日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
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  • 浅井 太一郎, 小屋 謙介, 佐藤 雅浩, 島田 敏之, 大胡田 修, 新井原 泰隆, 楠崎 浩之, 大川 伸一
    セッションID: 1C-22
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    骨シンチ診断支援ソフトBONENAVIによる自動診断能と臨床診断の比較検討 浅井 太一郎 浅井 太一郎1) 小屋 謙介1) 佐藤 雅浩1) 島田 敏之1) 大胡田 修1) 新井原 泰隆1) 楠? 浩之2) 大川 伸一2) 1)伊勢原協同病院 放射線室 2)伊勢原協同病院 放射線科  はじめに 近年がんによる死亡率が年々増加していく中、早期発見による治癒率も上がっている。中でも乳がんは外部から診断でき早期発見が出来るがんの一つでもある。また前立腺がんも腫瘍マーカーによる診断から早期に見つけ出すことが出来るとされている。これら二つのがん治療予後の観察として定期的によく使われているのがラジオアイソトープを利用した検査の一つ、骨シンチであるがその集積には特異性はなく、医師の診断経験、MRI等の併用による確定診断などに頼るところが大きい。 今回、スウェーデンEXINI Diagnostics社のシステムをベースにフジフィルムRIファーマ株式会社が共同開発し提供された骨シンチ診断支援ソフト“BONENAVI”(ボーンナヴィ)は日本人骨格データベースを搭載することで日本人の診断支援も可能とした。 対象 乳がんおよび前立腺がんにて経過を観察している患者かつ、フジフィルムRIファーマ株式会社製骨シンチ製剤MDP注により経過観察をしている患者各5例。 方法 ソフトの診断支援の有用性につき、骨シンチグラフィーを行いホットスポットを有した患者数例に対し本ソフトでの診断、放射線科読影、病理確定診断等の各方面から比較検討する。 結語 前述の通り骨シンチではがん特異的に集積するわけでは無く臨床医においてはその判断において困るところであったが、このソフトを利用することで臨床医並びに我々技師についても診断支援ツールとして大きく寄与するものと思われる。 投稿段階では検討症例が少ないものの有意にその有用性が認められた。発表段階ではさらに症例数を増やし今後の診断支援に用いたい。
  • 小田 耕司
    セッションID: 1C-23
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【目的】現在国内で流通している,一般撮影用散乱線除去グリッドの中間物質はアルミニウム(Al)もしくは紙(Fiber)である.その中でもカセッテ撮影に使用されるグリッドのほとんどにAlの中間物質が使われている.今回,我々は中間物質にFiberを用いたカセッテ撮影用グリッド(Fiberグリッド)の使用経験を得たため,その物理評価を行った.比較のために,当院で使用している中間物質にAlを用いたカセッテ撮影用グリッド(Alグリッド)の物理評価も行った.Fiberグリッドの被ばく線量低減効果と散乱線除去の効果について検討した.また,デジタル画像システムにおいては散乱線によるコントラスト低下をシステムが電子的に補償するが,散乱線の量子ノイズは増幅され信号雑音比(SNR)に現れるため,SNR改善度について検討した.
    【方法】グリッド密度40本/cm,60本/cmのFiberグリッドおよびAlグリッドの物理的特性の評価を行った.測定は,IEC 60267 Ed. 2.0およびIEC 61267に基づき行った.また,SNR改善度の算出を行い検討した.
    【結果】露出倍数が同等のAlグリッドとFiberグリッドでは,Fiberグリッドの方がコントラスト改善能は高くなった.管電圧が低い場合ほどFiberグリッドの被ばく線量低減効果,SNR改善度が高くなった.
    【結論】Alに比べFiberはその散乱と吸収の程度が低いため,中間物質にFiberを用いたグリッドは,中間物質にAlを用いたグリッドとの比較において,カセッテ撮影における被ばく線量低減効果と散乱線除去の効果が高い.またその効果は,小児撮影や散乱体厚の薄い被写体のような比較的低管電圧で撮影する場合により大きい.
  • 新名 康, 安藤 秀人, 大久保 久司, 都竹 隆治, 中村 光一
    セッションID: 1C-24
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    PTA治療症例におけるシャントエコーの検討 「目的」シャントPTA後の経過観察を行う際に、シャントエコーによる機能評価が有用かどうか検討した。 「対象」シャントPTA前後にシャントエコーを施工し、臨床的にシャントPTAが成功した22症例  「検討項目」上腕動脈の血流量、RI値、また狭窄部のBモード上の最大狭窄率を測定し、シャントPTA前後で比較し相関関係を検討した。 「使用超音波診断装置」GE社製 LOGIC7 「結果」シャントPTA後ではほぼ全例で上腕動脈の血流量、RI値の改善が見られたが、症例によっては改善が見られない例もあった、改善の程度は血流量で200~300ml/minの増加、RI値は0.05~0.1の低下が見られた症例が多かった。またPTA前後の血流の増加量とRI値の低下量には相関関係は見られなかった。上腕動脈の血流量に改善が見られなかった症例は、シャントPTA後のシャントエコーを行った際に、血栓により閉塞していた例とシャントPTAを行うことにより本幹に血流が流れるようになったが、側枝が細くなった症例であった。最大狭窄率の改善は全例で見られ、20~30%の改善が見られる症例が多かった。 「結語」シャントPTA前後にシャントエコーを施工することで、シャントの形態的評価に加え、機能的評価も行えるためシャントPTA前後の経過観察に有用であると思われた。
  • 西田 和代, 古野 由香里, 武村 理津子, 小野 道広, 甲斐 俊一, 藤富 豊
    セッションID: 1D-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    超音波画像上、悪性と鑑別困難であった線維腺腫の検討 西田和代・古野由香里・武村理津子・小野道広・甲斐俊一 鶴見病院臨床検査科 【はじめに】 乳腺超音波診断において、線維腺腫の中に悪性と鑑別が非常に困難な症例があるのは周知の通りである。今回、組織診断で線維腺腫と確定診断された、これらの症例について超音波所見における特徴の検討を行ったので報告する。 【対象】 2008年4月~2011年3月に超音波検査を施行した3,378例中、線維腺腫と診断された554例の中で、特に悪性と鑑別が困難だった8症例を対象とした。 【方法】 ALOKA社製ProSoundα5、SSD-1000を使用し、超音波所見上、腫瘤の形状・境界部・内部エコー・エコーレベル・高エコースポット・後方エコー・外側陰影・乳腺境界線断裂の有無をretro spectiveに検討した。 【結果】 形状は7例(88%)が不整形であった。境界部は明瞭塑造が6例(75%)、不明瞭が2例であった。内部エコーは不均一が6例(75%)で、この6例全例に、腫瘤内部に複数個の部屋があるイメージの隔壁ともとれる像を認めた。エコーレベルは、極低エコーが6例(75%)で、低エコーが2例であった。高エコースポット及び外側陰影は各1例(13%)に認めた。乳腺境界線断裂は全例に認めなかった。 【結語】 超音波検査で、悪性を否定できれば、更なる精密検査を回避でき患者さんの苦痛を減らす一助となる。良悪鑑別困難な線維腺腫の特徴の検討結果を今後の課題を含め報告する。
  • 椎野 翔, 和田 真弘, 松田 睦史, 田中 俊道, 迫 裕之, 杉浦 功一, 池田 謙, 奥澤 星二郎, 林 雄一郎, 小倉 重人
    セッションID: 1D-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    男性乳癌は全乳癌の1%以下であり,さらに男性乳房Paget病は全乳癌の約0.5%ときわめて稀な疾患である.また近年センチネルリンパ節生検が一般臨床に急速に普及してきた.今回われわれは男性乳房Paget病の症例に対して,センチネルリンパ節生検により腋窩リンパ節郭清を省略し得た症例を経験したので,若干の文献的考察を含めて報告する.
    症例は77歳,男性.左乳頭および乳輪部の発赤,びらんを主訴に当院皮膚科を受診した.乳頭部の皮膚生検を施行したところ,乳房Paget病の診断にて当科を紹介受診された.理学所見上,左乳頭部ならびに乳輪部に発赤,びらんを認めた.腋窩リンパ節は触知しなかった.画像検査所見として乳腺超音波検査では左乳房E領域に大きさ8×7mm,境界がやや不明瞭な不整形の低エコー領域を認めた.以上より,臨床的に腋窩リンパ節転移陰性であることより,単純乳房切除+センチネルリンパ節生検(併用法)を選択した.手術所見ではセンチネルリンパ節生検で3個のセンチネルリンパ節を同定でき,いずれも転移陰性であったため腋窩リンパ節郭清を省略し得た.現在,術後補助療法は行わず経過観察中であるが,無再発生存中である.
  • 佐野 仁哉, 小森 充嗣, 西尾 公利, 熊澤 伊和生, 立花 進, 土屋 十次
    セッションID: 1D-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    CT装置の機能向上に伴い、他疾患検索中のCTで偶然発見される乳癌の報告が散見されるようになってきた。当院でも2009年12月から認定技師(マンモグラフィー検診精度管理中央委員会認定放射線技師)5名を中心に胸部CT撮影時に注意深く読影するようにしたところ1年間で5例の乳癌、3例の良性腫瘍(線維腺腫)が発見された。同時期に女性患者の胸部CT数は1680件であり乳癌発見率は0.3%であった。症例は平均76才(62~88才)で契機となった原疾患は、脳梗塞2例、腸閉塞1例、肺炎1例、気胸術後経過観察中1例であった。腫瘍径は平均26.8mm(12~61mm)で全例触知可能で、マンモグラフィーではカテゴリー5の所見を認めた。腫瘍占拠部位は、A領域2例、C領域1例、D領域2例、手術は乳房温存が2例、乳房切除が3例、組織型は、乳頭腺管癌4例、硬癌1例、腋窩リンパ節転移陽性は3例であった。高齢者は脂肪性乳腺が多く、また、乳癌検診受診率が低いため、胸腹部CT撮影時、肺野だけでなく胸壁にも注意深く読影すると、一定の確率で乳癌が発見される可能性があると思われた。
  • 川井 麻衣子, 福島 幸司, 白井 正広, 邑楽 稔, 今井 厚, 風間 暁男, 岡本 英明, 篠 美和, 河野 悟, 高野 靖悟
    セッションID: 1D-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【はじめに】乳癌罹患率の増加や検診の普及、マンモグラフィー等の画像診断精度の向上により、乳腺穿刺吸引細胞診件数は年々増加している。針生検と比較しても低侵襲性・低コストであるため反復して検査することができ、病変の推定診断や経過観察の手段として有意義な検査である。術前に化学療法を施行する場合もあり、迅速かつ正確な診断が求められているが、乳頭状病変や細胞採取量が少ない検体では診断に苦慮することも多い。今回我々は、乳腺穿刺吸引細胞診において鑑別困難と判定した細胞像と組織像を比較し、良悪性の診断に重要と考えられる細胞所見を検討したので報告する。 【対象と方法】当院において2007年9月から2011年5月の間に提出された乳腺穿刺吸引細胞診875件を判定別に集計し、鑑別困難症例について細胞所見の検討を行った。 【結果】判定別の内訳は、検体不適正334件、正常あるいは良性375件、鑑別困難70件、悪性の疑い18件、悪性86件であった。鑑別困難と診断した細胞所見としては、(1)細胞変性や壊死が強いもの、(2)異型細胞が少数、(3)細胞異型が弱い、(4)細胞量が豊富で増殖性病変が疑われるが、筋上皮細胞との二相性を認めるなどがあった。 【まとめ】乳腺穿刺吸引細胞診875件中、鑑別困難と判定した症例は70件(8.0%)であった。また、検体不適正334件を除いた541件中では12.9%であった。組織診断で確定した55例の内訳は、良性25例、悪性29例であった。鑑別困難と診断する場合、できるだけ臨床側に鑑別困難となった理由や再検査の必要性などのコメントを付記することが重要である。さらに、診断精度を上げるためには質の良い標本作製が求められ、細胞を採取する臨床医との連携も重要であると考える。
  • 田村 裕恵, 石井 貴裕, 島 千尋, 塩崎 正樹, 宮川 正明, 及川 賢輔, 櫻井 宏治, 赤羽 弘充, 小松 良一, 常山 聡
    セッションID: 1D-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    乳腺病変に対する細胞診の重要性は高く、臨床医の要望に応えるためには、常に細胞診と組織診断結果の対比、不一致例に対する分析が必要である。
    今回われわれは、当院における過去5年間の乳腺穿刺吸引細胞診に対し、組織診断を確認し、対比を中心に検討したので報告する。
    対象は2007年1月より2011年5月までの、当院外科における乳腺穿刺吸引細胞診施行症例のうち、組織診断確定症例351例とした。細胞判定は検体不適性(判定不能)、正常あるいは良性(クラス_I_、_II_、_II_r)、鑑別困難(クラス_III_)、悪性の疑い(クラス_III_b、_IV_)、悪性(クラス_V_)に分類し、その組織診断を確認、再検討した。同一症例で、組織診ないし細胞診検査が数回にわたり施行されている場合には、高い細胞及び組織判定を採用した。
    生検組織診ないし、手術材料において組織診断が確定している症例は351例で、そのうち検体不適性24例(6.9%)、正常あるいは良性84例(23.9%)、鑑別困難23例(6.6%)、悪性疑い27例(7.6%)、悪性193例(55.0%)であった。
    細胞診で検体不適正と判定した症例24例中3例(全体の0.9%)が悪性であったが、そのうちの一例は同時に針生検が施行され、悪性が確定していた。正常あるいは良性で、組織診断と不一致であった症例は86例中15例(全体の4.3%)であり、硬癌、小葉癌、上皮内癌(DCIS)などが多かった。悪性疑いとした27例中2例(全体の0.6%)が良性病変で、乳頭腫、線維腺腫であった。悪性と判定した193例中、1例のみ同時に施行された生検組織診において悪性所見を認めなかったが、エコーなどの画像所見などで悪性が疑われ、地元他院での加療を希望した症例であった。その他の192例については全て組織診においても悪性であった。
  • 西尾 公利, 土屋 十次, 立花 進, 熊澤 伊和生, 小森 充嗣, 佐野 仁哉
    セッションID: 1D-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    近年腹腔鏡手術の適応分野が拡大しつつある。今回我々は、緊急腹腔鏡観察が有用であった鈍的外傷による小腸穿孔の1例を経験したので報告する。症例は65才男性。作業中に長さ40×4cmの木の角材が上腹部にあたり、腹痛を認めたため救急車で来院。腹部CT上、腹腔内遊離ガス像や腹水など認めなかったため、経過観察入院となった。入院時血液検査上、白血球の上昇(WBC14000/μl CRP 0.17mg/dl)を認める以外、異常所見は認めなかった。腹痛が徐々に増強し、腹膜刺激症状を認めたため、来院4時間後に、腹腔鏡下にて腹腔内を観察した。Treitz靱帯から90cm肛門側の空腸の腸管膜対側に直径8mmの穿孔部を認めた(日本外傷学会の損傷分類:_II_a型)。他の小腸や臓器には損傷は認めなかった。上腹部正中の約4cmの小切開から穿孔部を単純閉鎖し、約5lの温生食で洗浄しドレーンを1本留置し手術を終了した。術後経過良好で、術後10日目に退院した。腹部外傷後の腸管損傷に対して、事故後早期で循環動態が安定していれば、腹腔鏡手術が低侵襲であり有用であると思われた。
  • 砂原 聡, 立石 順久, 井坂 茂夫
    セッションID: 1D-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    当院は,昨年度まで幸手総合病院として主に亜急性期を中心とした地域医療を担っていたが,施設老朽化の問題や急性期の高度医療を担う地域中核病院を目指すために,本年4月に埼玉県北東部に位置する久喜市に久喜総合病院として移転開院した.当院がおかれる利根医療圏は,埼玉県北東部の6市3町から成り,総人口は67万人を超えるが,3次救急医療施設が存在せず,また,小児救急疾患に対応できる施設が少ない.さらに,夜間・休日は検査ができないなどの理由で救急搬送を受け入れない2次救急指定病院が多数存在することなどから,域外搬送率が高いことが問題となっていた. H22年の統計では,域内で発生した救急搬送総件数20,794件に対し,5,253件(25.3%)が域外搬送となっている.このような現状を打開するべく,当院では救急医療の強化を目標の一つに掲げ,開院と同時に救急専従医2名で新たに救急・集中治療科を立ち上げた.平日日勤帯の救急搬送は,基本的に2名の救急専属医で対応し,当直帯・休日も約半分は救急専従医が救急対応にあたる.また,各科で待機医師を設定し,必要時は常にコンサルトできる体制としている.しかし,小児科や精神科の医師が不在であることや,夜間や休日に全身麻酔の手術が施行できない時間帯が存在してしまうことが開院当初からの懸念材料であった.このような体制で,救急要請応需率100%を目指しスタートした.開院から2か月で,当院への救急搬送件数は約300件/月と,昨年度のデータを参考にすると域外搬送の相当数をカバーできると考えられる.しかし,2次救急患者の集中や,亜急性期へ移行した患者の受け入れ先がなく新たな救急患者を受け入れることができないなど,問題点もいくつか浮上した.これらの問題点と,当院がおかれる医療圏の特徴を照らし合わせ,当院がどのような形で救急医療を担っていくのが望ましいのかを考察する.
  • -当院ICLSチームの経験
    小森 龍宏, 大塚 慎一, 遠藤 義利, 岩崎 昭徳, 佐藤 留美子, 笠野 ルミ, 渡邉 佳絵, 田村 真希, 金子 佳代, 栗崎 裕子
    セッションID: 1D-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    背景:突然の心停止に陥った傷病者の救命には、迅速な心肺蘇生(CPR)が決定的に重要であるが、その普及は不十分で、医療従事者による一般市民への指導はほとんど行われていない。
     方法:当院では医師以下職種横断的に構成されるICLSチームが組織され、院内および関連施設の職員にCPR普及のためのoff the job training courseを行っている。メンバーはCPRの手技と成人教育法を学び、インストラクター等の役割でコースを支えている。今回ICLSチーム内に一般市民向け心肺蘇生コース(以下一般市民コース)のプロジェクトチームを立ち上げ、コースを企画、実践した。
    結果:実際に院外心停止に陥り社会復帰した患者やその家族、計9名を対象に、平成22年10月16日、当院で一般市民コースを開催した。シンプルで実践性の高い内容となるように、人工呼吸を省略し胸骨圧迫のみを行ういわゆるhands-only CPR の手技と、AEDの使用方法を約2時間かけて指導した。学習効果を高めるため、オリジナルDVDを作成し、その手技を真似てもらうpractice while watchingの手法をとった。受講者2名に1体のマネキンとAED、1名のインストラクターを充てた。コース後のアンケートでは、全受講者がコース内容を理解できたと答え、受けてよかった、自信が持てた、次回も参加したいという意見が聞かれた。
    考察:院外心停止の救命率を高めるには、一般市民をCPR普及のターゲットとすべきである。経験あるインストラクターにより、工夫されたプログラムで、問題意識の高い受講生を対象にしてゆけば、一般市民コースは十分成果を挙げうると思われた。
  • 災害時アクションカードによる動き
    住田 知隆, 坪内 宏樹, 飯田 月美, 伊藤 恵美, 福永 夕子, 志水 貴之, 安井 一正, 前田 和亮
    セッションID: 1D-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
    数年前より、東海地震、東南海地震など、大規模な地震が発生する可能性があるといわれ、震災による大きな被害が懸念される。
    また、当院は地域密着病院であり、地域の基幹病院として医療と災害拠点病院(地域災害医療センター)の機能を担っているため、被災直後より被災患者や不安な患者が殺到すると思われ、当然、パニックになると思われる。
    【放射線技師の災害時の行動は?】
    放射線技師が災害時にどのような行動、対応を取ればよいのか、何が必要なのかを考えた。
    災害が起こった場合、我々放射線技師も医療をになう一員として災害医療に貢献しなければならない。それは、本来業務以外にも、患者受け入れ準備、各種連絡業務、トリアージや初期治療の手伝いなどを行わなければならない。
    これらの役割を果たすためには平素から、その施設の防災計画に参画し、災害対応手順を周知しておくことや初期救命処置をマスターしておくことなどが必要と思われる。
    【アクションカード】
    災害時は、人の思考力・判断力は平常時に比べて格段に落ちます。そのため、事前に災害時アクションカードや災害対策本部設置のアクションカード作成が重要となる。
    そこで当院は、病院全体で1時間以内に受け入れ態勢を整える「カード」の作成を行いました。これは、災害発生時に具体的な行動を示す指針となるものであり、事前に作成することで防災意識を高め、災害時には様々な場面で的確に対応するための助けとなる。
    「カード」は医師、看護師、コ・メディカルから事務員まで想定されたすべての役割に対して作成されており、緊急時に働くことのできる人はすべてその場で「カード」を配布され、「カード」の指示に従って行動することになる。

    そこで今回、当院の災害対策委員会で作成した、アクションカードの放射線技師の行動について報告する。
  • 木佐貫 美穂, 吉留 厚子
    セッションID: 1D-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    研究目的 鹿児島県の災害の現状と、奄美大島で発生した豪雨災害における看護の実際と今後の災害看護について検討することを目的とする。 研究方法 鹿児島県の平成以降の災害の情報、DMAT、災害拠点病院の取り組みを県庁広報より収集し、平成22年10月20日の奄美地方豪雨災害における医療活動については鹿児島赤十字病院のホームページ及び鹿児島赤十字病院から救護班看護師2名に聴取した。 結果 鹿児島県は台風や大雨などの災害は6~9月に災害が集中していた。人的被害が少ない災害でも、住居が全壊・半壊・床上浸水・床下浸水などにあった世帯数が多かった。鹿児島のDMATは7施設であるが、20名以上の死者被害が出ないと出動要請ができないため、鹿児島県では現在まで出動したことはない。奄美地方の豪雨災害でも死者数は2名だったので、DMATは要請されなかった。鹿児島赤十字病院は医師、看護師等の構成する医療救護班を派遣した。第1班は被災地現状や医療のニーズに関する情報収集を行い、第2版は巡回診療の救護活動を行なった。巡回診療を行って住民の話を聴き、被災者の不安の除去に努めた。母親たちからは、子どもの赤ちゃん返りが心配だと相談があった。救護班の看護師は、子どもに対する心のケアの重要性を実感した。 考察 被災早期より子ども達のストレスを軽減する必要があり、被災直後の救護活動においてメンタルケアの専門スタッフを派遣する必要あると考える。災害3日目の派遣であったので緊急を要しない状況ではあったが、医療スタッフが十分ではなかったため医療活動を行なう上で看護師は自己判断を求められることもあった。今後、災害時において緊急を要する場合には、医師の指示なく医療行為を求められる可能性もあるため、現在の看護行為以上の医療行為が今後必要になるとも考えられ、事前にプロトコールを作成することが課題であると考える。
  • 櫻井 香織
    セッションID: 1D-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    <はじめに>3月11日に東日本大震災が発生し、三重県は医療支援として岩手県陸前高田市米崎地区へ3月18日より医療救護班を派遣している。医療救護班の一員として薬剤師も活動しているが、災害派遣の経験がある薬剤師は少なく戸惑う事も多くあった。今回の経験(派遣期間;4/28-5/3;実働4日間)を今後の災害時に生かせるよう支援活動について報告する。
    <被害状況>(陸前高田市)総人口:24,246人、死亡者933人、行方不明者805人
    総世帯数:8,068世帯、被災世帯数:3,845世帯(4月25日現在)
    <活動内容>岩手県立高田病院は地域で中核を担う病院であったが被災にて機能を失い、米崎コミュニティーセンターを仮設診療所として開設した。現在、高田病院の職員は陸前高田市の米崎地区を始め、すべての地区の保健医療の情報を集約し指揮をとることを主な仕事としているため、仮設診療所は三重県医療救護班が中心となり、外来診療を行っている。三重県の薬剤師は、当初主に調剤業務に携わっていた。しかし、4月4日より調剤薬局が仮設診療所内に開設され、院外処方へと移行し、診療所内での調剤業務が終了したため、4月5日以降、診察前に患者の服用薬等の情報を収集し、医師への処方支援を行っている。
    <まとめ>診療内容は、慢性疾患患者の診察ならびに投薬の希望が多かった。しかし、過去の診療録はなく、また医療救護班として派遣された医師の中には慢性疾患が専門外である医師も多い。そこで、記録がない中、患者への聴取にて過去の薬剤情報を収集できるのは薬剤師であり、まず診察前に介入し医師への処方支援を行うことは診療を円滑に進める事にも繋がり、薬剤師としての大きな役割を感じられた。業務内容は日々の経過と共に変化するが、薬剤師の任務は継続して期待されているという今回の貴重な体験をもとに、今後の災害時支援活動についても考えていきたい。
  • 渡部 誠一, 渡辺 章充, 黒澤 信行
    セッションID: 1D-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【緒言】当院の経験と茨城県内の病院小児科の状況を中心に、大震災発生からの2.5ヶ月間を振り返り、大震災時の小児医療について考察する。
    【発生後1週間まで】震災発生直後、建物崩壊を怖れ、多くの病院が入院患者をホールあるいは駐車場へ避難誘導し、2時間ほどで院内へ戻した。茨城県内の小児が入院する病院25のうち2つで一部の病棟が使用不能となった。小児が入院する病院は沿岸にはなく、津波の影響は少なかった。建造物点検、電気・重油・水の不足、交通遮断による物流麻痺、余震による危険回避のため、多くの病院で予定手術・予定入院・一部の予定外来を1週間中止した。在宅人工呼吸児の全員が緊急入院した。救急告示病院の被災情報を県が毎日集計報告したが、小児医療の情報は少なく、小児科医会MLで情報を収集した。
    【1週間~1カ月】1~2週間で鉄道・道路が復旧した。断水・ガソリン不足で、ウイルス性腸炎の流行、および来院の遅れ(脱水進行)があった。繰り返し放映される津波映像の子どもの心への影響を懸念し、小児科学会を通じて抗議した。診療所機能は、設備をあまり要さず、停電・水不足でも中断せず行い得た。4月の勤務医の異動時期に当たり、病院は診療・教育の負担が増した。
    【1カ月以降現在まで】乳幼児健診・予防接種・学校検診・子どもの心のケアなどの小児保健事業が再開された。茨城県では、県北部および磐城共立病院(日本小児科学会・小児救急医学会から派遣)の支援を始めた。避難所支援も行なった。福島県に隣接するため、被ばく問題も大きい。2カ月後の5月15日に県小児科医会総会で県内の情報共有を行った。
    【考察】病院小児科機能の復旧には、交通・物流の回復、情報網の改善、電気・重油・水の安定供給、人事異動の延期、などが必要と考える。救急告示病院の被災情報は、今後は、小児科、産科、精神科など分野別の情報収集も必要と思われる。
  • 加藤 順子, 伊藤 綾子, 太田 俊治, 友影 龍郎, 山際 三郎
    セッションID: 1D-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    [緒言] 近年、医療技術の進歩により開腹手術自体が減少していく中、周産期医療においては出産年齢の高齢化、安全性をより重要視する現代社会での広がる産科的適応によって帝王切開は年々増加している。帝王切開術は肺塞栓症のリスクも高く、授乳の点からも早期離床が促される一方、患者は術創部の痛みに加えて子宮収縮痛にも悩まされる。しかし産科や麻酔科の深刻な医師不足が叫ばれる地方の医療現場では、より快適に出産を迎えたいという妊婦のニーズに細やかに応えることが難しいといったジレンマを抱えている。
    [目的] 帝王切開術は施設によって様々な麻酔方法で実施されているが、今回手技が簡便で効果も確実な脊髄くも膜下麻酔に微量のオピオイドを加えることで良好な鎮痛効果が得られる報告をもとにその有効性と安全性について検討する。
    [方法] 脊髄くも膜下麻酔で帝王切開術を受けた患者(胎児機能不全症例を除く)57名のうち、局所麻酔薬(0.5%高比重マーカイン)のみのA群(n=39)と局所麻酔薬に塩酸モルヒネ100μgとフェンタニル10μgを併用したB群(n=18)で、麻酔後血圧低下に対する昇圧剤(エフェドリン)の使用量、術中の悪心発現の有無、術後の鎮痛剤の使用回数、出生児のApgarスコアについて比較検討した。
    [結果] A群に比べB群では昇圧剤の使用量が有意に少なく(10.5±1.7mg vs 3.1±2.5mg, p=0.0175)、術中悪心の発現も低かった(p=0.0129)。術後1日目までの鎮痛剤の使用回数を有意に減らすことができ(2.5±0.2回 vs 0.7±0.2回, p<0.001)、早期離床が可能となった。また出生児のApgarスコアには有意差を認めなかった(p=0.3368)。
    [結語] 帝王切開術におけるオピオイド添加くも膜下麻酔によって質の良い安全な周術期管理が可能となり、母子愛着形成の促進にも貢献することができると思われた。
  • 清水 敏夫, 金本 淳, 宮川 恭一, 本道 隆明, 加藤 清, 武田 哲, 渡邉 貴之, 西村 良平, 木村 薫
    セッションID: 1D-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
     少子化対策の一環として、子どもに恵まれない夫婦が体外受精を受ける際に、治療費の一部が助成される特定不妊治療費助成事業(以下、特定治療)が実施されている。当院で実施している体外受精の際に、特定治療で治療を受ける患者が多くなってきている。当院の実態を集計するとともに若干の考察を加えて報告する。
    対象:当院を受診し、市町村への助成申請が把握できた平成19年~22年までの受診者。平成19年以前や、当院で把握できなかった申請は除外している。
    方法:年度別に対象者の人数、治療周期数、年齢、妊娠率、流産率、出生数、生児獲得率などの成績を集計した。
    結果:特定治療の対象者は年々増加し、昨年の平成22年には124人、175治療周期数となった。これは、22年度に当院で実施した体外受精の人数で66%、治療周期で55%に相当する。年齢は35.5±4.2~36.6±4.3歳。妊娠率は18~28%であり、生児獲得率(対象者が年内に出生児を得た比率)は14~20%であった。
    考察:特定治療は、平成18年より全ての都道府県で実施されているが、過去4年の推移をみても同事業の利用が急速に普及してきている。平成22年には利用者数で2/3、治療周期で過半数を占めている。生児獲得では、14~20%とやや低いものの、確実に成果を上げている。
     今後の課題として、不妊治療全般と同様に、特定治療でも受診者の高年齢化と成功率のアップがあげられる。高年齢化では、40歳以上の受診者が13~27%と多くを占め、更に年々受診比率が高くなってきている。妊娠率が急速に低下する40歳までに出産するように、教育・相談活動を更に勧めることが重要と思われる。また、成功率に関しては、凍結保存胚の融解胚移植で高い妊娠率が得られることから、平成22年中途より全胚凍結を実施した。妊娠率は良くなったが、流産の比率が高くなっており、30%の生児獲得率を目標に更なる改善が望まれる。
  • 加藤 順子, 伊藤 綾子, 太田 俊治, 友影 龍郎, 山際 三郎
    セッションID: 1D-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    急速に進む高齢化社会と医学の進歩により患者の視点に立ったQOL(Quality of Life:生活の質)の改善があらゆる分野において求められている。加齢や過去の分娩が要因の一つといわれる骨盤臓器脱や尿失禁によって仕事・家事・外出などに不自由を強いられ、ひそかに悩み苦しんでいる女性は少なくない。
    子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱に対しては保存的治療として従来よりリングペッサリーの膣内挿入が挙げられるが出血・帯下増加などの膣炎の発生や患者にとっても先の見えない外来通院など問題点も多い。また手術治療としては一般的に膣式子宮全摘+膣壁形成術または膣閉鎖術などが行われていたが、患者の多くは合併症を多く持つリスクの高い高齢者であること、再発率などの点から敬遠されることも少なからずあった。
    2004年にフランスで考案されたTVM(tension-free vaginal mesh)手術とはポリプロピレンメッシュを使用した骨盤底を再建する新しい手術方法である。低侵襲かつ低い再発率といった根治性の高い手術として現在では世界中で普及しており、ウロギネコロジー(女性泌尿器科)という新たな分野も確立されている。
    日本でも2010年4月より診療報酬が改訂され、泌尿器科医、婦人科医によって取り入れる施設が徐々に増えてきているが、ブラインド操作の多い術式の技術習得の難しさや合併症対策など歴史が浅いゆえの問題点も多い。
    当院では国内の専門施設で手術トレーニングを積み、2009年よりTVM手術を導入している。子宮を摘出せず短い入院期間で治療を受けた患者の満足度は高く、現在まで再発例や重篤な合併症なども認めていない。TVM手術を導入するまでの道のりと当院での手術成績、合併症などを報告する。
  • 高橋 博之
    セッションID: 1D-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    Cetuximab治療中患者に発症した、非定型的皮膚障害を経験した。症例1、42歳、男。術後化学療法するも腫瘍マーカー上昇ならびに肺転移の増悪のためCetuxikmab投与開始。その後、右下肢の発赤と腫脹、発熱が出現。蜂窩織炎の診断で入院となるも増悪し、壊死性筋膜炎を疑われた。症例2、55歳、女。直腸癌の多発転移あり、術後化学療法に抵抗性なためCetuximab投与開始。定型的皮疹治療のため当科外来通院中であったが、顔面の皮疹の増悪のため当科入院。最終的に顔面の非定型カンジダ症と診断。両患者とも偶発的に合併した皮膚障害と考えたが、基礎には現病治療による免疫抑制があり、ざ瘡や皮脂欠乏症などの定型疹のみならず想定外の皮膚障害が稀ながら合併する可能性につき注意が必要と思われた。
  • 佐藤 裕, 西村 宗功, 大平 明範, 矢部 雅哉, 佐藤 雅仁, 城 茂治
    セッションID: 1D-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに: 障害者歯科の対象患者は、歯科診療を行うにあたり特別な配慮や知識をもって対応することが必要な方々であり、障害者基本法に規定される障害者のみが対象ではない。この点は行政の考える対象と大きく隔たりがある。そこで障害者歯科診療の現況を明らかにすることを目的とし、統計的観察を行った。 対象と方法: 対象は雄勝中央病院口腔医療センターで、平成22年度1年間に全身麻酔など特別な管理のもとに診療した障害者歯科患者とした。方法は麻酔台帳をもとに患者数、症例数、年齢、障害ならびに合併疾患の種類について調査した 結果: 患者数127名症例数255例であった。障害は精神発達遅滞が最も多く41名であった。また高血圧症、脳梗塞の既往を有する患者と歯科治療恐怖症を有する患者が多いのが特徴的であった。
  • ?臺式簡易客観的精神指標(UBOM4)を含む複数の尺度による評価を通して?
    棯木 雄史, 赤井 理明, 後藤 大介, 田口 文恵, 半谷 弘美
    セッションID: 1D-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【問題と目的】 慢性の統合失調症患者は、健康な方に比べて感情表現が上手にできないことや、自信を無くしていることが多くある。本研究では、慢性の統合失調症入院患者を対象に、感情表現の豊かさ及び生活していく上での自信改善に焦点をあてたレクリエーション療法を実施し、その効果を検討することを目的とした。 【方法】 慢性の統合失調症入院患者7名を対象とし、X年5月中旬から9月末にかけて、1週間に2回のレクリエーション療法(1回は料理、もう1回は貼り絵ないし塗りえ)を実施した。その効果を、臺式簡易客観的精神指標(UBOM4)、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、抗精神病薬治療下主観的ウェルビーイング評価尺度短縮版の日本語版(SWNS-J)、精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)を用いて、定期的に評価した。分析対象は4名(男性1名、女性3名)とした。 【結果と考察】 UBOM4の物差し落としによる単純反応時間(RCT)は4名中3名において、療法後に改善がみられた。PANSSの陰性尺度では4名とも改善がみられた。SWNS-Jの総得点では、4名とも改善がみられた。LASMIの日常生活尺度(D)、対人関係尺度(I)、労働または課題の遂行尺度(W)では4名中3名、自己認識(R)では4名ともに改善が認められた。これらの結果から、レクリエーション療法により、慢性の統合失調症入院患者の感情表現が豊かになること、生活していく上での自信が高まることが示唆された。
  • 岡野 明子, 服部 晃, 田邉 直仁, 岩田 文英
    セッションID: 1D-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    第59回の本学会で佐渡地域のターミナルケアに関するアンケート調査を報告しました。今回はさらに性差・職種・世代間のターミナルケアにたいしての意識差の解析をしましたので報告します。19の質問事項について2~6の回答肢を設けターミナルをめぐる意識の年代層の特徴、男女の差、職種や職種内性差(以下職内)、世代(青年・壮年・老年期)の差を検討しました。全体で1832回答、男女比は0.46と女性が多く年齢は10代から70代以上に分けた。職業は、医療・福祉関係(以下医福)が43.8%、その他一般(会社員、公務員、教員、宗教家、主婦他)は45.3%である。なお医福グル―プは直接の医療関係者のみならず事務その他の関係者を多く含み、学生は高校生、専門学校生、その他の学生で9.9%である。年齢的には一部青年世代もいるが、学生という身分兼年令層にまとめた。就職層は青年(20~30代)、壮年(40~50代)、老年(60代以上)の期に分けた。 結果:宗教については日常生活で“関心を持つ”は10代でやや高く、20代でやや低いが、その後年齢とともに上昇しており、男性に高く職差は学生<医福=一般であり、職内性差はない。世代内性差では医福の老年期で男が高くなった。死についての設問では考えたことが“ある、真剣にある”は年齢とともに上昇し、全体として女性に高く学生<医福=一般でした。 ターミナルケアについては“よく知っている”は世代別では凸型パターンで女性に高く、職差があり学生=一般<医福でした。癌の告知については“当然である(希望する)”が男女とも凹型パターンであった。最後の場所をどこで迎えるかの設問では世代が進むと自宅が減り、“病院・診療所”や“ホスピス”、あるいは“家族にまかせる”が増える。考案:自己への告知には積極的で、家族への告知に関しては慎重・懐疑的である。さまざまな経験、見聞を通じた結果とも考えられました。
  • 谷岡 利朗, 高橋 昌宏, 渡会 博志, 山上 英樹, 川村 秀樹, 秦 庸壮, 益子 博幸, 石津 寛之, 岡田 邦明, 安達 武彦
    セッションID: 1D-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに>根治切除が不可能であっても、患者のQOL改善を目的に外科治療が行われる事がある。消化器癌術後の腹膜播種によって腸閉塞を生じた3症例に対して、QOLの改善を目的に人工肛門造設術を施行した。<症例1>62歳、女性。横行結腸癌に対して2007年7月に結腸右半切除術を施行し、術後病理はpSI(大網), pN1, cM0, pStage IIIaであった。術後補助化学療法を行うも2008年5月に卵巣転移を認め、6月に子宮両付属器切除術を施行した。その後も化学療法を続けるが腹膜播種が増悪し、2010年10月に直腸狭窄に伴う腸閉塞を発症したため、11月に横行結腸人工肛門造設術を施行した。術後より経口摂取を開始し、術後31日目に退院とした。術後約6ヶ月が経過し、生存中である。<症例2>59歳女性。胃癌に対して2008年3月に幽門側胃切除術を施し、術後病理はpT4(腹壁), pN1, pP1, CY1, cM0, pStage IVであった。術後より化学療法を行うも腹膜播種が増悪し、2010年11月に横行結腸狭窄に伴う腸閉塞を発症したため、12月に回腸人工肛門造設術を施行した。術後より経口摂取を開始し、術後26日目に退院とした。術後約5ヶ月が経過し、生存中である。<症例3>64歳、女性。胃癌に対して2010年5月に胃全摘術を施行し、術後病理はpT4a, pN3, pM1(腹膜), CY1, pStage IVであった。術後より化学療法を行うも腹膜播種が増悪し、2011年2月に横行結腸狭窄と直腸狭窄に伴う腸閉塞を発症したため、3月に回腸人工肛門造設術を施行した。術後より経口摂取を開始し、術後23日目に退院とした。術後約2ヶ月が経過し、生存中である。<考察>3症例とも術後は順調に経口摂取可能となり、自宅での生活が可能となった。術後1ヶ月の血清アルブミン値は術前より改善していた。全身状態が許せば、消化器癌の終末期における人工肛門造設術も緩和医療の選択肢の1つとなり得ると考える。
  • ~看護師自身が身内の死に直面して~
    中村 ルツ子, 磯貝 知亜美, 小林 みさ江
    セッションID: 1D-21
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
     先行研究では家族に対してエンゼルケアへの思いを知る研究は少ない。そこで、患者家族との関わりの一番深い看護師が身内の死に直面した際のエンゼルケアをどのようにとらえているのかを明らかにするため本研究に取り組んだ。
    研究方法
     A病院に勤務している看護師208名に独自で作成した質問用紙を配布し、選択式と一部自記式にて無記名で調査した。一部をKruskal-Wallis検定し自記式はKJ法にてカテゴリー別に分類し、検討を重ねた。
    倫理的配慮
     本研究は、小諸厚生総合病院看護部倫理委員会の承認を得て行った。
    結果



    図表が入ります。



     図 1.年代別エンゼルケア参加経験の有無
    1.20代・40代と20代・50代を比較すると、参加経験の有無に有意差が認められた。(p<0.05) (図1参照)
    2.参加したケアで多かったものは清拭25.2%更衣20.3%エンゼルメイク15%であった。(複数回答)
    3.一度参加した事がある人のうち、今後も参加したいかについて「参加したい」81%、「参加したくない」7%、無回答12%だった。

    考察
     研究結果から40代、50代は死別の経験が多くなると考えられるため、年齢がケアへの参加の要因になると考えられる。実際に参加したケアとして多かったものは清拭で、次いで更衣、エンゼルメイクであった。一度ケアに参加した経験のある人でも、今後ケアへの参加を希望しない人もいる事が分かった。死を受け入れられないということが理由として考えられる。
    結論
    1.年齢がエンゼルケアへの参加の要因になる。
    2.エンゼルケアに参加しやすいケアは清拭、更衣、エンゼルメイクであった。
    3.一度身内のエンゼルケアに参加した経験のある人でも今後参加を希望しない人もいる。
  • 北島 昌樹, 柿川 房子, 内藤 知佐子
    セッションID: 1D-22
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに:当院は、306床の公的一般総合病院で、がん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)ではないが、高度がん医療の提供を目指してIMRTを導入し、化学療法センターの開設を準備している。2010年4月には、がん看護専門看護師(以下、OCNS)による相談支援センターを設置、次いで同年12月には、がん医療サポートチーム(以下、CCST)を開設した。 方法:対象は、2010年4月~2011年3月まで当院のセンターでOCNSへの相談を受けた患者・家族の相談内容を質的に分析し、さらにCCSTの介入内容も分析して役割について検討した。倫理的配慮として倫理委員会の審査を受け、個人が特定されないように配慮した。 結果:センターにおける相談件数148件(23名)は、複数にわたる相談もあり、介入回数は、2~36回/人であった。主に緩和ケア関連55件、家族関係について42件、治療に関する問題17件、不安や心理的問題14件、スタッフへの問題3件、退院調整3件、訪問看護師からの相談1件等であった。多岐にわたる問題に対して、OCNSは、主治医への相談調整による解決や、看護師へケア方法の提示を行い、医師や看護師等との調整を図った。CCSTの介入した12名では、治療について、不安・心理的な問題、緩和ケア関連が各3名、退院支援が2名等であった。これらの介入回数は、複数回にわたった。他に、拠点病院に通院中の患者や家族の来訪もあった。他院の相談部署に赴かなかった理由として、OCNS等の専門的な者がいなく適切な対応がなされなかったとのことであった。 考察:CCST設立後も内容については、ほぼ同様であったが、よりスムーズな多職種による活動が行えた。組織変化の中での調整役としてOCNSの役割内容の変化はないが、役割比重が高くなった。 結論;がん患者が増加する中で、一般総合病院においても専門的な知識を持つOCNS等の存在が必要である。
  • 鈴木 啓士
    セッションID: 1E-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    東北地方太平洋沖地震の精神的ストレスによるたこつぼ型心筋症から脳梗塞を発症した一例 【背景】 たこつぼ型心筋症は精神的ストレスを契機に発症すると言われており、左室内の血栓形成により血栓塞栓症のリスクとなることも知られている。今回東北地方太平洋沖地震を契機にたこつぼ型心筋症を発症し、さらに脳梗塞を合併した症例を経験したので報告する。 【症例】 84歳 女性 発作性上室性頻拍症にてかかりつけの症例。東北地方太平洋沖地震後より動悸と心窩部不快感を自覚するも消退・出現を繰り返していた。地震発生の3日後に就寝中に再び同症状を自覚し救急搬送となった。心電図上心拍170のnarrow QRS tachycardiaで、V2-5で巨大陰性T波を認めた。アデノシン3リン酸製剤投与にて洞調律に復すも巨大陰性T波は残存、心臓超音波検査で心尖部の無収縮を認めた。以上よりたこつぼ型心筋症と心筋梗塞の鑑別のため冠動脈造影検査を施行するも明らかな狭窄・閉塞病変を認めず、左室造影検査にて心尖部の無収縮と心基部の過収縮を認めたためたこつぼ型心筋症を認めた。この時心尖部血栓を認めたためヘパリンの使用とWarfarinの併用投与を行なうも第7病日に突然の構音障害が出現、頭部MRI検査拡散強調画像にて右頭頂葉の皮質及び両側前頭葉に高信号域を認め、急性脳梗塞と診断した。その後リハビリテーションの開始、抗凝固薬の継続、エダラボンの投与を開始し、構音障害は徐々に改善を認めた。第13病日の心臓超音波検査でも心尖部血栓は消失、局所壁運動の低下も改善しており、第18病日に退院となった。 【結語】 東北地方太平洋沖地震の精神的ストレスによるたこつぼ型心筋症から脳梗塞を発症した一例を経験した。大規模災害発生後はストレスを契機としたたこつぼ型心筋症の発症に留意すべきであり、さらに血栓塞栓症発症が引き続く可能性も考え積極的に抗凝固療法の導入が望ましいと考えた。
  • 棚岡 さやか, 相澤 達, 河村 洋太, 干場 泰成, 堀越 佑一, 伊藤 大起, 杉原 達也, 井関 治和
    セッションID: 1E-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    [背景]甲状腺機能亢進症に合併する心不全の原因としては、頻脈性心不全が多く拡張型心筋様の左室収縮能低下を示す症例の報告は少ない。また拡張型心筋症の原因としての甲状腺機能亢進症は1%未満と稀である。 今回多発性血栓塞栓症を5年後に再発した甲状腺機能亢進症合併拡張型心筋症の1例を報告したので報告する。 [症例]34歳女性。29歳時に甲状腺機能亢進症で心房細動から下肢血栓塞栓症を発症。血栓溶解剤にて保存的に加療された。この際拡張型心筋様の心筋障害を指摘されたが、甲状腺機能亢進症の治療とともに軽快し、服薬終了していた。今回呼吸困難、胸部不快感で当院受診。頻脈製心房細動と心機能低下を伴う、うっ血性心不全の診断で入院。心エコーでLVDd/Ds:54/45 LVEF:28% と左室収縮能低下を認めたが、左房内血栓は認めなかった。入院後ヘパリン点滴と利尿薬、心拍数コントロールで対処していたが、第2病日に突然両側下肢痛発症。下肢動脈エコー、血管造影にて右総腸骨動脈、左浅大腿動脈の血栓塞栓症と診断。Forgartyカテーテルによる血栓除去術施行。この時点でも心腔内血栓は認めなかった。その後ヘパリン、ワーファリンでコントロールしていたが、第10病日に左側腹部痛発症。造影CTにて両側腎動脈血栓塞栓症と診断した。保存的に加療し、その後腎機能の悪化なく第20病日に軽快退院となった。退院時にも心エコー上LVDd/Ds:59/45 LVEF:41%と心機能低下は残存していた。 [考察]今回十分な抗凝固療法にも関わらず、血栓塞栓症を繰り返した原因として、拡張型心筋症様の左室拡大の存在が指摘された。心筋障害の原因としては精査範囲内で甲状腺機能亢進症以外の原因ははっきりせず、甲状腺機能亢進症に伴う拡張型心筋症と考えられ、何度も繰り返す極めて稀な症例と考えられた。
  • 辻山 修司, 佐倉 拓朗, 政田 賢治, 久留島 秀治, 前田 幸治, 藤井 隆
    セッションID: 1E-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    症例は73歳男性.元々高血圧症・糖尿病・高脂血症で近医加療中であった.2008年12月脳塞栓症で当院脳神経外科入院.右内頸動脈狭窄を認めたため頸動脈ステント施行予定となる.術前の冠動脈疾患等心疾患評価及び血圧コントロール目的で2009年3月10日当科紹介受診.MDCT 上右冠動脈,左前下行枝,左回旋枝に高度狭窄病変を認めた.2009年4月1日 CAG 施行,seg2 75%, seg7 90%, seg9 75%, seg12 75% 狭窄を認めた.同日 seg2, seg7, seg12 に対する PCI 施行.2009年4月9日当院脳神経外科で右頸動脈ステント留置術施行された.その後当科及び脳神経外科に通院加療中であった.2009年9月8日施行の follow up CAG 上 seg12 に再狭窄を認め TLR 施行.2009年12月2日施行の follow up CAG 上 seg12 に再狭窄を認め再度 TLR 施行.外来通院中の血圧は cilnidipine 20mg, telmisartan 80mg, trichlormethiazide 1mg 内服下で家庭血圧 130-150/70-90mmHg であった.腎動脈エコー上右腎動脈狭窄が疑われ,MDCT 上右腎動脈に 90% 狭窄を認めた.2010年5月27日右腎動脈ステント留置術施行.その後降圧剤減量し現在 trichlormethiazide 1mg 内服下で家庭血圧 110-130/60-80mmHg と良好なコントロール状態である.当院における腎動脈インターベンションの現状と合わせて報告する.
  • 徳永 毅, 中野 国晃, 川島 朋之, 久保山 修, 服部 英二郎, 湊 志仁, 新谷 周三
    セッションID: 1E-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
     人口の高齢化に伴いペースメーカ治療が必要となる患者数は増加している。当院のペースメーカ管理患者総数は250例を越え、ペースメーカチェックも通常年2回行っているが、高齢や施設入所のため定期的受診が困難となる患者もみられている。一方、昨年4月診療報酬改定により徐脈性不整脈患者の遠隔モニタリング管理加算が認定された。この改訂を機に遠隔モニタリング(RM)を導入し,1年経過したのでその有用性と問題点について報告する。
     RMは自動的にペースメーカと交信し、データを抽出しサーバーへ転送する無線方式のホームモニタリングシステムと患者自身がワンドをペースメーカ部に当てなければならないケアリンク(CL)方式がある。RMでは、ディバイスモニタリングデータ(バッテリーの状態、ペーシング閾値など)と患者モニタリングデータ(心房/心室レート、ペーシングの割合など)を得ることができる。当院において、導入した患者84名で内訳は自宅設置74例、死亡/脱落が10例である。その有用性として1)移動が困難な人でも自宅(入所先)でペースメーカチェックが可能であり、必要な時のみ受診が可能となる。2)Follow up間隔の延長や、追加の外来が必要かの判断ができ、無症候性不整脈やディバイスの異常の早期発見が可能となる。3)ペースメーカ管理指導料に遠隔モニタリング加算が新設され、4ヶ月に1回460点を算定できることなどである。一方問題点として、CLでは固定電話回線が必須で更に患者自身が定期的にワンドを当てなければならならず、使用困難者がみられることである。今後の課題として受診したデータを確認していることをいかに伝えるかなどを検討中である。問題点や改良すべき点はあるが、外来での待ち時間の短縮、パラメータの変化や異常の早期発見、将来は在宅での管理の可能性を有しているなどの有用な面も多く、今後も積極的に導入していく予定である。
  • 大野 善太郎, 安田 憲生, 玉木 英俊, 中村 勝重, 大須賀 健, 岩田 啓之, 鷹津 久登, 田中 孜
    セッションID: 1E-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【症例】64歳女性。
    【既往歴】5年前より関節リウマチの診断あり近医にてフォローされていた。【主訴】背部痛
    【現病歴】来院2~3日前から自制内の腰痛があった。来院当日、呂律障害および意識消失発作あり同日救急搬送された。なお再三の問診にて転倒等による側胸部への打撲の自覚はなかった。
    【入院時現症】収縮期血圧70mmHg 、GCS E3V5M6 右前胸部全体にcoarse cracklesを聴取する。体幹部に小結節の多発を認めた。SpO2=94%(酸素10L/分Mask)
    【入院後経過】入院時胸部X-rayにて右大量胸水を認めた。頭部CT検査にて異常なく、胸部造影CTにてAortic Dissectionの所見はなかった。胸腔穿刺にて胸水は血性であり、胸水LDH=182/血清LDH=151>0.6にてLight’s criteriaよりExudativeと判断された。(胸水ADA=13.2 IU/L)カテコラミン投与にて血圧80mmHgと低値で維持されたが外傷性血胸の可能性もあった為胸部外科手術可能な施設へ転院となった。
    【術中所見】開胸術にて、右奇静脈と上大静脈の合流部に血管腫を認め同部位の破裂による血胸と判断し血管腫除去及び止血術が施行された。
    【考察】本症例は体表面にneurofibromaを認め、虹彩にLisch nodulesを確認しNurofibromatosis-1(NF-1)と診断した。今回の病態は血管腫破綻による血胸およびhypovolemic shockと推測した。Duongらの1226人のNF-1の予後を追跡したCohort研究(Orphanet J of Rare Diseases 2011,6:18)では5.5%と高率な死亡率が記載されているが本症例では適切な救急対応によって幸いにも救命することができた。病理所見を追加して報告する予定である。
  • 小森 充嗣, 土屋 十次, 立花 進, 熊澤 伊和生, 西尾 公利, 佐野 仁哉
    セッションID: 1E-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】胆管癌の術後は補助化学療法にジェムザール(GEM)を使用する機会が多い。今回我々は胆管癌術後にGEM治療施行中に発症した間質性肺炎の一例を経験したので文献的考察を加え報告する【症例】75歳,女性。2型糖尿病にて加療中に高度黄疸を指摘され、当院内科を紹介受診された。超音波および腹部CTにて中下部胆管に腫瘤像を、その肝側の胆管拡張を認めた。胆汁細胞診にてGroupVを指摘され中下部胆管癌(StageII)の診断で膵頭十二指腸切除(modified Child, D2, fStageII)を施行し30PODに退院となった。術後はGEMによる補助化学療法(2週投与1週休薬、800mg/回)を50PODより開始した。2コース終了時には食欲低下を認めるものの、血液検査所見で明らかな炎症所見は認めなかった。2コース終了1週間後に食欲不振、発熱、下痢にて当院を受診され腸炎を疑った。経口摂取が十分に行えず脱水を認め、補液加療のため入院となった(入院時の胸部レントゲンでは明らかな異常陰影認めず)。入院3日目に高熱を伴う急激なSpO2の70%台への低下(70%台、PO2 39.5mmHg, PCO2 33.7mmHg)と胸部CT、レントゲンにて間質性肺炎を認め、従圧式人工呼吸管理、抗生剤併用ステロイドパルス療法を開始した。治療により肺の間質性陰影の改善、P/F ratioは118.7まで上昇を認めた。しかし、発症5日目に肺の線維化による肺コンプライアンス低下が関与したのか、縦隔気腫を発症し酸素化は再度悪化した。全身状態不良であったため応急的に頸部を横切開し縦隔ドレナージを施行した。一時的に気腫は多少の改善を認めたが間質性肺炎は再度増悪し発症10日目呼吸不全にて永眠された。【結語】間質性肺炎は抗癌剤、インターフェロン、抗リウマチ薬、抗不整脈薬など各種の薬剤にて発症することがある。本症例の間質性肺炎はGEMが誘因であるとの証明はし得ないが、今後GEM治療を行うときは十分な肺障害の有無の観察をレントゲン撮影、KL-6、CRPの測定のみならずCT検査も定期的に行う必要があると考えられた。
  • 玉木 英俊, 安田 憲生, 大須賀 健, 大野 善太郎, 岩田 啓之, 鷹津 久登, 田中 孜, 森 良雄
    セッションID: 1E-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    症例は19歳、男性。会社の検診で胸部異常影指摘され、精査目的にて当院受診となった。自覚症状はなかったが、胸部CTにて右上葉に不整形の腫瘤影を認め、若年発症の肺腫瘍の鑑別をすすめるため、気管支鏡検査を施行することとなった。気管支鏡にて観察すると、右上幹を閉塞するように拡がるポリープ状の腫瘤が確認され、外観上は原発性肺癌も考慮すべきものであり、気管支鏡検査での組織生検の結果も、原発性肺癌として矛盾しない所見であると考えられた。種々の検査にて遠隔転移を示唆する所見はなく、手術可能な早期原発性肺癌と診断し、手術的に切除することとなり、右上葉切除術施行した。手術によって摘出された腫瘍の病理所見は、非定型的カルチノイドが第一に考えられるものであった。術後は、外来にて定期的にフォローし再発なく経過しているが、手術標本からは所属リンパ節への腫瘍の転移が確認されており、今後も注意深い経過観察が必要と思われる。カルチノイドは気管支粘膜に存在するKulchisky細胞から発生すると考えられている神経内分泌腫瘍で、全肺腫瘍の0.5~2%と稀な肺腫瘍であり、40歳~50歳代に多くみられるが、進行が緩徐であり高齢での発見もあるとされる。非定型的カルチノイドは、定型的カルチノイドより頻度は少ないものの、リンパ節転移や遠隔転移を伴うこともあり再発・悪性化の可能性も高いとされている。今回、我々は若年発症の肺腫瘍に対して診断・治療をすすめたが、肺腫瘍としては比較的稀である非定型カルチノイドであったという症例を経験した。肺腫瘍の鑑別をすすめていくうえで、肺カルチノイドは念頭に置くべきものであることを改めて認識するに至るとともに、非定型的カルチノイドに関する若干の文献的考察を加えここに報告する。
  • 渡 正伸, 松浦 陽介
    セッションID: 1E-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    緒言】肺癌診療においては、時に原発巣が小さいにも関わらず、すでに全身に進展している極めて進行の速い症例を経験することがある。胸部CT検診が普及する中、小型肺病変に対する正確な診断と対応が求められる。当科で経験した腫瘍径が2cm以下の小型肺癌について検討した。 【症例】2006年1月より2011年4月までの5年4ヶ月間に当科で手術した腫瘍径2cm以下の肺癌117例を対象とした。男性57例、女性61例、平均年齢はそれぞれ69.4歳と67.0歳であった。術前に何らかの病理組織学的診断がなされていた症例は3例で、画像診断による術前病期診断はI期が2例、IV期が1例であった。また術前病理診断が不明であった114例の画像診断による術前病期診断はI、II、III、IV期がそれぞれ、111、1、0、2例であった。術中病理診断で肺癌が確定し、根治術を施行できた症例は113例で、他の4例は診断のみで終わった。術後病理病期はI、II、III、IV期がそれぞれ105、5、4、3例であった。1例が術後肺炎のため在院死した。117例の病理組織は、Ad/104例,Sq/5例,Ad-Sq/2例,LCNEC/3例, Large/2例,Small/1例であった。また、c-I期であった113例中、4例がp-II期に、4例がp-III期にup-stageした。腫瘍径2cm以下の肺癌症例117例において、p-II期以上の進行肺癌が12例(10.3_%_)認められた。一方、p-I期105例のうち、p-IB期(p1)は43例であった。このp-IB期の43例は野口Cが27例、野口D以上が15例、大細胞癌1例であった。小型肺癌病変のほぼすべてが結節病変であったが、他に空洞病変1例、嚢胞病変2例が見られた。現時点までに術後在院死1例の他、3例が肺癌死、1例が再発している。 【考察】小型肺癌117例中、12例(10.3_%_)がp-II期以上の進行肺癌であり、c-I期であった113例中、8例(7.1_%_)に病理病期のup-stageが見られた。またp-IB期(p1)が43例認められ、小型肺癌全症例の36.8_%_を占めた。腫瘍径が2cm以下の小型肺癌でも進行肺癌が混在すること、またp1因子のため旧分類ではIA期であったが新分類でIB期となる症例が多く認められた。
  • 本邦報告例の検討とともに
    砂川 祐輝, 仲田 和彦, 佐久間 康平, 吉田 滋, 井上 総一郎, 奥村 徳夫, 河合 庸仁
    セッションID: 1E-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    特発性胆嚢穿孔の1例 -本邦報告例の検討とともに- 【諸言】 胆嚢穿孔の多くは胆石症や胆嚢炎を原因とし、胆汁性腹膜炎を併発し重篤な経過をとることが多い。一方、原因の明らかでない特発性胆嚢穿孔は非常に稀な疾患である。当院で経験した特発性胆嚢穿孔症例を文献的考察を加えて報告する。 【症例】 87歳女性、食後の腹痛・嘔吐を主訴に来院。発熱無く、腹部単純X線写真にて明らかな異常認めず一旦帰宅。翌朝再受診し腹痛・嘔吐改善していたものの、炎症反応・肝胆道系酵素の上昇、腹部超音波にて小腸の拡張、CTにて腸液の貯留・腹水を認め、腸閉塞・腹膜炎の診断にて緊急手術施行。開腹所見では、小腸の拡張認めるも明らかな腸管閉塞なし。胆汁様の腹水貯留あり、胆嚢に穿孔認め胆嚢を摘出した。術後経過は良好で第18病日に退院した。 【考察】 検索し得た限り本邦では34例の特発性胆嚢穿孔症例の報告があった(医学中央雑誌1983~2011,会議録除く)。主訴は腹痛が最多でほぼ全例に共通していた。炎症反応上昇を認めるが胆道系酵素は正常範囲に留まることが多い。術前に診断された報告は僅かで、多くは腹膜炎の診断にて開腹術が施行されていた。 術前診断に至った症例では、腹水穿刺を行い、穿刺により胆汁の漏出を確認しているものが多い。腹部造影CTでは、胆嚢萎縮・胆嚢周囲の腹水・胆嚢壁の造影欠損など診断に結びつく有意な所見のあるものもあれば、それらの全くない症例も多く、診断の確定に寄与する検査とは言いがたかった。ただしCTにて腹水を認める症例は多く、診断の補助とはなり得る。術前診断のなされたものの一部は腹腔鏡下手術が施行されている。 【結語】 比較的稀な特発性胆嚢穿孔の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告した。
  • 水草  貴久, 畑佐 匡紀, 渡邊 一弘, 中川 宗大, 右納 隆, 塚本 達夫
    セッションID: 1E-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに>
      わが国ではC型慢性肝炎患者の約70%以上がジェノタイプ_I_(G1)でジェノタイプ_II_(G2)は30%程度といわれているが、西濃地区ではG2が多く当院のデータではG2症例が約45%にも上っている。
    2011年度のC型慢性肝炎治療ガイドラインではG2高ウイルス症例に対してペグインターフェロンα-2bあるいはインターフェロンβとリバビリン併用療法が標準治療とされているが、高齢で貧血や腎障害などの理由で併用療法が施行できない場合や外来での治療を希望されるケースも多い。
     そこで我々はG2高ウイルス量症例に対し外来にてペグインターフェロンα-2a(PEG-IFN α-2a)単独投与を行い良好な成績が得られたのでここに報告する。
    <目的と方法>
     G2高ウイルス量症例(19例)に対して外来にてPEG-IFN α-2a(90または180μg)単独治療を導入しリバビリン併用療法と比較検討すること。
    <結 果>
    PEG-IFN α-2aを24週以上継続投与できた16例中14例で完全著効(SVR)となったが、2例は全く無効(NR)であった。ちなみに低ウイルス量症例ではすべてSVRとなった。
    <まとめ>
      G2高ウイルス量症例に対して、PEG-IFN α-2a単独投与でもリバビリンとの併用療法成績と比較してほぼ同等の結果が得られた。G2高ウイルス量症例に対する治療手段として、可能であればまずは外来にてPEG-IFN α-2a単独投与で開始し、ウイルス量などの変化をみながらPEG-IFN α-2a単独で継続するか、リバビリンとの併用療法などへ変更するかを検討していくのも選択肢の一つとなりうると考えられた。
  • 新 智文, 菊池 英明
    セッションID: 1E-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】Genotype1b、高ウイルス量のC型慢性肝炎に対して、PEG-IFNとRBVに新たなプロテアーゼ阻害剤を組み合わせた3剤併用療法が開始される。2009年に当院で行ったMP424(Telaprevir)/PEG-IFNα2b/RBVの第_III_相臨床試験において、副作用にて中止するも完全著効が得られた2例を経験したので報告する。
    【症例1】63歳女性。HCV-Genotype1b、5.8logIU/ml、ALT35IU/l、Hb12.8g/dl、Plt33.5×104/mm3。エコー上脂肪肝あり。BMI30.4。肝組織はF1A1。3剤併用療法開始後、Hbが徐々に低下し、臨床試験の基準によりRBVを減量するも、11週で3剤とも中止となった。その後、貧血は改善し、SVRが得られている。
    【症例2】60歳女性。HCV-Genotype1b、7.0logIU/ml、ALT185IU/l、Hb13.9g/dl、Plt22.7×104/mm3。BMI19.6。肝組織はF1A2。3剤併用療法開始後、8週目頃より発疹が出現し、その後全身に広がり、9週で3剤を中止した。皮膚科にて薬剤過敏症症候群(DIHS)と診断され、PSL60mgを投与した。約1ヶ月で皮膚症状は改善し、最終的にSVRが確認された。
    【考察】3剤併用療法早期のHCV-RNA量の推移をみるとPEG-IFN/RBV併用療法に比べ、急速に低下している。貧血に対しては、臨床試験であり、薬剤減量基準に従わざるを得なかったが、実臨床ではもっと柔軟に薬剤の調節をすることが可能であろう。また、皮膚科医師と十分に連携を取りながら加療していく必要性を感じた。早期にHCV-RNAが低下していくことも確認でき、Genotype1b、高ウイルス量の難治例と考えられる症例においても、副作用に対し十分に配慮した上でSVRを高率に期待できると考えられた。
  • 深谷 進司, 新 智文, 棚橋 振一郎, 田村 佳奈恵, 山本 浩之, 伊藤 貴史, 吉田 晃, 菊池 英明
    セッションID: 1E-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】急性肝炎は自然経過ですみやかに軽快するものから集中治療を行っても死に至るものまで臨床像が幅広く、入院後は日々の変化に十分注意して診療にあたる必要がある。
    【目的】北海道十勝地方の中核病院である当院に受診あるいは紹介された急性肝炎の臨床像を明らかにする。
    【対象と方法】当院で2009年1月から2010年12月の間に入院加療された急性肝炎38例について、急性肝炎の原因と血液検査値の推移、および治療を含む臨床像について検討した。
    【結果】患者背景は男女比1:1、年齢34 - 89才(中央値58才)であった。原因を特定できたものは19例(50%)で、ウィルス性14例(HBV10例、HAV、HCV、HEV、CMVがそれぞれ1例)、自己免疫性4例、アルコール性1例、薬剤性1例であった。その他の19例はウィルス感染、薬剤、健康食品が原因として疑われたが特定できなかった。血液検査では、入院初期にピークに達するものが多く、ALT値は全例中23例(61%)が入院第1病日にピークに達していた。B型劇症肝炎の1例と原因不明劇症肝炎の1例は集中治療を行ったがいずれも死亡した。A型肝炎1例はPTが40%まで低下し劇症化の恐れがあったためステロイドパルスを行い救命し得た。自然経過のみで軽快したのは27例であった。急性期以降も加療を要したのは、ステロイドを用いた自己免疫性肝炎3例、半年後に慢性化を確認しIFNβ+リバビリンを導入したC型肝炎1例であった。
    【考察】肝炎のピークは入院初期数日間に集中しており、一旦改善すると原因の特定に至らずに退院となることが多いが、ウィルス性感染症疑診例のうちE型肝炎について検索されたのは10例中2例であり、畜産業が盛んな当診療圏では積極的にE型肝炎の検索も考慮すべきと思われた。また抗核抗体陽性やIgG高値などから自己免疫性肝炎を疑う症例や、自然経過で改善が思わしくない症例には積極的に肝生検を考慮すべきと思われた。
  • 鈴木 一郎
    セッションID: 1E-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】後期高齢「糖尿病」患者の治療は難しい。何よりも、「物忘れ」が多い事、「低血糖」を生じ易い事を、念頭に置く必要が有る。インスリン分泌促進剤とα―GI剤を中心とした治療に変更した3症例を報告する。【症例】82歳、81歳、77歳、の女性。【現病歴】2例は自己によるインスリン皮下注射を行い、「低血糖」を生じている。1例はSU剤内服中に低血糖」を生じている。いずれも、外来にて糖液投与で全身状態は改善している。「低血糖性昏睡」発症を恐れて、インスリン分泌促進剤とα―GI剤を中心とした治療に変更した。3症例とも、食事制限無し、生活態度の変更要請も無し。薬剤服用を忘れる事も多いが、食事摂取量の増減も多い。【結果】外来での随時血糖値は250以下、HbA1c値は6_%_台に収束しているようである。副作用は見られず、訴えも無い。低血糖症状の自覚無し、事故発生例も無い。3症例ともに、体重の減少を見ている。【考察】インスリン分泌促進剤とα―GI剤を中心とした治療方法は、後期高齢「糖尿病」患者に対して、低血糖発作を生じる事無く、安全に投与出来る。
  • 鈴木 一郎
    セッションID: 1E-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    「糖尿病」を指摘されたまま、未治療で経過してきた2例の治療経験を報告する。2例とも、食事制限無し、生活改善を依頼せずに外来診療とした。【症例1】65歳、男性。「糖尿病」を10年前から指摘され続けてきたが、治療経験無し。「糖尿病」の教育入院を勧めるが、宴会出席のため、拒否される。SU剤、α―GI剤、チアゾリジン剤を処方し、三剤で治療開始一週間後、「低血糖」によるフラツキを生じて来院。SU剤からインスリン分泌促進剤に変更。処方変更後7ヶ月で、HbA1c値:9.7→6.3_%_。【症例2】60歳、女性。視力障害を発症し、「糖尿病性網膜症」を指摘され、眼科医師より紹介される。家事のため、「糖尿病」の教育入院は拒否される。インスリン分泌促進剤とα―GI剤を投与する。治療開始後7ヶ月で、HbA1c値:12.3→5.9_%_。随時血糖値は、2例ともに、概ね200mg/dL以下で、低血糖発作は生じていない。【考察】厳密で厳格な「糖尿病」治療を施すことが可能な症例であったが、ルーズな対処、治療法を選択することとなった。インスリン分泌促進剤とα―GI剤の併用による治療法は、効果、副作用対策の両面で優れている。
  • 鈴木 一郎
    セッションID: 1E-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    約6年間にわたり、「2型糖尿病」治療を放置したため、「心不全、栄養失調」を来した1例を報告する。 【症例】48歳男性。【既往歴】20歳代前半に「2型糖尿病」を発症し、当初は内服薬を投与されていた。30歳代に実家に戻り,当院より内服薬、及び、インスリンにて治療を受ける。当院の移転後、1年間は受診せず。平成18年5月に受診し、インスリンを投与するが、同年10月以降、処方無し。【現病歴】平成22年2月、全身浮腫、倦怠感、脱力による歩行不能、を主訴に来院。随時血糖:550、HbA1c:14.5、総タンパク:4.0、アルブミン:1.6であった。「栄養失調、心不全」と診断し、緊急入院とする。【経過】1ヶ月半の入院中は、点滴によるインスリン希釈液の点滴静注で開始した後に、基礎インスリンを1回/日、皮下注とした。その後、内服薬を追加した。退院後、4ヶ月間でインスリン療法を離脱させて、現在は内服薬を処方し、HbA1c:5.3_%_である。【考察】治療を放棄して、「心不全、栄養失調」に陥った症例でも、適当な内服薬を投与すれば、治療出来る。
  • 患者アンケートの結果より
    瀬古 高行, 山田 一聡, 村井 邦充, 安田 美奈子, 岡田 美智代, 堀田 宏, 伊藤 嘉浩, 伊藤 恵
    セッションID: 1E-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <諸言>当院でのインスリン導入は基本的に入院で行われており、導入時には薬剤師からの薬剤管理指導も行われる。しかし、外来移行後は薬剤師がフォローするということは無く、患者が在宅でどのようにインスリンを管理し、使用しているのかは不明であった。そこで、外来患者にもインスリンの薬剤指導を行ってはどうかと考え、その必要性を探るべく、個別面談での患者アンケート調査を行ったので報告する。
    <方法>2011年1月から2011年3月までの3ケ月間に、当院外来を受診されたインスリン治療中の患者141名のうち、同意の得られた患者57名を対象とした。 当院保健師と協力し、対象患者にインスリンの薬剤指導に関して15分程度の個別面談式アンケートを実施した。さらに、対象患者をインスリン治療歴6ヶ月以上の群(_i_群)と、インスリン治療歴6ヶ月未満の群(_ii_群)に振り分け、検討を行った。
    <結果>_i_群が全体の84%、_ii_群が16%と治療歴の長い患者が大半を占めた。
    _i_群の35%、_ii_群の11%の患者が、インスリンの単位を自己調節する等、手技に問題がみられ、治療歴の長い患者程アドヒアランスが低下している傾向にあった。
    「薬剤師からの指導を希望する」と回答した患者は_i_群で17%、_ii_群で67%と、治療歴の短い患者からは薬剤指導の希望が多くあり、「インスリン治療に不安を感じている」等の意見があった。
    <考察>治療歴が長い患者はアドヒアランスが低下傾向にあることから、医療スタッフが必要と判断した場合に、薬剤師による指導を行うことができる体制を作り、治療歴の短い患者からは薬剤指導の希望が多くあることから、導入時の指導に加えて外来移行後に再指導が行えるシステムを構築する必要がある。
    今回の調査では薬剤指導の必要性とともに、個々の患者からの具体的な要望を把握することができた。
    今後も更なる調査を行い、よりきめ細やかな指導を行えるよう検討していきたい。
  • 英 肇, 澳 親人, 南條 輝志男
    セッションID: 1E-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】2型糖尿病患者のコントロールにおいては、体重管理が必須である。外来受診時の体重の増減により、摂取カロリーや運動による消費カロリーのバランスが推察でき、療養指導に生かすことができる。また、日常臨床において、減量によりHbA1c値が改善することは明かであるが、どの程度改善するかは興味深い。そこで、われわれはコントロールの比較的安定している2型糖尿病患者のうち、薬物療法の影響のない、食事療法のみの患者について、体重とHbA1c値の関連を検討した。
    【対象および方法】国保日高総合病院第二内科通院中の2型糖尿病患者のうち、食事療法のみでコントロールされ、糖尿病に関する薬物療法を受けていない16名(男性10名、女性6名)において、1年間の体重とHbA1c値の変動について検討した。
    【結果】食事療法のみで治療中の2型糖尿病患者16例において、体重とHbA1c値の変動がほぼ関連したものは4例、一部関連したものは4例、関連しなかったものは8例であった。また、変動が関連した症例では、BMI0.5あたりHbA1c値で約0.5%の低下を認めた。
    【考察】今回の検討では、関連する症例では、BMI0.5(体重で約1kg)あたりHbA1c値で0.5%の低下を認めた。しかし、関連しない症例や同一症例でも関連する時期と関連しない時期を認めた。血糖コントロールには、体重以外にも、多数の因子が血糖コントロール状態に関与しているため、症例によりばらつきがあると考えられる。生活習慣病である糖尿病は、体重のみならず、生活習慣を全体的に改善することが基本であると考える。
  • ドック検診での検討
    佐藤 繁樹, 木田 秀幸, 小山内 茂晴, 佐々木 沙耶, 紅粉 睦男, 井川 裕之, 真尾 泰生
    セッションID: 1E-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】当院人間ドック検診での抗甲状腺抗体(抗サイログロブリン抗体:TgAb)を検討し,自己免疫性甲状腺疾患の頻度などを昨年の本学会で報告した。今回は,TgAbと甲状腺機能との関係について検討したので報告する。 【対象・方法】2007年度に当院ドック健診受診例中の4,277例でTgAbを測定。男性2,648,女性1,629例,平均年齢は男性53.0,女性52.0歳。TgAbの測定はCosmic社RIA法(陽性:0.3U/ml以上),血清TSHはCLIA法(基準値:0.36~3.67μU/ml)にて測定した。 【結果】1) TgAb 陽性率:男性12.2,女性24.6%。女性,高齢者ほど陽性率は高かった。2)血清TSH 値は,男性TgAb陰性例1.38±1.25,陽性例1.86±1.95μU/ml,女性は各々1.61±1.16,1.98±1.65μU/mlと陽性例が高値。男女とも加齢に従ってTSH値は上昇し,陽性例でより高値であった。しかし男性71歳以上,女性61歳以上では,TgAb陽性・陰性間でのTSH値の差異は消失した。 3)血清TSH値別のTgAb陽性率は,TSH正常:男性11.3,女性23.3%,0.1未満:各々62.5,55.6%,3.67~5.0:各々22.4,37.3%,5以上:各々42.5,48.4%であった。 4)TgAb陽性例の抗体価は,0.3~0.9:男性42.3,女性22.9%,1.0~9.9:各々42.9,54.9%,10.0~99.9:各々12.7,20.0%,100U/ml以上:2.2,3.2%であった。抗体価の増加に従ってTSH値は上昇傾向を示した。 【結語】自己免疫性甲状腺疾患(大多数は橋本病)の頻度は高率であった。血清TSH値も抗体陰性例に比べて高値で,TSH異常例での陽性率も高く,甲状腺機能異常(低下)に移行し易いと思われた。高齢者では,抗体以外の原因でTSH値が上昇する可能性が示唆された。
  • 本多 成史, 子安 正純, 渡辺 洋樹, 伊藤 正則, 竹本 憲二, 度会 正人, 内川 智浩, 上山 力, 石川 真司, 平山 賢志
    セッションID: 1F-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【背景】心臓リハビリテーション(心リハ)が患者の運動耐容能や生活の質、生命予後などに有効であることは多くの研究から明らかになっている。運動耐容能の評価としては心肺運動負荷試験(CPX)で判定される嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold;AT)、最高酸素摂取量 (peak VO2)が代表的である。ATおよびPeak VO2は心不全における心予備能の客観的指標であり、その重症度ならびに治療効果の評価にも有用とされている。【目的】当院の外来心リハの運動耐容能に対する効果を検討する。【対象】2004年9月~20011年3月までに外来リハに通院した症例のうち、通院前後でCPXを施行した連続162例(平均:65.9±8.6歳、男性:128例、冠動脈疾患:133例、心不全:22例、弁膜症:6例、心室中隔欠損症:1例)。【方法】エルゴメーターによるATレベルでの有酸素運動を10~20分、週1回~5回、6ヶ月間施行した。外来リハ前後でPeak VO2とATを比較した。Peak VO2が30%以上改善を示した群(H群35例)とその他(L群127例)で、患者背景を比較検討した。【結果】ATとPeak VO2は有意な増加を認めた(AT:前値10.8±2.5ml/min/kg、後値12.1±2.5ml/min/kg P<0.01、Peak VO2:前値16.0±3.7ml/min/kg、後値18.1±4.1ml/min/kg P<0.01)。H群は通院前のPeak VO2が有意に低値であった(H群:13.2±3.8ml/min/kg L群:16.8±3.3ml/min/kg P<0.01)。【結語】外来リハにより運動耐容能は有意に改善した。運動耐容能の低い患者は、より改善効果が期待できる可能性が示唆された。
  • 佐藤 健一, 鍛冶 優子, 新保 麻衣, 相澤 健太郎, 國生 泰範, 武田 智, 伏見 悦子, 高橋 俊明, 関口 展代
    セッションID: 1F-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】 拡張型心筋症(以下、DCM)の治療は、心不全に対する対症療法が主体となる。今回、DCMの患者に対し心臓リハビリテーション(以下、心リハ)の介入を行い心不全コントロールが良好になった一例を紹介する。 【症例】 55歳男性、無職、母親との2人暮らし。身長170cm、体重84_kg_、体脂肪率34%。2003年、心不全で入院しDCMと診断された。その後は外来通院しており心不全症状はNYHA_II_で経過していた。合併症に高血圧、脂質代謝異常、うつ病あり。 【経過】 2009年9月中旬、呼吸困難が出現し当院に救急搬送され、慢性心不全の急性増悪で入院となった。心胸比55%、肺うっ血を認め、BNP328pg/ml、左室は全周性に収縮が低下していた。入院後は血管拡張薬、酸素投与にて加療。心不全症状が落ち着いたので心リハを開始した。心リハでは安静度に合わせて歩行練習、エアロバイク、トレッドミル、生活指導などを行なった。退院後は外来での心リハを継続した。その後は一度心不全の急性増悪による再入院はあったものの1年6か月経過している。  1年経過した時点では、心機能には変化が見られないものの体重が73.8_kg_、体脂肪率25.5%に減少、心胸比50%、BNP119.5 pg/ml、LDLコレステロールが145 mg/mlから77 mg/mlへと改善がみられた。また心肺運動負荷試験の結果、PeakVO2は19.3ml/min/kgであった。1年6ヶ月の時点でもBNPや体重、PeakVO2は安定して推移している。 【考察】  本症例は定期的に外来での心リハに参加し、食事指導や服薬指導などの生活指導を継続したことにより良好な心不全コントロールが可能になったと考えられた。 【結語】  今後も症例に応じた心リハを継続し、自己管理の指導を続けていく事が肝要である。
  • ~術後早期からの介入で誤嚥性肺炎を未然に防げ~
    玉田 雅美, 後藤 優佳, 上野 忠活, 前田  和樹, 小林 平, 川本 純
    セッションID: 1F-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】開心術は最も侵襲が大きい外科的手術であり、術前に嚥下障害を認めていない症例でも術後に嚥下障害を発症する例がある。今回、開心術後に嚥下障害を発症した症例に対して、術後早期から介入したので報告する。【対象】2009年4月~2011年4月までに当院にて開心術を施行した134例のうち、初回評価にて藤島グレード(以下、Grとする)で8以下の嚥下障害を認めた22例。平均年齢72.1±15.6歳。男性11例。緊急手術11例(50%)。【方法】初回評価時と訓練終了時のGrと抜管から嚥下訓練開始までの日数、嚥下訓練開始から終了までの日数、誤嚥性肺炎の合併率について後方的に調査した。【結果】初回評価時平均Gr 4.7±1.9 、終了時平均Gr 9.0±1.2 であり、嚥下機能は有意に改善していた(p<0.0001)。また、終了時Grは全例7以上であり、経口摂取(3食)可能となっていた。抜管から嚥下訓練までの日数は平均5.5日(中央値2日)、嚥下訓練開始から終了までの日数は平均44.9日(中央値27日)であった。また、入院中に常食摂取可能(3食)となり、退院前に嚥下訓練を終了したものは10例(45%)であった。嚥下訓練を開始してからの誤嚥性肺炎の合併は1名(5%)であった。【考察】当院における開心術後の嚥下訓練は術後早期から介入しており、全身状態が不安定な状態で訓練を進めている。実際に経口摂取を行うときは、言語聴覚士が心電図やSpo2、呼吸回数をモニタリングしながら詳細な嚥下評価を行っているため、術後早期から経口摂取を開始でき、明らかな誤嚥性肺炎の合併も少なかったと考えられる。【結語】術前より嚥下障害を認めていないものでも開心術後に嚥下障害を来すことがあるが、術後早期に専門職が介入することで誤嚥性肺炎の合併を防ぐことが出来ると思われる。
  • 水谷 拓真, 森 章哉, 上林 幸恵, 小林 真人
    セッションID: 1F-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】加齢に伴い肺機能は低下し,更に活動量減少によるdeconditioningが高齢ほど高率に合併・重症化する事が予想されるが,術前呼吸リハビリテーション(以下,術前呼吸リハ)による肺機能改善率も加齢に伴い低下するか明らかでない.そこで今回,当院の術前呼吸リハが年齢別に与える効果の差について検討した.
    【方法】平成19年4月~平成23年3月までの4年間に術前呼吸リハを施行した非小細胞肺癌患者62名を対象に,前期高齢者群35名(年齢70.3±3.6歳,男性22名・女性13名,%FEV1.0<30%・6名,30%≦%FEV1.0<50%・7名,50%≦%FEV1.0<80%・22名,PE合併18名),後期高齢者群27名(年齢77.5±2.2歳,男性17名・女性10名,%FEV1.0<30%・5名,30%≦%FEV1.0<50%・5名,50%≦%FEV1.0<80%・17名,PE合併9名)の2群に分類し後ろ向き調査研究を実施.術前呼吸リハは,四肢筋力強化・ACBT指導・呼吸訓練・ThresholdPEPによる呼気筋強化・coach2による吸気筋強化を主軸とし,調査項目は,身長,体重,BMI,男女比,訓練回数,PE合併率,肺癌stage,重症度別肺機能分類,各群の訓練回数と改善率の相関関係,訓練前後の改善率,訓練後2群間の術前呼吸リハ介入による改善率とした.なお,呼吸状態の改善度の指標には%FEV1.0,%VC, %FVCを用い,統計的手法にSpearman's correlation,Mann-Whitney U-testを使用p<0.05を有意水準とした.
    【結果】前期高齢者群(%FEV1.0:rs=0.816,%VC:rs=0.729,%FVC:rs=0.572),後期高齢者群(%FEV1.0: rs=0.417,%VC: rs=0.416,%FVC:rs=0.707)であり両群で訓練回数と改善率に有意な正の相関を得た(p<0.05).訓練前後の改善率も前検査項目において両群で有意な改善を認めた(p<0.05)が,訓練後2群間の術前呼吸リハ介入による改善率に有意差は認めなかった.
    【考察】呼吸リハビリテーションは,deconditioningを改善し健常領域の身体機能再獲得が重要な役割の一つである.今回両群共に訓練回数に対し肺機能改善効果が認められ,deconditioningの進行が予想される後期高齢者群は前期高齢者群と比較し術前呼吸リハ介入による改善率に差はなく,同等の肺機能改善が期待される事が示唆された.
  • 肥田野 義道, 加藤 かおり, 遠藤 博, 山本 泰三
    セッションID: 1F-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】小脳性運動失調患者の歩行は、バランスを崩さないようにするため身体を固めやすい。体重免荷トレッドミル歩行練習は、主に脳卒中片麻痺患者に実施されており、歩行速度や左右対称性の改善、下肢筋活動に影響を及ぼすとされている。しかし失調症の患者を対象とした報告は少ない。そこで慢性期の小脳性運動失調患者に対して、体重免荷トレッドミル歩行を実施した効果を検証した。
    【理学療法評価】関節可動域、筋力に制限はなく、体幹・四肢に運動失調があり、歩行中の会話や視線を変えさせると、ふらつきや歩行速度の低下が見られた。10m歩行は(2010年7月)33歩・16.1秒で、歩容は頚部・体幹・四肢を固定しながらワイドベースであった。
    【方法】トレッドミルの上方にスリングエクササイズセラピーを設置し、歩幅の均等化と踵接地、頚部や視線を自在に変えられる状況を作り出せるだけの免荷と速度調整を行った。分析は2010年7月~10月の間に、一事例の実験デザインであるABABデザイン(A:7月と9月、トレッドミル歩行非実施、B:8月と10月、トレッドミル歩行実施)で練習を行い、10m歩行秒数、歩数を一元配置分散分析の後、post hoc testを行った。有意水準は5%未満とした。
    【結果】10m歩行の秒数と歩数の平均は初回Aで17.2秒、34歩、初回Bで15.5秒、30歩、2回目Aで15.1秒、29歩、2回目Bで13.6秒、27歩であった。秒数、歩数ともに主効果があり、体重免荷トレッドミル歩行練習により、10m歩行の秒数、歩数が減少した。
    【考察】10m歩行の秒数と歩数が減少したので、歩行率の増加ではなく、歩幅が増大したといえる。体重免荷により全身の筋活動が効率化し、身体を固めず大胆に下肢が振り出せたと考える。体重免荷トレッドミル歩行練習は、慢性期失調症に対しても難易度を調整しやすく神経筋再教育ができたと考える。
  • 深見 沙織, 中村 崇仁, 柳田 勝康, 山田 慎悟, 山口 剛, 白石 真弓, 伊藤 美香利, 朱宮 哲明, 西村 直子, 尾崎 隆男
    セッションID: 1F-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】発熱を呈する小児では栄養と水分の補給により体力を維持することは療養上大切であるが、入院児の保護者や担当看護師から、発熱中には食事を十分摂取できていないという意見が寄せられた。今回、当院の給食献立の中に発熱を呈する小児に対応できる新たな献立を作成すると共に、その有用性をアンケート調査した。
    【対象】当院こども医療センターに発熱を主訴に入院した小児とその保護者。
    【方法】発熱小児のための食事として「小児熱発食」を作成し、2011年1月6日より導入した。その理念は、高熱時にも食べやすい、口当たりの良い献立とし、水分が多く、軟らかくて冷たい料理を中心に提供した。2011年1月6日~3月31日の約3ヶ月間、「小児熱発食」提供児の保護者に対しアンケート調査を行った。また診療録から各入院児の年齢、体温、喫食率等を調査した。尚、本取り組みは当院治験臨床研究審査委員会の承認を得ている。
    【結果と考察】「小児熱発食」は3ヶ月間で112名(男児66名、女児46名)に提供され、一人当たりの平均提供食数は6.0±3.6食、児の平均年齢は3歳4ヶ月、平均最高体温は39.1±1.1゜Cであった。平均喫食率は主食4.3±4.0割、副食3.2±3.1割であり、当院の幼児食の平均喫食率(主食6.8±3.0割、副食4.8±2.9割)より低値であったが、高熱である状態を考えると決して低い喫食率ではないと思われた。
    アンケート結果(回収率38.4%(43/112))では、「小児熱発食」は“よい”という回答は67%であった。献立の中では、ヨーグルト、プリン、麺類等の喫食率が高かった。自由記述欄には、「水分が多く食べやすそうでした」、「家での発熱時にとても参考になった」等の意見が見られた。今後はアンケート結果を基に献立を見直し、より摂取しやすい「小児熱発食」を目指していきたい。
  • 高井 美帆子, 大野 洋子, 竹中 陽香, 熊澤 伊和生, 堀部 哲子, 加納 真紀子
    セッションID: 1F-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
          PEG造設時の栄養状態がその後に及ぼす影響について
    揖斐厚生病院 NST
    ◎高井美帆子 大野洋子 竹中陽香
     熊澤伊和生 堀部哲子 加納真紀子
    [はじめに] 当院では高齢化と共に嚥下障害による誤嚥性肺炎の割合が多く、やむなくPEG造設する患者が増えている。 しかし、PEGを造ってもその後トラブルが発生し、予後が悪い症例を目にすることがある。そこで、PEG造設時の栄養状態がその後に与える影響について調査したので報告する。
    [方法] 昨年10月から6ヶ月間にPEG造設を実施した患者30名(平均年齢83.6歳)を対象に、PEG造設時のBMI,Alb,Hb,CRPを調査し、予後に与える影響について評価した。
    [結果] 予後を軽快群と死亡群に分け調査した結果、Albは軽快群で平均3.22g/㎗、死亡群で2.62g/㎗であった。Hbは軽快群で平均11.94g/㎗、死亡群で10.71g/㎗であり、両方とも予後に影響を及ぼしていた。BMIとCRPについて有意差は認められなかった。また、AlbとHbとの相関については正の相関を示し、AlbとCRPとの相関は認められなかった。
    [考察] 栄養状態を良好にするために経口摂取が困難な患者にはPEGを造設し、安定した栄養補給が可能になることが目的であるが、造設時の栄養状態が不良であると栄養吸収不良を起こしたり、穿刺部位からの感染により病態の悪化に繋がる恐れがあると考えられる。BMIに有意差がなかったことは低栄養による浮腫が体重を見かけ上多くしているものと考えられる。今回の結果でAlbとCRPについて負の相関が得られなかったことはAlb単独でも十分栄養評価として使えると考えられる。
    [今後] この結果を踏まえ、PEG造設時の栄養評価として、Alb値の標準値を策定していくようNSTとして働きかけていきたい。    
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