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nifedipineのアカラシアの応用の可能性について
本郷 道夫, 本郷 道夫
1982 年 79 巻 10 号 p.
1883-1891
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Ca拮抗剤は,Caイオンの細胞内流入を抑制することにより平滑筋弛緩をおこすものである.本研究では食道下端括約圧(LESP)に対するCa拮抗剤の影響について基礎的ならびに臨床的検討を行った.麻酔犬を用いた実験では、nifedipine, verapamil, diltiazemは,安静時LESPを低下させtetragastrin, bethanecholによるLESPの上昇も抑制した.臨床的にはCa拮抗剤のLESP低下作用をLESP亢進状態であるアカラシアに対して応用することを考え,舌下投与の可能なnifedipineについて検討を行つた.その結果,nifedipineはアカラシア患者のLESPを低下させ,また症状の改善をもたらした.したがつて,nifedipineはアカラシアの内科的治療の手段となり得ると思われる.
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褐色細胞腫を中心として
馬場 都, 一居 誠, 竜田 正晴, 奥田 茂, 伊藤 忠雄, 伊藤 忠雄
1982 年 79 巻 10 号 p.
1892-1897
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
褐色細胞腫6例について血清カテコールアミンとガストリン分泌の関連について検討した.血清ノルアドレナリン,アドレナリンがともに異常高値を示した3例では空腹時血清ガストリンが高く,試験食負荷によるIntegrated gastrin responseも高値を示した.このガストリンの異常分泌は副腎腫瘍の摘出後,血清ノルアドレナリン,アドレナリンの低下とともに正常に復した.これに対し血清ノルアドレナリンの異常高値が認められるがアドレナリンが正常範囲の3例では,空腹時および試験食負荷に対するガストリン分泌には異常は認められなかつた.以上の成績より,アドレナリンは空腹時のみならず試験食負荷時のガストリンの分泌をも刺激することを明らかにし,実験的にその作用はアドレナリン作動β-receptorを介していることを示唆した.
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(第6報)gefarnateの内因性PGにおよぼす影響
荒川 哲男, 中村 肇, 佐藤 博之, 蝶野 慎治, 山田 博明, 小林 絢三, 武中 宏
1982 年 79 巻 10 号 p.
1898-1903
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃粘膜防御機構におけるprostaglandins (PG)の役割が重要視されている.外因性PGの抗潰瘍作用についての報告は多いが,胃粘膜PGを増加させる物質の検討は少ない.そこで,粘液分泌亢進作用を持つとされる抗潰瘍剤は内因性PGの増加を介してその作用を発揮すると考え,今回,gefarnateについて検討を行つた.その結果,拘束水浸ラットにおいて,gefarnateはcontrolに比し,明らかに胃粘膜PGE
2, PGI
2, PGF
2αを増加させた.また,同時に測定した粘膜hexosamine量も,gefarnate投与群で有意に増加していた.これらの事実は,gefarnateが胃粘膜PGを増加させ,粘膜防御能を高めることにより抗潰瘍作用を発揮していると考えられた.
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福田 益樹, 川野 淳, 佐藤 信紘, 房本 英之, 鎌田 武信, 阿部 裕
1982 年 79 巻 10 号 p.
1904-1910
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
臓器反射スペクトル解析法を内視鏡下に応用し,胃潰瘍患者42例と,内視鏡検査にて病変の認められなかつた外来患者51例(コントロール群)を対象とし,胃内20点での胃粘膜血液量及び粘膜局所ヘモグロビン酸素飽和率を検討した.その結果,胃潰瘍活動期において胃粘膜血液量は有意に低下(平均23.4%)しており,治癒に伴ない元に復した.一方,粘膜局所ヘモグロビン酸素飽和度は潰瘍の経過を通じて変化しなかつた.また,潰瘍辺縁の粘膜血液量は治癒期に最も増加していたが,粘膜局所Hb酸素飽和度は変化しなかつた.以上,胃潰瘍患者における胃内の粘膜血行動態と酸素の需給状態を明らかにした.
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3.可移植性ヒト胃印環細胞癌の組織学的並びに粘液組織化学的検討
宮城 信行, 小西 陽一, 中谷 勝紀, 江崎 友通, 高橋 精一, 丸山 博司, 江見 葉子, 白鳥 常男
1982 年 79 巻 10 号 p.
1911-1917
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ヒト胃印環細胞癌のヌードマウスへの継代移植に成功し,生着率,倍加時間,組織所見と粘液性状を検討し以下の結果を得た.
1)19代目までの皮下での生着率は100%であつた.2)初代の倍加時間は,16.8±7.7日であったが,8代目以降は8.1±1.4日と短縮し,増殖速度は増大した.3)組織学的に移植に用いたリンパ節転移巣は,円形の核を持つ小型の細胞半月状又は三日月状の核を持つ細胞や核の不明瞭な大型の細胞の混在する印環細胞癌であり,継代腫瘍でもその組織像は保持されていた.4)粘液性状はリンパ節転移巣ではPAS (++),pH 2.5AB (++),pH 1.0AB (±),HID-AB (+)で多くはnonsulfated acid mucinでありsulfated acid mucinの分泌もわずかにみられた.継代腫瘍のそれも同様の性状であった.
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中目 千之, 赤井 裕輝, 豊田 隆謙, 後藤 由夫, 小松 寛治
1982 年 79 巻 10 号 p.
1918-1923
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
モチリンは現在,消化管運動との関連を中心として研究されているが,他の消化管ホルモンのモチリン分泌におよぼす影響については十分に検討されていない.そこで我々は,健常者,消化性潰瘍患者を対象にモチリン分泌におよぼすグルカゴンの影響を検討した.その結果,グルカゴンは用量反応性に血漿モチリン濃度を低下させ,試験食摂取,十二指腸内塩酸注入によるモチリン分泌をも抑制した.胃潰瘍,十二指腸潰瘍では健常者同様,グルカゴン静脈内投与により,血漿モチリン濃度は低下したが,Zollinger-Ellison症候群では,逆に,グルカゴン静脈内投与により血漿モチリン濃度の著明な上昇,すなわち,paradexical responseが認められた.
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特に内視鏡,X線による経時的観察を中心として
種田 孝, 中沢 三郎
1982 年 79 巻 10 号 p.
1924-1934
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
DMHをラットに投与して実験的大腸癌を作製し,発生頻度,進展形式を観察するとともに内視鏡検査およびX線検査を用いて,その経時的変化を検討した.DMH投与時間に比例して腫瘍の発生率および発育度は増大し,28週間投与群ではリンパ節転移,腹膜播種,肝転移を認めた.経時的内視鏡検査により腫瘍は小隆起,扁平隆起,半球状隆起,中央に陥凹を有する隆起へと変化を示し,それに伴い発赤,ビラン,出血等の腫瘍の表面変化を高率に認めた.X線検査では病変の経時的変化を十分追跡し得なかつたが,壁外性腫瘍の診断には有用であつた.本実験によりDMH実験大腸癌の発生率,進展形式および進展経路などを解明し得たものと思われた.
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とくに血中γGTP 活性への関与について
海老原 洋子
1982 年 79 巻 10 号 p.
1935-1943
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
総カロリーの36%をエタノールに置換した液体飼料を6週間投与したラットを作製し,小腸γGTPの血中への関与を検討した.エタノール投与後,血清γGTP活性は増加し,さらに小腸γGTP活性も上昇した.小腸におけるγGTPの局在は,光顕的には小腸粘膜brush-borderおよび粘膜固有層リンパ管であり,電顕的には形質膜,微絨毛および小胞体であった.さらに腸間膜リンパ液を体外ドレナージした成績では,エタノール投与後腸間膜リンパ液γGTP活性は著明に増加し,かつリンパ液ドレナージ後血清γGTP活性は低下したことから,エタノール投与後小腸γGTP活性は増加し,リンパ管を介して血中に反映することが示唆された.
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齋藤 博, 土田 成紀, 藤田 浩, 福田 真作, 相沢 中, 棟方 昭博, 吉田 豊
1982 年 79 巻 10 号 p.
1944-1949
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
大腸癌スクリーニングのために,抗ヒトヘモグロビンAo抗体(anti-HbA
0)を用い,counter immunoelectrophoresisを応用した便潜血反応を考案した.anti-HbA
0は免疫学的方法でヒトHbA
0に対する特異性を確認し用いた.この抗体は臨床の糞便検体でも特異性が高く,消化管に出血性病変のない11症例および健常者24例で反応はすべて陰性であった.一方,ヘモカルトテストおよび精製しない溶血液で作製した抗体(anti-cHb)では偽陽性があった.anti-cHbは赤血球非ヘモグロビン蛋白に対する抗体を含み,偽陽性は糞便中のこの非ヘモグロビン蛋白によることが明らかとなつた.したがつて,免疫学的便潜血反応には精製ヘモグロビンに対する特異的抗体が必要である.
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臨床的評価の差異を伴う問題点について
菅野 剛史, 真鍋 満久, 須藤 加代子
1982 年 79 巻 10 号 p.
1950-1954
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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ヒト臓器より精製した肝,小腸及び胎盤alkaline-phosphatase(ALP)と骨ALPの上昇した希釈血清を用いて,その酸素化学的性質を比較した.4種のALPは,同一測定系においてはほぼ同様なv/Vmax比を示したが,検討した5種の測定法の各基質に対する見かけの特異性は著しく異なり,この差異が測定法間の血清ALPの見かけの活性値の変動の原因と考えられた.特に小腸ALPはP-nitrophenylphosphateに対する相対反応性が低いため,GSCC等の方法にては,従来のKind-King法とはその臨床評価が大きく異なる事が判明した.今後,規準となるALP測定法に用いる基質は種々そのALPの臨床的かつ酵素化学的な見地から選択されるべきであると考える.
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岡崎 和一, 森安 史典, 兼松 雄象, 松末 智, 土居 忠文
1982 年 79 巻 10 号 p.
1955-1961
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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大津 山泰
1982 年 79 巻 10 号 p.
1962-1969
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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慢性肝炎42例および肝硬変77例(経過中肝細胞癌発生21例)について血清alpha-fetoprotein(AFP)を2ないし4週の間隔で1年以上,最長6年追跡した.AFPの変動を4つのパターンに分類できた.AFP上昇はトランスアミナーゼの上昇と相関があり,慢性びまん性肝疾患における血清AFP上昇は肝障害にひき続いておこる肝細胞再生によることを示唆するものと思われた.しかし肝硬変においては再生,AFPのクリアランスの低下など複合したものであることが推測された.肝硬変から肝細胞癌の発生率はAFPが多峰性に上昇する群に最も高かった.しかし症例数では経過中AFP上昇のみられなかった群に最も多く,注目すべきことと考えられた.
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根井 仁一
1982 年 79 巻 10 号 p.
1970-1976
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性肝炎の組織像を示す大酒家の15例について検討したが,この15例は禁酒に対する反応より2群に分けることができた.禁酒によつて臨床症状の著明な改善を示す群の病因はアルコールにあると考えられ,他の原因による慢性肝炎に比してGOT/GPT比および血清GDH活性が高く,組織学的には慢性肝炎とアルコール性肝障害の所見の同時にみられるのが特徴的であつた.アルコールに対する白血球遊走阻止試験は禁酒による改善群でのみ高率に陽性であり,この型の慢性肝炎の発生には細胞性免疫の関与が重要と考えられた.また禁酒による改善群では2~3年の経過で肝硬変に進展するものが多く,この型のアルコール性肝障害は肝硬変への進展の危険性が高い病型と考えられた.
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片岡 慶正, 加嶋 敬, 堀居 雄二, 衣笠 勝彦, 稲田 安昭, 森永 理, 瀧野 辰郎
1982 年 79 巻 10 号 p.
1977-1985
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
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超音波像からみた膵の加齢に伴う変化を1)膵の大きさ,2)膵実質エコー像,3)膵管について,526例の非膵疾患群で検討した。
1)リニア式電子スキャンでreal-timeに膵を観察し,頭部,体部,尾部の最大前後径を計測した。この結果を年齢別に検討すると,膵の各部位は加齢に伴い有意な縮少を示した。
2)加齢に伴い、肝より明らかにエコーレベルが高く,かつ均質な膵実質エコー像(homogeneous echogenecity)が高頻度にみられた.
3)膵管の描出率は加齢に伴い低下する傾向を示した.しかし,描出できた膵管において膵管径および膵管像の加齢に伴う有意な変化はUS上認められなかつた.
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田中 茂, 岡本 英三, 桑田 圭司, 豊坂 昭弘, 大橋 秀一, 飛田 忠之, 鈴木 栄太郎, 植木 重文, 朱 明義, 山中 若樹, 連 ...
1982 年 79 巻 10 号 p.
1986-1990
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
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阪口 昭, 田尻 統一, 嶋 義樹, 西 彰平, 西岡 新吾, 矢高 勲, 玄 栄世
1982 年 79 巻 10 号 p.
1991-1994
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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渡辺 浄, 木村 邦夫, 松谷 正一, 大藤 正雄, 奥田 邦雄
1982 年 79 巻 10 号 p.
1995
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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中村 肇, 荒川 哲男, 小林 絢三
1982 年 79 巻 10 号 p.
1996
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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谷 礼夫, 原 雅文, 三輪 剛, 渡辺 順子, 渡辺 敏輝
1982 年 79 巻 10 号 p.
1997
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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荒川 泰行, 勝原 徳道, 松尾 裕, 本田 利男, 神田 靖男, 雨宮 洋一, 阿部 賢一, 柄沢 勉, 志方 俊夫, 須藤 裕司
1982 年 79 巻 10 号 p.
1998
発行日: 1982/10/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー