整形外科と災害外科
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66 巻 , 3 号
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  • 柳澤 義和, 野村 裕, 高野 祐護, 田中 孝幸, 有馬 準一
    2017 年 66 巻 3 号 p. 435-438
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】当院では外側椎間孔障害に対し円筒レトラクターと顕微鏡を組み合わせた手術(以下,本術式)を行ってきた.今回,当科で手術した本疾患症例について検討した.【対象と方法】対象は2009年4月以降,本術式で治療し半年以上経過観察可能であった30例(男:15,女:15)で平均年齢は65.2才であった.診断は外側椎間板ヘルニア:15例,骨性狭窄:15例であった.平均手術時間は183.6分,平均出血量は22.6mlであった.術前後のアライメント変化(L5/S角),JOAスコアの推移,再手術の有無などを評価した.【結果】術前・術後半年・1年後のL5/S角変化は平均4.0度→4.1度→5.1度で増悪傾向を認めたが,JOAスコアは平均11.9点→21.5点→21.6点と維持されていた.また同高位でのヘルニア再発を2例に,固定術の追加を1例に施行した.【考察】術後アライメントが悪化してもJOAスコアは維持されており,本術式は内視鏡手術同様,低侵襲で本疾患に適した術式と考えられた.
  • 上森 知彦, 加治 浩三, 平塚 徳彦, 今村 寿宏, 泉 貞有, 畑中 均, 鬼塚 俊宏, 河野 勤, 松延 知哉, 神宮司 誠也
    2017 年 66 巻 3 号 p. 439-442
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    はじめに腰椎椎間板ヘルニアは日常よく遭遇する疾患であるが,稀に腫瘍と鑑別を要する例もある.今回当科でも1例経験したので報告する.【症例】72歳男性.約1か月前より誘因なく両下肢痛出現(左優位),疼痛増悪し他院受診し腫瘤疑われ当院紹介.神経学的には麻痺はなし.MRIではL2/3左側~背側にかけてT1低信号,T2高信号,造影では辺縁のみ増強される硬膜外腫瘤を認めた.麻痺はないことから当初保存にて経過をみたが疼痛持続するため手術的加療を行った.術後疼痛は軽快.病理にてヘルニアと最終的に診断した.【結語】腫瘍と鑑別を要する腰椎椎間板ヘルニアの1例を経験した.硬膜外に認める腫瘤病変においては遊離ヘルニアも念頭に置き診療にあたるべきと考えられた.
  • 河野 俊介, 北島 将, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2017 年 66 巻 3 号 p. 443-445
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    人工股関節全置換術(THA)後感染に対して掻爬・洗浄術で治療を行った32例32股を対象に,その治療成績を調査し,感染再燃に関与する因子を検討した.16股(50%)に感染再燃を認め,8股(25%)は最終的に二期的再置換術が行われていた.感染再燃に関与する有意な変数は検出されず,感染再燃が予測可能な因子は見つける事ができなかった.本研究と同時期に行われた二期的再置換術の感染再燃は19股中2股(10.5%)で,有意に再発率が低かった.二期的再置換術では2回の手術を行う事となるが,2回以内の掻爬・洗浄術で感染が鎮静化している症例は20/32股(63%)であり,二期的再置換術に及ばない成績であった.THA後早期感染症で,明らかなlooseningを認めない症例でも,掻爬・洗浄術に加え,二期的再置換術も推奨される.また一期的な治療効果をあげるためには,掻爬・洗浄術だけでなく,抗生剤含有セメントや抗菌インプラントを用いた再置換術も検討する必要がある.
  • 永芳 郁文, 田村 裕昭, 川嶌 眞人, 川嶌 眞之, 本山 達男, 古江 幸博, 佐々木 聡明, 後藤 剛, 渡邉 裕介
    2017 年 66 巻 3 号 p. 446-452
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    人工関節周囲感染に対し,オゾンナノバブル水による閉鎖式局所持続洗浄療法と高気圧酸素治療(Hyperbaric Oxygen Therapy,以下HBO)の併用療法を行った症例を検討した.14例14関節を対象とし,発症時期による分類では,早期術後感染0関節,急性血行性感染5関節,晩期慢性感染9関節であり,治療経過との内訳は,経過観2関節,人工関節温存例4関節,Resection Arthroplasty 2関節,2期的再建術6関節であった.オゾンナノバブル水使用群5関節,非使用群7関節の比較では,成績に差はなく,全例に感染の沈静化を認めた.また,セメントスペーサーを使用した2期的再建術は長期経過も良好であった.2009年12月以降,持続洗浄療法における洗浄液としてオゾンナノバブル水を使用しているが,その有用性が示唆された.今後のさらなる検証が必要である.
  • 野中 俊宏, 橋本 哲, 本家 秀文, 隈元 真志, 馬渡 正明
    2017 年 66 巻 3 号 p. 453-455
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    人工股関節全置換術に対して京セラメディカル社製のSQRUM TT CUPとAMS HA CUPを用いた症例の術後成績を比較検討したので報告する.2013年2月から2014年11月までの期間に行った症例のうち,2016年7月時点で1年以上経過観察可能であったAMS HA群100例,SQRUM TT群100例を対象とした.男性18例,女性182例,手術時平均年齢61.2歳(28-84歳),平均観察期間は22.3ヵ月(12-37ヵ月)であった.原疾患はOA 194例,急速破壊型股関節症2例,大腿骨頭壊死4例であった.手術は全例同一術者,同一手技で行った.AMS HA群ではcup migrationを2例に認め,うち1例はカップ脱転を伴っており,再置換術の必要があった.SQRUM TT群ではカップのloosening,migration,脱臼を認めなかった.SQRUM TT CUPは骨接触面に3Dポーラス機構を有しており,高い初期固定性が得られることが推察されたが,今後の長期的な観察が必要である.
  • 北島 将, 河野 俊介, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2017 年 66 巻 3 号 p. 456-459
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】人工股関節置換術の皮膚縫合の方法による皮膚症状の違いと感染率を調査すること.【対象・方法】当院で人工股関節置換術を施行した76名82関節を対象とした.平均年齢71才(52~89才),男性11名,女性65名.平均経過観察期間は2.1年(0.2~6.0年)であった.縫合は3種類の方法で行っていた.方法1は,抗菌吸収糸とstaple固定,27関節.方法2は,抗菌吸収糸とテープ固定,35関節.方法3は,抗菌作用がない吸収糸とテープ固定,20関節.外来受診時に,掻痒感,肥厚性瘢痕の有無や性状,感染率を調査した.【結果】掻痒感(ときどき痒いを含む)があった症例は,縫合方法別では,19%,20%,40%であり,全体の20%に認めた.肥厚性瘢痕率は,それぞれ11%,13%,30%で,全体の15%であった.創の幅の平均はそれぞれ,2.4mm,2.7mm,2.7mmであった.感染率には差は認めなかった.【考察】縫合方法により感染率に差は認めなかったが,掻痒感と肥厚性瘢痕で差を認めた.
  • 鎌田 敬子, 関 寿大, 椎木 栄一
    2017 年 66 巻 3 号 p. 460-462
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】Direct Anterior Approach(DAA)で施行した人工股関節全置換術(Total Hip Arthroplasty,以下THA)の特徴的な合併症の一つに骨折がある.当院で施行したDAAでのprimary THAにおける大転子骨折について検討した.【方法】2012年1月から2015年12月までにDAAで施行したprimary THA489例544股(男性105例115股・女性384例429股),平均年齢65.1(27-89)歳を対象とした.大転子骨折の有無を術直後Xpで2群に分け,年齢・性別・BMI・Crowe分類・術前ROM・articulo-trochanteric distance(ATD)・大腿筋膜張筋の損傷の有無・外旋筋群の切離の有無との関連について検討した.【結果】術前ROM,ATDにおいて,両群間で有意差を認めた.【考察】術前ROM制限やATD短縮は大転子拳上困難の原因となることより,大転子拳上時に大転子骨折は生じることが多いと考えられた.【結論】ROM制限,ATD短縮がある場合,大転子骨折に注意が必要である.
  • 中村 貴宏, 石堂 康弘, 中村 俊介, 栫 博則, 瀬戸口 啓夫, 小宮 節郎
    2017 年 66 巻 3 号 p. 463-466
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    人工股関節ステムのネック部分はトラニオン(Trunnion)と呼ばれ,同部での摩耗・腐食はTrunnionosisと呼ばれる.我々はTrunnionosisによる弛みと思わる症例を経験したので報告する.症例は79歳女性,右大腿骨頭壊死の診断で他院にてTHAを施行された.術後5年でカップの転位を認め当科紹介,Adverse Reactions to Metal Debris(ARMD)に起因する弛みと診断し再置換を施行.トラニオンにはGoldberg Criteriaで4(severe)の腐食を認めた.モジュラー接合部での腐食は,mechanically assisted crevice corrosion(MACC)として知られている.安易なラージヘッドの選択やモジュラーステムの使用は,MACCを生ずるリスクがあり注意を要する.
  • 平田 健司, 加藤 秀豊, 山縣 紀子, 桑田 憲幸
    2017 年 66 巻 3 号 p. 467-470
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    上腕二頭筋長頭腱が整復阻害因子となり,観血的整復術を要した1例を経験したので報告する.症例は12歳女性,Salter-Harris分類type2,Neer-Horwitz分類Grade3.全身麻酔下に徒手整復を試みるも整復不能.Delto-pectoral approachで展開し,骨折部に陥入していた腱を解除することで整復可能であった.整復後はKirschner鋼線で経皮的に固定.術後3ヶ月で骨癒合が得られ,機能障害はない.過去には上腕骨近位骨端離開に対しては機能的予後が良好であることから保存的治療を勧める文献が多かった.しかし最近の報告では転位の許容できない年長児に対しては手術的治療が望まれる.また整復阻害因子のため徒手整復困難であったとする報告も散見され,転位が許容できず徒手整復が困難であれば,上腕二頭筋長頭腱の陥入などが原因である可能性を考慮し,手術的治療を検討すべきである.
  • 黒木 一央, 石井 孝子, 黒木 綾子, 土井口 祐一
    2017 年 66 巻 3 号 p. 471-472
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】上腕骨近位端骨折に対する手術は全身麻酔下に施行されることが多い.しかし,本骨折は骨粗鬆症を有する高齢者に多く全身麻酔がためらわれるケースもある.当院では超音波ガイド下腕神経叢ブロックによる手術を行っており,その有用性について検討した.【対象と方法】2015年6月から2016年3月までに上腕骨近位端骨折に対して超音波ガイド下腕神経叢ブロックで手術を行った8例を対象とした.全例に斜角筋間アプローチと鎖骨上アプローチを併用した.麻酔から執刀までの時間,追加麻酔の有無,合併症,術後鎮痛作用について評価した.【結果】麻酔から執刀までの時間は平均27分(17~39),全例追加麻酔はなく麻酔に伴う合併症も認めなかった.術後VASは4時間後は全例0,8時間後は4例が0,4例が2.5~3だった.【考察】超音波ガイド下腕神経叢ブロックは安全で安定した除痛効果を得ることができ,上腕骨近位端骨折手術にも対応可能だった.
  • 土持 亨, 今林 正明, 今林 正典, 大迫 浩文, 矢崎 雄一郎, 福山 勝朗, 中村 優子, 佐々木 裕美, 小宮 節郎
    2017 年 66 巻 3 号 p. 473-476
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    高齢者に発生する上腕骨顆上骨折は,骨粗鬆症を合併していることが多く,外固定では整復位の保持が困難で,長期の固定期間を要し,疼痛や機能障害の原因となることが多い.良好な治療成績を得るためには強固な内固定をし,早期にリハビリ開始することが望まれる.当院では高齢者上腕骨顆上骨折に対して,ONIプレートによる骨折観血的手術を行い,良好な術後成績を得られたので報告する.
  • 新見 龍士, 古市 格, 水田 和孝, 荒木 貴士, 前原 史朋, 志田 崇之, 小河 賢司
    2017 年 66 巻 3 号 p. 477-480
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    当院における高齢者の上腕骨遠位端骨折に対するA. L. P. S.®(Advanced Locking Plate System)Elbow Plating System(ZIMMER BIOMET社)の術後短期成績を検討した.2015年2月以降に手術を行った80歳以上の症例で経過観察期間6ヶ月以上の4例(男性1例,女性3例)を対象とした.平均年齢は84.8歳,平均経過観察は10.0ヶ月,骨折型はAO分類A2が3例,A3が1例であった.全例とも観察期間中に骨癒合を確認した.最終観察時の肘関節平均可動域は屈曲125.0度,伸展-12.5度,JOA肘スコアは平均92.5点であった.4例全例で良好な成績が得られ,本プレートシステムは骨質不良な高齢者の本骨折に対し十分な内固定を行える有用なシステムと考えられた.
  • 真島 久, 高野 祐護, 有馬 準一, 田中 孝幸, 野村 裕, 柳澤 義和, 末次 弘征, 浜崎 彩恵, 松尾 拓
    2017 年 66 巻 3 号 p. 481-483
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】我々は成人上肢手術に対する超音波ガイド下腕神経叢ブロック(以下BPB)の手技を小児上肢骨折に応用したので報告する.【対象】2015年12月から2016年8月までBPBを施行した11症例(男児9例,女児2例)を対象とした.平均年齢は9.4歳(5~12歳)であった.【結果】9例は約6週間の外固定による保存的加療で良好な骨癒合・可動域を獲得した.残りの2例はBPBの施行が困難,または整復不良であり手術となった.【考察】小児上肢骨折は全身麻酔下で整復し,観血的手術を行うことが多い.BPBは外来でも安全に施行でき,十分な鎮痛,筋弛緩が得られた上で徒手整復を行うことが可能である.これにより,小児上肢骨折の徒手整復・固定のストレスが軽減できる可能性がある.
  • 三溝 和貴, 宮本 俊之, 福島 達也, 田口 憲士, 森 圭介, 上木 智博, 中村 郁也, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 3 号 p. 484-486
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    〈はじめに〉受傷時に橈骨神経麻痺を合併していた上腕骨骨幹部骨折に対しては当科では前方MIPO法による骨接合を第1選択として行い,橈骨神経麻痺はまず保存的に経過を見ることとしている.〈症例〉症例1:26歳男性.3階の高さから転落受傷(AO分類12-B1).症例2:46歳女性.右上腕部を家具で挟撃され受傷(AO分類12-B2).いずれの症例も非開放性骨折で前方MIPO法により骨接合を行い良好な骨癒合が得られた.また橈骨神経の展開は行わず,3カ月で麻痺の改善傾向が見られた.〈考察〉非開放性上腕骨骨幹部骨折に続発する橈骨神経麻痺の多くは自然軽快し,早期の展開は予後を改善し得ないと報告されている.〈結論〉前方MIPO法は,後方アプローチと比較して低侵襲で,医原性橈骨神経損傷のリスクも低く,橈骨神経麻痺を伴った上腕骨骨幹部骨折に有用なアプローチである.
  • 石渕 晃人, 有田 忍, 横井 脩, 石倉 透, 福原 志東, 赤星 正二郎, 馬場 賢治, 沖本 信和
    2017 年 66 巻 3 号 p. 487-490
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    腱断裂に対しては術後早期運動療法がその修復に有利であることが報告されている.今回,上腕三頭筋腱皮下断裂に対しKrackow縫合を行い,術翌日から運動療法を行った1例を経験したので報告する.症例は29歳の男性.バイクで転倒し,左肘を地面につき受傷した.肘頭部先端より近位に陥凹を触れ,単純X線およびCTにて肘頭裂離骨片を伴う上腕三頭筋腱皮下断裂を認めた.受傷2日目に手術を施行した.断裂した上腕三頭筋腱にfiber wire®で2組のKrackow縫合を行い,pull-out法にて上腕三頭筋腱を裂離骨片ごと肘頭部に縫着した.術後は肘関節軽度屈曲位にてシーネ固定した.術翌日より自他動屈曲および他動伸展を許可した.術後10日目よりシーネを除去し,自動伸展を許可した.術後8ヶ月の最終観察時,可動域は肘屈曲135°,伸展-5°と良好であり,裂離骨片も転位なく骨癒合し,上腕三頭筋腱の緊張も良好であった.Krackow縫合は上腕三頭筋腱皮下断裂に対し,術後早期運動療法を可能にする有用な方法であると考えた.
  • 筒井 知明, 塚本 伸章, 前 隆男, 佛坂 俊輔, 加藤 剛, 小宮 紀宏, 屋良 卓郎, 伊東 良広, 中山 恵介, 福田 宣義
    2017 年 66 巻 3 号 p. 491-494
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    両側不安定型骨盤輪骨折に対して複数のアプローチを用いて骨接合術を施行した症例を経験したので報告する.症例は64歳男性.農作業車と鉄製のポールに挟まれて受傷.前医CTで左仙骨骨折,右仙腸関節脱臼骨折,恥骨結合離開,右恥骨骨折など両側不安定型骨盤骨折を認めた.救命処置後,第5病日に内固定目的に当院に転院となった.第11病日に左仙骨骨折に対して後方アプローチによるspinopelvic fixation,右仙腸関節脱臼にはpararectus approachを用いた仙腸関節プレートによる固定,右恥骨骨折にはcannulated compression screwによる内固定を施行した.さらに第27病日に残存する恥骨結合離開に対してPfannenstiel approachを用いて恥骨結合プレートによる内固定を行った.右下肢は最終手術より4週後,左下肢は6週後より部分荷重を開始し術後7ヶ月時点で杖歩行が可能となった.骨盤輪骨折の内固定には様々な手法があり,症例に適した術式の選択には内固定のタイミングや方法も併せて綿密な術前計画が必要になると認識させられた.
  • 桑原 正成, 松﨑 尚志
    2017 年 66 巻 3 号 p. 495-497
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術(以下BHA)でセメント使用の有無による周術期出血量について比較検討した.対象は当院で2012年4月から2016年10月までの期間にセメントBHAを施行した13例13股(以下C群),セメントレスBHAを施行した59例59股(以下L群)とした.周術期出血量はNadlerらの式から得られた推定循環血液量を用いて,術前体重と術後7日目の体重が同等と仮定し,術前日と術後7日目のHb値より算出した.また両群のアスピリン内服群(C群:9例9股,L群:25例25股)を同様に比較した.周術期出血量(ml)は全体でC群:705.4±222.8,L群:800.9±344.2,アスピリン内服群でC群:718.0±237.0,L群:916.1±393.1であった.セメントBHAはアスピリン内服患者において周術期出血抑制に有用な可能性が示唆された.
  • 堀田 忠裕, 松浦 恒明, 進 訓央, 兼川 雄次, 谷口 秀将, 副島 悠
    2017 年 66 巻 3 号 p. 498-500
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は87歳女性.主訴は右膝痛.現病歴は平成23年より右膝痛が出現し,膝蓋骨亜脱臼を認めていた.痛みは軽度であったが,平成28年4月より右膝痛が徐々に増強した.右膝蓋骨は外側に恒久的に亜脱臼しており,レントゲン画像上は,大腿骨外顆前面の関節面並びに膝蓋骨関節面に数列の縦走する鋸歯状の変化を認めた.6月に人工膝関節置換術を施行した.手術に際しては,膝蓋骨を骨折しないように処理し,大腿骨コンポーネントを通常より外側・外旋設置,脛骨コンポーネントを通常より外旋設置とした.さらに外側支帯解離と内側広筋縫縮術を施行した.One thumb techniqueにて膝蓋骨トラッキングは良好となった.術翌日から可動域訓練を開始し術後4か月の時点で自動屈曲105°伸展-10°可能であり独歩可能なレベルである.本症例に文献的考察を加え検討した.
  • 中村 智治, 米倉 暁彦, 岡崎 成弘, 朝永 育, 梅木 雅史, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 3 号 p. 501-505
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    高度に変形した内側型変形性膝関節症(膝OA)に対して,大腿骨遠位骨切り術(DFO),脛骨顆外反骨切り術(TCVO),高位脛骨骨切り術(OWHTO)を1期的に施行するTriple osteotomyを行った1例を経験したので報告する.【症例】67歳男性.9年前に膝OAの診断を受け,徐々に疼痛が増悪したため紹介受診.単純X線ではKellgren-Lawrence grade Ⅳ の内側型膝OAで,%MAはマイナス28%,mLDFAは91度,MPTAは79度,JLCAは5度であった.手術はまずDFOを,次にTCVO,最後にOWHTOを行った.術中%MAはそれぞれの術式施行後に28%,32%,および55%となった.術後の立位長尺X線では,%MAが64%であった.【結語】骨性変化が脛骨のみならず大腿骨にもあり,大腿脛骨関節の外側開大を伴う高度に変形した内側型膝OAに対してTriple osteotomyは有効な手術療法であると考える.
  • 米倉 暁彦, 岡崎 成弘, 千葉 恒, 木寺 健一, 中添 悠介, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 3 号 p. 506-508
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】我々はK-L grade 3,4の内側型変形性膝関節症に対して脛骨顆外反骨切り術(TCVO)を行っているが,時に術後外反不足例を認めるためその原因を検討した.【対象と方法】2008年6月から2016年4月までにTCVOを行った78膝について術前後立位長尺X線にてmLDFA,MPTA,JLCA,%MAを計測した.さらに術後%MAが55%以下を外反不足群,55%より大きく65%以下の症例を至適矯正群としてX線計測値を比較検討した.【結果】全症例のmLDFAは平均88.2度であった.MPTAの術前および術後平均値はそれぞれ83.8度,92.7度,JLCAは4.3度,1.3度,%MAは14.0%,61.4%であった.外反不足群と至適矯正群で有意差を認めたのは術後MPTAのみであり,それぞれ平均90.4度,92.4度であった.【考察】至適アライメント獲得のためには,TCVOでも術後MPTAが重要と考える.
  • 宮﨑 弘太郎, 木山 貴彦, 佐伯 和彦, 前山 彰, 鎌田 聡, 山本 卓明
    2017 年 66 巻 3 号 p. 509-512
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】近年,内側型変形性膝関節症に対して高位脛骨楔状開大骨切り術(以下OWHTO)が広く行われるようになった.それに伴い,合併症の報告も散見されるようになった.今回,当科で施行したOWHTOの感染合併例を検討した.【対象と方法】2009年1月~2016年8月に当院にてOWHTOを施行した251膝(男性71膝,女性180膝)を対象とした.検討項目として,感染発症例数,発症時期,起炎菌,合併症の有無,治療,術後のアライメントの変化について調査した.【結果】感染発症例数は13例(5.1%),発症時期は術後平均130日(15~352日)であった.起炎菌はMRSA1例,MSSA7例,MRSE1例,B群レンサ球菌1例,CNS1例,negative 2例であった.糖尿病合併は4例認め,悪性リンパ腫や多発性血管炎の合併も認めた.プレート温存は1例のみであり,残りの12例はプレートの抜釘が必要であった.抜釘術を施行した12例中5例で再内反を認めた.【考察】OWHTO後の術後感染の発生率は1~5%とされているが,当院での感染率は5.1%とやや高値であった.治療はデブリドマンとプレートの抜去で全例鎮静化が得られたが,術後早期発症例,5例では再内反を認めた.術後早期の感染症合併を予防することが重要だと考えられる.
  • 江良 允, 井上 拓馬, 横田 和明, 野口 智恵子, 矢部 嘉浩
    2017 年 66 巻 3 号 p. 513-516
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    当院では変形性膝関節症における手術療法の一つとして脛骨顆外反骨切り術(以下TCVO)を行っている.今回TCVO術後に偽関節となった症例を2例経験したので報告する.【症例1】61歳男性.右変形性膝関節症に対して人工骨移植による右TCVO施行.術後経過中に骨切り部の硬化および人工骨の吸収を認め,術後8ヵ月で偽関節手術を行った.【症例2】68歳男性.左変形性膝関節症に対して人工骨移植による左TCVO施行.術後4ヵ月で骨切り部の硬化およびロッキングスクリューの折損を認め,偽関節手術を行った.【考察】TCVOは関節内の骨切り術であるためプレートの設置位置および骨切り部の固定力には十分に注意する必要がある.
  • 堀川 朝広, 久保田 健治, 小田 勇一郎, 原 慎太郎
    2017 年 66 巻 3 号 p. 517-520
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    外反変形膝に対して遠位大腿骨二面内反骨切り術を3例(男性2例,女性1例)経験したので報告する.手術時平均年齢63.7歳.目標%Mechanical axis(%MA)を50%に設定し二面内反closed-wedge osteotomyを行いTomoFix MDFにて固定した.%MAは術前平均74%から46.7%,Hip-knee-ankle angle(HKA)は術前平均6.0°外反から術後平均0.43°内反に矯正され,mechanical lateral distal femoral angle(mLDFA)は術前平均84.4°が術後平均89.9°となった.全例とも可動域は術後早期に術前まで回復した.遠位大腿骨骨切りの術後問題点として骨癒合不全や可動域制限がある.本法は二面骨切りのため骨片間の接触面積が広く早期骨癒合が期待でき,また膝蓋前面の軟部組織に侵襲がないため可動域の回復が早い利点がある.
  • 椎木 栄一, 鎌田 敬子, 関 寿大
    2017 年 66 巻 3 号 p. 521-525
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    高度の外反膝を伴うwindswept deformityを3症例経験した.治療上の問題点などの検討を行い十分な計画性を持って治療にあたった.まず通常の内反変形膝に対してTKAを行いほぼ正常に近い支持脚を確保することが度外反膝の手術までの待機期間のリハビリが効果的であった.さらに歩高や長下肢装具を使用することでさらに患者への負担は軽減できた.外反膝に対しては3例とも外側進入でTKAを行った.1例に手術中に膝蓋腱の脛骨付着部での剥奪をきたしたが,膝蓋靭帯を採取して人工靭帯と合わせ再建を行った.術後の靭帯バランス,トラッキングは良好で3例ともADLは大きく改善した.
  • 生田 拓也
    2017 年 66 巻 3 号 p. 526-528
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【要旨】脛骨近位端粉砕骨折例で高度貧血があり輸血拒否の症例にDCO(damage control orthopaedics)にて対処したので報告した.症例は62歳,女性.自動車自損事故にて受傷した.近医で左脛骨近位端粉砕骨折の診断にて手術予定であったが高度貧血のため手術延期となった.また,宗教上輸血を拒否しているため希望により当院へ転院となった.転院翌日の受傷後12日目に創外固定を行い貧血の改善を待って創外固定術後2週で内側外顆および外側後顆の骨接合術を施行しさらに3週間待機して外顆の骨接合術を行った.以後徐々に症状は回復した.宗教上輸血を拒否する症例は,治療内容より輸血をしないことが第一の希望である.輸血を回避するために治療期間が延長すること,及び関節機能が低下することなどのデメリットを充分に説明した上で,可能な範囲で要求に答えられる方法を選択すべきである.本症例に関してはDCOが有用であった.
  • 甲斐 裕基, 岡元 信和, 佐藤 広生, 中村 英一, 山部 聡一郎, 舛田 哲朗, 白石 大偉輔, 水田 博志
    2017 年 66 巻 3 号 p. 529-533
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【症例】34歳男性.2ヶ月前より右膝痛が出現し,近医を受診しMRIにて膝関節内に腫瘤性病変を指摘され当科を紹介となった.右膝には腫脹と膝蓋跳動を認め,穿刺にて関節血症が見られた.MRIでは関節内と膝蓋腱内の2つに病変があり両者は近接し,関節内病変は径3.5cm×2.5cmで膝蓋骨内側に位置し,膝蓋腱内病変は径8mm×8mmで膝蓋腱内に存在した.両者ともT1WI,T2WIで低信号を呈し造影効果が見られ,膝蓋腱内浸潤を伴った限局型腱滑膜巨細胞腫と診断した.手術では内側傍膝蓋アプローチで進入し,関節内病変は黄褐色で膝蓋骨内側の滑膜に付着し膝蓋骨下極では一部骨内に浸潤していた.膝蓋腱内病変は白色で関節内病変とは連続していなかった.術後病理では関節内病変は限局性腱滑膜巨細胞腫,膝蓋腱内病変は痛風結節の診断であった.【考察】膝蓋腱内病変は関節内病変と近接しており信号パターンも類似していた為に術前に痛風結節と診断することは困難であった.我々が渉猟しえた限り,痛風結節と限局性腱滑膜巨細胞腫が合併した報告はなかった.
  • 山本 俊策, 二之宮 謙一, 合志 光平, 牟田口 滋, 足達 永, 緒方 亜紀
    2017 年 66 巻 3 号 p. 534-535
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    保存療法が無効であった足底腱膜炎に対し手術を施行した4例4足(男性1例,女性3例,平均71.2歳 67―76歳)の成績を報告する.BMIは平均27で,受診から手術までは5.2ヵ月であった.X線では踵骨棘を全足に認めた.手術方法はポータルを足底腱膜の背側に作製し足底筋膜の内側1/2を切離し,骨棘合併例では骨棘も切除した.後療法は術翌日より荷重を許可した.術後観察期間8.5ヶ月(6―10ヶ月)JSSF ankle/hindfoot scaleは術前平均46から97に改善した.合併症は全例で認めなかった.
  • 池田 啓一, 成尾 政一郎, 成尾 政圀, 浦門 操, 小柳 英一, 村上 直也, 久重 雅由, 矢渡 健一, 小林 達樹, 菊野 光郎, ...
    2017 年 66 巻 3 号 p. 536-541
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】交通外傷など痙性麻痺以外の原因で足関節底屈拘縮を起こすことがある.リハビリや装具では対応できず脳性麻痺などの痙性尖足に対して行っている整形外科的選択的痙性コントロール手術(OSSCS)を応用し対応しているので報告する.【考え方】OSSCSの基本概念の1つに多関節筋の選択的解離がある.抗重力性,支持性の弱い多関節筋を選択的に緩めることで運動機能を低下させずに痙性を弱める利点がある.この概念を守ることで痙性麻痺以外の関節拘縮にも安全に応用できると考える.【方法】足関節OSSCSでは内外反のバランスを考え長趾屈筋・長母趾屈筋・後脛骨筋・長腓骨筋・下腿三頭筋(アキレス腱)を解離する.凹足がある場合は足底筋群を解離する.術後は下腿から足趾までのギプス固定を2~5週行ない,アキレス腱延長術を併用した症例ではその後短下肢装具を約半年装着する.
  • 中川 剛, 中村 哲郎
    2017 年 66 巻 3 号 p. 542-544
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】我々は2010年より外反母趾に対してDLMO法を施行し,その短期治療成績を報告する.【方法】2010年1月から2014年4月までに12ヶ月以上経過観察を行った11症例12足を対象とした.全例DLMO法で手術を行い,第2趾PIP切除形成術を2足,内反小趾矯正術を1足に併用した.【結果】外反母趾角は術前平均35.3度から術後平均12.5度,中足骨間角は術前平均18度から術後平均9.0度と改善した.平均手術時間は48.1分,10度以上の背屈転位を3例,感染を3例認めた.JSSF hallux scaleは術前49.3点から術後89.1点と改善を認めた.【考察】DLMO法は低侵襲かつ安価な手術法として最近注目されている.当院での術後成績は良好であったが,骨切り部で底背屈を認めた症例や,ピン刺入部の感染を認めた症例が散見されたため,さらなる手術手技の改善及び周術期管理の徹底が必要である.
  • 小田 大嘉, 吉村 一朗, 金澤 和貴, 萩尾 友宣, 蓑川 創, 石橋 卓也, 山本 卓明
    2017 年 66 巻 3 号 p. 545-547
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】比較的稀な後脛骨筋腱脱臼に対して観血的脱臼制動術を施行した症例を経験したので報告する.【症例】38歳女性,歩行中に自動車と接触し受傷.右足関節内側に疼痛が出現したため某医を受診し,保存療法を行われたが疼痛が持続するため当院紹介受診となった.当院受診時足関節内果後方に軽度腫脹,圧痛を認め,つま先立ちは疼痛のため困難であった.単純X線,MRIでは明らかな異常を確認できなかった.経過観察するも症状が改善しないため,3D-CTを撮影したところ後脛骨筋腱脱臼を認めた.受傷後8ヶ月に後脛骨筋腱脱臼に対し,観血的脱臼制動術を施行した.後脛骨筋腱は内果直上に脱臼しており,扁平化していた.整復するも容易に脱臼したため,腱溝を形成し,屈筋支帯を縫着した.術後6ヶ月経過した時点では,症状は改善し再脱臼なく経過良好である.後脛骨筋腱脱臼は診断に難渋することが多いとされる.外傷後の内果後方の疼痛を認めた場合は,本疾患も鑑別診断に挙げておく必要がある.
  • 井上 三四郎
    2017 年 66 巻 3 号 p. 548-551
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【背景】近年虚血肢に対する下肢救済の機運が高まっている.過去3年間に当科で入院加療を行った足壊死・潰瘍の治療成績を検討した.【対象と方法】対象は21例22肢(1例は両側例),年齢平均68.0(43~91)歳,男性16例女性5例,フォローアップは平均9.7(1~33)カ月.治療法などを調査した.【結果】経皮的経管血管形成術が5肢に,局所陰圧閉鎖療法が8肢に行われていた(いずれも重複あり).手術は全例に行われた.最終切断レベルは,大切断(大腿もしくは膝)10肢,小切断(大切断以外)12肢であった.最終調査時,大切断例は全例創治癒していたが,4例が死亡していた.小切断例は全例生存していたが,2肢は創治癒が得られていなかった.【考察】初療時に感染と虚血を適切に把握することが重要である.ゲートキーパーとなる医師が多種多様な当院では,院内コンセンサスが得られた治療戦略が必要である.
  • 神保 幸太郎, 西田 一輝, 森戸 伸治, 岡崎 真悟, 松浦 充洋, 田邉 潤平, 原口 敏昭, 重留 広輔, 中村 秀裕
    2017 年 66 巻 3 号 p. 552-556
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    創外固定を用いて二期的手術を行ったPilon骨折の手術成績を検討した.対象は18例,男性14例,女性4例,平均年齢43.6歳であった.術後に問題なく創治癒した良好群(14例)と軟部組織合併症を起こした合併症群(4例)の2群に分け比較検討した.合併症群は皮膚潰瘍2例,浅部感染1例,深部感染1例であった.創治癒までの期間は,良好群が術後平均13.2日,合併症群が術後平均84.5日であった.骨折型は良好群の8例/14例が関節面多骨片,合併症群は4例/4例が関節面多骨片であった.手術時間は良好群(平均123分)に比べ合併症群(平均194分)が有意に長かった.X線評価(Burwell),臨床評価(Burwell)ともに合併症群の成績が有意に劣った.関節面が粉砕している症例に対しては,軟部組織合併症を起こさないような手術プランを計画する必要がある.
  • 俵積田 裕紀, 眞田 雅人, 佐久間 大輔, 本木下 亮, 高橋 健吾, 松山 金寛, 前田 昌隆, 東郷 泰久, 小倉 雅, 藤井 康成, ...
    2017 年 66 巻 3 号 p. 557-558
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性.交差点での交通事故(軽乗用車運転中,10トントラックと衝突,エアバック作動)にて受傷.レントゲンでショパール関節脱臼骨折と診断し,徒手整復を行った.整復後のCTでは,距骨後方突起骨折と舟状骨内側骨折を認めた.また,距踵関節の亜脱臼が残存していたため,受傷1週間後に距舟関節,距踵関節,踵立方関節に対して,経皮的鋼線刺入固定術を施行した.術後1年経過しているが,歩行時痛もなく,経過は良好である.受傷機転として,右足の後足部が固定された状態で,前足部が内転し,捻転が強制され受傷したものと考えられる.ショパール関節は体重を支えるため強固な関節だが,一旦関節の破綻が起きると亜脱臼が残存し,関節症性変化を惹起して歩行時痛が起こる事があるため,レントゲンだけではなくCTまで評価し,手術を検討する必要がある.
  • 大迫 浩平, 上田 幸輝, 山下 実砂, 冨田 哲也, 内村 大輝, 佐々木 大, 水城 安尋, 萩原 博嗣
    2017 年 66 巻 3 号 p. 559-561
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    当院でアキレス腱断裂に対し,Marti変法を行った40例を後ろ向きに調査した.術後免荷期間は術後平均14日まで,その後のギプス固定期間は術後平均31日まで,術後3ヶ月での平均足関節可動域は背屈17°底屈41°であった.再断裂を1例(2.5%)に認め,他の縫合法の再断裂率と同等であった.Marti変法は早期荷重,早期可動域訓練が可能であり,有用な方法であった.
  • 浦上 勝, 緒方 宏臣, 山下 武士, 岩本 克也, 川谷 洋右, 米村 憲輔
    2017 年 66 巻 3 号 p. 562-564
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    若年者の両側大腿骨頚部疲労骨折は稀である.陸上部の高校生に発症した両側大腿骨頸部疲労骨折の一例を経験したので報告する.症例は陸上部の16歳男性で,駅伝を走った後から左股関節痛が出現し,1ヶ月後当科を受診した.単純X線で左大腿骨頚部下方に骨硬化像,MRI検査で大腿骨頚部に骨折線を認めたため,左大腿骨頚部疲労骨折(compression type)と診断した.保存療法を行い,6ヶ月後に競技復帰を許可した.しかし,1ヶ月後,陸上部の合宿中に明らかな外傷なく右股関節痛が出現した.単純X線で右大腿骨頚部下方に骨硬化像を認め,MRI検査で右大腿骨頚部疲労骨折(compression type)と診断した.同様に保存療法とし8週後よりジョギングを許可した.大腿骨頚部疲労骨折は,その発見の遅れや管理によっては転位や偽関節など重大な結果を招くことがあり,早期診断と適切な治療が必要である.
  • 前田 昌隆, 東郷 泰久, 松山 金寛, 本木下 亮, 俵積田 裕紀, 眞田 雅人, 小倉 雅, 藤井 康成, 瀬戸口 啓夫, 小宮 節郎
    2017 年 66 巻 3 号 p. 565-567
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    大腿骨頸部疲労骨折を発症した女性長距離走選手2例の治療経過と発生機序の推察を報告する.【症例1】20歳女性,18歳から稀発月経で体脂肪率8%台,腰椎骨密度Young Adult Mean(以下,YAM値)110%.受傷前から左鼠径部に違和感あり,左股関節痛が増悪.MRIでtransverse typeの疲労骨折と診断.左腸腰筋と外旋筋部にもT2で高輝度変化を認めた.【症例2】19歳女性,15歳から続発性無月経で体脂肪率13%台,エストラジオール値(以下,E2)17%・骨代謝は高回転型・腰椎骨密度YAM値90%.受傷前から右鼠径部痛があり,痛みが続き,MRIでcompression typeの疲労骨折と診断.【考察】症例1は,左腸腰筋・外旋筋の筋損傷に伴う機能不全が荷重時の支持性低下を来し骨折に至り,症例2は,Female Athlete Triad(以下,FAT)が主要因と考えた.
  • 中島 大介, 白石 元, 杉 基嗣, 住浦 誠治
    2017 年 66 巻 3 号 p. 568-570
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】スポーツにより発症した第1肋骨疲労骨折の3例を経験したので報告する.症例1は14歳男性でスポーツは軟式テニス,症例2は14歳男性でスポーツは剣道,症例3は17歳男性でスポーツは野球であった.全例で明らかな外傷なく発症し,スポーツを禁止し自然に軽快した.第1肋骨疲労骨折の疼痛部位については,多くが第1肋骨部でなく肩甲部痛であったと報告されており,症例3では疼痛部位が異なるため診断に難渋した.また画像診断についても,単純X線正面像では,第1肋骨疲労骨折の好発部位である第1肋骨の鎖骨下動脈溝が,鎖骨や第2,3肋骨と重なりやすく,診断に難渋する場合があるが,単純X線で上から15~30度での撮影や,下から60度での撮影が有用である可能性がある.
  • 西野 剛史, 柴田 陽三, 櫻井 真, 戸田 慎, 山﨑 裕太郎, 野村 耕平, 伊﨑 輝昌, 三宅 智, 篠田 毅, 熊野 貴史
    2017 年 66 巻 3 号 p. 571-576
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    今回,我々は鏡視下腱板断裂修復術(ARCR)に伴って鎖骨遠位端切除術(DCR)症例の成績を検討したので報告する.肩鎖関節の強い圧痛,Horizontal flex test陽性,肩鎖関節ブロックテストのいずれかが陽性症例に対してARCRとDCRを施行した.症例は男8例,女3例,平均年齢61.5歳.術前後の可動域,JOA score,肩鎖関節の圧痛について検討した.術前平均可動域は挙上,外旋,内旋の順で108.6度,38.6度,L2.9で術後は136.8度(P<0.01),45.5度(NS),Th12.8(NS).疼痛スコアは術前・術後で9.5点・27.7点(P<0.01),JOA scoreは57.2点・92.6点(P<0.01)であった.術前,全例肩鎖関節の圧痛が陽性であったが,術後,全例が消失した.ARCRの際,肩鎖関節症を見落とさないようにすることは重要である.
  • 野村 耕平, 柴田 陽三, 櫻井 真, 西野 剛史, 戸田 慎, 山﨑 裕太郎, 伊﨑 輝昌, 三宅 智, 篠田 毅, 熊野 貴史
    2017 年 66 巻 3 号 p. 577-581
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    Latarjet法は関節窩面積の拡大と,合同腱のsling effectにより安定性を再獲得させる.今回Latarjet法前後のGlenoid trackの変化量について検討した.Latarjet法を施行した20例20肩の術前後の関節窩の前後径とHill Sachs損傷(HSL)の最大幅をCTで,可動域,JOA score(JOAS),JSS instability score(ISS),JSS sports score(SS)を比較した.平均経過観察期間は12ヵ月.関節窩の最大前後径は術前25.7mm,術後33.8mmに,Glenoid trackは21.6mmから28.4mmに増加.HSLの幅は14mmであった.術前HSLがGlenoid trackよりも広い症例は4例で,術後はGlenoid trackよりも狭くなった.術後再脱臼例はなかった.Latarjet法後,Glenoid trackはHSLを上回る.
  • 森戸 淳, 菊川 憲志, 高田 興志, 森田 誠, 橋本 憲蔵, 福間 裕子
    2017 年 66 巻 3 号 p. 582-584
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    腱板断裂に対する腱板修復術では,直視下・鏡視下に関わらず,欠損部を生じる修復困難な症例をしばしば経験する.そのような症例では上腕二頭筋長頭腱(LHB)は変性肥大し,腱固定術あるいは腱切離術を併用することが多い.このような症例に対し,当科ではLHBを上方関節唇で切離し欠損部に有茎パッチとして移行してきた.その治療成績について検討を行ったので報告する.対象はLHBを有茎パッチとして腱板修復術を施行した4例4肩(男性2例,女性2例),手術時平均年齢67.8歳である.術前,術後3ヶ月・6ヶ月・1年時にJOAスコアを用いて臨床的評価を行った.平均JOAスコアは,術前65.0点であり,術後3ヶ月時72.9点,術後6ヶ月時93.8点,術後1年時95.5点であった.腱板修復の際生じた欠損部に対し,LHBを有茎パッチとして用いる本法は有用であった.
  • 泉 政寛, 玉井 幹人, 竹内 裕介, 池邉 智史, 馬渡 正明
    2017 年 66 巻 3 号 p. 585-587
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】腱板断裂は中高年に多く見られ,若年者の腱板断裂は少ない.腱板断裂に対して鏡視下腱板修復術(以下ARCR)を行った患者を対象とし,若年者の腱板断裂患者の特徴について調査した.【対象と方法】2010年から2016年までの6年間に行ったARCR患者のうち,手術時年齢50歳以下の56例56肩を対象とし,受傷機転,断裂形態,術中所見などを調査した.【結果】受傷機転を有しているものが30例(54%)であった.断裂腱は棘上筋腱断裂が84%,棘上筋腱及び棘下筋腱断裂が16%であった.断裂サイズは不全断裂が32%,小断裂48%,中断裂14%,大断裂5%であった.【考察】50歳以下の肩腱板断裂は外傷性が60%以上と報告されているが,今調査では54%が受傷機転を有していた.また外傷歴のない若年者の腱板断裂群は肩峰下の骨棘が大きい傾向にあり,発生原因の1つと考えられた.
  • 荻本 晋作, 原 克利
    2017 年 66 巻 3 号 p. 588-591
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    リバース型人工肩関節置換術(以下,RSA)後にグレノスフィア(以下,GS)が脱転した症例を経験した.症例は75歳女性で2014年11月,左RSAを施行した.術後経過に問題なく,JOAscore(80点満点)は術前18点から術後75点に改善していたが,軸位X線像ではGSがベースプレートに完全に入っていない状態であった.術後1年半の定期フォロー時のX像でGSの脱転glenosphere dissociationを認め,観血的整復を要した.GSの接続についてはモールステーパー固定とスクリュー固定とに別れる.本症例ではglenosphere dissociationを起こした後も疼痛や挙上困難などの訴えがなく,ベースプレートとインサートが接触した状態であったことから,本症例のようにモールステーパー固定のRSAでは術後経過中にGSの浮き上がりを認めた場合,待機せずに早期に再手術が必要と考える.
  • 山﨑 裕太郎, 柴田 陽三, 櫻井 真, 西野 剛史, 戸田 慎, 野村 耕平, 伊﨑 輝昌, 三宅 智, 篠田 毅, 熊野 貴史
    2017 年 66 巻 3 号 p. 592-597
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    CTA head(CTAH)とリバース型人工肩関節(RSA)の適応の違いと臨床成績を明らかにするために自験例を検討した.CTAHは10例10肩(平均75.5歳),RSAは20例21肩(平均78.0歳)(NS),術後観察期間はCTAH群が25.8ヵ月でRSA群は16.1ヵ月(P<0.05).CTAH群は術前後で挙上,内旋に有意差なく,外旋は有意に改善.RSA群は挙上角度のみ有意に改善.術前JOA scoreの各項目は可動域スコアのみCTAH群で有意に高く,その他は有意差を認めなかった.術後のJOA scoreに有意差はなかった.【結論】CTAHはRSAに比し,術前挙上角度が大きい症例に施行されていたが,術後の挙上角度に有意差はなかった.両者とも術後優れた疼痛改善効果を示し,術後JOA scoreには差を認めなかった.CTAHはRSAガイドライン逸脱例に対して治療の一手段となる.
  • 川﨑 英輝, 伊﨑 輝昌, 中山 鎭秀, 三宅 智, 柴田 陽三, 櫻井 真, 山本 卓明
    2017 年 66 巻 3 号 p. 598-601
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    滑膜骨軟骨腫症を伴う変形性肩関節症に対し,リバース型人工肩関節置換術を行った症例を経験したので報告する.症例は,82歳女性.主訴は左肩痛と挙上困難.10年前より症状あったが,5年前より痛みが強くなり当科受診した.自動可動域は挙上60°,外旋0°,内旋仙骨レベルであった.X線像で関節症性変化と腫瘤陰影がみられた.MRIで腱板広範囲断裂を認めた.画像評価でHamada X線分類4a,Walsh分類A2,Favard分類E1であり,リバース型人工肩関節全置換術を施行した.関節内遊離体と滑膜内に骨軟骨結節がみられ,病理組織検査で滑膜内に骨軟骨形成がみられたため,一次性滑膜骨軟骨腫症と診断した.滑膜骨軟骨腫症は,関節,腱鞘,滑液包の滑膜に骨軟骨結節と遊離体が形成されるまれな疾患である.滑膜骨軟骨腫症の臨床像,病理組織検査所見について検討する.
  • 入江 桃, 鬼塚 俊宏, 泉 貞有, 松延 知哉, 河野 勤, 今村 寿宏, 平塚 徳彦, 畑中 均, 加治 浩三, 神宮司 誠也
    2017 年 66 巻 3 号 p. 602-604
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    肩関節における滑膜性骨軟骨腫症は比較的希である.今回,鏡視下手術を施行し短期ではあるが良好な経過をたどった一例を経験したので報告する.症例は29歳男性.半年前から左肩痛出現し,数ヶ月前から増悪.近医より紹介にて当科へ.レントゲン,CTにて左肩関節に多数の遊離体を認め,肩関節鏡を施行した.遊離体は関節内および肩甲下滑液包に最大で9ミリほどの大きさで計93個あり,鏡視を工夫することで十分に摘出することができた.病理結果は滑膜性骨軟骨腫症であった.術後11ヶ月の経過で再発なく経過良好である.
  • 河上 純輝, 徳永 琢也, 唐杉 樹, 井手 淳二, 水田 博志
    2017 年 66 巻 3 号 p. 605-608
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    肩関節内と上腕二頭筋長頭腱(LHB)腱鞘内に生じた滑膜骨軟骨腫症(SOC)の1例を経験したので報告する.症例:17歳女性.1ヶ月前から誘因なく左肩痛が出現し,画像上異常陰影を指摘されたため当院紹介となった.初診時理学所見で左肩自動可動域は屈曲110°,外転80°と制限を認めた.X線で肩関節および結節間溝に粒状の石灰化陰影を認め,MRIで肩関節内とLHB腱鞘内にT1強調像,T2強調像で陰影欠損となる多数の結節および周囲の滑膜の造影効果を認めた.左肩関節およびLHB腱鞘内SOCと診断し,鏡視下摘出と滑膜切除,LHB腱鞘内病変は直視下摘出と滑膜切除を施行した.術後6ヶ月で肩関節の可動域制限はなく,再発なく経過中である.過去の報告では肩関節SOCとLHB腱鞘内病変の合併はまれではないため,肩関節SOCの治療の際はLHB腱鞘内病変の合併を念頭においた画像評価および手術計画が重要と考えられた.
  • 竹山 文徳, 畠山 英嗣, 守谷 和樹, 大隈 暁, 金澤 洋介
    2017 年 66 巻 3 号 p. 609-611
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    上腕骨大結節変形治癒後の肩関節インピンジメント症候群に対し鏡視下大結節形成術を行い良好な成績を得たので報告する.【症例】38歳,女性,主訴は右肩痛,交通事故にて受傷.右上腕骨大結節骨折を認めたが,妊娠中であったため,保存加療をうけた.上腕骨大結節変形治癒を認め,受傷から8ヶ月後に当院紹介受診.初診時所見では,右肩前方挙上90度,外転70度,外旋20度,JOA score49点と可動域制限を認め,いずれも終末時痛を認めた.単純X線像では,上腕骨大結節が近位へ12mm転位した状態での変形癒合を認めていたため,関節鏡下大結節形成術を施行.大結節から腱板を一旦切離し,大結節の転位部を骨切除後,suture bridge法にて修復した.術後2年の時点で,右肩前方挙上150度,外転120度,外旋60度と可動域は改善し,疼痛も消失している.
  • 池永 仁, 梶山 史郎, 松尾 洋昭, 中山 宗郎, 尾﨑 誠
    2017 年 66 巻 3 号 p. 612-614
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    肩鎖関節症に対するNeviaserポータルを用いた鏡視下鎖骨遠位端切除術の治療成績を検討した.対象は肩鎖関節症に伴う難治性の疼痛が持続し,鏡視下に手術を行った男性3例で,平均年齢は58.3歳であった.2例は変形性肩鎖関節症で,1例は外傷後肩鎖関節亜脱臼による肩鎖関節症であった.全例で腱板断裂は合併していなかった.肩峰下滑液包側より可及的に鎖骨遠位端下面を切除した後,Neviaserポータルおよび肩鎖関節前方のポータルを作成し,それぞれをワーキングポータル,鏡視ポータルとして交互に使用し十分に鎖骨遠位端を切除した.平均8.3ヵ月の経過でJOAスコアは術前平均67.3点から術後91.7点へと改善し,JSS-ACJスコアでは術前47.3点から術後88.3点に改善した.Neviaserポータルを併用することで,鏡視下に確認しつつ鎖骨遠位端を十分に切除することが可能であった.
  • 堤 康次郎, 安樂 喜久, 安藤 卓, 立石 慶和, 上川 将史, 武藤 和彦, 髙田 弘誠, 片山 修浩
    2017 年 66 巻 3 号 p. 615-618
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】我々は肩鎖関節脱臼に対しHook plateを用いた制動術を行ってきたが,抜釘までの一定期間挙上制限に伴う拘縮,肩峰の骨浸食,抜釘後の再脱臼等の問題があった.そこで,肩鎖関節の制動を目的にZip Tightを用いた烏口鎖骨靱帯の再建を行った治療経験を報告する.【対象と方法】3例3肩(Rockwood分類Type Ⅲ:2例,Type Ⅴ:1例),全例男性,平均年齢58歳(40~73歳)であった.手術までの待機期間は13.3日(6~25日),術後経過観察期間は6ヶ月(5~7ヶ月)であった.調査項目は手術時間,術後成績(日本肩関節学会肩鎖関節機能評価法:JSS-ACJスコア),X線学的評価とした.【結果】手術時間は平均40.3分,JSS-ACJスコアは平均91点であった.X線学的評価ではgood1例,fair2例であった.【考察】Zip Tight単独での烏口鎖骨靱帯の再建は低侵襲であるが,術後早期に整復位損失を認めた.恒久的な整復位保持が得られる手術法の検討が必要である.
  • 山縣 大樹, 住浦 誠治, 山本 学, 吉田 紘二, 明石 浩介, 吉村 健
    2017 年 66 巻 3 号 p. 619-621
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー
    【目的】弾発肩甲骨は肩甲胸郭関節の非適合に伴い轢音を生じる病態である.様々な原因で生じるが,今回,肋骨骨折の変形癒合に伴う弾発肩甲骨の1例を経験した.【症例】65歳,女性.4か月前に左鎖骨骨折および左第三肋骨骨折を受傷した.近医で保存的治療を受けたが2か月前より左肩関節の挙上・下垂時に轢音・疼痛が生じたため当科紹介された.左肩関節最大挙上から下垂時に弾発とともに疼痛が生じ,これが患者を最も悩ませていた.CTでは第3肋骨骨折部が隆起して癒合しており,これが最大外転時では肩甲骨上角部の上方に現れ,下垂時では肩甲骨下に潜り込んでいた.これが弾発の原因と考え,第3肋骨骨折部の隆起部の形成術を行った.術後肩甲骨の弾発と疼痛は消失した.【考察】肋骨骨折変形癒合に伴う弾発肩甲骨の報告は稀である.しかし弾発の原因が他に考えられない場合,変形癒合部の形成術は治療として有効と考える.
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