日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
72 巻 , 3 号
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  • 浦上 慶仁
    1975 年 72 巻 3 号 p. 221-231
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    十二指腸潰瘍切除例70例, 内視鏡観察による十二指腸潰瘍100例, 非潰瘍性十二指腸病変120例の生検標本を材料とし, 十二指腸球部粘膜に出現する胃表層上皮 (胃(い)型(がた)上皮) について, 内視鏡的, 光顕的, 酵素組織化学的および電顕的に観察し, 下記の結果を得た.
    (1) 胃型上皮は十二指腸潰瘍群にきわめて高頻度に出現し, 非潰瘍性十二指腸病変での出現頻度は少ない. (2) 胃型上皮の出現頻度および程度は, 急性期潰瘍では低く, 治癒機転の進んだ潰瘍では高い. (3)胃型上皮は, 酵素組織化学的および電顕的に胃の表層上皮と同一性状を示す (4) これらの胃型上皮は十二指腸潰瘍, びらん等の物質欠損に対する粘膜の再生過程に伴なう化生機転によつて生ずると考えられるので, その機転を胃上皮化生と呼ぶことができる. (5) 胃上皮化生 (胃型上皮) は内視鏡的に近接微細観察により, 腫大•発赤した類絨毛像として観察される.
  • 井田 和徳, 川井 啓市, 中島 正継, 宮岡 孝幸, 郡 大裕, 橋本 睦弘, 酉家 進, 竹田 彬一, 竹林 政史
    1975 年 72 巻 3 号 p. 232-242
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    円形, 単発の入院例を対象に, 胃潰瘍の治癒支配因子を推計学的に検討し, あわせ治癒傾向の予測を試みた.
    Kruskal-Wallis の検定によつて, 6項目20因子から潰瘍の治癒支配因子を探索し, とりだされた要因に数量化理論第2類を用いて重みづけした. その成績から, 第1級の治癒支配因子は内視鏡的な潰瘍の病期, ニッシエの大きさ, 第2級因子は皺襞集中, 辺縁隆起, 病悩期間の長さ, 第2級因子疑としては小弯短縮, 小弯側潰瘍であると結論した. 各要因の数量化の結果をもとに治癒傾向の予測図を作製すると, 初回検査時のデーターでは誤判別の確率22%でもつて潰瘍が60日以内に治癒するか否かを, 治療1カ月後には1カ月ニッシエ縮小率を加えることによつて誤判別の確率6%でもつて90日以内に治癒するか否かが判別できると推定された.
  • 須藤 宏, 一之瀬 岩夫, 吉羽 宣男, 下田 光紀, 秋山 隆司, 大友 晋, 石田 稔, 大森 浩司, 小林 節雄
    1975 年 72 巻 3 号 p. 243-249
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    私達は, 胃粘膜が障害されたとき, 成熟腺細胞が増殖細胞化することを報告してきた. 今回は, この増殖細胞化した成熟腺細胞の再分化を追求した. ラット胃粘膜の表側を剥離し, 腺底部だけを残し, この周囲に環状の潰瘍を作成した. これにより, 本来の未分化細胞のまつたく関与しない孤立した成熟腺細胞巣を作成した. この部の変化を12時間から14日にわたり経時的に検索した. 成熟腺細胞は, その形態的特性を失い, 未分化細胞化した. 次いで, この細胞は漸次, 腺窩上皮様となり, ついには完成された腺窩上皮を形成した. すなわち, 粘膜が障害された場合, 成熟腺細胞は腺窩上皮を再生する能力を有している.
  • 佐藤 治邦
    1975 年 72 巻 3 号 p. 250-259
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    急性膵炎の経過をみた29例について, 膵シンチグラフイー, Secretin 試験, GTTを施行し急性膵炎後の膵の形態像, 並びに外•内分泌機能について検討した. 膵シンチグラフイーの成績においては12例に異常がみられ, 2例は描出不能, 10例はまばらないし欠損像であつた. 発症後1年以内に検索した1例を除き全例が尾部側に描出低下ないし消失が認められた. アルコールがその発症に関与した重症型の膵炎に異常像の出現率は高かつた. 自覚症状の有無, Secretin 試験, GTTの成績を合せて検討すると4例が急性膵炎より慢性膵炎へ移行したと言える. しかし他の異常像を呈したものでは Secretin 試験, GTTともその障害の程度は軽く慢性膵炎へ移行したと断定しえるかどうか疑問である.
  • 垣内 義亨, 久野 信一郎, 横村 徹, 進士 義剛, 山本 章
    1975 年 72 巻 3 号 p. 260-270
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胆石症20例と非結石対照例の9例に於ける胆汁中の胆汁酸及び脂質を定量した. 胆石症例では対照例に比べ, 総胆汁酸のモル百分率の減少とコレステロールのモル百分率の増加を認めた. 胆汁組成を Admirand & Small の phase diagram を用いて検討したところ, 非結石対照例は全て micellar zone にあつたのに対し胆石症例では20例中11例が lithogenic zone にあつた. 胆石症例での胆汁組成異常の改善の目的で利胆剤, 4-methylumbelliferone を投与したところ, 使用前に lithogenic zone にあつた11例中9例に正常化と2例に改善傾向 を認めた. 血液生化学的検査についても投与後, 正常値に復した症例を多く認め, 4-methylumbelliferone は胆汁組成の改善と共に胆石症に伴う胆管炎及び肝実質障害を改善する傾向があると考えられた.
  • 森田 證, 朝倉 均, 土屋 雅春, 石井 寿晴, 玉置 憲一, 細田 泰弘, 石川 七郎
    1975 年 72 巻 3 号 p. 271-275
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    21年前に角化扁平上皮癌のため右肺剔除術をうけた患者に胃癌の発症をみた. 本症例は77才男性例であつたが, 胃切除術をうける暇なく, 肺炎にて死亡した.
    肺癌と胃癌の重複癌は本邦文献上36例をみるが, 文献的考察と共に本症例を報告する.
  • 阿部 広介, 小田桐 充孝, 秋田 泰郎, 横内 正典, 稲本 純三, 鈴木 英登士
    1975 年 72 巻 3 号 p. 276-285
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    函館地区における胆石症手術例の現況を知る目的で函館市の病院より423例の胆石標本を集計し, その種類を分類して地域および年令分布を検索した. 1) 昭和39~47年の8年6カ月間にビリルビン石灰石の年次的減少を認めなかつた. 2) 函館市ではビリルビン石灰石が著しく少ないが, 周辺地区ではコレステロール系石とほぼ均等に存在した. 3) ビリルビン石灰石は若年層より老年層に多く分布した. 4) 従来の報告例に比較すると老年層における症例が増加しており, また最近の我国におけるビリルビン石灰石の減少が年令分布に影響を与えている事を知つた.
  • 矢花 剛, 打矢 透, 角本 芳隆, 和賀 豊, 今田 正威, 高須 重家, 谷内 昭, 和田 武雄, 木下 博, 安斉 哲郎
    1975 年 72 巻 3 号 p. 286-294
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Gastrin (G) の radioimmunoassay の上でモルモット抗ブタG血清を用いる二抗体法と Gastrin Kit (G-K, CIS) 法について方法および応用上の比較検討を行つた. 二抗体法の測定域は60~1,000pg/ml, G-K法では25~800pg/mlでその再現性は良好である. 二抗体法に比較してG-K法では蛋白質等の影響は大きいが, 他の生物学的活性因子等の干渉は少い. また両法の測定値間には高い相関々係が示される (r=0.86, P< 0,001) が, 二抗体法に比較してG-K法ではやや低値を示した. さらに血中および組織内 immunoreactive Gの分画分析でも"big gastrin"は二抗体法よりもG-K法で低く測定され, その差はとくに血中Gについて著しかつた.
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