日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
109 巻 , 12 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
総説
  • 井上 正宏
    2012 年 109 巻 12 号 p. 2007-2013
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    大腸癌は発癌に関する遺伝子異常が早くから解明されてきた.正常大腸上皮が腺腫を経て癌化する過程は各段階で複数の遺伝子異常をともなう.遺伝子異常は染色体とDNA修復の異常,癌抑制遺伝子の不活性化,癌遺伝子の活性化などの原因となる.大腸癌には増殖因子や血管新生因子を標的にした分子標的治療法が臨床で使用され,ある程度の効果が得られている.癌組織の形成には癌幹細胞仮説が提唱され,大腸癌の幹細胞様特性が明らかにされつつある.転移に関しては遺伝子異常は特定されておらず,宿主との相互関係の変化が果たす役割が注目されている.
今月のテーマ:進行胃・大腸癌・GIST治療の新たな展開
  • 朴 成和
    2012 年 109 巻 12 号 p. 2014-2020
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    ToGA試験により,Her2陽性切除不能・再発胃がんに対する1次治療として,フッ化ピリミジン+cisplatin化学療法とtrastuzumabの併用による延命効果が示されたことにより,Her2陽性胃がんに対する新たな標準治療が確立された.これにより胃がんにおいても個別化医療の扉が開かれたといえる.特に,Her2強陽性症例への上乗せ効果は大きく,化学療法前にHer2を検索することは必須である.しかし,判定基準が乳がんと若干異なり,検体の取り扱いにも注意を要する.今後乳がんと同様に,Her2陽性胃がんは1つの疾患単位として,周術期補助化学療法への応用や,新規薬剤の開発が期待される.
  • 金光 聖哲, 山下 公大, 角 泰雄, 鈴木 知志, 田中 賢一, 掛地 吉弘
    2012 年 109 巻 12 号 p. 2021-2030
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    進行再発大腸癌に対する分子標的薬の使用は日常診療となっている.近年,新たなbreakthroughをもたらす報告が,直近のASCO2012においてをはじめ相次いでいる.新規分子標的薬regorafenibは標準治療抵抗となった患者に対し単剤での効果が証明された.bevacizumabを一次治療で使用した後に二次治療で再使用するbevacizumab beyond progressionの有効性が示された.維持療法,原発巣切除についてもそれぞれpositiveと捉えられるデータが示されている.これらの知見をいかし,患者背景,腫瘍関連因子を考慮して個別に最適な治療を選択していくことが必要である.
  • 菊池 寛利, 太田 学, 今野 弘之
    2012 年 109 巻 12 号 p. 2031-2041
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    分子標的薬イマチニブの有効性が示されて以来,進行・再発消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)の治療は一変した.イマチニブ耐性GISTに対してはスニチニブが用いられるが,イマチニブと同様に,c-kitPDGFRA遺伝子の二次変異により生じる耐性が問題となる.現在本邦において,イマチニブ・スニチニブ耐性GISTに対して承認済または臨床試験が進行中の分子標的薬は残念ながら存在しない.このため,再発GISTに対する外科的切除を含めた集学的治療の重要性が再認識されてきている.本稿では,主に進行GISTに対する術前後のイマチニブによる補助療法の現状と,再発GISTに対する分子標的治療中における外科的介入の位置づけについて概説する.
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