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星子 浄水, 岡田 光男, 瀬尾 充, 八尾 恒良, 松岡 由香里, 吉永 一彦, 奥村 恂
1994 年 91 巻 11 号 p.
2029-2039
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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入院加療した活動期Crohn病(以下CD)100例(男72例,女28例,平均年齢22歳)と同一症例のうち寛解期にある32例を加えたのべ132例を対象とした.活動度は4段階評価とした.活動度を目的変数に,自覚所見,他覚所見,検査所見,合併症の18要因を説明変数とし重回帰分析を行った.CDの活動度に影響する,有意かつ独立の要因として腹痛,圧痛,合併症,CRP,体温,下痢,BMI(body mass index)が選択された.新しい活動指数(FCI)は,FCI=3.5×腹痛+3×圧痛+3×合併症+CRP+3×体温+4×下痢-0.4×BMI+16と表現することができた.FCIは自・他覚所見,検査所見,合併症のすべてを含めた指数であり,臨床応用が可能と考えられた.
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渡 二郎, 横田 欽一
1994 年 91 巻 11 号 p.
2040-2048
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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表面型大腸腫瘍の肉眼形態の違いと腫瘍の発育様式との関係を知るため,表面隆起型42病変といわゆる表面陥凹型42病変を用いて,腫瘍細胞の粘膜内全層性発育率(全層率)およびKi-67染色による増殖細胞の分布を検討した.表面陥凹型は辺縁隆起の性状と中心陥凹の程度によりDep(A)型,Dep(B)型,Dep(C)型に分けた.全層率は,腺腫では辺縁隆起が目立たなくなるに従い,中心陥凹が広く明瞭になるに従い,すなわち表面隆起型<Dep(A)型<Dep(C)型の順に増加した(
p<0.05)が,癌ではどの肉眼型でも高かった.Ki-67陽性率は,組織異型度が高くなるに従い増加したが,高度異型腺腫と癌の間には差がなかった.Ki-67陽性細胞の分布は,腺腫,癌ともに表面隆起型とDep(A)型では粘膜表層部により多いのに対して(
p<0.05,
p<0.01),Dep(C)型では粘膜全層に広く分布し,かつ,growth fractionも拡大していた.したがって,Dep(C)型は表面隆起型とDep(A)型に比べて全層率が高いこと,および増殖細胞動態の関係から,粘膜下浸潤を来す機会が多いものと考えられる.
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―ΔTBの意義―
松本 裕子, 鈴木 文孝, 早田 謙一, 北原 大文, 小林 良正, 次木 稔, 河崎 恒久, 中尾 國明, 松本 正廣, 岩田 滉一郎, ...
1994 年 91 巻 11 号 p.
2049-2055
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)において,5%エタノールアミンオレイトの静脈瘤内注入量が少量(6ml以下)の場合の肝機能の変化を50例の肝硬変患者で検討した.肝機能悪化の指標としてΔTB(ElS後15時間目のT.Bil-EIS直後のT.Bill正常域<0.1)を設定した.肝予備能別検討ではChild-Pugh A群(
n=25)のΔTBは0.04±0.30で,B群(
n=19)0.23±0.41,C群(
n=6).54±0.21と術前の肝予備能が不良なほどΔTBは有意に高値となった.また,EIS全過程前後で肝機能(T.Bil,PT,ICG)が悪化した群のΔTBは高値を示し,EISによる肝機能悪化を早期に診断する指標と考えられた.さらに肝不全で死亡した12例の生存期間とΔTBは有意に相関し,5年以上の生存例20例のΔTBは0.04±0.32と低値で,ΔTBは長期予後をも反映すると思われた.
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石井 信行, 吉川 正治, 江原 正明, 長門 義宣, 近藤 福雄, 税所 宏光, 大藤 正雄
1994 年 91 巻 11 号 p.
2056-2064
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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未治療の肝細胞癌71例(111結節)を対象に,血管造影所見より多発腫瘍の病態を検討した.切除例は14例であり23結節を,非切除例は57例であり腫瘍径3cm以下の88結節を対象とした.主腫瘍は径の増大に伴い血行動態に腫瘍血管の発現頻度と腫瘍濃染度の増加を認めた.血管造影による腫瘍造影所見を検討すると,径2cm以下の腫瘍では,肝内転移巣は原発巣に比べ血管増生に富む所見を示し,両者間に所見上の差を認めた.多発腫瘍例を分布様式から散布型,集中型,播種型に分類し腫瘍造影所見を検討したところ,集中型,播種型の副腫瘍は原発巣から周囲に肝内転移した病変,散布型では肝内に原発巣が多発した病変である可能性が示唆された.
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冨田 政雄, 小野山 裕彦, 佐古 辰夫, 味木 徹夫, 小原 茂次, 山崎 巌, 山本 正博, 斎藤 洋一
1994 年 91 巻 11 号 p.
2065-2072
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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深達度がssまでの胆嚢癌の術前診断は困難である.その術前診断率は27.5%と低く,特に胆石合併例では低値であった.なかでも結石の最大径が1cm以上の結石のある場合の診断率が低かった.肉眼形態別では浸潤型に胆石の合併が多いことも診断率を低くしている原因であると考えられた.US,CT,DICにおける術前診断率を癌の壁深達度別に比較検討した.m,pm,ssでUSではそれぞれ16例中6例(37.5%),13例中1例(7.7%),41例中14例(34.1%),CTではそれぞれ11例中3例(27.3%),10例中1例(10.0%),37例中11例(29.7%),DICではそれぞれ11例中3例(27.3%),10例中1例(10.0%),23例中1例(4.3%)であった.US,CT,DICにおいては診断率は高くなかった.胆嚢結石症においては術前検査では結石の充満,結石の大きさが1cm以上,胆嚢壁肥厚,DICで胆嚢造影陰性例では胆嚢癌の存在を考えた治療が必要である.
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藤本 正夫, 中澤 三郎, 山雄 健次, 芳野 純治, 乾 和郎, 山近 仁, 印牧 直人, 若林 貴夫, 滝 徳人, 杉山 和久
1994 年 91 巻 11 号 p.
2073-2082
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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40例の“いわゆる粘液産生膵腫瘍”を対象に,良悪性および膵実質浸潤の診断において有用な所見を検討した.癌では黄疸,壁在結節(EUS),門脈の狭窄・圧排所見(血管造影),総胆管圧排像(胆管造影)および生検診断のGroup IV以上およびブラッシング細胞診でClass III以上が,膵実質浸潤癌では充実性腫瘤(US,EUS,CT),動脈のencasement(血管造影),総胆管内透亮像,主膵管の狭窄・閉塞像(胆管膵管造影)および血清CA19-9,CEA値の上昇が診断に有用な所見であった.以上の所見から良性と診断されるものは経過観察も可能である.一方,癌と診断されるものは膵実質浸潤の有無によって手術術式を選択すべきである.
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小林 剛, 藤田 直孝, 野田 裕, 木村 克巳, 八子 章生, 望月 福治
1994 年 91 巻 11 号 p.
2083-2093
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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膵疾患に対するHelical CTの撮影法および有用性を検討した.撮影法に関しては膵癌の進展度診断の際に重要となる膵周囲血管の十分な造影と,そのシネ表示の判定に有効な造影条件を検討した.その結果,造影剤注入から撮影までの至適な遅延時間は膵周囲動脈では30~40秒であった.門脈系静脈の至適な遅延時間は40秒以降であり,late phaseのscanの情報も必要となった.次に通常型膵癌の存在診断能を各種画像診断と比較した.画像上で腫瘍径の計測が可能であったか否かで判定すると,それぞれ,EUS97%,US93%,Helical CT91%,CT82%であった.また,Helical CTによって計測した通常型膵癌の腫瘍径は,標本径よりも若干小さく評価する傾向が示唆された.一方,Helical CTによる切除病変の質的診断率は78%であったが,診断できなかった例はいずれも特殊例であった.
最後に膵癌の進展度診断能を検討すると,Helical CTによる脈管浸潤の判定は,early phaseのdynamicなシネ表示が有効であり,血管造影所見とよく一致していた.しかし,門脈系静脈への浸潤判定は組織所見から検討すると正診率は71%であった.
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半田 祐一, 家富 克之, 崎村 恭也, 三好 和夫
1994 年 91 巻 11 号 p.
2094-2099
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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牟田 広毅, 伊津野 稔, 牧山 和也, 星子 龍英, 澤 隆文, 藤原 千鶴, 原 耕平
1994 年 91 巻 11 号 p.
2100-2105
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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後藤 裕夫, 今枝 孟義, 山脇 義晴, 関 松蔵, 望月 亮三, 兼松 雅之, 土井 偉誉, 平野 高弘, 皆川 太郎
1994 年 91 巻 11 号 p.
2106-2110
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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大石 温子, 濱田 慶城, 芹澤 宏, 岩渕 直人, 熊谷 直樹, 土本 寛二, 土屋 雅春, 石井 裕正
1994 年 91 巻 11 号 p.
2111-2116
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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野村 勉, 荒川 哲男, 原 順二, 中村 志郎, 伊藤 裕之, 田中 道代, 川合 弘毅, 山田 幸和, 浅川 隆, 杉本 清, 今野 元 ...
1994 年 91 巻 11 号 p.
2117-2121
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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古川 尚志, 山本 淳也, 津田 純郎, 竹中 国昭, 櫻井 俊弘, 松井 敏幸, 八尾 恒良
1994 年 91 巻 11 号 p.
2122-2126
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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竹縄 寛, 佐久間 郁行, 山岡 一昭, 山根 道雄, 社浦 康三, 酒井 英樹, 池田 隆明, 丸茂 文昭, 佐藤 千史
1994 年 91 巻 11 号 p.
2127-2132
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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道免 和文, 穐吉 秀隆, 中村 東樹, 荒瀬 高一, 横川 泰, 浅山 良吉, 石橋 大海
1994 年 91 巻 11 号 p.
2133-2139
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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十束 英志, 淀野 啓, 佐々木 睦男, 玉沢 直樹, 三上 光博, 鈴木 純, 高橋 克郎, 豊木 嘉一, 吉原 秀一, 遠藤 正章, 今 ...
1994 年 91 巻 11 号 p.
2140-2144
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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小木曽 清二, 寺崎 正起, 土屋 政仁, 岡本 恭和, 浅野 英一, 伊藤 真吾, 桜井 浩二
1994 年 91 巻 11 号 p.
2145-2149
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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河野 辰幸, 中村 宏, 斉藤 直也, 奈良 智之, 出江 洋介, 竹下 公矢, 遠藤 光夫
1994 年 91 巻 11 号 p.
2150
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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泉谷 良, 野口 淳, 加藤 道男, 大柳 治正, 廣瀬 国孝
1994 年 91 巻 11 号 p.
2151
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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吉田 晃治, 朔元 則, 野中 道泰, 江里口 直文, 穴井 秀明, 村中 光, 清松 和光, 才津 秀樹, 谷脇 智
1994 年 91 巻 11 号 p.
2152
発行日: 1994年
公開日: 2008/02/26
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