日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
選択された号の論文の494件中251~300を表示しています
  • 児玉 吉彦, 八木 秀視, 小幡 久子, 玉内 登志雄
    セッションID: 2G-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    Abstract 〔はじめに〕医療事故防止対策においてインシデント・アクシデントレポート報告書(以下レポート)の提出は、重大事故の潜在を早期に認識するためのパイロット的役割をはたす。当院では、2005年から医療安全管理室が中心にレポートの集計・分析を実施している。2007年度より放射線科(以下当科)における“誤認”関連のミスを減少すべく誤認防止対策手順を見直した。今回、当科におけるレポート内容の分析とレポートに対する放射線技師(以下技師)の意識調査について報告する。 〔調査方法〕2006年4月から2011年3月5年間の技師のレポート集計、内容及び提出数の傾向の把握、及びレポートに関する意識調査結果と提出数との関連の検討。 〔結果〕担当別提出割合は一般撮影系:56.8%、CT:17.6%、MRI・超音波・X線TV:各5.4%、出張検診:4%、血管撮影・人間ドック:各2.7%。対象期間の在籍年数と平均年間提出数から5年以上在籍者に提出不良。機器故障を除く60件の内訳は“誤認”関連:46.6%、“入力ミス”関連:20%、“身体損傷” 関連:11.7%、その他:21.7%。意識調査ではレポートの重要性の認識は91%、提出頻度は“ほぼ提出”が36%。レベルの内訳は、“レベル0”:8.1%、“レベル1”:66.2%、“レベル2”:25.7%、“レベル3”以上:0%。誤認防止対策はマニュアル通りの実施が73%。 〔考察〕意識調査からレポートの未提出が相当数に上ると推測され、提出を促す環境作りと教育が必要と思われた。また頻度の高い“誤認”関連では、防止対策により部位誤認は減少傾向だが、指示受け違いは増加傾向で、実務検証の結果、誤認防止対策手順の不徹底が確認された。一方、手順不徹底でも患者自身からの情報提供を積極的に促したことによって水際で誤認を防止できた事例もあり、患者参加型の医療安全の体制作りが重要と考えられ、その系統的な手順の構築が必要である。
  • 土田 直人, 金井 裕美, 水瀬 久美子, 酒井 康子, 太田 紀巳代
    セッションID: 2G-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    はじめに A病棟は脳神経外科、循環器内科、呼吸器内科で53床の病棟である。平成20年度のA病棟のインシデント発生件数は237件であり、そのうち、転倒、転落によるものは51件であった。これはインシデントレポートの21パーセントを占め、最も起こりやすいインシデントの一つに挙げられた。また、今回の研究期間である平成22年6月~9月の新規入院患者数は66人で、発生した転倒の総件数は29件、そのうち脳血管疾患で入院している患者の転倒は10件であった。そこでA病棟の転倒リスクを知るために、転倒・転落リスク要因について独自のリスクアセスメント用紙を作成し調査した。その結果、転倒、転落には複数の要因が重なっていることが明らかになったためここに報告する。 結果 平均年齢はA群74歳、B群76歳であった。リスク調査結果の中で数の差がみられたのは「センサーマットの使用」、「ベッド柵の位置(4点柵)」、「ベッドの位置(壁付け)」、「転倒の既往」、「利き手交換している」の項目である。かつ転倒時の患者の訴えは排泄に関する訴えが半数を占めた。さらに排泄方法はオムツでの排泄ではなく、ポータブルトイレや室外廊下トイレ等何らかのトイレの使用が9割を占めた。A群で排泄方法がトイレの使用は9名、オムツの使用が1名であった。また、ADLの面からは、入院前は自立していたが入院後何らかの介助が必要になった場合が10割を占めた。「ナースコールを押せる」の項目ではA、B群両方で7割以上であった。 結論 1)転倒に年齢は影響しない。2)環境面での対応策をとっていても転倒は発生する。 3)転倒時の患者の訴えは排泄に関するものが多い。 4)入院前のADLは自立、入院後何らかの介助が必要になった患者に転倒が多い。 5)転倒は単独の要因で発生ではなく、複数の要因が重なることで発生する。 6)ベッドサイドで転倒が発生しやすい。
  • 澁谷 秀幸
    セッションID: 2G-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    1.はじめに
    臨床工学科において、離床センサーの製作・運用を開始してから4年経過している。現在、問題点として、起床検知型離床センサーである洗濯バサミ型離床センサーについては、センサーの性能を認知される報告が多数挙がっている。研究途中ではあるが、起床検知型離床センサーの開発について、若干の考察を加え報告する。
    2.対象及び方法
    患者家族許諾のもと、洗濯バサミ型離床センサー装着患者8名及びマットセンサー対応患者3名に対し、ベッド上での行動について、計1780時間(1人あたり7日~21日)、WEBカメラにて観察・録画を行い、離床センサーの有効性の評価及びベッド上の離床行動パターンを分析した。離床センサーの有効性については正報率、誤報率、失報率で評価した。
    3.離床センサー有効性評価結果及び離床行動解析
    評価期間中、洗濯バサミ型離床センサー対応患者8名のうち、6名はベッド上での離床行動が観られた。6名の患者の正報率、誤報率、失報率の平均値は正報率38.2%、誤報率30.4%、失報率31.4%であった。又、ベッド上での離床行動パターンを表1に示した。ベッド上での離床行動について、『起床』、『ベッド柵を握る』、『足を出す』、『端座位』の4つの行動が重要であることがわかった。
    4.新しいセンサーの開発
    得られた離床行動パターンを基に何種類かの起床検知型離床センサーを製作したが、市販のベッドセンサーのセンシング機能が重要であることが確認できた。市販のベッドセンサーは高価であり、院内製作を行った。東京センサのマットセンサー(販売名:離床センサ)とPICマイコン(12F629)を利用し、反応時間を調整した(図2)。製作コストは17000円であった。
    5.考察
    院内ボランティアスタッフによる試験運用の結果、良好な結果を得ることができた。市販とほぼ同等な機能を持つセンサーを安価に製作することができた。
  • 渡部 誠一, 渡辺 章充, 黒澤 信行, 君崎 文代, 長谷川 幸子, 谷貝 玲子, 門間 智子
    セッションID: 2G-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    【土浦協同病院小児科診療の背景】土浦協同病院は茨城県南地域の基幹病院で、2009年小児科臨床統計は年間外来患者49000名、時間外外来19500名、入院患者1830名、救急車搬送920名、小児ICU入室者89名で、小児科一般、救急・集中治療、循環器、神経、小児外科、心臓血管外科、脳外科、等の小児患者を診療している。入院患者の半数は時間外に入院する。
    【小児科インシデントレポートの解析】2009年52件、2010年43件、計95件を解析した。報告者は医師11%、看護師78%、薬剤師8%、検査課・栄養課・リハビリ科1%。インシデント分類は、投薬20%、輸液管理14%、転倒転落14%、呼吸管理12%、与薬8%、調剤8%、血管外漏出3%、チューブ管理3%、外来・盗難・鎮静・児童虐待・栄養・アレルギー2%、麻薬管理・処置・検査データ管理・IC1・骨折1%。投薬+輸液管理+血管外漏出の輸液関連が37%、呼吸管理(ほとんどは気切チューブ事故抜去)、調剤+与薬の服薬関係16%、サークルベッドからの転落(ほとんどは母親付きそい)、などが多い。少数だが、食物アレルギー、児童虐待の親からのクレーム、長期臥床児の骨折、等は重要である。
    【小児医療安全推進チームの立ち上げ】このように小児科のインシデントが多いことから、小児医療安全推進チームを立ち上げた。インシデントレポートは当事者以外の担当者・関係者も含めた関係部署の全てを書く。小児患のインシデント全てを小児医療安全推進会議で関係部署全体で検討し、問題の事象は発生後1、3カ月後に会議を開催する。小児医療行為の利点と欠点をまとめ、小児医療関係部署全てでリスク概念を共有し、ミス防止システムを構築する。事故発生時に、影響・合併症を最小限にとどめる体制を整備する。以上を取り決めて、推進していく。小児科病棟は一般48床、小児ICU8床で、休日・夜間の看護師4名で十分ではない。輸液関連、転倒転落、呼吸管理、服薬関係のインシデントが多く、リスクマネジメントを進める。食物アレルギー、児童虐待など、小児特有のリスクへの対策も進める。電子カルテシステム整備による情報共有を積極的に活用する。
  • 井藤 久子, 森川 洋子, 高木 純子, 加藤 敬子
    セッションID: 2G-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    経営学では、職員の満足がなければ顧客の満足には繋がらないといわれている。特に看護師はストレスの多い職種であり、いかにモチベーションを高めるかが課題である。
     看護科では年に2回、看護師を対象に職務満足度調査を実施し、今年で3年目となる。調査内容は、「管理者との人間関係に満足していますか」「労働条件に満足していますか」などの15項目の質問において「とても満足している」~「不満である」の5段階回答としている。また、「役割」「経験年数」「働き続ける意志」を調査する。
    この調査を始めて以来、常に満足度が高い項目は「人間関係」である。このデータから「当院の看護職員の人間関係は良好で満足できるものである。」という評価ができる。これは当院看護科の強みであり、しっかり活用していきたいと考える。
    調査の自由記載では、「子供のことで休みにくい」「イキイキと働きたい」「看護師の雑用が多い」「チーム医療が難しい」などの意見が切々と記載されていた。そこで、ワークライフバランスの取り組み、倫理委員会を立ち上げ、フィッシュ活動などで、改善に努めた。また、看護専門外来にて認定看護師の活動が活発になるにつれて、スタッフ全体が専門職としての意識が高まってきているように感じている。さらに、2010年4月は、診療報酬改定により看護補助者加算に対応できるだけのスタッフが増員された。看護師でなくてもできる業務を補助してもらうことにより労働条件や専門性の満足に繋がったと考える。
    また、注目したい項目は「働き続ける意志」であり、「すぐに辞めたい」「続けたい」「迷っている」の3つから回答選択する。「すぐに辞めたい」と思う職員にはどんな傾向があるのだろうか。これまでの調査から見えてきた傾向とその対策について報告する。
  • 中西 真由美, 桑原 淳子, 柘植 康子
    セッションID: 2G-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    〈緒言〉救急部門を保有しない多くの市中病院では、救急外来を当直制や院内待機制で担当している。A病院でも外来看護師が日・当直制で二次救急を担い、長時間でストレスフルな勤務を実施し、過去の調査でもバーンアウト傾向が見られた。そこで二交替制を導入しストレス緩和に繋がったかを追跡調査した。〈BR〉〈研究方法〉対象者:救急外来を担当する看護職員42~44名。H23年10月~二交替制を導入し、導入前の9月と3ヶ月後、6ヶ月後に調査。Pinesのバーンアウトスケールと独自で作成したストレス要因調査票を用い、勤務の前後、救急・非救急日別等に分けSPSS15.0にて比較検討した。〈BR〉〈結果〉救急外来の受診状況は有意な変化はなかった。バーンアウトスケールは各勤務や勤務前後とも有意に低下し(p<0.05)、平均4点以上の「燃え尽き群」が減少した。ストレス要因は各回とも「緊急性の高い処置」「急患の重複」等が高値を示したが、いずれも低下傾向が見られた。〈BR〉また当初は日勤の人員減少を不安視する声があったが、スタッフ自ら協力体制を整え、夜勤の入りや明けを有効利用できると好評で、救急外来勤務の負担を理由とした退職が減少した。〈BR〉〈考察〉二交替制の導入によって、当直制より勤務時間が著明に短縮し各ストレスが低下した。疲労の度合いも軽減したためバーンアウト傾向も減少したと考えられる。慣れない救急外来勤務による緊張は持続しているが、勤務時間が短縮したことや勤務前後で休養が取れることによって精神的余裕が生じ、ストレス要因も減少したと考える。また勤務調整がしやすいと好評であり、主婦層の多い外来におけるワークライフバランスに有用である。しかし導入間もないため今後も継続した調査が必要である。〈BR〉 〈結語〉1.救急外来での二交替制導入によって看護師のストレスが低下した。〈BR〉2.二交替制による勤務調整は外来看護師のワークライフバランスに有用である。
  • 鈴木 良典, 小川 貴之, 服部 洋美, 伊藤 祐子, 岩渕 恵美, 富田 弘美, 中原 亜衣, 望月 剛
    セッションID: 2G-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈緒言〉当院は愛知県尾張北部医療圏に位置する678床の二次救急医療機関病院である。当院は同一市内にあった2病院が平成20年5月統合開院し電子カルテを導入した。現在、1ヶ月に1,700件を超える書類作成依頼のうち約48%は電子カルテにて作成が可能となっているが、それ以外のほとんどが手書きにて作成されている。そのため、医師の書類作成は時間外に及ぶことが多く溜まった書類をまとめて記入するなど、本来の診療業務に負担となっているため、書類に掛かる業務の負担軽減と書類の作成期間を短縮する必要性が高まった。
    〈方法〉医師の文書作成の負担軽減策として文書作成管理システムを導入する。
    この文書作成管理システムの特徴は以下の通り。
    (1)約700種の書式がフォーマット。
    (2)属性、病名、入退院日、手術名、術式コード(Kコード)等の連携。
    (3)前回の入力内容や電子カルテの記載内容の複写・引用機能。
    (4)入力必須項目の記載漏れチェック機能。
    (5)期限超過した依頼文書の医師別一覧出力。
    上記の特徴を最大限に活用できる運用を作成することで書類作成期間の短縮及び問い合わせ件数の減少に繋げる。
    そのため、文書管理係として専属で文書管理を行う事務員を5名配属し平成23年5月9日より文書作成管理システムを本稼動させた。文書管理係は文書作成管理システム出力文書・手書き文書共に入退院日や通院日、病名や術式等の医師以外でも記載可能な部分を下書き入力し、医師は事務の記載部分の確認と空白部分への入力及び完成書類への署名のみとなる。また、システム導入以前に記載のある文書書式のものは過去記載分を事務側にてすべて複写を行い、医師は今回の依頼分に対し加筆・修正を行うだけとなる。
    〈結果〉文書作成管理システムの導入により月約1,500件(約89%)の文書が電子化された。全体としての効果については今後アンケートを実施し学会時に発表する。
  • 松永 尚之, 小林 之将, 鈴木 正和
    セッションID: 2G-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    経緯

    当院は2002年5月に新築移転を行い、敷地面積が1.5倍増になり、ランニングコストのかかる設備も増加してエネルギーコストが跳ね上がった。移転前から第二種エネルギー管理指定工場の指定を受け当時で考えうる省エネ仕様の設備も多数導入したが、法改正により第一種エネルギー管理指定工場となった2005年からデータ分析を行い、費用対効果の大きい物を選択して省エネを推進して来たので報告する。

    方法

    1.空調用2次冷温水ポンプをインバーター化し電力量を削減。
    2.空調熱源の大型冷温水発生器1次ポンプをインバーター化し電力量を削減。
    3.間接蒸気発生器の蒸気弁制御を2値制御から比例制御に変更し蒸気量を削減。
    4.空調器の冷温水弁に強制閉を追加し、中間期や不要時の冷温水使用量の削減。
    5.ボイラー給水タンク(ドレン回収)と間接蒸気発生器給水タンク間に熱交換器を設け、ボイラー用は過昇防止と給水削減、間接蒸気用は給水温度上昇で効率改善。
    6.外調器の冷水コイルを冬季に超小型の冷水熱源として大型熱源機の稼働量を下げ燃料を削減。
    7.ボイラー押込送風機をインバーター化し電力量削減と最適O2制御(低空気比)による燃焼効率改善。
    8.非常用EVホールと非常階段照明を24時間点灯から照度センサー付人感センサーで不要時をオフにして電力量削減。
    9.廊下ダウンライトや職員食堂等のハロゲン球照明をLED化して電力量の削減。
    10.一部のエアコン屋外機(ビルマルチ機)にエコマットを新設し消費電力を削減。
    11.病棟食堂の全面ガラスに遮熱フィルムを貼り、太陽入熱を制限。

    まとめ

    第一種エネルギー管理指定工場に課せられた年間エネルギー使用量1%削減目標を目指し毎年努力を重ねて来た。当初は効果も大きかったが、コストメリットに余裕のある物が無くなり、現在では原価償却も厳しい省エネ案件にまで着手している。
    今後も出来るだけ努力目標として多方面にわたりエネルギー削減を考案して行きたい。          
  • 桐原 優子, 今野谷 美名子, 長澤 邦雄, 佐々木 司郎, 高橋 俊明, 平山 克
    セッションID: 2G-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    (緒言)労働者の生活習慣病やメンタルヘルスに対する課題が社会的に明らかになり、保険者、雇用者は労働者に対する健康増進活動を積極的に推進しなければならない。本報告は、労働者の健診時に行われた生活習慣病関連指標である血液データ、自覚症状、循環器系検査との関連を述べる。
    (対象および方法)人間ドック・JA職員健診・病院職員健診を受診した男性221名、女性239名の計460名を対象に生活習慣調査を実施し自覚症状と循環器系検査データの関連性をみた。方法は性別に、各自覚症状(眩暈・胸痛・動悸・息切れ・トレス・憂鬱)を目的変数、年齢・喫煙・飲酒の有無を制御変数として、循環器系検査項目(腹囲・BMI・血圧・TC・HDL-C・LDL-C・TG)と目的変数以外の自覚症状を説明変数として重回帰分析を行った。
    (結果)平均年齢は、男性50歳、女性49歳であった。自覚症状の出現率は女性が高く、ストレスと憂鬱を感じる人は男性が5割に対し、女性が7割と多かった。説明変数別t値の分布について、正の関連がみられたものは、男性は目的変数を眩暈でみると胸痛・息切れ、胸痛でみると眩暈・動悸、女性は息切れでみると喫煙・動悸、胸痛でみると動悸・TGであった。負の関連がみられたものは、男性は眩暈でみると喫煙、胸痛でみると息切れ、女性は眩暈でみるとBMIであった。ストレスと憂鬱については男女ともそれぞれにおいて正の関連がみられた。
    (考察)自覚症状は心因的なことで表れることもある。この調査ではストレスと憂鬱を感じる人が多くみられたが、対象が労働者であり、心因要因に職場や家庭環境の影響も多いと思われる。メンタル対策としてストレス解消等の対処方法の相談を受けることが有効と考える。
  • 五艘 香, 小瀧 浩, 菅沼 徹, 高畑 武司
    セッションID: 2G-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    「目的」 医療現場のストレス要因が非常に複雑化してきている中で、看護師不足、離職防止の問題はどの医療機関においても課題であり、当院でも支援の一つとしてメンタルヘルスに力を入れてきている。昨年は、新人看護師の心理状態についてアンケート調査を実施し報告した。入職直後は、身体的な疲労に加え職務柄多大な情緒的エネルギーが求められ、一時的な抑うつ状態を呈し、バーンアウトのリスクが高い傾向にあり、6ヶ月を経過しても疲弊した状態は改善されていないという事がわかった。本発表では、追跡調査を行う事ができたので新人看護師の職場適応について再度検討したい。
    「方法」 X年入職1ヶ月後、6ヵ月後にアンケート調査を実施し、さらに14ヵ月後に追跡アンケート調査を行う事ができた13名について検討を行った。
    「結果」 1)蓄積疲労度の総合判定では、入職6ヵ月後と比較し、14ヶ月後では有意な低下がみられた。2)自己肯定感は、入職1ヶ月と比較し、14ヶ月後において有意な上昇がみられた。3)抑うつ傾向は、入職1ヶ月、6ヶ月、14ヶ月後ともに気分障害群にあったが、入職6ヵ月後と比較し14ヶ月後では有意な低下がみられた。
    「結論」 入職1年目はリアリティショックなどが生じやすい時期でもあるが、自己肯定感はかなり低く、蓄積疲労度および抑うつ傾向は高く、心身の疲弊感が高いままの状態にある事がわかった。しかし2年目に入ると改善傾向は見られ新人看護師の職場適応は時間をかけながら進んでいくと推測される。しかし改善は見られたものの、抑うつ傾向にある事は変わらず、経験年数や職位などによるさまざまなストレス因の影響も生じてくる事を考えると、継続的なサポート体制や計画的なストレスマネジメント教育を行っていく事が重要であると考える。
  • 職員の燃え尽き防止・離職防止と医療サービス向上のために
    衛藤 進吉, 鎌田 陽子, 吉田 優子, 佐藤 美津子
    セッションID: 2G-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    (背景)休職や治療を要するストレス性障害やうつ病の職員が増え、また看護職員の離職者も多く、医療職場のメンタルヘルス問題は深刻になっている。その対策として、当院では、平成21年4月より院内に多職種からなるメンタルヘルス委員会を立ち上げ、職員のこころの健康対策に取り組んでいる。 (目的)部署別、勤務年数別、年齢別、性別、生活状況別などの要因分析を行い、医療現場のストレス状況を把握し、必要で有効なメンタルヘルス対策を立て、それによりメンタル不調職員を減らし、離職を防ぎ、職場の雰囲気を改善し、患者への医療サービスの向上を目標とする。 (方法)当院職員全員を対象に、春と秋の2回、職員健診時に自記式質問紙(職業性簡易調査票、バーンアウト尺度(田尾)、院内暴力項目)に記入してもらい、職員健診の際に個別に当院健康管理課で回収し、集計と統計処理を行った。事前に調査の目的と個人情報の取り扱いに関して文書で説明し、同意を得ている。 (結果)平成22年度について、全体では約10% の職員が高ストレス状況にあった。約5%の職員が高ストレス性心身反応を示していた。部署毎にこれらの比率をみると、バラツキが大きく、内科急性期病棟では高ストレス状況職員比率は25%を超えていた。精神科病棟、整形外科病棟、内科急性期病棟では高ストレス性心身反応職員比率は10%を超えていた。約2割の職員がバーンアウトハイリスクであった。これも部署毎のバラツキが大きく、内科急性期病棟では約3割であった。バーンアウトハイリスク職員の約半数(約1割)は暴力ストレスを伴っていた。 (考察)医療職場では部署毎のストレス状況のバラツキが大きく、その実態を把握した上で、ストレス度の高い部署への対応、高ストレス性心身反応職員の多い部署への対応を今後検討する必要がある。暴力ストレスの高い約1割の職員に対してバーンアウト防止の対策を講じる必要がある。
  • 佐々木 翔
    セッションID: 2G-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【背景】当病院では3月11日と4月8日に地震に伴い停電となった。この2回の経験から私たちの問題点と今後の課題を検討した。 【方法】3月11日と4月8日に発生した大地震に引続く停電時の行動とその問題点を列挙した。 【結果】大震災及び余震の後、直ちに病院幹部が集合して情報収集を行った。日中の災害であり院内に職員もいたため、災害対策の初動が速やかに行う事が出来た。まずライフラインの確認と患者の安全確認を行った。DMATチーム派遣を決定した。2回目の余震・停電では自家発電装置が機能してライフラインは確保されたが、一瞬の停電により院内コンピュータネットワークがシステムダウンし、オーダリング作業を手作業で行わざるを得なくなった。電力会社との連絡が不十分であったことも一因であった。消防や市役所など外部機関との連絡が行われなかった事も問題点のひとつであった。院内PHSが使用不可能であり、情報伝達手段がなかった。 【結語】消防・市役所・電力会社など外部機関との連携や、実際の活動を踏まえたマニュアル整備が今後の当院災害対策の課題と考えられた。院内情報伝達手段の整備も問題点のひとつであった。
  • 熊本県球磨郡五木村の事例からみる可能性と限界
    河村 洋子
    セッションID: 2G-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    背景:ヘルスプロモーションは、個人と地域や社会が主体的に問題・課題と資源を明確にし、解決に向けた動機を見出し、解決するための力をつけることができるようにするエンパワメントを命題とする実践であり、本来、健康課題だけをその対象とするものではない。少子高齢化が急速に進み、産業基盤が立ち行かない農山村では健康課題の重要性の認識は低い場合が多い。しかし、地域住民・社会のエンパワメントはそのような地域社会で必要な介入であり、効果である。
    目的:本研究の目的は、協働的表現活動に取り組んだ熊本県球磨郡五木村の経験による、エンパワメントの過程と効果を、コミュニティ心理学のエンパワメント理論に基づき、エンパワメントの異なるレベルの事象と関連する要素を捉えることに焦点を当て、質的データを素に検証することである。
    方法:2009年秋五木村で、NHKと村役場の協働で村民による演劇プロジェクトが立ち上がり、小学生を含む18名の村民が五木村劇団員として取り組んだ。翌年3月に350名の観衆が見守る中公演を行い、後日九州全域でドキュメンタリー番組も放送された。劇団員として参加した14名、中心的に関わった役場職員2名とNHKディレクターに対してインタビューを実施した。インタビューは録音後、逐語録を作成した。内容のカテゴリ化と分類を経て、テーマを抽出し、エンパワメントの理論と照らし合わせ考察した。
    結果:自己効力感と集団的効力感、個人と集団の潜在的な力への気づきなど、関係者の中でのエンパワメントは、心理的なものが中心的であった。一方、リーダーシップの欠如、所有の意識、影響力の認識の不足などのテーマから、組織あるいはコミュニティレベルでのエンパワメントは共有されていないようであった。一事例であるが、本研究は一つの協働的表現活動の可能性と限界と、組織やコミュニティのエンパワメントに重要な要素についても示唆を提示した。
  • 歳をとることに誇りを持とう
    松原 実
    セッションID: 2G-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <目的>  当通所リハビリテーションは、定員80名と規模が大きい施設である。利用目的はリハビリと入浴がメインであるが、レクリエーションや季節行事活動もあり、誕生会も毎月実施している。しかし、これまでの誕生会は長寿に対しての意識が低く、利用者からも「高齢になるにつれ家の中での役割が無くなる」、「自信がない」などのマイナスな発言があった。  そこで大規模施設の特徴を活かせ、利用者が歳を重ねていく中で長寿を喜び、生きる自信に繋がる機会として誕生会を活用しようと考えた。 <対象と方法>  対象は長寿の節目である喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿、百寿のいずれかを迎えた30名で、『節目誕生会』と命名し演芸会を実施した。演目は対象者に合わせて企画した。期間は平成 21年5月からの1年間で10回実施した。開催日は対象者・他利用者にお知らせし、参加者の前で対象者の紹介・演目の実施と写真撮影を行い全員でお祝いをした。 <結果と考察>  初回は、これまでの誕生会とは違う会場準備の様子に、不安そうに見ていた人や、ワクワクしながら見ていた人など様々であった。しかし、回数を重ねる毎に不安そうな人は笑顔になり、ワクワクしていた方は毎回楽しみにしてくれた。対象者を始め、その日の利用者のほとんどが節目誕生会に参加した。職員が一生懸命演目に取り組む姿に、利用者から大きな声援があったりして喜ばれ好評を得ることができ、当通所リハビリテーションの特徴を活かせたのではないかと考える。対象者からは「この歳まで生きていてよかった」などの言葉があり、家族からも「ありがとうございました」と言われ、家族間での話題作りにもなった。また、「自分もあんな風に祝ってもらいたい」という参加者の声もあった。節目を意識した誕生会を実施したことで、長寿を喜びあい前向きになれる機会となった。今後も内容の充実を図り、利用者が歳を重ねていくことに敬意を表していきたい。
  • 須田 啓一
    セッションID: 2G-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】当施設での死亡者について、死亡前の身体的変化等を分析し、問題点について考察した。【方法、対象】平成19年4月から23年3月までの4年間に老健かみつがに入所し死亡した15名の病名、死因、死亡前3ヶ月の食事・体重・寝たきり度の推移、皮膚トラブル等の医療処置の有無等について分析した。また同時期に病院へ搬送し病院で死亡した3名について搬送の理由を検討した。【結果】(1)施設内死亡者:a)突然死;突然死となった3名は弁膜症や脳梗塞などの心血管疾患を持ち、急性心筋梗塞、不整脈等による心臓死の可能性が高いと思われた。b)看取り死;看取り死となった12名は認知症の程度、合併症の有無により、1)認知症群(認知症による栄養障害で死亡)、2)老衰群(認知症が中程度までで重大な合併症のない老衰的な死)、3)合併症群(癌、肝硬変等による死)に分けられた。体重は、認知症群は3ヶ月を通じて体重が減少し減少量も大きく(平均―7Kg)、老衰群は死亡前2週間から減少し減少量も小さい(平均―2Kg)傾向があった。合併症群は変化は様々だった。医療処置は、輸液は2名に行われた。褥瘡は3名に見られたが何れもグレード2までだった。(2)病院死亡者:(症例1)86歳女性、脳梗塞、家族が末期であることを受容できず胃瘻造設希望し病院搬送。(症例2)85歳女性、ア型認知症、肺癌、39度台の高熱が続き喀痰が多いため病院搬送。【考察、結論】老健での看取りを家族が希望する理由としては、1)長い経過の中で末期であると家族が理解している、2)積極的な治療法がないことを理解している、3)慣れた環境での生活の継続を希望していることが挙げられる。今回の検討では、末期に行われた医療処置は少数例に輸液、褥瘡処置等があったがその程度は軽く、多くの利用者は老健でのQOLを保った看取りが可能であった。施設での看取りを阻む要因として、家族の受容、喀痰、嘔吐等があった。
  • 古田 大樹, 小野 千恵, 高松 道生
    セッションID: 2G-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
     当センターの訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)は事業の拡大を続けており、現在では長野県の約2割の人口圏をカバーする範囲に訪問している。今回は、訪問リハ事業を拡大していく中で得られた事と課題をまとめたので報告したい。
    【訪問リハ科の変遷と現状】
     平成18年はスタッフ数14人、月間の平均訪問件数は1416件であったが、22年度はそれぞれ31人、2952件であり、この5年間でスタッフ数、訪問件数ともにほぼ倍増している。スタッフ数の増加に伴い、徐々にチームの数を増やし担当地域を分けることで、訪問の効率向上を図っていった。平成22年度からは、訪問リハ専任の言語聴覚士を配置し、摂食・嚥下障害、構音障害、失語症などに対するリハビリテーションにも対応が可能となった。
    【課題】
    1、かかりつけ医との連携
    ケアマネジャーや訪問看護師などの職種に比べ、かかりつけ医とのタイムリーな連携の頻度は少なく、効果的なリハビリテーションという観点に加え、リスク管理の面からも課題を残している。
    2、訪問リハの提供頻度や終了の決定
    訪問リハの頻度や終了を決める明確な基準がないため、目標、目的が曖昧なまま長期的な関わりになることも多い。
    3、間接業務の多さ
    在宅で行うリハビリテーション以外にも、リハビリテーション実施計画書の作成やサービス担当者会議への参加、他サービスとの電話での連携業務、訪問スケジュールの調整等、間接業務は増大傾向にある。
    4、スタッフの教育
    チームの状況によっては、新しく訪問リハ科に配属された職員へ実地研修が十分に行えない場合もある。
    5、現場での緊急時の対応
    現場で転倒や体調不良の場面に遭遇した際に、訪問リハスタッフが対応を求められる場合がある。緊急時のマニュアル作成や、救命救急の研修を毎年受講するなどし、適切な対応ができるよう準備している。
  • 長 純一, 長谷田 真帆, 島田 啓志, 加藤 二三和
    セッションID: 2G-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
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    92年の第二次医療法改定以降、医療費削減を大きな目的として在宅医療の推進が掲げられてきた。近年在宅療養支援診療所制度が作られ診療報酬で高く評価されるなどにより、在宅への誘導が行われているが、これはきわめて都市型の制度であり、地方特に過疎化が進む農村では実際上恩恵が受けにくい制度である。
    演者は以前より、現在の医療政策がきわめて都市型であることが地方の「医療崩壊」を助長している要因であると考えられるという立場で発信してきたが、特にこの在宅療養支援診療所制度はその典型といえる。在宅医療を強力に進めることが期待されこの制度が鳴り物 入りでつくられたが、演者の当初から予想し指摘してきたとおりその効果は限定的で、人口30万人以上の都市では有効性を認めているが、それ以外ではあまり機能していないということが、明らかになっている。
    この要因は、地方・農村部では、診療所が一人医師体制であることがほとんどであり、また地理的にグループ診療やバックアップ体制が取りにくいため、24時間365日体制を必ず保障することが容易ではないこと、歴史的に病院が在宅医療を行ってきたケースでは、診療所が在宅医療の中心という制度に合わせることが容易ではないことなどが原因として考えられる。 演者は在宅ケアの領域で、地方・農村発で様々な問題提起を行ってきたが、今回それらの論点を整理するとともに、農村部の国民健康保険診療所での7年間と現小海診療所(在宅療養支援診療所)での活動や収支などを比較し、地方においてはその地域の医療資源の特性を踏まえた在宅ケアの推進方法が考えられる必要があることを確認したい。

    参考 明日の在宅医療第5巻 P126からP149 佐久地域における在宅医療と地域連携の取り組み
    月刊社会福祉(全国社会福祉協議会会誌 2010.4 P49,50 地方・へき地における医療の課題およびその背景と、その対策に関する提言
  • 後藤 優貴, 後藤 朝子, 大勝 まり, 鴻巣 美佐子, 沼沢 祥行
    セッションID: 2H-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに>
    近年、社会的に孤立した患者の入院が増加傾向にある。平成22年9月に脳梗塞で入院し感覚性失語が後遺した患者に対し、市長申立てによる成年後見制度を活用し対応にあたった。MSWを主とした当院での取り組みとその経過を基にマニュアル作成に至る中で今後の課題が示唆されたため報告する。
    <症例紹介>
    対象:70歳後半。独居。身寄りなし。年金で生活。
    入院期間:平成22年9月~平成23年5月
    <時期ごとの問題点と実際の取り組み>
    ・介入初期:入院日~9月24日
    本人に関する情報不足とキーパーソン不在であるため、関連する諸機関や対象へのアプローチを開始した。その中で市長申立て成年後見制度の適用があることがわかった。
    ・成年後見人決定前:9月25日~3月10日
    主に行政が主導となるがMSWより連絡を密にとった。また成年後見制度に関連のある諸団体へ相談し助言を受けた。同時に転院についての検討を行った。
    ・成年後見人決定後:3月11日~退院日
    後見人決定後に早急に施設入所や転院の相談ができるよう各施設と事前の連絡をとり円滑に転院へつなげた。
    この経過を踏まえ課題を明確化しマニュアルを作成した。
    <考察>
    本事例においてはキーパーソン不在で、自己の財産管理能力欠如が最大の問題であり、成年後見制度を活用することが必須であった。第2期が4ヶ月にも及び本患者の在院日数は8ヶ月となったが、院内マニュアル作成と近隣行政と入院中の経済的保障等協議を重ねることで入院期間の短縮化が期待できると考える。
    <まとめ>
    1.今回の研究により市長申立てによる成年後見制度対象患者に対するマニュアルを作成することができた。
    2.医療・行政・司法・福祉の連携と相互の働きかけが必要であることがわかった。
  • 外山 弘幸, 伊藤 裕基子, 野田 智子
    セッションID: 2H-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに>近年、病診連携や病病連携、退院支援を担う部門に看護師が配置される医療機関は増えている。当院においても平成22年11月、医療福祉相談室に訪問看護認定資格を持つ看護師が配属された。ソーシャルワーカー(以下、SW)と看護師という養成過程や理念が異なる職種の協働の意義について報告をする。 <状況>現在、医療福祉相談室にはSW9名と看護師1名が所属している。医療福祉相談室の業務のうち「退院支援」は平成12年度が全体業務の約半数であったが、平成22年度は約70%に比重が増えている。医療福祉相談室に看護師が配属された経緯には「退院支援」に看護師の専門性を生かして積極的に関与したいことや訪問看護認定看護師の使命と業務内容が一致していること、看護師への「退院支援」に関する教育活動の意味がある。 <業務方法>看護師が相談室で業務を開始する上でSWと看護師と一緒に当院相談室の業務内容を検討した。留意した点の大きな点は以下の3点である。 _丸1_部署名を同じにし、同じ部屋で業務を行い、依頼書式も同じもので対応 _丸2_患者担当はSWと看護師で協議し決定 _丸3_SWと看護師の組合あわせで退院支援に関する「病棟ラウンド」「病棟勉強会企画」 <結果>院内の名称が統一されていることや場所が同じであることから、患者や院内職員、関係機関職員の迷いがないようにした。看護師が担当したケースに社会保障等の説明等必要な場合はSWが一緒に関わり、またSWが担当するケースが医学的な処置等必要な場合は看護師から助言を受けて対応をするという業務が定着してきた。 <考察>今後、在院日数が短縮する中で、SWと看護師が協働することは益々必要になるだろう。職種の専門性を尊重し業務の質の向上を図ることが最終的に患者満足につながることになる。
  • 多職種連携の取り組み
    藪下 茂樹
    セッションID: 2H-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    当院におけるMSWの退院援助~多職種連携の取り組み~  病気を抱えることによって、介護問題、経済的問題などが生じることが多い。これらの社会的問題によって、患者や家族は先の見えない療養生活に戸惑いや不安を抱える。そのため、退院援助が不可欠となる。その過程では、生活上の不安を聴き、問題点を整理し、情報提供を通して具体的な解決策を提案し、選択・自己決定を促すべきである。 これから、当院MSWの退院援助の取り組みを紹介したい。その特徴としては2点あり、 居宅介護支援事業所と訪問看護ステーションを併設していることと、もう一点は院内多職種とのカンファレンスに積極的に参加していることである。前者は、がん末期や神経難病などで医療依存度が高いケースが退院後も切れ目なく地域で療養できるように配慮したためである。さらには、医師会、薬剤師会、介護支援専門員などと協議し、在宅医と病院との連携強化、退院時カンファレンスのシステム化を図っている。  後者については、現在リハビリ医、PT・OTとの回診(週1回)、脳神経外科・神経内科・整形外科の診療科別カンファレンス(それぞれ月2回)、緩和ケアチームとの回診(月2回)にMSWが参加し、院内多職種との連携を図っている。これにより、MSWの退院援助も医学的情報(治療経過、予後、身体状況など)を詳細に把握することができ、医学的根拠に基づいて行うことができる。さらには、治療早期から介護・経済面などの社会的問題の抽出、関係職種との問題共有と、解決に向けた提言が可能となる。  結語  これからも院内外の関係職種・関係機関と積極的に連携を図り、組織的な退院援助を行っていきたい。関係職種と専門的技術や知識をまとめ、退院援助ができれば、患者家族にとって大きな安心感につながると確信する。
  • 新谷 周三, 沼沢 祥行, 赤座 実穂, 小林 禅, 石原 正一郎, 鶴岡 信, 富永 勉, 青柳 盟史, 山本 泰三, 中澤 千香
    セッションID: 2H-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    緒言:2008年4月から、当院を中心に近隣の17病院で、広域・千葉/茨城脳卒中地域連携クリニカルパスの運用を開始し、満3年が経過したが、平均在院日数、Barthel Index(BI)からみた回復度、また自宅退院率について、パス運用前後で比較し、脳卒中連携パスの有用性について検討した。
    対象と方法:対象は、パス導入前群(2007年4月~2008年3月までに、当院に回復期リハビリ病院から、経過報告書が返却された患者)65例と、パス導入後群(2008年4月から2010年2月までに、当院に回復期リハビリ病院から、脳卒中連携パスが返却された患者)72例である。この2群を、それぞれ自宅退院群と非自宅退院群の2群に分けて検討した。
    結果:(1)パス導入前後で対象患者の平均年齢に、有意差なし。(2)Barthel Index(BI)よる回復度の検討でも、パス導入後に有意の改善が認められたわけでもない。ただ有用な情報として、急性期病院(当院)の入院時BIが20点前後あれば、将来、回復期病院から自宅退院できるが、10点未満では、回復期でしっかりリハビリしても、将来、自宅退院できない傾向にある。(3)急性期(当院)・回復期を通した全在院日数も、パス導入前後で、有意の変化なし。(4)特筆すべき変化としては、連携パス導入後は回復期からの自宅退院率が高く(65_%_→76_%_)なった。
    結論:連携パスは、急性期から回復期への、病状に即した適切な転院を促すことにより、全経過を通じて在院日数の短縮と回復度のアップを、ひいては病院医療費の軽減を期待したものである。今回の検討では、導入前後で期待された有意差を認めなかったが、当院では90年代から、連携パスを先取りする形で、近隣の回復期病院と実質的な連携を実践してきたためと思われる。
  • 菊池 昭夫, 新地 夏織, 石黒 沙織, 本多 暁, 石河 泰子, 小野 尚輝, 石川 雅也, 遊佐 直道, 新井原 泰隆, 大川 伸一
    セッションID: 2H-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに>当院では、平成13年6月から在宅医療支援の一環として特別養護老人ホーム(以下特養)、患者様の住まい(以下個人宅)などに出張して携帯型X線撮影装置によるポータブルX線撮影(以下在宅ポータブル撮影)を開始した。
     第58回日本農村医学会でその経緯を報告したが、今回はその後の経過を報告する。
    <対象、期間>対象は、周辺開業医等から当院に依頼された在宅ポータブル撮影とした。期間は、撮影人数で平成16年度から平成22年度、撮影件数については平成21年度から平成22年度、さらに撮影部位別を胸部、腹部、その他に分類した。また出張先を特養と特養以外の高齢者用施設(以下高齢者用施設)と個人宅に分け集計した。
    <結果>撮影人数は、平成16年度から平成19年度 まで増加し、平成20年度から平成21年度は減少し、平成22年度は増加であった。
     撮影部位は、胸部が最も多く95%以上であった。
     出張先を平成21年度、22年度で比較したところ、平成22年度は特養で55件増加、高齢者用施設で63件増加、個人宅は13件減少であった。
    <まとめ>今回の結果から、撮影人数で平成22年度が増加した要因は、特養と高齢者用施設での撮影人数にあると考えられる。しかし、特養は各施設での撮影人数が大きくは変化していなかったことから、高齢者用施設での撮影人数、中でも大規模施設からの依頼が増加したことが原因であったと考えられる。
     今後も地域医療連携の一環として在宅ポータブルを行うことで、地域へ貢献、周辺開業医からの紹介患者様の増加につながり、病院の信頼、評価へつながると考えられる。また業務の拡大を検討すると、大規模な高齢者用施設での撮影人数を増やしていくことで費用を抑えつつ業務拡大にもなると考えられる。
  • ~地域の口腔衛生におけるA病院の役割~
    栗林 稔恵, 岡田 美咲, 関 真美子, 畑 美枝
    セッションID: 2H-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに:A病院における2009年1月から2010年10月までの入院患者のうち、誤嚥性肺炎と診断された患者は102名であった。平均在院日数は細菌性肺炎28.8日に対し、誤嚥性肺炎は76.0日と長期であった。誤嚥性肺炎の予防に口腔ケアの重要性が指摘されている中、A病院で適切な口腔ケアが行われているか疑問を感じた。今回、A病院での実態を調査するとともに、当地域での「医科歯科地域連携システム」構築に至った経緯を紹介する。

    方法:A病院看護師、介護職員にアンケートを実施し現状の把握を行う。A病院の口腔ケア状況に関する見解と地域歯科診療について、地元の歯科医師へのインタビューを実施し、医科歯科地域連携に向けての協力体制をすすめた。

    結果:A病院における口腔ケアの実態アンケートの結果、全職員が困ったり・悩んだ経験を持っていた。ケアに難渋した症例は、意識障害があること、乾燥・痰のこびりつき、残歯、開口困難、出血、口臭であった。「医科歯科地域連携システム」構築の過程は、2010年6月構想、10月町内歯科医院へ訪問、町内3か所の歯科医院間で協議、11月A病院システム内容確認・周知、12月システム始動となった。入院患者様への歯科訪問診療は、3か所の医院が輪番制で対応、紹介状・返書を新たに作成した。これは、A病院だけでなく地域の老健・特養・在宅療養中の方にも利用いただき、歯科往診可能のシステムとすることができた。

    考察:日常の口腔ケアの個別性の不足などに疑問を感じ調査した結果、意識障害・経管栄養中の口腔ケアに難渋していること、原因としては職員の「知識・技術不足のため」と考えられた。新システム導入後、歯科医師、歯科衛生士の指導により状況が改善した例もあり、病院職員の知識、技術の向上と口腔ケアの在り方を見直す機会を得たことがわかった。今後は、地域の医療・介護施設の職員を含めた勉強会を開催し、地域連携の輪を深めることもA病院の役割と考える。
  • 佐川 恵一, 塩谷 康夫, 齋藤 桂悦, 杉本 充, 林 学, 星 竹敏, 古張 ますみ, 菊池 早苗, 大久保 佳江
    セッションID: 2H-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    2000年頃から患者の高齢化が進み、介護支援を要する高齢者が増加し、通院でも診察にも工夫が必要になってきた。当地域の高齢化について、2010年度の内科通院患者から聞取り調査等で得られた内容について検討をした。
    (1)車椅子通院者の検討
    車椅子での内科受診は5~12件/日の利用があり、付き添いは、家族:家族以外(主にヘルパー)は約1:5であった。
    (2)老夫婦二人のみ世帯、親子二人の世帯、独居老人世帯について検討
    _丸1_老人女性の生活環境 夫婦二人:親子二人:独居 34:22:38。 平均年齢 71.8±5.4:87.9±5.0:79.3±3.0。
    _丸2_親子二人暮世帯:親の男女差 5:22。同居する子供 老人男性 息子:娘 3:2。老人女性 息子:娘 18:5
    _丸3_独居老人 男:女 19:50。男女平均年齢 81.2歳:75.2歳。独居年数 1~45年。
    ・平均年齢は、夫婦二人、独居、親子と上昇する。
    ・老人介護の必要度は、独居、夫婦二人、親子と上昇する。
    ・特に、当地域では、親子二人暮らしで母親と息子の組み合わせが多く、一般的集落から限界集落への変化が危惧される。
    ・老人介護・医療への家族の負担を少なくするにはどうすべきか。
    (3)地域医療の対応策:限られた医療資源をどう活用するか地域医療問題シンポジュウムの開催による対応策への試み、
    1.地域の医療の総合的問題点
    2.住民側の医療機関への要望とその問題点
    _丸1_医療機関・行政から住民への医療情報の発信が少なく、医療事情の誤解が多い。
    _丸2_医療問題は、住民と医療機関との問題だけではなく、行政の積極的な介入・責任分担が必要。
  • 看護の方向性を見出すためのアンケート調査
    後藤 麻衣子, 高井 千景, 後藤 美代子
    セッションID: 2H-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈はじめに〉当院では術後の補助療法として、化学療法を導入する患者は少なくない。術後の回復を待って医師から患者・家族へインフォームドコンセントが行われる。しかし看護師は、新たな治療を受ける患者の思いや不安を十分に把握できていない現状にある。そこで患者の化学療法に対する思いや、どんな不安や疑問を抱えているのか明確にしたいと考え、患者にアンケート調査を行ったので報告する。 〈方法〉 1. 期間:平成22年7月~12月 2. 対象:入院により化学療法を受けている外科疾患の患者で、治療を新規に導入する患者4名と既に導入している患者11名 3. 方法:独自に作成したアンケート用紙を用い、研究者が面接法にて調査した。新規導入患者とすでに導入している患者に同じ用紙を用い、面接時点で思うことについて回答を得た。 〈倫理的配慮〉対象者に研究の目的・内容を説明し、調査協力の同意を得た。また研究への参加は自由であり、中断・中止が可能で不利益が生じないことを説明した。データは研究以外の目的で使用せず、個人が特定されないよう処理した。 〈結果〉化学療法についての不安や疑問は副作用に関することが最も多く、次いで予後や仕事、治療費のことが挙げられた。患者が化学療法を選択し継続している気持ちは様々であったが、治療をやめることが死につながるという認識があるため、不安を抱えていても、主治医を信じることや生きる希望を持つことで治療を続けたいと切に思っていた。家族に相談することで不安が軽減する、医療者の励ましを受けることで頑張れるという意見から、諦めずに治療に臨んでいる患者や家族に、看護師が寄り添うことは重要であると再認識した。 〈考察・まとめ〉化学療法を受ける患者は身体的・精神的・社会的・経済的負担を抱えながらも、自ら副作用に対処し治療を続けている。治療を頑張り乗り切ろうとする患者の力を支え、患者や家族に寄り添いながら長期的・継続的に支援する必要がある。
  • 終末期がん患者の家族との関わりを通して
    小田倉 由紀
    セッションID: 2H-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    家族看護の重要性 -終末期がん患者の家族との関わりを通して- 伊勢原協同病院 小田倉 由紀 終末期がん患者,家族看護,QOL <はじめに>がん患者の家族は「第二の患者」と言われている。がん患者への看護においては家族の存在が患者を複数の視点からサポートするものであるため、看護師が家族への看護を行うことは重要とされている。今回、入院前から強い痛みがある進行胃がんの患者を受け持った。入院から退院まで急速な病状悪化を呈した患者と、常に患者のそばに寄り添い続けた妻への関わりを通して、患者だけではなく家族への看護を行うことの重要性を学んだ。 <患者紹介>50歳代、男性、進行胃がん、リンパ節転移。 <経過>入院後よりオピオイドによる疼痛コントロールが開始されたが大きな変化はなく、増量をしても痛みはなかなか軽減されなかった。化学療法が行われたが、徐々に痛みは複数となり増強したうえ、黄疸・腹水貯留などの様々な症状が出現した。入院後早期より妻の泊り込みでの介護が続いており、自分は何もしてあげられない、そばにいてあげることしかできないという妻の思いがあった。疑問があれば積極的に質問をし、清潔ケアを含めた日常生活援助に対して自ら取り組む姿が見られた。疑問の解消のためにも積極的に話す時間を設けるとともに、ケアのタイミングや部分ケアの方法などを話し合いながら一緒に行うという形で関わっていった。また、妻が疲労を溜め込まないよう声をかけたり、休める時間を作るなどの対応を行なった。しかし、症状のコントロールができないまま患者の意識レベルは低下した。化学療法の継続も困難となり緩和ケアへと移行したが、状態の改善はなく、家族に見守られる中、静かに息を引き取った。 <結論>終末期の患者の看護において早期から家族への介入を行うことで、患者・家族のQOLを高めることができる。そのためにも家族看護について理解を深めることが重要となる。
  • ~乳糖果糖オリゴ糖を使用して~
    赤井 理明, 生亀 恵子, 弓田 ミユキ
    セッションID: 2H-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    当科へ入院中の患者の9割を超える方が何らかの下剤を使用しているが、それでも排便困難があり、追加で下剤の服用や、その他の排便の処置をしている。便秘への対応には、下剤の使用、運動等があるが、どれもその問題点が報告されている。下剤では、長期服用によって神経障害が起こりさらなる便秘の原因になる可能性があったり、下剤を使用しての強制的な排便の場合、腹痛や排便の刺激で粘膜組織が障害を受けるなどの報告もある。運動等は、認知症高齢者の場合それを行う事自体難しい。一方で、乳糖オリゴ糖を使用すると、腸内環境を整えることで安全に便秘症が改善するのではないかと考えられる。そのため、本研究では、乳糖オリゴ糖の使用により、便秘の改善がみられるのかを検証する。 研究デザイン 関連検証研究 倫理的配慮  書面にて倫理的配慮(研究目的以外に使用しない、個人が特定できないようにする)について説明し、研究への参加同意書を記入頂いた。 方法 12名を対象にオリゴ糖を一定期間、一定量、決められた時間に服用してもらい、服用前後10日間の比較で排便の回数、下剤の量、排便のための追加処置の回数に変化が見られないかを検証する。統計分析は、ウイルコクスンの小標本の検定(両側検定)を用いた。 結果 1. 服用前後における排便回数は5%水準で有意であった(t=7,下側=13,上側=65,p<.05 ) 2・服用前後における下剤の量の差に有意差はなかった(t=13,下側=10,上側=56,n.s.) 考察 オリゴ糖を使用することで排便の回数を増やすことはできる。しかし、下剤の使用量の減量や排便のための処置の回数に有意差が出るほどの効果は見られなかった。
  • 実態調査に基づいて修正したパンフレットを用いて
    本川 ちひろ, 佐藤 沙織, 斉藤 卓也, 佐藤 尭子, 奥山 直美, 三上 裕子, 金沢 結美
    セッションID: 2H-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    現在実施している食道(胃)静脈瘤硬化療法は出血や詰まり感といった合併症を防ぐために食事指導が重要となる。食事指導は、パンフレットを用いて治療前に行なっているが、患者から「パンフレットだけでは分かりにくい」という言葉が聞かれたため、平成21年度の研究において退院後の食生活に関する患者への実態調査を行なった。その結果、疾患の説明内容や具体的な食事の提示・制限の程度などパンフレットの修正点が幾つか挙げられ、看護師の知識の差などから統一した指導が行なわれていない現状が示唆された。そこで今回、図を用いた静脈瘤の発生機序の説明と治療部位の写真や食品のイラストを掲載し、曖昧な表現であった部分を具体的な数値を用いて表示したパンフレットへ修正を行ない、退院後の患者へアンケート調査と病棟看護師に調査を実施した。その結果、患者全員が食事制限の必要性について理解できたと回答し、平成21年度よりも退院後の食事に注意することができたと回答した患者は増加した。修正したパンフレットを用いることで、なぜ食事制限が必要か理解することができ、自ら行動へ移していく事ができていた。また、食品の制限を提示するだけでなく、なぜ摂取できないのか詳しい説明を記載したことで、患者は食品の理解を高める事ができ、自ら判断し選択することに繋がっていた。看護師への調査結果からは、修正したパンフレットを用いての指導に関して「説明しやすくなった」という意見が多く聞かれた。説明しなければならない要点をまとめ、患者が多く抱く疑問を解決できる内容にし、看護師がパンフレットを見ればみな同じように説明できるようにすることで、指導全体の質の改善に繋がり、患者にとってより有効な指導が行なえるようになった。
  • 自己管理アセスメントシート導入後の効果
    小菅 真季子, 柴田 昌美, 喜多村 邦子
    セッションID: 2H-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    慢性心不全患者は、原因疾患の進行や加齢の他に、日常生活における規制が出来ず、再入院に至ることも多い。看護師は患者の自己管理状況を把握し、危険因子の是正にむけた生活指導が必要とされる。先行研究では、慢性心不全患者の自己管理に関する看護師の情報収集状況を調査した。その結果、水分や内服管理には視点が行きとどきやすいが、その他必要とされる内容の情報収集には至っておらず、再入院の原因追及や生活指導が不十分であることがわかった。また、看護師の自己管理状況に関する情報収集の意識の違いや知識の違いから、情報収集の偏りや相違があることが示唆された。 そこで、看護師個々が患者の自己管理状況を把握する意識を高め、情報収集の視点の強化を図ることを目的に、情報収集の指標となる自己管理アセスメントシートを作成した。自己管理アセスメントシートは、心不全治療ガイドラインの一般管理と、心不全患者のアセスメントの視点に関する文献をもとに、自己管理に関する10項目から作成した。また、自己管理アセスメントシートを活用し情報を共有、カンファレンスを活用し個々の患者に合った生活指導の目標を設定するなど、患者が実践できる自己管理方法を見出した生活指導へと繋げた。アセスメントシートの導入により、統一した情報収集が可能となり自己管理状況を把握する意識を高めることができた。有効な情報収集を行うことは、患者と共に日常生活を振り返り、患者自身の気付きを促すことに繋がると考える。今回、慢性心不全患者に自己管理アセスメントシートを導入した効果と今後の課題について検討したので報告する。
  • 大浦 栄次, 澁谷 直美, 亀谷 富夫, 豊田 務
    セッションID: 1J-A-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
     本会では、昭和45年以来約40年にわたり県内の関係医療機関約900カ所に年2回にわたり農作業事故の臨床例調査を行っている。また、全共連県本部の生命・傷害共済証書を検索し事故情報を収集してきた。今回、2000年~2009年に発生した主要な農機事故の事故様態分析を行い、農作業安全教育の重点について検討したので以下に報告する。
    方  法  農機事故のうち、草刈機161件、コンバイン132件、トラクター87件、耕耘機46、田植機44件について、どのような作業や使用状態で事故が発生したかについて分類した。
    結  果
     草刈機事故は、滑る、転倒、転落、捻るなど「作業姿勢不安定」が原因の事故が67件、41.6%であり、次いで飛散、キックバックなど「作業環境を整備」する事で防ぐ事ができた事故が20.5%であった。コンバインでは「つまり除去」30.4%、「手こぎ」24.8%などであった。トラクターでは、「作業機取替」が20.7%、走行中などに「転落・転倒」が17.2%、「降車、乗車」時が16.1%等であった。耕耘機では、「バック時に押しつけられ」、「バック巻き込まれ」がそれぞれ26.2%で、両者合わせた「バック」が原因が52.4%であった。田植機では、足場が悪く「滑った」が43.2%であった。
    考  察
     これまで、多くの安全マニュアルは事故の実態に基づくと言うより、機械整備や操作手順を中心に解説されたものが多かった。今回の事故様態分析では、事故防止のための重点的注意事項が明示され、今後安全マニュアル作成に生かす必要があると考えられる。
  • 岸 宏栄, 澁谷 直美, 大浦 栄次, 亀谷 富夫, 豊田 務
    セッションID: 1J-A-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
     農業機械使用者の農業機械使用時のヒヤリハット(以下ヒヤリ)体験について調査し、事故防止のポイントについて検討した。
    対象と方法
     平成23年3月に富山県のN農協管内で集落営農組織の農業機械オペレーター151人について、トラクター、草刈機、コンバイン、耕耘機のヒヤリ体験について調査をした。
    結果と考察
     トラクターのヒヤリ体験を持つ者は67.4%であり、そのうち昇降路を上がる時にヒヤリした者は64.2%、昇降路を下りる時では38.9%であり、昇降路のいずれかでヒヤリを感じた者は73.7%と、特に昇降路におけるヒヤリ体験が多かった。トラクターの転落、横転を防ぐには、片ブレーキを防ぐため、ブレーキの連結ロックをする事が重要であるが、昇降路を上がるとき「確実に連結ロックをする」と答えた者は、29.0%であった。
     草刈機のヒヤリ経験で特に多いのは傾斜地等で「滑って」が55.2%、惰性回転が29.0%、飛散物が54.9%であった。実際の作業で滑りやすい時や時間帯を避けるかでは、「避ける」がわずか15.6%であった。コンバインのヒヤリ経験は47.9%であり、進入路でが29.3%、手こぎが15.7%であった。手こぎについて、危険回避のため、手こぎの位置を適正に必ず調整する者は、わずか15.8%であった。耕耘機のヒヤリ経験は、バック移動43.6%、バック格納10.3%であり、バックのいずれかでヒヤリ体験した者は52.6%であった。
     以上、農機使用中にヒヤリ体験をする者が多いが、その体験を実際の予防に役立てている者は少なく、今後の安全教育における課題と考えられた。
  • 末永 隆次郎
    セッションID: 1J-A-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    農業地域類型区分からみた農機具事故の発生状況 久留米大学医学部環境医学教室 末永 ?次郎    農業共済の中での農機具共済に請求のあったものについて福岡県農業共済組合連合会の協力のもとに平成17年度の資料をみせていただき、それをもとに解析をした。農機具共済は農機具だけの補償であって、直接的に人への負傷傷害があったかどうかは不明である。農業地域類型によって農機具事故に特徴があるかどうかを検討することを主な目的とした。農業地域類型は、第1次分類として都市的地域、平地農業地域、中間農業地域、山間農業地域の4つの類型と第2次分類として水田型、田畑型、畑地型の3つの類型を基準指標として使用した。平成17年度における農機具事故は322件であり、コンバインが151件で最も多く、次いでトラクターが51件、茶摘採機が28件、スピードスプレヤーが16件、ロータリーが15件、管理機が15件、動力散布機が8件などであった。事故発生を月別にみると5月•6月と10月•11月にピークがあり2峰性を示していた。事故の原因は、接触によるものが93件で最も多く、次いで衝突によるものが92件、異物の巻き込みによるものが81件、墜落によるものが24件、転覆によるものが21件などであった。次に農業地域類型でみると、都市的地域・水田型での発生が123件で最も多く、農機としてコンバインによるものが59件、トラクターが27件、管理機が8件など、次いで平地農業地域・水田型で79件、農機としてはコンバインが58件、トラクターが9件、動力散布機が4件など、中間農業地域・水田型では51件で、コンバインが28件、トラクターが8件、ロータリーが5件など、平地農業地域・田畑型では19件で、茶摘採機が6件、スピードスプレヤーが5件など、中間農業地域・田畑型では17件で、スピードスプレヤーが9件、茶摘採機が5件など、山間農業地域・田畑型では15件で、茶摘採機が10件などであった。
  • 頸動脈内膜中膜複合体厚とプラークスコアによる評価
    米山 敏美, 山崎 雅之, 岩本 麻実子, 武田 美輪子, 濱野 強, 塩飽 邦憲
    セッションID: 1J-A-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈緒言〉頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)と頸動脈内粥腫評価指数(プラークスコア:PS)が動脈硬化性疾患、特に脳梗塞と心筋梗塞の予知に有効とされている。IMTやPSとメタボリックシンドローム(MS)およびその診断基準を構成する危険因子との関係を解析し、MSの診断基準の妥当性や予防の有効性について考察した。
    〈対象と方法〉2006年から2009年の生活習慣病コホート研究ベースライン調査に参加した出雲市佐田町・雲南市掛合町・三刀屋町・加茂町・大東町住民2,939人の内、7時間以上絶食で採血され頸動脈エコー検査を受診した1,639人を対象に解析を行った。IMTは最大値1mm以上を動脈硬化有りとし、PSは5.1以上を動脈硬化有りとした。統計解析にはχ2検定および2項ロジスティック回帰分析を用い、P値が5%未満を有意な差と判定した。
    〈結果と考察〉対象者特性は、χ2検定により、内臓肥満、高血糖、MS有病率とPSは男性が有意に高く、高年齢(65歳以上)、高LDL-C血症は、女性が有意に高かった。IMTは、男女とも高年齢、血圧高値、高LDL-C血症と有意に関連し、男性では高中性脂肪血症とも有意に関連した。PSは、男女とも高年齢、血圧高値、高LDL-C血症と有意に関連し、男性ではMSとも有意に関連し、女性では脂質異常と関連を示した。2項ロジスティック回帰分析では、IMTは、高年齢、血圧高値、高LDL-C血症が有意に関連し、性、内臓肥満、脂質異常、高血糖、MSは関連がなかった。PSは、高年齢、性、血圧高値、高LDL-C血症、MSが有意に関連し、内臓肥満、脂質異常、高血糖は関連がなかった。今回の結果では、MS診断基準はPSの予知因子として有効となったが、IMTに対しては有効ではなかった。IMTの予知因子としては、年齢、血圧、LDL-Cが有効であった。
  • 林 直子, 長田 恵美子, 東 千穂, 野村 恵美, 増本 順子, 川村 洋子, 久保 知子, 碓井 裕史, 福田 康彦
    セッションID: 1J-A-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】食塩の過剰摂取と高血圧の関係はよく知られており、高血圧予防に減塩が推奨されている。そこで、摂取した食塩量を尿で簡単に測定できる機器を用いて、高血圧予防のための個別支援を試みた。<BR> 【対象と方法】広島県西部地域の職域健診の血圧測定で、正常高値血圧、_I_度高血圧、収縮期高血圧と判定された50名に対し、高血圧予防の講演をおこなった。その中で、食塩摂取量、家庭血圧を測定して高血圧の予防・改善を希望する者が20名おり、それぞれ1ヶ月、2ヶ月間測定してもらった。また、期間中、支援のための文書を3回送付し、3回アンケート調査をおこなった(集団支援)。測定終了後、保健師による栄養指導を希望した6名に対して、個別面接を行った(個別支援)。また、食塩摂取量、家庭血圧をさらに1ヶ月間測定してもらった。食塩摂取量は、夜間尿を電子式食塩センサー(減塩モニタ)で測定して推定した。<BR> 【結果】個別支援を希望した6名のデータを検討した。<BR> 初回アンケートでは減塩に対し「ある程度取り組んでいる」あるいは「積極的に取り組んでいる」と回答した者は2名であったが、最終アンケートでは全員に増えた。また、減塩の取り組みの動機について「減塩モニタを使用したこと」と全員が回答した。集団支援中に食塩摂取量が低下した人が6名中、5名いた。このうち、個別支援後にさらに食塩摂取量が低下した人が3名いた。血圧が下降した者は、集団支援中に4名、このうち、個別支援後にさらに低下した人が3名いた。<BR> 【結語】 食塩摂取量自己測定は、フィードバック効果により、減塩に対する意識の向上、動機付けとなった。さらに、集団支援だけでなく、個別支援により、食塩摂取量、血圧共に低下がみられ、個別支援が有効であった。現在、個別支援を継続中である。
  • 吉田 和恵, 野口 むね子, 土田 美里
    セッションID: 1J-A-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】当院では、インスリン治療や内服治療を受けている糖尿病患者は、増加傾向にあり、現在約1800名に上っている。糖尿病治療には生活習慣の改善が不可欠であるが、川口(1996;2001)は、食事指導を受けた糖尿病患者の実行度を経時的に研究し、良好な食事療法を実行する者の割合が1か月後73%、3か月後57%、6か月後37%、1年後21%、2年後10%と減少したことを報告しており、糖尿病患者の看護において、患者自身が自己管理できるよう健康行動を支援する看護介入が不可欠である。本研究の目的は、糖尿病患者が食事療法や運動等の健康行動を実践するための看護介入の方法を検討するため、糖尿病患者の健康行動に影響を及ぼす要因を明らかにすることである。 【方法】 対象者は、当院外来通院中のHbA1cが6.5%以上の糖尿病患者、男性10名、女性7名の17名。調査期間は、2010年11月~2011年3月で、質的記述的研究の手法を用いて実施した。半構成的面接法により得られたデータから逐語録を作成し、健康行動に関する患者の気持ちや考えの記述部分を1つの意味内容として抜粋した。抜き出した各エピソードからコード化を行い、類似性と相違性に着目しながらカテゴリー化した。分析にあたっては、同様の研究手法の経験のある研究者のスーパーバイズを受けながら行った。研究にあたっては、対象者に、研究の趣旨、参加の自由意志と匿名性の保証、途中で辞退しても不利益を被らないことを口頭及び書面で説明し、書面で同意を得た。なお本研究は院内の倫理委員会の承認を得て実施した。その結果、患者の健康行動に影響を及ぼしているいくつかの要因が明らかとなった。
  • 森 佳子, 日比 亜湖, 天野 早紀, 坂口 身江子, 布谷 佳子, 築山 こずえ, 片山 香菜子, 稲垣 弘, 山田 晴生
    セッションID: 1J-A-7
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    我々は対象者自らが振り返り健康生活を営み始めることを目標とし、継続型の教室と遠隔支援を組み合わせた保健指導を行ってきた。これまで介護予防教室として行ってきた動脈硬化予防教室にその手法を用いた。その結果を報告する。 【対象と方法】  平成22年12月~平成23年3月の105日間、全10回参加が原則の動脈硬化予防教室として、JAあいち豊田管内の女性部を対象に参加者を募り、19名に実施した。教室は10日~2週間おきに行い、初回に血液検査、頚部エコー、ABI検査などの項目を盛り込んだ動脈硬化健診を行った。また健診結果、簡易的な体力測定、質問票、自記式のシートを用いて自己の振り返りを促し、参加者自らが実現可能な行動計画を立てた。教室と教室の間は体重と計画の達成状況を毎日記録し、支援者が通信によって計画達成の補助(以下フォロー)を行った。また、教室の内容は生活習慣病の病態の講義、食事バランス、運動実践、調理実習などを中心に対象者間の相乗効果を狙ったグループワークを基本とした。 【結果と考察】  教室全10回の参加者一人当たりの平均の出席回数は7.7回、一回の教室当たりの出席者は平均14.6人、76.8%、最終回の出席者は16人で84.2%だった。全日程出席者は0名だった。体重の平均減少量は0.9kgで最大5.3kg減った者もいた。数名にLDL-CHO、TG、血圧で改善が見られた。質問票やアンケート調査では「21時以降ご飯を食べるのをやめた」「油ものを半分にするようになった」「体重記録が習慣になった」など生活習慣や意識の変化がみられた。「返事が楽しみ」「手紙をくれるのが自分を見ていてくれるようで嬉しかった」「教室がない間のフォローもモチベーションの持続につながった。」という意見が聞かれた。継続した教室に参加し、教室と教室の間も記録し続け、それに対して支援者がフォローをすることで参加者が生活を振り返り、自ら気付きが生まれた。 今後は動脈硬化予防教室としてではなく、新たに展開する生活習慣病予防教室に活かしたい。
  • 杵淵 香純, 石井 洋子, 佐藤 作喜子, 柳田 奈央子, 大年 悠貴
    セッションID: 1J-A-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    《目的》当院ではH17年より直接農家より野菜を納品してもらう地産地消の取り組みを行っている。その一環として地元野菜の消費拡大、健康の保持増進、食にまつわる生活習慣病予防の正しい理解を目的に行った健康料理教室について報告する。<BR>《方法および内容》一般人を対象に、院内ポスター・病院広報誌・市の広報・JA直売所のポスターにて募集を行った。場所はJAいせはら本所の調理実習室、開催日は日曜日の午前中とし、スタッフとして農家グループ、JA職員が参加した。農家グループには企画段階から参加してもらい、当日は各テーブルにつき指導をお願いした。調理実習のメニューは隣接する直売所にその時期販売される地元野菜、地元産B品トマトから作ったトマトピューレを使ったレシピ、摘果したみかんから作ったジュースを使ったレシピを盛り込んだ。調理実習、試食の後に、毎回テーマを変えて管理栄養士が40分程度の講座を行なった。講座の内容はアンケート調査より要望のあったものの中から、生活習慣病と食事・ダイエット・減塩・低GIなどを取り上げた。<BR>《結果》H22年1月より計5回実施、115名が参加した。行ったアンケート調査は回収率90%(104名)、作った料理がおいしかったが95%(99名)、家でも作ってみたいが99%(103名)、管理栄養士の話は興味深い内容だったが96%(100人)という結果が得られた。また、野菜の購入理由について、第一選択は地元野菜という回答が90%であった。<BR> 《考察・まとめ》参加者の95%が主婦であり、アンケートの回答から地産地消への高い意識が示唆された。JAの病院として、行政や学校の行う食育とは違った視点から食と医療についての啓蒙活動を行い、様々な年齢層、対象者へ参加を促し多くの人が楽しく参加できる場にしたいと考える。地元農家、JAとの連携をより深め、更なる魅力ある教室となるよう内容の充実を図っていきたい。
  • 鈴木 祥子, 柴田 はるか, 江崎 晴香, 杉浦 正士, 早川 富博
    セッションID: 1J-A-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】当院診療圏の多くはへき地中山間地域であり病院の受診や買い物の交通手段は大半が自家用車である。そして過疎化の進む当地域では独居や老老世帯が多く、思い立って買い物のできる地域は限られている。交通や物流の不便さが経口摂取による栄養補給の状況に影響し、ADLやQOLの低下を招くことが懸念される。そこで今回当院診療圏の2地区をサンプリングして栄養・食事調査を実施することができたので報告する。【対象・方法】サンプリングした2地区に在住する当院外来受診者で栄養・食事調査に協力の同意を得られた87名(平均年齢81.2歳、男性30名、女性57名)を対象とした。栄養・食事調査には簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ;brief-type self-administered diet history questionnaire)を用いた。【結果】対象者の世帯構成は独居36.0%、老夫婦36.0%、同居・その他28.0%であった。栄養摂取状況は日本人の食事摂取基準2010年版に基づいて(1)現状維持(2)要注意(3)食生活の改善が必要の3段階に分けたところ(2)(3)の割合が高かった項目は食物繊維、食塩、脂質、飽和脂肪酸等であった。【考察・まとめ】対象者は長年当地域に生活基盤を持って自立して暮らしている。調査の結果からは自立して生活するに必要な栄養補給はほぼ十分と考えられるが、一方で交通や物流に不便さの残る過疎地においてこの自立は必ずしも安定的なものではないと思われる。住みなれた土地での自立した生活を継続するために、今回の調査で明らかとなった日常生活の実態が支援内容に盛り込まれるよう検討していく必要があると考える。
  • 佐々木 司郎, 高橋 俊明, 大久保 俊治, 平山 克
    セッションID: 1J-A-10
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】食生活の変遷による肥満者の増加が危惧されており、秋田県南部の当地域においてもここ20年間のBMI値は増加している。特定健診が開始されてからメタボリックシンドロームに重点が置かれ、肝機能異常についてに認知度が低いように思われる。飲酒率が全国平均より高い当地域での健診の事後指導に生かすべく、脂肪肝実態を調査し、併せて生活習慣病因子との関連を分析した。 【対象と方法】対象は平成20年~22年度の人間ドック受診者でウイルス性肝炎の既往、現病者を除き、さらに飲酒習慣・飲酒量が把握された30才から79才の男性1880名、女性1307名の計3187名で、複数年受診者は初年度の成績のみを採用した。脂肪肝の判定は腹部超音波検査で行った。 【結果】脂肪肝の割合は男性32.9%、女性15.0%であった。男性対象者の14.0%が非飲酒(アルコール量20g/日以下)脂肪肝群で飲酒群(同21g/日以上)の18.9%より少なかった。女性対象者の14.2%が非飲酒脂肪肝群で飲酒脂肪肝群は0.8%であった。非飲酒者中の脂肪肝割合は男性33.6%、女性15.6%であり、飲酒者中の男性32.3%、女性8.5%より多く、女性は統計的に有意であった。生活習慣病各因子の異常者中の脂肪肝割合を見ると高い順に肝機能異常、MetS因子2個以上保有者、20才からの体重増加10kg以上者、BMI25以上者で、それぞれ男性は70.8%、67.7%、62.5%、59.1%、女性は61.9%、56.2%、47.6%、40.6%であり、これら4項目が全て異常者では男性76.3%、女性73.7%が脂肪肝所見を示していた。 脂肪肝の有無を目的変数とし、リスクファクターを説明変数とした多重ロジスティック回帰分析ではBMIが最も関連が強く、次いでTG、ALT が有意の関連を見せた。 【まとめ】超音波検査を実施しない健診でも各種生活習慣病因子から脂肪肝の存在をある程度推定することが可能であると思われた。メタボリックシンドロームと同時に脂肪肝についても強力な事後指導が必要と考える。
  • 小城 千百合, 小田 則子, 小田 恵子, 栗岡 允, 友田 裕康
    セッションID: 1J-A-11
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈はじめに〉JA 吉田健康管理センターは,広島県北部地域の住民を対象に健康診断を中心とした健康管理活動を実 施している。今回,保健指導実施にあたっての地域特性を把握するため,さらには慢性腎臓病(CKD)の実態を把 握し,吉田総合病院でスタートした慢性腎臓病地域連携パス活用のために,健診データの解析を行なった。
    〈対象と方法〉厚生労働省版の診断基準でリスク算定が可能だった(但し,平成16年の内臓肥満の診断はBMI のみ を使用)平成16年度1,642例,平成21年度1,718例を解析対象とした。また平成21年度と平成16年度のeGFR の比較には両年度で計算が可能である2,439例を解析対象とした。解析は40歳から80歳以上まで10歳刻みで行なった。
    〈結果〉平成16年度に比して平成21年度は内臓肥満・高血圧・脂質異常・高血糖の各リスクに該当症例の割合は増加していた。またリスクが重複する症例の割合も増加していた。BMI は大きな変化は見られなかったが,HbA1cは平成16年度に比して平成21年度は各年代とも有意に増加していた。
    慢性腎臓病と定義されるeGFR が60ml/min/1.73m2未満の症例は平成16年度に比して平成21年度はいずれの年代においても増加しており,特に50歳代の男性,60歳代の男女で有意に増加していた。
    〈まとめ〉CKD は一般住民の生活の質や生命予後に大きく影響していると注目されているが,当センターの健診者においてもCKD の症例は増加傾向にあった。またCKD増加の要因と考えられる内臓肥満・脂質異常・高血糖も増加していた。今後,この結果を地元保健師と共有し,CKDを意識した保健指導を幅広く行なうことにより,地域住民の健康管理に貢献したい。
  • 悩まないライフスキルと産業ストレスへの挑戦
    山根 俊夫
    セッションID: 1J-A-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    島根県11JAの健診結果、会議資料及びインタビュー調査をもとに、産業ストレスについて検討した。受診率は94.8%、メタボリック症候群(MSと略)基準該当者は男性15.3%、女性2.6%、MS予備軍該当者は男性17%、女性5.2%であった。職場ストレス結果:主なストレス内容は、「上司との人間関係」29.3%、「同僚との人間関係」28.5%、 「仕事の質的負荷」11.8%、「仕事の量的負荷」9.7%、「職場のいじめ」5.7%であった。職場ストレス症状として「将来に対する不安感」32.6%、「気分不安定」18.7%であった。産業ストレスの健康影響として循環器疾患、精神疾患、筋骨格系疾患、自己免疫力低下などがみられた。産業ストレスへの相応アプローチに総合7管理と、PDCAサイクルによる総合的アプローチが求められている。新たなプライマリヘルスケアに向けて~健診をコアとした職場の包括的把握と将来予測、予知予見、価値観歴、ライフスタイル、健康知識・意識、主体的行動力、医療受診歴、家族歴、遺伝歴、QOL/QOWL、家族・地域支援力、経済力。健診をコアとした診断結果や事例分析からみた家庭、職場、地域のSWOT分析と健康づくり処方箋。健診をコアとした住民、家庭、コミュニテイ、JA、市町村、ボランテイア活動、社会的公共的諸資源のネッワークづくり。健診をコアとした職員自身による健康ポートフォリオ、インターネットによる健康づくり学習の導入。健診をコアとした住民、JA及び厚生連、市町村による健康長寿のまちづくりに向けた政策づくり。健診をコアとしたプライマリヘルスケア概念の進化と予知予見医学の導入が望まれている。
  • 平野 雅之, 野田 邦夫, 荒井 哲郎
    セッションID: 1J-A-13
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
     (財)日本成人病予防会は、農山村地域住民に対する生活習慣病対策の一環として、昭和38年の設立以来、(財)JKAから競輪等の補助を受け、生活習慣病巡回検診車・検診用機器の整備をはかり厚生連病院の協力を得て検診活動の推進を行ってきた。  このうち、平成21年度に稼働した検診車54台(間接撮影)による胃集団検診の実態調査を行ったので報告する。 〔検診車の稼働状況等〕 検診車54台の年間平均稼働日数は80.9日、1日1台あたり平均受診者数は32.3人となった。 〔受診者〕 平成21年度の受診者総数は14万1,230人(男性6万8,142人、女性7万3,088人)で、年齢階層別では、男性は60~69歳が1万8,046人(男性受診者の26.5%)、女性も60~69歳が2万2,829人(女性受診者の31.2%)で最も多い。 〔要精検者・精検率〕 受診者の9.4%にあたる1万3,330人が要精検者となった。(男性7,518人(要精検率11.0%)、女性5,812人(同8.0%))年齢階層別では、男女とも70歳以上(男性12.6%・女性9.4%)が最も高い。 〔精検受診者・受診率〕 要精検者の73.6%にあたる9,815人が精密検査を受けた。(男性5,154人(精検受診率68.6%)、女性4,661人(同80.2%))年齢階層別では、男性・女性とも70歳以上(男性81.6%・女性85.5%)が最も多く、30~39歳(男性52.8%・女性66.0%)が最も低い結果となった。 〔胃がん発見率〕 胃がんの発見者数は161人で、このうち男性は117人(発見率0.172%)、女性は44人(同0.060%)となり、男性の発見率が女性の2.9倍となった。 〔結論〕 昨今の検診機器の進歩等に伴い、間接撮影による受診者数が減少傾向にあるなかで、より多くのがんを早期発見するためには、いかに精検受診率の維持・向上を図っていくかが今後の課題である。要精検者に対する説明・指導、早めの検査予約など、受診勧奨への取り組み、健康管理の意識づけが一層求められる。
  • 熊澤 伊和生, 土屋 十次, 立花 進, 西尾 公利, 小森 充嗣, 佐野 仁哉
    セッションID: 1J-A-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
     乳がん検診のトピックとして受診率向上を目的とした節目検診用無料クーポン券(以下無料クーポン券)の配布が挙げられる。精度管理の現状と無料クーポン券の効果につき検討した。
     当院健診センターに委託された乳がん検診受診者は平成20年度の7246人であったが無料クーポン検診の導入後は8220人(H21)、8547人(H22)と18%増加した。
     一方40,45,50,55,60歳の無料クーポン券受診者(クーポン年齢層)は平成20年度の968人であったが平成21年度は1565人で62%増加した。
     クーポン利用率は岐阜県全体では28.1%であったが、当院が担当している岐阜県北西部では31.4%であり良好な結果を得た。
     当地区の特徴としては、初回率の低さ9.5%(H21,全国37%)と逐年検診が可能(59%)であることが挙げられる。
     受診回数について、初めての受診者は平成21年度1080人でうちクーポン年齢層だけで333人(31%)を占めた。平成21年度の初回率はクーポン年齢層のみで21.3%、40-60歳全体では7.6%だったが平成20年度は同様に9.1%,7.6%であり、クーポン年齢層における初回率の増加はクーポンによる効果と考えられた。
     精度管理について、平成21年度の要精検率は6.8%で、がん発見率は0.22%(17例)で平成22年度は同じく7.9%、0.24%(19例)であり、クーポン検診導入前のがん発見率(0.09-0.20%)と比べ良好な結果を得た。
     クーポン券受診者の要精検率は8.6%(H21),10.2%(H22)と高く、がん発見率は0.26%(H21),0.15%(H22)であった。一方精検受診率は全体で85.5%だったが、初回群(78%)とクーポン群(79%)でむしろ低く(H21)、今後の精度管理上の課題と考えられた。
     総括として無料クーポン券の配布は、乳がん検診受診者の増加に寄与し、初めて検診を受けるきっかけとなったと考えられる。しかし厚生労働省が目標とする50%には遠く及んでいないのが現状である。
     本年度は引き続き無料クーポン券の配布が実施され、また30歳代の検診希望者の増加が見込まれるため、限られた医療資源の中で精度管理の向上に務めたい。
  • SHRラットを用いた高濃度GABA含有酵母エキスの高血圧に対する影響評価
    山崎 雅之, 王 莉, 米山 敏美, 岩本 麻実子, 武田 美輪子, 濱野 強, 塩飽 邦憲
    セッションID: 1J-A-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
     本態性高血圧は、食生活、運動等の生活習慣が複雑に相互作用することで引き起こされる。近年では、活性酸素等の酸化ストレスによって誘導される一酸化窒素(NO)の不活性化による血管内皮細胞異常と血管収縮が本態性高血圧の一因であると考えられている。本態性高血圧治療にはAngiotensin _II_(AngII)受容体やAngiotensin変換酵素(ACE) の拮抗阻害剤等が用いられているが、根治は難しく、行動や食事制限はQOLの低下を招く。
     このような背景の中で、いくつかの発酵食品が本態性高血圧の発症予防に有効である可能性が報告されている。我々は漬物から単離された乳酸菌Lactobacillus brevis 12005株による乳酸発酵によりGABA(γ-アミノ酪酸)を豊富に含むパン酵母エキスの高血圧予防効果を高血圧発症モデルラット SHR/Izmに投与することで検討した。
     乳酸発酵パン酵母エキスを5%w/vで餌に混合し投与したGABA発酵群は、対照群と比較して、投与8週目以降で収縮期血圧の上昇が有意に抑制された。投与12週での尿中8-OHdG、8-イソプロスタン濃度、血清中AngIIの濃度が有意に低かった。以上の結果から、今回使用した乳酸発酵パン酵母エキスは、レニン-アンギオテンシン系に作用し、その抗酸化作用により、AngIIの産生を抑え、NADPHオキシダーゼを介したNOによる内皮依存性血管弛緩反応および血管保護によって血圧の上昇を抑制した可能性が考えられた。GABAの摂取は、血管内皮機能異常の発症を抑えることで高血圧の亢進を予防できる可能性がある。

     本研究は、アルプロン製薬株式会社(水津拓三)との共同研究で、中小企業庁「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」による支援を受けて行った。また、助言、支援をいただいた島根大学医学部病態病理学講座 並河徹先生に感謝申し上げます。
  • タクティールケアを試みて
    柳沢 みすず, 岡崎 美沙, 百合草 智恵子
    セッションID: 1J-A-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    当病棟は介護・医療療養型施設であり、脳血管疾患により高次機能障害や認知症症状の出現している方は半数以上を占める。長期入院期間、慣れない環境での療養、家族との離れ離れの生活により不安のためか、大きな声で「家に帰る」「家に電話して」など何回も訴える方がいる。認知症症状の出現している方の情緒を安定させ落ちついた療養生活を送ることを目的に認知症治療の方法でもある、タクティールケアを試みた。タクティールケアは手で触れる事により「不安を取り除き安心感をもたらす」といわれる手法である。 今回、自宅に戻るためリハビリ目的にて介護療養病床に入所され、入院前から認知症症状を認め、機能的には自分でできることでも他者へ依頼する事が多く、昼夜問わず大きな声で介護者を呼ぶ状態が続いていた入所者に対して、タクティールケアを試みた。研究開始時は、悲観的な言葉や否定的な態度が強く表出されていたが、終了時には他人を思いやる気持ちや、介護者をねぎらう言葉かけなどみられ信頼関係が築かれるようになった。触れることにより、手からの温かみを感じ心が和み相互に信頼関係が生まれることにより短時間でも1対1の関わりをもち安心感がわき介護者も患者を大切にしたいという気持ちになった。日常生活を援助していくうえで対象者と介護者の信頼関係が重要である。今後は1人でも多くの認知症症状のある利用者の精神的安定が図れるような関わりをしていきたい。
  • ?難病患者に「センター方式シート」の一部を使用して?
    直井 千恵子
    セッションID: 1J-A-17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    〈はじめに〉 当療養病床の寝たきり度は年々高くなっている。その中で、訴えやナースコールが多いA氏を受け持った。A氏の行動背景にあるものを明らかにし、ケアのヒントを見つけるため「認知症ケアマネージメントセンター方式」の中の1シートである「私の姿と気持ちシート」を使用した。患者の思いを知りそれに沿ったケアを心がけた事で患者の行動も変化し、どれだけでもその人らしく入院生活を送って頂ける様になったのでその関わりの実践を報告する。 〈患者紹介〉 A氏は71歳の男性で、平成18年に頚椎後縦靭帯骨化症と診断、平成20年には多系統萎縮症と診断された。平成21年に胃ろう造設、徐々に下肢の筋力も低下しベッド上生活となった。2つの進行性難病により運動障害や四肢の筋固縮、手足の痺れや痙攣の出現、構音障害などの症状が見られる様になった。日頃から数分毎の体位変換やポータブルトイレ移動、物の位置の変更など様々な訴えや頻回なナースコールがあった。 〈結果とまとめ〉 「センター方式シート」は認知症のためのケアマネージメントシートであるが、高齢者ケア全般でこれを使用する事は有用であると言われている。A氏も難病として療養生活が長期となり患者の思いを理解する目的でこのシートを使用した。2つの難病を発症し、運動障害の進行から思う様に身体が動かない事による心身の苦痛、自分の疾患を理解して欲しいという思いが分かり、訴えの内容1つ1つを知り援助を行った。その結果、患者は言動や表情が明るくなり気持ちの変化が見られた。私達も思い込みや押し付けの関わりを見直し、先回りしたケアを心がける様になった。また、1人の患者を知ろうとする姿勢が信頼関係を築き、患者の望むケアを導き出し援助に繋げる事が出来た。それと同時に患者のなじみの生活や日常生活習慣を早期に把握する事で、患者の望む環境や思いを知り、その人らしく療養生活を送って頂く事に繋がる事を学んだ。
  • 柴田 崇功, 林 明美, 小幡 美穂, 安藤 寿代
    セッションID: 1J-A-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    はじめに
     学習療法は、認知症高齢者の前頭前野の機能改善策の1つとして、簡単な計算や音読を行うことにより、コミュニケーション機能、認知機能、身辺自立機能を維持、改善を図るといわれている。近年、学習療法は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、グループホームなどで実施され成果を上げている。 今回当院においても学習療法を行ったところ「支援者が学習療法を通じて関わり方を学び継続の必要性を感じ個別ケアのツールとして学習療法の導入に向けて基盤ができた」など成果が得られたので報告する。
    研究方法
    1.対象および実施者
     当病棟入所中の患者4名に対し支援者(看護師1名、介護福祉士2名)が学習療法を実施した。
    2.研究期間
     平成22年8月1日~平成23年1月31日
    3.実施方法
     学習療法実施前後にFAB(前頭葉機能検査 18点満点)およびMMSE(全般的認知機能検査 30点満点)の評価を行い、各評価指標の点数変化により学習療法の効果判定を行った。また、実施中の状況や発言なども記録することにより点数評価のみでなく積極性や表情などについても変化を観察した。
    結果
     今回の取り組みにより以下の4点が明らかとなった
    1.4名の患者に学習療法を行った結果、検査値が上昇した
    2.学習者の認知症症状の改善、脳の活性化が僅かながら図れた
    3.支援者(スタッフ)のコミュニケーション能力の向上につながった
    4.今後継続して行うための基盤となった
    終わりに
     今回、4名の患者に学習療法を行ったところ、検査数値の上昇があり、4名の患者が楽しいと言われ表情や感情面、認知機能面に良い効果となった
    今回の学習療法に取り組むために、学習療法士の資格を取得して学習療法の実施に臨んだが、患者と関わる中で残存能力の発見やコミュニケーションの大切さを学ぶことができた。現在は個々の状況に応じた個別ケアが求められている。個別レクリエーションを提供するためにも、学習療法がケアを向上するためのツールとして導入して病棟全体の看護、介護の質の向上につなげていきたい。
  • 棚橋 ことゑ, 林田 亜紀子, 大洲 美穂子
    セッションID: 1J-A-19
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    持続的に下腿に浮腫がある患者があり、浮腫軽減のためベッドアップやクッションなどを用いて下肢拳上を行なっているが、ほとんど改善がみられない状況であった。そこで、看護ケアとして改善できる方法はないかと考えた。マッサージは筋肉の緊張緩和、体液の循環促進、心身のリラックスなどの効用があるといわれている。日常的なケアに加え、フットマッサージを取り入れることで下腿の浮腫軽減に効果があると考え、得られる結果を検討した。入院中の下腿浮腫がある患者4名に対し、佐治ひとみ氏によるフットマッサージを1週間に2回、計10回施行。実施前後に足背、腓腹筋の周囲を測定。下腿の状態、患者の表情観察をした。その結果フットマッサージを1回施行ごとの周囲値の減少があり、研究開始前後の周囲値にも減少があった。そのことにより今回のフットマッサージは浮腫軽減に効果はあったといえる。また、フットマッサージの刺激により無表情の患者の表情が穏やかになったことや「気持ちいい」との声が聞かれたことにより血液循環やリンパの流れが促進され、リラクゼーション効果があったと考える。しかし、浮腫がもどったり、前回より増強することがあり測定結果にばらつきがあった。手技の向上、方法の変更をし、施行することを検討することは今後の課題でもある。浮腫は一見同じように見えるが原因によって看護ケアの介入が困難な場合があり、全身をしっかりアセスメントし継続的にケアをしていく必要がある。
    <結論>
    1.腓腹筋を十分温めた後のマッサージは高齢者の下腿浮腫軽減、改善に効 果がある。
    2 フットマッサージの刺激にてリラクゼーション効果を得られた。
  • 足病変の実態調査と足アセスメントシートを作成して
    竹田 史子
    セッションID: 1J-A-20
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
    近年、透析室での予防的フットケアが大変注目されている。当院透析室でも足病変の早期発見や、生じる前の段階でケアを行っていきたいと思いこの研究に取り組んだ。
    【対象及び方法】
    当院透析患者39名(男性24名・女性15名) ターミナル期の患者、臨時の患者は除く。平均年齢67.9歳。平均透析歴6.7年。皮膚組織潅流圧(以後SPPという)の測定と、足アセスメントシート(図1)を用いた観察を行った。
    【結果】
    1.患者全体のSPP値の割合
     正常値の患者は全体の87%。残りの13%は異常値を示した。
    2.SPP値と透析歴には相関関係は認められなかった。
    3.SPP値と糖尿病の有無、SPP値と喫煙歴の有無の群間比較では、ともに有意差はなかった。
    4.足チェックにより得られた足病変の実態
    最も多かったのは爪肥厚であり、患者の48.7%。続いて爪白癬38.5%、胼胝30.8%、乾燥28.2%、白癬15.4%であった。問題のなかった患者は全体の12.8%で、残りの87.2%には何らかの足病変が認められた(図2)。
    【考察】
     今回の研究で比較した全ての結果において、有意差は無かったが、SPP値が正常範囲であっても、下肢の感覚異常がある患者がおよそ30%いたことを考慮すると、SPP値や症状の有無にかかわらず全患者に足チェックを行う必要がある。まずは患者自身が日常生活の中で傷を作らないようにすること、傷が出来た場合に早期に気がつくことが大切と考えるため、患者自身のフットケア自立に向けた指導や関わりが重要になる。今後さらに高齢化が進み、セルフケアが困難な患者が増えることが推測される。患者の訴えや検査データのみに頼るのではなく、定期的に看護師の目で見て、手で触って確認をすること、患者自身のフットケア自立に向けた指導や、患者と関わる周囲の人々全ての協力が得られるような働きかけが重要だと考える。
  • 長屋 孝則, 山田 樹里, 後藤 広子, 渡辺 久江
    セッションID: 1J-A-21
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/13
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに> A病院整形外科病棟(以下A病棟)では、術後患者に深部静脈血栓症予防を実施しているが、看護師の意識、知識に差があると考え、知識と看護ケアの向上を図るため勉強会を開催した。
    <方法> A病棟看護師21名に静脈血栓塞栓症の予防、看護について勉強会を実施。勉強会前、勉強会直後、勉強会2ヵ月後(以後2ヵ月後)に質問紙と知識調査を実施。知識調査の項目を出題別に分類、t検定を実施。質問紙は単純集計した。
    <結果> 知識調査の平均点は勉強会直後、2ヵ月後に上昇したが有意差はなかった。項目別では、勉強会前と勉強会直後に4項目の正解率が有意に上がり、勉強会直後と2ヵ月後では2項目の正解率が有意に低下した。質問紙の患者に適切な深部静脈血栓症の予防法を選択できると答えた看護師は少なかった。
    <考察> 勉強会を実施して平均点は一時的に上昇したが、2ヵ月後に2項目の正解率が有意に低下したため、知識の維持までに至らなかったと考える。患者に合った予防法を選択できると答えた看護師は少なく、A病棟に合ったリスク評価表を作成し、入院時から適切な予防を行なう必要がある。勉強会実施で予防法としての足関節運動の有効性は理解できたと考えるが、A病棟では高齢の認知症患者も多く、理解力が乏しいため足関節運動の指導が困難である。塚田らは「看護師は患者が理解し、患者自らが実施できるように指導していくことが大切である。そのためにも看護師自身が根拠を十分に理解していなければ有効な指導はできず、看護師へのよりいっそうの啓蒙活動が必要である」と述べているように、患者が理解して積極的な予防が出来るように説明・指導をする必要がある。
    <結論> 看護師が患者に適した深部静脈血栓症の予防法を選択するまでには至らなかった。また、患者に対して統一した予防が行なえるよう、A病棟にあったリスク評価表が必要である。
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