慢性腹膜炎及ビ慢性肋膜炎ノ治療法トシテハ現時特殊ノモノナク榮養・盤力テ旺盛佳良ナラシメ自然的治癒ノ機轉チ助成スル事ニ其ノ主點チ置キ, 他ハ一般ニ封症的ニ治療チ行フチ常トス.此ノ點ニ關シ岡田教授ハ更ニ直接漿膜自體ニ作用シテソノ機能チ充進スノレ如キ方法チ探求サレ, 嚢ニ同教授縦案ニナル「スチムリン」M, D, G等ガ夫々當該臓器疾患ニ封シテ學ゲ得タル敷果ヨリ推シテ竝ニ「スチムリン」P及ビPLチ創製サル.余ハ同教授指導ノ下二之等「エキス」チ慢性腹膜炎及ビ肋膜炎患者ニ注射シテ其ノ臨休的ニ及ボス效果テ檢索セリ.
即チ直接威績ニ於テ「スチムリン」Pハ腹膜炎ニ封シテ有效ニシテ治癒率68.8%, 輕快18.7%, 「スチムンリ」PLハ肋膜炎ニ封シテ有效ニシテ治癒率695%, 輕快22.2%ナリ.
又遠隔成績ニ就イテハ本治療開姶後日尚淺ク.其ノ確言チ輝カルモ猶現時迄ノ成績ニテハ僅カ腹膜炎患者ニテ2例 (4.8%), 肋膜炎患者ニテ3例 (7.0%) ノ再發チ見タルノミ.
自覚的竝ビニ他覚的症状ニ於テハ本治療法ニヨリー般ニ良好ナル結果テ得タルモ就中, 疼痛ニ封シテハ特ニ好結果チ収メ, 80.0-90.0%ノ治癒率チ得タリ.然レドモ滲出液ニ封シテハ本剤注射ニヨリ確實ニ作用アリトハ極言シ得ズ.本治療法ニテ全然影響ナキ例モ小數アリタルモ猶大多數二於テ漸進的二滲墨液滅少輕快シ, 腹膜炎患者ノ治癒率ハ70.0%.肋膜炎患者ノ治癒率ハ74.3%ナリキ.
血液所見ニテハ本治療法ニヨリ著變ナキモ.一般ニ赤血球・血色素量・色素係數ハ増加ノ傾向テ示シ, 白血球ハ減少ス.又血液像二於テハ中性多核白血球ノ比較的減少ト淋巴球ノ比較的増加チ見ル.赤血球沈降速度モ本捌注射ニヨリ大ナル影響チ受ケザルモノノ奴ク、唯一般症休輕快ト共ニ其ノ中等償減少スル者多カリキ.

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肺結核患者ト尿中「ヴィタミン」Cニ關シテハSchroeder, Bullowa, Rothstein.Ratish, Harde, Martin and Heise, 敷波・岩泉・萱嶋等ニヨリ種々報告サレナル所ナルモ其ノ大多數ハ還元型「ヴィタミン」Cニ關スル業績ニシテ, 尿申總「ヴィタミン」C或ハ總「ヴィタミン」C中還元型量ト酸化型量ノ比率ニ就イテノ研究ハ其ノ數尚蓼々タリ.余ハ健康者10例, 肺結核患者40例 (輕症14例, 中等症13例, 重症13例) ニ就キ混合食ニ於ケルモノ竝ビニ「ヴィタミン」C200mg注射後ニ於ケル24時間尿中「ヴィタミン」Cノ還元型量・酸化型量・總量及ビ總「ヴィタミン」C中, 還元型・酸化型各百分率ニ就キ, 藤田氏比色定量法ニ襟リPulfrich光度計チ用ヒ測定シ次ノ如キ知児チ得タリ.
還元型LヴィタミンコC還ノ成績チ見ルニ, 混合食ニ於テハ健康毒ハ平均31.30093mg, 輕症, ハ平均21・4368mgニ・シテ健康者ノ68%, 申等症ハ・平均16.8807mgニシテ健康者ノ54%, 重症ハ平均10.53373m9ニシテ健康者ノ34%ナリ・「ヴィタミン」C200mg注射後二於テハ・健康者ハ平均玲L47768搬g, 輕癒ハ李均3520～34澱gニシテ健康者ノ35%.中等症ハ平均25.鍛24mgニシテ健康者ノ25%.重症ハ平均14.727緋mg鵡シテ健康者ノヱ5%ナリ.部チ肺結核患者尿申還元型LヴィタミンコC量ハ健康者晶比シ著明ナル減少チ示シ, 其ノ減少程度ハ璽症度轟蛇行ス.総「ヴィタミン」C量ハ混合食ニ於テハ健康者ハ平均32￡稲3m菖, 輕症ハ牟均黛5.8嚇4m暮ニシテ健康者ノ79%, 中等症ハ平均21.773mgニシテ健康者ノ66%, 重症ハ平均15.561mgニシテ健康i者ノ47%ナリ.「ヴィタミン」C200m$注射後ニ於テハ健康者ハ平均106ゑ448m呂, 輕症ハ平均42.0921m9ニシテ健康者ノ40%, 中等症ハ平均32.2299m蕩ニシテ健康者ノ30%, 重症ハ平均21.7731m暮ニシテ健康者ノ20%ナリ.師チ肺結核患者尿中総ヴィタミンC量ハ健康煮ニ比シ著明ナル減少チ示シ, 其ノ減少程度ハ、重症度ニ蚊行ス.尿串酸化型Lヴィタミン1C量ハ混合食二於テハ最高値轟ツイテハ重癒→輕症→中等症一健康者ノ順ニ.最低値ニツイテハ中等症→重症一輕癒→健康者ノ順ニ, 平均値594 山本一肺結核患者ニ於ケル尿中「ヴィタミン」C排浬量ニ就イテニウイテハ重症→中等症→輕癒→健康者ノ順ニ低値築示シ, i.ヴィタミンコC200mg注射後二於テハ最高値鵡ツイテハ重症→輕癒→中等症→健康者ノ順ニ, 最低値淵ツイテハ輕症→重症→申筆猛→健康春ノ順二.平均値ニヅイテハ重症吟中等症一樹軽症→健康者ノ順諜低値チ示ス.師チ肺結核患者ニアリテハ概シテ健康者轟比シ排泄壁ノ増加チ來スモ.重症度ニ關聯シテノ壌滅ハ殆ド認メ難シ, 総「ヴタミン」C中.還元型百分卒ニツイテハ混合食篇於テハ健康者ハ98-90%, 輕症ハ92-73%中等餐ハ・88-69%, 重症ハ、87-59%・しヴ擁タミンコC2C0斑9注射後ニ於テハ健康者ハ98-91%輕症ハ91-75%, 中等症ハ91-70%, 重症ハ82-58%ノ間ニ於テ變動ス・師チ肺結核患者諜アリテハ著明ナノ畷動テ認ムルモー般ニ健康者鵡比シ低率チ示シ、重症度ニ勉行シテ多少減少ノ傾向チ示スモ・ノ如シ.

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[インシュリン] 經口的投興療法ハ1922年Banting a.Best等ニヨリ [インシュリン] ノ創製ヲ見シ以後多年ニ亙ル懸案ニシテ, 今日ニ至ル迄不可能ナリシ最大ノ原因ハ大分子量ヲ包容シ, 複雑ナル組成ヲナスー種ノ蛋白騰ナル「インシュリン」ガ消化液, 部チ蛋白浦化酵素ニヨリ破壊乃至ハ不活性化サノレ・ト共二, 斯カル大分子量ヲ有スルレ「ンシュリン」ハ腸粘膜ヨリ吸牧サレ難シトサレシコトニ因ルモノニシテ;斯カル「インシュリン」ノ酵素ニヨル破壊乃至ハ不活性化ヲ保護シ, 腸糊莫ヨリノ吸牧ヲ促'進シ得タランニハコノ「インシュリン」経口的投與療法モ實現セシナリ.然ルニ最近Laschu.Schonhrunnerハ色素拉ビニ [ザポニン] ヲ附加スルコトニョリ之二成功セリ.余ハ彼等ノ報告二基ヅキ該療法二就キ研究シ,
第一二色素ノ消化液ニョル「インシュリン」破壌禰スル研究テ行ヒ, [トリパンロート]・「マフヒットグユン」 ノ如キ有機性色素ハ夫々胃液拉ビニ十二指腸液二封シ完全二「インシュリン」ヲ防護スルコトヲ談シ得タリ.
次イデ該色素二腸粘膜吸牧作用促進性ヲ有スル白色「ザボニン」末テ加へ, 「ミニグリン」(邦製「インシュリン」) ト混合シ, 以テ動物的蛇ビニ臨淋的経口的投輿實瞼ヲナセルニ, 室腹時血糖値ヲ著明二降下シ, 2-5時闘ニシテ血糖値ハ最低三達シ, 5時間後モ術シノ作用持績スルヲ認メタリ・而シテ其ノ血糖降下作用ノ・普通「インシュリン」皮下注射二比シ, 護現ハ涯ク, 作用著シク緩徐ニシテ急激ナラザノレヲ認メタリ.
依ツテ該色素「ザボニン」加「ミニグリン」ヲ以テ糖尿病ノ實地治療二懸用シ, 7例ノ患者二於テ投與日藪早キハ2日, 遅キモ25日ニシテ全ク正常朕態二復セシメ得タリ.而シテ「ミニグリン」量ハ普通該藥剤皮下注射二比シ2-4倍孚量テ要セリ.副作用トシテハ認ムベキモノナク, 糖尿病ノー新治療法トシテ臨淋上使用シ得ベキコトヲ信ズ.

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「ヴィタミン」B₁ガ脚氣ノ豫防及ビ治療・白米食ニヨリテ來レル榮養障凝・潛在性「ヴィタミン」B₁飲乏症二有効ナルコトハ議論ノ余地ナキモ, 胃腸管ト「ヴィタミン」B₁トノ關係二就イテハ諸説區々ニシテ歸一スル所ナキガ如シ.サレド食慾不振・各種胃腸疾患・胃及ビ腸無力症二「ヴィタミン」B₁ノ投興ノ有効ナルコトハ之二反對スルモノナク, 「ヴィタミン」B₁ノ胃腸管二及ボス藥理學乃至生物學的作用ヲ追求スルコトハ興味アル問題ニシテ, 余等ハ先ヅ「ヴィタミン」B₁缺乏ヲ認メザル胃腸管ノ正常ナル人體二就イテ, 空氣傳導法ニヨリ澤田・宮原式胃運動描寫器ヲ用ヒ, 飢餓時ノ胃運動機能ヲ観察シ「ヴィタミン」B₁静脈内注射ハ直チニ胃運動機能ヲ亢進スルコトヲ認メタリ.

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急性汎發性腹膜炎ノ原因トシテノ蟲様実起穿孔・胃・十二指腸潰瘍穿孔・外傷性腸管破裂・肝臓・膿遂戻愚・「チフス」 性潰瘍穿孔等ハ先輩諸賢ニヨル精細ナル多數ノ報告ヲ見ルモ, 腸結核穿孔ニ基因セルモノニ關シテハ未ダ然ラズ.余ハ偶23歳ノ農騰ニシテ進行性肺結核兼廻盲部・上行結腸結核ひシテ内科入院加療中, 突然穿孔性腹膜炎症状ヲ呈スルニ至リシニヨリ開笈セルニ, 結腸・肝彎曲部外側複膜炎・翻轉部穿孔ニヨリ汎發性腹膜炎チ惹起セル珍シキ症例二遭遇セルチ以テソノ報告ヲナシ, 之ニ交獄的考察ヲ加ヘタリ.

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昭和5年ヨリ昭和14年ニ至ル10年間ノ岡田内科教室ニ於ケル胃竝ビニ十二指腸潰瘍ノ入院及ビ外來患者ノ中, 記載ノ明ラカナル252例ニ就キ種々ノ統計的觀察ヲ試ミタ其ノ結果ハ, 胃潰瘍ト十二指瘍潰瘍トノ發生頻度ハ1: 1.13ノ比ヲナシ, 胃潰瘍ニ於テハ40歳代 (39例) ニ最モ多ク, 次ニ30歳代ニ多ク, 十二指腸潰瘍ニ於テハ30歳代 (47例) ニ最モ多ク, 次ニ20歳代ニ多シ.男女ノ比ハ胃潰瘍デハ5.5.: 1, 十二指瘍潰瘍デハ6.0: 1デアル.胃潰瘍ニ於テ疼痛ヲ主訴トスルモノ89.8%ニシテ, 此ノ中早發痛264%, 遅發痛21.6, 饑餓痛32.0%, 十二指腸潰瘍ニ於テ疼痛ヲ主訴トスルモノ88.8%ニシテ, 此ノ中早發痛19.3%, 遅發痛35.3%, 饑餓痛3γ8%デアツタ.週期性ぐ胃潰瘍ニテ22.0%, 十二指腸潰瘍ニテ35.8%ニ認メラレ, 冬ニ最モ多ク, 次イデ秋・春・夏ノ順デアツタ.吐血ハ胃潰瘍ニ28.8%, 十二指腸潰瘍ニ7.4%.嘔吐ハ胃潰瘍ニ53.3%, 十二指腸潰瘍ニ30.6%.呑酸・噛雛ハ胃潰瘍ニ46. 6%, 十二指腸潰瘍ニ32.0%認メラレタ、膨満感ハ胃潰瘍ニ34.3%十二指腸潰蕩ニ28.8%食慾不振ハ胃潰瘍ニ30.5%, 十二指腸潰瘍ニ22.3%.便秘ハ胃潰瘍ニ364%.十二指腸潰瘍ニ30.6%.下痢ハ胃潰瘍ニ4%, 十二指腸潰瘍3%ニ認メラレタ。下血ハ胃潰瘍ニ33%, 十二指腸潰瘍8.9%ニ認メラレ, 潛血反應ハ胃潰瘍デハ「ベンチヂン」反應80.5%, 癒瘡木反應58.3%ニ, 十二指腸潰瘍デハ「ベチヂン」反應72.8%癒瘡木反應51.7%ニ陽性デアツタ。胃潰瘍デハボアス民壓痛點39.0%, 小野寺氏壓痛點43.0%ニ陽性デ, 十二指腸潰蕩デハボアス氏壓痛點35.4%, 小野寺壓痛點57.6%ニ陽性デアツタ.胃潰瘍デハ過酸例56.7%, 正酸例34.9%, 減酸例8.4%, 十二指腸潰瘍デハ過酸例62.3%, 正酸例28.5%, 減酸例9.2%ニ認メラレタ.レ線診斷適中率ハ胃潰瘍ニテ70%, 十二指陽潰瘍ニテ81.6%デアツタ.

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54歳の女子に發生せる直腸絨毛腫の1例につきその経過・治療法な報告せり.

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