脳血管内治療
Online ISSN : 2424-1709
Print ISSN : 2423-9119
ISSN-L : 2423-9119
最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
原著
  • 大谷 直人, 田邉 頌章, 増尾 修, 鐵尾 佳章, 橋本 昭宏, 大久保 英, 森下 猛史, 佐藤 文貴, 大渕 芳雄, 戸田 博幸
    2021 年 6 巻 4 号 p. 169-173
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/11/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】頚動脈ステント留置術における plaque protrusion の対処として,free cell area の小さいステントの選択が効果的であるとされる.Free cell area を小さくするため,目的の血管径より大きいサイズのステントを留置することがあるが,実際に free cell area が小さくなるかは検討されていない.本研究では同一径の模擬血管に径の異なる 3 種類の Precise を留置し,各ステントの被覆率を算出することで,実際に free cell area に差があるかを検討した.【方法】ステント径が 6 mm 径,8 mm 径,10 mm 径の 3 種類の Precise を内径が 6 mm の模擬血管に見立てたチューブの中に展開し,デジタルカメラで撮影した.撮影した写真を ImageJ に取り込み,ステントの被覆率を算出した.【結果】各ステントの被覆率は 6 mm 径で 23.82%,8 mm 径で23.05%,10 mm 径で 34.90%であった.【結論】内径が 6 mm のチューブに留置した場合,6 mm 径と 8 mm 径のステントの被覆率に差は認められなかった.10 mm 径のステントは 6 mm 径と 8 mm 径のステントに比べ,有意に被覆率が高かった.

  • 細野 篤, 大川原 舞, 吉沢 友和, 鈴木 隼, 越阪部 学, 山口 裕之, 上田 幹也, 前田 高宏
    2021 年 6 巻 4 号 p. 174-180
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/11/11
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】近年,血管内治療後 device から剝離した polyvinylpyrrolidone(PVP)による合併症の報告が散見される.頚動脈ステント留置術時に剝離した PVP 検出を試み,予防策を検討する.【方法】Carotid Guardwire を用いた 3 例について検討した.Guiding catheter 誘導後 inner catheter 抜去時に吸引した血液(PRE 検体),Guardwire を収縮する前に吸引した血液(POST 検体)をそれぞれ付属のフィルターで濾過し調査した.残存した debris を Fourier transform infrared(FTIR)spectroscopy を用いて PVP のピーク値と一致するか調べた.【結果】PRE 検体でのみ小さな光沢のある人工物が認められ,FTIR spectroscopy では PVP のピーク値と一致した.【結論】頚動脈ステント留置術ではPRE 検体にPVP が検出された.PVP 飛散を減らすためには,inner catheter 等内腔差が小さいデバイス操作時には血液を逆流させる等の工夫が必要である.

症例報告
  • 西野 航, 山内 利宏, 安藤 亮, 松浦 威一郎, 橋本 憲一郎, 鈴木 浩二, 相川 光広, 古口 徳雄, 宮田 昭宏
    2021 年 6 巻 4 号 p. 181-188
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/10/07
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】多血性側脳室三角部髄膜腫に対する摘出術前塞栓術を行った 1 小児例の経験から,この部位の髄膜種に対する塞栓術の戦略を検討した.【症例】13 歳女児.主訴は左麻痺.術前塞栓を施行せず行った初回摘出術は,わずかな摘出にとどまった.後大脳動脈皮質枝からの栄養動脈を液体塞栓物質で塞栓した 2 回目の摘出術は,塞栓で壊死した後方 2/3 を摘出した.2 年後に再増大し,後脈絡叢動脈からの栄養動脈を同様に塞栓し,腫瘍を全摘出した.【結論】脈絡叢動脈の終末血管によって構成されていた側脳室三角部髄膜腫に対し,液体塞栓物質を圧入せずに栄養動脈の近位部閉塞のみで十分に塞栓効果を得ることができた 1 例を経験した.

  • 工藤 陽平, 今岡 充
    2021 年 6 巻 4 号 p. 189-195
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/10/12
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】後頭動脈(occipital artery: OA)カットダウン法により治療した上矢状静脈洞部(superior sagittal sinus: SSS)硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula: DAVF)の 1 例を報告する.【症例】54 歳男性.右前頭-頭頂葉脳内出血にて発症.脳血管撮影にて前頭-頭頂部 SSS に DAVF が認められた.DAVF には両側前大脳鎌動脈,両側中硬膜動脈,OA 等が on-the-wall type のシャントを介して流入し,右中心溝付近の皮質静脈への著明な逆流を伴っていた.大腿動脈アプローチで経動脈的塞栓術(transarterial embolization: TAE)を行うも,シャント閉塞には至らず,著しく屈曲蛇行した右 OA 末梢分枝からの流入が残存し,根治を得ることはできなかった.二期的治療として,右 OA のカットダウン法により TAE を追加することで根治を得た.【結論】本法は,通常のアプローチでは到達困難な遠位硬膜動静脈瘻に対して,簡便,安全かつ効果的な TAE オプションになり得ると考えられる.

  • 細野 篤, 大川原 舞, 山口 裕之, 鈴木 隼, 越阪部 学, 上田 幹也, 前田 高宏
    2021 年 6 巻 4 号 p. 196-202
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/11/11
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】硬膜動静脈瘻の経静脈的塞栓術において,閉塞静脈洞を安全に経由するために,MRI による閉塞静脈洞の術前評価が有効であった 2 例を報告する.【症例】どちらの症例も左横静脈洞から S 状静脈洞部の isolated sinus となった硬膜動静脈瘻である.Phase contrast MRA(PC MRA)では左横静脈洞,S 状静脈洞ともに描出が認められなかったが,造影 3D variable refocusing flip angle turbo spin echo (3D VRFA TSE) T1ならびに造影 3D gradient echo (3D GRE) T1 では閉塞している左横静脈洞の描出が認められたため,対側からのアプローチが可能であった.【結論】様々な sequence の MRI が閉塞静脈洞への安全なアプローチに有効であった.

  • 姫野 隆洋, 大隣 辰哉, 鳥越 佳香里, 田中 朗雄, 中道 淳仁, 佐藤 恒太, 宮嵜 健史, 大田 慎三
    2021 年 6 巻 4 号 p. 203-210
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/12/01
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】横 -S 状静脈洞部硬膜動静脈瘻(T-S dAVF)に対して Onyx で経動脈的塞栓(TAE)を行った際に,後大脳動脈(PCA)分枝に後天的吻合を通じて Onyx が迷入し,動脈性脳梗塞を合併した 1例を報告する.【症例】69 歳男性,右側頭葉皮質下出血を発症した.右 T-S dAVF を認め,血管内治療を行ったが根治できなかった.5 年後に画像上増悪を認め再治療となった.右中硬膜動脈 posterior convexity branch より Onyx で TAE を行ったが,塞栓中に右 PCA 分枝に Onyx が迷入した.右 PCA 領域に動脈性梗塞を認め,左上同名四分盲を呈した.術前には同定されなかった軟膜動脈との吻合より塞栓したと考えられ,硬膜との癒着が原因と推測された.【結語】軟膜動脈の供血が同定されない症例であっても実質血管への迷入が生じ得る.

  • 上宮 奈穂子, 石原 正一郎, 近藤 竜史, 掛樋 善明, 中館 雅志, 徳重 一雄, 都築 伸介
    2021 年 6 巻 4 号 p. 211-218
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/12/01
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】脳室内出血発症のもやもや病に合併した後脈絡叢動脈末梢部動脈瘤に対し N-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)による塞栓術を施行し,良好な経過を得た 2 例を報告する.【症例 1】 49 歳,女性.経過中に増大傾向を呈した内側後脈絡叢動脈遠位の動脈瘤に対し,NBCA にて塞栓し良好な経過を得た.【症例 2】46 歳,女性.出血源となった外側後脈絡叢動脈末梢動脈瘤に対し,NBCA による塞栓術を施行.神経内視鏡下に脳室内血腫除去術中,塞栓された脳室壁に位置する動脈瘤を確認した.【結論】もやもや病の側副血行路に合併する末梢動脈瘤に対しては,血管解剖を理解し適切なデバイス選択による塞栓術が有効であった.

テクニカルノート
  • 田代 典章, 川野 弘人, 平岡 史大, 森田 寛也, 濱 義明, 吉田 真一郎, 桑島 琢允, 矢野 茂敏, 相川 博, 呉 義憲, 風川 ...
    2021 年 6 巻 4 号 p. 219-226
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/20
    [早期公開] 公開日: 2021/11/25
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】血栓回収術は一般的に大腿動脈からのアプローチで行うが,アクセス困難で治療できない場合もある.その際には頚動脈直接穿刺が有効である.われわれの頚動脈直接穿刺による血栓回収療法の経験を報告する.【症例】2017 年 1 月から 2020 年 12 月の間,当施設における 174 件の血栓回収術症例において,大腿動脈からアプローチが困難で手技中に頚動脈直接穿刺法に変更した3 例を対象とした.静脈麻酔下で事前に気管挿管し,頚部を軽く後屈させ総頚動脈を穿刺し,6Fr スーパーシースを挿入し,吸引カテーテル,stent retriever により治療した.治療後はシース抜去し,20 分以上用手的圧迫を行い止血した.3 例に施行し,対象年齢は 100 歳,86 歳,100 歳,閉塞部は中大脳動脈 M1 閉塞 2 例,前大脳動脈 A1-A2 分岐部 1 例で,再開通はそれぞれTICI 分類 3,0,3 であった.合併症は 1 例で穿刺部の血腫を認めたが,挿管により気道圧迫は防止できた.転帰はそれぞれ mRS で 2,4,4 であった.【結論】血栓回収術において,大腿動脈からのアプローチが困難な場合に頚動脈直接穿刺が有効である可能性がある.

feedback
Top