみを用いて骨接合術を行った.ステム先端周辺から遠位にかけて骨折があった5例では,反対側の大腿骨遠位用ロッキングプレートを上下逆にして使用し,ステム部分の固定にはケーブルも併用した.全体の手術時間は平均107±63分,術中出血量は平均275±271mlであった.骨癒合は全例で得られ,術後は全例で術前と同等の移動能力が得られた.骨折型に応じて固定方法を使い分ける当院の方法で,いずれも良好な成績が得られており,有用な方法であると思われる.
  • 井上 三四郎, 宮崎 幸政, 高野 祐護, 菊池 直士, 横田 和也, 宇都宮 健, 後迫 宏紀, 阿久根 広宣
    2013 年 62 巻 2 号 p. 309-311
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    下肢新鮮骨折に対して,Hoffmann external fixation system(Stryker社)を使用した11人12骨折を検討した.男性7人女性4人,20~60歳であった.受傷部位は,脛骨8骨折(近位部関節内骨折3骨折,遠位部関節内骨折3骨折,遠位部関節外骨折2骨折),大腿骨4骨折(遠位部関節内骨折3骨折,骨幹部骨折1骨折)であった.開放骨折は6骨折あり,下腿コンパートメント症候群を3骨折に合併していた.重度外傷を4人に認めた.創外固定装着期間は,6~56日であった.コンバージョンしたものは9骨折(リング型創外固定器5骨折,プレート固定3骨折,Ender釘1骨折)であった.残りの3骨折の内訳は,大腿切断,ピンニング+シーネ固定,シーネ固定が各々1骨折ずつであった.コンバージョンがスムーズに行えなかった症例は,基礎疾患を有する重度外傷例であった.
  • 小牧 ゆか, 小牧 宏和, 小牧 一麿, 帖佐 悦男
    2013 年 62 巻 2 号 p. 312-315
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    ビスホスホネート製剤使用例に生じた非定型大腿骨骨折の報告が散見され,骨代謝回転の過剰抑制(SSBT)の可能性が示唆されている.今回非定型大腿骨骨折を経験したので報告する.96歳女性.約3年前より近医で骨粗鬆症の診断にてアレンドロネート開始となっていた.左大腿痛を認め,近医にて神経痛と診断,その2ケ月後に自宅で起立時に左大腿痛のため体幹支えきれずに転倒.当院受診し,左大腿骨骨幹部骨折を認めた.入院時の骨代謝マーカーTRACP-5bは正常値未満でありSSBTを疑い,左大腿骨骨折に対して髄内釘を用いて骨接合術施行した.反対側のMRI検査で右大腿骨骨幹部に陳旧性の不全骨折を認めた.現在,骨粗鬆症治療として,テリパラチド投与中である.SSBTによると思われる非定型大腿骨骨折を経験した.骨粗鬆症治療では,定期的な骨代謝マーカーや骨密度測定値をもとに適切な薬剤選択を考慮すべきである.
  • 横山 信彦, 二之宮 謙一, 牟田口 滋, 合志 光平
    2013 年 62 巻 2 号 p. 316-319
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症の罹患患者数は2011年現在で1280万人と言われており,大腿骨頚部骨折・椎体骨折の発生リスクを抑えるため,内服・注射などによる治療を行うことが推奨されている.それに伴い,ビスフォスフォネート製剤(以下,BP製剤)を長期にわたって用いる症例が増えてきている.近年BP製剤の長期内服患者において,非外傷性あるいは低エネルギー外傷性の大腿骨転子下骨折や大腿骨骨幹部骨折などのいわゆる非定型骨折を生じるという報告が散見される.今回,ステロイド長期内服による骨粗鬆症に対してBP製剤内服を開始し,内服開始から5年目および8年目に両側大腿骨非定型骨折と思われる大腿骨転子下骨折を受傷した症例を経験したため報告する.
  • 山下 武士, 瀬形 建喜, 岩本 克也, 平井 奉博, 米村 憲輔
    2013 年 62 巻 2 号 p. 320-324
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    近年,ビスフォスフォネート(BP)製剤長期投与中での低エネルギー外傷を契機とした非定型大腿骨骨折の報告が散見される.当科においても同様と考えられる症例を3例(4肢)経験したので報告する.症例1は74歳女性,アレンドロネートを4年2カ月服用後に転倒し右大腿骨骨幹部骨折受傷,順行性髄内釘にて骨接合術を施行した.3年9カ月後に左大腿骨骨幹部骨折を受傷した.症例2は74歳女性,リセドロネートを1年8カ月服用後に右大腿部痛が出現し,休薬していた.9カ月後に転倒し,右大腿骨骨幹部骨折を受傷した.ロッキングプレートにて内固定し,PTH製剤(テリパラチド)を開始した.症例3は80歳女性,アレンドロネートを3年1カ月服用後に転倒し右大腿骨骨幹部骨折を受傷した.順行性髄内釘にて内固定し,テリパラチドを開始した.非定型大腿骨骨折の治療には,テリパラチドが有用である可能性がある.
  • 園田 康男, 小橋 芳浩, 石谷 栄一, 大田 秀樹, 松本 佳之, 佐々木 伸一, 中山 美数, 酒井 翼, 清田 光一, 木田 浩隆, ...
    2013 年 62 巻 2 号 p. 325-328
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【はじめに】首下がりを伴う頚椎症性脊髄症に対し手術を行った1症例を経験したので報告する.【症例】79歳男性.主訴,項頸部痛,前方注視困難,四肢のしびれ.現病歴,H21.10月より特に誘因なく首下がりとなり,4カ月後より頸椎伸展にて四肢の異常感覚出現するようになり当院受診,その後入院となる.レントゲン上,著明な後弯,MRI上C5/6.6/7での脊髄圧迫所見を認めた.理学所見上,明らかな脊髄症状を認めた.予定手術として2期的手術を考え脊髄症状改善のため,C5/6.6/7頚椎前方固定,その後残存する後弯に対し後方固定を予定するも,頚椎前方固定術のみにて脊髄症状,後弯変形ともに改善を認めた.【考察】病歴からは,後弯変形が先行しその後脊髄症状が出現したと考えられたが症状の改善からは,脊髄症状により後弯を呈したと考えられた.
  • 園田 康男, 小橋 芳浩, 石谷 栄一, 大田 秀樹, 松本 佳之, 佐々木 伸一, 中山 美数, 酒井 翼, 清田 光一, 木田 浩隆, ...
    2013 年 62 巻 2 号 p. 329-331
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】L4変性すべり症にてL5症状を呈する症例では,その原因がL5/S1椎間孔狭窄にあることがある.これをretrospectiveに検討を行った.【対象・症例】2008年~2010年にL4変性すべり症の診断で後方固定又は,制動術を行った62症例を対象とした.平均年齢70.6歳,経過観察期間10.2カ月であった.【方法】62症例,124椎間の椎間孔狭窄の有無,術前L5神経根症状の有無,術後残存症状の関係を検討した.【結果】術前L5神経症状を有する側のL5/S1椎間孔(以下:A群)は53椎間,有しない側の椎間孔(以下B群)は71椎間であった.A群中椎間孔狭窄を有し術後残存症状認めたものは46.4%(13例)は,B群中狭窄を有し残存症状を認めたものは20.6%(7例)と比較し有意に高率であった(P<0.05).【結語】L5/S1椎間孔狭窄は,術後L5残存症状に関与する.
  • 佐々木 大, 濱田 貴広, 志田 純一, 山口 徹, 井口 明彦, 有薗 剛
    2013 年 62 巻 2 号 p. 332-335
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    Guillain-Barré症候群(以下GBS)は急性末梢神経脱髄疾患であり,その症状は運動障害が主で感覚障害は軽度とされる.主訴が全身筋痛様症状であったため診断に難渋した1例を体験したので報告する.【症例】83歳女性.2011年2月起床時に四肢を中心とした全身痛が出現した.疼痛は徐々に悪化し発症3日目に動けないほどになったため,近医より当科に紹介入院となった.入院時は下肢優位の四肢のしびれを認めた.高度な疼痛のため筋力は評価困難であった.感染症・膠原病を念頭に原因検索を行った.6日目に急性呼吸不全を呈し挿管・人工呼吸器管理した.症状経過よりGBS疑われた.腰椎穿刺で髄液蛋白細胞解離を認めGBSと診断した.呼吸状態は徐々に安定し10日目に抜管した.【考察】神経因性疼痛が前面にでたため病状把握困難であった.筋痛様症状を呈する場合は整形外科受診の可能性があるため,本疾患を念頭におく必要がある.
  • 鈴木 浩介, 前原 博樹, 田中 一広, 上原 史成, 金谷 文則
    2013 年 62 巻 2 号 p. 336-338
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    近年,単発性骨嚢腫(以下SBC)の手術にハイドロキシアパタイト製中空ピン(以下HAピン)が広く用いられつつある.この手術は低侵襲であり,ピン抜去の必要性がなく,再発率が低く良好な成績が報告されている.私たちは,早期スポーツ復帰が可能であった上腕骨SBCの2例を経験したので報告する.【症例1】17歳 女子 ウェイトリフティング部.ベンチプレスで60kgを挙げた際に右上腕部に疼痛を自覚し,右上腕骨骨嚢腫と診断され2カ月後手術施行した.術後3カ月で皮質骨菲薄化改善および骨硬化像を認め,軽重量よりウェイトリフティング開始,術後8カ月後の県大会で優勝を成し遂げた.【症例2】12歳 女児 柔道部.柔道で受け身をとった際に右上腕痛が出現した.右上腕骨骨嚢腫部の病的骨折を2回繰り返したため手術を施行した.術後2カ月で皮質骨菲薄化改善および骨硬化像を認め,術後4カ月後の県大会で3位に入賞した.
  • 川村 秀哉, 浦上 泰成, 増田 吉彦, 浦上 泰英, 久枝 啓史, 浦上 陽一
    2013 年 62 巻 2 号 p. 339-342
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    HTO手術時に線状レーザー光線を使用し,荷重線の位置を確認する方法として有用であった.これを応用してレーザー光線をTKA手術時にナビゲーションとして用いる方法を開発,今回,その方法を紹介,検討した.TKA時,大腿骨外反角の決定では髄内ガイド,髄外ガイドがあるが,一長一短あり,両者を併用することが多い.ナビゲーションシステムは精度は高いが,高価で操作も煩雑である.レーザー光線照射装置は小型,安価で安全,正確に下腿軸や荷重線の位置を示すことができる.方法はTKA術前,透視下に大腿骨頭をマーキングしておき,術中は無影灯と手術台より離れた下方に設置した2台のレーザー光線照射装置を使用する.骨切り前後に容易に下腿軸,荷重線の位置を確認でき,有用であった.新たにレーザー光線を活用するように手術治具を開発すれば,安価なナビゲーションシステムとしてTKA手術時に有効であると思われた.
  • 大本 将之, 宮﨑 剛, 田渕 幸祐, 白濱 正博, 永田 見生
    2013 年 62 巻 2 号 p. 343-346
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    当院では大腿骨近位部骨折手術のFirst Choiceとして2008年4月よりK'sネイルを導入してきた.K'sネイルでは近位骨片に対しラグスクリューと平行にAnti-Rotaition Pin(A-Rピン)を追加挿入することによって,ラグスクリュー挿入時および術後の近位骨片の回旋を防止することが可能である.当院ではK'sネイル導入時より大腿骨頸基部骨折を中心にA-Rピンを使用してきた.また,最近では不安定型の大腿骨転子部骨折に対してもA-Rピンを使用している.今回,3ケ月以上Follow可能であった70症例を対象に,術後,整復位毎にテレスコーピング量を評価した.また,術後カットアウトは2例でみられ,いずれも不安定型の大腿骨転子部骨折の症例であり,このような症例に対しては,確実に整復し骨性支持を保ちA-Rピンを留置すべきである.側面像で髄内型となった場合は,荷重時期を遅らせるなど,注意を要すると考えられた.
  • 川上 泰広, 山本 学, 武藤 正記, 長弘 行雄, 住浦 誠治
    2013 年 62 巻 2 号 p. 347-349
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫治療中に発生した脊椎多発骨壊死の稀な症例を経験したので報告する.【症例】60歳,男性.特に既往歴なく多発脳梗塞を発症.LDH上昇,Hb低下を認め,当院血液内科紹介となった.FDG-PET/CTで右上腕骨骨幹部に異常集積を認め,当科紹介となった.同部の骨生検で血管内悪性リンパ腫と診断され,化学療法開始となった.化学療法4コース目に腰痛を自覚したが,XP,MRIにて明らかな所見なく経過観察となった.化学療法8コース目に腰痛増悪し,XPで第2,3腰椎圧迫骨折を認めた.MRIでは胸椎~腰椎の多椎体にT1,T2で楔状にlowな領域を認め,骨生検にて骨壊死と診断した.【考察】脊椎骨壊死の原因として,血管内リンパ腫による多発梗塞,サイトカイン,ステロイド大量投与,化学療法など原因は多岐にわたると考えられた.
  • 横田 和明, 山口 貴之, 前田 和成, 泉 政寛, 鳥越 雄史, 岡野 邦彦, 本川 哲
    2013 年 62 巻 2 号 p. 350-353
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    石灰沈着性頚長筋炎は,後頚部痛,頚部運動制限,発熱を来す比較的稀とされる疾患である.その症状や検査所見から,他の急性後頚部痛を来す,化膿性脊椎炎,咽後膿瘍,髄膜炎などの感染症との鑑別が重要である.今回,我々は石灰沈着性頚長筋炎を3例経験した.本疾患の臨床的特徴はCTや単純X線撮影での第二頚椎前面,頚長筋付着部付近の石灰化像であり,今回経験した3例すべてにこれらの所見が認められ診断に至った.MRIは頚長筋の炎症をとらえ,他の後頚部痛を来す疾患との鑑別に有用であるが,MRIのみで石灰沈着性頚長筋炎を診断することは難しく,CT,単純X線撮影が診断に有用であると考えられる.
  • 山中 理菜, 前原 博樹, 田中 一広, 金谷 文則
    2013 年 62 巻 2 号 p. 354-357
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    骨肉腫では術後長期の経過観察が必要である.また,術後病理診断の変更により治療方針の変更を要する事がある.今回,我々は術後の病理診断が軟骨肉腫より骨肉腫に変わり,13年後に局所再発した左中手骨骨肉腫の1例を報告する.(症例)54歳,男性.13年前,左第4中手骨骨軟骨肉腫grade 4の診断で腫瘍広範切除術及び腓骨移植術を施行した.術後病理で骨肉腫の診断に変更となったため,術後化学療法を追加した.再発転移を認めず術後7年でフォロー終了となった.術後13年に左手背の腫脹と疼痛を自覚し当科再診.切開生検術の結果,骨肉腫再発と診断された.術前化学療法を施行し腫瘍広範切除術及び再建術を施行した.
  • 浦上 泰英, 川村 秀哉, 久枝 啓史, 浦上 陽一, 浦上 泰成, 山口 智太郎
    2013 年 62 巻 2 号 p. 358-361
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    従来は,高位脛骨骨切り術(以下HTO)の術中にX線透視装置でFTAを確認していた.しかし,術中の透視が煩雑であったり,予定のFTAと誤差の大きい症例も存在した.そこで我々は,術中に%MAを再現できるレーザー光線を使用する方法を開発した.両者の精度を比較検討した.対象は,FTA指標群が31膝(男性6膝,女性25膝)とレーザー光線使用群が9膝(男性5膝,女性4膝).レーザー光線使用群は,術前にX線透視装置で,大腿骨頭中心と足関節中心をマーキングし,術中にこれらの2点を通るようにレーザー光線を照射する.膝関節部のレーザー光線にK-wireを重ねてX線透視を行い,下肢機能軸を再現した.術後の%MAが目標値になるように微調整し,ロッキングプレートで内固定を行う.両者の術後の%MAの標準偏差(SD)を比較した.FTA指標群は10.3%,レーザー光線使用群は4.9%であった.まだ症例数が少ないため,統計学的な検討はできないが,骨切りの精度を高める事ができた.
  • 白木 誠, 河野 俊介, 北島 将, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2013 年 62 巻 2 号 p. 362-364
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    【目的】初回セメントレスTHAを行い5年以上経過した症例の臼蓋側のX線学的検討を行うこと.【対象と方法】対象は2005年3月から2006年8月に初回THAを行い5年以上経過観察が可能であった270例297股である.手術時平均年齢は61.6歳,術後平均観察期間は5.2年である.検討項目はシェルの設置,骨頭の位置,initial gapを認めた症例ではgap fillingまでの期間,radiolucent line(RLL),looseningの有無とした.また,RLLの出現の有無で2群に分け比較検討した.【結果】CE角は平均27.2度,外転角は42.4度,前方開角は10.9度であった.骨頭位置は上方距離22.2mm,側方距離29.4mmであった.initial gapはzone 1に9%,zone 2に38%,zone 3に0.4% で,経過中全例fillingされていた.RLLの出現はzone 1に1股(0.3%),zone 2に4股(1.3%)認めた.septic looseningを1例に認め再置換術を行ったが,aseptic looseningは認めなかった.RLLの有無で2群に分け比較したところRLL出現群が外側設置となる傾向を認めた.【考察】multi holeを有するAMS臼蓋コンポーネントの中期成績は良好であった.
  • 河野 俊介, 北島 将, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2013 年 62 巻 2 号 p. 365-368
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    THA術後頻回脱臼症例に対する再手術法について検討した.対象は,1998年10月以降に頻回脱臼に対する制動を目的に再手術を行った24例とし,脱臼回数,脱臼要因,再手術方法,制動率を調査した.再手術前の脱臼回数は,多くの症例が5回以上で,脱臼要因は,明らかなimplant malpositionが3例,soft tissue imbalanceが11例,高度骨盤後傾が3例あった.再置換方法は,金属socket置換が4例,liner交換が13例,大径骨頭使用が3例あった.24例中9例(37.5%)に再脱臼を認め,7例に再度再置換術が行われた.最終的に2例が脱臼を制御できず,制動率は91.7%であった.拘束型implantを使用した症例では,failure rateは50%(4例)と高く,適応を限定するべきと考えられた.
  • 野田 明生, 伊藤 伸一, 脇岡 徹, 密川 守, 仲摩 憲次郎, 永田 見生
    2013 年 62 巻 2 号 p. 369-371
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    術後感染(SSI)は,患者の術後成績に大きく影響するだけでなく,術者にとってもその負担は大きく,最も避けたい合併症のひとつである.今回我々は,中規模救急病院における単年度のSSI発生について検討し,施設単位の総括的なSSI予防と対策について検討した.対象は2010年度一年間に手術を施行した360例.抗生剤は点滴によるセフェム系抗生剤を手術当日および術後1日間を原則とし,ガーゼ交換は術後一週目に行い,その間創部は開放せず,ドレーン抜去は創閉鎖のまま施行した.SSI発症率は360例中3例,0.8%で,うち2例は基礎疾患の無い若年者であった.起炎菌は1例がMRSAで,他の2例は同定不能であった.全例感染確認後早期に追加手術を行い,全例でSSIは治癒できた.若年者であっても感染の危険性は常に存在しており,一旦SSI発症が認められた場合は,躊躇せず追加手術を検討する必要があると考えられた.
  • 下河辺 久雄, 後藤 昌史, 光井 康博, 久米 慎一郎, 大川 孝浩, 樋口 富士男, 永田 見生
    2013 年 62 巻 2 号 p. 372-375
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    肩甲骨棘上窩ガングリオンによる肩甲上神経麻痺に対し鏡視下手術を行い,術中同定が困難であった2例について報告する.【症例1】45歳,男性.2年前より誘因なく右肩痛出現,MRIにて棘上窩ガングリオンが確認されたため当院紹介となった.術中,関節鏡視・滑液包側鏡視では明らかなガングリオンの流出を同定出来なかったが,除圧は十分と考え手術を終了した.術後3ケ月のMRIにてガングリオンは消失,術後10ケ月の現在,疼痛もなく肩外旋筋力は改善している.【症例2】36歳,男性.1年前より右肩痛を認め,保存的加療行うも症状軽減せず当院紹介となった.術前MRIでは棘上窩ガングリオンが認められた.症例1同様,術中にガングリオンを同定出来なかったが,除圧は十分と判断し手術を終了した.術後3ケ月のMRIにてガングリオンは消失,術後4ケ月の現在,疼痛はなく,肩外旋筋力は改善している.
  • 原 慎太郎, 中野 哲雄, 越智 龍弥, 村上 直也, 稲葉 大輔, 安岡 寛理, 中原 潤之輔
    2013 年 62 巻 2 号 p. 376-381
    発行日: 2013/03/25
    公開日: 2013/06/11
    ジャーナル フリー
    当院における足関節果部骨折の治療成績について調査し,予後決定因子について検討した.調査項目を5項目とし,Lauge-Hansen分類による骨折型,骨折数,距骨転位および脛腓間離開,術直後の整復状態を最終診察時の臨床成績で評価した.足関節果部の予後不良因子は,骨折型ではPronation type,特にSER I・II以外のtype,両果・三果骨折,距骨転位が大きい事であった.術直後整復の評価であるBurwellの基準でも治療成績に有意差を認めたが,Anatomicalにも成績不良が散見された.そこで整復評価をtrue-Anatomical,sub-Anatomicalまで細分化したところ,true-Anatomicalの成績が良好であった.よって術後整復はtrue-Anatomicalを目指すべきである.
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