馬杉氏腎炎家兎ニ連日經口的ニ過剰水分ヲ投與スル時下痢ヲ起シ遂ニ全身障礙ヲ及ボスモ, 其ノ間臨状的腎炎所見並ビニ諸反應ヨリ見テ明ラカニ腎炎ニ悪影響ヲ及ボスモノナル事ヲ認メタリ.尚, 本論文要旨 (6) ハ第38囘日本内科學會總會ニテ發表セリ.

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本腎炎發病後腎障礙進行中其ノ肝機能ハ低下スルモ, 腎炎恢復ニ向フ時ハ肝機能著シク亢進セルヲ見タリ.而シテ其ノ尿「ウロビリン」體・ミロン氏反應並ビニ血清高田氏反應ハ何レモ陰性ナリキ.

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余ハ腸間膜淋巴腺腫脹時ノ小腸ヲ中心トシテ種々疾患ノ (殊ニ空腸) レ線像ヲ追求スベク, 之ガ規準ヲナス小腸ノ正常レ線像ヲ觀察シタ.即チ胃腸障礙ナキ15例ニ就イテ造影食ヲ1囘法ニョリ投與シ, 立位・背腹位ニ於テ造影食1/2, 1, 2, 3, 4時間及ビ5時間ニ分劃シテ撮影又ハ描寫シ, 次ノ結果ヲ得タ.
造影食通過時間ニ就イテ
1. 胃内容ハ食後3時間マデニテ全ク空虚トナル.
2. 空腸内容ハ食後4時間後或ハ遅クモ5時間ニハ空虚トナル.
3.造影食ハ廻腸部ニ食後1時間マデニハ到達シ, 食後3時間マデニ此處ニ毬ヲ完成スル.而シテ食後5時間ニハ約半数例ニ空虚トナル.
4.盲腸部初達時間ハ食後3時間以後, 殊ニ食後4-5時間以後ノモノ大多數ヲ占ム.
浮彫ニ就イテ圭ニ認メラレタノハ横縞型・縮緬型・鋸歯状型及ビ不定形粉状型ニシテ, 前2者ソノ大多数ヲ占ム.
腸蹄係ノ直徑ニ就イテ空腸部ハ上半・下半共正常閾ノ上限ハ3.0cm前後, コレニ封シ下限ハ0.6-0.7cmト云フ如キ部分ヲ認メタガ, コノ多クハ屈曲部デ且稀ニ認メラレタニ過ギナイ.
最モ頻繁ニ見ラレタノハ平均2.0cm前後デ, 下半ノ蹄係ハ上半ニ比シ狭小ノ傾向ヲ認メタ.尚廻腸部ノ計測ハ不確實ニ終ツタ.

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胃並ビニ十二指腸潰瘍ヲ胃外科ノ対象トナシ, 潰瘍ノ成因的要約及ビ其ノ病理愛化ノ施術後ニ於ケル治癒敷果ヲ按ズルニ, 未ダ釋明シ得ザル種々ナル問題残存スルハ否ミ難キ事實ナリ.就中潰瘍胃ニハ胃炎ヲ随伴スル場合多ク, 該胃炎ガ術後残存潰瘍ノ治癒ニ対シテ有スベキ役割, 残存潰瘍並ビニ胃炎ガ胃手術ニ依リ蒙ルベキ影響及ビ其ノ影響ヨリ判断シテ如何ナル胃手術ガヨリ効果的ナルヤヲ検索スルハ, 胃潰瘍治療ニ於ケル系統的實験研究ノ果サレザル分野ナルベシ.於茲, 余ハ實験的ニ犬ヲ試獣トナシ該胃ノー定局所ニ人工的粘膜缺損及ビ胃炎ヲ惹起セシムルト同時ニ胃切除術・胃腸吻合術及ビ幽門曠置術ヲ施行シタル後, 之等ノ治癒経過ヲ特ニ手術術式ノ差異ニヨル治癒敷果ノ異ナル鮎ヲ観察セリ.
沃度丁幾ヲ胃漿膜ニ塗布スル時ハ, 操作後1週間前後ヲ極期トシテ高度ノ急性胃炎ヲ惹起シ, 此ノ際造設サレタル人工的粘膜欲損ノ治癒ハ著シク遅延サレ約5週間ヲ要スルニ到リタルモノナリ.而シテ如斯, 沃度丁幾性胃炎ニヨリ治癒困難トナレル粘膜欲損ハ.之ニ種々ナル胃手術ヲ併施セル事ニヨリ其ノ治癒日藪短縮シ, 胃切除術ニヨリ最モ多ク短縮サレ, 胃腸吻合術之二次ギ, 幽門曠置ハ影響少ク且消化性空腸潰瘍ヲ併發スル危惧アリ.
次ニ酒精ヲ持績投與シテ胃炎ヲ招致セシメタル犬胃粘膜ニ欲損ヲ設置スルニ, 其ノ治癒ハ約30日以上ヲ要スノレニ対シ, 之ニ胃手術ヲ併行スル時ハ胃腸吻合術・胃切除術共ニ約1週間ノ治癒日数ヲ短縮セルヲ認メタリ.然レドモ手術後モ酒精投與テ織績スノレ時ハ胃炎ハ萎縮型ニ移行シ, 缺損治癒ハ更ニ遅延セラレタリ.
尚両側迷走神経ヲ横隔膜下ニテ切断スルト共ニ胃粘膜缺損ヲ作成スノン時ハ, 飲損治癒ハ著シク悪シク全治ニ55日以上ヲ要シ, 此ノ際胃手術ヲ併施ストモ治癒日数ハ僅カニ短縮セラル、ニ過ギザルテ認メタリ.
要之, 胃炎ノ併存スル事ハ胃粘膜潰瘍ノ治癒ヲ障礙スルモ, 神経性粘膜欲損治癒障礙ト異ナリ, 胃手術ニヨり特ニ胃内容排出・胃液酸度低下ヲ圖ル事ニ依リ好果ヲ得ルモノノ如ク思惟セシム.

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岡田敬授ハ白鼠ニ於ケノレ移植癌ガ濃厚癌「エキス」ノ反復静賑内注射ニヨリ治癒セシメ得ルコトヲ報告シ, 又白鼠癌「エキス」ハ人癌ニモ有敷ナルコトヲ報告セシガ, 更ニ二十日鼠移植癌「エキス」ガ人癌ニ有数ナルコトヲ認メラ癌腫ノ治療ニ優秀ナル成績ヲ舞ゲツ、アリ.余ハ癌「エキス」注射ノV-C代謝ニ及ボス影響ヲ知ラントシテ各種癌患者20例 (胃癌II例, 直腸癌3例, 食道癌2例, 子宮癌1例, 乳癌1例, 肝臓癌1例, 上行結腸癌1例) ニ就イテ癌「エキス」注射前後ニ於テ藤田・海老原氏比色法ニョリ全血中総V-C量及ビ「ビタシミン」300mg頁荷前後ニ於ケル24時間尿中総 (酸化型・還元型) V-C量ヲ定量シ, 其ノ代謝状ヲ窺ヘリ.
健康者8例ノ24時間尿中総V-C量ハ平均28mgニテ還元型ソノ85%ヲ占メ, 「ビタシミン」C300mg皮下注射後平均143mgヲ排泄シ, 還元型ハ89%ナリ.又健康者17例ノ血中総V-C量ハ平均M23mg%ナリ.
癌患煮20例ノ癌「エキス」注射前血中総VC量ハ平均0.619mg%, 24時間尿中総V-C量ハ平均8mgニテ還元型ハソノ24%ヲ占メ, 「ビタシミン」C300mg皮下注射後平均26mgヲ排泄シ, 還元型ハ55%ナリ.
癌「エキス」15-25同注射後血中總V-C量ハ平均0.832mg%ニシテ, 注射前ノ1.4倍ニ當ル.尿中總V-C量ハ平均13mgニテ還元型ハ42%ヲ占メ, 「ビタシミン」300mg, 皮下注射後平均48mgヲ排泄シ, 還元型ハ66%ニテ注射前ニ比シ總量ノ増加, 還元型百分率ノ高率ヲ來セリ.
次ニ癌「エキス」30-45同注射後血中總V-C量ハ平李均1.023mg%ニシテ, 前同ヨリ更ニ増加シ, 注射前ノ1.8倍ニ當ル.尿中總V-C量ハ平均20mgニテ還元型ハ・61%ヲ占メ, 「ビタシミン」員荷後平均76mg排泄シ, 還元型ハ76%ニテ前回ヨリ更ニ増加シ, 還元型百分傘モ更ニ高率ヲ示セリ.
即癌「エキス」注射ニヨリ血中総V-C量・尿中V-C排泄量共ニ注射前ニ比シ壇加シ, 還元型百分率ハ高率テ來シ, 漸次對照値ニ接近ス.

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