元来,胃粘膜は免疫誘導組織とは考えられておらず胃の感染免疫はほとんど研究されていなかったが,
H. pyloriが慢性胃炎,胃潰瘍,胃癌などに病因的役割を果たしていることが明らかにされ,胃の感染免疫が胃粘膜障害,病態形成に密接な関わりを有していることが明らかにされてきた,
H. pylori感染胃粘膜では
H. pylori特異的分泌型IgA抗体産生があるが,感染は防御できず持続感染する.
H. pyloriの持続感染には
H. pyloriの免疫回避機構も関与している.通常の組織学的胃炎では主にTh1にシフトし,細胞傷害に関与している可能性,さらに感染上皮細胞のアポトーシスにもT細胞が関与している可能性が推測されている.
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