整形外科と災害外科
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67 巻 , 4 号
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  • 樋口 健吾, 中山 大資, 隈元 真志, 本家 秀文, 馬渡 正明
    2018 年 67 巻 4 号 p. 645-649
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】多発性外骨腫に起因する外反股,臼蓋形成不全に対し寛骨臼移動術を行い,良好な臨床成績を得た2例を経験したので報告する.【症例】1.15歳女性,主訴;右股関節痛.CE角5度,Sharp角50度,頚体角159度と臼蓋形成不全,外反股の状態であった.寛骨臼移動術を行い,術後経過は良好である.2.30歳女性.主訴;左股関節痛.CE角9度,Sharp角52度,頚体角152度の臼蓋形成不全,外反股であった.大腿骨頭内側下部に外骨種を認め,可動域制限・インピンジメントを認めたため寛骨臼移動及び外骨腫摘出を行い術後経過は良好である.【考察】多発性外骨腫患者の股関節は外反股・臼蓋形成不全の形態をとることが多いと報告されており,関節症の進行による若年者の人工関節手術の報告も散見される.症状を有する若年者の臼蓋形成不全の場合,関節温存の観点からも手術時期を逸さないことは重要であり,慎重な長期経過観察が必要と考える.

  • 谷村 峻太郎, 佐藤 広生, 岡 潔, 末吉 貴直, 水田 博志
    2018 年 67 巻 4 号 p. 650-655
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】骨盤骨肉腫に対する重粒子線治療後に大腿骨頚部骨折を来した1例を経験したので報告する.【症例】24歳女性.右腸骨原発骨肉腫に対して化学療法と重粒子線治療を施行した.重粒子線治療後6ヶ月で,自宅にて転倒し右股関節痛が出現し,単純X線にて転位型の右大腿骨頚部骨折を認めた.骨肉腫の病変は仙腸関節部から臼蓋部まで存在し,臼蓋部の骨脆弱性が予想された為,人工骨頭置換術や人工股関節全置換術は施行せず保存的に対処した.現在,重粒子線治療後5年が経過し,局所再発や転移を認めず,ISOSLスコアは60%で,補高をしてロフストランド杖を使用し歩行可能である.【考察】骨盤骨肉腫に対する重粒子線治療の合併症として照射野の大腿骨頚部骨折が報告されている.重粒子線治療後の大腿骨頚部骨折の治療方針については,臼蓋部や大腿骨頭,大腿骨頚部に,重粒子線による骨壊死に伴う骨脆弱性が存在することを十分に考慮することが重要である.

  • 岩﨑 俊介, 木寺 健一, 穂積 晃, 千葉 恒, 志田 崇之, 上木 智博, 富田 雅人, 尾﨑 誠, 林 健太郎
    2018 年 67 巻 4 号 p. 656-660
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    57歳男性.右股関節痛,歩行困難を主訴に近医を受診し,低リン血症,FGF23の上昇,左大腿骨頭内腫瘍を認めたことから腫瘍性骨軟化症の診断にて紹介となった.当科にて人工股関節全置換術を施行したところ著明な臨床データの改善を認め,術後再発も見られていない.腫瘍性骨軟化症は腫瘍摘出後に再発した症例報告が散見される.我々は手術によって治癒し得た腫瘍性骨軟化症の一例を経験したため,今回若干の文献的考察を加えて報告する.

  • 井上 三四郎, 菊池 直士, 阿久根 広宣, 中家 一寿
    2018 年 67 巻 4 号 p. 661-662
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    (背景)骨折治療時の偶発がんに関する報告はない.(対象と方法)2012年から2016年の間に骨折治療時に偶発がんが発見された5例.平均年齢75.2(65~87)歳,男性2人女性3人,多発骨傷2例大腿骨近位部骨折2例大腿骨遠位部骨折1例であった.診断名,診断契機,骨折治療,転帰について調査した.(結果)肺癌2例,肝細胞癌・子宮頸癌・乳癌が1例ずつであった.診断契機は全例CTであった.全例骨折に対し可及的早期に手術施行後に,がん治療が行われた.平均2.8(1.5~5)年のフォローアップで3例が死亡し2例が生存していた.【考察】骨折が未治療で体交もままならない状態では,がんに対する生検や治療は困難である.まず骨折治療を優先すべきである.

  • 高田 寛史, 松田 光太郎, 平岡 弘二, 濱田 哲矢, 杉田 保雄, 大島 孝一, 久岡 正典, 志波 直人
    2018 年 67 巻 4 号 p. 663-666
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    家族性多発性神経鞘腫症(familial schwannomatosis)から悪性末梢神経鞘腫瘍(malignant peripheral nerve sheath tumor; MPNST)の発生をみた一例を経験したので報告する.症例は35歳女性.20歳時に右肘部腫瘍,4年後に左腋窩腫瘍に対して切除術施行し,神経鞘腫の診断であった.家族にも同様の症状を認め,家族性神経鞘腫症と考えられた.その後,左上顎洞内腫瘍(聴神経腫瘍は否定),第2,第3腰椎硬膜内髄外腫瘍,左足関節部腫瘍に対してそれぞれ切除術施行した.しかし左足関節部の腫瘍は術後8ヶ月で再発及び増大し,再切除術施行,MPNSTの診断であったため,追加広範切除術施行した.多発性神経鞘腫症の治療は症状を有する神経鞘腫の切除であるが,経過の長いもの,サイズの大きなもの,急速に増大するものは悪性化の可能性も考慮することが重要である.

  • 喜屋武 諒子, 當銘 保則, 前原 博樹, 金谷 文則
    2018 年 67 巻 4 号 p. 667-670
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    Giant cell-rich osteosarcoma(GCRO)は通常型骨肉腫の1~3%に発生する稀な疾患である.化学療法が著効した1例を経験したので報告する.症例は65歳,男性.1年前左膝関節痛を主訴に前医を受診した.単純X線像で左大腿骨外側顆の骨透亮像を指摘され,MRIで骨腫瘍疑いと診断された.その後通院の中断があり,6ヵ月後に疼痛が増悪したため前医を再受診し,単純X線像で病巣拡大を指摘され当院へ紹介された.当院で施行したFDG-PETで左大腿骨外側顆に高度集積を認め,切開生検の結果転移性骨腫瘍が疑われたため,初診から1ヵ月半後に広範切除術及び腫瘍用人工膝関節置換術を施行した.最終病理組織診断はGCROであった.術後1ヵ月に急速に増加増大する多発性肺転移を認め,NECO-95Jプロトコールに基づき化学療法を施行したところ著明な縮小効果が得られた.現在化学療法終了後1年6ヵ月経過し,再発転移を認めていない.

  • 村田 大, 小島 哲夫, 石河 利之, 小川 光, 仲西 知憲
    2018 年 67 巻 4 号 p. 671-673
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    上腕レベルの橈骨神経断裂の1例を経験したのでこれを報告する.症例は67歳男性.2 mの高さより転落し,剪定鋏が左上腕内側に刺さり受傷.同日前医にて洗浄後、即日当院紹介受診.左母指示指背側指間部の感覚は脱失し,左手関節背屈,左示指~小指MP関節伸展,左母指MP関節IP関節背屈の全てのMMTが0であった.受傷後3日で手術を施行.断裂した橈骨神経を7.0ナイロン針で周膜縫合した.術後3週間シーネ固定とし,その後リハビリ加療行った.術後6ヶ月で手関節背屈が,術後9ヶ月で示指~小指MP関節伸展が徐々に可能となり,術後1年で感覚はSWテストでgreen,MMTは手関節背屈5,示指~小指MP関節伸展5-,母指IP関節背屈4-と順調な回復をしている.諸家の報告では縫合後の橈骨神経の運動回復はいいとされているが,上腕レベルでの鋭的外傷後の回復の報告は少ない.本症例では今後も回復が期待される.

  • 藤田 貢司, 石田 康行, 谷口 昇, 田島 卓也, 山口 奈美, 長澤 誠, 森田 雄大, 関本 朝久, 帖佐 悦男
    2018 年 67 巻 4 号 p. 674-676
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    症例は39歳,女性,ミニバレー中に右橈尺骨骨幹部骨折,上腕骨内側上顆裂離骨折を受傷し,前医で保存的に加療を受けた.骨癒合後に可動域訓練を開始したが,尺骨神経領域の痺れが出現し,当科を紹介受診した.可動域制限は軽度であったが,肘部管症候群の所見を呈していた.単純X線では,上腕骨内側上顆裂離骨折および橈尺骨の変形癒合を認めた.肘部管および骨折部周囲での尺骨神経の絞扼を疑い,尺骨神経皮下前方移行術と骨折部周囲の尺骨神経の剥離を行った.肘部管および橈尺骨骨幹部において尺骨神経の絞扼を呈していた.術後経過は良好であった.症状が出現した際には早期の神経剥離術が必要であり,外傷部位が複数に及ぶ場合は,各々の部位での神経の確認が必要と考えられた.

  • 土海 敏幸, 米井 徹, 大塚 哲也, 河野 龍之助, 永島 英樹
    2018 年 67 巻 4 号 p. 677-680
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    不安定型大腿骨近位部骨折に対するmiddle size femoral nailの有用性を評価するため,short femoral nail使用例との比較検討をした.2016年4月~2017年5月に手術を行った不安定型大腿骨近位部骨折は10例であった.使用した機種に応じ,DePuySynthes社TFN-Advanced middle nailを使用したM群5例とStryker社Gamma 3を使用したS群5例に群分けした.調査項目は年齢,性,身長,体重,body mass index,併存疾患,受傷機序,手術までの待機期間,手術時間,総出血量,輸血の有無,整復位,tip-apex distance,telescoping量,頚体角の内反進行,骨癒合の有無,日常生活動作である.M群はS群と同等の患者背景と侵襲であったが,S群よりも歩行器歩行を早期に獲得でき,受傷前のADLへの復帰率が高かった.

  • 高橋 敏明, 岸 隆広, 須田 博子, 吉田 匡希, 岸本 勇二, 倉信 耕爾
    2018 年 67 巻 4 号 p. 681-684
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    大腿骨ステム周囲骨折に対し手術を行った症例に検討を加えたので報告する.対象は10例(男2例,女8例),手術時平均年齢85歳で初回手術は人工骨頭置換術7例,人工股関節置換術3例であった.骨折型はVancouver分類Type AG(脱臼合併):1例,B1:1例,B2:7例およびC:1例であった.手術は骨接合術が4例,ステム再置換術+骨接合術が6例でうちAG(脱臼合併):1例にはDual Mobility Cupを用いた人工股関節再置換術が行われた.術後経過観察期間は平均1年8か月で術前歩行可能であった9例のうち6例は術後も同等の歩行能力を獲得したが,3例は人工骨頭脱臼および感染の術後合併症や心不全,多発動脈塞栓症などの全身合併症により死亡または歩行不能となった.今回われわれはType B2に対して原則再置換術を適応したが,今後は活動性や認知症も含めた患者背景や術者の技量を考慮した手術方法の選択が重要であると考えられた.

  • 村中 一喜, 米倉 豊
    2018 年 67 巻 4 号 p. 685-686
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】大腿骨転子部骨折は高齢者に多く生じる骨折の一つであり,しばしば入院期間の長期化を招く.大腿骨転子部骨折患者において入院期間を短縮させるため,入院期間に影響する因子を調査した.【対象と方法】2011年1月から2015年12月の間に当院で骨接合術を行った大腿転子部骨折患者のうち院内転倒による受傷患者を除いた133例(男性:30例,女性:103例)を対象とした.年齢,性別,骨折型,周術期合併症の有無,術前待機日数,退院先について調査した.【結果】年齢,性別,骨折型,術前待機日数と入院期間に有意差を認めなかった.周術期合併症の有無,退院先と入院期間に有意差を認めた.合併症があり,退院先が自宅である患者の入院期間が長期化していた.また,肺炎を認めた患者で予後不良であった.【結語】大腿骨転子部骨折患者の入院期間を短縮するためには,周術期合併症の発生を予防し,退院先を調整する必要がある.

  • 櫻井 立太, 小宮 紀宏, 塚本 伸章, 屋良 卓郎, 加藤 剛, 矢野 良平, 石橋 卓也, 吉野 宗一郎, 前 隆男
    2018 年 67 巻 4 号 p. 687-689
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    高齢者の大腿骨頚部骨折では初診時の画像で診断できず,症状増悪後に診断に至る症例を度々経験する.今回,初診時で診断に至らず,再診時に大腿骨頚部骨折と診断され,人工骨頭置換術を施行した症例を調査した.対象は2012年1月~2017年6月までに大腿骨頚部骨折に対し人工骨頭置換術を施行した242例とした.そのうち初診時に診断に至らず,後日診断に至ったものは15例であった.各症例の年齢・初診~再診期間・Garden分類・HDS-R・骨粗鬆症治療等を調査した.初診・再診時のX線画像が評価可能であった6例はX線所見の比較を行った.平均年齢は85.1歳で診断時のGarden分類は全てⅢ・Ⅳあった.HDS-Rは平均14点で骨粗鬆症治療は3例のみ導入していた.前述の5症例では1例を除き,骨折線は明瞭ではなく,再診時にGarden分類はⅢ・Ⅳになっていた.初診時に診断がつかない症例は全体の6%で決して少なくない結果であった.80歳前後の高齢者に初診時の診断困難例が多く,骨折線を認めなくても頻回のフォローやMRI検査を検討するなどの対策が必要である.

  • 平山 雄大, 中野 哲雄, 越智 龍弥, 安岡 寛理, 田畑 聖吾, 中原 潤之輔, 酒本 高志, 前田 和也
    2018 年 67 巻 4 号 p. 690-692
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    100歳以上の大腿骨近位部骨折の術後成績を検討した.症例は2001~2017年に手術を施行した100歳以上の大腿骨近位部骨折11患者13例で,年齢は100~103歳,平均100.9歳,性別は男性2名,女性9名,骨折型は大腿骨頚部骨折4例,転子部骨折6例,転子下骨折2例,頚基部骨折1例であった.手術法は全例内固定術を行い,うち頚部骨折1例は偽関節のため再手術(人工骨頭置換術)を施行した.歩行再獲得率は63.6%(7/11例)で,周術期の合併症は術前肺炎1例,術後肺炎1例,術後肺炎+心不全1例であったが,全例が改善して自宅退院・施設入所・転院となった.術前評価にて手術が禁忌となるような既往症がなければ,100歳以上の患者でも積極的に手術を行うべきであると考える.

  • 太田 真悟, 古市 格, 村田 雅和, 小河 賢司, 前原 史朋, 新見 龍士, 伊藤 康志
    2018 年 67 巻 4 号 p. 693-696
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    高齢者の大腿骨近位部骨折は,その治療方針はほぼ確立し,安定した成績を示すが,稀に術後経過不良で再手術となることがある.今回,当院で2013年~2017年までに大腿骨近位部骨折320例に対して手術をおこなった症例のうち,再手術となった症例の原因及び再手術術式の選択に関して,考察を踏まえて報告する.再手術になったものは3例で,骨頭内screwのcutoutを1例,インプラントの折損2例を経験した.cutout症例は再受傷機転による大腿骨頭から頸部にかけての骨折があることから,重なる外傷が原因として考えられた.再手術術式はセメントステムでの人工骨頭換術をおこない,歩行器歩行まで歩行能力は改善した.ネイル折損の2例は遷延癒合を認めており,遷延癒合により金属疲労からネイル折損に至ったと考えられた.同症例の電子顕微鏡検査において折損部の断面は金属疲労による破断を示すストライエーションが認められた.再手術術式は,1例は骨幹部で遷延癒合による再骨折を認めたため,ネイルの入れ替えによる再骨接合術をおこなった.他1例はセメントステムでの人工骨頭置換術をおこなった.2例とも片手杖歩行まで歩行能力は改善した.初回手術後の経過不良の原因と受傷機転などを踏まえ,症例毎の状況を考慮し再手術術式を選択することが重要で,また手術後の確実なフォローアップの必要性を痛感した.

  • 荒川 大亮, 福田 文雄, 徳田 昂太郎, 飯山 俊成, 原 夏樹, 松尾 卓見, 坪根 徹, 戸羽 直樹
    2018 年 67 巻 4 号 p. 697-699
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】海外では大腿骨近位部骨折はHip attackと称され緊急手術の対象となっている.しかし併存病のため手術不能な症例や家族が手術を希望しない症例も散見される.【目的】手術適応であるにも関わらず手術しなかった症例の原因とその転帰を明らかにする.【対象】2012年から2016年の5年間,65歳以上の大腿骨近位部骨折患者777例中,手術適応にも関わらず手術しなかった症例30例(3.9%)を対象とした.平均年齢:87.3歳(72-101歳),男性9例,女性21例,頚部骨折18例,転子部骨折:11例,転子下骨折1例であった.【結果】併存病のため手術不能:20例,受傷前歩行不能:6例,手術希望なし:4例であった.併存病(主病名)として,循環器疾患:18例(心不全:8例,弁膜症:4例,大動脈瘤:4例,虚血性心疾患:2例),肺炎:2例であった.退院の転帰は併存病群4例/20例(20%)は死亡退院,非併存病群は全例転院もしくは退院していた.1年後死亡率は併存病群8例/20例(40%),非併存病群1例/10例(10%)であった.

  • 前田 昌隆, 前之園 健太, 富村 奈津子, 吉野 伸司, 川内 義久, 東郷 泰久, 小倉 雅, 佐々木 裕美, 小宮 節郎
    2018 年 67 巻 4 号 p. 700-702
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    下腿外捻症に対して内旋骨切りを施行し,良好な治療成績が得られた1例を報告する.症例は45歳女性で,小学生の頃より歩容異常があり最近になり右股関節と足部・足関節の歩行時の痛みが出現した.術前評価として歩容の機能評価,患者立脚型評価として日本整形外科学会股関節疾患評価質問票(以下,JHEQ),Knee injury and Osteoarthritis Score(以下,KOOS),自己記入式足部足関節評価質問票(以下,SAFE-Q)を用いた.CTにより回旋の程度と部位を確認して,脛骨結節以下での下腿を骨切り・内旋矯正してプレートによる固定を行い,良好な結果を得た.

  • 松永 英人, 緒方 宏臣, 山下 武士, 川谷 洋右, 竹村 健一, 今村 悠哉, 坂本 圭, 米村 憲輔
    2018 年 67 巻 4 号 p. 703-705
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】我々は肩峰下滑液包内に多数の米粒体を有する比較的稀なリウマチ性肩峰下滑液包炎の1例を経験したので報告する.【症例】69歳,男性.6年前より関節リウマチの診断にて,内服加療をされていたが自己中断していた.2ヶ月前より続く右肩の疼痛,腫脹,可動域制限のために当科再診となった.MRIではT2強調画像,脂肪抑制画像にて滑液包部の高信号と多数の低信号結節像を認めた.鏡視所見では,肩甲上腕関節内に著明な滑膜の増生を認め,肩峰下滑液包内に滑膜の増生と多数の米粒体を認めた.滑膜切除術と米粒体の除去術を施行した.術後1ヶ月が経過し,右肩の疼痛はなく,可動域も保たれ,局所再発は認めていない.【考察】MRI画像の鑑別診断としては,滑膜性骨軟骨腫,びまん型巨細胞腫,軟部腫瘍などがあげられるが,MRI所見のみで鑑別することは難しい.本症例では関節鏡視下に米流体を観察,採取し,病理組織学的に確定診断を得ることができた.

  • 谷口 良太, 高野 祐護, 副島 悠, 荒武 佑至, 福徳 款章, 柳澤 義和, 田中 孝幸, 土井 俊郎, 有馬 準一
    2018 年 67 巻 4 号 p. 706-708
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    症例は48歳男性,来院1週間前に転倒し右大腿部痛が出現.徐々に右大腿部痛が増強し,我慢ができなくなったため救急搬送された.著明な疼痛及び腫脹のため大腿部コンパートメント症候群との鑑別を要したが,精査の結果,浅大腿動脈瘤破裂による大腿部痛であり,放射線科医師によりコイル塞栓術を施行し疼痛及び腫脹は改善した.コイル塞栓後の大腿部内側筋間内圧は40-60 mmHg(左20 mmHg)と高値であったが,疼痛及び腫脹は改善しており経過観察により徐々に症状は消退した.

  • 井上 三四郎, 吉田 裕俊, 幸 博和
    2018 年 67 巻 4 号 p. 709-712
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【目的】画像所見以外での脊椎カリエスと化膿性脊椎炎とを鑑別する因子を同定すること.【対象と方法】脊椎カリエス25例と化膿性脊椎炎35例を対象とした.検討項目は,年齢・性別・糖尿病,治療中の悪性腫瘍,透析など易感染性を示唆する既往歴(以下既往歴)・脊椎以外の他臓器における活動性結核の合併(以下他臓器結核)・病変部位・入院時白血球数・入院時CRPの7項目である.統計ソフトはStatcel 3とEZRを使用しP<0.05を有意差ありとした.【結果】単変量解析で,性別,既往歴,他臓器結核,病変部位,入院時白血球数に有意差あり.多変量解析で,他臓器結核と既往歴に有意差あり.【考察】化膿性脊椎炎と脊椎カリエスとを鑑別するポイントは,他臓器結核と既往歴であった.他臓器結核,特に肺結核の精査は,集団感染予防という点からも重要である.

  • 春田 陽平, 藤原 将巳, 齊田 義和, 宮岡 健, 近間 知尚, 古賀 理恵, 酒井 翼
    2018 年 67 巻 4 号 p. 713-717
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    非常に稀である非チフス性サルモネラ菌による腰仙椎化膿性脊椎炎の症例を経験したので報告する.症例は既往歴の特にない30歳男性,体動困難なほどの腰臀部痛が出現し他院で安静入院中に発熱も伴い,脊椎感染症の精査目的に当院転院となった.神経学的異常所見は認めなかったがMRIでL5/S1化膿性脊椎炎と診断した.抗生剤加療を継続するも炎症反応・腰臀部痛が増悪しMRIで膿瘍サイズ増大も認めたため,準緊急でL4/5/S椎弓切除および膿瘍除去を施行した.起因菌はSalmonella O9群であった.術後高気圧酸素療法も併用して抗生剤加療を行った.術後MRIで椎体信号変化の増悪を認めたが,膿瘍は縮小し硬膜後方は十分除圧されていた.炎症反応陰性化し,術後6カ月でL5/S1の骨硬化を確認して,硬性コルセット除去,独歩可能となった.近年脊椎硬膜外膿瘍は増加傾向にあるが,見逃されやすく治療開始が遅れることも少なくない.発熱を伴う腰痛には感染症を念頭に精査を行う必要がある.

  • 田中 宏毅, 成田 元気, 佐藤 玲奈, 福島 郁仁, 田中 秀直, 中山 恵介, 小澤 慶一
    2018 年 67 巻 4 号 p. 718-721
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【目的】骨粗鬆症性椎体骨折に対し,まずは保存的治療を選択することが多い.当院の保存的治療の成績を調べ,諸家報告と比較検討した.また,椎体不安定性と疼痛,ADLの関連を調べた.【対象と方法】32例を検討した.疼痛はVisual analog scale:VASで,ADLはFunctional independence measure:FIMで,椎体不安定性はレントゲン動態像で評価し,8週後まで追跡した.【結果】8週後,椎体不安定性は32例中27例(84%),VASは21例(66%),FIMは29例(91%)で改善した.VASの途中増悪は27例(84%)に認め,遷延骨癒合診断における陽性尤度比(LR+)は0.93であった.FIMの途中増悪は13例(41%)でみられ,LR+は1.93であった.【結論】当院の治療成績は,諸家と大差はみられなかった.ADLスコアは,遷延骨癒合の早期診断に有用である可能性がある.

  • 三溝 和貴, 田上 敦士, 依田 周, 金丸 由美子, 山田 周太, 江良 允, 矢部 嘉浩
    2018 年 67 巻 4 号 p. 722-725
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【目的】椎体骨折後の新規椎体骨折の発生を調査すること.【対象と方法】当院で椎体骨折に対して保存加療・骨粗鬆症治療(PTH製剤)を行い,2年以上経過観察している104例(男性23例,女性81例,平均年齢79.6歳)を対象とした.新規椎体骨折の発生と時期,遅発性麻痺,偽関節などによる手術の有無,既存椎体骨折数を調査した.【結果】新規骨折は4.8%(5例)に認め,うち2例は治療開始3カ月以内に新規骨折を認めた.手術に至る症例はなかった.既存椎体骨折は0椎体:46例,1椎体:16例,2椎体13例,3椎体以上29例で,新規骨折を起こした5例のうち4例(80%)は3個以上の既存椎体骨折を認めた症例であった.【考察】受傷早期からの保存加療及びPTH製剤を用いた骨粗鬆症治療は新規骨折を低減し,手術を回避できる可能性がある.

  • 新村 辰臣, 半仁田 勉
    2018 年 67 巻 4 号 p. 726-728
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    大腿骨転子部骨折に対し手術療法が保存療法に勝っているため当院でも積極的に手術を行っている.今回我々は2例の術後遅発性感染を認め,抗生物質含浸ハイドロキシアパタイト(HA)ブロックを用いて治療し良好な結果を得ることができたため報告する.Zimmer Biomet社リジェノスの連続性気孔内に抗生物質をStryker社Mixevac 3で陰圧をかけて含浸させ,抜釘でできた骨孔に充填する方法を用いた.【症例1】77歳男性で71歳時に左大腿骨転子部骨折に対しガンマネイル施行された.77歳時に発熱し近医での精査で髄内釘周囲の膿瘍形成を認めた.【症例2】78歳女性で77歳時に転子下骨折に対しロングガンマ施行された.術後7ヶ月で発熱認め,近医での精査でラグ刺入部に膿瘍形成認めた.2例ともに軽快し,抗生物質含浸HAブロックは手技が容易で,高齢者の術後感染症に対しても安全で有効な治療法である.

  • 岩永 壮平, 吉光 一浩, 濱田 哲矢, 樋口 富士男, 大川 孝浩, 志波 直人
    2018 年 67 巻 4 号 p. 729-733
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】非結核性抗酸菌による人工股関節感染の1例を経験したので報告する.【症例】72歳女性.5年前に左人工股関節再置換術を受けている.関節リウマチの治療に生物学的製剤が使用されていたがCRP高値が持続していた.4か月前より増大したこぶし大の左臀部腫瘤の精査目的で当科紹介となった.生検による病理所見で悪性組織はなく炎症性肉芽であり,細菌培養にてグラム陰性桿菌,非結核性抗酸菌が検出されたため抗結核薬を含む抗菌薬治療を開始した.その後も炎症反応の軽減なく排膿が続いたため人工股関節抜去及びセメントスペーサー留置術施行.その後感染が沈静化したため抜去後10か月で人工股関節再置換術を施行した.【考察】生物学的製剤の使用により感染がマスクされ,巨大な炎症性肉芽形成に至ったと考える.関節リウマチ患者において,遷延する炎症反応上昇がある場合,非定型抗酸菌感染の可能性も念頭に精査を行う必要があると考えた.

  • 朝永 育, 白石 和輝, 前田 純一郎, 入江 準二, 朝長 匡
    2018 年 67 巻 4 号 p. 734-737
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【背景】稀な鎖骨近位骨幹端骨髄炎の1例を経験したので報告する.【症例】68歳男性 右鎖骨上の腫瘤にて受診,画像所見で鎖骨近位端骨幹端の骨融解像を認めた.1週間後より発熱,CRP・白血球の上昇があり入院となった.SAPHO症候群,骨腫瘍,骨髄炎が鑑別として挙げられた.針生検の結果,病理組織で骨腫瘍を疑う初見はなく,培養でMethicillin-Sensitive Staphylococcus Aureusが検出された.抗菌薬の経静脈投与を行ったが沈静化せず,病巣掻爬術を行った.術後1ヶ月間抗菌薬の経静脈投与を行い,現在のところ再燃は認めていない.【結語】成人における血行性感染での鎖骨近位骨幹端骨髄炎の報告は稀であり,文献的考察を加え報告する.

  • 吉光 一浩, 岩永 壮平, 秋吉 寿, 井上 明生, 諌山 輝刀, 樋口 富士男, 志波 直人
    2018 年 67 巻 4 号 p. 738-741
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】片側特発性大腿骨頭壊死の発症15年後に反対側に大腿骨頭壊死を生じた症例を経験した.【症例】56歳,男性.41歳時にMRI,骨シンチグラフィー等により左大腿骨頭壊死の診断を受け当院で大腿骨内反骨切り術を施行した.当時約15年の飲酒歴があり焼酎3~4合をほぼ毎日飲酒していた.ステロイド使用歴はなかった.その後も焼酎2~3合をほぼ毎日飲酒し続けており56歳時に右股関節痛出現,近医でMRIにて右大腿骨頭壊死の診断を受け手術希望で当院受診.早期社会復帰の希望が強く人工股関節全置換術を行った.【考察】特発性大腿骨頭壊死症は片側発生後2年を超えて反対側に発生することは稀とされている.今回片側発症15年後に反対側に発症した症例を経験した.アルコール性大腿骨頭壊死は,飲酒の継続が反対側発生につながる可能性を示唆する報告がある.本症例も片側発生後に飲酒が継続され反対側発生の一因になったと考えられた.

  • 石原 昌人, 仲宗根 哲, 平良 啓之, 山中 理菜, 親川 知, 松田 英敏, 東 千夏, 神谷 武志, 金谷 文則
    2018 年 67 巻 4 号 p. 742-745
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【症例】65歳男性,慢性腎不全で透析歴28年.床から立ち上がる際に右股関節痛が出現し救急搬送された.単純X線像,CTで両大腿骨頚部骨皮質は菲薄化し,骨嚢腫を認め,右大腿骨頚部骨折を合併していた.左大腿骨頚部は皮質骨が一部破綻し不全骨折の状態であった.右大腿骨頚部骨折に対してセメントレス人工股関節置換術(THA)を行い,1ヵ月後に左大腿骨頚部不全骨折に対して骨嚢腫掻爬・自家骨移植・骨接合術を行った.両側とも病理組織検査でアミロイド骨嚢腫の診断であった.術後1年,両股関節痛はなくT字杖歩行が可能である.【考察】長期透析患者の大腿骨頚部アミロイド骨嚢腫を伴った病的骨折は偽関節になりやすい.本例は右側の大腿骨頚部骨折に対してTHAを行い,左側の不全骨折に対しては掻爬・骨移植・骨接合術を行った.長期透析患者のTHAの長期成績は不良であり,不全骨折に対する骨接合術は治療の選択肢となると思われた.

  • 中山 大資, 樋口 健吾, 隈元 真志, 本家 秀文, 馬渡 正明
    2018 年 67 巻 4 号 p. 746-748
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    「はじめに」近年,人工股関節全置換術(THA)の手術件数は増加傾向にある.THA術後感染は患者の機能予後を著しく低下させるため,その予防や早期の発見,治療が重要である.今回,明らかな誘因なく術前にCRP値が上昇している患者について,CRP陰性群と比較検討を行い,治療方針に関して検討した.「対象と方法」2012年4月から2017年3月に当院で行った初回THA 527例を対象とした.外傷例・高位脱臼性股関節症(Crow分類ⅢorⅣ),急速破壊型股関節症,大腿骨頭壊死症,反対側が進行期以上の変形性股関節症例,関節リウマチを含む膠原病合併症例を除外した125例125股を対象とした.そのうち,CRP陽性群は25例25股であった.同期間にTHAを行った患者で除外例を除いた術前CRP陰性群100例100股を比較対象とした.2群間で性別,年齢,BMI,病期分類(JOA),術後CRP値の推移,術前夜間痛の有無について比較した.「結果」BMI,術前の夜間痛の有無で2群間に有意差を認めた.また,有意差は認めなかったがCRP陽性群はCRP陰性群に比べて術後2週間までCRPが高かった.CRP陽性群で術後感染を来した症例はなかった.「結語」THAに際して,術前CRP陽性例については感染を否定した上で手術を行い,術後も注意深く経過観察していく必要がある.

  • 河野 俊介, 北島 将, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2018 年 67 巻 4 号 p. 749-751
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    抗菌効果を有したAg-HAコーティングセメントレスステム(AG-PROTEX)を使用して初回人工股関節全置換術を行った60股を対象に,症例の特徴を調査して初期固定性評価を行った.手術時平均年齢は69歳,術後経過観察期間は6か月であり,調査項目は原疾患,既往症,大腿骨形状,looseningの出現とstem stabilityとした.原疾患は,形成不全性股関節症が28股と最多で,多くの症例は感染リスクを有していた.平均Canal Flare Indexは3.1で,27股がstove pipe形状であった.sinkingを呈した症例は認めず,spot weldsは43股に出現していた.stress shielding(SS)は25股に出現し,3度以上の高度SSを2股に認めた.短期で,全例がbony fixationではなかったが,早期にsinkingする症例はなく初期固定性は良好であった.

  • 小倉 拓馬, 山下 芳隆, 寺田 歩, 佐々木 裕美, 永野 聡, 小宮 節郎
    2018 年 67 巻 4 号 p. 752-754
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    今回我々はスポーツに起因する女児に発生した骨盤疲労骨折の1例を経験したので文献的考察を踏まえて報告する.症例は10歳女児.バレーボールを始め約1か月でランニング時左股関節痛が出現.近医受診するも異常なく,その後跛行出現し症状軽快しないため当院受診となった.X線,CT,MRI等の検査から,骨端症,骨髄炎,骨腫瘍の鑑別を行い,骨盤疲労骨折と診断し,スポーツ活動の禁止と安静ののち7週で疼痛改善した.

  • 渋田 祐太朗, 金﨑 彰三, 野谷 尚樹, 津村 弘
    2018 年 67 巻 4 号 p. 755-757
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    3歳8か月,女児.バックで駐車しようとした車が患児に乗り上げて受傷し,当院に搬送された.来院時は出血性ショックの状態であった.単純X線及びCTにて両側恥骨上枝骨折及び左crescent fracture,右仙骨骨折を認め,恥骨骨折部後面に造影剤血管外漏出を認めた.血管径が細く,経カテーテル動脈塞栓術は困難と判断し,出血コントロール目的に手関節用創外固定器(Stryker社Hoffmann compact External Fixation System)を用いて創外固定術を行った.固定性は良好で術後は血行動態の安定化が得られ,ADL拡大が可能となった.術後24日創外固定除去し,術後30日より歩行許可した.術後1年現在,骨融合し疼痛なく独歩可能である.低年齢の小児骨盤骨折においては成人用の創外固定キットではスクリュー径が骨盤に比して大きく,挿入困難である.本症例では手関節用創外固定器を用いることによって良好な結果を得た.

  • 薦田 仁朗, 田中 潤, 信藤 真理, 稲光 秀明, 坂本 哲哉, 山本 卓明
    2018 年 67 巻 4 号 p. 758-761
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    不安定型の骨盤輪骨折に対する治療法は多種にわたる.今回我々はspino-pelvic fixationで治療を行った症例を経験したので文献的考察も含め報告する.症例は25歳女性.4階からの転落で受傷.同日当院救急搬送となり,第12胸椎破裂骨折,左大腿骨転子部骨折,左踵骨骨折,仙骨骨折を伴う不安定型骨盤骨折の診断で入院.骨盤骨折に対し同日創外固定施行.第4病日に左大腿骨骨折に対し骨接合術,第12胸椎骨折に対し経皮的脊椎固定術施行.さらに第12病日に仙骨骨折を伴う不安定型骨盤骨折に対しSpino-Pelvic Fixationを施行した.術後は膀胱直腸障害・下肢麻痺は軽度残存も早期から荷重開始しており,術後1年の現在,1本杖歩行で歩行安定している.

  • 小宮 紀宏, 加藤 剛, 塚本 伸章, 屋良 卓郎, 前 隆男
    2018 年 67 巻 4 号 p. 762-764
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【初めに】今回,我々は骨盤輪後方要素の損傷を伴う骨盤骨折の3例に対しSpino-pelvic fixation(SPF)による後方要素の固定を施行したので報告する.【症例】①26歳男性.5階から転落して受傷した.両仙骨骨折(ZoneⅡ),左恥坐骨骨折を認め,左腸骨は上方へ転位していた.SPFによる骨盤輪後方要素の固定と,CCSを用いて恥骨の内固定を施行した.②82歳女性.歩行中に乗用車にはねられて受傷した.両仙骨骨折(ZoneⅡ)と,両恥坐骨骨折を認めた.SPFによる骨盤輪後方要素の固定とCCSを用いて恥骨の内固定を施行した.③65歳男性.農作業中にトラクターとポールに挟まれて受傷した.左仙骨骨折,恥骨結合離開を認め,左腸骨は上方へ転位していた.また,右仙腸関節脱臼骨折,右恥坐骨骨折を認めた.左片側のSPFによる骨盤輪後方要素の固定,恥骨結合のプレート固定を施行した.【結論】SPFは骨盤輪後方要素の損傷に対する固定に,有用な方法の一つであると考える.

  • 中川 航, 村岡 辰彦, 井上 三四郎, 大崎 佑一郎, 高橋 宗志, 内田 泰輔, 原田 知, 小田 竜, 岩崎 元気, 菊池 直士, 阿 ...
    2018 年 67 巻 4 号 p. 765-766
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】triplane骨折は骨端線閉鎖時期におこる稀な骨折であり,骨膜嵌入により非観血的整復は困難になり得るという報告がある6).一方成書には徒手整復で2 mm未満の転位まで整復できれば観血的整復を行わないとの記載があり2),我々もこれに従っている.当院での治療法と成績について報告する.【対象と方法】当院で手術を施行し,6ヶ月以上観察可能であった5例5足を対象とした.平均年齢は13.2歳,全例男児であった.受傷機転はサッカー4足,転落1足であった.骨折型は外側型4足,内側型1足,手術までの日数は平均1.4日であった.【結果】全例,非観血的整復後に経皮的固定を行った(KW 3足,KW+CCS 2足).全例に骨癒合が得られた.【考察】受傷早期に全例に非観血的整復および経皮的固定を行った.術後成績は良好であった.

  • 福島 庸介, 永野 賢, 上原 慎平, 吉武 幸次郎, 崎村 陸
    2018 年 67 巻 4 号 p. 767-770
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    65歳未満の比較的若年者で両踵骨脆弱性骨折を同時に生じた症例の報告は少ない.今回,稀と思われる両踵骨脆弱性骨折を呈した中年男性1例を経験したので報告する.症例は49歳男性.1ヶ月前より誘因なく歩行時の両踵部痛と両下腿浮腫が出現した.両踵骨脆弱骨折と診断され,その原因として骨軟化症が疑われた.

  • 西田 功太, 白濱 正博, 岡崎 真悟, 杉浦 由佳, 松浦 充洋, 吉田 史郎, 仲摩 憲次郎, 志波 直人
    2018 年 67 巻 4 号 p. 771-773
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】今回極めて希な距骨骨折(Sneppen分類C型)の1例を経験したので報告する.【症例】30歳,男性.バイク走行中に軽自動車と衝突し受傷した.単純X線,CTで左距骨骨折・左第5中足骨骨折・右大腿骨顆上骨折・左橈尺骨遠位端骨折を認めた.受傷18日目に左距骨骨折に対し前方アプローチでアキュトラック4/5スクリュー®を用い骨接合術を施行した.術後よりPTB装具装着とし,術後6週間より1/3荷重,術後8週間より全荷重とした.術後6か月,独歩可能で距骨骨壊死は認めなかった.【考察】距骨骨折は,全骨折症例の約1%と希な骨折であり,Sneppenは距骨の体部骨折を6型に分類した.本症例は距骨体部矢状断骨折にあたるC型であり,渉猟し得る限りSneppen C型単独例は本邦では報告例はなかった.【まとめ】極めて希な距骨骨折に対して観血的治療で良好な成績を得た.

  • 白井 隆之, 吉村 一朗, 金澤 和貴, 萩尾 友宣, 杉野 裕記, 山本 卓明
    2018 年 67 巻 4 号 p. 774-776
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【症例】12歳,男性.外傷なく両足関節に疼痛が出現した.某医で両距踵関節癒合症と診断され,保存加療されるも改善なく当院受診した.両足関節内果後方に骨性の膨隆を認め,後足部の内外反で同部位に疼痛が誘発された.後足部の可動域は両側制限を認めた.CTで両側距踵間内側に骨不整像と嚢胞形成を認めた.両足根骨癒合症の診断に対し両側癒合部切除術を施行した.術後1週間より荷重を開始し,術後6週後からサッカーの練習に復帰した.JSSF(The Japanese Society for Surgery of the Foot)scoreは両側とも87点から100点まで改善した.【考察】両側足根骨癒合症の両側同時癒合部切除術は片足ずつ行う手術と比較して,治療期間の短縮が可能となり,特に早期のスポーツ復帰が必要な症例においては有用と思われる.

  • 藤田 潤, 吉村 一朗, 萩尾 友宣, 金澤 和貴, 蓑川 創, 山本 卓明
    2018 年 67 巻 4 号 p. 777-782
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【目的】距骨骨軟骨障害の手術的治療は骨髄刺激法がファーストラインとされている.しかしCystを伴った病変の治療方法については議論が分かれている.当院で行っている自家海綿骨移植術の治療成績について検討した.【方法】2014年12月から2017年5月に長径5~10 mm以上のCystを伴う距骨骨軟骨障害に対して内果骨切り,掻爬,自家海綿骨移植術を施行した5例5足を対象とした.臨床評価を術前後の日本足の外科学会 足関節・後足部判定基準(JSSF Scale),術後画像評価をCT,MRIにて行った.【結果】いずれも術後画像評価にてCystは消失し,JSSF Scaleは全例改善を認めた.【結論】Cystを伴った距骨骨軟骨障害に対して,自家海綿骨移植は有効な治療法の1つと考えられる.

  • 竹山 文徳, 金澤 和貴, 吉村 一郎, 萩尾 友宜, 藤田 潤, 山本 卓明
    2018 年 67 巻 4 号 p. 783-787
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    アルカプトン尿症は先天性代謝異常症の一つであり,稀に関節症を引き起こすことがある.今回,アルカプトン尿症性足関節症に対し鏡視下手術を施行した症例を経験したので報告する.【症例】65歳,男性.特に誘因なく左足関節痛が出現し当科受診.既往歴にアルカプトン尿症があり,肩関節,膝関節,股関節は人工関節置換術を施行されていた.初診時,単純X線足関節立位正面像で関節裂隙の狭小化を認めた.変形性足関節症の病期分類Ⅱ期と診断し鏡視下デブリドマンを施行した.術後早期に疼痛は改善したが,術後6ヶ月で左足関節痛が再燃.単純X線足関節立位正面像で関節裂隙は消失し,病期分類はⅣ期に進行していた.初回手術より8ヶ月後に鏡視下足関節固定術を施行した.足関節固定術後10ヶ月の現在,単純X線にて骨癒合は遷延しているが歩行時痛は認めず,JSSF scaleは術前31点から術後87点へ改善している.

  • 岩元 俊樹, 有田 忍, 石倉 透, 福原 志東, 赤星 正二郎, 馬場 賢治, 塚本 学, 沖本 信和
    2018 年 67 巻 4 号 p. 788-792
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    非定型大腿骨骨折(AFF)の所見を有するインプラント周囲骨折の一例に対して,インプラントが原因か? ビスホスホネートが原因か考察報告する.症例は85歳女性.12年前よりビスホスホネート(BP)内服を開始した.11年前に右大腿骨頸部骨折に対して人工骨頭置換術を施行後,6年前より単純X線にて右大腿骨外側に限局する皮質骨肥厚を認めた.2ヶ月前より歩行時の右大腿外側痛認めたことからBP休薬後にテリパラチド(PTH)投与を開始した.階段昇降の訓練中に骨折をきたした.単純X線にて右大腿骨ステム周囲骨折Vancourver分類type B1と診断した.骨接合の際に皮質骨肥厚部を骨生検し,標本上は低骨代謝回転を示唆する所見であった.現在,疼痛なく歩行器歩行訓練中である.インプラント周囲に骨折をきたし,長期にBPが投与されているような症例では,血液化学検査のデータでは骨代謝回転が正常であっても,局所では低骨代謝回転をきたし骨折の原因となっている可能性がある.

  • 内田 泰輔, 井上 三四郎, 村岡 辰彦, 大崎 佑一郎, 中川 航, 高橋 宗志, 原田 知, 岩崎 元気, 小田 竜, 菊池 直士, 阿 ...
    2018 年 67 巻 4 号 p. 793-795
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【はじめに】今回我々は,大腿骨非定型骨折保存加療後の再骨折で髄腔閉鎖があり,髄内釘挿入に難渋した1例を経験したため報告する.【症例】78歳女性.3年前に左大腿骨骨幹部非定型骨折を起こし,近医で保存加療をされた.今回転倒し,同部位の骨折を認め,髄内釘による骨接合を行った.術中骨折部の髄腔閉鎖を認め,閉鎖的には髄内釘挿入は困難であった.骨折部を展開し,髄腔の開窓を要した.【考察】大腿骨非定型骨折の発生数は近年横ばいである.手術加療を行われることが多いが,なかには保存加療が行われることもある.手術としては髄内釘が選択されることが多い.大腿骨非定型骨折保存加療後の同一部位での骨折で,髄腔閉鎖を認めたため,髄内釘挿入困難な1例を経験した.同一部位での骨折の既往があり,髄内釘を選択する場合は術前にXpやCTを用いて髄腔閉鎖の有無を確認する必要がある.

  • 鮒田 貴也, 柳澤 哲大, 大野 貴史, 林田 実, 薬師寺 俊剛
    2018 年 67 巻 4 号 p. 796-798
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    症例は11歳女性.自転車走行中に転倒し,近医で左大腿骨骨幹部骨折を認め当院紹介受診となった.保存的加療の方針となり鋼線牽引を施行したが整復が困難であり,受傷後9日目に経皮的ピンニングを施行し,スピードトラック牽引を追加した.受傷後20日目に左下腿痛が出現し,画像検査にて左外腸骨静脈から膝下静脈にかけて血栓を認めた為,下大静脈フィルターを留置し抗凝固療法を開始した.受傷後2ヶ月には血栓消失を確認し,フィルターを抜去した.小児における深部静脈血栓症(Deep vein thorombosis:以下DVT)の発症率は低い(0.07-0.14人/1万人)ことが報告されている.しかし小児においてもDVT発症のリスクは考えねばならず,その予防,診断を念頭において治療すべきである.稀な小児のDVT症例を経験したので,若干の文献的考察を踏まえ報告した.

  • 蛯子 隼, 大久保 宏貴, 仲宗根 素子, 川越 得弘, 金城 政樹, 普天間 朝上, 赤嶺 良幸, 金谷 文則
    2018 年 67 巻 4 号 p. 799-803
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
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    Ollier病による上腕骨変形に対する治療はMultiaxial correction systemを用いた報告が多い.これは創外固定器装着後に変形矯正が可能だが,衣服の着脱が困難で女性への適応は躊躇することが多い.単支柱型創外固定器を用いて変形を矯正し得た症例を報告する.14歳,女児.進行する左上腕変形のため,外観が気になるようになった.単純X線像で上腕骨近位約80%は内軟骨腫に占拠され,3D-CTでは健側と比較して外反65°伸展37°,内旋22°変形し,45 mm短縮していた.手術は3D-CTシミュレーション通りに骨切りを行い,変形を矯正した後,単支柱型創外固定器を装着した.仮骨延長を行い,延長量は43 mmでhealing indexは45 days/cmであった.創外固定器装着中も衣服の着脱は容易で,愁訴はなかった.最終観察時,変形は矯正され外観に満足している.

  • 原田 知, 井上 三四郎, 中川 航, 大崎 佑一郎, 高橋 宗志, 内田 泰輔, 村岡 辰彦, 岩崎 元気, 小田 竜, 菊池 直士, 阿 ...
    2018 年 67 巻 4 号 p. 804-807
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    (背景)プレート固定を行う際に,術中整復保持は重要である.通常はKワイヤーや骨把持器が汎用されているが,固定力が弱くプレート固定の際に干渉し邪魔になることもある.(症例)症例1:45歳女性,GustiloⅡ左脛腓骨骨幹部骨折に対し初回手術として洗浄縫合および創外固定を施行した.症例2:64歳男性,GustiloⅡ左大腿骨遠位部骨折に対し,前医で洗浄縫合および鋼線牽引が施行された.症例3:67歳女性,右脛腓骨遠位端骨折に対し前医でシーネ固定が施行された.症例4:58歳女性,左足関節脱臼骨折に対し初回手術として創外固定を施行した.症例5:17歳男性,GustiloⅠ左脛骨近位部骨折に対し初回手術として創外固定を施行した.全例に最終固定としてプレート固定を行った.その際に,モジュラー型創外固定器を術中整復およびその保持に使用した.(考察)自由度が高く強固な整復保持が可能なモジュラー型創外固定器は,術中整復保持器として有用である.

  • 前迫 真吾, 松野下 幸弘, 領木 良浩, 新門 裕三, 河村 一郎, 山元 拓哉, 佐々木 裕美, 小宮 節郎
    2018 年 67 巻 4 号 p. 808-810
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    パーキンソン病(Parkinson's disease:以下PD)は50-65歳に発症し,本邦で人口10万人あたり130人程度の有病率で患者数が増加している疾患である.また,PDには特徴的な脊柱変形が合併することが知られているが,早期には患者自身がPDと自覚することもなく,一般整形外科外来を受診することも多い.当法人にはPD専門医が常勤しており,多くのPD患者のフォローアップを行っている.今回2015年5月に当法人の神経内科専門医を受診した84名(男性37名,女性47名,年齢42-93歳,平均罹病期間6.5年)についてカルテ調査を行った.初診時において他院からの紹介が43名であり,そのうち24名が整形外科からの紹介であった.また,84名中45名に脊椎疾患の合併を認め,うち8名に手術を行ったが術後経過は良好である.今後,我々はPD患者を経時的に調査し,経過を解析していく予定である.

  • 赤嶺 卓哉, 萬久 博敏, 角川 隆明, 金高 宏文, 新田 城二, 藤井 康成, 添嶋 裕嗣
    2018 年 67 巻 4 号 p. 811-815
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【対象と方法】腰痛疾患症例112名(平均年齢61.9±8.5歳;膝関節疾患合併例45名を含む)に対し,約6.0ヵ月間(週2回)の水中運動療法を行い,以下の知見を得た.【結果】①.腰痛・膝関節疾患症例においては,水中運動後では運動前に比し,肥満の軽減,心肺機能の向上,体幹・下肢の筋力・柔軟性の増強,症状の改善がそれぞれ統計学的に有意に認められた(以下p<0.05).②.全例を通じて,水中運動後では体幹伸展・屈曲力,ファンクショナルリーチ試験(全身バランス能力)の漸増的向上が有意に観察された.③.了解の得られた13名(平均年齢60.6±8.0歳)の生体電気抵抗分析(BIA法)では,全身インピーダンスの有意な軽減などが認められた.【まとめ】以上より,腰痛・膝関節疾患に対する水中運動療法の有効性が示唆された.

  • 千丈 実香, 井本 光次郎, 佐久間 克彦, 中島 伸一
    2018 年 67 巻 4 号 p. 816-818
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    【目的】2016年に発生した熊本地震により,当院にて年間どのくらいの外傷症例が増加したかをまとめ,報告する.【方法】2016年4月中旬から2017年4月中旬までに転落を契機として当院ERへ搬送された症例患者を電子カルテにより抽出した.【結果と考察】転落患者総数194例,性別 男性172例,女性22例,年齢は19-86歳の平均46.9歳,県外者35名(18%)死亡例7名,骨折部位は頚椎骨折17例,胸椎骨折20例,腰椎骨折36例,上肢骨折33例,胸骨・肋骨骨折40例,骨盤骨折11例,下肢骨折25例であった.転落を契機として搬送された患者数を前年度と比較すると,総ER受診患者数に占める転落外傷患者割合は増加し,特に県外在住患者の増加が目立った.また,そのほとんどの症例が家屋の修理をはじめとする地震後の復興作業中に生じたものであった.

  • 黒木 智文, 永井 琢哉, 北島 潤弥, 李 徳哲, 川野 啓介, 比嘉 聖, 黒木 修司, 関本 朝久, 濱中 秀昭, 帖佐 悦男
    2018 年 67 巻 4 号 p. 819-822
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
    ジャーナル フリー

    保存加療に抵抗性の硬膜欠損を伴う特発性脳表ヘモジデリン沈着症に対し,硬膜閉鎖術を施行し,良好な経過をたどった1例を経験した.症例は64歳,男性.1995年頃に騒音性難聴と診断されたが,日常生活に支障はなかった.2012年から歩行時のふらつき,2013年から右難聴,耳鳴が出現した.2014年に健康診断の頭部MRIにて,小脳萎縮と脳表へのヘモジデリン沈着を指摘された.2015年に止血剤投与,2016年にブラッドパッチ施行されるも,徐々に症状は増悪し,2017年当科紹介となった.入院時,両側感音難聴と体幹失調を認め,頚椎MRIのCISS法にてTh4/5レベルの硬膜腹側左傍正中部に6 mm×3 mm大の硬膜欠損,C6からTh7の脊柱管腹側硬膜外腔への液体貯留を認めた.後方進入による硬膜閉鎖術を施行し,歩行時のふらつきが改善した.硬膜欠損に伴う脳表ヘモジデリン沈着症に対しては,観血的な硬膜閉鎖術が有効であると考えられた.

  • 島田 真樹, 中村 孝幸, 藤本 徹, 坂本 佳菜子, 柴田 悠人, 岡田 龍哉, 谷脇 琢也, 水田 博志
    2018 年 67 巻 4 号 p. 823-825
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
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    環軸関節の変形をきたした環軸椎回旋位固定(AARF)の1例を報告した.【症例】8歳女児.転倒し左鎖骨を骨折した.受傷直後は頚部の訴えは認めなかったが,受傷1ヶ月後より頚部の運動時痛および頭部の回旋制限を認め当科紹介となった.3週間牽引を行ったが整復を得られず,全身麻酔下に徒手整復を行い,ハロベスト固定を行った.CTで右外側環軸椎関節に変形を認め,同部のremodelingを指標にハロベスト装着を継続し,術後3ヶ月で除去した.術後1年以上経過した現在も再脱臼は認めていない.【考察】治療開始まで時間を要したAARFの整復は困難で,手術療法が選択されることも少なくない.しかし難治例においても全身麻酔下に徒手整復後ハロベスト固定し,外側環軸椎関節の形態を指標にし保存的に加療するremodeling療法が報告されている.本症例でも整復が得られ,再発なく経過している.

  • 猿渡 力也, 北城 梓, 柴田 英哲, 密川 守
    2018 年 67 巻 4 号 p. 826-828
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/11/12
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    サーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認め,その後急速な下肢の脱力及び膀胱直腸障害を生じた症例を経験した.症例は23歳女性.2017年7月にサーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認めた.その後,急速な下肢脱力を認め,立位不可能となり近医受診.急速に進行する不全対麻痺にて直ちに当院紹介となった.初診時,両下肢の感覚異常,筋力低下及び完全尿閉を認めた.画像検査では,MRI T2強調像とSTIRにてTh10~L1の脊髄内に左右対称性に高信号を認め,脊髄の軽度腫大を認めた.理学所見および画像所見からsurfer's myelopathyと診断し,受傷翌日からステロイドパルス療法3日間(1 g×3 day)施行した.パルス療法開始翌日から筋力の回復を認め,6日目には自尿も可能となり,11日目に退院となった.Surfer's myelopathyは画像所見に乏しく,治療法は確立されておらず,文献的考察を含め考察する.

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