脳血管内治療
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6 巻, 2 号
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原著
  • 先山 耕史, 林 利廣, 武田 和也, 長谷川 亮太, 今関 雅晴, 石川 栄二, 田島 修, 塚本 篤子, 高橋 俊行, 佐藤 久弥, 加 ...
    2021 年 6 巻 2 号 p. 59-67
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/20
    [早期公開] 公開日: 2021/05/31
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】放射線防護の最適化を図るための指標として,2015 年に日本の診断参考レベルDRLs2015 が発表され,2020 年に DRLs2020 に改訂された.脳血管内治療の被ばく線量を把握するため,多施設線量調査・解析を行い,透視線量設定に関連する因子および疾患別の患者被ばく線量の調査を行った.【方法】回答のあった 91 施設,126 装置,1,019 例を対象症例とした.内訳は,脳動脈瘤コイル塞栓術,頚動脈ステント留置術,脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻・内頚動脈海綿静脈洞瘻の塞栓術とした.【結果】脳血管内治療で用いる透視線量率の平均値は,DRLs2020 の基準透視線量率および心臓領域の基準透視線量率よりも低い傾向であった.【結論】DRLs2020 では,基準透視線量率の他に,Ka,r など臨床値としての DRL も公表された.今後は実臨床値での被ばく最適化が望まれているが,患者被ばく線量の最適化を行う上での一つの手段として,透視線量低減方法である 1pulse あたりの線量を低く設定したモードを使用することは効果的であると示唆された.

  • 田中 悠介, 畑岡 峻介, 石川 駿, 長嶋 薫, 関口 徳朗, 野田 尚志, 瓜生 康浩, 谷野 慎, 岡田 富, 宮原 宏輔
    2021 年 6 巻 2 号 p. 68-73
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/20
    [早期公開] 公開日: 2021/06/28
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】血流豊富な脳腫瘍に対する腫瘍流入血管塞栓術(腫瘍塞栓術)は,術中の出血量減少や腫瘍軟化という点から有用な補助療法として摘出術前に広く行われている.しかし,腫瘍塞栓術後に発熱が生ずることがあり,周術期の全身管理を煩雑にする場面もある.そこで,当院で施行した髄膜腫手術症例の体温変化について解析を行った.【方法】2017 年 4 月 1 日から 2021 年 3 月 31 日の間で,当院で摘出術を行った髄膜腫症例 38 例を対象に,腫瘍塞栓術を施行した群(施行群)と施行しなかった群(無施行群)に分類し,各々体温変化につき後方視的解析を行った.また,造影剤使用量について 100 mL 以上の群と 100 mL 未満の群に分類し検討を行った.【結果】施行群では全例で体温上昇を認め,無施行群と比較し有意に体温上昇していた.造影剤使用量 100 mL 以上の群では 100 mL 未満の群と比較し有意に体温上昇していた.【結論】腫瘍塞栓術後,有意に体温上昇を認めたことから,摘出術前の発熱はその熱源として,造影剤使用量,腫瘍塞栓術が関与している可能性が考えられる.また,本知見から腫瘍塞栓術後の発熱は必ずしも感染症に由来するとは限らず,患者および医療従事者へのさらなる負担軽減に寄与すると考えられる.

  • 荒川 渓, 押方 章吾, 角本 孝介, 波多野 勇人, 三小田 享弘, 梶原 真仁, 植田 邦裕, 山下 真吾, 金 茂成, 原田 啓
    2021 年 6 巻 2 号 p. 74-81
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/20
    [早期公開] 公開日: 2021/07/19
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】経皮的脳血栓回収術は,脳虚血急性期の標準治療となった.Sofia Plus カテーテルは,柔軟な吸引型カテーテルである.その使用成績を報告する.【方法】連続 52 例の急性期脳虚血に対し,Sofia Plus を用いた経皮的脳血栓回収術を施行した.平均年齢 75 ± 9.0 歳,平均 NIHSS 16 ± 8.6 点,閉塞血管は内頚動脈 47%,中大脳動脈 M1 部 21%,M2 部 15%,脳底動脈17%であった.後方視的に再開通率,合併症,Sofia Plus の不具合について調べた.【結果】血栓吸引単独法(ADAPT)を 36/52 例(69%),ステントリトリーバー(SR)と Sofia Plus の併用を 16 例(31%)で最初に行った.ADAPT で再開通が得られない場合は SR を併用した.ADAPTの 21/36(58%),SR と Sofia Plus 併用の 26/30(87%)で良好な再開通が得られた.Sofia Plus は 49/52 例(94%)で閉塞血管直前まで到達した.手技による血管解離はなかった.Sofia Plus の破損が 3 例(5.8%)でみられた.術後の頭蓋内出血は 5.8%であった.3 カ月後の転帰良好(modified Rankin Scale 0-2)は 37%であった.【結論】Sofia Plus は誘導性の高い吸引カテーテルで,血管解離の合併症はなく安全性が高かった.Sofia Plus による ADAPT,SR 併用術ともに,再開通率は高く出血性合併症は少なかった.Sofia Plus は柔軟なカテーテルであり,無理な押し込み,SR の引き込みで破損のリスクがある.

症例報告
  • 安田 浩章, 長光 逸, 金子 奈津江, 長綱 敏和, 浦川 学, 藤井 正美, 山下 哲男
    2021 年 6 巻 2 号 p. 82-89
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/20
    [早期公開] 公開日: 2021/05/31
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】右上腕動脈経由で 6Fr シモンズ型ガイディングシース(SGS)と 6Fr インナーガイディングカテーテル(IGC)を用いて行った脳動脈瘤コイル塞栓術の 2 例を報告する.【症例】1 例目は,未破裂脳動脈瘤(右内頚動脈-後交通動脈分岐部)の 67 歳男性.2 例目は,破裂前交通動脈瘤の 74 歳女性.大動脈の動脈硬化や蛇行が強く,右上腕動脈アプローチとした.2 例とも右鎖骨下動脈と右総頚動脈の分岐が急峻であった.6Fr SGS の先端を右総頚動脈に留置し,SGS 内に 6Fr IGCを挿入し,先端を右内頚動脈に留置した.その後,瘤内コイル塞栓術を施行した.【結論】大腿動脈経由での血管内手術が困難な場合,本法は有用である.

  • 古館 隆太郎, 熊谷 いづみ, 青柳 盟史, 保格 宏務, 広田 暢夫
    2021 年 6 巻 2 号 p. 90-95
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/20
    [早期公開] 公開日: 2021/06/30
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】未破裂傍前床突起部内頚動脈瘤コイル塞栓術時,コイル突出が生じ,遅発性にコイル遠位逸脱による虚血性合併症を来した 1 例を報告する.【症例】くも膜下出血の既往歴を持つ 57 歳女性,左未破裂内頚動脈瘤に対しコイル塞栓術を施行し,親血管にコイル突出を認めたが,血栓塞栓症を伴わず周術期を経過した.2 週間後,全失語,右不全片麻痺を主訴に救急搬送され,画像診断で左中大脳動脈領域へのコイル遠位逸脱と診断し,マイクロバスケットによるコイル回収により症状の改善を得た.【結論】コイル塞栓術において母血管に対してのコイル突出は,遅発性にコイル遠位逸脱を生じる原因になり,積極的治療を考慮する必要があると考えられた.

  • 溝上 康治, 宇津木 聡, 小佐野 靖己, 遠藤 昌孝
    2021 年 6 巻 2 号 p. 96-102
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/20
    [早期公開] 公開日: 2021/06/03
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】脳血管攣縮を伴う破裂左中大脳動脈脳動脈瘤の再破裂・血腫形成に対し,コイル塞栓術・血管形成術を施行した 1 例を報告する.【症例】35 歳女性,全身倦怠感を自覚,5 日後に言語障害が出現し当院受診,CT で左側頭葉脳内血腫を伴うくも膜下出血を,CTA で左中大脳動脈脳動脈瘤,脳血管攣縮を認めた.CT-perfusion で脳血流量低下なく,再破裂による血腫形成と判断,緊急でコイル塞栓術を施行した.また,脳血管攣縮悪化を懸念し,血管形成術を追加した.神経症状は軽快,脳血管攣縮治療後にリハビリ転院した.【結論】脳血管攣縮を伴う破裂脳動脈瘤の再破裂・血腫形成に対するコイル塞栓術は,積極的な脳血管攣縮治療を可能にする.

  • 松澤 良, 鐵尾 佳章, 増尾 修
    2021 年 6 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/20
    [早期公開] 公開日: 2021/07/02
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】徐々に増大する上小脳動脈遠位の未破裂血栓化脳動脈瘤に対して,ステント併用コイル塞栓術を施行した症例について報告する.【症例】症例は,繰り返す嘔吐で発症した 74 歳女性.左上小脳動脈(superior cerebellar artery: SCA)遠位に増大傾向を示す未破裂血栓化動脈瘤を認めた. Low-profile Visualized Intraluminal Support Jr.(LVIS Jr.)にて母血管を温存したコイル塞栓術を施行した.術後,嘔吐症状は軽快し,徐々に経口摂取が可能となった.術後 2 年半経過した現在も画像上縮小効果が維持し得ている.【結論】SCA 遠位部血栓化動脈瘤に対する母血管温存したステント併用コイル塞栓術は,長期的なフォローが必要なものの,本症例の経過からみれば効果的であり,治療のオプションの一つになり得ることが示唆された.

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