整形外科と災害外科
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64 巻 , 1 号
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  • 佐久間 大輔, 山元 拓哉, 永吉 隆作, 田邊 史, 棈松 昌彦, 冨永 博之, 米 和徳, 小宮 節郎
    2015 年 64 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    側彎症に対する変形矯正手術中に経頭蓋電気刺激筋誘発電位(BrE-MSEP)が消失した4例について検討したので報告する.症例1は21歳女性で,特発性側彎症放置例である.矯正中に電位消失したが,矯正を減ずることで回復した.術後麻痺は認めなかった.症例2は8歳男児で,頚胸移行部多椎間の先天性側彎症である.脊髄への牽引力により電位消失を認め,術中電位の回復は認めなかった.術後,一過性両下肢麻痺が出現した.症例3は12歳男児で,神経原性側彎症である.Rod連結時に電位消失しrod抜去した.最終的に電位は回復し,術後麻痺は認めなかった.症例4は15歳男児で,神経原性側彎症である.Rod連結時に電位消失した.術後,一過性下肢麻痺が出現した.2例はBrE-MSEPにより麻痺を回避し得たと考えられ本法は有用であった.高度かつ硬いカーブや術前に麻痺を有する側彎症では脊髄易損性の可能性が考えられた.
  • 井口 洋平, 大田 秀樹, 松本 佳之, 中山 美数, 酒井 翼, 清田 光一, 木田 浩隆, 竹光 義治
    2015 年 64 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    当院にて矯正手術を行い術後2年以上経過した脊椎後弯症患者の臨床症状および矢状面バランスの経時的変化を検討した.症例は9例で,術式は多椎間TLIF 3例,PSO/TLIF 5例,VCRとponte Osteotomy 1例であった.臨床症状経過は9症例中5例が良好であった.しかし臨床経過が良好であっても,継時的に後弯が進行する症例が5例中3例存在した.結果として術直後に十分な矯正が得られても2年経過では後弯が進行する症例がみられた.後弯の戻りの原因は,固定下位端での骨折や椎間板障害,腰仙椎を含めないshort fusion,胸椎後弯の進行であったが,後弯の進行と臨床症状は必ずしも一致しなかった.しかし,より良好な長期成績を獲得するための対策として,現在では胸椎の代償性前弯からの戻りも含めた過矯正,腸骨までの固定を行っている.
  • 富永 冬樹, 白澤 建蔵, 山下 彰久, 原田 岳, 渡辺 哲也
    2015 年 64 巻 1 号 p. 9-12
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    変性後側弯症に対する脊柱後方再建術では,L5-骨盤間の強固な固定が要のひとつである.近年,Sacral alar-iliac screw(以下,SAI screw)の有用性が報告され,当科の経験について報告する.対象は腰椎変性後側弯症に対してSAI screwを用いて後方再建術を施行した5例.後側弯症例でL5まで固定した4例と,SAI screw以外で仙椎まで固定した6例を比較対象とした.L5/S1間の椎間障害,骨癒合,固定隣接椎間障害,インプラントのゆるみについて調べた.また,単純レ線の脊椎矢状面アライメントの角度であるLLとSSを,術前,術後,最終調査時に計測し,矯正損失を計算した.結果は,固定隣接椎間障害はL5までの固定で多かった.仙椎までの固定でSAI以外の群とSAI群で比較すると,SAI以外の群の方が椎体骨折が多く,インプラントのゆるみも多かった.矯正損失は,LLはSAI群で有意に良好に保持されていた.腰椎前弯の有意な改善と矯正保持を獲得できるSAI screwは腰椎変性後側弯症の腰仙椎固定に有用である.
  • 柳澤 義和, 野村 裕, 高野 祐護, 田中 孝幸, 有馬 準一
    2015 年 64 巻 1 号 p. 13-16
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    脊椎脊髄手術で術中モニタリングは重要な検査法である.今回,術中モニタリングを併用した胸腰椎後方インストルメンテーション手術において椎弓根スクリュー刺入時にfEMG上,異常波形を認めた症例について検討した.モニタリング手術12例中,7例に椎弓根スクリュー刺入の際fEMG上異常を認めた.皮切長,推定出血量,手術時間についてfEMG異常波形群と非異常波形群とで比較し,さらに異常波形群を術後CTでスクリューの逸脱についても検討した.1症例を除き,皮切長,出血量,手術時間とも経皮的スクリュー刺入症例で異常波形を認めていたが,術後明らかな麻痺を呈した症例はなかった.また異常波形群のうち椎弓根スクリュー3本が逸脱しており,そのうち2本で術中異常波形を認めた.神経根レベルでのfEMG異常波形については解釈が一定しておらず,必要に応じて他のmodalityを併用して手術を進行すべきか,決定する必要があると考えられた.
  • 片江 祐二, 田畑 洋司, 森永 浩介, 井上 めぐみ, 吉田 愛希
    2015 年 64 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】支柱の材質の違いによるジュエットコルセットの装着感を比較し,影響を与える因子を明らかにすること.【対象と方法】対象は2タイプのジュエットコルセット(旧型:金属支柱,新型:ポリカーボネイト支柱)を用意できた新鮮骨粗鬆症性椎体骨折患者11例(全例女性)で,平均年齢81.5歳,罹患椎体はTh8-L3であった.治療は1週間交代でコルセットを装着し,腰痛のVAS,圧迫感,装着感,軽さの実感,重さ,1日の装着時間,最終的に希望するコルセットを調査した.また静荷重試験を行った.【結果】腰痛のVASは両コルセットとも装着後は初診時に比べて有意に低下した.圧迫感,装着感,軽さの実感,重さ,1日の装着時間,希望するコルセットについては新型の方が優れている傾向にあった.また静荷重試験の側屈で新型の変位量が大きくなる傾向にあった.【考察】骨粗鬆症性椎体骨折の装具療法における装着感の改善は,装着アドヒアランスの改善になると考える.
  • 中山 美数, 大田 秀樹, 松本 佳之, 酒井 翼, 井口 洋平, 清田 光一, 木田 浩隆, 竹光 義治
    2015 年 64 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】当院における骨粗鬆性椎体骨折後偽関節に対するBKPの治療成績を調査し周術期及び術後合併症について検討した.【対象】2012年4月から2013年8月までに施行した28症例33椎体で男性6例,女性22例.平均年齢は77.5歳.平均罹病期間は4.8か月で,術後平均経過観察期間は6.4か月.原則として術後テリパラチド投与および3か月間半硬性コルセット装着とした.【結果】術中合併症としてレベル誤認が1例,BKP器具の破損が2例,セメント漏出を22椎体(66.7%)に認めたが全て無症状であった.術後合併症として隣接椎体骨折を5症例(17.2%)に認め,これらをF群として対照群と比較検討を行った.術前因子には有意差はなかったが,術後因子として術後コルセット装着期間において有意差を認めた.【考察】コルセット装着が長くなるほど装着中の骨強度の低下や傍脊柱筋の廃用が進み,脱着時にかかる過重負荷によって起こるものと推察され,さらなる工夫が必要と考えられた.
  • 濱中 秀昭, 猪俣 尚規, 比嘉 聖, 永井 琢哉, 山口 洋一朗, 今里 浩之, 帖佐 悦男
    2015 年 64 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    MSを合併した頸髄症に対し短期であるが良好な成績を得たので報告する.【症例】62歳 女性,2012年3月ごろ右膝の抜ける感じが出現.5月半ばから手指に痺れが出現し7月後半から手指の痛みが激痛に変化した.8月に両下肢の筋力低下,10月に入ると車椅子で生活するようになり当科を紹介受診した.初診時のMRIにてC5/6中心に脊髄浮腫をみとめ頭尾側に広がっていた.脊髄の炎症性疾患を疑い神経内科紹介しMSと診断されステロイドパルス療法施行され症状は一旦改善した.しかし,自宅での転倒を繰り返すたびに症状悪化し脊髄浮腫による相対的な圧迫が残存していたため椎弓形成術を施行した.術後一過性に神経症状と脊髄浮腫の悪化を認めたがステロイドパルス療法にて神経症状は改善し術後1年の短期ではあるが神経症状の改善は保たれている.脊髄の圧迫を伴うMSの症例に対して手術療法を考慮してもいいと思われた.
  • 時岡 孝光, 土井 英之, 阿部 光伸
    2015 年 64 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    後外側進入で上位頚椎を固定する新たな術式を確立した.上位頚椎の後外側に約4cmの縦切開を加え,筋膜,浅層伸筋群を切開すると下頭斜筋の背側に大後頭神経(GON)が確認でき,下頭斜筋を外上方に追っていくと環椎外側塊に達し,ナビゲーション下にscrewを斜位で挿入した.本術式は2013年3月より2014年3月までに7例行い,手術時間は平均189分,出血量は102.2mlで,固定範囲はC1-3の2椎間が5例,C1-2の1椎間が2例であった.術後CTでC1のscrew挿入角度は平均27.8°であった.本術式は黄色靭帯を切離しないため静脈叢は触ることはなく,安全かつ低侵襲である.
  • 神谷 行宣, 山根 宏敏, 中村 英一郎, 山口 将則, 樋高 由久, 酒井 昭典
    2015 年 64 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    頸椎後方手術後の舌下神経麻痺を経験したので報告する.症例は46歳女性.主訴は右上肢痛.1年半前より頚部痛と右上肢痛あり.当科受診し,頸椎症性脊髄症+神経根症と診断.椎弓形成術(C4-6)と椎間孔拡大術(右C4/5)を施行した.術後より舌に発赤,腫脹と構音障害,舌の右方偏位を認め,右舌下神経麻痺と診断された.ビタミンB12の内服と言語リハビリ療法にて治療を行い,術後3か月にてほぼ舌の偏位は改善した.頸椎後方手術後に舌下神経麻痺を生じる原因として,気管チューブ等の麻酔時の口腔内異物による圧迫性神経障害であるとの報告が多く,本症例でも同様に舌への圧迫が原因と考えられた.
  • 樫原 稔, 時岡 孝光
    2015 年 64 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    上位胸椎OPLLに対して頚胸椎後方固定術を行った2例を経験したので報告する.症例1は73歳男性で,C2/3椎間からT1/2椎間までのOPLLに対して,C2からT2まで棘突起縦割法による脊柱管拡大術とT3椎弓切除を行った.術後早期に上肢の症状は改善したが,下肢麻痺と膀胱直腸障害が出現した.縦割したT1椎弓が脊柱管内に転位して脊髄を圧迫したため,C6からT4までの椎弓根スクリューによる後方固定術と拡大していたT1とT2の椎弓切除術を行い,症状は改善した.症例2は58歳女性でOPLLは,C5/6で軽度,T2/3で高度に脊髄を圧迫していて,軽度の手指巧緻性低下と膀胱直腸障害があり,歩行不能であった.C2からT5までの椎弓根スクリューのよる後方固定術,C3からT1までの棘突起縦割法およびT2とT3の椎弓切除を行い,症状は改善した.上位胸椎OPLLに対しては,後方除圧とinstrumentによる後方固定術が有用と考えられた.
  • 俵積田 裕紀, 瀬戸山 傑, 中條 正英, 廣田 仁志, 富村 奈津子, 吉野 伸司, 川内 義久
    2015 年 64 巻 1 号 p. 45-46
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】今回我々は,比較的稀な蓋膜まで骨化した頸椎後縦靭帯骨化症の1例を経験したので報告する.【症例】52歳男性で,10年来の四肢のしびれと半年前からの手指巧緻運動障害を主訴に来院した.初診時の理学所見では,上肢の腱反射が亢進,病的反射陽性で,右手優位の握力低下を認めた.頸椎Xp上C2-4に後縦靭帯骨化を,CTにて蓋膜の骨化とC1からC5にかけての後縦靭帯骨化を,MRIではC1-5/6にかけて硬膜管の高度な圧迫を認めた.手術適応と判断し,C1椎弓切除+C2-6片開き式椎弓形成術を施行した.術後,症状は改善され経過は良好である.【考察】後縦靭帯は,環椎十字靭帯を後方から幅広く覆い,頭側は斜台で硬膜に,尾側は後縦靭帯に連続している.文献的には我々が渉猟しえた限り,蓋膜の骨化の報告は極めて少ない.今回はC1の椎弓切除で対応可能であったが,今後も定期的な注意深い経過観察が必要と考える.
  • 清田 光一, 大田 秀樹, 松本 佳之, 中山 美数, 酒井 翼, 井口 洋平, 竹光 義治, 木田 浩隆
    2015 年 64 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    当院では頚椎前方固定術に対し,これまでの国分法から2011年よりPEEKケージを使用しており,術後2年以上経過した症例の治療成績(臨床像と画像変化)を検討した.対象は16例,平均年齢53歳,合計22椎間(C4/5:2椎間,C5/6:11椎間,C6/7:9椎間).検討項目はJOAスコア,X線側面像にて固定局所前弯角,固定椎体間高を測定し,CTにて骨癒合判定を行った.JOAスコア改善率は70%,固定局所前弯角,固定椎体間高は術直後と術後2年時での矯正損失はそれぞれ1.1°,1.2mm.全例で骨癒合を認め,術後成績は良好であった.手術時間の短縮,採骨部の問題点の軽減,手術の簡便性などの利点からPEEKケージは有用であった.
  • 由布 竜矢, 泊 真二, 伊藤 康正, 瀬尾 健一, 安原 隆宏, 松本 淳志, 吉本 昌人
    2015 年 64 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    今回我々は腹膜透析患者に生じた腰椎黄色靭帯内血腫の一例を経験したので報告する.症例:61歳 男性.2ヶ月前より右臀部痛出現,徐々に痛みが強くなり,近医整形外科受診.MRIにてL4/5の硬膜外腫瘍を指摘され,当科紹介受診となった.既往歴として慢性腎不全があり腹膜透析中である.現症:下肢知覚障害はなく,右前脛骨筋,長母趾伸筋の脱力をみとめた.MRIにてL4/5レベルの脊柱管内に径約2cm大のT1 low,T2 highで不均一,多彩な形態の境界明瞭なmassを認めた.この症例に対し手術(L4広範椎弓切除術+硬膜外腫瘍摘出術)を行った.術中,黄色靱帯は椎弓及び硬膜との癒着が著明で部分切除となった.病理結果は血腫であった.手術翌日から,術前の右臀部痛,右下肢痛は軽減し,筋力も改善傾向にあり,経過良好である.この症例のように,血液透析,腹膜透析の患者に生じた黄色靱帯血腫の報告は極めて稀である.
  • 宮口 文宏, 城光寺 豪, 堀川 良治, 山口 聡, 井尻 幸成, 松永 俊二, 今給黎 尚典, 石堂 康成, 米 和徳, 小宮 節郎, 古 ...
    2015 年 64 巻 1 号 p. 56-58
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    人口の高齢化,糖尿病患者の増加にて,化膿性脊椎炎が増加しつつある.いざ治療を開始すると全身合併が多く手術不能であったり,非常に治療に困難をきたす.今回われわれは腰椎の硬膜外膿瘍に対してPEDで加療した症例を経験した.症例は69歳,女性.MRI上L2/3レベルに硬膜外膿瘍を認め,右下肢に筋力低下を認めた.局麻下PEDで洗浄・掻把し,その後PPSを用いてL1-4間後方固定術を追加し,CRPは陰性化した.起炎起因は肺炎連鎖球菌であった.PEDで除圧・掻把・起炎菌同定し,病巣部のstability確保のためにPPSにて後方固定術を追加する方法は,低侵襲でかつ安静条件を緩和するために,化膿性脊椎炎に対して有用な方法である.
  • 樫原 稔
    2015 年 64 巻 1 号 p. 59-62
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    腰椎黄色靭帯骨化症は比較的稀で4例を経験したので報告する.男性1例,女性3例,年齢は46~79歳(平均66歳)で,追跡期間は16ヵ月~9年(平均6年)であった.骨化椎間はL1/2が1例,L3/4が2例,L4/5が3例で,骨化のKurihara分類はIIIが5例,IVが1例であった.これらの椎間はすべて腰部脊柱管狭窄の椎間と一致していた.全例が胸椎黄色靭帯骨化を合併していたが,腰椎変性すべりの合併はなかった.腰痛疾患JOA score改善率は30~90%(平均69%)であった.術式は両側椎弓切除術が2例,片側椎弓切除と両側除圧術が2例であった.除圧椎間での骨化の再発はそれぞれの術式で1例ずつあったが,症状の増悪がないため経過観察している.赤津らや安川らは変性すべりに腰椎黄色靭帯骨化が発生しやすいと報告し,すべりによる不安定性が骨化発生に関与していると述べた.しかし,我々の症例では変性すべり症はなかった.
  • 畑野 崇, 中島 康晴, 河野 裕介, 秋山 美緒, 山本 卓明, 本村 悟朗, 大石 正信, 濱井 敏, 福士 純一, 岩本 幸英
    2015 年 64 巻 1 号 p. 63-66
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】発育性股関節形成不全(DDH)の大腿骨頚部におけるCAM変形が存在するかを明らかにすること.【方法】正常股20関節,CE角<20°を満たし,且つ骨形態が保たれている前・初期股関節症50関節および進行期股関節10関節のCT画像を用いた.3次元再構築像で頚部軸を決定し,それを中心に10度ごとの放射状12slice(前方9時,上方12時)でα角を測定した.【結果】Max α角は正常群,DDH群ともに前上方(10~11時)に位置していた.10時でのα角はDDH群で有意に大きな値であった(43.8°vs 50.1°).CAM変形をα角≧55°と定義すると正常股で5%であるのに対し,・DDH群では28%であった.進行期例では骨棘の存在や変形のために10時の位置でのα角は平均58.1°,α角≧55°の症例は80%にのぼった.【結論】正常股・DDHともに頚部前上方にオフセットの減少がみられ,DDHではさらにOffsetが低下していた.α角55°をカットオフ値とすると28%にCAM変形が存在した.さらに進行期例ではCAM変形の頻度が増加した.
  • 渡邉 弘之, 赤崎 幸二, 相良 孝昭, 瀬形 建喜, 清家 一郎, 畠 邦晃, 田村 諭史, 棚平 健
    2015 年 64 巻 1 号 p. 67-71
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)は若年者の前期から初期股関節症に対しては良好な長期成績が報告されている.近年,より高齢の股関節症にも適応は拡大され,良好な成績が示されてきている.当科でのRAOの適応は50歳代までを一つの目安としているが,60歳代でも適応を限りRAOを施行している.本研究では,60歳以上のRAO症例について検討した.症例は60歳以上でRAOを施行した6例6関節であり,全例女性,手術時平均年令は61.3歳であった.平均経過観察期間は1年8ヵ月であった.術式は田川の原法に準じた.レントゲン評価として,CE角,AC角,AHI,関節裂隙幅,関節症進行度,骨頭扁平率,外転位での関節適合性を評価した.反対側の支持性を調査し,臨床的評価としてJOAスコアを調査した.60歳代でも,初期から進行前期股関節症で,骨頭が球形に近く,外転位での関節適合性が良好で,反対側に支持性を有するものに適応を限れば,RAOにより全例関節症の進展は防止されることが示唆された.
  • 平井 奉博, 岩本 克也, 山下 武士, 米村 憲輔
    2015 年 64 巻 1 号 p. 72-74
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】THAに対するDAAとDLAとの比較検討を行った.【対象】DAA群:24例,DLA群:20例.【方法・結果】(1)手術時間はDAA群:133.0分,DLA群:116.2分(Not Significant:以下N. S).(2)術中出血量はDAA群:616.0ml,DLA群:447.5ml(N. S).(3)歩行器歩行開始時期はDAA群:1.75日,DLA群:5.88日(p<0.05)であった.(4)一本杖歩行開始時期はDAA群:6.09日,DLA群:16.8日(p<0.05)であった.(5)2週間以内に術前の歩行レベルでの訓練を開始できた率はDAA群で68.2%,DLA群で23.5%と有意にDAA群が高かった(p<0.05).(5)合併症は脱臼がDAA群で1例,DLA群で2例認めた.【結論】DAAはDLAと比較して手術侵襲はほぼ同等で,歩行器歩行,一本杖歩行開始時期において有意に改善できた.
  • 白石 和輝, 穂積 晃, 宮本 力, 木寺 健一, 前田 純一郎, 黒木 綾子, 根井 吾郎, 千葉 恒, 小関 弘展, 富田 雅人, 米倉 ...
    2015 年 64 巻 1 号 p. 75-78
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【症例】Tapered wedge型ステムを用いて人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)を行い,術後3ヵ月後に非外傷性ステム周囲骨折を生じた1例を報告する.症例は62歳男性.16年前にアルコール性両大腿骨頭壊死症の診断にて他院で左人工骨頭挿入術を施行され経過観察されていた.15年後に右股関節痛が増強し,翌年当院紹介受診となった.当院で右THA(AHFIX Q3/J-taper®,京セラメディカル)を施行した.術後の経過は良好で疼痛もなく独歩可能であった.しかし術後3ヵ月後,座位をとろうとした際に突然の大腿部痛を生じ立位困難となった.単純X線ではステム遠位から大転子部に至るらせん骨折を認め,他院で骨接合術を施行された.【考察】本症例におけるステム周囲骨折の原因の1つとして,ステムのdiaphyseal fitによる過剰な応力集中が考えられた.
  • 田籠 泰明, 針 秀太, 加来 信広
    2015 年 64 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    症例:72歳,女性.平成9年に両大腿骨頭壊死症に対して左右の人工骨頭置換術が時期を隔てて施行された.術後入院中に右股関節脱臼を発症し,その後は1年に1回の頻度で脱臼を繰り返していた.術後16年経過をしたが,最近の1年間でも右股関節は2回の脱臼を経験した.脱臼を生じにくい安定した股関節を獲得するため,再置換術を行う方針となった.本症例の問題点として,全身的には高齢で膠原病や軽度の認知症など既往症が多数あり,局所においては可動域が良好で骨盤が立位で後傾し,後方の骨・軟部組織の支持組織が乏しく,大腿骨ステムはゆるみがなくその前捻角が少ないなどが挙げられた.それらを考慮して,ステムを温存し,設置位置と角度に留意しながら,dual bearing機能を有したセメントレスカップを用いた再置換を行った.術後の可動域も良好で1年の経過で再脱臼は起きていない.本カップは脱臼に対する再置換として,選択肢の1つとなり得ると思われた.
  • 元嶋 尉士, 森 俊陽, 川崎 展, 佐羽内 研, 塚本 学, 酒井 昭典, 大西 英生, 中村 利孝
    2015 年 64 巻 1 号 p. 84-88
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    人工骨頭置換術後や人工股関節置換術(THA)後の臼蓋側高度骨欠損例に対して臼蓋側置換を行う場合には,荷重部への骨移植の併用,high hip centerでのカップ設置,大径カップの使用および臼蓋補強材の使用で対処することが多い.しかし,移植骨の吸収や圧潰によるインプラントの弛みなど様々な問題が指摘されている.今回我々は,人工骨頭置換術後およびTHA後の臼蓋側高度骨欠損例に対して,荷重部への骨移植を必要としないDepuy社製Oblong Cup®を使用した人工股関節再置換術を施行したため,その治療成績を報告する.対象は4例4股,全例女性で平均年齢は68歳,術後平均経過観察期間は4.3年であった.全症例でカップの弛みを認めず短期的なX線学的安定性は良好であった.Oblong Cup®および同形状のカップを使用した症例に関して,文献的考察を加えて報告する.
  • 江良 允, 安達 耕一, 森 愛, 瀬良 敬祐
    2015 年 64 巻 1 号 p. 89-91
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    平成20年度から平成24年度の5年間に当院で治療を行った大腿骨頚部・転子部骨折941例のうち死亡退院19例について,性別,年齢,骨折型,死因について検討を行った.男性:5例,女性:14例,平均年齢:86.4歳,平均在院日数:45.9日,手術内容は人工骨頭置換術(以下同様):7例,CCS:3例,CHS:2例,short femoral nail:5例,手術不能例:2例であった.手術を行った症例の平均待機日数は4.7日間であった.死因は,肺炎:8例,心不全:3例,呼吸不全:3例,脳梗塞:2例,肺梗塞,出血性ショック,胆嚢癌が各々1例ずつであった.脳梗塞,肺梗塞の3例は全て入院時併存症が無く,受傷前は歩行可能であった症例で,受傷後30日以内に発症していた.
  • 保利 俊雄, 菊池 克彦, 鍋山 亮太郎, 安部 大輔, 細川 哲
    2015 年 64 巻 1 号 p. 92-95
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキング・プレート(以下VLPと略す)は多種多様で,それぞれのプレート特有のコンセプトが存在する.今回,橈骨遠位端骨折AO分類typeC3に対しAcu-locとAcu-loc2を使用し観血的整復術を行った症例の治療成績の比較検討を行った.【対象と方法】Acu-loc使用例は6例.Acu-loc2使用例は6例.術直後と術後3か月のX線学的変化(volar tilt, radial inclination, ulnar variance)と可動域,握力,合併症の有無による臨床評価を検討した.【結果】各X線計測値の矯正損失量,および可動域,握力,合併症の有無による臨床評価のいずれにおいても有意差を認めなかった.【考察】関節内粉砕骨折において,屈筋腱損傷や正中神経障害といった合併症を踏まえるとプレート遠位部をロープロファイル化しているAcu-Loc2を使用することが望ましい.
  • 村田 大, 小島 哲夫, 溝口 知行, 上新 淑文, 小川 光, 財津 泰久, 仲西 知憲, 牛島 貴宏
    2015 年 64 巻 1 号 p. 96-98
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】比較的稀なSpaghetti wristの症例を経験したので報告する.【症例】24歳,女性,看護師.発作的に左前腕遠位掌側をカミソリにて複数回切り受傷した.即日前医にて洗浄,縫合処置を受け,同日当院紹介受診となった.受診時,示指~小指のPIP,DIP関節全てで自動屈曲不能,環指小指PIP関節の自動伸展も不能,小指は知覚消失していた.受傷5日後に手術を行った.尺骨神経,尺骨動脈,FCR,FCU,PL,示指~小指のFDS,FDPの全てが断裂していた.尺骨神経,尺骨動脈は2ヶ所で断裂しており,尺骨動脈の損傷が著しかった.FDS,FDP全てと尺骨神経,FUR,FCUを縫合した.その後腱癒着の為手指の伸展が十分にできなくなり,術後7週で腱剥離術を施行した.術後10ヶ月の時点で手指,手関節全てで%TAMは100%となり,小指の感覚はSW値で2.83と回復を認め,現職に復帰する事ができた.
  • 明石 浩介, 安部 幸雄, 守屋 淳詞
    2015 年 64 巻 1 号 p. 99-101
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    手内在筋の萎縮が高度な重度肘部管症候群では,尺骨神経の神経剥離のみでは十分な運動機能の回復が得られない場合がある.今回,示指外転再建とともに母指内転再建を同時に行い早期のピンチ機能獲得を得た1例を経験したので報告する.【症例】73歳,男性.1年前に脳梗塞を発症し後遺症として左片麻痺を認めた.7か月前より右手のしびれが出現,徐々に箸の使いにくさを自覚し当科を受診した.右第1背側骨間筋の著明な筋萎縮を認め,母指内転,示指外転ともに筋力低下をきたしており,右肘部管症候群,赤堀分類第4期と診断した.母指内転をNeviaser法,示指外転をEdgerton法に準じて再建した.術後1週より外固定を除去しADL訓練を開始,術後5週で良好なピンチ機能獲得を得た.【考察】母指内転,示指外転の同時再建は,神経剥離によって運動機能の回復の期待できない高齢者において,早期のピンチ機能の獲得とADL改善が得られる良好な術式であった.
  • 峯 博子, 荻本 晋作, 鶴田 敏幸
    2015 年 64 巻 1 号 p. 102-105
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    上腕骨内側上顆下端の分離・分節については,骨折なのか骨化障害なのか未だ不明な点も多く,治療方針も施設により異なる.これは病態の認識の差異が原因と考え,我々は高分解能MRI画像を用いて上腕骨内側上顆下端裂離の評価を行い,病態について検討した.対象は肘内側部痛を主訴に受診し,単純X線上,上腕骨内側上顆下端に分離・分節を認めた成長期野球競技者で,マイクロスコピーコイルを用いた高分解能MRI撮影を行った18例(全例男性,平均年齢11.1歳,疼痛発生から初診まで平均23.1日)である.MRIは患側と健側の冠状断および軸位断を用いて軟骨膜の破断の有無,軟骨膜の偏位の有無,前斜走靱帯(AOL)の輝度変化の有無を評価した.その結果,MRIにおいて全例に軟骨膜の損傷とAOLの輝度変化が認められた.以上の結果より,内側上顆下端の分離・分節は骨化障害ではなく,AOLを介した牽引性の骨折であると考えられた.
  • 中沢 不二雄
    2015 年 64 巻 1 号 p. 106-108
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    中高齢者の単純肘関節脱臼の2例を経験したので報告した.2例とも荷物を持ったまま転倒して,肘伸展,前腕回外位で受傷した.即刻無麻酔下,肘関節軽度屈曲位,前腕回外位で牽引し整復した.整復後ギプスなどの外固定は行わず,外来通院とした.その後,患者は合併症なしで経過している.今後中高齢者が荷物を持ったまま転倒して単純肘関節脱臼を受傷する症例に遭遇する機会が増えると思われる.
  • 伊東 孝浩, 山下 彰久, 原田 岳, 渡邊 哲也, 上森 知彦, 富永 冬樹, 小薗 直哉, 岡 和一朗, 白澤 建藏
    2015 年 64 巻 1 号 p. 109-113
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】肘関節脱臼骨折は解剖学的な整復が得られても肘関節不安定症や関節拘縮を来しやすく,骨性因子と軟部組織の安定性を得ることが重要である.【症例】80歳女性.転倒により肘関節脱臼骨折を受傷.脱臼整復後の精査で橈骨頭骨折,尺骨鉤状突起骨折,外側側副靭帯損傷を伴ったterrible triadと診断した.治療は人工橈骨頭置換術+外側側副靭帯再建術を施行した.術後早期より可動域訓練を行い,術後1年8ヶ月時点では日常生活には支障はなく,疼痛もほぼ消失,可動域は伸展-30°,屈曲140°,回内50°,回外90°でJOAスコアは85点であった.【考察】本症例はO'Driscoll分類でtip fracture subtype2であり尺骨鈎状突起を内固定しなかったため前方関節包の癒着が原因で伸展制限の可能性が示唆された.しかし活動性の低い高齢者においては良好な結果を得ることができた.
  • 普天間 朝拓, 池間 正英, 上原 健志
    2015 年 64 巻 1 号 p. 114-118
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    2011年5月から2014年2月の間に,非定型大腿骨骨折(atypical femoral fracture,AAF)の診断で手術治療を行った7症例について報告する.全例女性で,平均年齢77歳,受傷機転は身長程度の高さからの転倒6例,大腿部の軽い捻転での発症が1例であった.ビスフォスフォネート製剤の長期服用症例は4例,プロトンポンプインヒビター製剤の長期服用が3例であった.全症例に順行性髄内釘を行った.平均経過観察期間は10ヶ月で1年以上経過した症例では荷重歩行が可能な程度の仮骨形成,骨癒合を認めた.非定型大腿骨骨は,BP製剤およびPPI製剤の長期服用に関連して発生する可能性が報告されており注意する必要がある.
  • 樫原 稔
    2015 年 64 巻 1 号 p. 119-121
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    大転子単独骨折6例を含む大腿骨転子部不顕性骨折21例に対して,早期全荷重・離床などのリハによる保存療法を行った.19例で骨折部は転位せずに骨癒合し,2例は骨折部が転位したため内固定術を行った.全身の合併症を生じた3例以外は,ほぼ受傷前の歩行能力を獲得した.MRIで骨折線は後方スライスでは縦方向に,前方スライスでは横方向に小転子より上方に走る傾向にあった.大腿骨転子部不顕性骨折に対して,手術治療は早期除痛・離床目的に行われたり,疼痛遷延例などに行われたりする報告がある.一方,保存療法派においては受傷直後の疼痛や骨折部転位の懸念のため,荷重や離床を遅らせる報告が多い.われわれは,多くの例で受傷前の歩行能力を獲得したり,骨折部が転位したりせずに保存療法が可能であったことから,早期全荷重・離床の保存的治療を原則としている.
  • 内山 迪子, 日高 信道, 原 真一郎, 野口 智恵子
    2015 年 64 巻 1 号 p. 122-125
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】ビスホスホネート内服中に非定型大腿骨転子下骨折をきたし,手術を行った骨Paget病の1例を報告する.【症例】71歳男性.右股関節部痛を主訴に当院受診し,精査の結果,骨Paget病と診断された.その後胸部痛を認め,他院内科にてビスホスホネート製剤の内服を開始した.疼痛なく経過していたが,5年後に右大腿部違和感を訴え,レントゲンにて大腿骨転子下不全骨折を認めた.安静のみで疼痛軽減し退院となったが1年後に再度疼痛が出現し,骨折線の開大を認めたため髄内釘固定を行った.術後4ヶ月で骨癒合が得られ,術後3年の現在も疼痛なく歩行可能である.【考察】ビスホスホネート内服中の骨Paget病患者に発症した,非定型大腿骨転子下骨折に対して髄内釘固定を行い,良好な結果が得られた.
  • 廣田 高志, 尾上 英俊, 中村 厚彦, 森 俊, 大久保 昭史郎, 植木 貴之
    2015 年 64 巻 1 号 p. 126-128
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    股関節後方脱臼骨折は整復後の大腿骨頭壊死や変形性股関節症の発生が問題となる.今回当科で股関節後方脱臼骨折に対し骨接合術を行った症例について検討したので報告する.2000年4月~2012年12月までに股関節後方脱臼骨折に対し骨接合術を行い1年以上経過観察可能であった13例を対象とした.全例男性で受傷時年齢は17~73歳(平均46歳),術後経過観察期間は1年~5年2か月(平均2年4か月)であった.骨折型はThompson & Epstein分類を用いて分類し,Type IIが3例,Type IIIが4例,Type IVが3例,Type Vが3例であった.全例受傷直後に当院へ救急搬送されており,救急搬入から脱臼整復までの時間は30分~5時間52分(平均2時間13分)であった.これらの症例に骨接合術を行い,1例で大腿骨頭壊死・変形性股関節症を認めた.合併症の予防には受傷後早期の正確な整復固定が必要であると考えられた.
  • 荒木 貴士, 梶山 史郎, 松尾 洋昭, 飯田 健, 田上 敦士, 津田 圭一, 富田 雅人, 宮田 倫明, 尾崎 誠, 古川 敬三
    2015 年 64 巻 1 号 p. 129-132
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    Propionibacterium acnes(以下Acnes菌)による鏡視下腱板修復術(以下ARCR)後感染の1例を経験したので報告する.【症例】57歳男性.右肩腱板広範囲断裂に対し,ARCRを施行.術後7週頃から右肩の腫脹を自覚していたが,術後8週の経過観察時に発熱・局所熱感は明らかでなかった.血液検査・MRI及び関節穿刺にて術後感染と診断し鏡視下デブリドマンを施行.術後DAP525mg/日+CAZ6g/日の経静脈投与を開始した.術後13日目に穿刺液の増菌培養にてAcnes菌を検出したため以後CLDM900-1800mg/日(経静脈・内服)へ変更し術後6週まで投与した.以後の経過は良好で術後1.5年の経過観察時に感染の再燃を認めなかった.【考察】ARCR後の感染は比較的まれとされているが,術後数ヵ月の経過で感染が疑われる場合には,起炎菌としてAcnes菌も念頭に置く必要がある.
  • 矢野 良平, 西井 章裕, 吉兼 浩一, 大江 健次郎, 岡田 文, 深川 真吾, 山口 司
    2015 年 64 巻 1 号 p. 133-135
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】当院では鏡視下腱板修復術後の術後疼痛対策としてNSAID・ノイロトロピン定期内服,腕神経叢持続ブロックを行っていた.新たに関節周囲カクテル注射を併用したため術後除痛効果について検討した.【方法】鏡視下腱板修復術48例(鏡視下上方関節包再建3例含む)を対象とした.28肩は手術終了時にロピバカイン,ステロイドを含む薬液(カクテル注射)をポータル周囲軟部組織と三角筋内に注入し,カクテル注射施行前の20肩と比較検討行った.【結果】術後24時間以内のレスキュー回数(PCAボーラス,坐剤投与など),術後1・2・3・5日目のNRSを比較したがいずれも両群で有意差は認められなかった.カクテル注射群において術後感染を1例認めた.【考察】腕神経叢持続ブロック等他の疼痛対策を行っている当施設ではカクテル注射による除痛効果に有意差は認められなかった.腕神経叢持続ブロック使用によりカクテルは必ずしも必要ではないかもしれない.
  • 木村 岳弘, 諸岡 孝明, 伊藤 嘉浩, 原田 洋, 橋本 卓, 増田 祥男, 諸岡 正明
    2015 年 64 巻 1 号 p. 136-139
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    上腕骨近位端骨折の治療において,大結節の転位が残存した症例をしばしば経験する.今回転位が残存した大結節によるインピンジメント症候群に対して鏡視下手術を行ったので報告する.【症例1】46歳男性.平成18年に右上腕骨大結節骨折の治療を行ったが,右肩痛が残存したため,平成24年3月に当院紹介となった.インピンジメント徴候を認め,画像上,大結節が約6.3mm上方に転位していた.鏡視下大結節形成術を行い,症状の改善を認めた.【症例2】60歳女性.平成24年1月に左上腕骨近位端骨折を受傷し,他医でプレートによる骨接合術を受けたが,左肩痛が残存したため平成25年5月に当院を受診した.可動域制限とインピンジメント徴候を認めた.画像上,骨頭上方に大結節の骨片が残存していた.鏡視下骨片摘出を行い,症状の改善を認めた.【まとめ】上腕骨大結節の転位が残存した2例に対し鏡視下手術を行い,良好な成績が得られた.
  • 田中 寿人, 笠原 貴紀, 秋山 菜奈絵
    2015 年 64 巻 1 号 p. 140-144
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】上腕骨近位端骨折は高齢者に多く,高齢社会の我が国では介護の面からも早期に施設でも管理可能とする事が求められる時代となった.種々の内固定器材の中でも髄内釘長が細くて短いPin Lock NailTM(MIZUHO corp,Tokyo)は腱板や骨関節に与える影響が少なく,さらに髄内釘によるより良い固定力も期待された.【対象】対象は平成18年から24年までに上腕骨近位端骨折に対して観血的手術を行った12例で,男性2例,女性10例,平均年齢78.3歳,平均観察期間は12.4ヶ月であった.骨折型はAO分類でA2:2例,A3:6例,B2:2例,C2:2例であった.【結果】術後最終観察時でのJOAスコアは平均78.3点であった.【まとめ】Pin Lock NailTMで良好な成績が得られた.髄内釘で手術を行う場合はネイル挿入前の整復とネイル挿入位置が肝要である.本髄内釘は刺入部大結節に骨折線がない場合は外側刺入で3点固定を得た方が固定性が良かった.
  • 中野 賢二, 有島 善也, 高橋 建吾, 今村 勝行, 武冨 榮二, 砂原 伸彦
    2015 年 64 巻 1 号 p. 145-147
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    今回,関節リウマチ(以下RA)治療中に手指屈筋腱抗酸菌症が判明した2例を経験したので報告する.症例1は81歳女性,近医でRA治療中,メトトレキサートを追加したところ右手関節腫脹が出現したため感染性関節炎を疑われ当科受診,屈筋腱腱鞘滑膜炎の診断で滑膜切除術施行した.術後,創部浸出液のPCRでM. intracellulare陽性のため化学療法施行,右手関節腫脹は改善した.症例2は74歳女性,近医で関節リウマチと診断し内服開始したが,右手関節腫脹と手指のしびれ持続するため当科受診した.屈筋腱腱鞘滑膜炎による手根管症候群と診断し滑膜切除術施行,滑膜からは抗酸菌症を示唆する所見は認めなかった.術後1カ月より右手関節腫脹が再燃し保存治療でも改善せず,再度滑膜切除術施行,病理で結核が疑われ化学療法開始,右手関節腫脹は改善した.慢性に経過する治療抵抗性の滑膜炎の場合,抗酸菌症も疑う必要がある.
  • 高橋 良輔, 黒木 一央, 坂本 和隆, 村田 雅和, 熊谷 謙治, 河野 昌文, 重松 和人
    2015 年 64 巻 1 号 p. 148-151
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    組織学的にサルコイドーシスが疑われた抗酸菌症を経験した.症例)67歳男性.既往:糖尿病.右手背部腫瘤を主訴に来院した.右手背部に2.5×3.0×0.5cmの弾性軟の腫瘤を認め,軽度圧痛を除くと血液検査,X線検査上,有意な所見はみられなかった.MRIでは手背~手関節に伸筋腱腱鞘の腫瘍性肥大と液体貯留を認めた.軟部腫瘍,感染等による肉芽腫を疑い,切開生検を施行した.肉眼的には腱鞘周囲に腫瘍性病変がみられた.病理検査では壊死を伴わない類上皮細胞様の細胞増殖が主体をなしサルコイドーシスと診断された.手術後3週間でMycobacrerium marinumが検出され,抗菌薬治療を開始した.考察)本症例では病理組織学的に腫瘤内に乾酪壊死を検出できなかったので,積極的に抗酸菌症は診断されず,サルコイドーシスの所見と考えられた.しかし抗酸菌症とサルコイドーシスの治療法は全く異なるので鑑別は重要である.診断不確定な腫瘍では適切な病歴聴取,MRIや抗酸菌検査を含めた細菌培養が望まれる.
  • 富田 雅人, 宮田 倫明, 田上 敦士, 梶山 史郎, 野崎 義宏, 安倍 邦子, 林 徳眞吉, 尾﨑 誠
    2015 年 64 巻 1 号 p. 152-154
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】非常に稀な疾患である骨外性通常型軟骨肉腫の1例を経験したので報告する.【症例】症例は50歳,女性である.200X年夏に,右下腿内側の腫瘤に気付いた.疼痛なく放置していたが,200X+1年1月腫瘤が初めて気付いた時の約2倍の大きさとなった為に,2月某日当科を紹介受診した.初診時,右下腿内側に,5×3cm大の弾性硬の腫瘤を触知した.MRIではT1強調画像で等~軽度高信号の不均一な像,T2強調画像で高信号主体の不均一な像を示した.200X+1年6月手術(辺縁切除術)を行った.コンサルテーションの結果,病理診断は骨外性通常型軟骨肉腫となった.術後3ヵ月で追加広範切除を行った.術後4年の現在再発・転移を認めていない.【考察】骨外性軟骨肉腫は一般に,粘液型と間葉型に分類されるが,通常型は非常に稀である.文献的考察を加えて報告する.
  • 畑中 敬之, 井上 三四郎, 中家 一寿, 吉田 裕俊, 福元 真一
    2015 年 64 巻 1 号 p. 155-158
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    初診時原発不明の転移性骨腫瘍6例(男性:4例 女性:2例 平均年齢:73歳)に対して当科で原発巣を同定し,当該診療科に引き継いだ.原発巣は胃癌・肺癌重複1例,血液癌3例(多発性骨髄腫2例,悪性リンパ腫1例),膵癌1例,前立腺癌1例であり,最終的に原発不明癌はなかった.原発巣同定の手掛かりとなった検査は画像検査(CT)が2例,腫瘍マーカーや免疫電気泳動などの採血が3例と比較的簡易検査であった.1例は生検まで必要であった.他科に引き継ぐまでに要した時間は3~37日(平均18日)であった.原発巣の検索に時間がかかりすぎると患者にとって限られた予後が少なくなる不利益が生じるため,整形外科医として適切な検査を選択し,当該診療科に早期に引き継ぐことが重要である.
  • 杉本 一樹, 佐藤 広生, 末吉 貴直, 岡 潔, 水田 博志
    2015 年 64 巻 1 号 p. 159-163
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    稀な神経周膜腫の1例を報告する.症例は51歳,男性であった.平成25年5月に右足部の腫瘤を自覚し近医を受診し,MRIにて腫瘍性病変を指摘され,同年7月に当科紹介受診となった.右足部内側に径3cm×2.5cmの弾性硬,可動性不良な腫瘤を触知し圧痛を認めた.MRIでは母趾外転筋内に辺縁平滑な円形の腫瘤性病変を認め,T1WIで低信号,T2WIで均一な高信号,Gdにて均一な造影効果を示し,拡散強調画像ではADC値は0.58と低く拡散制限を認めた.診断確定のために切開生検を行い,病理所見では卵円形から紡錘形の多角状細胞が錯綜配列やシート状配列をとり増殖し,免疫染色ではEMA,Claudin-1,GLUT-1が陽性,S-100が陰性であったことから神経周膜腫の診断であった.良性腫瘍として腫瘍辺縁切除術を行った.神経周膜腫は神経周膜細胞で構成される良性の末梢神経鞘性腫瘍であり中高年の下肢に好発し,その頻度は非常に稀である.診断確定には免疫染色が有用で,腫瘍辺縁切除術により再発は稀である.
  • 宮田 倫明, 富田 雅人, 田上 敦士, 梶山 史郎, 横田 和明, 西 亜紀, 尾﨑 誠
    2015 年 64 巻 1 号 p. 164-167
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】比較的稀な小児の足関節に発生した滑膜肉腫の1例を経験したので報告する.【症例】症例は6歳の男児である.2歳頃より右足関節痛が出現.X線で明らかな異常なく装具で経過をみていたが徐々に跛行が増強.MRIにて右足関節後方に軟部腫瘤を認めたため,平成23年12月に当科紹介され初診となった.翌月に腫瘍切除術が行われ病理診断は滑膜肉腫monophasic typeだったが,術後MRIにて残存腫瘍が認められた.小児科で化学療法VCR+Act-D+IFO+DOX(VAIA)を行い残存腫瘍の切除を行ったが断端陽性だった.治療法の選択に苦慮したが患肢温存を優先し,化学療法の変更VAIA+エトポシド(VP16),放射線治療50Gy/25frを行った.術後2年4ヵ月の現在,腫瘍の局所再発や転移はみられていない.【考察】小児発生の滑膜肉腫は長期経過後の再発も報告されており厳重な経過観察が必要である.
  • 南 公人, 濱田 哲矢, 平岡 弘二, 庄田 孝則, 原口 敏昭, 後藤 雅史, 松田 光太郎, 志波 直人
    2015 年 64 巻 1 号 p. 168-170
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    鼠径部に発生した稀な乳房外Mammary-type myofibroblastomaを経験したので報告する.症例は,64歳男性.4年前に左鼠径部の腫瘤に気が付き近医を受診.鼠径ヘルニアと診断され放置していた.平成25年9月,健診異常で精査の為にMRIを施行し,鼠径部の軟部腫瘍を指摘され当院を受診した.左鼠径部に径7×8cmの軟らかい可動性のある腫瘤が触知された.MRIでは,腫瘍は精索に接しておりT1強調像においてhighであるが不均一にlowの部位がありT2強調像では大部分がhighであるがlowの部位も混在した.切開生検の結果,脂肪組織とともに線維芽細胞も認められ高分化型脂肪肉腫が疑われたが,確定診断は出来なかった.手術は,精索,睾丸を合併切除する広範囲切除を行った.摘出組織診断は,乳房外Mammary-type myofibroblastomaとなった.鼠径部に発生したこの腫瘍は,鼠径ヘルニア,高分化型脂肪肉腫と鑑別を要し,注意が必要である.
  • 中川 亮, 松延 知哉, 播广谷 勝三, 松本 嘉寛, 遠藤 誠, 鍋島 央, 横山 信彦, 坂本 昭夫, 岩本 幸英
    2015 年 64 巻 1 号 p. 171-175
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】粘液型脂肪肉腫は他の軟部肉腫と異なり肺外転移が多いことが知られており,フォローアップに注意を要する.今回,当科における粘液型脂肪肉腫のFDG-PET検査結果および転移巣検索,治療効果判定におけるFDG-PETの有用性を後方視的に検討した.【対象と方法】当院へのPET導入以降,粘液型脂肪肉腫に対して治療前もしくは遠隔転移検索時にFDG-PETを施行した11例14病巣を対象とし,調査を行った.【結果】原発巣,転移巣共に7病巣ずつFDG-PETを施行しており,平均SUVmaxは原発巣が平均2.5±0.5,転移巣が平均2.7±1.6であり有意差は認めなかった(p=0.81).転移巣は脊椎転移の1病巣のみ偽陰性だったが,他はすべて異常集積として検出可能であった.化学療法前後にFDG-PETを撮影したものが2病巣あり,いずれも化学療法後には異常集積が低下し,治療効果ありと判定した.【考察】FDG-PETは,粘液型脂肪肉腫において多くの転移巣を検出可能であるが,脊椎転移では偽陰性の可能性があり注意を要する.また,FDG-PETは治療効果判定において有用となり得る.
  • 細山 嗣晃, 田仲 和宏, 糸永 一朗, 河野 正典, 岩崎 達也, 津村 弘
    2015 年 64 巻 1 号 p. 176-181
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    近年,軟部肉腫におけるGemcitabine + Docetaxel併用療法(以下GD療法)の有効性が報告されている.今回当科においても骨軟部腫瘍に対しGD療法を施行したので報告する.対象は骨軟部腫瘍9例,うち6例が遠隔転移を有する進行例であった.男性5例,女性4例,平均年齢59歳(18-78歳)であった.組織型は平滑筋肉腫3例,UPS 2例,骨肉腫,粘液型脂肪肉腫,類上皮肉腫,軟部巨細胞腫が各1例であった.GD療法の平均投与回数は3.5回(1-8コース),平均観察期間は10.3カ月(2.5-18カ月)である.効果判定が可能であった7例では,CR1例,PR0例,SD4例,PD2例であり,奏効率は14.3%であった.有害事象は白血球および好中球減少が全例に認められたが,重篤なものは認めなかった.進行例における無増悪生存期間および全生存期間をカプランマイヤー法で解析すると,それぞれ平均8.7カ月,13.0カ月であった.GD療法は毒性が比較的軽度のため外来治療も可能であり,新しい治療方法として有望と考えられた.
  • 井上 三四郎
    2015 年 64 巻 1 号 p. 182-183
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    約一年間に当院で発生した重症心身障児(者)の骨折について検討を加えた.調査期間内に7人8骨折が生じていた.男性5例女性2例,平均年齢は,41.4(17~52)歳であった.受傷機転は全例不明であるが,自傷行為が強く疑われたものが1例あった.全例で,第三者が腫脹や皮下出血に気づき,診断に至った.骨折部位は,足部3例,手部2例,上腕骨1例,橈骨1例であった.全例に保存治療を行った.この骨折には,診断の難しさなど,いくつかの特有な問題点がある.
  • 山田 聖之, 岡崎 大紀, 新村 辰臣, 光武 慎一朗, 半仁田 勉
    2015 年 64 巻 1 号 p. 184-186
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】当院では転位のある小児上腕骨顆上骨折に対し,緊急経皮的ピンニングを第一選択としている.術後成績とともに,来院時間,来院から手術までの時間について検討した.【対象と方法】2007年2月~2013年12月の期間に当院で手術を行った31例を対象とした.術後成績評価にはFlynnの評価基準を用いた.【結果】Flynnの評価ではfunctional factor(excellent:30例,good:1例),cosmetic factor(excellent:29例,good:2例)であった.来院時間は18~20時の時間帯が最も多く,来院から手術までの時間は平均96.3分であった.【まとめ】緊急手術による対応は,患児の負担を軽減し,合併症のリスク軽減という観点からも有効であるが,そのためには時間外における麻酔科医や救急医との迅速な連携体制が重要である.
  • 熊野 貴史, 藤原 明, 花田 弘文, 山口 史彦, 塩川 晃章, 原 道也
    2015 年 64 巻 1 号 p. 187-189
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    比較的稀な小児大転子裂離骨折の1例を経験したので報告する.症例は12歳,男性.サッカーボールを蹴った際,突然強い左股関節痛が出現し歩行困難となり,受傷より2日目に当院クリニックを受診した.左スカルパ三角に強い圧痛を認め,左股関節は疼痛による可動域制限を認めた.単純X線画像にて左大腿骨小転子は骨端線が離開し,中枢側への転位を認めた.左大腿骨小転子裂離骨折の診断にて保存的加療を開始した.治療は,手術や牽引等は行わず対症療法のみとし,受傷後3週で歩行時痛は消失,受傷後6週でジョギングを開始,受傷後8週でサッカーへ復帰した.治療に関し既存の報告では,手術および保存的治療のいずれも良好な結果が報告されているが,そのほとんどが保存的治療を選択している.本症例は対症療法のみで良好な結果を得ることができた.
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