Scintiphotosplenoportography(SSP) と血管造影とを組合せ, 放射能濃度比より, 門脈血に占める脾静脈血の割合 (SV%) を計測し検討した. SSPと血管造影を併施した96例を対象とし, これらを脾静脈からの側副血行路の無: I群, 有: II群に分類した. SV%は正常対照および肝硬変(LC)II群に比し, LCI群および慢性肝炎 (CH), さらに特発性門脈圧亢進症 (IPH) で有意に高かつたことからCH, LC, IPHにおける脾領域の local hyperdynamic state の存在が示唆された. またSV%は脾容積, ICG R
15とは有意に相関した. 一方, LCの成因別, 静脈瘤の有無, Child 分類別では有意差はなく, また門脈圧, ChE, HPT, PTとは, 相関係数に有意性は認められなかつた.
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