整形外科と災害外科
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64 巻 , 2 号
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  • 加藤田 倫宏, 坂井 健介, 吉田 健治, 神保 幸太郎, 田中 憲治, 吉田 史郎, 重留 広輔, 下河邉 久雄, 江崎 佑平, 塚本 祐 ...
    2015 年 64 巻 2 号 p. 191-194
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    小児大腿骨小転子裂離骨折は報告例が少なく比較的稀な疾患である.今回我々は本骨折を経験したので報告する.症例:13歳男児 サッカー中にボールを蹴ろうとして空振りし,その直後より左股関節痛出現したため同日当科を受診した.現症:左鼠径部に強い自発痛,圧痛を認め,伸展および自動SLRは疼痛のため不能であった.単純X線,CT:左大腿骨小転子の骨端離開を認め,近位へ約1 cmの転位を認めた.治療経過:左股関節軽度屈曲位での安静臥床を1週間行い,以後免荷にて離床開始し,受傷2週後より徐々に荷重歩行を許可した.受傷後3か月目に良好な骨癒合とともにスポーツ復帰しており,受傷後6か月目の現在,特に問題は生じていない.〈まとめ〉小児における大腿骨小転子裂離骨折の報告は1%以下と比較的少なく,13歳前後のボールを蹴るスポーツに多く発作し,治療は保存的治療で約3か月でスポーツに復帰出来ると思われた.
  • 清原 悠太, 鬼木 泰成, 水田 博志
    2015 年 64 巻 2 号 p. 195-199
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    当院整形外科初診患者における神経障害性疼痛(以下NeP)の割合を,性別,好発年代,部位について調査した.対象は平成25年8月から12月までに疼痛を主訴に来院した512名,男性233名,女性279名,平均受診時年齢は55.5歳である.NePの鑑別にはpainDETECTを用いた.NePと判断されたものは38名7.4%であった.NePの割合が高い部位は頚部12%,肩関節11%,肘関節20%,腰部18%であった.性別は男性18名7.7%,女性20名7.2%であり,ほぼ同等であった.年代別では60代に多かった.NePは慢性疼痛の原因となりしばしば治療に難渋し,長期化する.本研究の結果,日常診療において慢性疼痛を訴え難治である場合,NePも考慮した治療方針を検討する必要性があると考えられた.
  • 末永 英慈, 齊藤 太一, 糸川 高史, 入江 努, 田中 哲也, 小松 孝
    2015 年 64 巻 2 号 p. 200-203
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    2013年2月より7月にかけて新規にプレガバリン処方を行い,4週間以上の経過観察を行った137人(男性82人,女性55人,平均年齢65歳)の治療成績を検討した.投与開始量150mg/日(通常群)と100mg以下/日(低用量群)に分け,治療効果と副作用の発現について検討を行った.効果有りは,通常群20/33人(60.6%),低用量群49/104人(47.1%)であった.副作用の発現は,通常群17/33人(51.5%),低用量群30/104人(28.8%)であった.効果有り症例のうち,低用量群は増量を行っていない1/15人(6.7%),増量を行った8/34人(23.5%)が副作用を生じた.一方,通常量では増量を行っていない4/11人(36.3%),増量を行った4/9人(44.4%)に副作用を認めた.プレガバリン150mg/日での開始は,効果も期待し易いが,副作用の発現も多かった.
  • 樋高 由久, 川崎 展, 佐羽内 研, 森 俊陽, 酒井 昭典, 沖本 信和
    2015 年 64 巻 2 号 p. 204-209
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    当科において人工関節術後に症候性肺塞栓症を呈した症例を検証した.【症例1】60歳女性.左人工股関節置換術後5日目に胸部不快感を認めた.右肺動脈および左膝窩静脈に血栓を認めた.下大静脈フィルターを留置後,抗凝固療法にて血栓は消失した.【症例2】79歳女性.右人工膝関節置換術(TKA)後大腿骨顆上骨折を起こし,右大腿静脈に血栓を認めた.一時留置型下大静脈フィルター留置後,骨接合術を施行したが,術後,フィルターの転位を認め,さらに右肺動脈内に血栓を認めた.一時留置型下大静脈フィルターを抜去および永久型下大静脈フィルターを挿入し,抗凝固療法にて血栓は消失した.【症例3】71歳女性.右TKA術後3日目に右肺動脈および右膝窩静脈に血栓を認めた.術後5日目に一時心肺停止となり,蘇生術を行った.抗凝固療法後,血栓は消失し,症状も軽快した.【考察】症候性肺塞栓症は抗凝固薬を投与していても起こる可能性がある.また,下大静脈フィルターは肺塞栓症の予防に効果的であるが,合併症も存在し,使用には注意を要する.
  • 安部 大輔, 菊池 克彦, 鍋山 亮太郎, 保利 俊雄, 細川 哲
    2015 年 64 巻 2 号 p. 210-214
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    慢性骨髄炎の治療では,病巣掻把に加え,抗菌薬の局所濃度を上昇させることが重要である.今回,下肢慢性骨髄炎に対し,病巣掻把後,抗菌薬充填ハイドロキシアパタイトブロック(ボーンセラムP®)(以下HAb)を留置し治療を行った3症例を経験したので報告する.【症例1】56歳男性.17年前の右大腿骨骨幹部骨折に対する骨接合術術後.起因菌は不明.術後6週で鎮静化した.【症例2】14歳男性.2カ月前の右脛腓骨遠位部骨折に対する骨接合術後.起因菌はMRSA.術後4週で鎮静化した.【症例3】41歳男性.7年前の右大腿骨遠位部開放骨折に対する骨接合術後.起因菌はCNS.術後4週で鎮静化した.3症例ともに再燃なく経過している.【考察】ボーンセラムP®は,局所での長期間・高濃度の抗菌薬を徐放することが可能で,またその優れた生体親和性から抜去も不要なため,他の局所療法に比べ,より簡便で有効な治療手段であると考えられた.
  • 山本 俊策, 二之宮 謙一, 合志 光平, 牟田口 滋, 末次 弘征
    2015 年 64 巻 2 号 p. 215-217
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    内反小趾は第5中足骨頭の外側への突出と第5趾の内反を特徴とし,Bunionette(バニオネット)またはTailor's Bunion(テイラーズバニオン)と呼ばれ,第5中足骨頭の外側に疼痛を生じる疾患である.X線では内反小趾角および第4-第5中足骨間角の増大を認める.保存療法で治療効果が得られない症例に手術を行ったので報告する.症例は70歳女性である.手術法はScarf(スカーフ)法に準じた遠位骨切り術を施行した.術後感染症や神経血管損傷などの合併症はなかった.X線での計測では内反小趾角が術前27°から術後0°に,第4-第5中足骨間角が術前15°から術後3°に減少した.内反小趾の手術療法には第5中足骨頭切除術,第5中足骨頭遠位骨切り術,骨幹部骨切り術,近位骨切り術などがある.今回我々は遠位骨切り術による治療を行った.術後疼痛は軽快し,患者の満足度は高かった.
  • 横田 秀峰, 西岡 宏晃, 中村 英一, 鬼木 泰成, 岡元 信和, 唐杉 樹, 水田 博志
    2015 年 64 巻 2 号 p. 218-222
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    稀なLisfranc関節脱臼を伴わない第1楔状骨単独骨折の1例を経験したので報告する.症例:19歳男性.中型バイク走行中,ブレーキ操作時にスリップして転倒した際に左足を地面とバイクの間に挟まれ受傷した.初診時理学所見で左中足部内側に腫脹と圧痛を認めたが,足背部の斑状出血等の明らかな皮膚障害はみられなかった.X線およびCT画像では第1楔状骨遠位関節面底側1/2に陥没骨折を認めた.手術はキルシュナー鋼線による観血的整復と骨欠損部にβ-リン酸三カルシウム製人工骨補填材を充填した.術後6ヵ月時の画像検査では関節面の形態は整復位が保たれており,術後1年時のJSSF scoreは90点と良好であった.Lisfranc関節脱臼を伴わない第1楔状骨単独骨折は,直達および介達外力により生じるとされているが,足部の皮膚障害がないことや骨折型より,自験例では介達外力によるものと考えられた.このような介達外力による単独骨折の報告は,渉猟し得た限り3例のみであった.
  • 中村 厚彦, 尾上 英俊, 森 俊, 大久保 昭史郎, 植木 貴之, 廣田 高志
    2015 年 64 巻 2 号 p. 223-226
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    距骨外側突起骨折は比較的まれな骨折であり,初診時に見落とされることが多いとされる.今回,本骨折3例に対して観血的治療を行ったので報告する.【症例1】41才女性:階段から転落して受傷.単純X線にて右距骨外側突起骨折を認めた.受傷後1週で骨接合術を行い術後6週から部分荷重を開始した.【症例2】21才男性:バイク走行中に転倒し受傷.単純X線にて右足関節内果骨折,右距骨外側突起骨折を認めた.受傷後10日で骨接合術を行い術後5週から部分荷重を開始した.【症例3】26才男性:バイク走行中に車と衝突して受傷.単純X線にて右リスフラン関節脱臼骨折,CTにて右距骨外側突起骨折を認めた.受傷翌日にリスフラン関節観血的脱臼整復術,受傷後9日目に距骨外側突起の骨接合を行った.術後8週から部分荷重歩行を開始した.距骨外側突起骨折は診断が遅れると偽関節,変形癒合,関節症の原因となりうるため早期診断と治療が重要である.
  • 井戸川 友樹, 岡崎 大紀, 宮井 保尚, 林 和生
    2015 年 64 巻 2 号 p. 227-229
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    近年,一期的両側TKAに関する報告が散見される.当院でも両側変形性膝関節症の罹患例に対して,年齢や全身状態,および患者の希望に応じて一期的両側TKAを施行している.その術後成績や合併症などの問題点について片側TKAと比較検討した.H18年4月からH25年9月の期間で,272件(両側96例,片側176例)を対象に,JOA score,離床までの期間,合併症の有無などを比較検討した.一期的両側TKAは片側TKAと比較し,JOA score,離床までの期間は,大きな差を認めなかった.また,致死的合併症の出現はなかったが,深部静脈血栓症に関しては両側TKAの方が多かった.治療成績には大きな差を認めず,患者の状況によっては,一期的両側TKAは有効な方法となりえる.ただし高齢者に多いことや,深部静脈血栓症などの合併症を考慮し,麻酔科・循環器科をはじめ,多科にわたる診療体制の施設で行うべきと考える.
  • 川添 泰臣, 恒吉 康弘, 小宮 節郎
    2015 年 64 巻 2 号 p. 230-232
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    大腿骨顆上骨折後の下肢不良アライメントに対し,イメージフリーナビゲーションを併用した人工膝関節置換術(以下TKA)について報告する.症例は81歳女性.左大腿骨顆上骨折に対し,骨折観血的手術を施行した.左膝痛,下肢アライメント不良が残存し,FTA 200°日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準(以下JOA score)70/50,変形性膝関節症患者機能評価尺度(以下J KOM)58点,Visual Analog Score(以下VAS)7/10であった.手術後8ヶ月経過した時点で骨内異物除去術および左TKAを施行した.使用機種はAesculap社Columbusとし,Orthopilotを併用した.手術後6ヶ月後にはFTA 178° JOA score 70/85,JKOM 31点,VAS 1/10と良好な成績を得た.本症例においてはイメージフリーナビゲーション併用TKAが有用であった.
  • 上杉 勇貴, 王寺 享弘, 松田 秀策
    2015 年 64 巻 2 号 p. 233-235
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    人工膝関節全置換術(TKA)前に反張膝を呈した症例に対し,その発症因子を検討したので報告する.対象は反張角10°以上の過伸展を呈した反張膝群15膝(R群)と,対照群15膝(C群)とした.全身の弛緩性をCarter 5徴で評価し,単純X線より立位膝外側角(FTA),前後ストレス下での脛骨移動距離を計測した.MRI画像より顆間窩横径比(NWI)を計測し,前十字靱帯(ACL),後十字靱帯(PCL)の損傷の有無を調査した.Carter 5徴は,R群では計測し得た8膝中全例にCarter徴候を認め,C群より多い割合であった.FTAはR群が186°,C群が181°と有意差を認めた.前方への脛骨移動距離はR群が7.3mm,C群が3.5mmであり,2群間に有意差を認めたが後方では有意差を認めなかった.NWIはR群が24%,C群が27%と有意差を認めた.ACL,PCLの変性の有無は共に有意差を認めなかった.R群では関節弛緩性を認める症例の割合が多かった.またACLの変性と反張膝についての因果関係は不明であったが,PCLの損傷は反張膝の発症因子として認めなかった.
  • 中川 亮, 水内 秀城, 岡崎 賢, 濵井 敏, 岡本 重敏, 田代 泰隆, 桑島 海人, 村上 剛史, 岩本 幸英
    2015 年 64 巻 2 号 p. 236-241
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】人工膝関節全置換術(TKA)における脛骨側回旋アライメントに関して,非対称性コンポーネント設置の有用性を検討すること.【方法】対象は当科でZimmer社製インプラントを用いてTKAを施行した40膝で,対称性ベースプレートであるNexGen LPS-Flex 20膝(N群)と非対称性ベースプレートであるPERSONA 20膝(P群)を比較検討した.手術は骨切り面中央と脛骨粗面膝蓋腱内側1/3付着部を結ぶ前後軸(回旋軸)を指標とし,overhangが起きないようにコンポーネントを設置した.術後CTより作製した3次元モデルを用いて,設置位置を評価した.【結果】脛骨コンポーネントの設置位置は目標とする前後軸に対してN群では3.5°±4.3°内旋(‐9.8°‐4.2°),P群では0.4°±3.4°内旋(‐6.6°‐5.1°)であった.理想範囲内(5°以内)設置の割合および内旋設置の割合はN群で55%/65%,P群で80%/35%であり,P群でアライメントの改善が認められた.【考察】対称性コンポーネントではoverhangを避けるよう設置すると,目標とする前後軸に対して内旋設置となりやすく,術後疼痛や拘縮膝の一因となりうる.PERSONAは解剖学的形状を考慮し適切なアライメントが得られるよう設計されており,本研究からも有用なことが証明された.
  • 末次 弘征, 二之宮 謙一, 合志 光平, 牟田口 滋, 山本 俊策
    2015 年 64 巻 2 号 p. 242-244
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    健常な膝蓋靭帯は極めて強靭であり,断裂は稀である.これまで様々な治療方法が報告されているが,その選択については未だ一定の見解が得られていない.今回我々は膝蓋靭帯断裂に対しtelos人工靭帯を用いて再建術を行った1例を経験したので報告する.症例は28歳女性,スノーボードで転倒し近医受診した.身体所見上,左膝蓋靭帯に陥凹を触れ,左膝関節自動伸展は不能であった.X線では膝蓋骨高位を呈し,MRIでは膝蓋骨下極より膝蓋靭帯の連続性が途絶えていた.受傷後2日目に手術を行った.手術はtelos人工靭帯を大腿四頭筋腱深さ1/2の部位に通し,膝蓋骨前面で8の字に交差させて脛骨結節にステープラで固着し,更に膝蓋骨に骨孔を作成し膝蓋骨と膝蓋靭帯を5号エチボンドで縫合する方法で行った.強固な初期固定により術直後から可動域訓練を開始した.術後3ヶ月の短期成績ではあるが,膝関節機能は良好に保たれていた.
  • 根井 吾郎, 米倉 暁彦, 小関 弘展, 千葉 恒, 宮本 力, 穂積 晃, 木寺 健一, 前田 純一郎, 黒木 綾子, 富田 雅人, 白石 ...
    2015 年 64 巻 2 号 p. 245-248
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】膝前十字靭帯(以下ACL)再建術は若年者のみならず中高年者にも行われるようになり,その成績を検討した.【対象】ハムストリング腱を用いてACL再建術を施行した50歳以上の患者15例,男性5例,女性10例,年齢50~64歳(平均54歳),経過観察期間は平均3年5カ月(6カ月~9年6カ月).【結果及び考察】主な受傷原因は,バレーボール4例,転倒転落3例,ソフトボール2例であった.14例で半月板損傷の合併を認め,14例で部分切除術,1例で縫合術を行った.軟骨損傷は膝蓋大腿関節(73%),内側(80%),外側(75%)の順に多かった.術後1年でのIKDC knee score(n=10)は自覚症状で平均70.1(40.2~93.1)点であった.成績不良例はスポーツ復帰状況のスコアが低かった.KT2000徒手最大値の健患差は-4 mmから+1 mmで,70%の症例が-1 mmから+2 mmに属し,30%の症例は-1.5mm以下であった.
  • 松田 秀策, 王寺 享弘, 碇 博哉
    2015 年 64 巻 2 号 p. 249-253
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    片側仮骨延長法(HCO)における術前後の内側半月板(MM)偏位の変化について検討した.当院にてHCO施行し,術前後のMRI撮影可能であった22例24膝を対象とした.性別は男性7膝,女性17膝で,手術時年齢は平均57.7歳であった.手術では,骨切り部にかかる内側側副靱帯のみ剥離を行い,骨棘には手を加えなかった.これらの症例に対し,同一条件下に撮影したMRI冠状断像にてMM偏位率(MDI)を計測し,術前後の変化が-0.1以下を改善群,-0.1~0.1を不変群,0.1以上変化したものを増悪群とした.MDIは術前平均0.46が術後平均0.51とやや増悪しており,MDIの変化については,改善群0膝,不変群18膝,増悪群6膝,であった.これらはMM後角損傷や関節裂隙の変化との関連は認めなかった.HCOにおける臨床成績の改善には,MM偏位と大きな関連はないものと考えられた.
  • 本山 達男, 尾川 貴洋, 田村 裕昭, 古江 幸博, 永芳 郁文, 川嶌 眞之, 佐々木 聡明, 渡邊 裕介, 小杉 健二, 川嶌 眞人
    2015 年 64 巻 2 号 p. 254-257
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    膝外傷後の痛みで,単純X線で異常なくてもMRIで骨挫傷を認めることが散見される.靭帯損傷を伴わない骨挫傷単独例を,受傷機転,骨挫傷部位,疼痛が消失した時期,スポーツ復帰で検討した.対象と方法)対象は2011年11月より2013年12月まで,MRIで膝の骨挫傷単独例と診断し当院で加療を行った13例,13膝で平均年齢は19.6歳(13-36歳),男性10例,女性3例で,後ろ向きに調査を行った.結果)受傷機転はスポーツ中のもの6例,交通事故5例,子供のバットが当たったもの1例,不明1例であった.受傷部位は大腿骨内側顆10膝,大腿骨外側顆2膝,脛骨内側顆4膝,膝蓋骨1膝であった.疼痛の消失時期は受傷後より約3-7週で平均4.2週であった.考察)膝の単独の骨挫傷は診断にはMRIが必須で,予後は良好であるが,骨の外傷であり歩行時痛が消失するのは3週以上かかることが多く,スポーツ復帰は5週以上要した.
  • 崎村 幸一郎, 中原 信一, 太田 真悟, 衛藤 正雄
    2015 年 64 巻 2 号 p. 258-260
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    同側の骨幹部に粉砕を伴う脛骨近位端骨折(開放骨折)の2例を経験したので報告する.症例1は65歳男性.作業中に重量物が下腿に落下して受傷した.脛骨近位端骨折に脛骨骨幹部開放骨折(Gustilo type 3A)と腓骨骨幹部/遠位部骨折を合併しており,緊急でデブリードマンと創外固定が施行された.受傷後14日にMIPO法で内固定を行った.症例2は28歳男性.3輪バイク走行中に対向車と正面衝突して受傷した.大腿骨顆部・脛骨顆部開放骨折(Gustilo type 3A)に対して緊急でデブリードマンと創外固定,スクリューを用いた限局的内固定を行い,受傷後15日にMIPO法で内固定を行った.いずれも高エネルギー外傷で重度の軟部組織損傷を合併していたが,初回手術で膝関節を架橋した創外固定を行い,二期的にMIPO法を行うことで重篤な合併症を起こすことなく良好な機能回復が得られた.
  • 生田 拓也
    2015 年 64 巻 2 号 p. 261-264
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    TKA後の化膿性関節炎に対し関節切開排膿後,創開放のまま直後より運動療法を行い良好な結果を得ており報告した.本法を用いて治療を行った症例は7例で,性別は男性3例,女性4例,年齢は平均78.7歳であった.手術から発症までの期間は1ヵ月以内:3例,3ヵ月:1例,1年以上:3例であった.また,起因菌が同定された症例は5例でMSSA 2例,CNS 1例,肺炎球菌1例,ブドウ球菌属1例であった.全例,一次的に炎症は鎮静化し,創は自然閉鎖した.創閉鎖までに要した期間は平均3.5週であった.しかしながら2例において再発を認め,最終的に再置換術を行った.本法による治療において,通常の膝関節感染の場合これまで再発例はなかったがTKA後の感染の場合は再発例が存在し,再置換術に至る結果となった.しかしながら本法は簡便でありTKA後の感染の場合でも有用な方法であると考えられた.
  • 川口 馨, 村岡 智也, 服部 明典, 村田 雅明, 須田 博子, 山本 哲章
    2015 年 64 巻 2 号 p. 265-267
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    当院では,化膿性膝関節炎に対して滑膜切除術を行い,その後はドレナージ単独で治療を行っている.当院での化膿性膝関節炎の治療成績について検討したので報告する.2006年から2013年に当院で治療した14例15膝を対象とした.男性が7例,女性が7例,平均年齢は73.1歳であった.関節鏡視下滑膜切除術を13例に,直視下滑膜切除術を1例に行い,術後は開放式ドレーンを留置した.全例とも抗菌薬の多剤併用療法を行った.起炎菌はメチシリン感受性黄色ブドウ球菌が6例,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が2例,グラム陽性連鎖球菌が4例,グラム陰性桿菌が2例であった.C反応性蛋白は11例で陰性化し,その平均は術後44.7日であった.Ballardの評価基準はgoodが10例,fairが2例,poorが2例であった.当科における化膿性膝関節炎14例の治療成績はおおむね良好であった.
  • 松下 優, 萩原 博嗣, 新井 貴之, 内村 大輝, 佐々木 大, 水城 安尋, 久我 尚之
    2015 年 64 巻 2 号 p. 268-271
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】TKA後感染は重篤な術後合併症であり,治療に難渋することが少なくない.早期感染の場合はほとんどが術中感染と考えられる.遅発性感染については潜在化していた術中感染が顕在化する場合と体内の他の感染部位からの血行感染が考えられ,今回我々が経験した1例は口腔内常在菌による血行感染が考えられた.【症例】79歳男性 TKA後5年後に感染,膝関節液からStreptococcus agalactiaeが検出された.【考察】症例は,TKA後感染の診断後に歯科受診した際に未治療の齲歯があることがわかった.特記すべき既往歴はなく,検出された菌が口腔内常在菌であったことから,口腔内常在菌の血行感染が考えられた.TKA術後感染の原因菌が口腔内常在菌であった症例はいくつか報告がある.本症例はTKA後の口腔ケアの必要性を示唆する症例と考えられた.
  • 染矢 晋佑, 井手 衆哉, 田島 智徳, 長嶺 里美, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2015 年 64 巻 2 号 p. 272-274
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】人工膝関節置換術における深部感染は重篤な合併症の1つであり,難治性となりやすく治療法の選択に難渋することがある.【対象と方法】平成24年1月から平成25年12月までに当院で行われた初回人工膝関節置換術は361例386膝(TKA 345膝,UKA 41膝)であり,これらに発症した深部感染について検討を行った.【結果】感染例は4例4膝で,全体の1.0%であった.全例早期感染であった.起因菌はMRSA 1膝,MSSA 2膝,不明1膝.感染沈静化までの手術回数は1回が2膝,複数回が2膝であり,1例で人工関節温存できなかった.【考察】両側同時手術の制限や手術時間短縮などの対策により以前に比べ感染症例の減少を認めた.治療法については人工関節にゆるみを認めない場合はまず洗浄を行い人工関節温存を目指すが,合併症があると難治性となる可能性が高かった.
  • 前原 史朋, 崎村 俊之, 安達 信二, 野口 智恵子, 水光 正裕, 矢部 嘉浩
    2015 年 64 巻 2 号 p. 275-277
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    膝窩嚢腫は日常の診療でよく遭遇する膝窩部に生じる嚢胞性病変である.しかし膝窩嚢腫を伴った化膿性膝関節炎の報告は少なく,治療法も確立されていない.今回,膝窩嚢腫を伴った化膿性膝関節炎の1例を経験したので報告する.症例,77歳,男性.以前より両膝痛があったが,明らかな誘因なく左膝痛が増強した.水腫の貯留があり近医で数回の穿刺を受けるも改善せず,約1ヵ月後に当科初診となった.当科初診時の穿刺液の培養でMRSAが検出された.またMRIで化膿性関節炎を疑う所見と共に膝窩嚢腫を認めた.培養結果が出た当日からバンコマイシン投与を開始し,同日緊急に鏡視下関節内デブリドマンおよび観血的膝窩嚢腫切除を行った.術後3日関節内と膝窩部に吸引ドレーンを留置した.術後4週でCRPは陰性化し,6週で抗菌薬投与を終了した.術後4ヵ月のMRIで膝窩嚢腫の再発は認めず,術後半年で感染の再燃なく経過した.
  • 津田 智弘, 上原 昌義, 比嘉 清志郎, 金城 仁
    2015 年 64 巻 2 号 p. 278-280
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    小児の脊髄腫瘍は稀な疾患である.初発症状は疼痛が多いが,初期には神経学的異常を伴わず診断が遅れることがある.我々は繰り返し側胸部痛を訴え,診断に苦慮した小児硬膜内髄外腫瘍の一例を経験した.胸痛や腹痛などの疼痛は小児に多くみられる症状の一つであるが,器質的疾患が明らかでない場合,まれではあるが脊髄腫瘍を考慮し,入念に神経学的診察を行い,画像診断を検討する必要がある.
  • 棚平 健, 藤本 徹, 谷脇 琢也, 岡田 龍哉, 田畑 聖吾, 杉本 一樹, 寺本 周平, 水田 博志
    2015 年 64 巻 2 号 p. 281-283
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    胸髄硬膜内髄外に発生した嚢腫性神経鞘腫の1例を経験したので報告する.症例は45歳,女性で,主訴は右背部,右側胸部痛であった.2年ほど前から右背部,右側胸部痛があり,疼痛が持続するためMRIを撮像したところ,第5から第6胸椎レベルに腫瘍性病変を認めた.造影MRI検査で強いring enhancementを呈する点が他の腫瘍性病変との鑑別に有用であった.病理所見で,嚢腫壁はシュワン細胞性の紡錘形細胞が錯綜しており膠原繊維を伴わず,紡錘形細胞が粗に配列し,Antoni Bタイプの神経鞘腫と考えられた.腫瘍摘出で良好な治療成績が得られた.
  • 杉山 健太郎, 古畑 友基, 川口 耕平, 井上 拓馬, 久芳 昭一, 小河 賢司, 古市 格
    2015 年 64 巻 2 号 p. 284-286
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    (はじめに)外傷性に発生した巨大後咽頭血腫の1例を経験したので報告する.(症例)72歳男性.農作業中に約2 mの高さから転落し受傷.前額部の擦過傷と後頚部痛,両手背部の痺れを自覚し当院救急外来受診.単純X線,CTではC4椎体前下縁骨棘の骨折と後咽頭腔の拡大を認めた.MRIでは椎体前面に大量の出血および血腫を認めた.頚椎過伸展損傷による後咽頭血腫と診断した.来院時は頚部の圧迫感と軽度の呼吸困難感が見られていたが,CT撮影後より呼吸不全状態となったため救急外来で人工呼吸器管理開始し,ICU入室した.保存的に経過観察したが,後咽頭血腫は徐々に縮小傾向を認め受傷14日目で抜管し,受傷後47日目に独歩退院となった.(考察)頚椎過伸展損傷例では,後咽頭血腫を常に疑い軟部組織陰影と呼吸状態に十分注意し治療する必要があると考えられた.
  • 石原 俊信, 吉岩 豊三, 金﨑 彰三, 宮崎 正志, 津村 弘
    2015 年 64 巻 2 号 p. 287-290
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    外傷性環椎後頭骨脱臼は致死的外傷に伴うことが多く,生存例であっても重傷頭部外傷の合併により看過されることがある.今回救命し得た1症例を経験したので報告する.症例は75歳,男性.軽自動車を運転中に大型トレーラーとオフセット衝突して受傷した.自発呼吸はあるが,意識昏睡状態であり,四肢完全麻痺,外転神経麻痺を認めた.急性硬膜下血腫,頭蓋頚椎移行部レベルのくも膜下出血,両側動揺性胸郭,血気胸,骨盤骨折を合併していた.basion-dens intervalは15.8mmと拡大し,condyle-C1 intervalはいずれも正常2.0mmを超える値であり,外傷性環椎後頭骨脱臼と診断した.全身状態が落ち着いた受傷後5週に後頭頚椎固定術を施行した.術後,ベッドアップの制限なく,瞬目で,はい,いいえの意思疎通を行い,離握手も可能となった.
  • 植木 貴之, 尾上 英俊, 中村 厚彦, 森 俊, 廣田 高志, 大久保 昭史郎
    2015 年 64 巻 2 号 p. 291-294
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    股関節脱臼骨折及び大腿骨骨幹部骨折は,転落や交通外傷などの高エネルギー外傷が原因となるものが多い.今回我々はスケートボード中に受傷した下肢外傷の2例を経験したので報告する.【症例1】37歳,男性.スケートボードでジャンプした際に着地に失敗し受傷.単純X線にて右大腿骨骨幹部骨折を認め,受傷5日目に髄内釘による骨接合術を行った.【症例2】39歳,男性.スケートボード中にバランスを崩して転倒し受傷.単純X線にて左股関節脱臼骨折を認め,静脈麻酔下に徒手整復を行った.整復後の単純CTでは骨頭窩付近と臼蓋後壁に骨折を認めたが,保存的に加療を行った.
  • 古畑 友基, 古市 格, 小河 賢司, 井上 拓馬, 久芳 昭一, 川口 耕平, 杉山 健太郎
    2015 年 64 巻 2 号 p. 295-297
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】髄内釘を用いた骨接合術におけるSURESHOTの有用性を検討すること.【対象】当院にて2013年7月から2014年2月にsmith&nephew社のSURESHOTおよびTRIGENを用いた髄内釘手術を行った症例6例.男性2例,女性4例,平均年齢74.7歳(44歳~91歳).上腕骨骨幹部骨折3例,大腿骨骨幹部骨折2例,脛骨骨幹部骨折1例である.【結果】遠位スクリューの挿入ミスや挿入困難な症例はなく,手技的にはスムーズに行えた.【考察】本法では手術時間短縮やスクリュー挿入の正確性の向上,放射線被曝量の減少など,利点は多い.
  • 坂本 智則, 加来 信広, 原 克利, 田畑 知法, 津村 弘
    2015 年 64 巻 2 号 p. 298-302
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】安定型骨盤骨折は通常,大量出血を伴うことは少ない.今回我々は安定型骨盤骨折に対し,経カテーテル動脈塞栓術(TAE)を要した2例を経験したので報告する.【症例1】87歳,女性.歩行中に車に衝突され受傷.両恥骨上下枝の骨折を認めた.来院時の血圧は保たれていたが,造影CTでactive bleedingの所見を認めたためTAEを行う方針とした.処置直前にショック状態となったため,大量輸血を行いつつ,血管造影を施行し,出血源と思われた両閉鎖動脈を閉塞した.TAE後状態は安定し,入院20日目に転院となった.【症例2】96歳,女性.自宅で転倒し受傷.右恥骨上下枝骨折を認め,前医で保存治療されていたが,ショック状態となり,当院搬送.下腹壁動脈,閉鎖動脈のTAEを施行した.施行後2日に前医へ転院となった.【結語】高齢者の骨盤骨折の場合は安定型であっても大量出血を伴うことがあり注意を要する.
  • 坂本 和隆, 河野 昌文, 熊谷 謙治, 村田 雅和, 黒木 一央, 白石 和輝
    2015 年 64 巻 2 号 p. 303-305
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    大腿骨頚部骨折に対して2008.1.1~2012.12.31に骨接合術を行った39例のうち,追跡可能であった30例(男3例,女27例)の治療成績について調査した.平均年齢72.4歳(22-96歳),骨折型はGarden Stage I:18例,II:10例,III:1例,IV:1例.内固定はハンソンピン18例,CCS(2本)5例,CCS(3本)7例であった.偽関節,大腿骨頭壊死,変形治癒などの発生頻度について調査し,偽関節3例,大腿骨頭壊死2例,変形治癒1例を認めた.偽関節と大腿骨頭壊死の発生頻度はそれぞれ10%,6.7%で,平均年齢86.2歳(81-91歳)といずれも高齢であった.高齢者の骨接合術ついては十分な注意が必要と考えられた.
  • 岩田 真一郎, 池村 聡, 井口 貴裕, 松井 元, 光安 浩章, 川原 慎也, 馬渡 太郎
    2015 年 64 巻 2 号 p. 306-308
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】大腿骨転子部骨折術後の側面像で術後経過中にSubtype N(生田分類)がSubtype Pとなる可能性がある事が報告されている.本研究の目的は,側面像での骨片間距離と術後Subtypeの経時的変化についての関連を検討することである.【対象】大腿骨転子部骨折に対して髄内釘(全例MDM社OMネイル)を施行した20例を対象とした.男性5例,女性15例で手術時平均年齢は82.8歳であった.術後平均観察期間は1ヶ月(0.5~4ヶ月)であった.骨折型(Jensen),術直後および最終時のSubtype,術直後骨片間距離(側面像)を検討した.【結果】術直後SubtypeはA:1例,N:18例,P:1例であり,骨片間距離は平均0.56mm(0~3.2mm)であった.Subtype NからPへ移行した症例を1例に認めた.【考察】当科では術中透視でSubtype Nでも骨片間距離がある場合,側面透視像で確認しながらコンプレッションをかけている.NからPへ移行した症例は20例中1例のみであったが,その症例の骨片間距離はなかった.原因として前方骨皮質の菲薄化が顕著であった事が考えられる.症例によっては報告通り,Subtype Aにする事が理想的かもしれない.
  • 高比良 知也, 真島 龍興, 勝野 雷二郎, 佐々木 賀一
    2015 年 64 巻 2 号 p. 309-311
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    当院で加療した大腿骨近位部骨折の症例について臨床的検討を行い,特に生命予後に影響を与える因子について解析した.2008年6月より2012年10月までの期間に大腿骨転子部骨折,大腿骨頚部骨折で入院した症例は90例であった.その中の初回受傷例84例について検討を行った.フォローアップは全例可能であった.検討した因子は年齢,性別,骨折のタイプ,手術の有無,手術法,術前待機期間,受傷前・退院時歩行能力,生活環境,認知症の有無である.観察期間中に11例(13%)に反対側の骨折を生じていた.初回受傷後の1年生存率は79%,2年生存率は66%であった.Log-rank検定にて,年齢,手術の有無,術後歩行能力が有意な予後因子であった.これらの因子についてCox比例ハザード分析による多変量解析を行うと退院時歩行能力のみが生存率へ影響を及ぼす独立した予後不良因子であった.
  • 富永 冬樹, 岡 和一朗, 山下 彰久, 原田 岳, 渡辺 哲也, 白澤 建蔵
    2015 年 64 巻 2 号 p. 312-315
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    不顕性骨折は,その概念の定着とMRIや骨シンチグラフィなどの画像検査の発達により増加傾向にある.今回,高齢者の大腿骨頚部不顕性骨折で,頚部の一部に限局するものを2例経験したので報告する.症例はいずれも80歳代女性で,機転はなく,MRIにて頚部の内下方に限局する髄内信号変化を認めた.1例は保存的加療を行うも,3ヵ月後に大腿骨頭壊死に至り,人工骨頭置換術を施行した.1例は予防的に骨接合術を行い,術後に骨頭下骨折が明らかとなったが,歩行可能となった.前者は予防的骨接合術を行えば人工骨頭置換術を行わずに済んだ可能性があった.不顕性骨折は,病変の拡大の可能性があり,それを考慮して慎重に経過を観察し,状況に応じた加療を行うべきと考える.
  • 前田 和政, 小西 宏昭, 奥平 毅, 久芳 昭一, 吉居 啓幸
    2015 年 64 巻 2 号 p. 316-318
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】強直性脊椎骨増殖症(ASH)に代表される靭帯骨化性の疾患では脊柱が不橈化しており,その椎体骨折では偽関節や遅発性麻痺の危険性が高いとされている.しかし,骨化病変がないにも関わらず偽関節などを発症する症例があり,それは脊柱不橈性のためではないかと考えている.本研究の目的は,胸腰椎移行部における脊柱の可橈性を調査することである.【対象と方法】2010年8月から腰椎手術を行った50歳以上の患者を対象とした.側弯症に使用されているロール撮影法を応用し,仰臥位にて自重による伸展を強制させてX線撮影を行った.また仰臥位での撮影も行い,比較した.【結果】TL角は平均7.3°で,ASHあり群9.2°,ASHなし群3.7°であった.両群を比較すると,ASHあり群はなし群に対してTL角は有意に減少していた(P<0.05).【考察】ASHがある症例の胸腰椎移行部の動きは,ASHがない症例に対して有位に減少していた.しかし,ASHがなくても,脊柱の不橈性を呈していた症例も存在した.
  • 吉原 智仁, 森本 忠嗣, 釘崎 創, 塚本 正紹, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2015 年 64 巻 2 号 p. 319-321
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    腰椎疾患を治療する場合に股関節疾患が潜在している症例も少なくない.腰椎単純X線に股関節を含めることは見逃しを予防できる利点がある.今回佐賀県整形外科標榜医療施設110施設における腰椎レントゲンの撮影方法についての実態を調査した.腰椎レントゲンフィルムの大きさ,股関節を含めているか,脊椎外科専門医勤務歴があるかを調査し,脊椎外科専門医勤務歴の有無で腰椎単純X線正面像に股関節を含めている割合を検討した.腰椎単純X線フィルムの大きさは半切12%,大角21%,B4 17%,大四切19%,四切31%であった.股関節を含めていた施設は25%であった.脊椎外科専門医の勤務歴は25%であり,脊椎外科専門医勤務歴ありの施設では46%,勤務歴なしの施設では18%で股関節を含めていた.股関節疾患の症状と神経根性疼痛が類似していることより,誤診を予防するためには腰椎レントゲン正面像に股関節を含めることが推奨される.
  • 日高 亮, 山元 拓哉, 川畑 直也, 田邊 史, あべ松 昌彦, 河村 一郎, 小宮 節郎
    2015 年 64 巻 2 号 p. 322-324
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    (はじめに)矯正ギプス施行後5年以上経過した早期発症側彎症(Early Onset Scoliosis以下EOS)の3例について報告する.(症例1)13歳女児.四肢短縮型の骨系統疾患を伴う腰椎側彎症.4歳時Cobb角38度でBoston brace開始.7歳で45度となり矯正ギプス施行.13歳で54度となり,T12-L4の前方固定術を施行した.(症例2)10歳女児.特発性側彎症.1歳時46度の胸椎カーブを認め装具療法開始.4歳で68度となり矯正ギプス施行.6歳で75度となり,growing rod法施行し経過観察中.(症例3)10歳男児.完全脳梁欠損,心房中隔欠損,Mental Retardationを伴う.2歳で87度のlong Cカーブを認め装具療法開始.3歳時矯正ギプス施行し24度まで矯正された.5歳で76度となりgrowing rod法に変更.10歳でT2-L3の後方固定術を施行.(考察)3症例は3年から6年程度手術のタイミングを送らせる事が出来,呼吸機能とADLの維持は良好である.主カーブおよび代償性カーブの進行遅延は装具単独より期待し得ると思われ有用な保存療法の選択肢といえる.(まとめ)1. 矯正ギプスで加療した早期発症側彎症の3例について報告した.2. 3-6年程度の手術時期の遅延が得られ,本法は有用と考える.
  • 弓指 恵一, 福原 志東, 赤星 正二郎, 有田 忍, 馬場 賢治, 村上 忠誌, 沖本 信和
    2015 年 64 巻 2 号 p. 325-327
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    偽痛風発作により発熱を伴う急性腰痛を生じた1例を経験したので報告する.症例は70歳男性,3日前より誘因なく腰痛が出現し,徐々に悪化し発熱を伴ったため当科初診.単純X線像で変形性腰椎症を認めた.CTでは椎間関節包の石灰化,MRIではL4/5の両側椎間関節の液体貯留,傍脊柱筋内の異常信号を認めた.採血結果では炎症データ高値を認めた.椎間関節液1.5ml穿刺吸引した後,1日後に解熱し3日後に腰痛は改善した.穿刺液からピロリン酸カルシウム結晶と考えられる結晶が証明され,培養検査は陰性であった.発熱を伴う急性腰痛症に対してはまず化膿性脊椎疾患を疑うべきだが,偽痛風発作によるものも念頭に置く必要があると考えられた.
  • 仲宗根 素子, 仲宗根 哲, 金城 政樹, 堀切 健士, 金城 忠克, 普天間 朝上, 金谷 文則, 村瀬 剛
    2015 年 64 巻 2 号 p. 328-331
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【目的】先天性近位橈尺骨癒合症の前腕骨と正常前腕骨の3次元骨モデルを用いて3次元変形解析を行った.【対象と方法】21例30肢,平均年齢6.4才を対象とし,専用ソフトウエアを用いて橈骨と尺骨の3次元骨表面モデルを正常骨モデルに重層させ,橈尺屈・内外旋・伸展屈曲変形の解析を行った.また,臨床での回内強直位とそれぞれの変形の相関について検討した.【結果】橈骨は正常骨に比べて尺屈変形(平均6.6°),屈曲変形(平均4.5°),内旋変形(平均1.7°)を認め,屈曲変形のみ回内強直位と相関を認めた(r2=0.68).尺骨は橈屈変形(平均3.9°),伸展変形(平均2.7°),内旋変形(平均33.4°)を認め,回内強直位と橈屈変形には弱い相関(r2=0.43)が,伸展変形および内旋変形には相関(r2=0.50)があった.【考察】本症は尺骨の内旋変形が強く,回内強直位と相関を認めた.回内強直位が強い例では,橈尺骨の分離矯正骨切り術に加えて尺骨の矯正骨切り術を加える必要があると思われた.
  • 酒見 勇太, 野村 裕, 中野 壮一郎, 田中 孝幸, 栁澤 義和, 増田 圭吾, 高野 祐護, 有馬 準一
    2015 年 64 巻 2 号 p. 332-335
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】悪性リンパ腫浸潤による病的大腿骨転子下骨折の1例を経験したので報告する.【症例】73歳女性.3ヶ月前より誘因なく右大腿部痛が出現し,1ヶ月前に前医にて右鼡径部リンパ節腫大を指摘された.タクシーを降りた際より右大腿部痛にて歩行困難なり,当科入院となった.レントゲン像にて大腿骨転子下骨折および骨幹部後壁の皮質骨の透亮像を認め,悪性リンパ腫浸潤による病的骨折が疑われた.入院後3日目に髄内釘を用いた骨接合術および骨生検,リンパ節生検を行った.骨組織およびリンパ節にリンパ腫細胞の増殖があり,悪性リンパ腫(Diffuse large B cell lymphoma)の診断にて化学療法開始となった.【考察】明らかな外傷のない悪性リンパ腫浸潤による病的大腿骨転子下骨折は非常にまれである.しかし,非Hodgkinリンパ腫の14~21%で続発性の骨病変を認めるとも報告されており,境界不明瞭な溶骨性病変があった際には悪性リンパ腫も鑑別として考慮する必要があると考えられる.
  • 平田 寛人, 園畑 素樹, 染矢 晋佑, 河野 俊介, 北島 将, 森本 忠嗣, 馬渡 正明
    2015 年 64 巻 2 号 p. 336-339
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】変形性股関節症における神経障害性疼痛(NP)について調査した.【対象と方法】変形性股関節症患者249例264股を対象とした.男性27股,女性237股,平均年齢61.0歳だった.調査項目は,患者背景,painDETECTによるNPの評価,日本整形外科学会股関節機能判定基準(JOA hip score),単純X線写真の評価とした.【結果】NPの要素を含む患者を24.6%に認めた.NPと性別,年齢,画像評価との関連は認めなかったが,JOA hip scoreとの関連を認めた(p<0.01).【考察】変形性股関節症患者の約25%にNPの関与を認めた.またJOA hip scoreとの相関も認め,NPは股関節機能の低下を伴うことが示唆された.変形性股関節症患者の加療にあたる際は,NPの関与を念頭におく必要があると考えられた.
  • 原 正光, 末永 賢也, 川本 泰作, 田中 孝明, 里村 匡敏, 藤田 秀一, 田山 尚久, 香月 一朗
    2015 年 64 巻 2 号 p. 340-342
    発行日: 2015/03/25
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル フリー
    【はじめに】大腿骨転子部骨折に対する骨接合術において多くのメーカーが多種のshort femoral nail(以下SFN)やcompression hip screwを開発している.今回我々はSFNの3機種(PFNA,Gamma 3,Inter Blade Nail)の術後sliding量と3機種を無作為に使用した場合における術後整復位毎の術後sliding量について比較検討した.【対象と方法】2012年6月から2013年6月までに当科で同一術者によりSFNを用いて観血的骨接合術を施行し,2週間以上経過観察可能であった大腿骨転子部骨折31例を対象とした.それぞれ術後1,2週でのsliding量,術後整復位,手術時間,術中出血量,tip apex distance,術前待機時間について検討した.【結果】SFNの3機種では術後sliding量に有意差はなかった.SFNの3機種を無作為に使用しても,術後整復位が外方型と髄内型で術後sliding量が大きくなる傾向があった.【まとめ】SFNの機種の選択に関係なく,術後整復位が術後sliding量に影響を与えると考えた.
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