整形外科と災害外科
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66 巻 , 4 号
選択された号の論文の65件中1~50を表示しています
  • 横井 脩, 有田 忍, 石渕 晃人, 石倉 透, 福原 志東, 赤星 正二郎, 馬場 賢治, 沖本 信和
    2017 年 66 巻 4 号 p. 675-679
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    遠位橈尺関節症に合併した伸筋腱皮下断裂は,関節リウマチ(RA)患者にしばしば認められるが,非リウマチ性遠位橈尺関節症に伴う伸筋腱皮下断裂は稀である.今回,非リウマチ性遠位橈尺関節症に伴う伸筋腱皮下断裂の2症例を経験したので報告する.
    症例1は64歳の女性,症例2は87歳の女性.ともに小指MP関節の伸展制限を主訴に当院を受診した.両症例ともX線でulna plus varianceおよび関節周囲の石灰沈着を,CTで伸筋腱断裂を認めた.また,両症例ともRAは否定的であった.Sauvé-Kapandji法および腱移行術を施行した.両症例とも橈尺関節内に結晶沈着を認め,偏光顕微鏡にてcalcium pyrophosphate dihydrate(CPPD)結晶を認めた.
    遠位橈尺関節症の原因として外傷や変形性関節症,CPPD結晶沈着症などが報告されている.単純X線で手関節周囲に石灰化と尺骨背側脱臼を認めた場合は,CPPD結晶沈着症を念頭に置き,伸筋腱皮下断裂のリスクを考慮する必要がある.
  • 千丈 実香, 入江 弘基, 唐杉 樹, 水田 博志
    2017 年 66 巻 4 号 p. 680-693
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(以下OCD)の遊離期病変に対して,当院における術式と術後短期成績を報告する.【対象と方法】2011年以降,当院でOCDに対して肋骨肋軟骨移植術を行った12肘を対象とした.評価項目は,病変の大きさと移植肋骨数,臨床成績(Timmerman and Andrews score),術前後の可動域,骨癒合期間,スポーツ復帰までの期間とした.【結果と考察】病変の大きさと移植肋骨数は中央型8例の平均0.84 cm2で肋骨1本使用し,外側広範型4例の平均は1.89 cm2で肋骨2本を使用した.Timmerman and Andrews scoreは術前145が術後6ヵ月で174と改善した.可動範囲は111度が121度に拡大した.移植骨の海綿骨部分が不鮮明となる時期を骨癒合とし,全例術後3ヵ月では骨癒合できていた.受験などの理由でスポーツ復帰をしていない2名を除く10例では,5.8ヵ月で元のスポーツに復帰していた.肋骨肋軟骨移植に関しては母集団や評価時期の違いはあるが,可動域やスポーツ復帰時期について諸家と同等であった.
  • 密川 守, 内藤 正俊, 副島 修, ファン ジョージ, 渡邊 徳人, 塩川 晃章, 山元 孝亮, 志波 直人
    2017 年 66 巻 4 号 p. 684-687
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    脆弱性椎体骨折後遷延治癒状態でBKPが施行できない症例のうち,立位の骨盤矢状面アライメントが良好であった3例に対して,PPSを用いて治療し良好な結果が得られた.手術は骨折椎体を矯正せず,あえて椎体圧潰を残した状態でPPSにて固定することで,低侵襲手術にもかかわらず,術後の良好な脊柱バランスの保持,およびスクリューのバックアウトを予防できた.術後6か月においても良好な矢状面アライメントの保持が可能で,日常生活に支障を認めなかった.今回のシリーズにて脆弱性椎体骨折に対してPPSによる治療の可能が示された.ただし,術前立位矢状面アライメントの検討が必須である.
  • 中村 郁也, 宮本 俊之, 福島 達也, 田口 憲士, 森 圭介, 上木 智博, 三溝 和貴, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 4 号 p. 688-693
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    非定型大腿骨骨折はBP(ビスホスホネート)製剤の長期内服や大腿骨の強い彎曲などが関連していると報告されている.いずれも詳細な因果関係が解明されていないが,今回2例の両側非定型大腿骨骨折を経験したので報告する.BP製剤の内服歴がなくても大腿部痛がある場合には反対側の精査が重要であり,治療方針としては,大腿骨の形状に応じて変形矯正を行い,髄内釘による内固定術が第一選択と考える.
  • 赤嶺 卓哉, 安部 孝, 藤田 英二, 高井 洋平, 添嶋 裕嗣, 藤井 康成, 原村 未来, 中谷 深友紀, 金久 博昭, 川西 正志, ...
    2017 年 66 巻 4 号 p. 694-697
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】中高年男性における生涯運動歴の全身身体組成・骨密度(BMD)に与える効果についてDXAを用いて調査し,報告する.【対象と方法】中高年男性59名を,週3時間以上の生涯運動歴を有するA群30名(平均63.7±8.1歳)と平均週3時間未満であったB群29名(平均63.6±6.7歳)とに分け,全例に対しDXAを用いた全身身体組成・BMD測定を行い,両群を比較した.【結果】(1)両群間の全身身体組成では,統計学的に有意な差異を示す項目はなかった.(2)両群間の部位別BMDにおいては,A群の骨盤・脚部BMDの各平均値は,B群に比しそれぞれ有意な高値を示した(いずれもp<0.05).【考察とまとめ】日間平均約30分間以上の様々な生涯的運動の継続は,特に体幹・下肢のBMDの維持に有効であることが示唆された.
  • 櫻井 立太, 菊池 克彦, 大石 秀和, 鍋山 亮太郎, 大石 正信
    2017 年 66 巻 4 号 p. 698-700
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    近年,橈骨遠位端骨折の発生率は超高齢社会に伴い増加傾向にある.しかし,その患者背景や臨床学的特徴に関しての報告は大腿骨近位部骨折と比較して多くない.今回当院における閉経後女性の橈骨遠位端骨折の臨床的背景とその特徴に関して調査した.対象は2011年1月~2015年3月までに橈骨遠位端骨折と診断・加療した閉経後女性75人76例である.受傷機転,骨折型(AO分類),手術の有無,既存骨折・治療後骨折の有無,骨密度測定・骨粗鬆症治療の有無を調査した.平均年齢は72歳(52-92歳)で転倒による受傷が9割を占めた.骨折型は単純型(Type A2・B1-3・C1)が23例(30%),粉砕型(Type A3・C2-3)51例(67%)で粉砕型が圧倒的に多かった.既存骨折は10例(13%)で認め,骨粗鬆症治療が導入されていた症例は4例(5.3%)で骨折後導入した症例は17例(22.4%)であった.既存骨折を認める症例は1割程度であったが,骨粗鬆症検査・治療導入ともに十分とは言えず,骨折連鎖を予防するために治療導入率の向上が求められる.
  • 富田 雅人, 宮田 倫明, 野村 賢太郎, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 4 号 p. 701-706
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    軟部肉腫はいわゆる稀少がんであり,その治療成績は長い間余り改善がみられなかった.しかしながら2012年9月にパゾパニブの使用が承認された.その後2015年12月にトラベクテジンが承認され,2016年2月にエリブリンの適応が拡大され軟部肉腫治療における選択肢が増えた.当科では非円形細胞軟部肉腫に対するファーストラインの化学療法としてADR+IFM(AI)療法を行い,セカンドラインとしてGEM+DTX(GD)療法を行っている.更に,セカンドラインまたはサードライン化学療法として,エンドキサン錠内服を4例,パゾパニブを7症例,トラベクテジンを2症例,エリブリンを2症例に使用してきた.転移・再発を生じた軟部肉腫症例に対する治療を患者さんの社会的ニーズも勘案しながら行っている.これらの小経験から転移・再発を生じた軟部肉腫症例に対する治療戦略及び薬剤の選択についての私見を述べたい.
  • 今別府 信吾, 川内 義久, 富村 奈津子, 山下 芳隆, 前之園 健太, 吉野 伸司
    2017 年 66 巻 4 号 p. 707-709
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    今回我々は右大腿神経麻痺様症状を呈した頸椎後縦靱帯骨化症を経験したので報告する.症例は48歳女性で主訴は右大腿の痺れ,脱力,歩行障害である.当院受診2日前に風呂上がりに急に右膝の脱力感が出現した.受診1日前,右臀部痛も出現し,起立,歩行困難となったため近医を受診し,当院紹介となった.初診時,右大腿前面の知覚鈍麻,右股関節と膝関節の筋力低下を認め,起立,歩行困難であり,軽度の排尿障害と残便感があった.腰椎MRIでL4/5に椎間板ヘルニアを認めたが症状とは合致しなかったため入院精査したところ,C5/6を中心とした頚髄の圧迫を認めた.CTMを行うと圧迫の主因は後縦靱帯骨化であった.症状の発現状況や画像所見と症状の乖離から当初手術は躊躇したが,本人の希望ありC3-7の後方除圧術を行った.術後症状は消失し,経過良好にて術後2週で退院した.
  • 加世田 圭一郎, 神囿 純一, 有島 善也, 砂原 伸彦, 武冨 榮二, 小宮 節郎
    2017 年 66 巻 4 号 p. 710-713
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】明らかな脊髄症状を認める頚椎椎間板ヘルニアを伴った頚椎症性脊髄症に対して,観血的治療計画したが待機期間中にヘルニアの消失と症状改善がみられた1例を経験したので報告する.【症例】64歳女性.特に誘因なく7カ月前から頚部痛,四肢しびれ感を自覚していた.7カ月後,他院で胆嚢炎術直後から歩行障害と巧緻運動障害を認めるとのことで当科紹介となった.初診時に明らかな脊髄症状を認めた.MRI上C3/4脱出型ヘルニアによる高度の脊髄圧迫があり,手術を検討していたが,待機期間中に脊髄症状が改善した.初診5カ月後のMRIでC3/4ヘルニアは消失し以降再発はない.【考察】脊髄症状をきたす頚椎椎間板腰椎椎間板ヘルニアの自然消退の報告は少ない.短期間で症状の改善を示す症例ではヘルニアの自然退縮が得られる可能性がある.
  • 野村 裕, 柳澤 義和, 田中 孝幸, 髙野 祐護, 末次 弘征, 浜崎 彩恵, 真島 久, 松尾 拓, 有馬 準一
    2017 年 66 巻 4 号 p. 714-717
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    [はじめに]我々は低侵襲で安全な後方除圧手術を目指して,頸椎症性神経根症に対する円筒レトタクターを用いた顕微鏡下椎間孔拡大術/ヘルニア摘出を施行したので報告する.[対象]男性9例,女性3例の12症例である.手術時平均年齢62歳(49-78歳),平均経過観察期間は12ヶ月(5-29ヶ月)であった.術前診断は頸椎椎間板ヘルニア:6例,頸椎椎間孔狭窄:3例,神経根性筋萎縮症:3例であった.障害神経根はC5神経根:2例,C6:6例,C7:4例,C8:4例であった.4例で2椎間除圧を行った.[結果]平均手術時間は1椎間あたり141分,術中出血量は49 mlであった.1例で術後に一過性のC5神経根麻痺が生じた.上肢痛は術直後から全例で改善したが,しびれは残存傾向であった.術後の頚部痛の訴えは全例で認めなかった.[結語]円筒レトタクターを用いた顕微鏡下椎間孔拡大術/ヘルニア摘出は比較的安全で創部痛が少なく低侵襲であった.
  • 緒方 光次郎, 池田 天史, 宮崎 真一, 大山 哲寛, 土田 徹, 川添 泰弘, 二山 勝也
    2017 年 66 巻 4 号 p. 718-719
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】高齢者の増加とともに頸椎,腰椎変性疾患を共にもつ例も増加している.ともに手術適応と考えられる症例に対しての手術として1:頸椎または腰椎を手術施行し二期的に他を施行2:片方を施行し経過観察後必要時,他を施行3:頸椎腰椎同時手術を施行が考えられる.我々は可及的に頸椎・腰椎同時手術を施行してきた.【目的】症状を有する頸椎・腰椎変性疾患例に対して,頸椎・腰椎同時除圧手術を施行した高齢者(手術時年齢70歳以上)症例の臨床成績を検討する.【対象および方法】30例(男23例,女7例),手術時年齢70~87歳(平均77.9歳),経過観察期間6~60カ月(平均23.8カ月)疾患は頸椎症性脊髄症と腰部脊柱管狭窄症の合併例30例で1例は胸椎黄色靭帯骨化症も合併,手術法は頸椎椎弓形成術27例,頸椎椎弓切除3例,腰椎椎弓切除30例,胸椎黄色靭帯骨化切除1例.手術に影響する術前合併症は30例中25例にあった.術前抗凝固剤は9例が服用しており,2例は休薬とした.【結果】手術時間71~191分(平均118分),術中出血量30~610 g(平均195 g)術中合併症1例(硬膜損傷),術後合併症6例(感染,創開,せん妄,十二指腸潰瘍,感染性胃腸炎)あるも治癒した.術後の十二指腸潰瘍例1例に他家輸血を要した.離床期間は1~4日(平均1.5日),入院期間平均27.4日(自宅退院19例,転院11例),JOAスコア(頸髄症)術前平均9.9点から経過観察時13.7点(平均改善率40.4%),JOAスコア(腰痛症)術前平均10.5点から経過観察時18.9点(平均改善率43.3%).【考察】同時手術にても耐えうる手術侵襲・術後経過であり,より良い改善を得るためには可能であれば高齢者であっても頸椎・腰椎同時手術を選択して良い.
  • 杉野 裕記, 信藤 真理, 田中 潤, 川﨑 英輝, 山本 卓明
    2017 年 66 巻 4 号 p. 720-723
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    55歳の男性.39度の発熱を認め,同時期より右上肢痛・頸部痛が出現した.発症12日後,症状改善ないため某整形外科医院を受診.発症20日後,体動困難となり某総合病院に緊急搬送となり,同院で施行された頸部CTでC5,6頸椎の破壊像を認めたため,手術加療目的で当科転院となった.既往歴としては未治療のアトピー性皮膚炎があるのみで糖尿病などの既往はなかった.当院に転院時には38.4℃ の発熱を認め,上下肢の筋力低下が出現しており,Frankel分類でC2の状態であった.また頸部MRIではC5,6椎体の周囲にT1低信号,T2高信号領域を認めた.以上より,頸椎化膿性脊椎炎の診断で手術を施行し,約1ヶ月後には1本杖歩行が可能な状態まで筋力は回復した.これらのことから未治療のアトピー性皮膚炎は糖尿病などと同様に頸椎化膿性脊椎炎のリスクの1つとなることが推測された.
  • 伊藝 尚弘, 六角 高祥, 比嘉 勝一郎, 金城 英雄, 金谷 文則
    2017 年 66 巻 4 号 p. 724-727
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    先天性腰椎高度すべり症は早期手術が勧められているが,%slip矯正の程度,固定範囲,骨癒合率,術後神経麻痺などが問題点となっている.症例は,8歳女児の先天性第5腰椎すべり症(Meyerding grade Ⅳ)で,半年前から殿部を後方に突き出す様な歩容異常(でっちり)を来たし,1ヵ月前から腰痛と両大腿後面痛が出現した.両腸腰筋・両長母趾伸筋はMMT4と低下し,アキレス腱反射は減弱していたが,膀胱直腸障害はなかった.脊髄モニタリング下にL4, 5 reduction screwとintra sacral buttress screwを用いてすべりと骨盤後傾を整復し,L5/S1 PLIF+L4/5 PLFと同種骨移植を行った.術前のPT 39゜,SS 33゜,Slip angle 36゜,%slip 85%が,術後PT 25゜,SS 45゜,Slip angle 2゜,%slip 0%と,良好なアライメントに整復された.術後7日目にでっちりは改善,術後1ヵ月で腰痛および両大腿後面痛は軽快,術後5ヵ月の単純X線像で矯正損失はなくCTでL5/Sに骨癒合を認めた.
  • 喜屋武 諒子, 勢理客 久, 屋良 哲也, 金谷 文則
    2017 年 66 巻 4 号 p. 728-730
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    50歳女性.受診数日前から生じた腰痛が急激に増悪し,歩行困難となり当院へ救急搬送された.下肢筋力低下や深部腱反射の減弱・亢進を認めなかった.腰椎X線像ではL5分離滑りを認め,単純MRIのSTIR画像ではL5/S1椎間板の高輝度および両L5椎間孔の狭窄を認めた.高度腰痛が持続したため入院24日目に再度MRIを撮像したところ,L5およびS1椎体にSTIR画像にて高輝度を認め化膿性脊椎炎が疑われた.経過中発熱を認めず,血液検査ではWBC 3900/μL(好中球51%),CRP 0.30 mg/dL,血沈54 mm/1 h,procalcitonin 0.04 ng/mLと炎症所見に乏しく造影MRIでは,L5・S1椎体の淡い造影効果および椎間板の減高を認めるのみであった.以上より化膿性脊椎炎は否定的でありL5/S1不安定性による骨髄浮腫と考えPLIFを施行した.術中検体の培養は陰性で病理所見にて明らかな感染所見は指摘されなかった.術後3ヵ月現在,腰痛なく独歩可能である.
  • 森本 忠嗣, 前田 和政, 松浦 恵里子, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2017 年 66 巻 4 号 p. 731-734
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】整骨院・接骨院を受診した腰部脊柱管狭窄症疑い(LSS)患者の特徴を明らかにすること.【対象と方法】佐賀県の整骨院22施設で腰下肢痛を主訴に受診した患者を対象にアンケート調査を行った.LSS診断サポートツール,腰痛・下肢痛の程度(NRS),整形外科の受診率と平均の治療満足度を調査した.【結果】60歳以上のLSS疑い頻度は43%で,LSS疑いあり群は下肢痛が強く,QOLが低下していた(P<0.01).LSS疑いあり群の整形外科受診歴46%,治療満足度45点,整形外科治療の不満として,痛みが改善しない,薬のみ,説明不足などを認めた.【考察】腰下肢痛で整骨院・接骨院を受診しているLSS疑い患者は少なくはなかった.LSS疑い例の整形外科の治療満足度は45点であり,薬物以外の鎮痛以外に,訴えの傾聴,病状や悪化を防ぐ説明などが整形外科医に求められていた.
  • 中村 優子, 今林 正明, 今林 正典, 大迫 浩文, 矢崎 雄一郎, 福山 勝朗, 土持 亨, 富永 博之, 小宮 節郎
    2017 年 66 巻 4 号 p. 735-737
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】今回我々は,腰椎骨棘により大腰筋損傷による腰痛や腎尿管を圧迫して血尿を引き起こした2症例を経験したので報告する.【症例】症例1 85歳女性.腰痛あり他院受診するも症状変わらず当院受診.来院時左鼠径部痛,腰痛ありX-Pにて腰椎の変形,骨棘を認め,MRIにて左大腰筋の損傷を認めた.症例2 80歳女性.10年くらい前より腰痛あり最近,足のしびれ出現し当院受診.X-P,MRIにて腰椎の変形と脊柱管狭窄を認め,リハビリ,薬物治療を行っていたが肉眼的血尿認め,泌尿器科受診するも原因わからず血管拡張剤を中止し徐々に症状改善した.【考察】骨棘による腰痛が引き起こされたという報告はほとんどないが,腰椎骨棘による機械的刺激で大腰筋損傷や腎尿管損傷の可能性があり日常診療に注意を要する.
  • 比嘉 勝一郎, 金城 英雄, 六角 高祥, 伊藝 尚弘, 金谷 文則, 屋良 哲也, 勢理客 久, 仲宗根 朝洋
    2017 年 66 巻 4 号 p. 738-741
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    上殿皮神経障害は,腸骨稜および胸腰筋膜との間で上殿皮神経が挟まれて疼痛を生じる絞扼性障害である.上殿皮神経は1~2 mm径の細い皮神経であるためMRIなどでは確認できず,上殿皮神経障害の画像的な診断は難しいとされている.今回,われわれは上殿皮神経障害の2例に術前超音波検査を行い,絞扼性の神経腫大と思われる所見を認め,診断に有用と考えられたので報告する.【症例1】73歳女性.10年前から誘因なく右腰痛があり当院を受診.右腸骨稜上に強い圧痛があった.腰椎及び骨盤MRIで疼痛の原因となる病変はなかったが,超音波検査で3.5×2 mmの腫瘤を認めた.上殿皮神経障害と診断,保存的治療で改善なく手術を施行,術中所見では上殿皮神経の絞扼と偽性神経腫を認めた.【症例2】38歳男性.1カ月前から誘因なく左腰痛があり当院を受診.左腸骨稜上に強い圧痛があった.疼痛部の超音波検査でφ2.8 mmの腫瘤を認めた.上殿皮神経障害と診断し手術を施行,術中所見では上殿皮神経の絞扼と偽性神経腫を認めた.
  • 西 紘太朗, 馬場 秀夫, 奥平 毅, 山口 貴之, 山田 晋司, 小西 宏昭
    2017 年 66 巻 4 号 p. 742-745
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    転移性脊椎腫瘍に対し,Balloon Kyphoplasty(以下BKP)を行った報告は散見される.本邦においてBKPは2011年1月に骨粗鬆症性椎体骨折に適応となり,同年12月に多発性骨髄腫あるいは転移性脊椎腫瘍による溶骨性椎体骨折に対して追認された.今回,我々は転移性脊椎腫瘍を要する3症例に対してBKPを施行したので報告する.症例1:40歳女性,乳癌の多発骨転移があり椎体浸潤を認めた第3腰椎に対してBKP施行.症例2:78歳男性,悪性リンパ腫の骨転移による圧迫骨折を認めた第3,4,5腰椎にBKP施行.症例3:79歳女性,乳癌の多発脊椎転移があり椎体浸潤を認めた第1,3腰椎にBKP施行.3例とも術後に良好な除痛効果が得られた.転移性脊椎腫瘍に対して従来の方法に加え,低侵襲のBKPも選択肢の一つとして考慮すべき治療法と思われた.
  • 中山 宗郎, 田上 敦士, 安達 信二, 津田 圭一, 山田 周太, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 4 号 p. 746-749
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    非閉塞性腸間膜虚血は1959年にEndeが腸間膜主管動静脈に閉塞が無い腸管虚血壊死の3例を報告し,以降致死率の高い疾患として報告がなされている.今回我々は透析患者の腰椎固定術後にNOMIを発症し,救命できなかった1例を経験したので報告する.症例は透析歴20年の75歳女性である.破壊性脊椎骨関節症による脊柱管狭窄が生じ,Th10から腸骨までの固定術を全麻下に施行した.術後3日目透析中に血圧低下,低酸素血症,イレウス併発し,ショック状態となり,ICU管理となった.造影CTではSMV分枝狭小化,管区域血流の低下を認め,NOMIが疑われた.術後6日目心停止し,蘇生したがアシドーシス補正不能となった.術後10日目死亡が確認された.NOMIは蘇生率50%であり,循環,呼吸不全,敗血症,血液透析が危険因子である.また血液透析患者の救命率は0%である.予防は難しいが,術前透析中や血圧低下時の腹痛や消化器症状の問診も重要である.
  • 久保田 悠太, 宮﨑 正志, 金﨑 彰三, 石原 俊信, 津村 弘, 吉岩 豊三
    2017 年 66 巻 4 号 p. 750-753
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    思春期特発性側弯症の成人期における遺残例は可撓性が低下し,変形も高度となり治療に難渋する.今回われわれは,凹側肋骨間に骨癒合を呈した高度側弯症の治療を経験したので報告する.症例は,25歳,女性.12歳時,側弯症を指摘され近医受診した.特発性側弯症と診断され受診していたが,通院が途絶えていた.その後腰痛が出現したため,23歳時当科初診となった.高度体幹バランス不全を認め,rib humpが著明であった.その他神経症状は認められなかった.単純X線像では近位胸椎カーブが35度,主胸椎カーブが92度,腰椎カーブが39度であった.強制側屈位X線像では主胸椎カーブは62度,近位胸椎カーブが27度,腰椎カーブは2度まで矯正された.胸部X線像では胸郭変形を認め,呼吸機能検査では拘束性障害をきたしていた.この高度側弯症に対して前後合併手術を施行した.前方解離,Ponte骨切り,肋骨間癒合解離の全周性解離を行い良好な矯正を行うことができた.
  • 井上 哲二, 阿部 靖之, 田上 学, 水溜 正也, 福田 和昭, 畠 邦晃, 吉野 孝博
    2017 年 66 巻 4 号 p. 754-757
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    脊椎手術1475例,男性934例,女性541例を対象に硬膜損傷,硬膜外血腫,深部SSIに関して検討した.硬膜損傷は全体で1.8%に認め,腰椎が23例(88.5%)で最も多く,硬膜損傷群と対照群で手術時年齢はそれぞれ72.7歳(47歳~87歳),66.1歳(14歳~92歳)で有意差を認めた.硬膜外血腫は1.1%に認め,胸腰椎の発生頻度が高かった.手術時間は145.2分(72分-269分)と113.2分(22分-562分)で有意に血腫再手術群が長かった.オッズ比では,ワルファリン13.6,脳梗塞9.6,透析4.1の順に関連性を認めた.深部SSIは12例(0.8%)に認めた.オッズ比は高血圧4.9,透析4.2で関連を認めた.硬膜損傷は高齢者に多く,変性変化との関連が示唆された.手術時間の延長,ワルファリン内服,胸椎レベル,脳梗塞の既往,透析患者は術後硬膜外血腫に注意を要する.
  • 工藤 悠貴, 田中 潤, 信藤 真理, 山本 卓明
    2017 年 66 巻 4 号 p. 758-760
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    epidermoid cystは脊髄腫瘍内の1%未満と非常に稀な腫瘍である.今回,我々は腰椎部に発生したepidermoid cystの1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は54歳女性.10代前半から右臀部~大腿部にかけての疼痛を認めていた.51歳時に近医整形外科受診し馬尾腫瘍の診断.保存的加療で経過を診られていたが,症状増悪したため当院紹介受診となった.MRIではL5椎体レベルに楕円形の嚢胞性病変を認め,造影後のT1強調像で辺縁が軽度enhancementされる腫瘍性病変を認めた.馬尾腫瘍の診断で手術施行.術中所見では,腫瘍は被膜に覆われており,内部からは粉瘤様の黄白色の腫瘍塊を認めた.病理組織検査ではepidermoid cystの診断であった.
  • 川越 秀一, 濱中 秀昭, 黒木 修司, 比嘉 聖, 川野 啓介, 永井 琢哉, 李 徳哲, 関本 朝久, 帖佐 悦男
    2017 年 66 巻 4 号 p. 761-763
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    胸椎硬膜外に発生したまれな血管脂肪腫を経験したので報告する.【症例】32歳女性.主訴は両下肢のしびれ感,筋力低下,歩行困難,膀胱直腸障害.3ヶ月前から下肢筋力の低下を自覚し,1ヶ月前から歩行不能となった.近医でのMRIで硬膜背側に腫瘍性病変を認めたため当科紹介となった.MRIでは第6~10胸椎高位に,T1強調画像,T2強調画像ともに不均一な高信号を示す腫瘍性病変を認め,それによる硬膜背側の著明な圧迫を確認した.造影CT検査では早期に腫瘍の濃染を認めた.椎弓切除後に腫瘍を全摘出した.腫瘍と硬膜の癒着はほとんどなく一塊として全摘出が可能であった.術後より下肢筋力の改善を認め,歩行も可能となり,膀胱直腸障害も改善した.【考察】脊髄硬膜外血管脂肪腫はまれであるが,特徴的な臨床症状,画像所見を有する.今回の症例は硬膜背側に発生し,全摘出が可能であり,予後も良好であった.
  • 前田 和也, 藤本 徹, 谷脇 琢也, 岡田 龍哉, 中村 孝幸, 水田 博志
    2017 年 66 巻 4 号 p. 764-767
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】脊髄髄膜腫は中年女性の胸椎部に好発し硬膜内髄外腫瘍の形態を呈する腫瘍である.下位頸椎に発生しダンベル状を呈した稀な髄膜腫の1例を経験したので報告する.【症例】63歳女性.約3年前から右上肢の痺れを自覚し近医を受診し,MRIで腫瘍性病変を認めたために当科を紹介受診された.MRIにてC6/7-C7/T1レベルにT1で等信号,T2にて高信号,ガドリニウムにて均一に造影されるダンベル型を呈する腫瘍性病変を認め腫瘍切除を施行した.術後病理診断は髄膜腫であった.術後1年目に再発を認めたため腫瘍切除および硬膜再建を施行し再手術後1年経過しているが再発は認めていない.【考察】我々が渉猟し得た範囲では複数の椎間孔にわたるダンベル型髄膜腫の症例は本症例を含め3例のみであり稀な症例であると考えた.
  • 山田 圭, 佐藤 公昭, 佐々木 威治, 井上 英豪, 横須賀 公章, 後藤 雅史, 溝上 健次, 井手 洋平, 松原 庸勝, 松窪 貴志, ...
    2017 年 66 巻 4 号 p. 768-772
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    手術室入室における一足制が手術室環境,脊椎術後感染(SSI)の発生率に与える影響を調査した.当科で脊椎手術を施行した1376例中,一足制導入前の675例(前期群)と一足制導入後の701例(後期群)で手術室の環境と脊椎術後感染の発生率を比較した.手術室の環境は洗浄度測定,浮遊菌と落下菌の培養を行った.手術室の環境は洗浄度,浮遊菌とも有意な増加はなかった.しかし落下菌はバイオクリーンルームの一室で細菌数の増加を認めたが,基準を超える菌の発生はなかった.脊椎SSIは前期群で28例(4.1%),後期群は24例(3.4%)で,2群間に有意差はなかった(P=0.556, Fisherの正確検定).両群のSSIの起因菌は主にブドウ球菌であり,明らかな起因菌の変化は認めなかった.本研究では手術室環境の変化や術後感染の発生率の有意な悪化は認めなかったが,引き続き継続して調査を行っていく必要がある.
  • 泉 貞有, 上森 知彦, 今村 寿宏, 平塚 徳彦, 加治 浩三, 松延 知哉, 河野 勤, 鬼塚 俊宏, 畑中 均, 神宮司 誠也, 岩本 ...
    2017 年 66 巻 4 号 p. 773-781
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】保存治療抵抗性の化膿性脊椎炎に対しPED追加治療を行った症例の成績を評価した.【方法】2014~16年,化膿性脊椎炎に対しPED追加治療を行った6例を対象とした.基礎疾患,罹患高位,起炎菌,臨床検査データ,治療期間,画像検査等を調査した.【結果】基礎疾患を3例に認め,罹患高位は全例で腰椎だった.MRSA感染症は認めなかったが,硬膜外膿瘍を4例に認めた.CRP(mg/dl)は入院時16.6であり,保存治療後のPED術直前(平均36.5日後)2.4に減少するも遷延,術後は1例を除き全例で陰転化(平均27日後)した.【考察】PEDは局所麻酔下で施行できる低侵襲手術である.PED治療を早期に行うと転帰も良い傾向があり,化膿性脊椎炎の診断後,直ちにPEDによる手術治療を施行すれば,感染の早期コントロール・良好な脊柱アライメント保持・神経症状出現の回避・脊椎固定術の回避が得られると思われた.
  • 渡邉 弘之, 相良 孝昭, 畠 邦晃, 竹村 健一, 上川 将史, 永田 武大, 酒本 高志
    2017 年 66 巻 4 号 p. 782-784
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    稀な結核性リスフラン関節炎の1例を経験したので報告する.症例は68歳女性,特記すべき既往歴なし.誘因なく右足の腫脹,疼痛が出現し発症から2ヵ月で初診.単純レントゲンで異常なく経過観察としていたがその後も疼痛持続し6ヵ月後に再診.単純レントゲンで右リスフラン関節の破壊を認めた.精査行なうも確定診断に至らず,診断と治療を兼ねて病巣掻爬,関節固定術施行.術中検体の病理組織検査,抗酸菌培養の結果,結核性リスフラン関節炎と診断した.8ヵ月間の化学療法施行,術後1年で抜釘術施行,術後2年の最終観察時,右足の腫脹,疼痛無く経過良好であった.結核性関節炎の足部発生はまれであり,進行が緩やかな慢性関節炎で臨床症状に乏しいなどの理由で,その診断は困難であることが多い.このため診断,治療に遅れを生じる.関節炎患者においては常に鑑別診断として結核性関節炎を念頭に置くことが重要である.
  • 崎村 幸一郎, 中原 信一, 西野 雄一朗, 衛藤 正雄
    2017 年 66 巻 4 号 p. 785-787
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    化膿性仙腸関節炎は比較的まれな疾患であり,多彩な症状を呈することから早期診断に難渋することがある.今回,保存的治療が奏効せず外科的治療を要した高齢者の化膿性仙腸関節炎の1例を経験したので報告する.症例は79歳女性.当科初診の1週間前より左臀部から大腿後面部にかけて強い痛みが出現し体動困難となった.MRIで左仙腸関節に信号変化を認め,造影CTで仙腸関節近傍に2か所の膿瘍形成を認めた.局所所見と画像所見より化膿性仙腸関節炎と診断した.入院のうえ抗菌薬の点滴投与を開始したが痛みは軽減せず,follow up CTで膿瘍の縮小はごくわずかであった.入院8日目に前方アプローチで仙腸関節上方と前方の2か所の膿瘍を切開し排膿した.術後に痛みは速やかに軽快し,歩行可能となった.感染は再燃することなく経過し,良好な機能回復が得られた.適切な抗菌薬を投与しても膿瘍が縮小しない場合には外科的治療を検討すべきである.
  • 井上 三四郎, 富永 冬樹
    2017 年 66 巻 4 号 p. 788-791
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    犬猫咬傷においては,βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン製剤の使用が推奨されている.以前,我々は当院での犬猫咬傷の現状を知るために,2013年4月から2014年9月までに加療した46例の犬猫咬傷を報告した(富永冬樹,井上三四郎.整外と災外,64:685~689,2015).この報告の中で,45例中13例(28.8%)にしか推奨抗菌薬は選択されていなかった.2015年9月に1枚の治療フローチャートを作成し救急外来に配布した.その後の推奨抗菌薬の選択率を調査した.対象は,2015年9月から2016年6月までに当院を受診した24例(男性5例,女性19例,平均年齢63.8歳.犬咬傷21例,猫咬傷3例)であった.当院での抗菌薬処方がなかった4例を除くと,推奨抗菌薬は13例(65%)に投与されており,既報と比べて有意に増加した.つまり,簡素なアナウンスメントにより,犬猫咬傷における推奨抗菌薬の選択率は上昇した.
  • 竹村 健一, 相良 孝昭, 渡邉 弘之, 畠 邦晃, 上川 将史, 永田 武大, 酒本 高志
    2017 年 66 巻 4 号 p. 792-794
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】当科では臼蓋形成不全股に対し寛骨臼回転骨切術(RAO)を施行している.片側施行群と両側施行群で初回手術側の比較検討を行った.【方法】対象症例は,当科でRAOを施行した症例の内,両側ともCE角20°未満及びAC角10°以上で,術前病期が初期股関節症であるものとし,片側施行群34例,両側施行群14例であった.評価は術前と術後5年経過時で行い,臨床評価はJOAスコアを用いた.画像評価は単純XP正面像にて計測した.【結果】5年経過時に進行期に移行したものは片側施行群3股,両側施行群0股であった.両側施行群は関節裂隙幅が有意に大きく,脚長差が有意に少なかった.【結論】両側施行群は,対側の形成不全の程度が片側施行群に比べ強く,早期に対側の症状が出現したものが多かった.しかし両側施行により左右均等に荷重が可能となり関節症の進行が抑えられたと考えられた.
  • 酒本 高志, 渡邉 弘之, 相良 孝昭, 畠 邦晃, 竹村 健一, 上川 将史, 永田 武大
    2017 年 66 巻 4 号 p. 795-799
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    当院で寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)を施行した症例について,術前後の単純Xp像とCT dicomデータを用いた3D解析ソフトによる計測を行い,前方移動量の評価を行った.症例はRAOを施行した22例22関節,性別は男性1例・女性21例,手術時平均年齢は47歳であった.Xp評価はCE角,臼蓋傾斜角ならびにfalse-profile像よりVCA角を計測した.3D解析ソフトを用いたCT評価は骨頭中心を通る平面でCE角,臼蓋傾斜角,VCA角,前方ASAを測定した.CE角,臼蓋傾斜角は術前後ともにX線・CT計測値は同程度であり有意差を認めなかったが,VCA角は術前後ともにX線・CT計測値は大きく異なり,有意差を認めた.また前方ASAより術後は臼蓋外側まで前方被覆が全体的に改善し,骨頭被覆を十分に確保出来ていることが分かった.
  • 渡邉 弘之, 相良 孝昭, 畠 邦晃, 竹村 健一, 上川 将史, 永田 武大, 酒本 高志
    2017 年 66 巻 4 号 p. 800-803
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    当科における大腿骨頭壊死症に対する大腿骨頭前方回転骨切り術の検討をおこなった.男性14関節,女性4関節,手術時年齢は18歳から50歳(平均33.6歳),発症要因はアルコール性12関節,ステロイド性5関節,外傷性1関節であった.感染2例2関節,早期内固定破綻1例1関節は除外した.以上の症例でインプラント手術に移行した原因,合併症について検討した.最終観察時,関節が温存されていたのは14関節(77.8%)であった.インプラント手術に移行した4関節の原因はOAの進行であった.ステロイド性,Stageが進行したもの,Type C-2でOAの進行が多かった.大腿骨頭回転骨切り術は良好な成績の報告もあるが,施設間・術者間で成績はばらつきが大きいことや,適応を拡大すれば成績は悪くなることが指摘されている.成績向上のためには,手術手技の習熟は重要だが,適切な治療方針,合併症対策についても十分な検討が必要である.
  • 樋口 健吾, 米倉 豊, 河野 俊介
    2017 年 66 巻 4 号 p. 804-806
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】発育性股関節形成不全に大腿骨近位部骨折を生じた比較的稀な症例を経験したため報告する.【症例】症例は84歳女性.自宅で右側へ転倒し受傷.右大腿部痛のため体動困難となり当院へ救急搬送となった.単純X線およびCT検査にて発育性股関節形成不全(Crowe Ⅱ)を認めており,右大腿骨近位部には頚部から転子部にかけて骨折を生じていた.受傷後7日目にbulk femoral head bone graftを併用した人工股関節全置換術にて股関節の再建を行い,大転子部はプレートを用いて骨接合を行った.術後は4週間患肢免荷管理とし,1/3荷重から部分荷重歩行を行い,術後8週で全荷重とした.術後7か月時点で四点式歩行器にて短距離であれば歩行可能となっている.【考察】発育性股関節形成不全股に大腿骨近位部骨折を生じた1例を経験した.本症例と同様の治療報告は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 片山 修浩, 安樂 喜久, 堤 康次郎, 安藤 卓, 立石 慶和, 上川 将史, 武藤 和彦, 髙田 弘誠
    2017 年 66 巻 4 号 p. 807-810
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は59歳女性.7年前に胸部大動脈解離による脊髄梗塞・脳梗塞(両側後頭葉)を発症し,対麻痺と視力障害を認めた.近医にてリハビリ加療を受け発症後9ヶ月で自宅退院された.1年前より在宅サービスを受けており,単純X線検査にて,両股関節周囲に骨化像を認め,股関節可動域低下に伴う車椅子での座位保持困難となったため加療目的に当科紹介となった.異所性骨化による股関節強直を認め,褥瘡も悪化傾向にあったため,股関節可動域獲得するため骨化巣切除術を行った.病理組織検査では,骨梁間の脂肪髄に不整な骨成分を多数認め,異所性骨化として矛盾しない所見であった.術後,エチドロン酸二ナトリウム内服を併用し,股関節は右で60°,左で80°屈曲可能で端坐位可能となり,褥瘡も改善し,現在のところ再発は認めていない.
  • 土居 満, 土井口 祐一, 杉山 健太郎, 水光 正裕, 田口 勝規
    2017 年 66 巻 4 号 p. 811-813
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    妊娠中の女性では凝固系亢進に伴う血栓傾向,手術の際には薬剤の使用や侵襲に伴う胎児リスク等の問題があり,妊娠中の母体の骨折に対する明確な治療方針は存在しない.今回我々は妊娠後期の下腿骨折2症例に対し保存および手術治療を行ったので報告する.保存治療を行った症例では外固定も一因と思われる深部静脈血栓症(DVT)から肺塞栓症(PE)を発症していた.手術治療例では,他科とも十分協議の上手術施行し,合併症を起こすことなく治癒した.手術適応のある妊婦の骨折治療では,産科,麻酔科,患者及び家族とも十分協議の上,手術も含めた治療方針をしっかりと検討する事が必要と思われた.またどちらの治療法でも妊婦に特有の合併症にも留意しながら治療を進めてくことが重要と思われた.
  • 德田 昂太郎, 弓指 恵一, 善家 雄吉, 米良 好正, 岡田 祥明, 山中 芳亮, 酒井 昭典
    2017 年 66 巻 4 号 p. 814-817
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】偽関節症例に対して骨移植の併用が広く用いられるが,その採骨方法としてReamer Irrigator Aspirator(RIA)が近年注目されている.脛骨骨幹部偽関節に対してRIAを併用して治療を行った2例を経験したので報告する.【症例1】68歳の男性.金属パイプが左下腿に落下し受傷した.左脛骨骨幹部開放骨折を認め,一期的創外固定術後に髄内釘固定を行った.術後3か月で内反変形を認め,リング型創外固定器による創外固定と腸骨骨移植を行ったが骨癒合は得られなかった.【症例2】55歳の男性.やぐらが右下腿に倒れ受傷した.右脛腓骨骨幹部開放骨折を認め,一期的創外固定術後にプレート固定を行った.術後10か月で内反変形を認め,骨癒合不全と診断した.これらに対して髄内釘及びRIAを用いた骨移植を行った.いずれの症例においても術後経過は良好であった.【まとめ】RIAを用いた骨移植は,骨欠損を伴う脛骨骨幹部偽関節に対する治療法の選択肢の一つとして考慮し得る方法である.
  • 新村 辰臣, 木股 完仁
    2017 年 66 巻 4 号 p. 818-820
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    今回我々は下腿開放骨折(Gastilo type Ⅲb)に対しTaylor Spatial Frameを用いたbone transportにて治療した1例を経験した.症例は23歳男性.250 ccバイクで走行中に転倒し受傷.右脛骨腓骨骨幹部開放骨折,右踵骨開放骨折を認め,緊急で洗浄・デブリードマン,創外固定施行した.経過中に広範囲の軟部組織の壊死,感染徴候が出現し関連病院内形成外科へ転院し,軟部組織の再建・感染の鎮静化を行い当院へ再度転院となった.骨欠損や感染性偽関節を認め,Taylor Spatial Frameを用い延長量9 cm,延長期間143日間,創外固定期間486日間の経過でbone transportを施行した.最終観察時に脚長差もなく独歩可能である.Bone transportは創外固定器装着期間が長期にわたるという欠点はあるが,マイクロサージェリーの技術が不要であり解剖学的な骨横径が得られ有用な治療である.
  • 根井 吾郎, 日高 信道, 島内 誠一郎, 原 真一郎
    2017 年 66 巻 4 号 p. 821-824
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】足舟状骨骨折は稀な骨折である.その頻度は全骨折中の0.26%といわれている.今回,足舟状骨立方骨粉砕骨折に対しイリザロフ創外固定器を用いて治療した1例を経験したので報告する.【症例】44歳・男性.バイクで転倒し受傷.単純X線・CT検査で左足舟状骨骨折,立方骨骨折,第3楔状骨骨折を認めた.舟状骨・立方骨は粉砕・圧潰していた.受傷9日後にイリザロフ創外固定器を用いて手術を施行した.創外固定ワイヤーを脛骨,踵骨,第1~3楔状骨に通し創外固定器を装着した.楔状骨に固定した創外固定リングは舟状骨を牽引調整できるように装着した.術後6週後に創外固定器を除去し,1/3より部分荷重を開始した.術後12週後に全荷重歩行可能となった.【考察】本症例のように舟状骨・立方骨の粉砕骨折と圧潰が高度な場合は,アーチの低下や短縮を整復保持するためにイリザロフ創外固定器を用いて治療し良好な経過を得た.
  • 福島 庸介, 井上 三四郎, 松原 弘和, 岡本 重敏, 福元 真一, 幸 博和, 吉田 裕俊, 中家 一寿
    2017 年 66 巻 4 号 p. 825-828
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    大腿骨骨折に対し牽引手術台を用いた手術の際,健側の術中骨折を生じた2症例を経験した.いずれの症例も牽引手術台で健側を開排位として体位を取り,骨接合術を施行した.術後の画像検査にて健側の大腿骨の骨折を認めた.介護の現場において,骨粗鬆症や関節拘縮がある高齢者の体位変換の際に,過度の負担がかかり骨折を生じてしまうことが知られている.本症例でも,牽引手術台で体位を取る際に同様の機序で骨折を生じたと推察された.
  • 柴原 啓吾, 美浦 辰彦, 春田 陽平, 牛島 貴宏, 土持 兼信, 川原 慎也, 佐藤 太志, 浜崎 晶彦, 城野 修, 新井 堅, 原 ...
    2017 年 66 巻 4 号 p. 829-831
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    2015年に当院で行われた大腿骨近位部骨折手術症例214例を対象とし,治療の現状について調査した.調査項目は手術待機時間,平均在院日数,術前併存疾患率,術前他科介入率,術後合併症率,術後他科介入率,手術遅延の原因,骨粗鬆症治療実施率,転帰とした.結果,対象者は術前併存疾患率が高く,多くの術後合併症に対して他科受診していた.一般に高齢者の周術期管理のリスクは高い傾向があるが,今後さらなる高齢化に伴い,入院管理の難しい患者が増加することが予想される.これまで我々は当院で大腿骨近位部骨折ガイドラインの指針通り早期手術により治療介入を行ってきた.今後よりよい医療を提供するためには,内科をはじめとする他科との連携をさらに深め,早期から複数科の介入ができるシステム作りを行う必要があると考えられた.
  • 浜崎 彩恵, 田中 孝幸, 野村 裕, 柳澤 義和, 高野 祐護, 末次 弘征, 真島 久, 松尾 拓, 有馬 準一
    2017 年 66 巻 4 号 p. 832-834
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    我々は大腿骨近位部骨折術後のDVTスクリーニングとしてDダイマー値について検討したので報告する.2013年1月~2016年3月に当院で大腿骨近位部骨折の手術を施行した277例のうち,術後6~8日目にDダイマー測定と下肢静脈エコー検査を施行した193例を対象とした.DVTスクリーニングとしてDダイマーカットオフ値を1~30μg/mlに設定しそれぞれの感度・特異度を調査した.また,193例をDVTあり群となし群に分け,年齢,BMI,男女別,骨折型,手術待機期間,周術期輸血の有無,Dダイマー値について統計学的に検討した.更にDVTの発生個所を膝窩静脈より中枢と末梢に分け,それぞれのDダイマー平均値とDVTなし群のDダイマー平均値を比較し統計学的検討を施行した.我々の結果では,Dダイマー高値と女性であればDVTの可能性が有意に高いことが示された.しかし,Dダイマー値はDVTスクリーニング検査に対する特異度が低く,理想的なカットオフ値の設定は極めて困難であった.
  • 古江 直也, 半仁田 勉
    2017 年 66 巻 4 号 p. 835-837
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    大腿骨転子部骨折の術後合併症で骨頭壊死を引き起こすことは稀である.今回重度弁膜症にて保存加療選択された大腿骨転子部骨折に対し骨接合術を施行.術後1年8カ月で骨頭壊死に至り人工骨頭置換術(Bipolar Hip Prosthesis以下BHP)施行した1例を経験したので報告する.症例は78歳女性.転倒受傷.近医で右大腿骨転子部骨折の診断.重度弁膜症を認め保存加療選択された.受傷3カ月経過したが,疼痛強く当院へ紹介.弁置換術行い,その後骨接合術施行.術後1年4カ月で骨癒合を確認.しかし術後1年8カ月で骨頭壊死を生じBHPを施行した.今回の骨頭壊死は保存加療期間の骨折部の不安定性から骨頭への血流減少した可能性が考えられる.大腿骨転子部骨折の保存加療では骨頭壊死リスク高くなるため,合併症の1つとして考える必要がある.また経時的な臨床症状や画像評価をすることが望ましい.
  • 柴田 光史, 尾上 英俊, 中村 厚彦, 廣田 高志, 柴田 達也, 鈴木 正弘, 真田 京一
    2017 年 66 巻 4 号 p. 838-841
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】大腿骨転子部骨折術後に骨頭下骨折が生じることは比較的稀とされる.今回我々は大腿骨転子部骨折に対して骨接合術を行い術後に大腿骨骨頭下骨折を発症した1例を経験したため報告する.【症例】86歳女性,屋外で転倒後歩行困難な状態となり当院へ救急搬送された.単純X線では左大腿骨転子部骨折(Jensen分類3型)を認め,受傷後9日目でshort femoral nailで観血的骨接合術を行った.術後5週目で回復期病院へ転院となった.術後10ヶ月目より誘因なく左股関節痛を自覚し歩行困難な状態となったため当院受診となった.単純X線で大腿骨転子部骨折は骨癒合しており骨頭下骨折を認めたためnailは抜釘し人工股関節全置換術を行った.摘出した大腿骨頭の病理組織像は大腿骨頭壊死の所見であった.
  • 山下 実砂, 佐々木 大, 大迫 浩平, 冨田 哲也, 上田 幸輝, 内村 大輝, 水城 安尋, 萩原 博嗣
    2017 年 66 巻 4 号 p. 842-846
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】大腿骨転子部骨折に対する骨接合術後に股関節脱臼を起こすことは稀である.骨接合術後1年9か月後で誘因なく脱臼した1例を報告する.【症例】88歳,女性.自宅で転倒し大腿骨転子部骨折を受傷し当科を受診した.Jensen分類Type 3,中野3DCT分類3Aの骨折型であった.受傷後4日目にshort femoral nailによる骨接合術を行った.術後整復位は福田分類で内方/髄外型,CTで前内側骨皮質コンタクトを認めた.術後は1週免荷とした.大腿骨頚部は最終的に22.4 mm短縮し癒合した.術後1年9か月に誘因なく左股関節痛が出現し当院に紹介され,左股関節後方脱臼を認めた.無麻酔で脱臼は整復可能であった.外転装具を使用し保存加療を行った.【考察】脱臼の原因として,頚部短縮によるネイルと臼蓋間のインピンジメントが考えられた.
  • 大野 貴史, 薬師寺 俊剛, 林田 実, 栁澤 哲大, 池田 天史, 土田 徹
    2017 年 66 巻 4 号 p. 847-850
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    近年,高齢化社会に伴い不安定型大腿骨近位部骨折は増加傾向であり,その治療については各学会で議論がなされている.我々は大腿骨転子部骨折(AO分類31-A3-2)に対して,Short Femoral Nailにて骨接合を行い,術後6ヵ月で外傷起点なくラグスクリュー刺入部でのインプラント折損をきたした症例を経験した.術後偽関節を生じた大腿骨転子部骨折(AO分類31-A3)・転子下骨折症例においてラグスクリュー刺入部でのインプラント折損報告は散見され,Long Nailや人工骨頭への置換が行われている.本症例も同様に,インプラント抜去しLong Nailへの置換を行った.不安定型大腿骨転子部骨折に対しては,内固定材料を熟考し術中整復操作の工夫と慎重な後療法が必要と考える.
  • 髙田 弘誠, 安樂 喜久, 堤 康次郎, 安藤 卓, 立石 慶和, 武藤 和彦, 片山 修浩
    2017 年 66 巻 4 号 p. 851-855
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】関節内骨折を合併した大腿骨遠位部骨折に対するプレートを用いた内固定術の治療成績を報告する.【方法】2012年2月から2016年2月に手術を行い追跡可能であった14例(C1:3例,C2:9例,C3:2例)を対象とした.男性8例女性6例で,手術時平均年齢は61.0(25~78)歳,平均追跡期間は18.5(3~41)ヶ月であった.術後成績(骨癒合の有無,角度安定性,最終追跡時のNeerの評価基準)を調査した.【結果】12例で骨癒合を認め,C3の1例に偽関節,C2の1例にplateの折損を認めた.最終追跡時の平均Femoral Angleは81.8°,Lindahl’s angleは34.5°であり,3°以上の変化を認めた症例は無かった.Neerの評価基準は平均86点でSatisfactory以上が12例であった.【まとめ】二期的手術を検討する必要があった2例を除いて骨癒合が得られ,矯正損失を来した症例は無く臨床評価は良好であった.
  • 朝永 育, 松林 昌平, 和田 晃房, 千葉 恒, 穂積 晃, 辻本 律, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 4 号 p. 856-860
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【症例】15歳 男性.10歳時に右ペルテス病(lateral pillar classification group B)を発症し,右大腿骨内反骨切り術を施行した.12歳時に左ペルテス病(lateral pillar classification group B)を発症し,左大腿骨内反骨切り術を施行した.術後は両松葉杖にて左下肢免荷としていた.15歳時に左股関節は屈曲30度,外転10度,外旋70度,内旋-20度と著明な可動域制限を認め,座位も困難だった.salvage手術として左大腿骨屈曲増捻外反骨切り術を行った.術直後は左股関節屈曲90度,外転20度,外旋50度,内旋40度と改善した.術後9ヵ月時に座位はとれるようになったが,跛行は残存し,左股関節屈曲60度と可動域制限が残った.【考察】ペルテス病遺残変形による可動域制限に対し,大腿骨骨切り術は治療の選択肢の1つになると考えられた.
  • 石原 聡一, 池田 啓一, 古賀 公明, 菊野 竜一郎, 菊野 光郎, 寺原 幹雄
    2017 年 66 巻 4 号 p. 861-863
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    脳性麻痺などの痙性疾患では下肢のみならず上肢にも痙性,運動機能障害があり全身に影響を及ぼしている.下肢同様に上肢の痙性緩和により様々な効果が期待できる.肩は上肢で中枢に位置し,整形外科的選択的痙性コントロール手術(OSSCS)を行う際に最初に取り組みたい部位であると考えている.肩関節に対するOSSCSについて当院の考え方・対応について述べる.
  • 北村 健二, 中村 哲郎, 多治見 昂洋, 中川 剛, 進 悟史
    2017 年 66 巻 4 号 p. 864-866
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    66歳男性,野球の練習中に左アキレス腱断裂して当院へ救急搬送された.術前に装具を採型し,受傷翌日にアキレス腱縫合を施行した.術後は1週で外固定を除去して可動域訓練及び装具装着下の歩行訓練を開始した.術後19日で自宅退院となったが,術後4週の再診時に下腿の腫脹と発赤,疼痛を認め,下肢静脈エコーで左腓骨静脈内に径5 mm長さ73 mmの血栓を認めた.下腿には装具による圧痕を認め,血栓の発生部位と一致しており,装具の不適合が原因の血栓と判断した.即日抗凝固療法を開始,装具の調整を行った.フォローアップの下肢静脈エコーで血栓は消失,抗凝固薬を中止した現在も再発等無く良好に経過している.
  • 田中 寿人, 秋山 菜奈絵, 笠原 貴紀, 浅見 豊子
    2017 年 66 巻 4 号 p. 867-872
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】運動器不安定症に対して,BEARによるバランス能力改善への効果について,晩期高齢4症例での検討を行った.【対象と方法】当院で運動器不安定症と診断されBEARプログラム計16回を完遂した4例.男性2例,女性2例.平均年齢は86.5歳であった.バランス評価としては快適歩行速度(m/分),Timed Up & Go Test(TUG)(秒),Berg Balance Scale(BBS),歩行能力(FIM)を,プログラム開始前・後に計測した.【結果】BEARにより快適歩行速度:40.2 m/分→48.3 m/分,TUG:22.9秒→16.7秒,BBS:37.5→46.8,FIM:5.5→6と全ての項目が改善した.【まとめ】BEARはゲーム性を持たせた多重課題を同時集中的に行うバランス訓練用のロボットである.今回,晩期高齢者にBEARを用いたところ,晩期高齢症例のバランス練習において,意欲の維持,バランス能力の改善,そして治療効果の均一性に関して有用であると考えられた.
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