整形外科と災害外科
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63 巻 , 1 号
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  • 加藤田 倫宏, 坂井 健介, 吉田 健冶, 吉田 史郎, 田中 憲治, 神保 幸太郎, 下河邉 久雄, 秋吉 寿, 田中 康嗣, 後藤 琢也 ...
    2014 年 63 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    〈はじめに〉近年,大腿骨近位部骨接合術後インプラント周辺骨折は増加しており,治療には難渋しやすい.今回,我々が行った各種手術方法についてそれらの治療成績と問題点について若干の文献的考察を含めて報告する.〈対象・方法〉2012年12月31日から過去10年間に本骨折を起こした症例は,Short Femoral Nail(SFN)群1095例中19例,Sliding Hip Screw(SHS)群740例中12例であった.そのうち3か月以上経過観察できたSFN群:10例 SHS群:8例を対象とした.実際の手技は,初期の症例は主に髄内釘を用い,最近はLocking Plateを用いていた.〈結果・まとめ〉本骨折の多くは大腿骨遠位部の関節外単純骨折であった.術後は全例骨癒合が得られ再骨折症例は無かった.本骨折は高齢に伴う骨粗鬆がベースにあり,さらに既存インプラントの存在から使用する内固定材の選択には難渋する.幸い,今回の成績は概ね良好な結果であったが,手術の際は既存インプラントとの間に応力集中を起こさせない工夫が必要であると思われた.
  • 田中 寿人, 笠原 貴紀, 児玉 香奈子
    2014 年 63 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【目的】超高齢社会化時代となり要介護の原因となる脊椎圧迫骨折の治療は重要である.一部に偽関節などが散見されるが安定した前方骨癒合を得る要因は何かを調査した.【症例】対象は平成14年から平成24年までに脊椎圧迫骨折の治療を行った52例,男性12例,女性40例,平均年齢80.5歳.前方骨癒合群と非前方骨癒合群にわけ,骨折高位,骨折部位,MRI評価,前方椎体間隙等を計測した.【結果】前方骨癒合群の前方椎体間隙は平均3.4mm,非前方骨癒合群は平均8.5mmであった.椎体間隙が開く要因としては,椎間板がスペーサーとして残っている場合,椎体前壁の損傷がなく椎体圧縮が起こらない場合,第三腰椎部など前彎部のため十分な圧迫力が加わらない場合などがあった.【考察】前壁損傷がある場合は楔状変形が進むが,椎体間隙が狭まる場合は初期にコルセット固定をする事で安定化する.骨折部に牽引力が加わるような固定はよくない.
  • 宮崎 幸政, 阿久根 広宣, 菊池 直士, 井上 三四郎, 松田 匡弘, 吉本 憲生, 中川 亮
    2014 年 63 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    強直脊椎は比較的軽微な外力でも椎体骨折を受傷し易く,その力学的特殊性から骨癒合が得られにくく治療に難渋することがある.今回我々は 強直脊椎に合併した椎体骨折に対し観血的治療を行い良好な成績を得たので報告する.症例は5例(男性:2例,女性:3例,受傷機転;転倒:4例,転落:1例,受傷レベル頸椎2例 胸椎1例 胸腰椎1例 腰椎1例.全例後方固定術(うち2例は椎体形成術追加)を施行し,良好な固定性が得られた.本症例は軽微な外傷を機転とした骨粗鬆性圧迫骨折と診断され,安静臥床を中心とした保存療法が取られがちである.レントゲンによる不安定性の評価が難しいこともあり遅発性に転位や脱臼を生じることがある.CTやMRIで早期に正確な診断をおこない,可能な限り強固な内固定を第一選択とすべきである.
  • 平川 洋平, 南谷 和仁, 橋田 竜騎, 志波 直人
    2014 年 63 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    当院では,2010年7月より高齢者の大腿骨頚部骨折に対しセメントレス楔状テーパーステムを用いた人工骨頭置換術を行っている.今回,80歳以上の高齢者における本ステムの有用性について検討した.2012年までに本ステムを用いて手術を行った63例のうち,80歳以上であった21例(男性1例,女性20例)に調査を行った.手術時平均年齢は85.7歳,術後平均観察期間は8.8カ月,全例後方アプローチで手術を行い術後1週で全荷重歩行を開始した.占拠率はステムの固定性が得られる中央部での占拠率が高く,ステムアライメントは中間位19/21股であった.spot weldsは6/21股に見られた.reactive lineは1/21股で認められた.stress shieldingは12/21股に認められたが,ステム沈下はいずれも認めなかった.短期成績は良好であった.
  • 生田 拓也
    2014 年 63 巻 1 号 p. 24-26
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    材質がセラミックのひとつのアルミナであるBisurface type(KU3)TKAの長期成績について報告した.2000年1月より2001年4月までに当院にて施行したKU3は25例29関節であった.直接検診可能であった症例は10例11関節であった.7例は死亡されており,8例は施設等に入所中で来院困難であった.評価可能であった10例はいずれも術後11年以上を経過しており,全例女性で手術時年齢は平均69.5歳であった.X線写真にて明らかなゆるみをきたしている症例はなく,再置換術例もなかった.KU3の術後経過は安定していた.現在,我々はKU3から材質をジルコニアに変更した後継機種であるKU4およびKU4+のゆるみによる再置換術を多数例経験している.今回の結果を考えるとこの材質の変更が早期のゆるみをきたす原因のひとつであると考えられた.
  • 牛尾 哲郎, 王寺 享弘, 吉本 栄治
    2014 年 63 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    人工膝関節全置換術(TKA)を施行した変形性膝関節症(膝OA)の症例において,初診時の単純X線では明らかな骨折線を認めず,術前評価のMRIで大腿骨に不顕性骨折様の所見を認めた症例を4例経験したので報告する.症例は69~77歳女性(平均73.3歳)の膝OA患者4例(北大分類stage III~V),立位膝外側角182~193°(平均187.3°)であった.MRIでは3例は大腿骨顆間部から内側骨幹端部に至る骨折線様の所見(AO分類:B2)を認め,内側から外側へCannulated Compression Screwを挿入し固定したのち,インプラントを骨セメント固定した.1例は顆上部に横方向に骨折線様の所見(AO分類:A1)を認めたが固定を追加せず通常通りTKAを施行した.両者とも術後早期荷重を行い,前者はインプラントのloosening,骨折部の転位等合併症を認めず良好な経過をたどっている.後者は徐々に骨折線が明瞭化し,遠位骨片が軽度屈曲変形したため,外固定期間追加が必要となった.術前評価のMRIで不顕性骨折様の所見を認め,内固定の追加や荷重開始時期など注意を要する症例があると考えられる.
  • 興梠 航, 岡元 信和, 中村 英一, 鬼木 泰成, 高田 興志, 唐杉 樹, 水田 博志
    2014 年 63 巻 1 号 p. 32-34
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】TKA後早期に大腿骨コンポーネントの沈み込みを来し、再置換術を施行した症例を経験したので報告する.【症例】72歳女性,28歳頃にRAの診断を受け,ステロイドを含めた薬物治療を行っていた.平成24年6月に右RA膝に対し,TKAを施行した.術後5週で特に誘因なく右膝の外反変形を認めた.単純X線検査にて大腿骨外顆でのコンポーネントの沈み込みがみられ,α角が術直後の81°から72°に減少していた.大腿骨頚部の骨密度はYAMで54%であった.術後8週でステムを併用した大腿骨コンポーネントの再置換術を施行した.術後6ヶ月が経過した現在,疼痛やアライメントの変化はなく良好に経過している.【考察】本症例はTスコアが-3.2SDと骨折の危険性の高い症例であった.また骨脆弱性が存在する場合は,ステムの使用を考慮すべきであるという報告があり,本症例でもステムを併用する必要があったと考えられた.
  • 染矢 晋佑, 井手 衆哉, 高山 剛, 米倉 豊, 上杉 勇貴, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2014 年 63 巻 1 号 p. 35-37
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【目的】TKA後,implant周囲に骨吸収を認めることが知られているが,その誘因などは不明な部分が多い.今回骨代謝マーカーを計測し,ミノドロン酸内服と週1回テリパラチドの皮下注射による骨代謝マーカーへの影響を検討した.【対象と方法】対象はTKAを行った232例(control-C群119例,ミノドロン酸-M群85例,テリパラチド-T群28例)で,術前と術後6か月で骨型ALP(BAP),血清NTX,TRACP-5b,オステオカルシンを血液検査で測定し比較検討した.【結果】C群,M群,T群それぞれ術後6か月で,BAP:18.5,14.0,19.6μg/l,NTX:18.9,14.3,19.1nmolBCE/L,TRACP-5b:511.8,334.8,390.0mU/dl,オステオカルシン:8.5,7.0,10.4μg/mlであり,M群で骨吸収マーカーがより低値であり,T群で骨形成マーカーがより高値であった.【考察】骨吸収には性差,術前の骨量,設置角,alignment,design,cementの有無など様々な影響が考えられ,より詳細な検討が必要であると思われた.
  • 松尾 洋昭, 古川 敬三, 宮本 俊之, 梶山 史郎, 福島 達也, 田口 憲士, 尾崎 誠
    2014 年 63 巻 1 号 p. 38-40
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    重度前腕開放骨折に対してstaged managementを行った2例を経験したので報告する.症例1,48歳男性.精神発達遅滞あり.空き缶を圧縮する機械に左上肢が巻き込まれ受傷.左橈尺骨骨幹部開放骨折に対し,同日デブリドマン,創外固定施行.複数回のデブリドマンおよび湿潤療法を行い,受傷19日後に橈骨骨接合・植皮を行った.受傷2年後の最終観察時,創状態および骨癒合良好であった.症例2,82歳男性.重度認知症あり.チェーンソーを勝手に持ち出し左前腕受傷.左前腕不全切断に対し,同日にデブリドマン,創外固定および神経血管・腱縫合を行った.複数回のデブリドマンおよび湿潤療法を行い,受傷2カ月後に骨接合施行.受傷1年6カ月後の最終診察時,創状態および骨癒合良好であった.重度軟部組織損傷を伴う前腕開放骨折では軟部組織の治療と並行した骨折部の内固定が難しい場合がある.創外固定にて軟部組織損傷の改善後,内固定に移行するStaged managementが有用であった.
  • 角田 憲治, 坂井 達弥, 田中 博史, 石井 英樹, 重松 正森, 浅見 昭彦
    2014 年 63 巻 1 号 p. 41-43
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    中手骨頚部骨折に対する生体内吸収性骨接合材を用いた髄内固定法は,断端を骨外に長く出さないため皮膚の刺激症状や伸筋腱断裂,尺骨神経背側枝損傷などを来すリスクは低くなる.加えて,髄内の生体内吸収性骨接合材はいずれ吸収されるため,抜釘を必要とせず,2度手術を行わずに済むメリットは大きい.しかし,術後に転位を来したとする報告が少なくない.著者らは術後再転位を少なくするため,生体内吸収性骨接合材による髄内固定法に鋼線による横止め固定を一時的に加えるハイブリッド固定法を考案し,中手骨頚部骨折3例3手に対し手術を行った.術後可動域は良好であり,術後の短縮をほとんど認めず,術後合併症はなかった.ハイブリッド固定法は抜釘が不要で生体内吸収性骨接合材による髄内固定法と鋼線による横止め固定法のメリットを生かした手術法である.
  • 岡崎 大紀, 新村 辰臣, 光武 慎一朗, 半仁田 勉
    2014 年 63 巻 1 号 p. 44-46
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【目的】当院では橈骨遠位端骨折において遠位関節面の骨片が小さな症例に対して,掌側ロッキングプレートであるAcu-Loc distal radius plate system(Acumed社;以下,Acu-Loc)を使用した内固定を行っている.その治療成績を検討し報告する.【方法】2010年1月から2012年12月までの間,本骨折に対して掌側ロッキングプレート固定を行った274症例のうち,Acu-Locを使用した63症例を対象とした.骨折型はAO分類でA-type19例,B-type3例,C-type41例であった.治療成績についてはCooneyの評価基準を用いた.【結果】Excellent:43例,Good:19例,Fair:1例と概ね良好な術後成績を示した.【結論】Acu-Locはプレートをより遠位に設置でき,遠位スクリューを関節面近傍に刺入できるため,遠位骨片が小さい症例で良好な成績を得る事ができた.しかし,いわゆるWatershed Lineを超えるプレートであるためFPL損傷などの報告もあり,慎重な手術適応が必要となる.
  • 三原 惇史, 村松 慶一, 橋本 貴弘, 富永 康弘, 瀬戸 信一朗, 田口 敏彦, 岩永 隆太
    2014 年 63 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【目的】橈骨遠位端骨折に対するロッキングプレート固定術後の長母指屈筋腱(FPL)断裂は,重大な合併症である.今回,FPLの再建術施行例ついて検討した.【症例と結果】症例は3例(男1,女2)で,プレート固定からFPL断裂までの期間は平均18ヵ月であった.全例Acu-Loc®プレートが使用されており,単純X線にて橈骨掌側縁よりも,掌側にプレートが突出して固定されていた.診断が遅れた高齢者の2例に環指浅指屈筋腱の腱移行術,1例に長掌筋の腱移植術が施行された.腱移行例は自動運動が困難でQuick DASH scoreは腱移行術例で平均49.2,腱移植術例で17.5であった.【考察】FPLの断裂はプレートの種類,設置位置,抜釘などで回避される.再建方法は,FPL断裂を早期に診断し,腱移行術よりも腱移植術を第一選択とすべきと考える.
  • 蛭崎 泰人, 柴田 陽三, 櫻井 真, 南川 智彦, 河野 大, 柴田 光史, 小林 達樹, 日高 正嗣, 城島 宏, 秋吉 祐一郎, 伊﨑 ...
    2014 年 63 巻 1 号 p. 51-53
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    修復不能な広範囲腱板断裂に対して広背筋,大胸筋同時移行を行った症例を経験したので報告する.症例は56歳男性 4年前から右肩関節の疼痛があり,疼痛増大し当科を紹介受診する.自動挙上90度,外旋30度,内旋L2,JOA score51.5点であった.MRIで修復不能な腱板断裂を認めたため,まず侵襲の少ない鏡視下デブリードマンを施行した.術後3ヵ月で自動挙上100度,JOA score66点に改善したが,本人の満足が得られず広背筋・大胸筋同時移行を行った.術後6週間の挙上位固定を行い.その後,装具を下降し,徐々に自動運動を行わせた.6ヵ月後に疼痛軽快し現場作業員復帰.術後1年半の現在,挙上150度,外旋60度,内旋L4,JOA score92点に復帰,支障なく建築現場作業員を続けている.活動性の高い患者で前方・後方広範囲腱板断裂に対する広背筋・大胸筋同時移行術は推奨しうる方法である.
  • 喜友名 翼, 山口 浩, 當眞 嗣一, 森山 朝裕, 金谷 文則
    2014 年 63 巻 1 号 p. 54-57
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    腱板断裂関節症に対して小径骨頭を用いた人工骨頭置換術および腱板修復術を行い,比較的良好な短期成績が得られたので報告する.73才男性.3年前から左肩関節痛,1年前からは左肩関節可動域制限が出現し,上肢挙上が不能となったため近医を経て当科に紹介された.初診時の左肩関節可動域は屈曲20°,外旋-10°,内旋は臀部以下であった.筋力は徒手筋力検査で内旋は4だったが外旋,屈曲,外転は2であり,日整会肩関節疾患判定基準(以下JOAスコア)は29点であった.単純X線像では骨頭上方化と関節症性変化を認め,MRIでは腱板広範囲断裂を認めた.腱板断裂関節症と診断し,小径骨頭を用いた人工骨頭置換術及び腱板修復術を行った.術後1年で肩関節痛は消失し,農作業に復帰した.左肩関節可動域は屈曲110°,外旋10°,内旋L3となり,左肩関節筋力はMMT外旋3,内旋4,屈曲3,外転3で,JOAスコアは71点に改善した.
  • 柴田 光史, 柴田 陽三, 櫻井 真, 日高 正嗣, 小林 達樹, 城島 宏, 伊崎 輝昌, 藤沢 基之, 篠田 毅, 熊野 貴史, 三宅 ...
    2014 年 63 巻 1 号 p. 58-60
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    高齢化社会を迎え鏡視下腱板断裂修復術(以下ARCR)が施行される年齢が向上している.本研究の目的は80歳以上のARCRの術後成績を検討する事にある.当科でARCRを施行し術後1年以上の経過観察が可能であった9例10肩の術後成績を報告する.男性5名,女性4名,平均年齢は82.4歳(最高90歳)で,平均経過観察期間は16ヵ月であった.術前後の可動域,JOA score,全身的な合併症を検討し,t-検定でp<0.05を有意差ありとした.術前挙上は平均103.5度,外旋は38.5度,内旋はL1.6,術後はそれぞれ141度(p<0.01),51度(p<0.05),内旋Th12(ns).術前のJOA scoreの疼痛スコアは平均10点,JOA scoreの合計点は59.4点,術後がそれぞれ28点(p<0.001)と94.3点であった.侵襲の少ないARCRは80歳以上の高齢者に対しても有効な治療手段であった.
  • 栫 博則, 益田 義幸, 伊集院 俊郎, 八尋 雄平, 廣津 匡隆, 瀬戸口 啓夫, 石堂 康弘, 藤井 康成, 小宮 節郎
    2014 年 63 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    外傷を伴わない投球障害肩における関節包断裂の症例を経験したので報告する.症例は35歳男性,約3年ぶりに野球をしてから右肩関節痛が出現.右肩関節の可動域制限はないが屈曲,外転で運動時痛があり筋力はMMT 4程度に低下していた.impingement sign陰性,O'Brienのactive compression testは陽性,画像上SLAP lesionを認めた.保存療法に抵抗し関節鏡を行った.internal impingementによると思われる棘上筋付着部の関節包側部分断裂と後上方関節唇損傷を認めた.またtype2のSLAP lesionに加え,腱板疎部での関節包断裂も認めた.スーチャーアンカーを用いて関節唇とMGHL付着部を含む関節包の修復を行った.我々が渉猟しえた範囲では外傷を伴わない投球障害肩における関節包断裂の報告は認められなかったが,治療に際しては念頭に置くべきと考えた.
  • 楊 拓也, 徳永 琢也, 水田 博志, 井手 淳二
    2014 年 63 巻 1 号 p. 65-67
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    鏡視下バンカート修復術の術後成績を改善するための様々な工夫がなされているが,2本縫合糸スーチャーアンカーの使用もその一つである.2007年6月から2011年12月までに,反復性肩関節脱臼の患者に対し,2本縫合糸スーチャーアンカーを用いて鏡視下バンカート修復術を行なった39症例の再発について報告する.平均観察期間は39ヵ月(14ヵ月―68ヵ月)であった.術後再発を,4肩(10.3%)に認めた.再発例は全例10歳代のスポーツ選手であった.2本縫合糸スーチャーアンカーを用いた鏡視下バンカート修復術の再発率は,従来の1本縫合糸スーチャーアンカーを用いた同手術の再発率と同等であった.
  • 櫻井 真, 柴田 陽三, 城島 宏, 秋吉 祐一郎, 小林 達樹, 日高 正嗣, 河野 大, 蛭崎 康人, 柴田 光史, 浅山 勲, 平井 ...
    2014 年 63 巻 1 号 p. 68-71
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    肩関節後方脱臼に対し鏡視下後方関節唇修復術と,直視下小結節移行術を施行した症例を経験したので報告する.症例は52歳,男性.主訴は左肩痛,脱臼不安感.就寝中に誘因なく左肩に激痛が出現.某医で左肩関節後方脱臼の診断で徒手整復され,当院紹介.単純X線検査で脱臼は整復されているが,小結節骨片の転位を認めた.CTにて骨頭前面の約35%に骨欠損(reverse Hill-Sachs病変,以下RHS)及び単純MRIで後方関節唇損傷(reverse Bankart病変)を認めた.整復後も易後方脱臼性ならびに後方脱臼不安感を認め手術を施行.鏡視下に後方関節唇を2個のスーチャーアンカーで縫合.次に直視下手術で,小結節をRHSに移行してC.C.S.2本にて固定.術後は3週間の外旋装具固定を行い,CTで小結節の骨癒合を確認した術後3ヵ月で職場復帰した.術後9ヵ月現在,疼痛・脱臼不安感はなく,挙上140度,外旋45度,内旋L2,JOA score 87点,JSS shoulder instability score 91点である.RHSに対する小結節移行術は,そのengageの予防に有用である.
  • 篠田 毅, 田代 直輔, 篠田 侃
    2014 年 63 巻 1 号 p. 72-74
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】比較的稀な外傷である上腕二頭筋長頭腱脱臼を経験したので報告する.【症例】45歳,男性.2mの脚立より転落し,左手をつき受傷した.左肩痛と挙上不能を主訴に同日,当院を受診した.単純X線検査では異常なく,MRIで上腕二頭筋長頭腱の脱臼を認め,保存加療を行った.運動時痛が残存したため,受傷後3ヵ月で手術を行った.手術は,鏡視下に上腕二頭筋長頭腱を切離した.術後8ヵ月で上肢の筋力低下は認めず,軽度の労作時痛があるのみで,経過は良好である.
  • 佐田 潔, 西村 誠介, 渡邊 精一郎
    2014 年 63 巻 1 号 p. 75-77
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【目的】肩甲部ガングリオンによる肩甲上神経麻痺に対し鏡視下除圧術を行い,麻痺の改善を認め良好な結果が得られたので報告する.【症例】55歳,男性.特に誘因なく右肩痛が出現し近医受診後精査目的で当科紹介となった.診察上,右肩関節の外旋自動可動域が著明に低下し,徒手筋力テストでも1程度であった.X線で明らかな異常所見なく,MRIで関節唇後上部に接する径20mm程度の嚢腫病変が確認され,肩甲上神経への圧迫が疑われた.初診から2週間後に全身麻酔下で鏡視下除圧術を施行した.後方鏡視で後上部の関節包を切開すると黄色の比較的粘性のある液体が流出されるのが確認され,ガングリオンと考えられた.術後可動域訓練を開始し右肩痛と外旋筋力は改善を認め,術後1年半の最終観察時再発なく経過良好である.【考察】関節唇損傷を伴わない肩甲部ガングリオンに対し鏡視下で関節包切開を行い,再発はみられず本治療法は有効であった.
  • 時岡 孝光, 土井 英之, 阿部 光伸
    2014 年 63 巻 1 号 p. 78-82
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    最小侵襲頸頚椎弓根スクリュー固定(MICEPS)を2011年7月から2013年4月の22ヶ月間に35例に行った.外傷が20例,転移性頚椎腫瘍が4例,その他変性疾患が11例であった.手術時間は平均208.6分,出血量は平均118.1mlであり,screwの逸脱率は130本中2本1.5%であり,いずれも内側逸脱で,外側逸脱による椎骨動脈損傷はなかった.低侵襲性とscrew逸脱防止の安全対策の両面で有益な手術であった.多裂筋を部分剥離して後枝内側枝を温存し,骨移植は椎間関節固定術を行い,除圧術では椎間孔拡大術などを工夫すればさらに適応が拡大すると思われる.
  • 井口 洋平, 大田 秀樹, 松本 佳之, 中山 美数, 酒井 翼, 清田 光一, 木田 浩隆, 竹光 義治
    2014 年 63 巻 1 号 p. 83-86
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    脊髄空洞症をきたす疾患にはChiari奇形,外傷,癒着性クモ膜炎などがある.今回,われわれは胸椎黄色靭帯骨化症と同部位に癒着性クモ膜炎が生じ脊髄空洞症を呈した症例に対し,骨化切除とSubarachnoid-Subarachnoid bypass術を行ったので報告する.症例は71歳,女性.平成12年頃から腰痛,下肢のシビレが出現した.平成24年2月より下肢脱力,歩行困難,上肢のシビレも出現してきた.MRIにてTh4/5の黄色靭帯骨化症を中心に頭尾側に脊髄空洞症を認めた.MyelographyではTh4/5レベルで完全ブロックを呈していた.手術は骨化を切除し,硬膜の表層のみ切開し上下の正常クモ膜下腔間を脳室シャント チューブにてバイパスした.術後は下肢のシビレは軽減し空洞も縮小した.脊髄圧迫病変による癒着性クモ膜炎に伴う還流障害が空洞発生の原因と思われ,このような症例には安全で有用な方法である.
  • 小薗 直哉, 山下 彰久, 原田 岳, 渡邊 哲也, 池村 聡, 上田 幸輝, 宇都宮 健, 白澤 建藏
    2014 年 63 巻 1 号 p. 87-90
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】先天性腰椎すべり症(以下,本症)は上位仙椎または第5腰椎の後方要素の先天異常により生じると提唱されている(Wiltseら).今回,我々は本症を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.【症例】11歳女児,主訴は歩行時の姿勢異常であった.神経症状はないが脊柱アライメントの再建を目的に手術を行った(L5/S1 TLIF+L4/5 PLF).slip angleは術前25°→術後11°に改善した.術後,一過性に左L5神経根障害が出現した.歩行時の姿勢異常は改善が得られた.【考察】未熟な脊柱ゆえに手術は躊躇されることもあるが,すべりが高度になるほど手術が困難となり,神経障害などの合併症の危険性も高まる.また,高度な脊柱変形遺残を予防するためにも,自験例のように早期手術に踏み切ることが重要である.手術においてはslip angleの整復による腰仙椎部の後弯矯正が重要である.しかし,過度な矯正はL5神経根障害を来す可能性があり注意が必要である.
  • 井口 洋平, 大田 秀樹, 松本 佳之, 中山 美数, 酒井 翼, 清田 光一, 木田 浩隆, 竹光 義治
    2014 年 63 巻 1 号 p. 91-94
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    腰椎分離,分離辷り症は発育期に発生し,過度なスポーツなどのよる疲労骨折が原因と言われている.われわれは中高年になって著しく進行した第5腰椎分離すべり症の1例を経験したので報告する.症例は54歳女性.平成11年より腰痛,右下肢痛が出現し,Meyerding分類I度の第5腰椎分離辷り症の診断を受けた.保存加療で症状は軽快し,その後7年間は症状の悪化なく経過していた.平成19年2月より誘因なく腰痛,右下肢痛下が出現し再診となった.初診時%slip 8%であったが,再診時Meyerding分類III,%slip 64%と高度の進行を認めた.L5/S TLIFを行い,%slipは26%と改善し,下肢症状は軽快した.外傷歴もなく自然経過でこれほどまでに成人期に進行した症例の報告は,これまでわれわれが渉猟し得た範囲内ではない.
  • 笠 智就, 藤本 徹, 瀬井 章, 谷脇 琢也, 岡田 龍哉, 田畑 聖吾, 水田 博志, 河合 将紀
    2014 年 63 巻 1 号 p. 95-98
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    症例:63歳,男性.数年前より動作時に腰痛を自覚していた.腰痛は自然と軽快したが,右大腿前面痛を自覚し20分の起立保持が困難となったため当科紹介となった.初診時身体所見で下肢筋力は正常であったが,右PTRが低下していた.X線像でL4分離すべりとL4/5椎間板高の減少を認めたが不安定性は無かった.MRIで分離部での右L4神経根の圧迫を認めた.以上より分離部でのL4神経根圧迫が主病変と考え内視鏡視下分離部除圧術を施行した.術後より右大腿部痛は軽減し,術後10か月の現在2時間以上の立ち仕事も可能となる.考察:腰椎分離すべり症に対する手術は椎体間固定術が選択される場合が多いが,自験例では内視鏡視下分離部除圧術を選択し良好な治療成績が得られた.不安定性が無く神経根圧迫症状を主訴とする腰椎分離すべり症に対し,低侵襲手術である内視鏡視下分離部除圧術は良い適応と考える.
  • 井上 哲二, 福田 和昭, 山内 達郎, 中島 三郎, 宮崎 信, 沼田 亨祐, 久永 哲
    2014 年 63 巻 1 号 p. 99-103
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    脊椎手術を施行した69例を対象とした.DVT予防として,弾性ストッキング,足部のフットポンプ,足関節自動運動を行った.DVT診断には下肢静脈エコーを用いた.術前DVT陽性例は51例中10例(19.6%)に認めた.術前術後を含めると全体の23.2%にDVTを認めた.男女間でDVT発生頻度に有意差を認めなかったが,近位型DVTでは有意差を認めた.DVT陽性群とDVT陰性群で足関節筋力に有意差を認めた.術前左ヒラメ静脈血栓陽性の1例で術後同側の近位型DVTを併発し経時的に近位へ増大するのが確認されたが,DVT治療を施行し症候性PEを未然に防ぐことが可能であった.侵襲なく何度でも繰り返し行える下肢静脈エコーはDVTスクリーニングに有用と考えられる.
  • 平田 寛人, 井手 衆哉, 田島 智徳, 高山 剛, 米倉 豊, 河野 俊介, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2014 年 63 巻 1 号 p. 104-106
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】当科では人工関節手術時に採取した骨を同種保存骨として使用している.直近の同種骨採取状況と使用実績について検討した.【対象と方法】2011年,2012年度における当科人工関節手術の際に277例の同種骨を採取した.採取部位の内訳は大腿骨頭が230例,脛骨顆部が47例であった.同種骨は日本整形外科学会のガイドラインに準じ,採取,冷凍保存後,解凍使用した.同種骨の使用実績と有害事象等の追跡調査を行った.【結果】同種骨移植を行ったのは219例であった.うち,最も多く使用したのは人工股関節再置換術69例であり,次いで脊椎固定術55例,高位脛骨骨切り術28例,股関節骨切り術22例,骨接合術15例,偽関節手術7例などが主たる手術であった.感染や骨癒合不全など同種骨に起因することが明らかな合併症は認めなかった.【考察】人工関節手術が年々増加している中,採取骨を廃棄せず同種骨移植として利用することは,その効果や医療経済的にも有益な方法である.
  • 大石 秀和, 島内 卓, 本松 伸一, 綾 宣恵, 中河原 修, 江口 正雄
    2014 年 63 巻 1 号 p. 107-110
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】von Willebrand病(vWD)は稀な遺伝性の出血性疾患で,von Willebrand因子(vWF)の量的減少(1型),質的異常(2型),完全欠損(3型)により一次止血が障害され出血傾向を来す.vWDでは二次的に第VIII因子も低下する.今回我々は2B型vWD患者に対し寛骨臼移動術を行ったので報告する.【症例】30歳,女性.出生時に2B型vWD(血小板膜に対する結合能の異常亢進症)と診断された.15歳時に両側臼蓋形成不全と診断され,5年前より右股関節痛が出現,次第に増悪した.変形性関節症の進行予防を目的に右寛骨臼移動術を施行した.術前800mlの自己血貯血と術直前200mlの希釈式自己血貯血を行った.手術日から術後6日目にかけて,第VIII因子/vWF濃縮製剤(コンファクトF)を投与し,出血をコントロールすることができた.本症例に対し,当院で施行した寛骨臼移動術における術中術後出血経過の比較および文献的考察を加え報告する.
  • 普天間 朝拓, 上原 健志, 池間 正英, 八幡 浩信
    2014 年 63 巻 1 号 p. 111-114
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    当院整形外科で入院した患者に発生した急性胆嚢炎について調査した.2002年1月1日から2012年12月31日まで,整形外科入院中に胆嚢炎を併発した12症例について調査した.年齢平均76.8歳.発症までの期間は平均15.9日であった.5例に保存治療を行い,1例にERCP,6例に緊急胆嚢摘出術が試行された.転機は11例が合併症なく回復したが,1例敗血症性ショックで死亡した.急性胆嚢炎の予防は,胆嚢壁の虚血を防ぐため早期治療による全身状態の改善と,早期の経口栄養の開始,臥床状態の短縮で胆嚢にかかる負担を軽減することである.発症後診断の遅れから,重篤な経過をとらないために,合併症としての急性胆嚢炎を認識し,早期精査加療を心がけるべきである.
  • 進 悟史, 神宮司 誠也, 河野 勤, 大森 康宏, 糸満 盛憲
    2014 年 63 巻 1 号 p. 115-119
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【目的】異なる表面構造や形態の異なる2種類のセメントレスソケットの術後固定性について主に単純X線写真所見で比較検討を行なった.【対象と方法】2010年1月から2011年12月に行った初回人工股関節全置換術症例を対象.時期によりKyocera社Perfix(以下HATi)とZimmer社Trabecular Metal(以下TrM)を使い分け,各々79,40関節を対象とした.固定補強裸子本数,術直後のソケット・骨組織間ギャップ,術後1年までのギャップ変化やソケット周囲に残存した骨硬化像と骨嚢胞像の変化を評価した.【結果と考察】TrM群ではソケット辺縁での術直後ギャップが小さく,補強裸子本数も少なかった.HATi群ではソケット周囲の骨硬化を伴う骨透亮像を認める症例が少なかった.両群とも術後1年までにギャップは減少し,残存した骨硬化像や嚢胞像も消失していく傾向があり,臨床的に明らかな違いは無かった.
  • 小河 賢司, 古市 格, 井上 拓馬, 久芳 昭一, 川口 耕平, 上野 雅也, 池田 倫太郎
    2014 年 63 巻 1 号 p. 120-125
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    人工関節周囲感染を強く疑う症例でも,細菌を検出できない場合がある.通常は,細菌種を特定しインプラント抜去後,有効な抗菌剤でセメントモールド挿入し,二期的に再置換術を行っているが,細菌を検出できない場合抗菌剤の選択が困難となる.今回,我々は3症例の同症状の患者を経験し,これらについて治療法,病理学的所見,経過について検討を行った.症例はRA1例,OA1例,AN1例である.全例,抗菌剤不使用下の細菌検査で細菌検出できなかった.しかし,術中迅速病理では好中球浸潤があり,感染と判断し,それぞれ異なる方法ではあるものの,手術行い全例症状沈静化した.現在,細菌感染を特定するべく複数の方法が検討されているが,精度の高い診断法の確立や抗菌素材の人工関節の一般化が期待される.
  • 萩原 博嗣
    2014 年 63 巻 1 号 p. 126-128
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    注射による大腿四頭筋拘縮症は乳幼時期に頻回に受けた筋肉内注射が原因であり,本邦で1973年以来大量発生が報告された.近年の新たな発症は無いと思われるが,診断されないままに経過していた1例を治療する機会があったので報告する.症例:44才 女性.主訴:歩容異状,走行困難 乳児期に近医でγ―グロブリン筋注を両大腿部に10回以上受けた.幼時期から歩容異常があったが原因不明と言われ,走ることを避けていた.最近インターネットで調べて自己診断し,当科を受診した.所見:正座は可能.腹臥位で大腿直筋の短縮を評価する指標である「尻上がり角度」は右50°,左40°で,歩容異状が見られた.歩容改善の希望が強く手術を行なった.手術は左右別に2回行なった.大腿前面を6cm切開し大腿筋膜と腸脛靱帯を横切,大腿直筋を2段にずらして完全切離した.術後は3日間股関節伸展,膝屈曲位で仰臥した後に筋ストレッチと筋力訓練を行ない,症状は消失した.
  • 末永 英慈, 齊藤 太一, 糸川 高史, 入江 努, 田中 哲也, 伊藤田 慶
    2014 年 63 巻 1 号 p. 129-132
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別を要したChurg-Strauss症候群の1例を経験した.【症例】63歳女性.4月より左下腿外側痛,しびれを生じ,5月に当科受診.SLRTは陰性.左下腿外側知覚鈍麻および,左前脛骨筋力の低下を認めた.X線,MRI上,腰椎に明らかな異常はなかったが,6月には両前腕尺側のしびれが出現.頚椎MRIに異常ないため,神経内科受診.アレルギー性鼻炎の既往,血液検査にて白血球数21200/μl,好酸球分画78%と著明な上昇を認め,神経伝導速度にて尺骨神経,腓骨神経の末梢神経障害を認めた.上記診断にて,メチルプレドニゾロン1000mg/日でのパルス療法を行い,現在プレドニゾロン5mg/日内服にて経過観察中である.【考察】先行症状として気管支喘息やアレルギー性鼻炎があり,末梢血好酸球増多を伴う多発単神経炎を認めた場合,Churg-Strauss症候群を念頭に置く必要がある.
  • 倉員 市郎, 柳澤 義和, 千住 隆博, 浦島 太郎, 高野 祐護, 野村 裕, 田中 孝幸, 中野 壮一郎, 有馬 準一
    2014 年 63 巻 1 号 p. 133-136
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【症例】75歳女性.両下肢痛を主訴に来院.L2/3,3/4の腰部脊柱管狭窄症に対して腰椎除圧術を施行した.術直後より両臀部に放散痛を認め体動困難であったためアセトアミノフェン/トラマドール配合剤の内服を開始した.投与開始より2週間で杖歩行可能となるも臀部痛は残存していたため同薬剤を中止しブプレノルフィン貼付薬に変更した.その後,徐々に臀部痛は軽減し,最終的には3週間で中止することができ,無事退院となった.【考察】脊椎手術後に出現する疼痛はpost laminectomy syndromeとして知られているが,再手術となる症例も少なくない.今回,post laminectomy syndromeに対してブプレノルフィン貼付薬で良好な除痛効果が得られた.本剤はpost laminectomy syndromeに対して有効な選択肢となり得ることが考えられた.
  • 柳澤 義和, 酒見 勇太, 増田 圭吾, 高野 祐護, 野村 裕, 田中 孝幸, 中野 壯一郎, 有馬 準一
    2014 年 63 巻 1 号 p. 137-140
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    近年痛みの疾患概念の変化とさまざまな鎮痛剤や鎮痛補助薬の登場で慢性疼痛治療が大きく変化している.今回,当科にてアセトアミノフェン/トラマドール配合剤を処方した症例について検討した.対象は2011年10月から同年12月まで本剤を処方された患者33例で,調査項目として対象疾患,効果判定,副作用発現などを検討した.結果として本剤は主に腰部脊柱管狭窄症,脊椎圧迫骨折,頸椎術後痛,変形性膝関節症に処方されていた.効果判定として著効例は27.3%,効果あり例は27.3%であった一方,無効例は24.2%であった.また著効例では神経障害性疼痛疾患の割合が多かった.副作用は20%に嘔吐と便秘を認めた.最終的に疼痛軽減し休薬に至った症例は24%であった.トラムセットは依存や乱用が起きにくい薬剤であることからも,慢性疼痛が難治化する前の重要な選択肢の1つと考えられた.
  • 竹内 潤, 富田 雅人, 宮田 倫明, 安倍 邦子, 尾﨑 誠
    2014 年 63 巻 1 号 p. 141-144
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【目的】今回,我々は左前腕に発生した稀な血管芽腫の1例を経験したので報告する.【症例】72歳,男性,200X年秋から左第4,5指のしびれを自覚し翌年1月より疼痛が出現した.近医を受診し左前腕軟部腫瘍を指摘され精査加療目的に当科紹介となった.MRIでは左尺側手根屈筋,浅指屈筋,深指屈筋に紡錘形の腫瘤を認めた.T1WIで軽度の高信号像,T2WI/STIRでほぼ均一な高信号を示した.切開生検では診断確定に至らず腫瘍切除術を行った.病理診断は血管芽腫の診断であった.術後2年半の現在,左手尺側掌側にしびれ感が残存し,握力低下もみられるが,腫瘍の再発なく経過観察中である.【考察】血管芽腫はvon Hippel-Lindau病に合併し脳,脊髄,網膜,腎臓に発生することが多い.本症例はvon Hippel-Lindau病の合併なく,尺骨神経由来に発生した極めて稀な症例である.
  • 湯上 正樹, 岡 潔, 薬師寺 俊剛, 佐藤 広生, 水田 博志
    2014 年 63 巻 1 号 p. 145-148
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    目的:左下腿平滑筋肉腫に対してパスツール処理自家骨移植とVAC療法を併用した1例を経験したので報告する.症例:68歳女性.約2年前より自覚していた左下腿の腫瘤が増大したため当科受診となった.受診時には,左脛骨粗面末梢に径10×9cmの弾性硬,可動性不良な腫瘤を認めた.MRIでは同部位にT1WIにて等信号,T2WIにて高信号を呈し,Gdで造影効果のある病変を認めた.針生検の結果,平滑筋肉腫の診断であったため,広範切除術を施行し,病変に接する皮膚および脛骨を一塊に切除した.切除した脛骨はパスツール処理を行った後に戻し,プレートにて固定した.皮膚欠損に対してはVAC療法施行後,分層植皮を行った.術後1年8か月の現在,移植骨は骨癒合が得られ,皮膚の状態も良好である.考察:下腿の悪性腫瘍に対する広範切除術においては,骨・皮膚再建が問題となる.本症例は,パスツール処理自家骨移植とVAC療法を併用し,良好な結果が得られた.
  • 富田 雅人, 宮田 倫明, 山口 健太郎, 有吉 貴美代, 尾崎 誠
    2014 年 63 巻 1 号 p. 149-151
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】当科では軟部肉腫に対してアドリアマイシン+イフォスファミド(AI)療法を行っている.制吐薬適正使用ガイドラインの有効性について検討し報告する.【対象と方法】2010年1月から2012年8月に当科でAI療法を9名(男性5名,女性4名)の患者に行った.平均年齢は42.6(25-64)歳.診断は滑膜肉腫6例,粘液型脂肪肉腫,弧在性線維性腫瘍,胞巣状軟部肉腫がそれぞれ1例であった.これらの症例をガイドライン採用前群(PG群)とガイドライン採用群(G群)の2群に分け,嘔気または嘔吐を訴えた日数及び発現時期を調査した.【結果】嘔気有りの日数は平均PG群3.4(0-9)日,G群3.5(0-8)日,嘔吐有りの日数は平均PG群0.83(0-4)日,G群0.27(0-2)日であった.嘔吐はPG群では1-8日目,G群では5-6日目でみられた.【考察】ガイドラインに沿った制吐療法は,患者の苦痛の緩和に有用である.
  • 徳重 厚典, 村松 慶一, 今釜 崇, 橋本 貴弘, 富永 康弘, 瀬戸 信一郎, 田口 敏彦, 伊原 公一郎
    2014 年 63 巻 1 号 p. 152-155
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    当科にて寛骨臼周囲の転移性骨腫瘍に対し手術的加療を行った症例について調査検討した.対象は2000年から2013年まで治療を行った9例である.男性8例,女性1例,手術時平均年齢64歳(47-84歳),経過観察期間は平均41.3か月(3-144か月)である.原疾患,手術術式,術前後歩行能力,転帰について検討した.原疾患は甲状腺癌2例,前立腺癌3例,腎癌4例であった.手術術式は病巣掻爬+骨セメント充填3例,病巣切除+血管柄付き骨移植1例,病巣掻把+血管柄付腸骨移植+人工骨頭置換術1例,人工骨頭置換術1例,人工股関節置換術3例であった.術前歩行状況は歩行可能7例,車いす2例,術後は全例で歩行可能となっていた.術後早期の2例を除き,転帰はDOD5例,AWD2例であった.加療方法の発展に伴い,原疾患によっては転移を認めても長期予後が期待できる場合もあり,QOL維持のため手術的加療は有効な手段であると考える.
  • 岩永 隆太, 村松 慶一, 田口 敏彦, 伊原 公一郎
    2014 年 63 巻 1 号 p. 156-159
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    我々はP2原発悪性腫瘍に対して,血管柄付き腓骨移植と術中体外照射骨を用いた再建術を行い長期的に良好な結果が得られた2例を報告する.【症例1】14歳男性.寛骨原発骨肉腫Stage IIb例.広範切除し軟部組織を除去した後に照射を行い,元位置に返納しプレートで内固定した.同側の血管柄付き腓骨を採取しon-layで設置した.術後5年で股関節の関節症変化は進行するも疼痛は訴えない.【症例2】44歳男性.寛骨原発軟骨肉腫Stage Ib例.術後13年で深部感染を認めたが抗生剤投与のみで軽快した.術中照射骨による再建はUyttendaele等によって導入され,骨腫瘍に限られた固有の再建方法である.関節を含んだ照射骨の報告は多くなく照射後の軟骨の生存も意見が分かれている.現在長期的に観察している2例については関節症変化を認めるが疼痛はなく,本法は適応を選べば優れた生体学的再建法の選択肢となりうる.
  • 伊藤 仁, 佐藤 広生, 末吉 貴直, 岡 潔, 水田 博志
    2014 年 63 巻 1 号 p. 160-165
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    多発骨病変を呈した成人ランゲルハンス細胞組織球症(以下LCH)の1例を経験したので報告する.症例は20歳,男性.腰痛,殿部痛,発熱を主訴に近医を受診した.MRIで第3,5腰椎,仙骨に腫瘍性病変を疑われ当科紹介となった.骨シンチとPET-CTでは上記に加えて,肋骨,胸椎,腸骨などの多数の骨と多発のリンパ節にも異常集積が見られ,血液検査では白血球,ALP,CRP,sIL2-Rの上昇を認めた.腰椎病変に対してCTガイド下針生検を施行し,病理では炎症細胞の浸潤を認め骨髄炎の所見であった.LCHとchronic recurrent multifocal osteomyelitisが鑑別に挙がったが免疫染色を行う組織材料がなく確定診断には至らなかった.さらに肋骨病変に対して切開生検術を施行し免疫染色にてLCHと確定診断された.LCHは通常10歳以下の小児に好発し,成人では稀とされており,中でも多発骨病変を呈する症例の報告は数少ない.確定診断には免疫染色が必須であり,針生検で診断がつかない場合は積極的に切開生検を行うべきである.
  • 内山 迪子, 宮田 倫明, 富田 雅人, 松尾 洋昭, 前原 史朋, 竹内 潤, 尾﨑 誠
    2014 年 63 巻 1 号 p. 166-169
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【はじめに】転移・再発をきたしたSolitary fibrous tumor(SFT)の3例を経験したので報告する.【症例1】71歳女性.頸部発生の軟部腫瘤に対し切開生検にてSFTの診断となる.腫瘍摘出術が行われたが1年後に再発し,さらに数年後には多臓器へ転移を認めた.【症例2】72歳女性.頭蓋骨発生のSFTに対して切除術を施行.5年後に左恥骨部への転移を認め,陽子線照射を行い現在転移巣の縮小を認めている.【症例3】51歳女性.右肘橈側に腫瘤を認めていたが5年間放置していた.腫瘤が増大したため摘出術を施行されたが,7ヶ月で再発し現在多臓器への転移を認めている.【考察】SFTの多くは予後良好とされるが,悪性転帰をたどる例も少なくないため注意深い経過観察が必要である.
  • 児玉 有弥, 井上 周, 加原 尚明, 小瀬 靖郎, 宮本 正, 藤原 紘郎, 長谷井 嬢
    2014 年 63 巻 1 号 p. 170-173
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    小児大腿骨骨幹部骨折は小児の全骨折の1.4~1.7%と言われており比較的まれな外傷である.治療法は保存的,外科的治療があるが,合併症の観点からみると定まった治療法がないのが現状である.今回我々は自験例を振り返り文献的考察を加え検討したので報告する.対象は4~16歳の7症例,女児2例・男児5例であり,平均観察期間は1.8年であった.保存療法は4歳と10歳の女児2症例,髄内釘は10歳~16歳の4症例,プレート固定は13歳の1症例であった.髄内釘を使用した症例では10歳を除き骨端線閉鎖しかけている患児であった.10歳の髄内釘症例に対してrigid interlocking nailを使用した.その理由は高度な肥満を認めるうえに広範性発達障害があり免荷は困難と考えたためである.プレート固定の症例では合併症なく治癒したが,抜釘時にはbone over growthによる抜釘困難と抜釘後のプレート接触面の皮質の菲薄化を認めた.保存療法を行った10歳女児については機能的合併症は認めないものの4ヶ月と長期の入院を必要とした.小児大腿骨骨幹部骨折の治療においては年齢とともに変化する骨頭への血流支配,自家矯正能力が大きく関与しておりこのことを確実に理解し治療を行っていかなければならない.
  • 久我 尚之, 萩原 博嗣
    2014 年 63 巻 1 号 p. 174-176
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    大きく転位したOTA分類34-C3の膝蓋骨骨折に対するdouble tension band wiring(dTBW)の術後成績を報告する.【対象】C3骨折の7例,平均年齢60才(46-77才),経過観察期間は平均12ヶ月,骨片数は平均5.3個(4-7個),骨片離開は平均27mm(15-45mm),1例は開放骨折だった.手術は横方向にK-wire2本刺入し8字締結で上下骨片を引き寄せた後,縦方向のTBWで更に強固に圧迫固定した.術後は早期から膝可動域訓練,荷重歩行を行った.【結果】術後1ヶ月以上経過した6例は全て一期的に骨癒合した.骨癒合期間は平均3.5ヶ月,術後感染,変形癒合などの合併症はなく,全例受傷前の歩行に復帰した.2例に鋼線刺激痛を認めたが抜釘後消失した.最終時の膝関節可動域は平均143°だった.【考察】我々は過去にC1,C2骨折に対する経皮的二重ワイヤリングの優れた成績を報告した.今回行ったdTBWは上下左右両方向からの圧迫固定により強固な固定を示し,C3骨折に対しても成績は良好で更に開放骨折にも有用だった.
  • 川口 耕平, 古市 格, 小河 賢司, 井上 拓馬, 久芳 昭一, 杉山 健太郎, 古畑 友基
    2014 年 63 巻 1 号 p. 177-180
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    脛骨髄内釘手術で従来から行われている膝深屈曲位での経膝蓋靭帯アプローチでは,術中の整復位が保持困難,髄内釘挿入困難,術中骨折,術後のanterior knee painなどの様々な合併症が報告されている.Supura-patellar approachは,膝軽度屈曲位ということで術中のイメージ操作が容易であり,整復位を保持したままの髄内釘挿入が可能である.2012年1月以降,同手技で脛骨髄内釘固定を行った4例の手術経験を報告する.症例は脛骨骨幹部骨折2例,脛骨骨幹部開放骨折1例,脛骨近位端骨折偽関節1例で,全例術中合併症なく比較的釘の挿入が容易で,低侵襲な手術が可能であった.しかし同アプローチでは関節内からの侵入となり,釘挿入操作時の膝蓋大腿関節軟骨損傷の可能性がある.この方法について我々の経験を文献的考察を加えて報告する.
  • 小薗 直哉, 池村 聡, 山下 彰久, 原田 岳, 渡邊 哲也, 上田 幸輝, 宇都宮 健, 白澤 建藏
    2014 年 63 巻 1 号 p. 181-186
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    【背景】大腿骨転子部骨折術後側面像において,近位骨片が髄内に位置する術後subtype P(以下P群)が成績不良因子になる可能性が報告されている.目的はAsian IMHS後側面X線でP群となった症例について検討する事である.【対象】当科の連続した111例を対象とした.男性19例,女性92例で,平均年齢83.7歳,平均観察期間は4.6ヶ月であった.骨折型(Jensen分類),術後subtype,ラグスクリューのスライディング,合併症などについて調査した.【結果】P群を32例(28%)に認めた.平均スライディング量はA(近位骨片が髄外),N(解剖学的位置)群1.89mm,P群3.09mmであった.A,N群に比しP群は有意に不安定型(Jensen III-V型)骨折が多かった(A,N:42/79,P:26/32,P<0.05).【考察】骨折型が術後整復状態に影響を及ぼす可能性があると考えられた.
  • 崎村 幸一郎, 中原 信一, 野村 賢太郎, 衛藤 正雄
    2014 年 63 巻 1 号 p. 187-188
    発行日: 2014/03/25
    公開日: 2014/07/01
    ジャーナル フリー
    short femoral nailを用いて大腿骨転子部骨折の内固定を行った後に二次骨折を繰り返した症例を経験したので報告する.症例は86歳,女性.認知症あり.自宅で転倒して左大腿骨転子部骨折(AO分類 31-A2)を受傷した.PFNAを用いて内固定を行ったが,術後10週でベッドより転落して同側の大腿骨骨幹部骨折(AO分類 32-A1)を受傷した.long PFNAを用いて内固定を行ったが,再手術後5週で再び転倒して同側の大腿骨遠位部骨折(AO分類 33-A2)を受傷した.髄内釘を残したままロッキングプレートを用いてMIPO法で骨接合を行い,最終的には良好な骨癒合が得られた.いずれの二次骨折も骨癒合前に生じており,遠位横止めスクリューに応力が集中して骨折を起こしたものと考えられた.歩行能力の低下した認知症患者は転倒リスクが高く,二次骨折は避けられない合併症の一つであると思われた.
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