日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
116 巻 , 8 号
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今月のテーマ(総論):硬化性胆管炎をめぐる最近の進歩~PSCとIgG4SC~
  • 田妻 進
    2019 年 116 巻 8 号 p. 617-623
    発行日: 2019/08/10
    公開日: 2019/08/09
    ジャーナル 認証あり

    硬化性胆管炎は胆管壁の硬化性肥厚にともなう胆汁うっ滞を呈する疾患である.原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC),IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-related sclerosing cholangitis;IgG4-SC)および二次性硬化性胆管炎に分類され,その臨床像は黄疸,発熱,肝機能異常が主体であるが,成因によって病態は多彩である.2012年にわが国からIgG4-SCの診断基準が発表されるとともに,厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患等政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」の硬化性胆管炎分科会によりPSCとIgG4-SCの本邦における全国的疫学調査が行われ,その実態に基づいて診療指針が提案されている.本項ではそれらをもとに硬化性胆管炎診療の現状と展望について,PSCとIgG4-SCを中心に論じた.

今月のテーマ(総説):硬化性胆管炎をめぐる最近の進歩~PSCとIgG4SC~
  • 田中 篤
    2019 年 116 巻 8 号 p. 624-630
    発行日: 2019/08/10
    公開日: 2019/08/09
    ジャーナル 認証あり

    硬化性胆管炎は肝内・外の胆管にびまん性に胆管狭窄を生じる疾患の総称であり,原発性硬化性胆管炎(PSC)とIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC),二次性硬化性胆管炎に分類される.PSCでは特徴的な診断マーカーが存在せず,胆道造影で特徴的な所見を捉えることが重要である.IgG4-SCでは血清IgG4上昇,他臓器におけるIgG4関連疾患の存在,胆道生検によるIgG4陽性形質細胞浸潤が診断の決め手となる.PSCは確立された内科的治療がなく,依然として予後不良の疾患である.これに対しIgG4-SCは副腎皮質ステロイド薬が奏功し,予後は良好であり,PSCあるいは悪性腫瘍との鑑別が極めて重要である.

  • 伊佐山 浩通, 田中 篤, 田妻 進
    2019 年 116 巻 8 号 p. 631-638
    発行日: 2019/08/10
    公開日: 2019/08/09
    ジャーナル 認証あり

    原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)は原因不明な希少疾患で,治療法も確立していない.診断も決め手となる客観的な指標がないため総合的で,診察機会が少ないので困難なことも少なくない.原発性硬化性胆管炎ガイドラインは,疫学・病態,診断,治療,予後の4つのパートからなり,診療を行う上で重要な事項についてclinical question(CQ)を作成しそれに答える形で推奨文を作成した.CQでは世界・本邦の疫学的な特徴,PSC診断基準を踏まえた診断と癌の鑑別,薬物治療や内視鏡治療戦略,肝移植の適応,PSCの予後などを取り上げ,16個の推奨文を作成した.本邦からのエビデンスが少ないことが将来への課題であるが,本ガイドラインがより良いPSC診療に寄与できれば幸いである.

  • 水野 卓, 伊佐山 浩通, 小池 和彦
    2019 年 116 巻 8 号 p. 639-643
    発行日: 2019/08/10
    公開日: 2019/08/09
    ジャーナル 認証あり

    原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)とIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-related sclerosing cholangitis;IgG4-SC)について,本邦より診療ガイドラインが報告された.内視鏡治療については,PSCではdominant strictureを対象としたバルーン拡張が推奨されている.一方IgG4-SCでは,黄疸例に対しステント留置が提案されているが,胆管炎のない症例ではドレナージなしでのステロイド治療も提案されている.疾患ごとに内視鏡治療の適応・方法は異なっており,ガイドラインに基づいた適切な診療が望まれる.

  • 内藤 格, 中沢 貴宏, 大原 弘隆
    2019 年 116 巻 8 号 p. 644-653
    発行日: 2019/08/10
    公開日: 2019/08/09
    ジャーナル 認証あり

    IgG4関連硬化性胆管炎は臨床診断基準2012により診断されるが,多彩な胆管狭窄像を呈するため,胆管癌や原発性硬化性胆管炎との鑑別がしばしば困難である.近年,IgG4関連硬化性胆管炎の適切な診断,治療を目的に臨床ガイドライン2018が作成された.診断は血清IgG4値,IgG4関連疾患の有無を検索し,胆管像分類を行い,鑑別診断を行う.診断方法としては超音波検査,CT,MRI/MRCP,内視鏡的逆行性胆管膵管造影,胆管生検,乳頭部生検,胆管管腔内超音波,肝生検,経口胆道鏡,ステロイドトライアルが用いられる.治療は胆道ドレナージ施行後,ステロイドにて初回寛解導入,維持療法を行うことが一般的である.

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