日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
103 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
総説
  • 大西 三朗
    2006 年 103 巻 4 号 p. 385-390
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/05
    ジャーナル フリー
    症候性PBCは診断基準の改訂により明確に規定された.PBCの病因は遺伝,環境因子を背景に,自己反応性T cellによる胆管上皮傷害とされる.本症の特徴であるAMAの対応抗原·PDC-E2に対する免疫応答は詳細に解析されたが,標的抗原はなお明らかでない.病態に関わる多くの謎も原始の森に奥深く潜む.研究の歴史を振り返り,今後の展望を概説した.厚生労働省「難治性の肝疾患に関する調査」班の継続調査で,Ursodeoxycholic acidがPBCの病期進展を遅延させることが明らかにされた.本稿はDDW-Japan 2005での第47回日本消化器病学会大会の会長講演を纏めたものである.
今月のテーマ:膵癌診療の進歩
  • 奥坂 拓志, 上野 秀樹, 池田 公史, 森実 千種
    2006 年 103 巻 4 号 p. 391-397
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/05
    ジャーナル フリー
    膵癌患者の予後の改善のためには,より有効な非手術療法の確立が必須である.症状緩和効果と延命効果を有し,毒性の比較的軽微なgemcitabineの登場以来,膵癌の治療開発に対する関心は急速に高まっている.現在,膵癌の病態に基づく新しい薬剤の基礎的研究や臨床試験が国内外で精力的に行われている.最近gemcitabine単独治療を上回る併用療法の大規模比較試験成績も発表されており,今後膵癌の非手術療法は急速に変化していくことが予想される.
  • 石川 治, 大東 弘明, 江口 英利, 佐々木 洋, 今岡 真義
    2006 年 103 巻 4 号 p. 398-404
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/05
    ジャーナル フリー
    本邦では膵癌は積極的に切除されてきたが,癌遺残陽性例の頻度は高く,長期遠隔成績も極めて不良であった.本稿ではこれまでに行われてきた外科治療法の概略を紹介し,これを今後より安全かつ確実なものとするための方策について考察した.その結果,今後手術成績を画期的に改善させるためには,(1)チーム医療可能な専門病院への集中化,(2)高感度·迅速で,より客観的な術中進展度診断法を開発·駆使し,過不足のない術式を選別(個別化治療)すること,(3)局所再発と遠隔再発の制御を目指した有効な併用治療法と同効果予測法の開発が必要である.
原著
症例報告
feedback
Top