從來發表せる研究を綜合し, その概略を述べむとす, Bendienは酷酸-「ナトリウムバナダート」緩衝液を「メディウム」とし血清のAusflockungの状態及びSpektrumを研究し, 結核及び癌取清に於て各特異の相違あることを指摘し, 諸種疾患に於てその疾患を惹起せるAgensにより質的に異なる蛋白が産生せられ, その特殊なる蛋白が血清中に存在するものならんとせり. 1931年Klinkeは結核血清に奮「ツベルクリン」を加へ, これに鹽酸を滴下してその「メディウム」のpHを變化し, 溷濁度を測り結核の活動性診斷法と.なせるも, 後Weichselはこれを否定せり.余等の研究によれば血清蛋白の等電點に於て抗元とその抗體或は反應體との共存に於てはその血清「メディウム」に溷濁反慮を生す, 余等はこれを簡略のため酸濁反慮と稱す, 而して封照血清即ち抗元を加へざる場合の等電點に於ける溷濁との差を酸濁差と稱し, 酸濁差の大小により反應の陰性・陽性を判定す.

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嚢ニ岡田教授ハ豚ノ謄嚢粘膜「エキス」製剤チ創製セラレ之チStimulinGト命名シ, 該製剤ノ静脈内注射ハ謄嚢症並ビニ肝臓機能障凝ノ2, 3ニ封シ好影響チ及ボスト言フ.
余ハ之チ毎日或ハ隔日ニ皮下注射ニ2.0cc宛用ヒテ其ノー次的並ビニ二次的肝臓機能障凝ニ封スル影響チ窺知セントシ, 「カタル」性黄疸26例, 謄嚢症31例, 謄石症7例, 肝硬變症2例ニツキ次ノ如キ肝臓機能檢査法チ施行シ, 以テ該製剤皮下注射前後ノ肝臓機能障凝ノ程度チ比較檢索スルト共ニ尿尿所見チモ併セテ観察セリ.
Galactose虞理機能ニ於テハ過血糖陽性14例中8例 (57.1%), 血糖商陽性19例中10例 (52.6%), 尿糖陽性16例中11例 (68.8%) ハStimu;in G皮下注平均44囘ニヨリテ夫々陰性トナリタリ.
Azorubin S排泄試験ニ於テハ謄汁中該色素初發時間遅延チ認メタル29例中16例 (55.2%), 尿中該色素褪色時間延長テ認メタル27例中11例 (40.7%) ハStimulin G平均38回ノ皮下注ニヨリテ夫々正常ニ復シタリ.
Santosol貢荷試験ニ於テハ尿中該色素始發時間遅延セル30例中10例 (3a3%), 尿中該色素排出總量異常ヲ示セル30例中5例 (16.7%) ハStimulin G平均32回ノ皮下注ニヨリテ夫々正常ニ復シタリ.
Umbilin體排泄試験ニ於テハUrobilin體排泄異常チ呈セル36例中19例 (5a8%) ハStimulinG平均23回ノ皮下注ニヨリテ夫々正常値ニ復シタリ.
黄疸指藪ニ封シテハ異常値ヲ示セル40例中23例 (57.5%) ハStimulin G平均26同ノ皮下注ニヨリテ夫々正常値ニ迄降下シタリ.
高田氏反應ニ於テハ本反應陽性25例中9例 (36.0%) ハStimulin G平均37回ノ皮下注ニヨリテ夫々陰性ニ轄化シタリ.
以上ノ如クStimulin G皮下注ハUrobilin體排泄並ビニ黄疽指敏テ速ニ整調スルト共ニ肝臓・膽嚢疾患ニ於ケル屎尿ノ病的所見テモ比較的短期間内ニ消褪セシメ得ルチ見タリ.

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著者ハ今次事變患者中ヨリ「カラーアザール」患者36例テ檢出シ, 之等ニ封シ綜合的臨牀観察ヲナスト共ニ血液・骨髓檢査・各種内臓機能檢査等ニ關シ2, 3ノ研究テ實施シ, 次ノ如キ結果ヲ得タリ.
1. 潜伏期ハ甚ダ不定ニシテ概ネ0.5-1年ノモノ大多數ナルモ, 無熱型ニアリテハ長期間發病テ自覺スル事少シ.4年4箇月ノ長キ潜伏期ヲ有スル者アリ, 診斷上注意ヲ要ス.
2.初發症状トシテハ下痢・粘膜出血・脚氣様症状ヲ訴フル者多シ.特異熱發作不確實ナル場合ハ特ニ診斷上問診事項トシテ緊要ナリ.
3.熱型ノ特徴ハ弛張著シク (4.0℃ ヲ超ユル事アリ), 1日2, 3囘ノ熱弛張ヲ認メ (「カラーアザール」熱型), 高熱ニ比シ自覺症一般ニ輕度ナリ.而モ無熱潜在型 (不定型) 意外ニ多シ (5.5%).
4. 顔貌ハ特異ニシテ活氣ナク憔悴シ, 貧血・亞黄疸色ヲ呈シ, 全ク無慾状ナリ.時ニ浮腫状ヲ呈ス (「カラーアザール」顔貌).
5.熱發作中脈搏時ニ緩徐トナル事アルモ一般ニ頻數ニシテ, 血壓ハ一般ニ低シ (90-100mm).
6.全經過中輕度ノ氣管支炎症状ヲ認メ, 肺炎・結核性胸部疾患ノ合併亦多シ.肝脾腫大上方胸部ニ向ヒ顯著ナレバ胸膜炎ト誤ラル、事アリ.類症鑑別上注意ヲ要ス.
7. 食思ハ概ネ尋常ナルモ, 攝食後胃部膨満・停滞感ヲ訴フル事多ク, 胃液ハ總ベテ無酸・低酸型ヲ示シ, レ線的ニ胃ハ肝脾腫大ノ爲壓迫セラレ, 甚ダシキハ小骨盤内二下降シ, 1個ノ惰圓形凝固髓ノ如キ感アリ.排泄遅延シ, 胃壁ノ肥厚・蠕動減退ヲ認ム.小腸ハ大理石様霜降リ様ノ像ヲ呈シ, 大腸彎曲部ニ瓦斯潴溜像ヲ證シ, 下痢頻發ス.
8. 尿量ハ有熱時減少シ, 蛋白尿 (72.5%).「ヂアツオ」尿 (65.0%) ヲ認ム.
9. 脾腫ハ熱發後1週乃至2箇月以内ニ觸知シ得ラル.概ネ肋骨弓下4横指徑乃至臍高ニ達シFrey反應ヲ試ムルモ, 縮小度ハ減退ス.
10. 肝腫ハ脾腫ト殆ド同時ニ觸知シ得ラレ, 概ネ肋骨弓下1, 2横指徑ナリ.
11. 糖負荷試験・色素排泄試験・十二指腸液檢査・血清「ビリルビン」檢査・尿「ウロビリン」檢査・血清高田氏反應等肝臓機能検査ヲ實施スルニ, 血清「ビリルビン」檢査以外ハ總ベテ肝臓機能障礙ヲ認メ, 解離性肝臓機能障礙ナリ.
12. 赤血球數平均300萬, 血色素量平均50%, 色素係數平均0.8-0.9ニシテ貧血高度トナラバPoikilocytose, Anisocytose, Polychromasie時ニ有核赤血球ノ出現ヲ認ム.綱状赤血球數平均12.4%ナリ.
13. 白血球數ノ激減著明, 平均2656ニシテ白血球數封赤血球數平均1: 1129ナリ.
14. 「プラスマ」細胞ノ出現特異ニシテ1.0-3.0%程度ニ認メラレ, 綱状織内被系統性ノモノト思惟セラル.
15. 末梢血液白血球百分率ハ中性嗜好白血球ノ減少著明ニシテ左方推移ヲ認メ, 相對的淋巴球單核細胞増多ヲ認ム.
16. 血小板數減少シ, 平均72476ニシテ血液凝固時間並ビニ出血時間ノ延長ト共ニ本症出血性素因ノ主因タリ.
17. 赤血球Price-Jones曲線ハ左旋シ, 平均直徑6.6μ ニシテ, 本症貧血ハ胃液酸度低下・肝臓機能障礙等ヲ認ムルモ, 小赤血球性低色素性貧血ナリ.
18. 赤血球抵抗ハ稍低下シ, 血清「ビリルビン」量平均6.3 (黄疸指數) ニシテ, latenterIctemsノ状態ニアリ.
19. 赤血球沈降速度ハ著シク促進シ, 血清反應ト共二本症ノ豫後並ビニ治療判定ニ際シ有力武器タリ.
20. 骨髓像ニ於テハLeucopoese系統細胞特ニ成熟型ノ減少・Reticuloendothel系統細胞ノ異常増殖著明ニシテ, 原轟ハ綱状織内被系統細胞並ビニ骨髓細胞以下ノ成熟型, 就中中性嗜好白血球中ニ貧喰セラル.Leucopoese系統ニ比シErythropoese系統細胞ハ比較的障礙輕度ナリ.
21. 「カラ・アザール」貧血ハ小赤血球性低色素性貧血ニシテ, 鐵剤治療上ノ見地ヨリスレバ「アンチモン」剤注射ニヨリ綱状織内被系統細胞減少シ, 機能恢復ト共ニヨク鐵剤ニ反應シ, Erythropoese系統細胞ノ分裂核分剖像著明トナリ, 貧血ノ恢復ヲ認ムルモノニシテ, 本症貧血ノ本態ハ原蟲侵襲ニ依ル綱状織内被系統細胞ノ異常増殖並ビニ機能不全ニ主因ヲ置クベキモノト思惟サル.
22. 血清總蛋白量ハ異常ニ増加シ, 甚ダシキハ100%ニ及ビ, 血清粘稠度ノ上昇ト共ニ血清反應ノ主因ヲナスNapier's Aldehydreaktion最モ簡便且優秀ニシテ, 平均5箇月ニシテ陽轉ス.
23. 診斷ハ熱型・貧血・肝脾腫・白血球減少症・血沈上昇等ニヨリ本症ヲ疑ヒ, 血清反應ニ依リ更ニ疑ヲ濃厚ナラシムルモノナルモ, 決定的ナルハ原蟲證明ニアリ.
24. 骨髓穿刺ハ脾穿刺ニ比シ原蟲密度劣ルモ發見率ハ高シ.同時ニ培養ヲ併用セバ診斷上有利ナリ.培養ニ當リテハ温度ノ適正 (18°-22℃) 並ビニ雜菌混入阻止最モ肝要ナリ.
25. 白血球減少著明ナル爲抵抗力減退シ, 特ニ細菌感染ニヨル合併症ハ豫後判定上重要ナリ.

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余等ハ健康者・癌腫並ビニ諸種消化器疾患患者161名ニ就イテ血清乳酸凝固反應並ビニ血清特殊乾燥像ヲ夫々飯塚・鶴崎氏及ビ七條氏ノ方法ニョリテ行ヒ, 同時ニ血清總蛋白量・血清粘稠度・血清蛋白係数 (「アルブミン」:「グロブリン」比) ノ測定ヲ行ヒ, 夫等ノ成績ヲ比較樵討シ, 以テ兩反慰ノ要因ノー端ヲ明ラカニシ, 同時ニ癌腫診斷ニ封スル兩反應ノ價値チ論ジ, 余等ノ提唱セル新診斷法ニ就イテ言及セリ.
(1) 血清乳酸凝固反應ハ健康人ニ於テハ凝固時間26-40分ナリ.最強度短縮 (0-5分) ハ胃癌6例, 膽嚢症4例, 強度短縮 (5-10分) ハ胃癌8例, 其ノ他ノ癌4例, 慢性胃炎・膽嚢症・バセドウ氏病ニ各, 1例アリ.其ノ他稍短縮 (21-30分) ノモノ34例, 正常 (31分以上) ノモノ52例ナリ.
(2) 血清特殊乾燥像ハソノ判定ニハ發現セル模様ノ面積ニヨリ之チ癌型 (十)・中間型 (士)・正常型 (-) トシ, 健康人ニテハ總ベテ正常型ナリ.癌腫66名串癌型49例74.2%, 封照例81例中癌型14例17.4%ヲ示セリ.
(3) 血清総蛋白量ハ健康人平均値8.27%ナリ.癌腫患者李均値ハ7.29%ニシテ最モ低ク, 次イデ胃並ビ二十二指腸潰瘍7.31%ニテ殆ド等シク, 次ニ膽嚢症7.58%, 糖尿病7.71%, 其ノ他ハ概ネ健康人ニ近シ.
(4) 血清蛋白係數ハ健康人平均値3.43ニシテ, 癌腫患者李均値1.98ニテ最モ低ク, 次イデ膽嚢症・胃並ビ二十二指腸潰瘍・慢性胃炎ノ順ナリ.(5) 血清粘稠度ハ健康人平均値1.77ナリ.胃並ビ二十二指腸潰瘍李均値1.64ニシテ癌腫ト殆ド等シク, 他ハ概ネ健康人二等シキ値ナリ
(6) 血清乳酸凝固時間ト血清総蛋白量トノ關係ヲミルニ, 兩者ハ各疾患共ニ明ラカニ並行關係ヲ示シ, 凝固時間短縮スルモノノ総蛋白量ハ大ナリ.然シ乍ラ此處ニ意義アルハ各疾患ニヨリ同一凝固時間ニ於ケル總蛋白量八大イニ異ナルヲ知レリ.即チ癌腫ノ凝固時間11-20分ノモノノ總蛋白量ハ7.55%, 21-30分ノモノ7.13%, 31分以上ノモノ6.46%ナルニ, 胃並ビニ十二指腸潰瘍ノ凝固時間11-20分坑モノ總蛋白量8.04%, 21-30分ノモノ7.96%, 31分以上ノモノ7.02%ナリ.斯クノ如キ關係ヲ曲線ヲ以テ現スコトニョリ, 癌腫ノ曲線ハ最低位ニアリテ, 他種疾患曲線ト明ラカニ隔ツルガ故ニ, 癌診斷ニ當リテ血清乳酸凝固反應ト總蛋白量トヲ求メ, コノ曲線ヲ利用スルコトニョリテ初メテ本凝固反應ヲ癌腫ノ診斷ニ費シ得ルモノト考ヘラル.
(7) 血清乳酸凝固反應ト血清蛋自係數トノ關係ハ, 凝固時間短縮スルモノノ蛋白係數ハ大トナリ, 血清總蛋白量ト同様ノ並行關係ヲミル.コレハ血清乳酸凝固反應ハ「アルブミン」ヨリモ「グロプリン」ガ密接ナル關係ヲ有スル事ヲ示スモノナリ.
(8) 血清乳酸凝固反應ト血清粘稠度トノ關係ハ, 血清継蛋白騒並ビニ血清粘稠度ニ於ケルガ如キ密接ナル關係ハ認メラレズ.即チ乳酸凝固反應ハ血清粘稠度ソノモノニハ大ナル關係ヲ有セザルベシ.
(9) 血清特殊乾燥像ト血清總蛋白量トノ關係ハ, 癌腫ニ於テハ癌型ノモノノ血清總蛋白量ノ平均値7.01%, 中間型7.93%, 正常型8.22%ニシテ, 血清總蛋白量餘リ大ナルトキハ癌腫ト難モ癌型ヲ呈シ能ハザル事アルヲ知レリ.即チコノ際ニ於テモ總蛋白量ヲ参酌スルコトニヨリ特殊乾燥像ノ適中ヲ大ニシ得ベシト思考ス.
以上ニヨリ血清乳酸凝固反應及ビ血清特殊乾燥像ハ癌腫診斷ニ封シ, 血清總蛋白量ヲ同時ニ測定スル事ニヨリ, 爾餘ノ煩雑ナル樵査ヲ單猫ニナスヨリ, 臨牀的二大イニソノ價値ヲ高メ得ルモノナリト信ズ.

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