剔脾家兎ニ就キ、逐日的ニ血中「コレステリン」體量ノ消長ヲ檢シタルニ、先進諸家ノ報告セル如ク著明ナル過「コ」血ヲ認メ、且ツソノ際「コ・エステル」比率ノ上昇スルモノナルコトヲ確認シタリ。正常家兎ニ脾臟抽出液ヲ注射シタルニ血中總「コ」量並ニ「コ・エステル」比率ハ孰レモ著朋ニ低下シテ後常態ニ歸復シタリ。剔脾家兎ニ葡萄糖ヲ十日間投與シタルニ過「コ」血並ニ「コ・エステル」比率上昇ノ出現ヲ抑制シ得タリ。又剔脾家兎血清「コ・エステレーゼ」作用ヲ經日的ニ檢索シタルニ、術後一-二週ニテ著明ニ亢進シ後正常値ニ歸復シタリ。以上ノ成績ニヨリテ、脾臟内ニ於ケル、肝臟ノ「コレステリン」體處理機能ニ對シ促進的ニ作用スル物質ノ存在ヲ推定スルニ足ル根據ヲ得タリト信ズ。
而モ剔脾後ノ血中「ユ・エステル」比率上昇ニ對シテハ、血清「コレステリン・エステレーゼ」作用ノ亢進ガ一定ノ原因的意義ヲ有スルモノト理解セラル。
抄録全体を表示