日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
選択された号の論文の494件中151~200を表示しています
  • 腰原 裕之, 宮尾 真由美, 横田 佐和子, 藍澤 喜久雄, 秋月 章
    セッションID: 1F-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】退院後の在宅患者の栄養管理の現状と当院NSTの果たす役割を検討した. 【対象・方法】訪問看護・リハビリ利用者143名のうち同意を得た53名(男性14名,女性39名),平均年齢78.8歳に対し,栄養に関する聞取り調査を実施した. 【結果・考察】体格指数(以下BMI)18.5未満のやせは39.6%であった.やせの者は摂取エネルギー不足が予想されることから,必要量を算出し栄養評価を行う必要性が考えられた.栄養状態の評価を実施している者は84.9%で,内容は定期的な体重測定51.1%,食欲24.4%であった.高齢者で食欲のない者は低栄養のリスクが高く,体重未測定は生命予後・入院の要因になると報告があり,利用者の危険回避のためこれら評価を定期的に行う必要があると考える.口腔ケア実施者は90.6%で,回数は1日1回が最も多く31.3%であった.口腔ケアの回数が多いほど発熱が少ないと報告があり,口腔ケアをさらに進める必要性が考えられた. 経口摂取者44名のうち,むせがある者は34.1%おり,うち40.0%が特に対処していなかった.これはむせを問題と感じていないためと考えられた.また,むせがある者はBMI18.5未満群のやせで有意に多かった.誤嚥のリスクやむせの対処法の指導と同時にやせの利用者には言語聴覚士による評価の必要性が考えられた.食事・栄養に不安がある者は70.5%いたが,情報収集者・栄養補助食品使用者は各々29.5%に留まった.また,栄養補助食品使用者はBMI18.5未満群のやせで有意に多かったが,84.6%がいわゆる健康食品だったことから,資源や情報の不足が考えられた.食事量の目安や栄養補助食品表を用いた情報提供の必要性が考えられた. 【結論】在宅患者への多職種での介入の必要性がうかがわれ,今後さらに多職種の連携に向けNSTの果たす役割を検討していく必要があると思われた.
  • 寺村 郁哉, 伊藤 真人, 大倉 実紗, 田中 直樹, 小西 敏生, 北村 哲也
    セッションID: 1F-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】冠動脈造影検査において中等度狭窄(AHA分類50~75%程度)を認める病変においては治療適応があるか否かの判断が困難な症例がある。今回造影上中等度狭窄を認めた症例に対しPressure wireを使用しFFR(Fractional Flow Reserve)を評価する機会を得たので報告する。 【方法】冠動脈造影上中等度狭窄病変を認めた5例にPressure wire(St.Jude社Pressure wireTM Certus FFR Measurement System)を施行しFFRを計測した。また同一病変に対しQCA(Good Net社QCA-CMS)を計測した。FFR0.80以下を治療対象とし治療を施行した症例においてはIVUS(Volcano社 Revolution)にて評価した。 【結果】今回の5症例ではFFR 0.80以上が4例、0.80以下が1例であった。QCAでは40%以下1例、40%~50%が4例であった。治療を行った1例ではFFR最小値0.75、 QCAは45.85%、IVUS計測値ではVessel Area 15.2mm2、Minimam Lumen Area 3.2mm2でPlaque Burden 78.9%と計測された。 【考察】QCAでは40%台であったが、FFRは0.80以下を示しIVUSにより有意狭窄が確認できた。中等度狭窄においてはFFRを用いることでより詳細な判断が行えると考えられる。 【結語】FFRを使用することで評価の難しい血管に対し虚血を誘発する病変か否かを判別することができた。FFRは中等度狭窄部位に対し治療適応決定の指標の一つになり得ることが示唆された。
  • 磯部 貴子, 兵道 美由紀, 中島 徹也, 林 琴美, 大岩 啓三, 岡村 武彦, 小野 芳孝, 片山 訓道
    セッションID: 1G-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    2009年に環境感染学会から「院内感染対策のためのワクチンガイドライン」が発表された。それによるとワクチン接種を行うことは、職員の健康を守るだけでなく、患者や職員への感染防止、二次感染による職員欠勤などの医療機関の機能低下防止のためにも重要であるとされている。
    当院ではHBS抗体の測定を職員健康診断の一環として毎年測定し、希望者にワクチン接種を行っている。その結果、職員約1600人中、50名程度のワクチン接種を行っている。しかしデータ管理は個人にまかされており、抗体保有率、接種による抗体獲得率などの把握ができていなかった。また麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘に関しても、入職前にワクチン接種を推奨していたが抗体価の確認をすることはなく個人管理になっていた。
    そのような折、2010年に職員より流行性耳下腺炎が発症し、感染対策課として接触者調査、抗体価検査などを行ったが、流行性耳下腺炎の罹患歴、ワクチン接種歴もない職員がいることが判明し対応に苦慮した。そのことをきっかけに当院では、今年度全職員の麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎の抗体価測定を行うことになった。また抗体価が低い職員に対してワクチン接種を行うことになった。データ管理に関しては今まで個人管理で行っていたものを、労働安全事務局、感染対策課、個人で管理することになった。
    今回、HBS抗体保有率を含めた検診結果と、職業感染管理の当院の実際をまとめ、今後の方向性を含めて報告する。
  • 白川 久美子, 小林 多賀子, 鈴木 千晴, 神林 とも子, 草間 由香里, 板倉 紀子
    セッションID: 1G-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
    A病棟はインスリンを投与する患者が3~4割を占めている。そのため独自の血糖チェックシート(シート)を用いて安全対策に取り組んでいる。しかし転写ミスやインスリン投与の間違いなどインシデント報告が続いた。シートの活用には一貫性がなく見づらいという問題もあった。そこでシートを変更、活用方法を統一しインシデントゼロを目標に取り組んだ。
    方法
    期間:平成22年4月~平成23年2月
    対象:
    平成22年4月~8月(シート変更前)と平成22年9月~平成23年2月(シート変更後)のインシデント報告書
    方法:
    1)シートの問題点を抽出し、活用方法を統一するために使用基準を定め、シートを変更
    2)シート変更前後のインシデント件数とその内容、及び変更前後の件数を比較し変更後の効果を調査
    結果・考察
    シート変更前は紙面上に指示を転写するが、記入方法には一貫性がなく、前回の指示と重複し見づらい、実施サインは未記入や施行前に行なうなどスタッフの認識に違いがある、という問題があった。そこで指示は転写せず現在の指示だけを貼付、サインは実施後に行なうなど基準を定め活用方法を統一した。インシデント報告はシート変更前、転写ミス・記入忘れ3件、実施サインの誤認によるインスリン重複投与2件、確認ミス1件の計6件。変更後は誤認・確認ミスの2件であった。これは、シートの変更で指示が見やすくなり、活用方法の統一で転写による記入ミスがなくなったことやサインは実施後という共通認識ができた為インシデントの減少に繋がったと考える。以上のことからファイルの変更はインシデント減少に効果があったといえる。しかし、確認不足や誤認のミスがありインシデントゼロには至っていない。今後、これらのインシデントを考察し、インシデントゼロに向けた更なる取り組みをしていく必要がある。
    まとめ
    シート変更は、統一した活用ができインシデントの減少につなげることができた。
  • 矢崎 一典, 皆藤 浩樹, 飯泉 敦司, 園部 裕司, 浅野 貢, 鹿島 信一, 大畠 民部, 湯原 里美, 近藤 司, 荒川 克己
    セッションID: 1G-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
    病院事務は、外来受付と救急トリアージの業務を担うため、平素から感染対策に目を向ける必要がある。今回、事務部門の感染リンクスタッフが、事務における感染症トリアージと標準予防策の現状を評価し、感染対策に取り組んだので報告する。
    期間と方法
    期間:平成22年6月~平成23年3月
    対象:医事課67名と庶務課・施設課39名の計106名
    方法: 1)受付時トリアージの現状を聞き取り調査
         2)標準予防策の現状確認を実施。手指衛生(手洗いの仕方に関しての7項目)・防護用具(マスクの装着脱方法と交換についての11項目)のチェック表を使用して3段階の自己評価
    1)と2)現状確認後、評価分析し、問題点を抽出し改善案と課題の明確化を図る。
     倫理的配慮:個人特定ができないよう口頭で同意を得た
    結果
    トリアージの知識に個人差があり対応が曖昧になった。防護用具使用に関して、知識不足から装着が不十分な状態がみられた。
    手指衛生7項目全てにおいては、部門間の有意差はなかった。半数が作業に移る前や15秒以上の手洗いと親指と手首の回し洗いが不十分だった。
    マスクでは、N95マスクに関して、約3割が装着できなかった。11項目の内「マスクが湿ってきたら交換している」は、窓口に出ている医事課で有意に低かった。
    考察
    事務職員は、救急トリアージの業務を担うため、トリアージの重要性を再教育していく必要がある。また、直接患者や器具に触れることが少ないため、手指衛生と防護用具の重要性の理解が不足していたと考えられるため、これに対しても、再教育していくことが重要視される。
    外来受付は、患者の対応に追われ、マスクが湿っても交換する時間がない可能性がある。しかし、手指衛生や防護用具の取り扱いは、感染防止において最も基本的な行為であるため、再教育による実施改善が重要である。
  • 発生時の接触者リスト作成と健康状態記録表の作成と実施について
    櫻井 雅博, 齋藤 哲也, 市村 正明, 平井 正幸
    セッションID: 1G-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
    当放射線部門では、感染症患者(疑い含む)との接触の際に接触者リスト(以下リスト)作成において、スムーズな対応が図れていない。そのため、リスト提出の遅れや、接触者の健康状況把握がしにくいという問題点が指摘された。今回、対応を改善することおよび感染管理室との連携を強化することを目的にリスト作成と健康状態記録表の作成に取り組んだので経過を報告する。
    期間と方法
    期間:平成21年6月~平成23年3月(21ヶ月間)
    対象:放射線技師 39名
    方法:リスト作成手順と報告手順・必要書類について見直しを行った。
    感染症委員会作成の健康状態経過観察シートを基本とし、観察管理下となる本人が症状の見逃しがないよう観察すべき項目について洗い出しを行い、簡便にチェックできる方法・書式について検討し実症例での運用を試みた。
    流行性疾患への抗体の有無(罹患癧・ワクチン歴等)情報は、管理上不可欠であることから事前に本人の同意を得て収集を行い、接触者リストデータベースに附帯した。
    結果
    接触者リストの作成:罹患歴の調査を予め行いデータベースに入力することにより追加調査を最小限にすることができた。
    健康状態記録表の作成:経過観察時の観察項目をチェックボックスでチェックする形式に変更することにより、記入方法、症状記載が標準化された。また、スタッフより、記載が簡単で記入しやすいとの意見となった。
    考察
    把握されている抗体価がデータベースに記載されていることおよび観察項目をチェックボックスでチェックする形式に変更したことは、機敏に対応できてよい反面、個人情報管理も重要となるため、取り扱い基準等の作成にも目を向ける必要があると考える。健康状態記録表は、今回は、インフルエンザと胃腸炎で実施したが、当院で接触者リストが多く出る疾患については、いくつかの表を作成し実施評価した上で、感染管理室へフィードバックし、病院全体で実施出来るよう、用紙の統一化ができればと考える。
  • ?機器清掃・手指衛生・防護用具チェックリストによる自己・他者評価?
    茂木 佳之, 酒寄 祐子, 玉田 佐知子, 宮本 和典
    セッションID: 1G-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】臨床検査部では感染予防対策として標準予防策を実施し、環境整備と知識の普及および定着化に取り組んでいる。今回、整備状況の実態調査と問題点の明確化を目的として、チェックリストを用いて機器清掃・手指衛生・予防用具使用状況の評価及び感染症委員会による院内ラウンドの結果をもとに検討したので報告する。
    【期間・対象】平成21年4月~平成23年3月、臨床検査部職員59名。
    【方法】機器清掃3項目、手指衛生24項目、予防用具32項目の自己・他者チェックリストを3段階評価し、また個人特定できないよう口頭同意を得た。
    【結果】環境整備状況は、医療・一般蓋付きゴミ箱の設置、安全機能付き翼状針の導入、1患者1手袋1採血針ホルダー1駆血帯、手袋の見直し、液状から泡状手洗い洗剤へ変更、バリア・保湿成分含有皮膚保護クリームの導入、ペーパーホルダー等の設置、ポスター掲示等を行い、院内ラウンドをチェック機構と位置付け不備な点を改善して行った。標準予防策の勉強会参加率100%を目指し年4回行い、院内感染予防週間にはN95マスクフィットテストを行った。チェックリストによる評価は、機器清掃・手指衛生よりも予防用具の装着が良い成績を示し、平成21年度より22年度の方が良い結果を得た。
    【考察】環境整備は、順次行われ充実した状況に成ってきている。チェックリストによる評価は、機器清掃・手指衛生を向上させる必要性が見られたが、前年度より良い評価となった事より、複数回の勉強会とチェックリストによる検査部内からの問題点抽出は有用であった。院内ラウンドによるフィードバックで改善策を検討し、また他部門とのリンクスタッフケア検討会で問題点の共有を行う事で、臨床検査部と感染症委員会の連携により感染予防の向上を図る体制を維持して行きたい。
  • 湯原 里美, 鈴木 あや, 近藤 司, 疋田 富美江, 廣瀬 みち子
    セッションID: 1G-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
     標準予防策を普及させるため、感染管理室が主体となって平成18年から全部門の感染教育に力を入れてきた。しかし、看護師参加率が低迷しているため、全部門における参加率の維持・上昇を目的に年度毎に介入を行い、参加率が上昇したので、その経過を報告する。
    期間と方法
     期間:18年4月~23年3月
     方法:1)17年度:現場評価(看護部参加率3割以下。看護部以外の教育の実施なし)
        2)18年度:教育プログラム作成後全ての部署に配布。講義後に受講者の意見や教育内容や方法について評価シートを用いて評価、フィードバック。
        3)19年度:講義スタイル(座学に演習やゲーム式グルーワークを追加)の変更
        4)20年度:随時お知らせと安全管理室と看護部の感染リンクスタッフ(以下リンク)によるサポート
        5)21年度:必須講義を数回実施し安全管理室と感染管理室が共同して部署管理者と全部署のリンクによるサポート
        6)22年度:受講証の発行およびDVD視聴教育・参加回数によるレベル分け・看護部安全管理委員会のサポート
        評価シートの記載は、個人が特定できないよう配慮した
    結果
     新人看護師・看護助手・放射線部門・栄養部門・清掃業者は、当初から必須講義と位置 づけていたことから8割以上の参加率で年度ごとの有意差なし。
    臨床検査部と事務部門は、当初は6割から8割前後であったが22年度には参加率が9割を超えた。
     看護師部門は、21年度より参加率が上昇し7割前後になった。
     19年度以降の意見では、全ての職種において演習やグルーワークで楽しみながら学べ 興味が湧いたとの意見があがった反面、時間内での講義の要望もあがった。
    考察
     講義スタイルに変化をつけることは、興味をかき立て参加率上昇に繋げやすい。また、 必須化も有用である。部署管理者等との連携も、有用と考えられる。参加率を上昇させる ためには、勤務体制や雇用形態を考え、対象者の意見や現場状況によって形態を変更して いくことも重要である。
  • 阿部 健太郎
    セッションID: 1G-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
    今回、職員の満足度を調べ、ケアの質の向上につなげるための第一歩として調査を行ったので報告する。
    調査方法
    対象者は当施設に勤務する職員105名。アンケートは無記名で指定の回収箱に入れてもらった。全31設問で、職場ビジョン、自己実現、コミュニケーション、金銭的報酬、安全・健康、社会的視点の6つの分類から構成した。満足度を5段階評価とした。
    結果・考察
    有効回答数は72(回収率70%)で、勤務年数別では5年以上が全体の65%、5年未満が35%であった。満足度平均点が最も高かったのは、自己実現で、ついでコミュニケーション、社会的視点であった。有給休暇やストレスを含む安全・健康や金銭的報酬では満足度が低かった。居心地の良さや働きやすさでは満足し、有給休暇が思うように取れなかったり、給料の少なさが不満としてあったようだ。勤務年数では、3年以上5年未満で満足度平均点が高かった。仕事になれ、やりたい目標を持ち、実践に取り組む時期であることがうかがえる。満足度平均点が低かったのは、5年以上10年未満であった。業務をこなし、頑張ってきたのに給料に反映されないなどの不満が出てくる時期かと思われる。
    個々の設問では、「上司を信頼できるか」「上司に相談できるか」の設問で満足度が最も高かった。その反面「複数の上司から指示を受けて困ることがあるか」で満足度が非常に低い結果となった。部署内ではコミュニケーションが良好であるのに対し、他部署とは管理職を含め、連携がうまくとれていないことがうかがえる。また、「当老健を利用したいか」という設問で満足度が低く、働きやすいが、利用者の立場になると満足ではなく、決して利用者によりそったケアが出来ていないのではないだろうか。
  • 五十嵐 健一, 櫻井 良子, 澤田 恵美子, 奥野 哲男
    セッションID: 1G-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈緒言〉
    輸血用血液製剤の適正使用は安全な輸血療法を実施する上で非常に重要である。当院では2006年4月より輸血管理料を取得し血液製剤の適正使用に努めているが基準外での投与も少なくない。そこで輸血療法委員会はアルブミン製剤を基準外使用した医師に対し投与の妥当性を問う『輸血効果判定報告書』の提出を求める取り組みを開始した。今回、この報告書を基にアルブミン製剤基準外投与の現状と問題点を検討したので報告する。
    〈方法〉
    2009年4月~2011年2月までの23ヶ月間に回収された『輸血効果判定報告書』47例について使用状況、使用目的、妥当性評価などの傾向を検討した。
    〈結果〉
    診療科内訳は外科38例、内科7例、脳外科2例であった。使用状況は外科の消化器癌術後が33例と多数を占めた。担当医師による妥当性評価は妥当27例、妥当でない20例と妥当優位であったが、委員会の評価は妥当17例、妥当でない30例と逆転していた。外科の投与理由は、医師・委員会共に妥当と判断したものは術後合併症などによる全身状態の不良が多く、医師・委員会共妥当でないと判断したものは術後の単なる循環血漿量維持目的が多かった。内科の難治性腹水治療に対する投与では6例全てで医師は妥当と判断したが、委員会は肝腫瘍破裂の危険があったものや腹水穿刺に伴う投与以外は妥当でないと判断した。
    〈考察〉
    今回の検討で外科医には侵襲の大きな手術の際、合併症を危惧し栄養状態を改善する目的で投与する傾向が認められた。単に血清アルブミン値を維持することが栄養状態改善には繋がらないことを強く訴える必要性を感じた。肝硬変などの難治性腹水に対する内科的治療では利尿剤抵抗性の場合に安易に使用される傾向があり、大量腹水穿刺に伴う投与以外は原則として認めない姿勢を示すべきと思われた。
    〈結語〉
    輸血療法委員会が医師に対し使用指針に基づく明確な基準を提示・啓発し続けることが適正使用に繋がるものと考えられた。
  • 小野寺 みつ江, 仙波 静, 山内 登志子, 石田 泉, 山田 さゆり, 遠藤 利江子, 山田 泰子
    セッションID: 1G-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    東日本大震災時における福島県厚生連6病院栄養科の対応と教訓 福島県厚生連栄養士会 小野寺みつ江・仙波静・山内登志子・石田泉・山田さゆり・遠藤利江子・山田泰子 <はじめに>東日本大震災時に福島県厚生連の栄養科で、何がおき、いかに対応し、どのような教訓を得たのかを報告する。<各病院の状況>福島第1原発から3_km_の双葉厚生病院では、3月11日地震により調理器具の全てが倒れ、ガス漏れが発生した。ライフラインは電気のみ確保されていた。当日夕食は、ガスコンロにより飲水不可の水で非常食を温めて提供したが、患者の避難場所が把握できず、また緊急に来院した外来患者にも食事を提供したので食数が掴めなかった。隣接する健康施設に職員用の炊き出しを依頼した。翌12日朝食も非常食を提供した。昼、水道が復旧、厨房器械の点検をしたが、原発事故のため全患者全職員が緊急避難し、同院は現在も休院中である。原発から30kmの南相馬市に位置する鹿島厚生病院では、震災直後、ガス、ボイラー、エレベーターが停止した。原発事故後、職員は自主勤務になったため、調理員の数が不足し、他部門のスタッフと協力を得て食事を提供した。さらにガソリン不足と物流停滞のため、16日以降の食材納入が停止した。栄養士は病院に宿泊し、食材集めに奔走した。同院は19日から4月10日まで一時休院した。中通り南部に位置し、液状化現象が起きた白河厚生総合病院は、建物には被害がなかったが、外部の水道管が破裂し断水した。病院の貯水タンクの水を使い、自衛隊による給水支援を受け、節水しながら食事を提供し、非常食は使用しなかった。塙厚生病院では6時間の停電があり、1食、非常食を使用した。坂下厚生総合病院ではガスが停止し、1食、非常食を使用した。高田厚生病院では食事提供上の問題は発生しなかった。 <考案>_丸1_災害時に備え、設備、給食材料の業者と契約を結んでおく。_丸2_水を確保する。_丸3_非常時に備え、栄養科以外の職員に、非常食提供の指導と訓練をしておく。ライフラインが確保されない時を想定しておく。_丸4_患者や職員以外の非常食を備蓄しておく必要がある。
  • ~茨城県厚生連の6病院~
    林 潤一
    セッションID: 1G-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈はじめに〉茨城県厚生農業協同組合連合会(以下:茨城県厚生連)は、茨城県内で6つの地域中核病院を運営している。茨城県厚生連のソーシャルワークを担当する部署では、月次報告(以下:月報)を茨城県厚生連の本所に毎月提出している。しかし、月報の元となる日次報告(以下:日報)の作成基準が6病院で統一されていなかったため、データの比較や業務の改善に発展させることができなかった。そこで、6病院全体で日報の作成基準を統一していく取り組みをおこなった。その経過と現況を報告する。
    〈取り組み〉6病院の代表者で日報の統一に向けた協議会を発足させた。
    1.日報の内容の現状把握
     各病院で提出している日報の内容を確認した。
    2.日報の作成基準の検討
     個別援助の作成基準は、“医療ソーシャルワーカー業務指針”を元に作成された日報をベースに、個々の事例をつきあわせて検討した。個別援助以外は、4つの項目に分けて直接入力できるようにした。
    3.日報のフォーマットの作成
     数値を自動計算できるように電子化し、ソフトは汎用性の高いエクセルを使用した。
    4.月報の内容、フォーマットの作成
     各病院で提出している月報から、必要項目を抽出して組み替えた。数値は、日報を反映し自動計算できるようにした。
    5.ケース受付簿の作成
     個別援助の台帳を電子化し、データとして管理できるようにした。
    〈まとめ〉2011年4月から6病院で統一された日報と月報、ケース受付簿の使用を同時に開始した。これまで同じソーシャルワーカー職として配置されていても、病院間で業務内容を把握することはできなかった。日報と月報、ケース受付簿を統一したことにより、業務内容を比較し分析することが可能となったため、業務の標準化が図られ、透明性や改善の同時性が確保された。
  • 水谷 弘二, 松田 盛功, 東 美加, 若原 辰也
    セッションID: 1G-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】最初のPACSが導入され6年が経過し、更新を迎えることになった。今回、当院におけるPACSシステムの更新と問題点を検証したので報告する。
    【PACS更新の経緯】画像データの表示格納領域が満杯に近づいた事・DELLのパソコンの保証がきれた事・1000枚以上の画像表示時によくフリーズする事・その他の機能強化
    【PACS装置】島津Sim-RadからコニカミノルタI-PACS
    【PACS更新時の必要事項】機器の選定・サーバー容量・画像データの移行・レポートの移行・放射線画像以外のデータ等
    【問題点】事例(1)画像データ移行に手間取っている。事例(2)他院からのデータが取り込めない。事例(3)撮影後の画像取込に時間がかかる。
    【対策】(1)(2)DICOM規約違反の画像の修正。(3)シリーズ毎の格納により改善
    【今後の課題】放射線以外の医用画像(内視鏡・超音波画像などの取り扱い)・電子カルテとの連携
    【まとめ】今回、初めてのPACS更新を経験したが、5年ごとに更新せざるを得ない現状において、次回の更新時には今回の経験を生かし、スムーズな更新を行えるようにしたい。
  • 高橋 健一, 田代 和広, 本田 貴之, 鈴木 広志, 岩東 正人
    セッションID: 1G-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     高精度放射線治療を行う上でMLCの位置精度は非常に重要であり、治療精度を維持するにはMLCのズレを早期発見することが必要である。EPIDを用いて簡易的に行う方法を検討したので報告する。
    【使用機器】
    SIEMENS ONCOR Impression plus,MLC:160MLC(5mm),EPID:OPTIVUE500(512x512pixels),DDsystem(Ver.9.4),KODAK EDR-2 Film
    【検討方法】
    1、EPIDの精度確認
     クロスワイヤー十字板を装着し、EPIDで0度、90度、180度、270度の撮影を行い、コリメータ中心とEPID中心のズレを確認する。
    2、フィルムとEPIDの比較
     フェンス試験(MLC2mm幅2cm移動)を行い、DDsystemで解析して算出結果を比較する。
    3、EPID画像によるMLC位置の確認
     リファレンス画像(基準となる画像)とのサブトラクションによるMLCの位置ズレ検出能の検討を行う。
    4、フェンス試験の経時的変化
     0度、90度、180度、270度においてフェンステストのリファレンス画像を作成し、経時的に撮影を行い、そのズレの変動を検証する。
    【結果】
    1、EPIDの精度は架台角度に依存するが、再現性に問題はない。
    2、フェンス試験におけるフィルムとEPIDの比較では、撮影距離、算出できる濃度勾配が異なり、EPIDの方が小さい値となった。
    3、EPIDのサブトラクション機能(リファレンス画像と白黒反転画像を合算してサブトラクション画像を目視確認)を使用したMLC位置のズレは1mm以下でも目視確認が可能であった。
    4、フェンス試験の変化に1mm以上のズレはなかった。
    【考察】
     当院の装置のMLC許容誤差を最小にする設定することで、1mm以上の誤差は検出することが可能であり、0.5mm以上の誤差はEPID画像のサブトラクション機能を使用することで検出することが可能である。EPIDを用いたMLCのQAは、携わる技師の個人差が無く、経時変化を観察するうえで簡易に行えるツールとして有用である。
  • 仲山 剛史, 山田 佳未, 松岡 理恵, 三輪 正治, 後藤 博, 中西 茂樹, 梶浦 雄一, 田中 孜
    セッションID: 2B-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【はじめに】
     心臓領域のMRIは近年急速な進歩を挙げている。虚血、梗塞、心筋線維化、冠動脈狭窄の評価や心機能評価ができること、空間分解能、時間分解能が高いことにより循環器領域の画像診断にはなくてはならない検査になりつつある。そこで今回、心臓MRIの心筋壁運動の評価について他のモダリティとの比較、検討したので報告する。
    【使用機器】
      MRI装置:PHILIPS社製 Intera Achieva 1.5T Nova
       (WS:AZE社製 Virtual Place Lexus)
    心エコー装置:PHILIPS社製 iE33
    Angio装置:PHILIPS社製 Integris BH5000
    【対象と方法】
     2009年1月より2011年4月までにシネMRI・心エコー・左室造影(LVG)を行った10症例を対象とし、左室駆出率(EF)・左室拡張末期容量(EDV)・左室収縮末期容量(ESV)・1回拍出量(SV)を測定する。
    【各モダリティの解析方法】
    MRI:シネMRIにて左室短軸像を心尖部から心基部まで1断面20コマ計240枚をWSに て解析
    心エコー:modified Simpson法にて解析
    LVG:RAO30°、LAO60°の二方向にて解析
    【結果】
    EF:10症例全てに関してシネMRIが最も低い値となり、心エコーと比較すると平均約28%、LVGと比較すると平均23%の低い値を示した。
    EDV・ESV:MRIとLVGにて比較的近い値を示した。また心エコーに関してはほぼ全例にて最も低い値を示した。
    SV:各モダリティ間で明らかな相関は示さなかった。
    【考察】
     シネMRIによる、心機能解析結果としてEFは、他のモダリティに比べ2割から3割程の低値となることがわかった。これは、解析方法が異なることが考えられる。ゆえに、他のモダリティとの値の比較は適切でないと考えられる。しかし、MRIによる心機能解析は患者の体型による描出能の違いや検査者間による差があまり無く、客観的で再現性に優れているため、フォローアップ等の予後検査には適していると考えられた。
  • 近藤 努, 田中 真彦, 芝田 弘, 野口 和秀, 齋藤 知之, 瀧澤 勉, 秋月 章
    セッションID: 2B-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【目的】顎関節MRIにおいて,現行の撮像法であるT1強調画像(T1),T2強調画像(T2)では関節円板の描出が不良な症例,関節貯留液の有無の判別が困難な症例が散見する.そこで今回閉口位にて新たにプロトン密度強調画像(PD),T1脂肪抑制画像(T1fs),T2強調画像(T2)を追加撮像し,検討を行った.【対象】2010年6月から8月までの3ヶ月間に顎関節症の診断によりMRI検査を行った16例32関節を対象とした(男性5名,女性11名).【方法】装置はSiemens社製1.5テスラAvantoMRIを使用し,小関節用円形コイルを両側顎関節の位置に固定し撮像を行った.関節円板とその直下に隣接する外側翼突筋,関節貯留液に関心領域(ROI)を設定し,信号値を測定した.関節円板の描出能について,関節円板と外側翼突筋の信号値の比を求め,平均値を算出した.関節貯留液の描出能について,関節貯留液の信号値を測定し,平均値を算出した.【結果】関節円板の描出能について,PDの信号値の比が有意に高くなった(図1).関節貯留液の描出能について,PD,T2の信号値が有意に高くなった(図2).【考察】PDでは,関節円板などの軟部は低信号であり,液体はより高信号になるため,コントラストが高くなる.よって,関節円板,関節貯留液の両方で描出能がよくなったものと考えられた.T2は,PDより関節貯留液の信号値は落ちたが,現行のT2と比べ,関節貯留液の描出に有用であると考えられた.T1fsは関節円板周囲の脂肪の信号が落ちることで,関節円板と周囲のコントラストがつかなくなったため,関節円板の描出が不明瞭であったものと考えられた.今回の検討より,顎関節MRIにおいて,現行のT2の代わりに,プロトンを撮像することで,より関節円板,関節貯留液が明瞭に描出され,顎関節疾患の診断に有用な画像を提供できると考えられた.
  • 亀井 靖, 橋本 智史, 今井 信輔, 渡邉 常夫, 土屋 雅子, 松野 俊一, 藤本 正夫, 加藤 敏夫, 平林 紀男, 野坂 博行
    セッションID: 2B-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【はじめに】:今回我々は、心臓CineMRIが有用であった、心嚢液貯留を契機とした悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する。
    【症例】:72歳 女性。
    【主訴】:胸部不快感。
    【既往歴】:特記事項無し。
    【経過】:2010年2月より、労作時の息切れ、嘔気が続いたため、2010年4月5日当院内科受診。心電図、胸部・腹部X線撮影、胸部CT、心エコーが施行された。胸部X線撮影では両側胸水、心拡大が、胸部単純CTにては、心嚢液、前縦隔から心膜腔内にかけて、腫瘍が認められたため、同日入院となった。血液検査にてWBC10320/mm3、CRP2.53mg/dlと高値であった。翌日には、胸部単純MRI、心臓CineMRIが施行され心膜腔に多量の心嚢液の貯留と心膜腔内の腫瘍が認められた。4月8日多量の心嚢液貯留による心臓への圧迫の軽減と細胞診目的のため、心膜腔穿刺が施行された。心嚢液細胞診では、異型は弱いが比較的明瞭な核小体を有する小型~中型リンパ球の増生を認め、悪性リンパ腫が疑われた。免疫染色の結果は、CD3(約70~80%)CD79α(約20~30%)であった。4月16日、治療のため転院となった。
    【結語】:今回行なった心臓CineMRIは心電同期TureSSFP法である。この方法は、血液を白く、壁を黒く描出するため、血液と心筋のコントラストが優れている撮像方法である。スライスは、心臓長軸に垂直方向で僧帽弁から、心尖部までの左室短軸Cineと左室流出路を含む最も心基部寄り左室軸上で、左室流出路と後側壁を通る二腔長軸Cineを用いた。心膜腔内の腫瘍の侵潤範囲と多量の心嚢液貯留下での心筋運動が明瞭となり、本症例において心臓CineMRIが有用であったと考える。
  • 加藤木 孝宏, 高村 秀彰, 長谷川 圭壱, 柴田 靖
    セッションID: 2B-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    <目的> 当院では2009年4月より筑波大学附属病院水戸地域医療教育センターが開設した。それに伴いRI検査では新たに脳血流や脳腫瘍の診断が始まった。今回、脳腫瘍の鑑別にも使用される201Tl-SPECTとMRI画像をfusion(融合)させ、画像作成ソフトBEAT-Tlを用いて解析し、その有用性について報告する。 <対象> 24症例(2009年8月~2011年3月) <装置> RI :SIEMENS社製 E.CAM MRI:SIEMENS社製 Symphony 1.5T 画像作成ソフト:富士フイルムRIファーマ(株) BEAT-Tl(Brain Easy Analysis Tool for 201Tl) PC:intel Core2 Duo Windows XP(OS) <方法> 対象となるfusion画像は201Tl SPECTとMRI T1強調画像とした。RIのSPECTデータとMRI DICOMデータを画像変換後、PCを使用してfusion画像を作成した。基本的なfusion処理は画像作成ソフトにて自動処理にて行っている。 <結果> 201Tl SPECTとMRI T1強調画像それぞれとfusionした画像での比較を行った。SPECTの場合、機能的な疾患の診断や病変検出に優れているが空間分解能が低いために解剖学的な情報に乏しく病変部位の正確な特定が困難な欠点があった。MRIの場合、画像で腫瘍の特定は可能だが良悪性の鑑別は困難な欠点があった。そこでBEAT-Tl使用しfusionした結果、正確な解剖学的の位置情報を特定することが可能となった。 <結論> 201Tl SPECTの機能情報とMRIの形態情報をfusionすることにより解剖学的位置の同位を精度よく診断をすることが可能となった。今後は更なる精度を高め、脳腫瘍の良悪性鑑別診断の向上や治療効果判定・予後予測に関して症例報告を行いたい。
  • 小森 竜太, 丹羽 政美, 高橋 尚宏, 西田 知弘, 荒川 裕子, 土屋 大輔, 小野江 雅之, 近松 克修, 今村 裕司, 土屋 十次
    セッションID: 2B-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】今回、ストレスに及ぼすチューイングの脳内メカニズムを検討するために、fMRIを用い、ストレス負荷による扁桃体と前頭前野の応答に及ぼすチューイングの影響を検索した。さらに、ストレス負荷時の血中ストレスマーカの挙動変化に及ぼすチューイングの影響を検討するために、これら物質の血中濃度変化を計測した。
    【対象および方法】倫理委員会の承認を得、インフォームドコンセントを十分に行い、文書による承諾を得た21歳から54歳までの男性14名、女性4名の健常なボランティアを対象とした。撮像にはfMRI(BOLD法)を用いてSPM5にて解析した。Taskデザインには、ブロックデザインを用い、Task 1では、32秒間のストレス刺激提示の後、32秒間のコントロールを行い、これを4回繰り返した。Task 2では、ストレス刺激下でガムチューイングを32秒間行った後、32秒間コントロール状態を設定し、これを4回繰り返した。ストレス刺激は、非常ベル音と爆発音の合成音(95db)を用い、被験者にはヘッドホンを介して提示した。ストレスの程度を判定するために、視覚的アナログ尺度、VASを用いた。また、ストレスマーカの血中濃度測定のため、ストレス課題提示を5分間行った前後に採血し、アドレナリン、ノルアドレナリン、ACTHの濃度を測定した。
    【結果】ストレス刺激により扁桃体と前頭前野の賦活、およびアドレナリン、ノルアドレナリン、ACTHの血中濃度の上昇が起こること、そして、これらのストレスによる変化は、ガムチューイングにより抑制されることが明らかになった。さらに、VASによるストレス評価においてストレス度が44%軽減した。
    【結語】噛む動作は、大脳辺縁系の扁桃体と前頭前野のストレス応答を抑制することにより、HPA軸や交感神経系の機能亢進を軽減させることがヒトにおいて明らかになった。
  • 松家 勲
    セッションID: 2B-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    2009.12月より当院で稼動を開始した3T-MRIにて行っている 全身拡散強調画像:DWIBS (Diffusion-weighted Whole Body With Background Body Signal Suppression)の有用性について、検討を行った。 MRI装置はPhilips社製3.0テスラAchieva 3.0TXである。 当院では、DWIの全身撮像、全身MIP画像に加え、T1(AX)、T2(COR)強調画像を撮影し、より詳細な解剖学的位置の把握を行っている。
    現在我々が行っている検査ではコイルを2回スライドさせて、計三部位を撮像し、それぞれの画像を繋ぎ合わせる方法である、 頸部から骨盤までのDWIBS法軸位断とT1,T2強調画像を合わせ、撮像時間は40分程度と短時間で行う。且つそれぞれの撮像範囲での繋ぎ目のアーチファクトの少ない画像が得ることができる この方法は、B-factorを1000程度に高くし、元画像のコントラストの影響を少なくしている。
    スピンエコー法のDWIよりS/Nがやや低くなるものの、STIR法を用いる事で、脂肪や筋肉等の背景信号抑制が良好となり、多くの腫瘍や急性期の炎症部では細胞外間質の水の動きが悪くなり、病変部の把握が容易である。 利点として1)被曝がない2)造影剤を使用しない3)前処置不要4)保険点数が安い。
    欠点としてはMRI禁忌患者が撮影不可であること、高度肥満者(体型の制限)などがある。 DWIBSの広範囲撮影による臨床的価値として、未知の病変のスクリーニングや、既知の病変の診断や拡がりを評価でき、現在注目されている撮影方法である。
  • (頭部・頚部CTA篇)
    梅田 伸一, 佐藤 純, 渥美 論, 若原 辰也, 北島 幸也, 服部 哲也, 早川 貴善, 水谷 弘二
    セッションID: 2B-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】X線撮影においては低線量・高画質化が進み、以前と比べかなり被曝線量が減ったが、3DCTアンギオ検査においては、まだまだ造影剤の低容量化に向けて検討の余地があると思われる。どのような撮像タイミングで撮ればどれ位の量まで減量できるのか検証してみた。
    【背景】テストインジェクション(9ml)を行っているとき監視部位のCT値が人によってばらつきがあり、たまに高CT値を示す時がある。こういう人の場合、本スキャンでも少量の造影剤で高CT値が期待できるという仮説が立つ、そして、どれ位のCT値の時、どれ位の量で本スキャンができるのか調べることにした。
    しかし、ただ撮影できたと言うだけでは客観性がないので最低でもICPCレベルで300HU程度ないと撮影できた事にならない、と言う風にした。
    【使用装置】CT装置:Light Speed VCT,Light Speed Ultra(GE社製64列)
    【方法】監視部位を総頚動脈とし、テストインジェクション法で得られた時間濃度曲線を基に、造影剤到達時間・ピーク時のCT値を解析し撮影タイミングと造影剤の量を決定する。
    【結果】最小、25mlで頭部CTAでの良好なコントラスト像を得ることができた。
    しかし、約15%の割合で時間濃度曲線を得られずボーラストラッキング法での撮影になった。
    【考察】内頚動脈の監視だと時間濃度曲線を作ることが出来ない場合があり再考が必要と考える。
    しかし、ボーラストラッキング法でも50ml未満で良好なコントラスト像を得られることがわかった。
    【結論】高体重の場合、造影剤量が多くいる傾向にあるのは間違いないが早期動脈相の場合、全身に循環していないのでそれほど体重(総血液量)による造影剤の希釈度合いの差はないと推測できる。
  • ~Autopsy imagingが診断に有効であった症例について~
    城戸 修, 玉川 邦明, 新井田 紀子, 星 寿郎, 太田 幸雄, 松井 遵一郎
    セッションID: 2B-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに>正確な死亡診断を得る目的でAiを施行することが勧められている。当院でも平成19年5月以来、マルチスライスCTを用いて積極的にAiを施行している。昨年の本学会にて当院での実態を報告したが、症例数を重ね、Aiの有効例が増加したので報告する。
    <方法>過去4年間に実施した81例(全身75例、頭部のみ6例)において、1)年度別・月別の件数、2)Ai施行例の死亡場所と警察の関与、3)Aiが診断に特に有効であった死亡原因の数と疾患、について検討した。
    <結果>1)年度別では19年度3例、20年度22例、21年度20例、22年度36例。月別では1月14例、3・5・11・12月各8例、2・4月各7例であり、冬期に多い。2)対象例の死亡場所は、自宅およびその周囲(庭やハウス)(CPA搬送例も含む)64例、屋外11例、自動車内3例、自宅外の屋内3例、不明2例であった。この内で浴槽または浴室で発見された例が14例(17.2%)あり、内1月に6例であった。また警察が関与した例は57例、非関与例は21例、不明3例であった。3)Aiが特に有効であったと考えられる例は23例(26%)であり、年度別では19年度3例、20年度7例、21年度6例、22年度7例であった。疾患別内訳は心タンポナーデ6例、脳内出血6例(含脳室穿破2例)、血胸・気胸4例、肺炎・胸膜炎3例、クモ膜下出血・硬膜下血腫・肺挫傷・窒息各1例であった。自殺は3例、自殺が疑われた例が3例あった。
    <考案とまとめ>1.Aiが有効であった死因としては、心タンポネーデと脳内出血、ついで血気胸が多かった。また、脳内出血の脳室穿破とクモ膜下出血の鑑別は従来死体検案で行われていた髄液採取法のみでは不可能であり、Aiによってのみ可能である。2.Aiが特に有効であった症例は26%であり、前年に比して率は低下しているが、その原因は22年度のAi件数の増加によるものと思われる。
  • 土屋 大輔, 今村 裕司, 小森 竜太, 西田 知弘, 高橋 尚宏, 小野江 雅之, 近松 克修, 丹羽 政美, 水草 貴久, 土屋 十次
    セッションID: 2B-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
    [マルチスライスCTにより得られる,高速で膨大なボリュウムデ-タを有効に利用するため,フイルム診断からモニター診断へと移行してきた。今回我々は,当院CT装置の低コントラスト分解能について視覚評価,高コントラスト分解能について視覚評価, シリンジワイヤファントム(ワイヤ径0.2mmφ)を使用したMTFで定量評価し,配信先にて出力画像を表示する診療用画像モニターに劣化なく表示されているか視覚評価したので報告する。

    【使用機器】
    CT;東芝製 Aquilion Cx (64チャンネルシステムCT)
    表示画像モニター; 5M・2M・汎用型
    画像評価ファントム;catphanファントム

    【方法】
    catphanファントムCTP515 低コントラストモジュ-ル,同様ファントムCT528高分解能モジュ-ルを撮影し, CT装置搭載モニターを基準としてSERVERを介し配信したファントム画像について,診療用画像モニターの5M・2M・汎用型モニターにて15年以上の経験年数の有する5名の診療放射線技師にて視覚評価した。

    【結果】
    5M・2M・汎用型モニターにおけるCT画像の視覚的劣化は認められない。ただし汎用型モニターにおいて縦横比の設定により画像の歪を生じることを認識した。

    【結語】
    画像の構成、512×512は1ピクセルにおける画像サイズが0.8~0.5mm程度となりそれは汎用型モニターにおいても5M高精細モニターと同様に高コントラスト領域,低コントラスト領域共に,観察可能なことが検証された。
  • 320列ADCT
    長谷川 健, 赤川 浩司, 内田 和仁, 土居岸 鉄矢, 平井 正幸
    セッションID: 2B-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
     当院での心房細動症例に対するカテーテルアブレーションでは、術前の左房や肺静脈の形態評価、カルトシステムのマッピング用データが必要なため、CTによる肺静脈造影(以下PVCT)が必須検査となっている。PVCTは発作性心房細動のアブレーションを行っている施設では一般に行われている検査法であるが、撮影において心電図同期の有無が施設ごとで混在しており、ゴールデンスタンダードがない現状にある。そこで、今回われわれは320列ADCTにおいて心電図同期の有無で左房や左心耳の描出能を比較検討したので報告する。
    【方法】
    撮影は同期、非同期それぞれボーラストラッキング法にて行った。ROIは左房に設定し、CT値が200HUになったところで撮影を開始した。撮影はどちらもVolume Scanとし、ガントリ回転速度を0.35秒、再構成はハーフリコンとした。また、同期撮影では心拍によらず拡張中期である75%1Beet曝射を行った。撮影後、肺静脈の入口部分を観察するための仮想内視鏡とVR(volume rendering)、3mm厚、3mm間隔のMIP画像をaxialとcoronalで作成し、処理画像の比較を行った。
    【結果】
    同期をかけた症例の中でHRが60以下では左心房や左心耳の描出能がよく、それ以上になると同期の有無で処理画像の画質に大きな違いは見られなかった。
    【考察】
    320列ADCTでのPVCTでは従来のHelical Scanと異なり、0.35秒1Scanで撮影を行えるため、同期の有無よりもHRに依存することが分かった。今後はHRに依存せず左心耳内の血栓評価を行うために、HRの高い症例は2心拍以上を撮影し、SEGMENT再構成による描出能の検討が必要である。以上のことから心電図同期撮影は必須になると考えられる。
  • 小室 裕美, 永江 梨紗, 横張 美律恵, 平石 真澄
    セッションID: 2B-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    _I_.はじめに
     慢性呼吸不全による在宅酸素を導入している患者が多く、酸素を使用している事からの生活動作の不安や移動時の転倒、CO2ナルコーシスによる意識障害の軽減が出来るよう基本的欲求の一つである清潔ケアに焦点を置き検討した。
    _II_.対象・方法
     慢性呼吸不全で酸素管理の必要な患者4名でA~D氏とする。  清拭・シャワー浴の両方を施行し酸素飽和度・脈拍数・呼吸困難を5段階で記したフェイススケール表を用いて呼吸困難の程度を評価する。  湯の温度は血圧上昇を防ぐために38~40℃とし、時間は心負荷のかかりにくい10~15分とする。
    _III_.結果
     清拭では、施行前後に比べ施行中に酸素飽和度の低下が見られたが、呼吸困難の訴えはみられなかった。シャワー浴では、清拭に比べ呼吸困難の増強があると考えていたが酸素飽和度・フェイススケールはほとんど変化がなかった。
    _IV_.考察
     呼吸困難増強が多いと考えていたシャワー浴では、施行前後の更衣などの体動で呼吸困難が軽度見られたが、施行中は安静時の呼吸状態と変化は見られなかった。これは、血液循環が良くなり新陳代謝がゆっくりとなった事で呼吸状態が安定したと考える。また、心負荷のかかりにくいシャワー浴にした事で呼吸状態が安定し酸素消費量が少なくなったと考える。労作が少なく呼吸困難がないと考えていた清拭では、更衣や体位変換による運動量が多く、身体的負担がある事からフェイススケールには変化は見られなかったが酸素飽和度の低下は見られた。この事から清拭は労作時の酸素量が必要と考えられ、今後も身体的負担を最小限にできるよう酸素量の検討を行う必要があると考える。
  • -下肢骨関節術後患者の清潔習慣から清潔ケアについて考える-
    村井 京子, 烏山 弘子, 諸星 浩美, 坪井 声示, 玉内 登志雄
    セッションID: 2B-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <緒言>入院生活では、保清全般に対して自宅にいる時のように行えなくなるのが現状である。入院中に、より良質な清潔ケアを提供することを目的に、患者が看護師の行う清潔ケアをどのように受け止め、どの程度満足しているのか、また、看護師は病棟でルーチン化されて行われている清潔ケアを、どう思っているのかを知る為に、患者の満足度調査と看護師の意識調査を行った。 <方法>研究期間:2010年6月~9月 研究方法:調査期間内に手術目的で入院し、手術後ベッド上安静が3日以上続き、意志疎通が可能な患者30名及び病棟看護師21名に対して、アンケート調査(質問紙自記式無記名調査)を行う。 <結果>整形、リウマチ科病棟の患者は、清潔に気を使う、まあまあ気を使う人が29名であった。患者の満足度が一番高い清潔ケアは、朝、夕に行われる洗面ケアで、次に清拭、洗髪、足浴の順番であり、看護師では、洗髪、足浴、洗面ケア、清拭の順番に満足度が高かった。 <考察>患者の満足度が一番高い清潔ケアは洗面ケアであり、これは日常の生活行動に近いものであることで満足度が高かったと考えられる。一方看護師は、洗髪、足浴の看護必要度の高く、ケアの実施に対しての自己満足度、他者満足が見えることから高い満足度になったと思われる。患者の清潔ケアは手術後のADLの回復に合わせた自分でできる方法を指導したり、個々の清潔習慣をふまえた清潔ケアを計画、実施していくことが、患者の満足度や回復意欲をより高めることになるのではないかと考える。
  • 保坂 由貴, 高田 るり子, 野寺 範子, 大豆生田 桂子, 高岩 和枝
    セッションID: 2B-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】口腔内乾燥は、唾液分泌の低下や口呼吸などによる口腔粘膜水分の蒸発によって引き起こされ、口腔内だけでなく全身状態にまで影響を及ぼすことも多い。A病棟では、オキシドールを使用した洗口液にて清拭後、口腔保湿剤を塗布する口腔ケアを行っているが、口腔内乾燥が著明な患者では清潔な口腔内環境を保つことができていない。そこで、2%重曹水スプレーで加湿を加え、その後口腔保湿剤にて保湿することで口腔内乾燥が改善するのかを検証したので報告する。【方法】非経口摂取患者、セルフケア困難な患者3名を対象に5日間実施。唾液湿潤度値・柿木分類・口腔アセスメントシートを用いて従来の口腔ケアと2%重曹水スプレーによる加湿を加えた口腔ケアの結果を比較検討する。 【結果】A氏は5日間唾液湿潤度値軽度乾燥、視診的評価中等度であった。B氏は唾液湿潤度値5日間軽度乾燥、視診的評価1日目から3日目までは重度、4日目、5日目は軽度から中等度。C氏は、全ての評価において変動があったため改めて10日間実施。唾液湿潤度は乾燥から軽度乾燥、視診的評価は重度乾燥。以後11日目以降は夜間の体位変換の時間に合わせて加湿を行った結果、唾液湿潤度と視診的評価には変化を示さなかったが、口腔内状況は剥離上皮が徐々に減少し14日目には消失した。【考察】2%重曹水スプレーによる口腔内への加湿は、唾液湿潤度判定基準・柿木分類・口腔内アセスメントにおいて数値の変化を捉えることはできなかった。しかし、加湿回数を増やし継続して行うことで口腔内状況の改善がみられ、対象者の不快感の除去と口腔ケアにかかる時間の短縮につながった。【おわりに】2%重曹水スプレーの有効性は明らかにならなかったが、加湿・保湿の重要性の示唆を得ることができた。
  • 食べこぼしのある利用者を救え!!
    福田 香織
    セッションID: 2B-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに 私達は、50代で脳梗塞を発症し片麻痺がある事例の食事介助について検討する機会を得た。本事例は、退所する時期になっても食べこぼしによる衣服の汚染があり、介護者である妻から在宅での介護が大変だということが聞かれた。そこでエプロン改善大作戦を試みた。 事例紹介 A氏 61歳 男性 脳梗塞の既往があり左片麻痺。知的には保たれているが、意思疎通はイエス・ノーのジェスチャーのみ。 入所時、自己摂取していたが食べこぼしが少量みられ、エプロンを使用。食事時間は1時間程度だが全量摂取していた。徐々に食べこぼしが多くみられ毎食後更衣が必要となった。食事時間も1時間以上かかり、一部介助となる。家族からは「家では毎回着替えるのは大変」等の意見が聞かれた。 ケアの実際 当施設のエプロンは食べこぼしをキャッチしきれず、横から流出し水分が染み込み、服が濡れていた。 まず衣服まで染みこませないため家庭にあり、エプロンの下に縫い付けることができる吸水性のあるタオルを使用。汚染時そのまま洗濯できる。次に清浄に食べこぼしをキャッチできる1.5ℓのペットボトルを工夫した。服に直接クリップで挟むことで、好きな位置に付けられ、体の傾きと共に動くので食べこぼしの流出を最小限におさえることができた。また、ペットボトルの上からエプロンをかぶせて使用するため、見栄えもよくなった。 結果・考察 食べこぼしのキャッチがうまくできるようになり、衣服の汚染がなくなったことで更衣回数が減少した。使用したペットボトルの大きさや取り付ける場所を変えられることが利点としてあり、またタオルの吸水性により、衣服までしみこむ事がなかったためと思われる。 食べこぼしを気にすることがなくなったことで食事への意欲も出てきたのではないだろうか。改善したエプロンは本人・家族ともに気に入ってくれた。食べこぼしによる汚染のたびの更衣が減る事が嬉しかったのかもれしない。
  • 音楽と遊びが与えた効果
    合津 啓こ, 高橋 幸子, 若林 壽美, 桑原 菜々美
    セッションID: 2B-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    チームで関わる棟内デイケアの取り組み
    ~音楽と遊びが与えた効果~
         安曇総合病院 混合病棟
    合津 啓こ(ごうづ けいこ)高橋幸子 若林壽美 桑原菜々美
    キーワード:棟内デイケア 集団レクリエーション 患者の変化
    【はじめに】当病棟は急性期と慢性期の患者を受け入れているが、高齢で認知症を伴う、医療依存度の高い患者が7割を占めている。毎日多くの時間が処置や検査で費やされ、患者と関わる時間が少ないと感じていた。そこで、リハビリテーション科とチームを組み、棟内デイケアに取り組んだ。音楽や遊びなどの集団レクリエーションを定期的に行うことで、患者に良い変化が見られてきたので報告する。
    【棟内デイケアの実際】介助が無いと臥床傾向であるか、認知レベルの低下がある患者で、主治医の許可が得られた患者を対象とした。週1回60分程度、病棟内で実施し、プログラムは担当看護師と病棟担当の作業療法士が企画運営した。
    【効果の確認方法】 平成22年5月~1年間(通算43回)に参加したのべ318名の患者に対し、デイケアに参加した時の言動や動作をデイケア記録から収集。
    【結果】236名(74%)の患者に変化が確認できた。
    ◆変化と思われた内容
    1)構音障害があり、ほとんど会話がなかった患者が一緒に歌った
    2)自発的な動きが乏しい患者が、体操や風船バレーの時手足が自然に動き参加できた
    3)表情の暗かった患者に笑顔が見られた
    4) 他患者を気遣う場面がみられた
    【考察】プログラムの中で、患者の変化が確認できたのは、「歌」「じゃんけんゲーム」「風船バレー」など、ルールが簡単で、昔から馴染みがある内容だった。  音楽と遊びの効果はあったと考える。また、患者の笑顔や生き生きとした姿が見られたことは、医療従事者にとって患者に関わっていくことへの励みとなった。
    【まとめ】チームで関わる棟内デイケアは、患者にとって良い刺激になる。
  • 郡 恵子, 吉川 育代, 伊藤 真理子, 宮原 千里, 三輪 加那子, 野村 昌代
    セッションID: 2B-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】我々は2007年秋より、摂食機能向上のために看護師(以下 NS) 1名、言語聴覚士(以下ST) 1名で摂食機能療法実施に向けた活動を開始したが、訓練実施がほとんどないままに立ち消えになっていた。2009年3月から訓練定着を目的にNS 5名、ST 1名の嚥下チームを設立。評価表を作成し勉強会を繰り返し行いNS全員が評価・プログラム立案・実施・再評価をすることとした。これにより訓練の実施が定着した。今回我々は、NSが意識改革をした理由を検討した。【方法】2009年3月までの取り組みを第1期、それ以降を第2期とし訓練が定着した要因をアンケート調査により検討した。項目は1)プログラムを比較してどちらが使いやすかったか、2)その理由は何か、3)訓練に対する意識変革があったか、4)その理由はなにか、を記載方式とした。【結果】アンケートは12名中11名から回収できた(1名は全回答が記載されておらず除外とした)。1)は7名が第2期プログラムの方が使用しやすいと回答。2)は評価項目が多岐にわたっており各患者の状態にあわせたプログラム設定が出来る、再評価を行う事により回復程度が確認でき次のプログラムをたてやすい、事前勉強会があり戸惑いが無かったなど。3)は11名より意識改革が得られたとあった。4)は実際の摂食時の観察視点が変わった、経時的に評価することで病状認識が変わった、嚥下チームの人数増加によりメンバーで支えあう事ができた、などであった。【おわりに】患者病状の詳細な分析の出来るプログラムを作成した事で患者に適切な訓練を行う事ができ、回復が患者や患者家族の喜びとなり我々の意欲も向上させる。勉強会を段階的に実施をしたことで苦手意識を持っていたNSも訓練を行えた。嚥下チームとして活動したため役割が明確化され責任感が増し、スタッフへの啓蒙が積極的になった。以上が訓練の充実の理由だったと考える。今後は他の機能障害にもさまざまなプログラム作成をしてゆきたい。
  • 内田 昌子
    セッションID: 2B-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】患者役と看護師役を互いに模擬体験しながら個別指導を受ける体験型の学習方法によるNPPVのマスクフィッティング技術習得の効果を明らかにする 【対象】A病院呼吸器内科病棟看護師30名 【研究方法】自己研修参加(体験型・講義形式)や臨床での患者装着経験の有無がマスクフィッティングの技術に影響を及ぼしているか調査し、体験学習前後の技術を比較する。データーはχ2検定で分析し、p値が0.05未満を有意差ありとした。マスクフィッティングの技術は_1_エアークッション_2_額アーム_3_額ベルトの取り扱い、_4_エアーリークと_5_圧迫感の有無の5項目から評価した。 【倫理的配慮】研究開始にあたり研究の主旨及び協力について文書と口頭で説明し、同意を得た。 【結果】自己研修参加との関連では、講義は87%受け、体験型の自己研修参加者は47%であった。両者ともにどの評価項目においても50%以下の習得であった。 臨床での患者装着の経験との関連では、経験ありの場合はエアークッションの取り扱いと圧迫感を除き50%以上の習得であった。 体験学習後との関連では、5項目ともに習得率が上がっていた。エアークッションの取り扱いは20%から57%(p=0.003)、圧迫感は33%から80%(p=0.0003)と習得に大きな変化がありそれぞれに有意差がみられた。 【結論】NPPVのマスクフィッティングの体験学習により全ての項目において習得でき、なかでもエアークッションの取り扱いと圧迫感は有意に習得率が上昇した。NPPVのマスクフィッティングにおいて体験学習は効果的であると示唆された。
  • ジェンセン 智恵美, 岩上 知映
    セッションID: 2B-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 2007年度より市内産婦人科が集約され、分娩数の増加、病床稼働率の上昇により看護の標準化が必要となった。2003年度から2005年度まで産褥期クリニカルパスを使用していたが活用に問題があり中止した。前回使用時の問題点からクリニカルパスの導入に向けての課題を明らかにする。<BR> [研究方法] 2003年度から2005年度まで使用していた産褥期クリニカルパスから問題点を明らかにする。<BR> [結果] 産褥期クリニカルパスを使用中止とし、現在使用している産褥期フローシートに変更した理由は以下の3点であった。   1 看護観察チェック項目の記載が抜けている。   2 アウトカム、バリアンス、使用開始基準が不明確である。   3 母乳育児ケアに向けて、乳房の変化や技術習得に応じたケアが解りにくい。     [結論] 今後導入するためには以下の2点を明確にし、改善する必要がある。   1 クリニカルパス導入目的をスタッフ全員が理解する。   2 ほとんどの褥婦は正常な経過をたどるが、個別性の大きい母乳育児ケアに関しては、アウトカムを産褥日数に応じて明確にする。また新生児の状態・乳首の形態・母乳意欲に応じ、使用基準を明確にする。
  • 西澤 延宏, 牧下 英夫, 依田 尚美, 花里 恵二, 大久保 吉弘, 神戸 徳彦, 小林 洋一, 宮崎 正新, 池内 英徳, 夏目 航也
    セッションID: 2B-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
     DPC制度は、急速に普及し、現在の急性期の入院医療では既に定着してきている。このDPCのもつ特性のうち、現在の日本で唯一の医療の共通尺度として、さまざまなデータを使って、病院のベンチマークを行うことが、一般化してきている。その中で、長野県厚生連は、急性期医療を行う病院を中心に、病院間のベンチマーク事業に取り組んできており、平成21年8月より、DPC分析ソフトを用いて、長野県厚生連のDPC病院6病院のデータがお互いに見ることができるようになっている。現在は施設名を開示して、症例単位のデータがお互いに参照できるようになっている。更に、共通基盤を持った病院同士の問題に取り組み、全体としてより良い医療を提供し、確固たる経営基盤を構築するために、平成22年度にDPC研究会を発足させた。
     研究会の事務局は、厚生連本所においている。会の運営を担当するのは、世話人会が中心であり、DPCに関係する各病院から選出されている。世話人は、様々な職種から選ばれており、医師・看護師・薬剤師・診療情報管理士・医事課職員である。事務連絡などは厚生連本所が行うが、内容は各病院が主体的に取り組み、独自性を発揮することとした。
     既に3回の研究会を開催したが、今まで見ることができなかった各病院の違いが、データの上で明瞭であり、様々な議論をする中で、充実した内容となっている。また、自院の問題点が把握され、病院に帰ってから改善活動につなげられたケースもある。
     会の内容は、基本になる情報やデータを提示することで、担当者に気づいてもらう、あるいは問題意識を高めてもらい、自ら改善する努力を促す仕組みを作ることが基本である。また、最新の情報提供や各病院の取り組みの紹介なども行い、長野県厚生連全体の医療の標準化を促進し、質の向上につなげていきたいと考えている。
  • 中谷 明子, 石木 英樹, 松波 登志子, 平野 清, 谷口 直樹, 田中 孜
    セッションID: 2B-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    (背景)本院は第三次救命救急センターを擁する383床の急性期型病院である。近年、権利意識の高揚から医療者に対する苦情や、時として暴言・暴力が目立ちその対応に苦慮していた。そこで患者サービス向上を目指し平成21年4月から医療相談室に医療メディエーターを専従で配置した。(実態)対応事例数1年目102件、2年目126件。関連者間の面談介入事例は83件。面談回数は平均2回、時間は1回につき平均1.2時間、最長2.5時間。苦情は_丸1_診断・治療に関すること_丸2_職員接遇に関すること_丸3_看護に関すること。当初の相談者は患者49.1%、家族33.3%、医療者17.6%。面談対象となった職種は医師50.6%、看護師18.1%、その他31.3%。(考察)利用者の不満はいろいろな場面で「理解できない」「不愉快」「納得できない」などが積み重なり、許容できなくなってしまうこと、ゆえに医療者には日常的に患者や家族に真摯に向き合う態度が求められている。一方医療メディエーターは患者側と医療者側を中立的な立場から、両者の理解、関係改善を支援する役割であるが、病院職員を擁護する役割だと思っている職員が少なからずいることがわかった。本院では2年にわたりメディエーション研修を開催し看護師長・主任看護師・MSWが受講した。これにより特に看護部内ではスキルが少しずつ浸透し成果をみている。今後の課題は_丸1_病院幹部が先頭に立ちメディエーションマインドを院内に拡大させること_丸2_医師がスキルを身につけること_丸3_事例に対する迅速で丁寧な対応を病院幹部が支援することである。メディエーターとしては患者と医療者の怒りや争いで見えなくなっているベールの下にある語りえぬものにこそ真実があることを念頭に支援を続けたい。
  • 北村 聡子, 土屋 雅子, 渡邉 常夫, 松下 次用, 市原 幸代, 吉田 正樹, 平林 紀男, 山瀬 裕彦, 野坂 博行
    セッションID: 2C-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】 Invasive micropapillary carcinoma(以後IMPC)は乳癌取扱い規約第16版で新規登録された特殊型乳癌の一型である。その発生頻度は乳癌全体の約1~4%と稀であり、リンパ節に転移する症例が多く予後不良とされている。今回我々は、その細胞像、組織像を観察する機会を得たので報告する。 【症例】 65歳女性。2009年3月、左乳房のしこりを自覚し当院受診。 【画像所見】 マンモグラフィーにて左乳房にMLO、CCともにスピキュラを伴う高濃度腫瘤を認めた。 超音波検査でも同部位に辺縁粗糙、一部不明瞭でhaloを伴う等~低エコー腫瘤を認めた。 【細胞所見】 小乳頭状やマリモ状形態を示す、結合性の比較的強い小型細胞集塊を多数認めた。二相性は認めず、集塊内には一部腺管様構造も認めた。集塊辺縁は細胞質で縁取りされており、核が内側に位置する極性を有していた。核形態は、比較的均一でクロマチンは増量し、核小体も明瞭であった。 【組織所見】 低円柱状の小型異型上皮が小乳頭状構造を形成し、浸潤性に増殖している。小乳頭状構造は中央に細血管を認めない偽乳頭であり、上皮の極性は外側を向いていた。 【免疫染色】 ER+ PgR- HER2new-であり、 EMAは小乳頭状構造の辺縁に陽性を呈するreserved patternが特徴であった。 【考察】 組織学的には典型的なIPMCであり、細胞像は組織学的形態を忠実に反映していた。集塊が小型で比較的揃っている点や、その辺縁部の特徴に着眼すれば、細胞診での組織型推定は可能であると考えられた。
  • 大谷 里美, 丑山 茂, 春日 好雄, 原田 道彦, 家里 明日美, 上原 剛, 秋月 章
    セッションID: 2C-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】乳腺腫瘍の診断において,非侵襲的な穿刺吸引細胞診は質的診断としての役割は大きい.しかし,検診活動の普及や画像診断情報の向上に伴い微小な病変や非触知病変が相対的増加し,良悪の鑑別に苦慮する症例が増加している.今回,乳腺細胞診断精度の向上を目的とし,乳癌取り扱い規約に基づいて鑑別困難および悪性疑いと判定された症例について組織所見と比較し診断根拠や問題点を検討した. 【対象および方法】2002年4月1日から2010年3月31日までの8年間に当院乳腺内分泌外科で乳腺穿刺吸引細胞診を行った1065例,1101病変中検体適正871病変を対象とした.標本は乳癌取り扱い規約の細胞診報告様式に基づき,検体適正は正常および良性,鑑別困難,悪性疑い,悪性に分けた.また,鑑別困難,悪性疑いとした病変で組織学的に確定診断がされた病変について細胞像と組織像を比較検討した. 【結果】検体適正は871病変中,鑑別困難は57病変(6.5%)で,悪性疑いは53病変(6.1%)であった.組織学的に診断が確定されたのは鑑別困難30病変,悪性疑い48病変で,組織学的に良性は17病変(21.7%),悪性は61病変(73.3%)であった.悪性疑いのうち組織診が悪性であったのは48病変中39病変(81.3%)であった.これらの穿刺吸引細胞診標本で細胞の出現形態は乳頭状が最も多いのが特徴であった. 【考察】鑑別困難の占める割合は6.5%と,規約の付帯事項と比較して妥当な結果であった.乳癌は多種の組織型が存在し,腫瘍周囲に乳腺症が存在することも多く,穿刺吸引細胞診では良性細胞が混在することもあり,判定を難しくさせている原因の一つと考えられた.良性病変の特徴とされる細胞所見が含まれていた場合,判定は鑑別困難,悪性疑いにとどめ組織診による確定診断を依頼することが必要と考えられた.
  • 寺田 浩史, 高橋 昭彦, 前田 晃男, 齋藤 公志郎
    セッションID: 2C-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    「はじめに」 近年薬剤耐性獲得菌が社会問題となっている。当院も例外ではなく薬剤感受性試験の結果が良くない。そこで近年急速に増加傾向にある腸内細菌科4菌種について薬剤感受性試験の結果とそれに基づくペニシリン・セフェム系薬剤分解酵素(ESBLS)について若干の検討を報告する。 「検討期間」 平成21年8月~平成23年2月 「使用培地など」 ドライプレート「栄研」、センシディスク(セフィナーゼ・CMZ)、KBディスク「栄研」(CPX・CTX・CAZ)、ESBLS確認用ディスク「栄研」(CPXC・CTXC・CAZC)、ミュラーヒントン_II_培地 「実験方法」 腸内細菌科4菌種を対象。 1:ペニシリン・セフェム系薬剤感受性試験で「S」以外が複数の場合βラクタマーゼを確認。 2:菌液調整後、感受性培地に塗抹しKBディスクを入れる。 3:2と同様にESBLS確認用ディスクを入れる。 4:CMZ感受性(S)を確認後、阻止円5mm以上の差がある場合をESBLS陽性とする。 「実験結果」_丸1_分離状況 大腸菌64/396(16.2%)プロテウス菌39/92(42.4%)肺炎桿菌10/208(4.8%)オキシトカ菌0/10(0.0%)_丸2_材料別 泌尿器系71株(63%)呼吸器系34株(30.0%)その他8株(7%) 「考察」 本来であれば遺伝子解析を行うべきであるが当院では実施不可能である。しかしできる限り臨床へデータを提供する環境は必要である。 「まとめ」 当院ではここ数年薬剤耐性のグラム陰性菌が増加傾向にあり、特に大腸菌の耐性化が目立つ。また材料別では泌尿器系検体がESBLS産生に限らず、キノロン系等の薬剤耐性化も目立つ。細菌検査室としてはESBLS産生と判断した場合は結果報告の際にコメントを付け加えて注意を促すことが必要である。今後各種薬剤耐性菌についても情報をできるかぎり把握し院内感染防止策等の構築も必要と考える。
  • 奈良 勉江, 塩見 理紗, 田原 尚之, 荒井 真, 今井 厚
    セッションID: 2C-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】血液培養からの菌検出は、臨床的意義が高く治療方針にも影響する重要な検査である。今回我々は、血液培養の適正化にむけての取り組みとして、血液培養ボトル提出時に採血者、採血量、採血時間の記入を依頼した。その調査データを基に血液培養の適正実施について検討したので報告する。 【対象】2010年9月~2011年2月までの期間で、血液培養ボトルに記入があった1552件を対象に(1)採血者、(2)採血量、(3)自動機器に設置するまでの時間、(4)2セット採取率、(5)汚染率について調査した。 【方法および結果】(1)採血者:I~IV群に分け、割合を調査した。看護師が最も多く(I群)、次いで研修医1年目(II群)、医師(IV群)、研修医2年目(III群)の順であった。(2)採血量:4~10mlを適正とし、それ以外を不適正とした。適正が98%で、不適正は2%であった。(3)自動機器に設置するまでの時間:2時間以内に検査室へ届いた場合を適正とし、それ以外を不適正とした。適正が94%で、不適正は6%であった。(4)2セット採取率:月別の傾向と実施前(2010年1月~6月)との比較を行った。月別では、若干の増加に留まったものの、平均は94.7%であった。実施前の平均が77.8%であったことから、実施後に大幅な増加を認めた。(5)汚染率:2セット採取のうち、特定菌が1セットのみから検出され、且つ、臨床的意義が乏しい場合を汚染と判定した。汚染率は、実施前が4.4%、実施後は4.1%で僅かに減少がみられた。 【まとめ】採血量および自動機器に設置するまでの時間はともに90%以上で適正に運用され、採血者の意識の高さがうかがえた。2セット採取率は実施後に増加を認めたことから、当院の原則である2セット採取が更に定着した結果と思われる。今回の調査から、当院では多くの職員が院内感染マニュアルを遵守し、血液培養検体の採取および取扱いがほぼ適正な水準で実施されていると考える。
  • 臺 美恵子, 佐藤 和代, 小林 千佳, 遠山 卓明, 長谷川 誠
    セッションID: 2C-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <背景>
    Streptococcus pyogenes(以下S. pyogenes)による劇症型や重症感染症例が報告されてきたが、
    近年、Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis(以下S. dysgalactiae)など、S. pyogenes以外のβ溶血性連鎖球菌での重症感染症例が増加している。
    今回、当院の小児科領域にて2症例経験したので報告する。
    <症例1>
    5歳女児。既往歴、現病歴なし。H21年12月10日発熱、右腰痛、右股関節痛を訴え当院受診。
    来院時採血でWBC13900/μl、CRP1.87mg /dl。その後、右腸腰筋膿瘍疑いにて切開、排膿術施行。
    術中の膿検体培養にてS. dysgalactiae検出。抗生剤投与継続し、ドレーンによる大量の排膿の末、症状改善し、H22年1月15日退院となった。
    <症例2>
    2歳男児。既往歴、現病歴なし。H23年5月5日発熱、左股関節痛を訴え近医受診。
    採血にてWBC16500/μl、CRP24.76 mg /dlと高値のため当院入院。
    咽頭における迅速A群溶連菌検査陽性。血液培養にて、S. pyogenes検出。その後、左腸腰筋膿瘍疑いにて抗生剤投与継続。穿刺した膿検体培養は陰性。H23年5月25日現在治療中。
    <考察>
    症例1では血液培養は陰性であったが、病巣部の膿検体からはS. dysgalactiaeが検出された。
    症例2では血液培養からS. pyogenesが検出されたが、病巣部の膿検体培養は陰性であった。
    しかし、両症例ともに腸腰筋に膿瘍が形成されており、股関節痛を伴うため原発病巣の可能性が高い。
    <まとめ>
    今回の症例のように、原因菌となるβ溶血性連鎖球菌が少数しか検出されないにもかかわらず、基礎疾患がない小児においても侵襲性溶血性連鎖球菌感染症として重症化することがある。
    急激に病状が悪化するため、培養検体の量や提出時期が、正確な検査結果を得るために重要である。
    また、検査技師が臨床医と患者状態や治療経過、検査結果などの情報を共有することにより、感染病巣や原因菌の早期発見、早期治療が可能となる。
  • 若松 真理, 福山 隆一, 船橋 真紀, 千田 美歩, 安居 直, 住吉 尚之, 横井 智彦, 西尾 一美, 中島 伸夫
    セッションID: 2C-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〔はじめに〕ある種のヒトのがんや炎症はウイルスが原因となっている。腫瘍ウイルスによる発がんの比率はますます増加しつつある。腫瘍ウイルスの感染を証明することは、診断を確定する上で重要な役割を担うと考える。 今回われわれは、FITCで標識されたEBER PNAプローブ(Dako社)を使用するISH法を簡易化し過去材及び最近の55症例で良好な標本を作成することが出来たので報告する。また、潜伏膜タンパク質(LMP1)発現との一致性についても検討を試みた。 〔材料〕長期に保管していた3症例と2008年10月1日から2011年5月30日に提出されたリンパ節標本をはじめとしてEBウイルス感染を疑った様々な組織検体52症例を用いた。 〔方法〕ホルマリン固定されたパラフィン切片をプロテナーゼKで前処理し、FITCで標識されたEBER PNAプローブを数滴滴下してカバーグラスで覆い、37℃ 90分間インキュベートしハイブリダイゼーションを行った。その後、抗FITCウサギポリクロナール抗体を用い、HRP標識ポリマーを反応させ、発色にDABを使用した。同時にLMP1の免疫組織染色を行った。判定の正確性を確認するためPCR法を併用した。 〔結果〕当院のように自動ハイブリダイゼーション装置を所有していない施設においても、37℃孵卵器と湿潤箱を使用して容易にEBウイルスを検出できた。55症例中EBER陽性例は15症例で、そのうちLMP1陰性例は10症例であった。_II_型潜伏感染に分類される上咽頭癌やNK/T細胞リンパ腫の症例ではLMP1が陰性となった。 〔考察〕EBER陽性でLMP1陰性の症例が67%と比較的高値でありEBER検索の必要性を強く感じた。また、LMP1の免疫組織染色との組み合わせにより潜伏感染の様式が明らかとなり、EBウイルスが感染した腫瘍の診断に有用であると考えられた。
  • 中村 俊一, 菅原 司, 片石 慎一, 岩間 寛, 野瀬 弘之, 大野 竜一, 東 弘志, 内田 多久實, 横山 仁, 藤永 明
    セッションID: 2C-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 胆嚢隆起性病変の鑑別診断におけるソナゾイドを用いた造影超音波検査の有用性について検討する。 【対象】 2008年10月から2011年4月までに当院にてソナゾイド造影超音波検査を施行し、病理学的または総合画像診断にて診断が確定した胆嚢ポリープ5例、胆嚢腺筋腫症8例、胆嚢癌2例である。 【方法と検討項目】 Bモードにて胆嚢隆起性病変の最大断面になる部位を描出し、造影モードに切り換えてソナゾイドを0.5ml投与し、低音圧連続送信にて観察を行った。Mechanical Indexは0.2~0.3、frame rate 15~30fps、focus pointは病変の下端1cmに設定した。 各疾患における染影パタンと輝度変化曲線(TIC:Time Intensity Curve)の検討を行った。 【結果】 胆嚢隆起性病変の染影パタンは線状型(linear type)、点状散在型(scattered type)、点状びまん型(diffuse type)、樹枝状型(branched type)の4型に分類された。 染影パタンにおける疾患別内訳は線状型は3例に認め、全例胆嚢ポリープであった。 点状散在型は8例に認め、全例胆嚢腺筋腫症であった。点状びまん型は1例に認め胆嚢ポリープであった。樹枝状型は3例に認め、胆嚢ポリープ1例、胆嚢癌2例であった。 輝度変化曲線における各疾患のTIC曲線の立ち上がりに有意差は認めなかった。 輝度値の上昇は胆嚢ポリープ 平均16.2dB、胆嚢腺筋腫症 平均12.4dB、胆嚢癌 平均 30.3dBと胆嚢癌にて高く有意差を認めた。(p=0.001) 【まとめ】 胆嚢隆起性病変に対する超音波診断としては従来の形態学的診断が基本ではあるが、ソナゾイドを用いた血流診断を加えることによりリアルタイムに病変内の詳細なflow imageの診断が可能になると考えられた。またTICを作成することにより客観的な良悪性の鑑別診断が行える可能性が示唆された。染影パタンとTICを組み合わせることで胆嚢隆起性病変の質的診断に有用な検査になりうると思われた。
  • 吉岡 登志子, 田中 史朗, 豊田 幸恵, 小倉 早紀, 山本 悟, 石原 和浩, 高橋 治海, 金森 妙子, 眞田 容子, 明石 直子
    セッションID: 2C-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】 当院では2011年1月より超音波装置 Preirus(日立メディコ社製)が導入され、乳房におけるReal-time Virtual Sonography (以下RVS)をSecond-look USに活用している。RVSは超音波走査と同期して取得しておいたCTやMRIのボリュームデータから同一断面のMPR(Multi Planar Reconstruction)像を並列描画するシステムである。当院では腹臥位MRIデータを用いてRVSを行うことを試みているが、撮像体位が超音波と異なることが大きな問題となる。そこで今回腹臥位MRIデータを使用したRVSの使用経験を報告する。 【使用機器】 超音波装置 Preirus(日立メディコ社製) 磁気センサーユニット(磁気位置検出ユニット・磁気発生器・磁気センサー) 【対象】 2011年1月から5月までにRVSを行った症例 【方法】 MRIのボリュームデータを記憶媒体で超音波装置内のハードディスク内に取得しておく。磁気発生器を被検者の近くに設置し、磁気センサーを探触子に装着する。MRI画像と同期させて超音波検査をする。 【考察】 RVSは画面上でリアルタイムに同位置のMRI画像を確認しながら超音波検査を行うことができるため、通常のSecond-look USよりも確信度や再現性が高いといえる。ただしMRI画像が腹臥位のため、位置のずれや形態の違いを術者が考慮しながら検査を行う必要がある。
  • 安藤 秀人, 大久保 久司, 都竹 隆治, 中村 光一, 渡辺 常夫, 森岡 淳, 堀 明洋
    セッションID: 2C-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    (症例)70歳 女性
    (現病歴)2年前より膵IPMNを指摘され、超音波検査(以下US)などによって経過観察中であった。今回のUSにて囊胞内に結節を疑う所見を認めたため、精査となった。
    (入院時検査成績)腫瘍マーカーを含め、血液生化学的検査には異常所見を認めなかった。
    (US)仰臥位走査では嚢胞内に結節は見られない。左側臥位走査にて2cm大の囊胞内に1cm大の結節を疑う充実性エコー像を認める。
    (造影CT)膵頭部に嚢胞性病変を認めるが、明らかな結節は指摘できない。
    (ERP+IDUS)膵管拡張や膵管内の透亮像はみられず、IDUSでは、囊胞内に淡い充実性エコーが認められるが、結節かどうか明らかでない。
    以上の各種画像診断では、囊胞内結節の存在を示唆する所見が得られず、倫理員会の承認と患者本人の同意を得て、ソナゾイド造影USを施行した。
    (造影US)結節と思われる充実性エコーは、早期血管相で明らかな造影効果を認めた。造影USの所見より、IPMCを強く疑い、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を施行した。
    (病理組織検査)拡張した囊胞壁(膵管壁)にIPMNを認める。膵管外へ浸潤性増殖し、低分化癌に移行する所見がみられる。以上より、IPMC(浸潤型)と診断した。
    (考察)USで描出された充実性エコーが、結節であることを証明するには、結節の造影効果を確認する必要がある。今回検討した症例では、より簡便で確実に造影効果を確認でき、手術適応を決定できた。膵囊胞性病変の結節同定には、積極的に造影USを行うべきであると考える。
    (結語)膵囊胞性病変の結節同定には、同定可能な体位変換と造影USが診断に有用であるとおもわれた。
  • 安藤 秀人, 新名 康, 大久保 久司, 都竹 隆治, 中村 光一, 森岡 淳, 堀 明洋
    セッションID: 2C-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    背景:下肢動脈エコー検査は、簡便に血管の状態が把握できる検査法であると言われている。一方で、当院における下肢動脈エコー検査では、治療病変における詳細な評価や両下肢全長をくまなく観察することによって、長い検査時間と労力を要し、簡便な検査といえない現状である。
    目的:下肢動脈超音波検査のパルスドプラ波形(PW)を分析し、検査の効率化が可能かどうかを検討する。
    対象:術前にPWの評価を行い、血管内治療が施行された12症例20病変である。
    使用超音波診断装置:GE社製 LOGIQ7
    PWの評価方法:外腸骨動脈と膝窩動脈のPWを計測した。波形はD1~D4に分類し、駆出時間(以下AT)を計測した。血管内治療部の末梢側波形を分析し、D1以外を異常波形、ATでは120ms以上を異常として評価した。
    結果:20病変中16病変(80%)が、D2以上の異常波形を示した。また、正常波形のD1所見を示した4病変中3病変は、120ms以上のAT延長がみられた。
    狭窄率75%以上の優位狭窄示した15病変中14病変(93%) が、D2以上であった。また、D1所見を示した1病変は、120ms以上のAT延長がみられた。
    20病変中5病変(25%)は、Bモードで狭窄部の描出が不可であったが、PWにて異常を指摘し得た。
    考察: 石灰化によって病変を評価できず、PWによって間接的に異常を指摘し得た症例がみられたが、Bモードあるいはドプラ法での観察が困難な場合、PWを用いた評価は非常に有効であると思われた。
    D1波形かつAT120ms以下すなわちPW評価で正常を示した治療病変は、20病変中石灰化を伴う軽度狭窄1病変のみであった。よって、PWが正常所見であった場合は、中枢側のBモード観察がある程度省略できるのではないかと考える。
    まとめ:PW評価の重要な点を考慮することによって、下肢動脈エコー検査の効率化が十分可能ではないかと考える。
  • 深澤 基, 市原 幸代, 今井 美穂, 不破 武司, 稲垣 秀司, 奥村 功, 松野 俊一, 藤本 正夫, 野坂 博行
    セッションID: 2C-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】超音波造影剤ソナゾイドはその特徴(血流評価、後血管相評価)、そして超音波機器のハード、ソフト面の充実により精度の高い検査が可能となった。当院では年間約150件の造影検査を行っており、その内訳、方法、検査内容を報告する。 【対象】平成18年5月から平成23年5月までの5年間に施行した751件260人について調査した。 【結果】751件の内訳は診断目的(経過観察)329件、治療効果判定284件、病変検索67件、肝外病変+病変検索26件、RFAガイド31件、TACE中の確認12件、栄養血管同定2件であった。751件の総人数260人の内訳は、複数回検査109人(600件)、単回検査151人(151件)であった。複数検査集団109人中RFA、TACEの治療を行なった60人のうち42人が治療支援を施行した。治療効果判定では21人に再発を認めた。治療を施行していない経過観察集団(49人)の内訳は結節19人、血管腫10人、腫瘍検索9人、その他11人であった。単回検査集団の内訳は病変なし49人、血管腫32人、肝転移17人、再生結節15人、胆管癌2人、肝細胞癌5人、肝膿瘍3人、肝外病変22人、その他6人であった。 【まとめ】当院では造影剤の特徴を生かした検査を施行し診断能の向上に努めている。RFA時のガイド、TACE時の位置確認等に使用し癌治療の精度を向上させている。定期的に治療効果判定を行ない、再発の早期発見、早期治療に対応している。慢性肝炎、肝硬変に伴う結節や良性の低エコー、高エコー腫瘤の場合においても経過観察を行うことにより悪性変化に早期に対応している。
  • ~超音波担当技師の取り組み~
    根本 宏之, 藤本 由貴, 平野 さおり, 根本 将典, 藤咲 賢, 平井 正幸
    セッションID: 2C-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    〈背景〉PTCD は,閉塞性黄疸に減黄処置として超音波(US)誘導下で行なわれることが多い。当院では,医師と技師とが連携してPTCD に取り組んでおり,技師はUS探触子で穿刺ラインを選択し,医師はそのライン上で胆管穿刺を行なっている。PTCD の手順は通常,穿刺針で拡張を伴う胆管穿刺後,穿刺針の内筒を抜いた時に胆管内圧で起こる胆汁の逆流を確認してからガイドワイヤーを挿入する。今回報告する症例は,胆道気腫の存在により,胆汁の逆流を確認することが期待できなかった。胆道気腫は,胆道系や膵頭部の手術既往者にみられることが多く,胆管内に空気が存在している状態ありUS では,空気による線状高エコーや音響陰影が妨げとなり胆管内腔の情報がつか みにくいのが特徴である。
    〈症例1〉2007年7月,消化器内科医よりUS 誘導下でのPTCD 依頼を受けた。US では胆道気腫による音響陰影から胆管拡張が確認できずPTCD 困難と判断した。この時点で技師が他画像を参照することが容易ではなかった。後日,医師がCT 画像を持参し胆道気腫に伴う胆管拡張部を指摘した。CT 画像から胆管拡張部をUS で同定することでPTCD を施行できた。
    〈症例2〉2011年5月,消化器内科医より,US 誘導下でのPTCD 依頼を受けた。2010年7月からは放射線画像情報システム(PACS)が稼働しており,技師もPACS から他画像の参照が容易であった。CT 画像から胆道気腫を伴う胆管拡張を確認しPTCD 可能と判断した。US では,線状高エコーが観察され胆管拡張の把握は困難であったがCT 画像から胆管拡張部をUS で同定しPTCD を施行した。
    〈まとめ〉あらかじめPTCD 施行前にCT/MR などの他画像で病態が検討できたことにより,胆道気腫を伴う胆管拡張に対してもUS 誘導下PTCD を完遂できた2例を報告した。
  • 高木 理光, 橋本 英久, 野田 秀樹, 日比 英彰
    セッションID: 2C-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】近年、消化管超音波検査は講習会や研究会などの普及や、装置の進歩により施行施設が増加している。腹部超音波ルーチン検査において、“超音波では消化管は見えない”という固定概念さえ取り除けば、消化管の異常所見を描出することは比較的容易である。 今回我々は当院において経験した大腸癌症例において、腹部超音波ルーチン検査によるその存在診断について検討したので報告する。 【対象・方法】当院において2009年1月~2010年12月までの24ヶ月間に大腸癌の手術が施行された53症例のうち、腹部超音波ルーチン検査が施行された42症例のその存在診断について検討した。 【結果】当院の腹部超音波検査において大腸癌の存在診断し得た症例は、42症例中27症例(64.2%)であった。部位別の描出能および内訳は、盲腸部(2/2例)・横行結腸(3/3例)・下行結腸(4/4例)にてそれぞれ100%、上行結腸にて82%(9/11例)、S状結腸にて57%(4/7例)、直腸にて33%(5/15例)であった。 【考察】当院の腹部超音波検査における大腸癌の診断能は64.2%であった。部位別の描出能は下行結腸より口側においては90%と高く、逆にS状結腸より肛門側では41%と低い描出能であり、大腸癌の存在部位により描出能に大きな違いがみられた。 【まとめ】今回我々は、腹部超音波検査に於ける大腸癌の描出能の検討を行った。今回の検討により腹部超音波ルーチン検査において大腸癌を拾い上げることは、高い確率で可能であることが示唆された。 消化管エコー研究会の推奨する、解剖を把握した“系統的走査を実践”することで大腸癌の存在診断における腹部超音波ルーチン検査の有用性は高いと思われた。
  • 南部 泰士, 佐々木 希, 南部 美由紀, 佐々木 英行, 桐原 優子, 月澤 恵子, 今野谷 美名子, 高橋 俊明
    セッションID: 2C-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    介護予防の推進に向けた対策を講じるべき運動器疾患として,骨粗鬆症に起因する骨折,膝痛及び腰痛があげられる.本研究は,生活機能と骨密度の関連を明らかにすることである.研究対象は,秋田県南部Y市で2007年4月から2010年9月の間に,A病院健診センターで生活機能評価と骨粗鬆症検診(DTX-200を用いたDXA法にて橈骨遠位端の骨密度を測定)を受診した65歳と70歳の女性(以下,「受診者」)である.分析方法は基本チェックリストの25項目の回答について,性別,年齢,骨密度を指標とし,関連をχ2検定,またはt検定を,年齢における骨密度基準値で,基本チェックリストの回答を,また,特定高齢者判定基準を指標とし骨密度の差を比較した.本研究は秋田県農村医学研究所長より承認を得た.受診者に対し,健診データを研究に用いることの趣旨を文書で説明し,同意を得て,データの匿名化,プライバシーの保護に順守し実施した.
    研究期間中,生活機能評価と骨粗鬆症検診を同時に行った前期高齢者女性は444人であり,65歳が131人(29.5%),70歳が313人(70.5%)であった.生活機能低下の内訳は,『認知症』が最も多く95人(21.4%),次いで『うつ』48人(10.8%)であった.運動機能が低下している者37人(8.3%)は一般高齢者女性に比べ,『運動』5項目において否定者,すなわち機能低下を示す割合が高く,有意な関連がみられた.特定高齢者の判断基準で『口腔』に該当した10人(2.3%)は一般高齢者に比べ,『運動』2項目,『口腔』3項目において否定者,すなわち機能低下を示す割合が高かった.
    本研究は,65歳と70歳の限られた,しかも健康に意欲的に富んだ前期高齢者女性についての検討である.健康に意欲的に富んだ集団であるものの,骨密度や生活機能の関連が明らかになったことは,今後,骨粗鬆症における骨折の予防のための運動.栄養.口腔の機能向上など,介護予防をより推進するための根拠であると考える.骨密度は前期高齢者女性の要介護リスクを判断する一つの指標となることから,骨密度の維持および向上を図る,骨粗鬆症検診の受診率を向上させる必要がある.
  • 所 加代子, 大久保 桂子, 鈴木 昇
    セッションID: 2C-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに】高齢者が住みなれた地域で安心して生活を送るための支援として、ニーズを明確化することは重要であり、ニーズの把握は地域に関する基本情報を把握することが必要である1)。そこで私たち在宅介護支援センターは、平成19年度から高齢者宅を民生児童委員と同行訪問する活動を行なってきた。今回3年間の訪問活動を通し地域支援のあり方を検討したのでここに報告する。 【研究対象および方法】A市南部地域の西部に位置する人口1338人、高齢化率38.0%の中山間地の65歳以上の高齢者宅を、平成19年11月から平成22年10月の間に民生児童委員と同行訪問した。訪問時の記録から感想などを抽出しKJ法でカテゴリー化した。民生児童委員の感想を非構成的面接調査でまとめた。研究に当たり研究目的、プライバシーの保持について対象者に説明し同意を得た。 【結果】初回訪問の記録51件から、「専門的知識から教育、情報提供を求める」「地域の実情の理解を求める」「一時的な孤独感の解消を喜ぶ」「訪問に対する迷惑感」などのカテゴリーが抽出された。複数回訪問の記録25件から、「専門的知識から教育、情報提供を求める」「生活に対する共感を求める」「地域の情報」「つながっている安心感」などのカテゴリーが抽出された。民生児童委員からは、看護師が同行することで対象者が身体的な問題・不安などを表出しやすかったなどの感想を得た。 【考察】訪問を継続する中でネットワーク形成が可能となった。民生児童委員とは専門性を生かしながら信頼関係をもって今後も訪問活動を継続したいと考える。 【結論】_丸1_地域を知り人間性を高め知識を豊富にすることで、地域に望まれる看護が提供できる。_丸2_専門職としてニーズを把握することが重要であり、さらに地域における実践を継続することでネットワーク形成がされる。_丸3_地域支援とは直接的な援助行為のみでなく、つながり続けることである。 【引用文献】1)市川正美ほか 地域福祉の理論と方法 ミネルヴァ書房 P161 2010
  • 瀬ノ内 順子
    セッションID: 2C-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
     A病院の入院患者の退院調整は、主に受け持ち看護師とケースワーカーが行っているが、独居高齢者が多く退院先が決まらずに退院が延びている事例が多い。昨年、A病院では1228名の退院、そのうち死亡退院は86名であった。この中でも同じように独居で家に帰りたいと訴えながら病院で最期を迎える患者も少なくない。ターミナル期を迎えた独居老人への退院支援の事例を振り返る。 A氏は、退院困難な独居高齢者である。前回の入院では、民間のサービス・地域住民の協力のもと退院し、自宅で1人暮らしをすることが出来た。入院時に近隣住民や保健師の情報を交えカンファレンスを行ったことで、患者の置かれている状況を早期に捉えたこと・患者本人が入院前に近い日常生活動作ができるようになったこと等が自宅への退院へとつながった。しかし、2回目の入院では病状がターミナル期に移行したことで退院することが困難になり、本人の「帰りたい」という切実な思いが叶うことなく、病院での看取りとなった。独居世帯では、訪問診療・訪問看護や民間のサービスだけでは在宅でターミナル期を迎えるのは困難なのが現状である。 今回の事例を通し、身近にいる看護師が患者の思いを尊重し、他職種・地域といかに連携し支援していくかが重要であることを振り返ることができた。そしてひとつの事例が地域を変えていくという視点をもち退院支援していく事が重要であると学んだ。
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