脳血管内治療
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1 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 西堀 正洋, 大島 共貴, 山本 太樹, 後藤 峻作, 島戸 真司, 西澤 俊久, 加藤 恭三
    2016 年 1 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】ステント留置後の頭蓋内血管に対して,直達手術による追加治療が必要となる状況は今後想定されうる.ステント留置血管を,チタンクリップで一時遮断することは安全に可能かin vitro で評価を行った.【方法】シリコンチューブに33%グリセリン溶液を灌流し加圧した.Enterprise VRD,Neuroform,Wingspan を展開後,チタンクリップで遮断し,圧を負荷して遮断部位の溶液漏出を観察した.また遮断解除後のステントをCone-beam CT で観察した.【結果】Enterprise VRD,Neuroform,Wingspan の順に遮断しやすかった.2 本のパーマネントクリップを用いることで180 mmHg までは,全てのステントが遮断可能であった.遮断解除後,ストラットの損傷はいずれも認めなかった.【結論】現在本邦で使用されている自己拡張ステントが留置されている血管に対して,直達手術時に一時的な血流遮断は可能と考えられた.ステント留置血管を遮断する場合は,パーマネントクリップを2 本用いるのが確実である.

  • 太田 貴裕, 佐藤 允之, 天野 達雄, 堀川 弘吏, 松丸 祐司
    2016 年 1 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】院内体制の整備および急性期再開通治療例についてステントリトリーバー(SR)導入前後で検討したので報告する.【方法】2012 年7 月から2014 年12 月までに発症8 時間以内に血管内再開通療法を行った前方循環の急性主幹動脈閉塞40 例を対象にI 期:SR 導入前,II 期:SR導入後に分けて所要時間,治療成績,予後について後方視的に比較検討を行った.【結果】I 期は23 例(平均年齢76.8 歳),II 期は17 例(平均年齢77.5 歳)であった.画像撮影から鼠径穿刺までI 期:76.4 分→ II 期:47.6 分,来院から再開通までI 期:210.8 分→ II 期:140.6 分と有意差を認めた.有効再開通Thrombolysis in Cerebral Infarction(TICI)2b 以上はI 期:14 例(60.9%),II 期:13 例(76.4%),TICI 3 はI 期:4 例(17.4%),II 期:8 例(47.0%)と有意差は認められなかったが増加する傾向にあった.【結論】院内体制の整備,治療チームとしての経験値蓄積,治療医のスキルアップにより来院から再開通までの時間を短縮できた.今後さらなる再開通までの所要時間短縮をめざし努力する必要がある.

  • 多喜 純也, 早瀬 睦, 宮腰 明典, 北原 孝宏, 服部 悦子, 中村 威彦, 波多野 武人
    2016 年 1 巻 1 号 p. 14-23
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】Penumbra 5MAX ACE を用いて“a direct aspiration first pass technique(ADAPT)”を行った初期経験に基づき,有用性を報告する.【方法】2014 年10 月から2015 年3 月の間に血栓回収療法を行った連続8 症例のうち,5MAX ACE を吸引カテーテルあるいは中間径カテーテルとして用いADAPT を行った7 例を後方視的に解析した.【結果】平均年齢76.9 歳.閉塞部位は中大脳動脈M1 遠位3 例,M2 2 例,脳底動脈2 例.治療前平均National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)16.0,治療開始までの平均時間は315 分.5 例(M1 遠位2 例,M2 1 例,BA 2 例)で5MAX ACE が閉塞部位に到達し,2 例は同軸に用いた3MAXでADAPT を施行.6 例で有効な再開通(Thrombolysis in Cerebral Infarction[TICI] 3 5例,TICI 2b 1 例)を得た.治療24 時間後NIHSS は平均7.7 であった.手技に伴う頭蓋内出血は認めなかった.【結論】5MAX ACE は口径が拡大したが,追従性にも優れており,より安全,有効に血栓回収が行えるものと考えられた.

症例報告
  • 入江 是明, 丸山 史晃, 武井 淳, 勅使川原 明彦, 山本 洋平, 栃木 悟, 田中 俊英, 長谷川 譲, 村山 雄一
    2016 年 1 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】くも膜下出血で発症した両側内頚動脈閉塞および両側椎骨動脈閉塞に伴う頚髄周囲異常血管網の破裂動脈瘤の稀有な症例を報告する.【症例】76 歳男性,くも膜下出血の診断で精査し,頭蓋内両側内頚動脈に閉塞を認め,頭蓋頚椎移行部の両側椎骨動脈にも部分的な描出不良があった.拡張した前脊髄動脈と両側外側脊髄動脈および椎骨動脈との間に異常血管網と動脈瘤を確認した.保存的治療で動脈瘤は短期間に自然血栓化した.【結論】極めて稀有な症例で,椎骨動脈および脊髄動脈の相補的吻合血管を考察する貴重な症例であった.

  • 佐口 隆之, 溝上 泰一朗, 近藤 祐史, 安達 忍, 田部井 勇助, 伊地 俊介, 鈴木 一郎
    2016 年 1 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】術中超音波診断が有用であった浅側頭動脈瘤塞栓術の1 例を報告する.【症例】69 歳男性.主訴は左側頭部拍動性皮下腫瘤増大.特発性浅側頭動脈瘤と診断した.手術痕残存および顔面神経損傷回避のため血管内治療を施行した.動脈硬化が強く近位側親動脈閉塞になることが予想された.バルーンによる模擬的近位側親動脈閉塞状態の下で動脈瘤内の血流を超音波で診断した.近位側親動脈閉塞では血流遮断ができないことを確認し,動脈瘤遠位側および近位側親動脈をコイル塞栓した.動脈瘤への血流消失を超音波で確認した.動脈瘤は消失し再発していない.【結論】浅側頭動脈瘤塞栓術中の超音波診断は治療戦略および治療結果の確認に有用であった.

  • 大川原 舞, 孫 宰賢, 山口 裕之, 山田 創, 上田 幹也, 前田 高宏
    2016 年 1 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】コイル塞栓術後,脳実質内に造影される多発病変が出現した1 例を経験したので報告する.【症例】74 歳男性,未破裂脳動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した3 週間後に頭痛・複視・幻覚を呈しMRI にてaccess route に一致した多発する小さなring enhancement を示す病変が出現し,ステロイドにて症状・画像ともに著明に改善した.脳血管内治療後に脳実質内に出現する病変として使用したデバイスから剝離したpolyvinylpyrrolidone(PVP)に対する肉芽腫性反応の報告が散在している.本症例は生検による確定診断が得られていないが,所見・経過などから同様の機序が疑われた.【結論】血管内治療後の稀な合併症として異物塞栓による肉芽腫があることに留意する必要がある.

  • 岡田 博史, 橋本 孝朗, 田中 悠二郎, 渡辺 大介, 生天目 浩昭, 檮木 治, 河野 道宏
    2016 年 1 巻 1 号 p. 44-49
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】頚椎脱臼整復後に脳底動脈塞栓症を来した1 例を経験したので報告する.【症例】61 歳男性.第4 頚椎前方脱臼により頚髄損傷を発症した.四肢麻痺を認めており,可及的速やかに整復が行われたが,その28 時間後に意識障害が出現し,椎骨動脈損傷後の再開通による血栓塞栓のため脳底動脈先端部閉塞を合併した.血栓回収療法を施行し,TICI2b の再開通を得て,意識障害は改善し転院となった.【結論】頚椎損傷に椎骨動脈損傷を伴うことがあり,脳梗塞へ発展することがある.脳梗塞を合併すると生命予後,機能予後共に不良であるため,早期に治療介入をすべきである.また,頚椎損傷に伴う椎骨動脈損傷に関して,啓蒙をすることも重要である.

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