日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
102 巻, 7 号
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総説
  • 松井 敏幸
    2005 年 102 巻 7 号 p. 855-865
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn病(CD)の両疾患は急増し難治例が増えている.これに対応して新しい治療法が開発されている.厚生労働省班研究の治療指針には新しい治療法も掲載されているが,一般の医師にはなじみがないものが多い.従来の治療法を評価し直すことも重要である.UCに対しては,免疫抑制剤azathioprine,tacrolimus,白血球除去療法,CMV感染症合併について述べた.CDに対しては,従来治療の再評価に加え,infliximab,他の抗体製剤,tacrolimus,小腸内視鏡治療,白血球除去療法について述べた.最後に妊娠時の薬物療法にも触れた.現在の治療法の流れを一部紹介した.
今月のテーマ:胆管癌の診断と治療
  • 玉田 喜一, 菅野 健太郎
    2005 年 102 巻 7 号 p. 866-872
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/05
    ジャーナル フリー
    胆管癌の早期診断には胆管拡張例にmagnetic resonance cholangiopancreatographyを施行し,内視鏡的逆行性膵胆道造影時にintraductal ultrasonographyと胆管生検を行う.進展度診断にはmultidetector row-CTとintraductal ultrasonographyが有用である.胆管癌の治療には多くのオプションがあり,入院早期から内科医と外科医が十分に連絡をとり,診断を進める事が大切である.保存的治療では,メタリックステントが有用である.ステント内への腫瘍増殖を防ぐために腫瘍の局所制御を十分行う必要がある.ステント閉塞時の対処も大切である.
  • 近藤 哲
    2005 年 102 巻 7 号 p. 873-879
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/05
    ジャーナル フリー
    胆管癌では遠隔転移はほとんどなくほぼ全例が手術適応となる.最近では術後肝不全の防止がほぼ可能となったので,従来の区域切除あるいは尾状葉単独切除などの必要最小限の肝切除から肝右葉尾状葉・胆管切除が標準手術(左優位の場合は左葉尾状葉切除)となりつつある.それにともない術前診断や胆道ドレナージも簡略化できる部分が多くなり,またMRCP,MDCTの導入,選択的ENBD,POCS,胆管生検,IDUSなどの内視鏡技術の飛躍的な進歩とあいまって診断体系も大きく変化してきている.手術成績も改善してきているが胃癌・大腸癌に比べればまだまだ不良で,今後は安全性を確保しつつさらに根治性の高い術式に改良する必要がある.
原著
  • 芝田 直純, 松井 秀隆, 竹下 英次, 横田 智行, 檜垣 直幸, 村上 英広, 池田 宜央, 南 尚佳, 松浦 文三, 恩地 森一
    2005 年 102 巻 7 号 p. 880-887
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/05
    ジャーナル フリー
    肝硬変における食道静脈瘤治療前後の栄養状態の変化を検討するため,当科で加療された内視鏡的食道静脈瘤初回治療例144例を対象に治療前後の血清アルブミン値,コリンエステラーゼ値,コレステロール値を比較した.治療前後でコリンエステラーゼ値が有意に低下していた.65歳以上の高齢者群では非高齢者群と比較してアルブミン値の低下が有意であった.分岐鎖アミノ酸高含有経腸栄養剤の内服を併用した高齢者群では,血清アルブミン値の低下が有意に抑えられていた.高齢者に内視鏡的食道静脈瘤治療を行う際には,分岐鎖アミノ酸高含有経腸栄養剤を併用した栄養管理を行うべきであると思われる.
症例報告
速報
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