ラットタウロコール酸 (TCA) 逆流性膵炎における血中, 腹水中 phospholipase A
2 (PLA
2) 活性および非膵疾患モデルである carrageenan 肉芽腫における血中PLA
2活性を radiochemical 法により測定し, また, 55°C, 5分間の熱処理に対する安定性の面から, 耐熱性と易熱性に分け検討した. TCA膵炎血中では易熱性, 耐熱性PLA
2ともに増加し, 腹水中では耐熱性が主体であつた. Carrageenan 肉芽腫の血中PLA
2活性は白血球増多とともに上昇し, 易熱性の増加が主体であつた. 以上より膵以外の炎症性疾患でも血中PLA
2が増加すると考えられ, また, 急性膵炎腹水中のPLA
2は大部分が熱安定性であるのに対し, 血中では, 易熱性PLA
2も増加していることから膵以外の由来のPLA
2も存在する可能性が示唆された.
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