日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
選択された号の論文の494件中51~100を表示しています
  • 木村 友洋
    セッションID: RKS3-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    症例は42歳男性。交通事故により、整形外科病院に救急搬送された。肋骨骨折の診断で入院していたが、経過観察のCTを行ったところ、脾損傷が疑われ、受傷後4日目に当院外科転院となった。当院入院後、循環動態は安定しており保存的加療を行ったが、本人の退院希望が強く、入院6目日(受傷から9日目)に退院となった。
    退院後初回の外来受診時(交通事故受傷から15日目)に突発する腹痛及び血圧低下を認めたため緊急CTを施行したところ、脾損傷の再出血と診断した。日本外傷学会の脾損傷分類では_II_型に相当し、初期輸液にて血圧上昇を認めたため、緊急手術は行わず、経カテーテル的動脈塞栓術を施行した。塞栓術後バイタルは安定し、ベッド上安静・疼痛コントロールで経過観察の方針となった。 術後経過は良好で、入院8日目に離床し、入院10日目に退院となった。
    遅発性脾破裂は受傷後48時間以上の無症状潜伏期を経て、突発的に腹腔内出血を来たすものと定義されている。文献によると、発症時期は受傷から2週間以内とする報告が多い。交通事故後約2週間で発症した遅発性脾破裂の症例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。

    相模原協同病院 消化器外科
    磐井 佑輔・佐々木 一憲・藤平 大介・小池 卓也・船津 健太郎・篠 美和・保刈 岳雄・相崎 一雄・河野 悟・高野 靖悟
  • 中島 謙, 玉置 久雄, 三田 孝行, 岩田 真, 加藤 憲治, 高橋 直樹, 松井 俊樹, 春木 祐司
    セッションID: RKS3-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    症例は80歳代女性。上腹部痛および嘔気があり、近医受診。上腹部の圧痛を認めたため、精査目的に当院内科紹介となった。CTにて十二指腸球部に境界明瞭な5cm大の円形腫瘤を認めた。上部消化管内視鏡検査では、胃体部から胃角部の粘膜が十二指腸に消失しており、胃粘膜下腫瘍の十二指腸嵌頓と診断した。内視鏡下に整復を試みたが不可能で、当科紹介となり、緊急手術を行った。開腹すると、十二指腸球部に腫瘤が嵌頓しており、胃体下部後壁に腫瘍の基部と考えられる壁の嵌入を認めた。また有形性腫瘍の基部後面に1cm大の腫瘤が壁外に突出していた。用手的に嵌頓腫瘤の整復を試みると、比較的容易に胃内に還納可能であった。GISTなどの筋原性腫瘍である可能性が高いと判断し、胃体部前壁を短軸方向に切開し、有茎性腫瘍基部を全層切除し、腫瘍を摘出した。腫瘍は5cm大の粘膜下腫瘍で頂部にdelleを認め、一般的な粘膜下腫瘍の性質を有していた。病理組織学的には固有筋層から発生し、紡錘状~類上皮様の腫瘍細胞の増殖を認め、c-kit(-)、CD34(+)でGISTと診断された。Ball valve syndromeをきたした胃GISTは比較的稀な疾患であり、若干の文献的考察を加え報告する。
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    津田 真希, 齊藤 知規, 向 克己, 村田 哲也, 濱田 正行
    セッションID: RKS3-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    近年一括切除に重点を置いた内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が開発され、内視鏡切除可能な病変が増加してきた。当院でも早期胃癌に対するESDを2004年より導入した。過去6年の当院における成績を報告する。 ESDの適応について、リンパ節転移の可能性がほとんどないことが条件となる。近年では拡大適応症例も増加している。 当院の治療成績;493例(うち胃癌343例)。胃癌の一括切除率は92.9%、治癒切除率は84.5%であった。切除標本径14-112mm(平均15.7mm)、治療時間は9-240分(平均42.6分)であった。 ESDの偶発症;19例にみられ、うち穿孔が10例と最も多かった。 再発として12例に見られたが、いずれも異時性他部位再発であった。 結語;ESDは早期胃癌の治療に有用である。
  • 西澤 弘成, 高橋 俊明, 木村 啓二
    セッションID: RKS4-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    症例は58歳男性。2010年夏頃より腰痛が出現したため近医を受診し、鎮痛剤の投与で経過観察をされていた。9月末に腰痛が増悪したため再度近医を受診し腰椎XPを施行したところ、腰椎に圧迫骨折を認めた。その後、左下肢の痛みも出現し下肢XPを施行したところ、左腓骨に骨転移を疑う溶骨性変化を認めた。転移性骨腫瘍と診断され精査目的に当院に紹介となった。胸腹部CTを施行したところ、左上葉に腫瘤影を認め、原発性肺癌疑いで当科に転科した。気管支鏡検査を施行し最終的に原発性肺腺癌、多発骨転移と診断された。加療目的に入院となったが、入院時より右眼の腫脹と右眼球の内転障害を認め、右眼の視力も低下していた。頭部MRIを施行したところ、右眼窩内に腫瘤を認めた。最終的に肺癌の右眼窩内転移と診断し、転移巣に対してエックスナイフ治療を施行した。放射線治療により右眼窩の腫瘤は縮小したものの、視力は回復しなかった。エックスナイフ施行後、全身治療としてCDDP+PEM療法を開始した。しかし、2サイクル施行後の効果判定はPDとなり、二次治療としてDTX単剤療法を開始した。しかし効果はなく全身状態は悪化し、その後は緩和ケアを主体とした治療を行う方針となった。診断から約4ヶ月後の2011年2月に御永眠された。眼窩に転移を認める肺癌は稀であり、またその予後は不良とされている。若干の文献的考察も加えて症例の経過と治療について報告する。
  • 若月 信, 高部 和彦, 足立 雄太, 齋藤 弘明, 山下 高明, 齋藤 和人, 若井 陽子, 篠原 陽子
    セッションID: RKS4-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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     肺吸虫症は主として淡水産のカニの生食によりヒトに感染する寄生虫疾患で,胸水貯留,血痰などの呼吸器症状を呈するため,呼吸器内科を受診することがまれではない.今回,胸水貯留で発症し,胸水を用いた遺伝子検査が診断に有用であった肺吸虫症の2例を経験したので報告する.
     症例1は46歳,女性,タイ人.2008.6月より咳,痰が出現し,左胸水貯留を指摘された.血液検査では白血球10540/μL,好酸球は16.5%,IgEは411.6 IU/mLであった.症例2は42歳,女性,タイ人.2011.4月より呼吸困難があり,左胸水貯留を指摘された.血液検査では白血球10370/μL,好酸球は3.0%,IgEは16068 IU/mLであった.2症例とも胸水は滲出液で,好酸球を認めた.寄生虫抗体スクリーニングは2症例ともウェステルマン肺吸虫,宮崎肺吸虫が3+(強陽性)であった.胸水中の虫体,虫卵,便中の虫卵はいずれも陰性であった.
    遺伝子検査は肺吸虫のリボゾームDNA・ITS2領域を増幅するプライマーを用いたPCR法により行い,シークエンス解析により虫種の同定を行った(Sugiyamaら,2002年).今回の2症例では胸水より抽出したDNAを用いてPCR法を行ったが,2例とも陽性であった.シークエンス解析の結果から,症例1は宮崎肺吸虫,症例2はウェステルマン肺吸虫と診断した.
     診断後,ブラジカンテルの投与を行い,自覚症状は改善し,胸水の減少を認めている.また,2例とも日本国内での淡水産カニの生食の既往を認めた.
     肺吸虫の遺伝子診断は,これまでも疫学的研究において虫種の同定に利用されている.しかし,本報告のように臨床診断に用いた報告はまれである.胸水,便,喀痰からの虫卵,虫体の検出は困難であり,今後,胸水貯留例では,胸水を用いた遺伝子検査は肺吸虫症の診断に有用な方法になりうると考える.
  • 小林 伸也, 松岡 裕士, 山下 拓磨, 横内 桂子, 細見 直樹, 丸岡 敬幸, 阿河 直子, 合田 吉徳, 近藤 英俊, 北村 弘樹
    セッションID: RKS4-21
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【はじめに】中腸回転異常は胎生期の腸回転不全により生じる先天異常である. 本症の発生頻度は約1万人に1人で, 約80%が生後1ヶ月以内に何らかの腸閉塞症状で発症する. 成人での発見は極めてまれと報告されている. 今回,当院における中腸回転異常症の成人発見例について検討したので報告する.【対象】2005年6月から2011年5月に当院で発見された成人中腸回転異常症の14症例を対象とした. 【結果】発見時の平均年齢は64.9歳,男女比は10:4であった.発見契機は健診や他の疾患の精査目的などのCTで偶然発見されるものが多かった. イレウス症状を来した症例は1例もなかった.回盲部領域の疾患の合併症例が2例あり,初診時に診断に苦慮した.そのうち虫垂粘液嚢胞腺腫を合併した症例を呈示する.【症例】85歳, 男性.主訴:自覚症状なし.現病歴:健診目的の腹部超音波検査にて左下腹部に嚢胞性腫瘤を指摘され精査目的で入院となった. 腹部CTでは側腹部に嚢胞性の腫瘤を認めた.十二指腸水平脚は腹部大動脈と上腸間膜動脈との間には認められず, 小腸は右側に, 大腸は左側に偏在していた. 以上より中腸回転異常に伴う虫垂粘液嚢胞性疾患を疑った. 下部消化管内視鏡検査では左側腹部に回盲部が偏在していた. 回盲部には内腔に突出する虫垂が認められ, 虫垂粘液嚢胞腫瘍が疑われた. 確定診断及び治療目的で外科的手術を施行した. 病理組織所見では中等度から高度異型を伴う腺腫細胞を認めた. 嚢胞壁の一部には粘液の貯留がみられ, 虫垂粘液嚢胞腺腫と診断した.【考察】中腸回転異常症は非常に稀な疾患として報告をされており、成人発症例は200万~500万人に1人と言われる.しかし今回の検討結果からは,無症状例は少なからず存在しているものと思われた.中腸回転異常症を伴った症例では消化管,特に回盲部の位置異常により診断に難渋する症例も少なくないと考えられる. 成人かつ左下腹部の症状や病変であっても虫垂および盲腸に関連した疾患を念頭に置く必要があると考えられた.
  • 内藤 健夫, 中込 悠, 岡本 裕正
    セッションID: RKS4-22
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    [題名]診断に苦慮した肝細胞腺腫の一例[症例]36歳男性。[既往歴]気管支喘息[現病歴]定期健診にて肝機能障害を指摘され当科受診。腹部エコーにて肝S5に40mm大の境界明瞭な腫瘤を認め、精査目的に当科入院となった。[検査所見]血液検査では軽度の肝酵素上昇と、インスリン抵抗性を認めた。HCV抗体、HBs抗原、HBc抗体共に陰性であった。Gd-EOB-DTPA造影MRIではS5の腫瘤は均一に動脈相で造影効果を示し、肝細胞相でも均一に高信号を示した。肝dynamic CTでも動脈相、門脈相、平衡相共に均一に造影効果を示した。肝動脈造影で腫瘍血管が濃染され、CTAPでは造影効果を認めなかった。ソナゾイド造影エコーでは血管相早期で腫瘍周辺から造影され、クッパー相では肝実質より低エコーであった。腫瘍生検では正常肝組織のみで明らかな腫瘍細胞は認めなかった。以上の検査より、肝細胞癌の可能性を否定することができず、患者と相談の上、手術する方針となった。2011年3月肝S5切除術+胆嚢摘出術施行。切除標本の病理診断は肝細胞腺腫で腺腫細胞の細胞質には胆汁成分を認めた。[考察]肝細胞腺腫は原発性肝腫瘍の0.6%と稀な疾患で、 20~40歳代の女性や、糖原病を持つ患者の非硬変肝に発生する稀な良性腫瘍である。出血や破裂、悪性転化の可能性もあるが、切除により良好な予後が期待される。 肝細胞腺腫のGd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞相での所見は低信号~高信号を呈し、一定の傾向がない。 今回の症例は腺腫細胞に胆汁産生能が見られたため、肝細胞相で高信号を呈したと考えられる。今回は若年男性に発症した鑑別診断が困難であった肝細胞腺腫の一例を経験した。種々の検査でも鑑別困難な肝腫瘤が存在し、肝細胞癌が否定できない場合には手術や、注意深い経過観察が必要であり、今後症例の蓄積が必要と考えられた。
  • 野呂 綾, 早崎 碧泉, 出崎 良輔, 岡本 篤之, 金兒 博司, 田岡 大樹, 村田 哲也, 濱田 正行
    セッションID: RKS4-23
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    今回我々は乳癌に対する温存術後の化学療法中に炎症性乳癌型再発を来たし,サルベージ手術を行った一例を経験したので報告する。 【症例】60歳代女性 【主訴】左乳房腫瘤 【既往歴】12年前に右乳癌に対し胸筋温存乳房切断術(pT2pN1pMXG2 Stage IIB,ER+)+腋窩リンパ節廓清術が行われた。術後は化学療法(CAF+T)と内分泌療法を受けていた。 【現病歴】10か月前に左乳癌に対して乳房温存術+腋窩リンパ節廓清術を施行。断端は陰性であったがTriple negative乳癌であり,術後TNM分類はpT2pN2pMXG3 Stage IIIAであった。術後化学療法(AC+Taxane)中に残存左乳房腫瘤を自覚。増大傾向があり穿刺吸引細胞診とコア生検の結果浸潤性乳管癌の再発と診断された。その後乳房の発赤を伴う腫大が出現し,炎症性乳癌型の局所再発と診断され,残存左乳房切断術が施行された。病理組織診断はTriple negative乳癌で,術後TNM分類はpT4dpNXpMXG3 Stage IIIBであった。MIB-1陽性率は60%であった。術後3rd lineの化学療法を施行し,いったん退院されたが全身転移により術後4カ月で死亡した。 【考察】再発乳癌に対しる治療方針の決定と,炎症性乳癌について考察する。
  • 桑山 創一郎, 埜村 智之, 平松 将人, 片野 晃一, 伊藤 康司, 藤巻 哲夫, 菅原  望, 杉山 雅也, 竹園 康秀
    セッションID: RKS4-24
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】Real-time Virtual Sonography(以下RVS)は、磁気センサーと超音波プローブに装着した位置センサーの位置関係により得た位置情報を、マルチスライスCT(MDCT)画像の断層画面と同期させ、超音波画像とCTのMPR像とを同一画面上にリアルタイムに表示する、新しい超音波検査機器である。当機器は、肝臓腫瘍の診断のみならず、RFA等の経皮的肝腫瘍治療に於けるナビゲーションシステムとして極めて有用である。当院では、研修医の腹部超音波検査の教育の一環としてRVSを用いた腹部超音波検査の実習を始めた。今回、その実際について報告する。 【方法】以下の手順により臨床研修医の腹部超音波研修を行った。WCTは東芝メディカル製AquilionCX、腹部超音波は日立メディコ製HI VISION Preirusを用いた。 _丸1_実習に先立ち、研修医の同意のもとに、研修医自身の単純・造影腹部WCTの撮像を行う。WCTデータを院内LANにより、RVSに取り込み、腹部画像を構成しておく。 _丸2_人体マネキンを被験者とし、自分のWCT画像を腹部超音波画像として腹部超音波の擬似体験を行う。WCT画像のみを超音波画像画面に描出し、当院の腹部超音波法検査手順に従い検査を施行し、検査手順と正常解剖を習得する。 _丸3_次に研修医を被験者として左画面にWCT像、右画面に超音波像を描出し、超音波像とWCT像の違いを認識しつつ、超音波における正常像を習得する。 _丸4_超音波像のみを画面に描出し、ルーチンの検査を行う。 【まとめ】腹部超音波検査は簡便で有用な検査であるが、画像描出の手技的問題、画像の解釈の問題に加えて、昨今のWCT画像の簡便さ、迅速さ、客観的有用性から腹部超音波検査の研修が疎かになりがちである。RVSを用いることにより、腹部超音波の利点が研修医にも理解できる様になることを期待している。
  • 佐藤 厚子, 岡本 ひろ子, 高畑 清子, 舟木 裕子, 谷田部 淳一
    セッションID: 1B-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】高齢者に起こる褥瘡は治療に難渋することも多く、発症予防が重要となる。予防ケア効率化のため、褥瘡発生患者のリスクを分析するとともにスタッフの褥瘡予防に関する知識を調査した。
    【方法】2010年4月から2011年3月まで、当院急性期病棟において褥瘡を発生した25症例について、MNA(Mini Nutritional Assessment)・ブレーデンスケール・発生部位を分析した。病棟看護師と看護助手(26名)へのアンケートは質問紙法にて行い、各項目に対する回答を「知っている」と「知らない」の2群にカテゴリー化した。
    【倫理的配慮】文書により研究への同意を得た上、個人が特定されないよう配慮した。
    【結果】褥瘡発生患者の平均年齢は87歳であり、日常生活自立度の低下が著明であった(C:22名、B:2名、A:1名)。ブレーデンスケールの総点平均は13.7で、サブスコアは活動性(1.7)、摩擦とずれ(1.4)において低かった。MNAでは、全ての患者が栄養障害ありと判定された。褥瘡は26個あり(踵部11、外果部2、仙骨部8、尾骨部2個など)、下肢にできた褥瘡が15個で56%に及んだ。褥瘡発生部位により、各スコアに差は認められなかった。  アンケートの回収率は100%であった。11の項目のうち、皮膚の構造(知っているvs. 知らない:50 vs. 50%)、皮膚の観察(65 vs. 35%)、ブレーデンスケール(38 vs. 62%)、体圧分散寝具の種類(35 vs. 65%)、体圧分散寝具の選択(25 vs. 75%)、スキンケア(63 vs. 38%)、栄養管理(54 vs. 46%)の7項目で「知っている」が7割に達していなかった。
    【考察とまとめ】褥瘡の発生には個体要因と環境要因が関与する。患者の持つリスクを正確に把握し、特に環境要因に対し看護介入することで発生を減らす事ができる。今回の検討で褥瘡発生患者は活動性、摩擦とずれ、栄養状態において有意に高いリスクを有していた。しかしこれらのリスクに対応する、スタッフの知識が未だ不十分であった。この結果をふまえ、今後、患者や病棟の特徴に合わせた効率的な褥瘡予防対策に努めたい。
  • 伊藤 みち子, 松田 知沙子, 高濱 真理子, 堀部 美紀, 小澤 幸子
    セッションID: 1B-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈緒言〉高齢者の転倒転落事故の防止には強い関心がもたれているが、歩行能力に大きな影響を及ぼす足爪の変形についてはあまり関心が払われていない現状がある。入院中高齢者の8割以上に爪や足の変形があると言われており、実際に病棟に入院している高齢者の多くに爪白癬や肥厚、陥入がみられる。しかし看護記録としてカルテ記載されることは少なく、フットケアの方法も確立されていない。高齢者に対するフットケアの有効性には、バランス機能と尿失禁の減少があり、転倒した人たちは転倒したことがない人たちより爪のトラブルが多い、という結果も報告されている。
    今回、爪のケアの重要性の認識を深めるため、高齢者の転倒と足爪の変形との関連を明らかにする目的で調査を行った。
    〈方法〉65歳以上の入院患者のうち、転倒歴のある群10人と転倒歴のない群20人を対象に、「深爪」「伸び過ぎ」「角質過多」「肥厚」「陥入爪」「剥離」「萎縮」「脱落」「爪の白濁」「爪周囲炎」の10項目の変形を、両足爪全てについて調査し、各観察項目と各足趾別の変形についてx2検定を使って転倒との関連性を分析した。
    〈結果〉左右いずれかの足爪の「脱落」「萎縮」が転倒歴のある群の方に有意に多くみられ、転倒との関連性が示唆されたが、それぞれの足爪の変形と転倒との明確な関連性を示すにはいたらなかった。
    今回の調査は対象者が30人とデータ数が少なく、有意差が出なかった原因のひとつになっていると考えられる。また入院中高齢者では、原疾患による全身機能の悪化、認知症、環境への不適応が及ぼす影響が大きく、足爪の変形による影響があらわれにくかった可能性が考えられる。しかし、調査対象30人のうち29人になんらかの足爪の変形があり、歩行機能やバランス機能維持改善のためにもフットケアの重要性があらためて認識される結果となった。
  • 認知症患者さんの笑顔を見るために
    小島 順子
    セッションID: 1B-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    多くの認知症患者が入院する当療養病棟では、毎日の食事、おやつを兼ねたレクレーション、個別リハビリ以外ではベッドに休んでいることが多く、刺激が少ない入院生活を送っているのが現実である。 今回、長谷川スケール1点の重度認知症患者A氏に対し、変化のない入院生活の中でも、居心地がよく、笑顔が見られることを目的とした絵本の読み聞かせを1日15分程度、間隔をあけることなく7回実施した。この読み聞かせを行なう事によって、A氏の表情や普段は聞かれない言葉、認知症になってしまったA氏自身の気持ちをうかがわせる言葉を聞くことが出来た。又、家族の中で娘さんしか認識できず、面会時のみ「おねえちゃん」と呼んで笑顔を見せていたA氏であったが、絵本の中の場面を繰り返し読み進めるうち、娘さんが絵本の中に出てくるような言葉が聞かれ、面会時だけでなく何かのきっかけを与えることにより、家族を思い出すことが出来、それを表現する能力が残っていることに気づいた。 この研究を通して、重度の認知症患者であり、単調で刺激の少ない入院生活であっても、本人にとって快適な環境に置いてあげることや、興味があることを繰り返し行なう事で良い結果が得られたので報告する。
  • 長瀬 結子
    セッションID: 1B-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    _I_.はじめに
     近年高齢化により、高齢者の癌罹患率が増加してきている。又、周術期管理の進歩に伴い、後期高齢者の癌手術治療率も高くなっている。しかし、老年期は身体的・精神的機能の低下に伴い、合併症を起こしやすく、症状も不明瞭で非定形的であることが多い。又認知機能の低下から、手術や手術後の生活に対して十分な理解が得られない患者もいる。このような患者に対し、家族参加型の指導が必要となり、家族を含めた看護が重要となる。
     今回、胃角から前庭部のボールマン3型の進行胃癌で、幽門側胃切除術を受けた認知症患者を受け持った。患者自身に胃切除術後指導が実施できない場合、家族に生活背景に応じた指導を行っていく事の重要性を改めて認識したので、ここに報告する。
    _II_.事例紹介
    A氏、80歳代、女性、胃癌と診断され幽門側胃切除術が行われた。入院中は次男・長女を中心に、長男夫婦も頻繁に面会に訪れ協力的であった。
    _III_.研究方法
     _1._パンフレットとDVDを用いて、次男に食事指導を行う。
     _2._退院後、次男に面談を行い、入院中の指導内容実施に対する評価を行う。
    _IV_.実施・結果
     患者の食事開始に伴い、毎日面会に訪れる次男に対し、パンフレットとDVDを用いて食事指導を行った。指導後、次男はゆっくり食事を食べるよう患者に話しかける姿が見られた。更に、食後ベッドアップしたまま患者の側に寄り添うなど、体位への配慮も確認できた。退院後の外来受診時面談で、在宅生活状況の確認を行った。退院後も継続して指導内容を実践出来ており、又、家族間で連絡ノートを用い、連携しながら患者の療養生活を支えていることが確認できた。
    _IV_.結論
     認知症患者を抱える家族に指導を行う際、患者及び家族の生活背景を把握し、生活スタイルに合った方法を家族と共に考え、家族の能力を引き出せるよう指導する必要がある。
  • アンケート調査をもとに患者家族への関わりを考える
    中村 清美, 松村 鶴代
    セッションID: 1B-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    脳神経外科病棟では、緊急入院が多く、その患者の家族の不安も大きい。しかし、現状では家族に十分な対応が出来ていないことの方が多い。そこで、脳神経外科緊急入院の患者家族の思いと、看護師の対応についての実態をアンケート調査し、結果を項目別、カテゴリー別に比較検討した。  項目別では、患者家族と看護師の満足度が低かったのは「患者さんの1日の状態、今後の流れについての説明」で、同じであった。カテゴリー別でも、患者家族と看護師の満足度が低かったのは「患者の情報に関するもの」「治療に関するもの」で、同じであった。 緊急入院時は、今の患者の状態がどうであるか、今どんな処置や治療を行っているのかなどの患者に関する情報をできるだけ早い時期に分かりやすく家族に伝えることが大切である。脳神経外科病棟は、意識障害や失語がある患者も多く、患者自身から家族は情報を得られにくく、そのため看護師からの情報を頼りにしている。 A病棟のスタッフは、若年層であり、更に脳神経外科の経験年数も少ないスタッフが多いため、知識不足、経験不足のために詳しく情報提供出来ていないことが分かった。今後は、緊急入院患者の家族への関わり方について勉強会など検討し、患者家族への対応能力を向上させていく必要がある。看護師が積極的に患者家族に関われば、患者家族の不安が軽減できると共に、看護師自身も患者家族に対しての関わりができたと実感することができると考えられる。  緊急入院患者の家族にとっての一番の関心事は患者の状態に関する情報であり、看護師からの分かりやすい情報提供や、家族と医師とのパイプ役を行うことが、家族の安心につながるということが明らかになった。
  • ~幼児用パンフレット・キワニスドールを使用したプレパレーションの試み~
    永見 佳子, 松浦 美由紀, 宮田 恵子
    セッションID: 1B-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    当院ではこの度、子どもに分かりやすいパンフレットを作成し、キワニスドール(以下人形)を使用した周手術期プレパレーションを試みた結果,有効性が得られた。BR 扁桃摘出術を受けた3歳~7歳の子どもとその家族、手術室看護師を対象に独自に作成した選択・記述式のアンケート調査を行った。倫理的配慮は、文書で説明し同意を得た。プレパレーションの方法は、まず外来看護師は親と子どもに作成したパンフレットと人形を渡す。その時に、パンフレットは親子で読み、人形は子ども自身にみたて、顔を書いてもらうよう説明する。そして入院後、病棟看護師は、手術前後に行う処置についてパンフレットと人形を用いて説明する。また,手術室看護師も術前訪問で同様に説明する。BR アンケートの結果より、パンフレットは大半の子供が見ていることが分かり、「これからどのようなことをしていくのかよく分かった」という意見がきかれた。パンフレットは、手術を受ける子どもと親にとって、これから行う入院から手術、退院までの流れを知るよい情報源となった。そして、これから自分の身に起こる出来事を正面から受け入れるものであった。また子どもは、人形に医療行為を真似るというよりも、自分の身に起こる出来事を一緒に立ち向かう仲間とし不安の軽減をはかったと考える。そして、周手術期プレパレーションは、各部署が一人の子どもの入院から退院までの流れや内容を具体的に把握し表現することで一貫した看護を提供できた。そして,手術室看護師は小児看護に関して経験が乏しいため、作成したパンフレットは術前訪問で十分に活用でき、一貫した手術室看護を提供できるようになった。BR  今後は、どの小児の周手術期プレパレーションにも対応できるパンフレットを作成し、外来と病棟、手術室で連携した看護を展開していきたい。
  • 森谷 彩, 西村 和代, 高橋 朋子
    セッションID: 1B-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    患者と看護師が思う術前不安と看護師の関わりから分かったこと
    伊勢原協同病院 外科泌尿器科病棟
    【研究目的】
     術前患者が抱く不安を調査することで不安内容を理解し、看護へつなげる。
    【研究方法】
    対象:当病棟に手術目的で入院した手術患者と、当病棟に勤務する看護師25名。
    研究方法:調査研究、質問紙法。患者、看護師の両者に術前に不安だと思われる20項目をあげ、不安・少し不安・全く不安はないから一つ選択してもらった。また、看護師にはそれらの不安に対応するかかわりをしているかを問うアンケートも行った。
    【結果】
     患者アンケート43名中38名回収、看護師は25名中25名回収
     患者が不安と感じていると思う項目の上位は、術後の痛みがいつまで続くか不安、手術までの待機時間、手術前夜に眠れるかであった。
     看護師が必ず説明している項目の上位は、手術前の物品準備、手術までの待機時間、術後の痛みであった。聞かれたら説明している項目は手術室のプライバシー、手術室の環境、入院費用についてであった。
    【分析・考察】
    看護師は患者が不安であると感じていても、すべてを説明しているわけではなく、患者の術前不安と看護師の対応にはずれがみられた。
    患者は痛みに関して一番不安を感じており、看護師も痛みに関して患者が不安を感じていると思っていた。しかし術前オリエンテーションでは必ずしもこの事については説明していない事が分かった。
    【結論】
    1.患者は手術が始まるまでの不安が大きい。
    2.患者・看護師共に痛みを一番不安に感じており、今後のオリエンテーションに取り入れていく。
    3.短い時間の中でも、患者の不安をキャッチし、関わることで、患者と不安を共有し、不安を軽減する環境を作っていくことが大切である。
  • 難聴者11症例に使用しての評価
    廣川 いみ子, 広橋 豊, 木村 由美子, 小坂井 峰子
    セッションID: 1B-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈はじめに〉 難聴は一般的に、65歳以上の1/2に発生していると言われている。当院では65歳以上の患者の占める割合は、手術件数の49~55%である。これまでは、従来からあるカード・手話を用いてのコミュニケーションを行ってきた。しかし、処置に合う言葉が見つからず、急遽筆談の追加などで対応していた。手術室看護師に手術看護場面ごとに使用している言葉を調査・分析した。そして、コミュニケーションの円滑化をはかるため、言葉カード(手術看護場面ごとに分類した言葉をファイル形式にしたもので、以下言葉カードという)を作成した。これを実際に使用し、評価したことを報告する。
    〈方法〉 手術室看護師24名にアンケート調査を実施し言葉カードを作成した。次に、H21年8月~10月の、「難聴で完全に音が理解できない」または、「大きな声で理解できる患者」11名を対象とし、 手術前訪問から、退室まで言葉カードを用いて説明を行う。
     手術後1~3日目頃に手術後訪問を行い、アンケート実施(ビジュアルアナログ尺度を使用)し、点数化した。
    〈結果・考察〉 言葉カード作成時に、手術室看護師へのアンケートを実施した。その結果看護師が伝えたい言葉は、挨拶―9%、状態説明―20%、処置説明―71%であった。この集計結果から言葉カードをシナリオ形式に並べテンポよく説明できるようにした。
     難聴者のアンケート結果から、言葉ファイルの理解度は10点―55%と半数以上が理解できたという結果が得られた。その結果から、言葉カードは難聴者に対して有効であったと考えられる。
     今後さらに増加する難聴者に対する看護へ役立てたい。
  • 松村 美穂
    セッションID: 1B-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】最近、手術学会等でラテックスアレルギーが話題になっているが当院ではその対応策が出来ていない状態であった。ラテックスアレルギー患者の安全な環境を提供するために、平成22年度手術室内に「ラテックスチーム」を発足した。メンバーは麻酔科医師1名、看護師3名とした。今回、ラテックスチームの発足により、ラテックスマニュアル作成・非ラテックス専用ワゴンを作成し、ラテックスアレルギーについて勉強会を開催した。その活動を報告する。 【活動報告】 手術室で使用する医療材料のラテックス製品と非ラテックス製品の調査を行い、_丸1_ラテックス製品リスト表を作成_丸2_ラテックス製品の保管棚にラベルで明示_丸3_ラテックスフリーワゴンの作成_丸4_ラテックスマニュアル作成_丸5_手術室スタッフ対象に勉強会の実施を行った。ラテックスアレルギーに関する意識を統一する事で術前訪問時の情報収集の強化を図った。 【結果】1)医療物品の組成を調査する事でラテックス製品を明確にし、患者に安心して医療材料の使用ができた。2)勉強会を実施したことによりラテックスアレルギー患者の対応についてスタッフの意識が変わった。3)術前情報に基づいてラテックスアレルギー対応が可能になった。 【まとめ】チームを立ち上げたことにより、安全な医療材料の提供ができた。また、術前情報が充実したことにより、事前準備の段階でラテックス製品が排除でき安全に手術が行えた。 【今後の展望】手術室だけでの対策では、患者にとっては手術室外に出ると環境が整っておらず危険な状態である。このことから手術室外での対策としてラテックスチームが窓口となり、他部署と連携を行い、問診聴取の基盤を作り早期発見を基に医療従事者へ啓発していく必要があると考える。
  • 三谷 遥, 高橋 京子, 王生 志津
    セッションID: 1B-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに> 当病棟の糖尿病患者の食事摂取時間は短い。また間食をする患者もいる。一般的には咀嚼回数は満腹感に影響すると立証されており、早食いのため食事による満腹感を得られていないのではないかと感じた。今回、咀嚼回数を増やすことで食事に対する満腹感が得られるのか検討し、今後の課題が得られたので報告する。 <研究方法> 平成22年8月~10月の糖尿病の血糖コントロール目的にて入院した患者で、研究の趣旨を理解し同意が得られた13名を対象とした。調査研究により、食事に対する満腹感の評価をウィルコクソン検定で行ない、P<0.05をもって有意差有りとした。 <結果> 1食にかかる時間・1口の咀嚼回数・咀嚼に対する意識の変化・食事に対する満足の変化において、有意差はみられなかった。 アンケートにおける自由記述から、咀嚼回数を増やしたことによる味覚の変化や健康への意識が変わっていった意見があった。しかし、食事習慣を変更することによるストレスや不満を訴える患者もいた。     <考察> 今回、血糖コントロール不良にて入院した患者が多く、前熟後期にある患者にとって否定的な意見があったが、指導を行う事で関心を示す患者もいた。患者がどの行動変化のステージにあるかを判断し、介入することが必要である。そのため、ライフスタイル変更に伴う患者の苦痛や障害となっているもの、疾患への知識などを話しあい、安心して治療に臨めるよう支援していく必要がある。
  • ー糖尿病問題領域質問票を活用してー
    塩田 春美, 田澤 英子, 江田 美幸, 浅野 晴美, 斎藤 道子
    セッションID: 1B-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
     A病院は糖尿病専門外来を設け、定期的に在宅療養指導を行っている。しかし、外来の短時間の指導の中では、患者が抱いている問題を充分把握できていないと感じていた。糖尿病治療において自己管理をいかに効果的に援助していくかが、重要な課題になる。今回、思春期に発症し、まだ自立への過渡期である患者にPAID(糖尿病問題領域質問表)を活用して患者の感情負担を評価し、患者が抱いている問題を明らかにすることで効果的な援助ができると考え取り組んだので報告する。
    【研究方法】
    1.研究期間:平成22年7月~10月
    2.研究対象:20歳女性(A氏)16歳時発症
    3.研究方法:初回と第3回目の面談時にPAIDを用いて感情負担の評価を行う
      【結果】
     第1回目のPAIDは「糖尿病を持ちながら生きていくことを考えるとこわくなる」という質問に対して高値を示した。反面、糖尿病を持つことで、周囲の人との関係の破綻や食事の心配に関する質問は低い傾向にあった。患者との面談により、合併症に対する不安が大きいことから合併症に関する知識を深めた。また、患者を参画させ合併症が発生しないための生活行動目標を立案した。第3回目の面談時のPAIDは「合併症は怖いけど自分なりに頑張っていくつもり」と感情負担に変化が現れ減少した。
    【考察】
     PAIDを活用してA氏の抱えている問題を把握し、指導内容が明確になりポイントを絞った援助ができた。また、患者が自分の問題と認識し行動目標を設定することで、自己管理への意識づけとなった。しかし、PAIDのみでは、患者の全体像が把握できず、身体的・社会的側面も含め総合的に判断していくことが重要であり、不安に関しては継続的に支援していく必要がある。
  • 減塩教室参加者の6か月間の尿中推定塩分量及び食習慣の変化
    吉田 清美, 前田 秀一, 三屋 寛子, 伊藤 弘子, 坂本 千加子, 笹島 孝代, 赤松 けい子, 橋本 はるか
    セッションID: 1B-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈はじめに〉 わが国の死亡原因の約3割は、高血圧が起因となる心・脳血管疾患であり、減塩を通じた食生活改善による高血圧予防は最も必要である。今回、減塩教室を試み塩分摂取の実態と血圧の関係を調査し、減塩を中心とした食生活改善により高血圧予防を図る目的にて調査したので報告する。〈BR〉 〈対象と方法〉 食事づくりの中心的役割を担う40~79歳のJA女性部対象に、6ヶ月間で5回に亘る減塩教室(集団教育と個別支援、手紙支援)を実施した。個々に減塩計画にもとづく食生活改善を行い、その効果を尿中推定塩分量(早朝第2尿)、血圧測定及び質問紙により確認し、有効回答がある121名を対象に結果分析した。また、本教室における減塩目標を独自に設定し8g未満とした。〈BR〉 〈結果〉 体重、体格指数、体脂肪率、尿中推定塩分量、拡張期血圧に関して、教室前後で有意な差がみられた。食習慣の変化では「天然だしの使用」に有意な差(P<0.001)がみられた。適正尿中塩分量と関連があった食習慣は「麺類の汁摂取の有無」(P<0.05)、「漬物摂取回数」(P<0.05)であった。〈BR〉 〈考察・まとめ〉 尿中推定塩分量は教室前後で低下し、体重や拡張期血圧も連動して低下し、教室実施は有効であった。季節的影響も考えられるが、今回春からの実施で効果が認められ、塩分摂取量が多くなると考えられる秋から春までの期間とすることで更なる効果が期待できる。 塩分適正群と非適正群との食行動の比較では、麺類の汁摂取の有無と漬物摂取回数に関連がみられ、福井県の食傾向を支持し、これらを減らすことで減塩に繋がることが示唆された。
  • 水野 章, 安藤 光広, 菅原 望, 埜村 智之, 相田 直隆, 石川 雅一, 嶋田 弘也, 伊藤 恭子, 濱村 幸子, 川瀬 清子
    セッションID: 1B-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈緒言〉喫煙の有害性が解説され、公共的な施設から順次、禁煙化が推進されてきましたが、男性の約40%が喫煙者であるわが国で病院敷地内を完全禁煙にするのは難しい問題でした。平成14年9月に新築移転した当院は喫煙室を設けておりましたが、健康を重んじる病院が喫煙を認める環境であってはならないと考え、平成17年10月より病院敷地内禁煙化に踏み切りました。平成17年12月からは毎週禁煙外来を設け、地域の学校や会社へは喫煙の有害性を講演して、地域内啓蒙に努めてきました。当初は様々な抵抗はありましたが、5年を経過しましたので、それまでの過程と禁煙支援外来の実績を報告いたします。 〈方法〉平成15年11月□院内を禁煙にしていく方針を表明し、平成17年6月から順次喫煙室を閉鎖して平成17年10月に敷地内全面禁煙としました。また平成17年12月より禁煙支援対策委員会を立ち上げて院内の禁煙を推奨し、毎週、禁煙外来を開設しました。 〈結果〉地域内の高校へ出向いたり市民健康講座や産業医活動で禁煙の講演を行い、地域内啓蒙に努めました。禁煙支援外来の実績□平成17年12月1日から平成22年9月30日までの約5年間で、285名が禁煙に挑戦しました。男女比は7:2で全体の平均年齢は53.6歳で男性の平均年齢は55歳、女性の平均年齢は48.6歳であった。禁煙成功は220名、不成功40名となり、途中で外来受診なく結果不明の25名を不成功例とすると成功率は77.2%となりました。 〈結論〉喫煙は個人の嗜好で誰も禁煙を強要できないとはいえ、受動喫煙の有害性もあり、病院が喫煙を認める姿勢であってはならない。今後、どうしても禁煙できない入院患者さまを如何に処遇するかなどの問題は残しますが、身体にとって有害性があるのは事実ですので、院内に止まらず、地域の住民へも同時に禁煙支援と禁煙の啓蒙を続けていく必要があります。
  • 生活習慣改善に着目して
    日比 亜湖, 天野 早紀, 森 佳子, 坂口 身江子, 布谷 佳子, 築山 こずえ, 片山 香菜子, 稲垣 弘, 山田 晴生
    セッションID: 1B-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】 我々は対象者自ら振り返り健康生活を営む事を目標に、参加型の保健指導を行ってきた。昨今ロコモティブシンドローム予防(以下ロコモ予防)が叫ばれている中、JA愛知厚生連足助病院リハビリテーション科と協同し、ロコモ予防教室を作成した。我々の得意とする参加型の保健予防教室と、足助病院リハビリテーション科が得意とする運動器疾患予防の体力測定や、運動方法伝達を両者盛り込んだ教室内容としたが、今回その内容が妥当かどうか検討した。 【対象と方法】 平成22年10月~3月、足助病院診療圏内の2グループに対し、6ヶ月間全12回の教室を実施した(n=46)。その際、初回と最終回に16項目の質問票の回答を得た。質問内容はロコモ予防に必要な生活習慣に関する項目を網羅し作成した。各質問は4点満点で点数化し、適切な回答(回答4,3)を適切群、不適切な回答(回答2,1)を不適切群とし、初回と最終回の各項目の回答割合を算出後に前後比較を行い、生活習慣改善が見られたかを解析した。また教室内容は、体力測定、食事バランス、運動実施、座談会にて生活習慣の確認等を行い、生活習慣改善の気づきを与えるよう実施した。 【結果と考察】 回答項目毎にt検定を実施した。1グループは4項目に有意差があり、もう1グループでは2項目に有意差があった。全体では有意差がある項目は5項目だった。有意差が多いグループは、今回初めてできた集団であり、教室受講によるグループダイナミクスが生活習慣改善に繋がったと思われる。また有意差がみられた項目には「健康のために気をつけている生活習慣がある」「栄養バランスは良いと思う」「意識的に運動するようにしている」という質問が含まれ、教室内容は運動・食事に関する生活習慣改善に適当であったと考える。 今回は足助病院と協同し、新たな教室を作成したが、今後は厚生連本部としてJA組合員に対する教室運営を実施すべく検討していきたい。
  • 継続した実践の重要性
    天野 早紀, 日比 亜湖, 森 佳子, 坂口 身江子, 布谷 佳子, 築山 こずえ, 片山 香菜子, 稲垣 弘, 山田 晴生, 後藤 亮吉
    セッションID: 1B-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】  我々は対象者が自らの健康問題に気づき、課題を持ち取り組めるように支援する教室運営を心掛けている。足助病院と共同し、最近着目されているロコモティブシンドローム予防(以下ロコモ予防)に関しての教室を運営した際、体力測定を実施したが、体力の向上が課題の取り組み状況と関連があるかを調査した。 【対象と方法] 平成22年10月~平成23年3月、足助病院診療圏内で2グループ46人を対象にロコモ予防教室を実施した。教室は6か月間全12回であり、1回目と12回目に体力測定を実施した。また早期に健康課題に気づくためのシートを作成し、その健康課題を改善するために対象者自らが計画を立てた。教室では運動実施や生活習慣に関する気付きを与えるような内容のものとし、教室以外の毎日の取り組み状況に関して記録することを勧め、教室開催時に記録と合わせて実施状況を確認した。 【結果と考察】 体力測定項目の前後比較が出来た者は46名中35名(76.1%)であった。またそのうち計画取り組み状況が良好な群11名(31.4%)とそれ以外の群24名(68.6%)の、体力測定項目の前後比較からt検定を実施した。10m全力歩行の歩数・時間と、Time up and Goテスト、開眼片脚立位について有意差がみられた(P<0.05)。毎日取り組む計画には体操実施やウォーキング等の運動実施を採用されている方が多かったため、歩行能力やバランス能力の改善がみられたと思われる。また計画実践できた者には自己効力感が強まり、より課題に取り組む姿勢が強まる。その良循環が体力向上を目指した教室の効果とともに現れた結果となった。 今回は共同事業として実施したが、今後は厚生連本部として愛知県内JA組合員に向けての教室展開につなげていきたいと考える。
  • 武井 博美, 鈴木 ゆさみ, 玉木 英俊, 岩田 啓之, 鷹津 久登, 飯田 真美
    セッションID: 1B-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    健診受診者の職種別・性別による禁煙意識 武井博美1) 鈴木ゆさみ1) 玉木英俊1) 岩田啓之1) 鷹津久登1) 飯田真美2) JA岐阜厚生連中濃厚生病院1)、岐阜県総合医療センター2) 【目的】健診受診者約3,000名を対象に聞き取り調査を行い、喫煙群・禁煙群・非喫煙群、各群の職種別・性別からみる禁煙意識についての分析を行い、実態を把握することで、今後の禁煙導入への取り組み、禁煙教育・禁煙指導の一助とすることを目的とする。 【方法】人間ドック受診者男性1,903名、女性1,084名合計2,997名に対して、保健師による聞き取り調査を実施。喫煙群762名(26%)・禁煙群667名(22%)・非喫煙群1,668名(52%)の3群を職種別(公務員4種、サービス業2種、生産業、無職の計8職種)・性別の視点から、分析・検討した。 【結果】_丸1_禁煙に対して、喫煙群・禁煙群ともに、大半がストレス(両群共に約80%)と感じている。しかし、喫煙群は、「禁煙を大変と感じている」が63%であるのに対し、禁煙群は、「禁煙は大変だった」が28%と低く、禁煙への意識に有意差がみられた(p<0.05)。_丸2_禁煙群の平均禁煙年齢は、各職種・各性別ともに40歳前後であった。_丸3_禁煙者の禁煙した理由については、男性は「健康」52%に続いて、「環境」15%、「家族」12%が高い結果となったが、女性では「健康」48%、「環境」18%であり、「家族」は3%と低い結果であった。_丸4_非喫煙者は、家族の禁煙を82%が「希望している」という結果だった。 【結語】禁煙は困難だと考えがちだが、禁煙した者にとってはそれ程困難なものではなかった。禁煙を決意するきっかけとなる保健師の働きかけが必要である。性別によって禁煙のきっかけは異なるため、女性には、女性に合ったアプローチと、女性専用のプログラムが必要である。また、受動喫煙に対する関心も高い。今後も、保健師として、一般の人々に啓発していくことが大切である。
  • 柳澤 和也, 大久保 洋一, 土屋 桂子, 中澤 あけみ, 臼田 誠, 前島 文夫, 松島 松翠, 西垣 良夫, 夏川 周介
    セッションID: 1B-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <目的>
    「高齢になっても農作業でいきいき暮らせる健康づくり」をめざし、2009年度農林水産省「農村高齢者の健康支援推進事業」の結果をもとに、2010年同事業の一環として『高齢期前世代における農閑期と農繁期の健康調査』を行った。このうち身体活動量の調査結果を報告する。
    <対象>
    長野県南佐久郡川上村・南牧村の居住者で、2008年度と2009年度の健診を連続で受診、2009年度の問診票「農作業を1日8時間以上実施している」と回答し、本事業主旨に同意された41歳から64歳の男性21名、女性55名の計76名。
    <方法>
    農繁期(10~11月)、農閑期(2月)の両時期にヘルススクリーニングを行い、同時に身体活動の内容を問う記入用紙(行動記録用紙)を用いて、両時期の農作業内容を5日間調査、また1軸加速度センサー内蔵の活動計(スズケン製Lifecorder GS)を用いて、身体活動量を調査した。身体活動量のデータ比較は性別で行い、ウィルコクソンの符号付き順位検定を用い有意水準は5%未満とした。
    <結果>
    身体活動量の結果を表1に示す。全体では歩数、運動量ともに農閑期の方が有意に少なく、昨年度調査を行った高齢者と同様の傾向であった。性別で比較した場合でも同様の傾向で、高齢前世代女性の歩数では明らかな差が見られた。また、行動記録用紙からみた農繁期における農作業内容は、男女ともに多種多様な作業を行っており、昨年度の高齢者では出荷時の箱詰めなど低強度の作業が多かったのに対し、高齢前世代では収穫時の野菜の切り出しなど身体的負担の高い作業が多かった。また平均作業時間を見ると、昨年度調査の高齢者に比べ約3倍の時間農作業を行っていることがわかった。
    <結論>
    今後、農繁期の中でも特に多忙な時期における実態調査、農作業別の身体的負担やリスクの把握、さらには今後も農作業を継続していくための具体的な支援策を検討する必要があると考える。
  • 西 矢寸子, 大久保 洋一, 中澤 あけみ, 臼田 誠, 前島 文夫, 西垣 良夫, 夏川 周介
    セッションID: 1B-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈目的〉
    冬場の農閑期における閉じこもりや認知機能の低下を防ぐために、農林水産省の「農村高齢者の健康支援推進事業」において『園芸教室』の取り組みを実施した。今回その取り組みから冬場の外出に対する意欲が高められ、認知機能低下の予防効果に期待できたので報告する。
    〈対象〉
    JA佐久浅間苦水地区組合員91戸、179名うち65歳以上62名で園芸教室を希望した40名(男性10名、女性30名、平均年齢75.0歳)
    〈方法〉
    内山地区の苦水公民館の隣に、約100平方メートルのビニールハウスを設置し、高齢者園芸教室を月1回開催し野菜作りを実施した。係り方は月1回から週2~3回で、3ヶ月間実施した。実施前後の比較には介護予防健診基本チェックリストの項目、主要症状等が含まれるいきいき健康調査票を用いて自己記入方式による調査を実施した。園芸教室の効果は、取り組み前後のいきいき健康調査票の各項目別にデータ比較し、カイ二乗検定とマクニマー検定を用い、有意水準は5%未満とした。
    〈結果〉
    取り組み前後の結果では、認知機能の低下者の減少や睡眠に関する事項「(時々、いつも)よく眠れない」の症状の減少の2点に有意な変化がみられた。また、JA担当者の係りとして「楽しく取り組む」という主旨で運営された結果、規約の作成や水の管理、野菜の成長写真のスナップ作りなど地区内の住民の自発的な行動が多くみられた。
    〈結論〉冬場の農閑期の園芸教室での取り組みは、認知機能と睡眠を改善させ、介護予防のための二次予防事業の対象者の新規発生の予防に有用であることが示唆された。
  • 大久保 洋一, 柳澤 和也, 土屋 桂子, 萩原 いづみ, 中澤 あけみ, 前島 文夫, 西垣 良夫, 夏川 周介
    セッションID: 1B-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <目的>
    ’09年度農林水産省の「農村高齢者の健康支援推進事業」の一環として行なった高齢期世代の農業者に対する調査から、農閑期に体重の増加、HDL-Cの減少という結果を得た。今回は高齢期前世代を対象に農繁期と農閑期の変化を明らかにする。
    <対象>
    長野県南佐久郡の2村の健康診断(健診)において、’08と’09年度に受診し、かつ一日8時間以上農作業をしている41歳から64歳の住民で、本調査に同意した男性25名(平均年齢55.8歳)、女性59名(同53.4歳)。
    <方法>
    農繁期(10~11月)、農閑期(1~2月)に健診を実施し、身体計測項目、血液検査項目について両時期を男女別で比較した。検定方法は対応のあるt検定、もしくはウィルコクソンの符号付順位検定を用い、有意水準は5%未満とした。
    <結果・考察>
    農閑期では農繁期と比べて以下のようなデータ変化を認めた。男性は、体重平均2.8kg、BMI平均1.0、腹囲平均3.7cm、収縮期血圧平均6.6mmHg、拡張期血圧平均3.2mmHg、AST中央値5.0IU/L、γ-GTP中央値5.0IU/Lが有意に増加し、HDL-Cは平均4.0mg/dlの有意な減少が見られた。また女性は、体重(以下平均値)2.0kg、BMI0.8、腹囲3.2cm、収縮期血圧7.6mmHg、拡張期血圧4.3mmHg、LDL-C11.3mg/dlの有意な増加が見られた。
    ’09年度の高齢期農業者の調査と比較すると、高齢期前世代では男女ともに、体重、BMI、血圧についてデータの変化が大きく(農閑期の体重増加率平均は、高齢期、高齢期前世代それぞれで男性2.1%、4.1%、女性2.5%、3.7%)、健康状態について今後の追跡が必要と考える。
    <結論>
    農作業時期による体重の変化等は高齢期前世代でより大きく、この世代から時期を考慮した健康支援を検討する必要がある。
  • 百都 健, 鈴木 啓介, 三瓶 一弘, 田辺 直仁
    セッションID: 1B-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに】佐渡島において生活習慣と動脈硬化性疾患の関係を明らかにし、その予防に役立てるために佐渡コホートを立ち上げた。現在8年目の追跡を行っている。今回は糖尿病が死亡率に及ぼす影響、および血管障害(脳卒中、心筋梗塞)の罹患率に及ぼす影響について検討したので報告する。 対象と方法】平成14年、15年に実施された住民検診の受診者ならびに当院の人間ドック受診者のうち本調査を理解し、これに同意した島民を登録した。登録時に身体計測、血圧・脈拍測定、心電図、血液、尿検査および質問紙を用いた食事、身体活動ならびに病歴調査を行った。登録後毎年、全死亡と脳卒中、心筋梗塞等の発症を追跡している。追跡は毎年佐渡市から住基情報および検診情報の提供を受け、その情報をもとにアンケート調査を行い、必要に応じたカルテ調査により行っている。本人の申告、空腹時血糖126mg/dl以上、随時血糖200mg/dl以上、HbA1c(JDS値)6.1_%_以上を糖尿病と定義した。平成20年8月1日までの疾患発症、平成23年2月28日までの死亡を登録し、5才毎の年代別に罹患率、死亡率を算出し、年齢調整後の死亡率、罹患率を求め、糖尿病の有無によって分けた2群(DM群、非DM群)間で比較した。 結果】対象は男性3511名、女性4911名、合計8422名、糖尿病は男性666名、女性510名だった。平成23年2月末までに623名が死亡し、154名の発症が観察された。非DM群の死亡率、罹患率を1とした時のDM群の死亡率、罹患率は男性1.26、1.66、女性1.69、1.01だった。 結語】一般住民を対象とした佐渡コホートにおいて、糖尿病は全死因による死亡率を上昇させ、男性の血管障害の罹患率を増加させた。
  • 熊田 克幸, 堀部 哲子, 白川 舞, 桑原 清人, 伊藤 源基, 水口 芳信, 近澤 豊
    セッションID: 1C-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【緒言】外来化学療法は安全に施行されなければならず、チーム医療が必要不可欠である。その実現には院内がん化学療法に対し統一した見解を示す必要がある。そこで今回、化学療法の流れについて検討したので報告する。
    【概要】院内で使用可能なレジメンは登録制とした。レジメンは院内統一とし、前投薬や輸液、投与速度等を含め規定している。新規レジメン申請に際しては、申請医師が申請書を作成し、申請診療科の審査を経て、化学療法検証委員会に提出され承認される。承認されたレジメンは薬局内で管理され、オーダリング端末で閲覧することが出来る。化学療法を開始する際、医師は事前に「開始連絡票」を記入し薬局へ提出する。「開始連絡票」はオーダリング端末で作成可能で、患者番号を入力すると、患者名、年齢、生年月日、身長・体重が表示される。また施行予定レジメンは一覧より選択するので、登録されたレジメンしか選択できない。薬局では、提出された「開始連絡票」をもとに監査を行い、必要に応じ医師へ疑義照会する。疑義照会内容は、薬局内監査システムに登録する。施行日当日に医師は「実施連絡票」にて、施行・変更・中止等の指示を薬局に連絡する。薬局では連絡を受け、変更内容等を確認し無菌調製する。調製後、看護師とともに処方内容の確認を行い施行する。
    【考察】レジメンや実施手順を統一することで、医療スタッフ間の連携がより深まると考えられるが、一方で、医薬品の適応外使用や状態に応じた前投薬の必要性、また日々変化するがん医療環境に柔軟に適応することも必要である。今後もより安全に施行できるよう検討していく必要がある。
  • 池田 考介, 霍間 尚樹, 細川 浩輝, 渡邉 武則, 岩田 文英
    セッションID: 1C-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【背景】
    我々は,第60回日本農村医学会新潟地方会例会にてVCMの初期投与設計の有効性について報告している。その後,佐渡総合病院(以下,当院)院内感染対策委員会から,薬剤部にVCM以外の抗MRSA薬についても初期投与設計の実施を依頼され初期投与設計を開始した。そこで今回,薬剤師による抗MRSA薬(VCM,ABK,TEIC)の初期投与設計が医師の処方に及ぼす影響について調査したので報告する。

    【方法】
    対象:VCM,ABK,TEICが処方された全入院患者
    期間:平成22年1月~5月(VCMは平成21年10月~平成22年5月)
    解析ソフト:獨協医科大学越谷病院 薬剤部 佐野邦明氏が作成した抗MRSA薬TDM解析ソフトウェアを使用した。
    投与量判定基準:定常状態のトラフ値(μg/ml)で判定した。過量投与と判定された症例は医師に疑義照会を行った。
    投与量変更基準:疑義照会を行った翌日までに投与量の変更の有無を調査した。

    【結果】
    VCMは約3割,ABKは約5割が過量投与と判定された。TEICは特に問題なかった。過量投与について疑義照会を行った結果,約6割の症例で投与量の変更が行われた。

    【結論】
    TDM未実施施設において,薬剤師による抗MRSA薬の初期投与設計は,医師の投与設計に影響を及ぼすことが示唆された。また,初期投与設計は短時間で処方量の評価が可能である。以上から,TDM未実施施設は少なくともVCM,ABKが処方された症例については,初期投与設計を行い医師の処方設計支援を行うことが好ましいと考える。最後に,当院は平成22年9月より抗MRSA薬のTDMを開始した。
  • 新木 貴広, 板井 きみ, 松金 誠喜, 菊地 誠
    セッションID: 1C-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈はじめに〉お薬手帳(以後手帳と記す)は安全な薬物治療のために必要なものであり、薬剤師会でも推奨されている。平成22年4月より全年齢で手帳加算が取れるようになったこともあり、当院での手帳の利用状況調査及び利用率向上のための啓蒙活動を行ったので報告する。
    〈方法〉平成22年7月の入院・外来患者114名にアンケートを行い、現状を把握し、利用率向上のための啓蒙活動を行った。平成22年11月の入院・外来患者計120名に再度アンケートを行い、啓蒙活動後の状況を把握した。
    〈現状と問題点〉73%の人が手帳を所持していたが、手帳等を医師に提示している人は16%、調剤薬局で提示している人は42%であった。しかし複数冊持つなどして正しく使用できていない人や手帳を知らない人もいた。手帳を発行していない医療機関で処方されている場合はチェックできない可能性があった。また門前薬局は手帳を積極的に発行・活用していないようであった。
    〈対策実施〉啓蒙用ポスター・パンフレットを作成し、掲示・配布した。医事職員へ協力を依頼。門前薬局へ手帳の発行を出来る範囲で依頼。薬局員は退院時に手帳(血糖値など必要なデータも記載)を積極的に配布した。
    〈結果〉啓蒙活動後、手帳所持率は81%、医師に提示する人は32%・調剤薬局で提示する人は62%になったが、まだ複数の医療機関のものを1冊にまとめていない人や、手帳を利用していない人もいることが分かった。
    〈まとめと今後〉啓蒙活動により効果は得られたが、まだ有効に活用されていない場合が多いことが分かった。医療機関ごとに院外・院内処方の違いもあり、手帳に関する取り組みも違うため難しい面もあるが、安全な薬物療法が行われるよう、今後も手帳の利点を説明し持参を働きかける等していきたい。
  • 山本 むつみ, 高田 実, 早見 知浩, 足立 茂樹, 三品 廣高, 辻 一智, 守屋 猛
    セッションID: 1C-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】日本薬剤師会は、平成18年3月に、患者により安全で継続した薬物療法を提供するため、医療機関の薬剤師と薬局の薬剤師との連携に関し「医療安全のための薬局薬剤師と病院薬剤師の連携について」を示した。これにより岐阜県では、平成19年度より県薬地域支部と病薬の5ブロックに連携病院を指定し、中濃厚生病院が指定された。今回、関薬剤師会との間で行ってきた薬薬連携の取り組みについて紹介する。 【活動内容】平成21年12月に中濃地区薬薬連携連絡会を設置。薬局薬剤師と協議して下記の活動内容を決定し、平成22年1月より活動を開始した。『病院薬剤師は、入院患者に対して同意のもとかかりつけ薬局にFAXにて入院を知らせ、患者情報の提供を依頼する。依頼を受けた薬局薬剤師は「情報提供連絡書」に該当患者の情報を記載し返信する。また、病院薬剤師は退院患者に対して「退院サマリー」を作成し、患者に渡しかかりつけ薬局へ持参するよう説明する。』 【活動結果】平成22年1月から平成23年3月までの15ヶ月間に、入院情報依頼件数449件、報告件数449件で100%の報告率であった。しかし、退院サマリー交付件数443件に対し薬局での受付件数は179件で到達率は40.4%であった。 【考察】今回の薬薬連携の活動で病院・薬局薬剤師からの情報提供により、患者に対し服薬指導がスムーズに行えるようになった。しかし、マンパワーの不足等により1ヶ月平均入院情報提供は30件、退院サマリー発行は29件と少ない。また、退院サマリーの薬局への到達率が40%と低く、今後薬薬連携連絡会で協議し退院サマリー発行率、到達率向上にむけ取組んでいきたい。
  • 神谷 典枝, 大島 幹弘, 中村 安孝, 今澤 太学, 北上 公子, 竹下 秀司, 松山 耐至, 玉内 登志雄
    セッションID: 1C-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】当院では、添付文書より調剤上特に必要と考えられる項目を抽出し、簡潔化して収載した薬剤師用の「DI(Drug Information)カード」を作成している。「DIカード」は、薬剤名、一般名、用法・用量、効能・効果、副作用、相互作用、貯法などを収載し、調剤室内の薬剤棚に一薬剤一枚ずつ配置している。今回、「DIカード」の薬剤師に対する有用性について確認するとともに、実務実習薬学生に対しても有用であるかを調査した。 【方法】当院薬剤師(P)14名、薬学生(S)8名を対象に、「DIカード」に関するアンケート調査を実施した。内容は「DIカード」が、1.役立ったか、2.表記内容が十分か、3.新たに収載の希望があるか、で構成した。 【結果】1.よく役立った:P12人(86%)、S8人(100%)、少し役立った:P2人(14%) 2.表記内容が十分:P10人(71.5%)、S6人(75%)、不十分:P4人(28.5%)、S1人(12.5%)で、Sの不十分の理由は作用機序不明 3.新たに収載を希望する項目: 粉砕法・懸濁法の可否がP、S共に過半数、作用機序は、P5人(35.7%)、S5人(62.5%)。 【考察】薬剤師用「DIカード」が、薬剤師の調剤支援のみならず、薬学生への実務実習の支援ツールとしても有用であることが確認できた。新たに収載を希望する項目を参考に、今後「DIカード」をより有用性の高いものとするため、粉砕法・懸濁法の可否、作用機序に関して収載を検討する必要があると考えられた。
  • 白川 舞, 堀部 哲子, 熊田 克幸, 桑原 清人, 伊藤 源基, 水口 芳信, 近澤 豊
    セッションID: 1C-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【緒言】当院は、オーダリングシステム上で利用可能な、電子医薬品集にリンクした添付文書参照システムを構築し運用している。添付文書は医薬品を安全に使用する上で必要な情報源であるが、その改訂は頻回にわたるためできるだけ早期に更新する必要がある。そこで今回我々は、更新作業の現状把握と見直しを行ったので報告する。
    【方法】平成21年1月~平成22年12月の2年間に改訂があった添付文書と電子医薬品集の更新日について調査を行った。また、各製薬会社に添付文書のPDFファイル提供について依頼文書を作成し、提供に関するアンケートを行った。そして、医薬品集の更新を月2回から週2回ヘと電子医薬品集サーバー端末の設定を変更し、また、手動での更新からスケジューラによる自動更新とした。
    【結果】当院採用1,474品目のうち、1,167品目が期間内に改訂され、改訂後、院内のシステムに反映するまでには平均で68日かかっていた。また、アンケート調査では、ほとんどの製薬会社が添付文書のPDFファイルを提供することが可能との結果であったが、その提出時期は改訂後すぐに可能から30日以内に可能と様々であった。そして、院内電子医薬品集の更新は、情報入手から最長でも4日以内に更新可能になった。
    【考察】平成19年から電子医薬品集を構築・運用をしていたが、システムが軌道に乗りようやくシステムの見直しや更新時期の検討を行うことができた。電子医薬品集は、製本された医薬品集と比較すれば更新する頻度が高いといえるが、院内の医療従事者が、必要な時に、最新の情報を閲覧できる環境を整えることに大きな意義があると考えている。院内で採用されている医薬品の種類は非常に多く、これら全ての医薬品情報の改訂をすぐに把握することは困難であるが、少しでも早く院内での情報提供を実施していくことが薬剤師の責務といえる。
  • 竹川 幸身, 山田 和佳, 中川 美弥子, 山口 桂, 沖 かずよ, 石原 勝, 山森 章
    セッションID: 1C-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【背景】
     2010年7月施行の新しい糖尿病診断基準では、HbA1cは診断フローの第一段階に用いられ、臨床におけるHbA1cの重要性がより高まっている。
    当院では従来HPLC法にてHbA1cの測定を行ってきたが、約200検体/日の処理が必要なため、健診・人間ドックでは結果報告に時間を要していた。
    検査の効率化のため、血球自動前処理機能を有したBM9130機と酵素法HbA1c測定試薬を導入し、同機に生化学項目も集約したいと考え今回検討した。

    【対象及び方法】
    測定結果の表記:全てJDS% 
    使用試薬:ノルディア N HbA1c(積水メディカル)及びルーチン使用の各種生化学試薬
    分析装置:自動分析装置「JCA-BM9130」(日本電子)
           対照法:「ADAMS A1c HA-8160」(HPLC法、アークレイ)

    【検討項目及び結果】
    同時再現性:2水準の専用コントロール(HbA1c:4.8%、9.5%)でCV 0.85%、0.24%。
    希釈直線性:Hb濃度 81.1~348.0μmol/L、A1c濃度 4.5~37.1μmol/Lまで良好。
    HPLCとの相関:y=1.00x-0.23(r=0.991)
    クロスコンタミ試験:HbA1cを含む41項目につきセルコンタミ、プローブコンタミ試験を実施。酵素法HbA1cが影響を与える/受ける項目は認められず。

    【考察】
     ノルディア N HbA1cの基本性能は良好。
    汎用装置へ健診項目を集約するには、クロスコンタミがないことが、必須条件であったが、酵素法は、他項目に全く影響を与えないことが確認できた。

    【まとめ】
     HbA1c測定をHPLCから酵素法に変更し、BM9130型自動分析装置に生化学項目も集約することで、健診・人間ドックにおける検査の効率化が図れた。
    ノルディア N HbA1cはHPLCとの相関性、正確性も良好であったため、健診・人間ドックのみならず、日常検査にも有用であると思われた。
  • 菅沼 康久, 木村 裕恵, 松下 次用, 立川 将也, 吉田 正樹, 川島 司郎, 野坂 博行
    セッションID: 1C-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】脂質抗原を用いた梅毒検査は、ガラス板法やRPRカード法が一般的であるが、今回、ラテックス凝集免疫比濁法を原理とした自動分析装置RPR測定試薬「LASAYオートRPR」の基礎的検討を行う機会を得たので報告する。 【方法】JCA-BM6050型自動分析装置(日本電子)を使用し、検討試薬(A社:デンカ生研)LASAYオートRPRの基本性能の確認と、対象試薬(B社:極東製薬工業)メディエースRPRとの同時・日差再現性、相関性および血漿検体の比較検討を行った。 【結果】_I_.同時再現性:陰性および陽性の患者血清を20回重複測定。陽性血清のCVはA社は0.88、B社は3.44となった。_II_.日差再現性:初日のみキャリブレーションを行い試薬を自動分析装置にセットした状態で26日間(n=19)管理血清を測定。A社では陰性管理血清および陽性管理血清(約6.0R.U)で明らかな変動はみられなかったが、B社では陰性管理血清が2.3R.U。陽性管理血清の2.0R.Uが4.4Rとなった。_III_.相関性:患者血清検体96件(陽性12件、陰性84件)測定。陰性・陽性の一致率は100%であった。_IV_.陰性検体84件を血清およびEDTA-2K血漿とヘパリンリチウム血漿にて測定した。A社は全て陰性であったが、B社のヘパリンリチウム血漿検体は61検体で偽陽性となり、EDTA血漿検体は全て偽陽性となった。_V_.A社基本性能:直線性は20R.Uまであり、180R.Uまでプロゾーン現象は認められなかった。共存物質のアスコルビン酸、ヘモグロビン、ビリルビン、乳びについて確認したが、乳びで正の影響が確認された以外は特に影響は確認されなかった。 【まとめ】LASAオートRPRは同時再現性、日差再現性が良好で、血漿検体の測定が可能であり、日常検査に有用と考えられた。
  • 小林 加奈, 森山 美紗, 岩本 洋, 黒石 正子, 寺島 茂, 山本 敬一, 高畑 武司
    セッションID: 1C-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【演題名】発作同時脳波記録が予後の予測に有用であった小児欠伸てんかんの一例 【背景】小児欠伸てんかん(以下,CAE)は,正常発達を認める学童期女児に多く,欠伸発作(AS)と呼ばれる.突然始まり,突然終わる4~20秒程度の意識消失が,1日に数回から数十回頻発することが臨床的特徴である.従来,この診断は, 臨床症状と発作間欠期脳波所見から行われてきたが,2005年に発作の持続時間,発作時脳波所見を重視した新しい診断基準(以下,新基準)が提唱され,発作予後良好な典型例と,非典型例の診断に用いられている. 【目的】ビデオ記録装置をもたない脳波計で,CAE初発患者の発作ビデオ,発作時脳波を同時に記録し,CAEの典型例と非典型例を鑑別する. 【症例】7歳,女児.半年前から家人はASに気づいていた.最近,頻度が増加,当院に受診した.頭部MRIに異常なし.外来で風車を吹かせたところ,開始1分で,4秒ほどのASが出現した.4秒間のASは新基準では,CAEの非典型例または,他の,てんかん症候群を示唆する除外診断項目になっており,発作時脳波の検討が必要になった.検査に先立ち,過換気賦活により発作が出現する可能性を保護者に説明し承諾を得た.脳波は外部から遮断された専用の脳波室で主治医立ち会いもとに行った.患者は仰臥位で風車を吹いて,過換気賦活試験を行った.開始40秒後に約4秒のASと発作開始に一致して約15秒の3Hz全般性棘徐波複合を認めた.発作には眼瞼,口輪筋のミオクローヌスは伴わず,典型的CAEと診断した. 【まとめ】典型的CAEは抗てんかん薬により,ASは抑制されるが,中には,TASが難治性で,経過中や思春期以降に高率に全身性強直間代発作(GTC)を発症する非典型的CAEが存在する. 非典型例では,典型例より長期間の経過観察が必要であり,CAEの初発時に典型例,非典型例を鑑別するためには,発作の観察と同時に発作時脳波を記録することが必要である.
  • 下部胆管腫瘍との鑑別所見と思われた一症例
    カラガン 徳代, 寺島 茂, 岩本 洋, 黒石 正子, 関戸 康友, 高畑  武司
    セッションID: 1C-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    [症例]70歳女性 [既往歴]高血圧症 [経過]2011年3月中旬より出現した心窩部不快感を主訴として近医を受診。血液検査にて肝胆道系酵素の上昇(GOT/GPT 82/119 IU/l、ALP/γGTP 1749/860 IU/l)を認め、当院に紹介された。腹部超音波検査にて総胆管下部に腫瘤性病変が指摘され、精査目的にて入院。CT、MRCP、上部内視鏡検査、ERCP等の検査を施行した。遠隔転移は認められず、外科的治療適応と判断され 2011年4月13日幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)を施行された。[術前エコー所見] 総胆管は上部から下部まで広範囲に拡張し、下部末端付近に約23 x 17 mm大の境界明瞭な腫瘤性病変が認められた。腫瘤内部エコーは肝実質とほぼ同等でやや不均質に観察された。肝内胆管は軽度拡張し膵管は数珠状の拡張がみられたが、膵臓に腫瘤性病変は認められず、胆嚢の明らかな腫大はみられなかった。[切除組織病理所見] Vater乳頭部に27x25mmの腫瘤を形成する腫瘍で、組織学的には乳頭状または不規則な腺管構造を呈する高分化型腺癌であった。oddi括約筋を超えて十二指腸粘膜および粘膜下に進展しており、わずかに十二指腸固有筋層より下への浸潤が確認された。膵実質への浸潤は明らかではなく、腫瘍分量のほとんどは十二指腸筋層より上に位置していた。[考察]本症例は体位変換を用いて胆嚢の音響窓を有効に利用し、総胆管下部末端の腫瘤像の存在診断が可能となった。術前に推察された腫瘤の局在は総胆管下部末端とは乖離していたが、探査子の走査法を工夫すること、腫瘤像周囲にみられる腸管ガスの方向(流れ)を考慮することにより、Vater乳頭部領域の病変の局在をより高い精度で推定できる可能性が示唆された。
  • 横山 修市
    セッションID: 1C-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    脳神経外科手術は、術後神経障害、運動機能障害との戦いと言っても過言ではないでしょう。手術により障害される可能性のある脳機能及び脳神経機能を監視して手術合併症を極力少なくする目的で行われるのが各種神経生理学的検査による術中モニタリングである。電気生理学的モニタリングには感覚路系と運動路系からなるいろいろなものがあり、なにをモニタリングするかでそれぞれ方法が異なるので、事前に患者の状態を十分把握して望まなければならない。今回われわれは経頭蓋によるMEPモニタリングの有用性を経験したので方法と代表例を報告する。
    【代表例】患者T.K  76歳 男性 臨床診断名: くも膜下出血。頭部CT写真ではくも膜下腔に血液が確認され、アンギオ撮影では左内頚動脈瘤がありそこから出血したと考えられる。この動脈瘤の頚部をクリップすることで破裂を阻止できる。開頭前、経頭蓋に高電圧刺激し上下肢の誘発電位をとらえ、これを基準波形とし振幅・潜時の変化をリアルタイムに観察する。動脈瘤のクリップ前の刺激では誘発電位の波形を確認できたが、クリップを掛けて2分経過後の刺激では波形が消失した。理由として前脈絡叢動脈を一緒にクリップしたものと思われ、本来前脈絡叢動脈を避けてクリップをかけるつもりだったが、術野の視野からでは脳動脈瘤の向こう側にあるため十分な観察ができなかった。太さは1mmもなく、これが詰まると対側上下肢マヒになってしまう血管である。直ちにクリップをはずし動脈瘤と前脈絡叢動脈を剥離し、クリップを架け直した後、刺激したところ波形の出現を確認できた。手術終了まで波形が出現していることで、術後右片マヒは出現しなかった。このように運動野に関係する術中モニタリングは術後の運動機能の予測や、手術成績の向上にも有用であった。
  • 木田 秀幸, 佐藤 繁樹
    セッションID: 1C-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈緒言〉ヒト脳性利尿ペプチド(BNP)は主に心室から分泌されるホルモンで心不全の診断及び病態把握に有用である。また、集団健診でのスクリーニング項目としても注目されている検査である。今回我々は、当院人間ドックにおいて2010年9月からオプション導入したBNP検査について報告する。
    〈対象〉BNP検査を導入した2010年9月1日から2011年3月31日まで当院人間ドックを受診した9,892名(男性6,031名、女性3,861名)のうちBNP検査を希望実施した受診者3,909名(男性1,961名、女性1,948名)を対象とした。BNP実施者の年齢は23~90歳(男性24~90歳、女性23~83歳)平均年齢は57.1歳(男性57.8歳、女性56.3歳)であった。
    〈方法〉EDTA-3K採血管を用い、採血後速やかに遠心分離、血漿をCLEIA法にて測定した。
    〈結果〉BNP測定者の平均値は15.82pg/ml最小値は5.8pg/ml、最大値は535.8pg/mlであった。判定上異常なしとされるBNP39.9pg/ml以下は3,682名(男性1,849名、女性1,833名)、判定上異常ありとされる40pg/ml以上は227名(男性112名、女性115名)であり、そのうち要精検とされる40pg/ml以上自覚症状あり(胸痛・動悸・息切れ・胸の締付・脈の乱れ)及び100pg/ml以上は48名(男性26名、女性22名)であった。また、これら48名中35名は循環器系及び糖尿病の治療中であった。
    〈結語〉2010年9月より導入したBNP検査希望者は男性32.5%、女性50.5%と高く、非常に注目される検査であることが示唆された。BNP検査要精検者の追跡調査はもちろんであるが検査希望者の更なる増加と、経時的変化を確認するためにも継続して検査するよう今後も啓蒙を行っていかなければならないと思われる。
  • 落合 悟, 野本 由人, 姫子松 博洋, 豊田 友美, 清水 孝哉, 井上 友喜, 上田 三三夜
    セッションID: 1C-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    当院における原発性肺癌に対する体幹部定位放射線治療の初期臨床経験

    松阪中央総合病院 放射線治療科
    落合 悟、野本 由人、姫子松 博洋、豊田 友美、清水 孝哉、井上 友喜、上田 三三夜

    【目的】当院では放射線治療機器の更新に伴い、2009年10月から肺癌に対する体幹部定位放射線治療を開始した。定位放射線治療を施行した原発性肺癌症例の初期治療経験、照射による有害事象、再発について報告する。【対象と方法】2009年10月~2010年12月の期間に原発性肺癌T1N0 or T2N0と診断され、手術不能例あるいは手術を拒否し、定位照射を施行した26例を対象とした。T stageはT1a:13例、T1b:10例、T2a:3例であった。年齢中央値は82歳(46~92歳)、男性:女性=12:14。non-coplanar Beamを加えた7門以上の固定多門照射を施行し、照射線量は48Gy/4回(1日1回照射)で、通常1週間で治療を終了した。1回の照射に要する時間は40分程度で、原則外来通院にて治療を行った。【結果】中央観察期間8ヶ月で23/26例 (88.5%) で局所制御が得られた。照射野内再発を2/26例 (7.7%)、照射野外再発として縦隔リンパ節転移を1/26例 (3.8%) に認めた。有害事象として、画像上は放射線肺臓炎や線維症 (Grade 1) を比較的高頻度(20/26例, 76.9%)に認めたものの、実際に症状を呈した症例は少なかった。この他、胸水貯留 (2/26, 7.7%) や胸壁の疼痛 (1/26, 3.8%) などを認めたが、現時点ではGrade3以上の有害事象は認めていない。【結論】原発性肺癌に対する定位放射線治療は、手術適応のない症例や高齢者に対しても施行可能で、腫瘍コントロールも良好である。
  • 伊東 宏也
    セッションID: 1C-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    TomoTherapy導入による当院の放射線治療の現状
    鈴鹿中央総合病院 放射線科 伊東宏也
    近年、IMRT(強度変調放射線治療)やIGRT(画像誘導放射線治療)等の技術を用いた“高精度放射線治療”に注目が集まっている。
    当院では2010年10月に放射線治療装置の機器更新に伴い、現在日本では20台程度しか稼働していないIMRT専用装置、TomoTherapy(トモセラピー)の導入を行った。
    IMRT治療の利点として、従来の装置より理想に近い線量分布を作成することができ、病巣部に対して多くの放射線を照射することが可能となる。
    また、病巣周囲の正常組織への照射量を抑えることもできる為、副作用の発現リスクを低減させることが可能となる。
    しかし問題点として、治療計画に多くの時間を必要とし (複雑な計算を行う為)、治療計画後の線量検証にも多くの時間が必要になってくる為、緊急照射への対応が困難であることや、1回の治療時間も通常の放射線照射に比べ時間が長くなり、10~15分程度であった治療時間がTomoTherapyの場合では20~30分程度かかる為、スループットが悪いことも問題になってくる。
    TomoTherapy1台を、放射線治療医2名、専任の放射線技師2名、専任の看護師1名のスタッフで運用を行っているが、TomoTherapyの導入により院外からの依頼も増え、治療患者は増加傾向にあり、現在新患の治療開始は1~2カ月待ちの状態である。
    課題として挙げられることは、開始待ちの時間を短縮できるような効率の良いシステムの構築だと考える。
    今回の演題では、当院におけるTomoTherapy放射線治療の現状についての報告と、他のTomoTherapyにはない、“TomoDirect(トモダイレクト)”という新機能についての紹介をしたいと思う。
  • 笹嶋 利紀, 大山 勝彦, 鈴木 昭義, 高田 知恵, 平井 正幸, 山内 めぐみ, 大原 潔
    セッションID: 1C-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    背景と目的:本院は、主として農業協同組合員(以下、組合員)を看る病院として、昭和23年(1948年)に設立された。がん放射線治療の視点から患者層の推移について調査した。
    対象と方法:本院を受診した患者のうち、解析可能な過去20年間について、1990年、2000年、2010年の1年ごとの患者を対象とした。組合員であることの確認は、対象患者の保険情報に基づいて行った。調査内容は、a.本院の新規受診患者のうち、放射線治療を適応した全患者の人数・割合、b.放射線治療適応患者のうち、組合員の人数・割合、c.その年齢・性別・原因疾患、d.農繁期との関連性、の4つである。
    結果:a.10年ごとの新規受診者の数は、26,305人、16,799人、18,412人であった。各時期の放射線治療適応患者の数(割合)は、109人(0.4%)、172人(1.0%)、328人(1.8%)であった。
    b.放射線治療適応患者は、総数及び組合員数とも増加傾向であった。各時期の放射線治療適応患者数の内、組合員の数(割合)は、13人(12%)、38人(22%)、49人(15%)であった。
    c.放射線治療を適応した組合員の平均年齢の推移は、各時期で、63.4歳、63.5歳、70.1歳であった。放射線治療を適応した組合員について、いずれの時期でも男性の方が多く、男性は女性のおよそ1.3倍の人数であった。放射線治療を適応した組合員の原因疾患の推移を調べてみると、最も多かった原因疾患は、1990年では肺癌、2000年では乳癌、2010年では前立腺癌であった。
    d.放射線治療適応患者の治療開始時期と農繁期を比べてみると、各時期で共通した傾向は無かった。
    まとめ:組合員を看る病院として、がん放射線治療の視点から患者層の推移について調べた。放射線治療患者の10%強が組合員であった。
  • 吉村 明伸, 仲山 剛史, 渡邉 映元, 三輪 正治, 森 誠, 中西 茂樹, 梶浦 雄一, 田中 孜
    セッションID: 1C-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    目的
    制動放射線を用いることによって塩化ストロンチウムの画像化を試み、骨シンチとの集積部位の関係を比較したので報告する。
    使用機器
    シンチカメラは島津社製PRISM-IRIX、ワークステーションはodysseyFX820
    実験方法
    1. 塩化ストロンチウム0.5MBqのバイアル瓶を用いて、エネルギーピーク及びウィンドウ幅(50%、100%、200%)の検討を行った。
    2. コリメータ(低エネルギー用汎用コリメータ;LEGAP, 低エネルギー用高解像度コリメータ;LEHR, 高エネルギー用汎用コリメータ;MEGAP)を用いて分解能の検討を行った。
    3. 寝台速度を15cm/min、20 cm/min、25 cm/minと変化させ撮影時間の検討を行った。
    以上の検討を行った後、実際にストロンチウムを投与した患者を撮影し、集積部位の確認を行った。
    結果
    89Srから放出されるベータ線の相互作用から放出される制動放射線のスペクトルが70keVをピークに連続した幅広い分布を示すことからエネルギーピークを70keVとし、ウィンドウ幅を広げるほどカウントは多くなった。また、低エネルギー用汎用コリメータと低エネルギー用高解像度コリメータに視覚的に差は生じなく、高エネルギー用汎用コリメータがもっとも分解能が良かった。撮像時間は長くするほど収集カウントは多かった。 以上から得られた最適条件でストロンチウムを投与した患者を撮影した結果、骨シンチと同様の集積部位が確認された。
    結語
    エネルギーピークを70keV、ウィンドウ幅を300%に設定し、高エネルギー用汎用コリメータ(MEGAP)を用いて、寝台速度を15cm/min、撮影時間20分とすることにより鮮明な画像が得られ、骨シンチの集積部位と同等の画像が得られた。
  • 伊佐次 範也, 渡邉 映元, 山田 佳未, 衣斐 賢司, 中西 茂樹, 梶浦 雄一, 田中 孜
    セッションID: 1C-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
    当院では放射線治療を行う際,必ずOBI(On Board Imaging)にて正・側面2方向撮影し,DRR画像とオートマッチングした後,最終確認で目視にて位置照合を行っている。その際,オートマッチングと目視による位置照合には誤差が生じる。そこで今回オートマッチングの精度を把握する目的で,DRR画像表示条件を変化させた時の誤差と,DRR画像のスライス厚を変化させたときのオートマッチング限界座標を検証したので報告する。
    【使用機器】
    放射線治療装置:Clinac iX(VARIAN社製)
    治療計画装置:Eclips
    【方法】
    1.寒天で自作人体ファントム(腰椎)を作成し, DRR画像(Abdomen,Airway,Bone,Breast,Chest,Lung),関心領域(全体,1椎体)について,オートマッチング後の移動量の誤差を検証した。
    2.DRR画像スライス厚5mmと2mmについてオートマッチングの限界座標を検証した。
    【結果】
    1.DRR画像別ではAbdomen,Boneで誤差なく良好であった。また,オートマッチングの関心領域を1椎体に絞った場合,DRR画像のLungではオートマッチング不可能であったが,その他全ての条件において全体よりも改善した。
    2.オートマッチング限界座標は,スライス厚5mmは関心領域(全体)で10mm,関心領域(1椎体)で8mmであった。スライス厚2mmは関心領域(全体)で12mm,関心領域(1椎体)で10mmであった。
    【考察】
    関心領域を1椎体に絞った時DRR画像のLungがオートマッチング不可能であったのは,全体時ではファントムの表面でマッチングしたためではないかと考える。最終的に目視で位置照合を行うため,DRR画像の視覚的に良好でオートマッチングの精度も良好であったAbdomen,Boneを選択することが望ましいと考える。
    DRR画像スライス厚5mmと2mmではスライス厚2mmの方が関心領域(全体,1椎体)の双方とも2mm改善した。その理由として,スライス厚が薄い方がDRR画像の辺縁がより滑らかになり,オートマッチングの精度が上がったと考えられる。しかし画像枚数が2.5倍になってしまうため,治療計画時の負荷が増加する欠点もある。
  • 渡邉 映元, 伊佐次 範也, 山田 佳未, 衣斐 賢司, 中西 茂樹, 梶浦 雄一, 田中 孜
    セッションID: 1C-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
     当院では放射線治療を行う際,必ずOBI(On Board Imaging)にて正・側面2方向撮影し,DRR画像(治療計画装置の2D画像)とオートマッチングした後,最終確認で目視にて位置照合を行っている。第1報では,DRR画像表示条件を変化させた時の誤差と,DRR画像のスライス厚を変化させたときのオートマッチング限界座標と検証した。今回第2報として,不均質領域でのオートマッチングの精度を検証したので報告する。
    【使用機器】
    放射線治療装置:Clinac iX(VARIAN社製)
    治療計画装置:Eclips
    【方法】
     希釈した造影剤を椎体,スポンジを肺にみたて周囲を寒天で満たした自作人体ファントム(胸部)を作成し,アイソセンターより3方向に1mm間隔ずつずらしてセットする。オートマッチング後の移動量の誤差を異なるDRR画像表示条件別(Abdomen,Airway,Bone,Breast,Chest,Lung)、関心領域別(全体,椎体),DRR画像スライス厚5mmと2mmについてオートマッチングを行った。
    【結果】
     全体的にDRR画像スライス厚は5mmより2mmのthin slice,関心領域別では不均質を含めた領域よりも椎体に小さく絞った領域の方が良好なマッチング精度が得られた。DRR画像表示条件別では関心領域(全体、椎体)の双方においてAirwayとChestで比較的良好なマッチング精度が得られた。関心領域を椎体に絞るとAbdomen,Bone,Breast,Chestのマッチング精度が向上した。Airwayは関心領域を椎体などに絞るよりも不均質領域が含まれている方のマッチング精度が向上した。
    【考察】
     DRR画像のオートマッチング精度はDRR画像スライス厚をthin sliceにすることで向上することから,DRR画像の空間分解能に依存していると考えられる。また,DRR画像表示条件別と関心領域の関係については,不均質を関心領域内に加えるか加えないかでオートマッチング精度が左右される為,実際の臨床では位置照合の対象となる部位を中心に考え,DRR画像を作成する必要がある。今回の不均質領域を考慮したDRR画像では視覚的にも良好なChestが最適であると考える。
  • 松本 桂, 西本 はるみ
    セッションID: 1C-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    股関節X線撮影時の女性生殖腺防護の鉛ブロックの形状についての検討と作成                   安曇病院 放射線科  松本桂、西村はるみ  はじめに 今年の3月に起きた東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故により、放射線による影響や被曝の問題について、事故以前よりもはるかに注目されている。これをうけ当院放射線科ではX線撮影時における放射線防護について再検討すべく女性生殖腺防護の鉛ブロックを作成しその使用方法を検討することとなった。 目的  現在、当院では幼少児を含めた若年者のX線撮影時には生殖腺防護を行うのが通例である。しかし若年女性股関節の撮影時には生殖腺が骨盤腔内に存在するため、診断目的領域にかからないように鉛ブロックの形状を検討しなければならない。また撮影時腹壁上に置いて撮影するため安定しにくく、鉛ブロックがずれて再撮影することのないように注意が必要である。これらを踏まえ、簡易的にかつ安定した防護ができる形状と方法を検討し鉛ブロックを作成する 方法  股関節X線撮影における臨床診断にかかわる部位や計測(Acetabular angle,Sharp角、CE角など)のための必要部位を除く骨盤腔内における生殖腺防護の必要部位を過去の骨盤や股関節のX線画像より検討し、鉛ブロックの形状を検討していく。同時に腹壁上での不安定さを解消する形状や方法をさまざまな道具を用いることも考えながら検討していく。 結果  作成した鉛ブロックとその使用方法について当日会場にて報告する。
  • 伊藤 良剛, 金村 徳相, 伊藤 光洋, 加藤 寛之, 吉川 秋利
    セッションID: 1C-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【緒言】当院では術中3D撮影を目的としてX線検出器にフラットパネルディテクタを用いたO-arm(メドトロニック)とI.Iを用いたARCADIS Orbic 3D(シーメンス)が導入されています。これらは、術中に3D画像の撮像も可能であるが、通常の透視装置としても頻用されています。今回、各装置の透視画像について空間分解能、歪みの評価とFOVの測定を行ったので報告します。
    【使用機器】本研究には、外科用イメージ:O-arm、外科用イメージ:ARCADIS Orbic 3D、矩形波チャート:Type1(化成オプトニクス)、格子状ファントム:XTV-25(ミクロメディカル)を用いました。
    【方法】各装置のアイソセンターに矩形波チャートを配置した後、透視撮影を行い目視にて空間分解能を評価しました。同様に歪みの評価とFOVの測定もアイソセンターに格子状ファントムを配置して、透視撮影を行い目視にて評価、計測をしました。
    【結果】空間分解能については、O-armとARCADISは同等で、2Lp/mmまで確認できました。歪みはO-armでは確認できないものの、ARCADISではI.I.特有のFOV辺縁になると大きくなる歪みが確認されました。アイソセンターのFOVは、O-armが、17×22.5cmの長方形に対してARCADISは直径13.5cmの円形とやや狭い結果でした。
    【考察】一般にX線検出器としてフラットパネルディテクタは、従来のI.Iより高画質とされていますが、本研究では両者の空間分解能が同等でした。その理由として、X線管などの附属機器の性能差が一因であると考えました。
    【まとめ】今回の実験により、フラットパネルディテクタを有するO-armは従来のI.I用いた装置の弱点である、画像歪みとFOVの狭さを解決した装置です。
  • ?EMITファントムを用いて?
    西田 知弘, 近松 克修, 小野江 雅之, 今村 裕司, 丹羽 政美, 水草 貴久, 塚本 達夫, 土屋 十次
    セッションID: 1C-21
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【背景】
    近年、日本心臓核医学会では心筋SPECT画像の標準化を目的としたトライアルが行なわれている。

    【目的】
    当施設もこの画像評価用心筋ファントム(以下EMITファントム)を撮像する機会が得られたので自施設の画像を把握し画像向上の試みとしてEMITファントムを用いてピクセルサイズについて検討したので報告する。

    【方法】
    画像評価としてまずEMITファントムを用いて、理論に基づいて考案された撮像条件と自施設の撮像条件を撮像し視覚的・定量的に評価した。EMITファントムの特徴は1回の撮像で、心筋の欠損部位の厚さを2.5,5,7.5,10mmと広がりを5,10,15,20mmの4段階で評価できる構造となっている。今回は評価項目としてピクセルサイズに注目し、その他のパラメータは一定として検討した。ピクセルサイズを変化させて得られたSPECT画像の展開図から各心筋の欠損部の厚さと広がりのROIのカウント値とプロファイルカーブを作成して描出能について視覚的・定量的に画像評価した。

    【結果】
    ピクセルサイズの選択はサンプリング定理からシステム分解能の1/2以下が望ましいとされているが、実際にピクセルサイズが小さくなれば分解能や統計雑音が改善した。しかしながら推奨値と比較して明らかな差異は認められなかった。

    【考察】
    当施設の機器のシンチレータ厚は1インチであり、ピクセルサイズを小さくしてもカウント数は担保されたが、分解能の向上には限界があったと示唆された。

    【結語】
    今回、ピクセルサイズ変更による明らかな画質向上は認められなかった。しかし画質向上項目としてはその他にもあるため、他の条件についても検討したい。
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