日本農芸化学会誌
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15 巻, 6 号
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  • 森 高次郎, 佐藤 万代門
    1939 年 15 巻 6 号 p. 515-520
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 附,ユスラ椰子果實の色素に就て
    山本 亮, 石井 稔, 伊藤 浩
    1939 年 15 巻 6 号 p. 521-525
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    以上行ひたる實驗によりPalm oil中には多量のCarotinの他少量のLycopin及Luteinの存在する事を確め得たり. Carotinのisomerに就ては種々のAl2O3製品及Fasertonerde等によるも分離する事能はざりしが,著者等の調製せるMgOによる吸着に依り完全にα及βに分離決定するを得, α-及β-Carotinの比は凡そ5:2なる事を確め得たり.特にLycopinの存在は著者等がPalm oil中に始めて發見せるものにして,而て其のOriginは果皮より來るものならんと推定す.又定量の結果によりPalm oilは植物性材料としてCarotinの含量相當高きものにして食用油としての利用價値大なるものなり.
    尚本實驗に附隨してユスラ椰子のCarotinoidの分離を試み,多量のLycopinと少量のCarotinを分離するを得たり.此のCarotinもα及βの混合物にしてβ-Carotinを主體とせるものなりと推定す.特にLycopinの含量大にして分離又容易なればLycopin研究の好試料なるべしと思考す.
    本研究を行ふに當りては明治製糖株式會社より研究費の補助を受けたり.此處に厚く感謝の意を表す.
  • 不鹸化物中の新Sterin及び新Sterinketonに就て
    三井 哲夫
    1939 年 15 巻 6 号 p. 526-530
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 蘇子油より高度不飽和高級アルコホルの生成に就て
    篠崎 侑一, 角 静夫
    1939 年 15 巻 6 号 p. 531-536
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 油脂類の高壓還元による不飽和高級アルコホルの生成觸媒として11種の金屬酸化物及び金屬粉末につき,その生成能の比較實驗を行ひたる結果亞鉛末が斷然優秀なることを認めたり.
    (2) 亞鉛末を觸媒とする蘇子油の高壓還元に於て,所謂高度不飽和の高級アルコホル生成に好適なる反應條件を吟味したるに,始壓125氣壓の高壓水素の下にては320°Cにて2時間反應せしむるを適當とす.
    (3) 亞鉛末による蘇子油の高壓還元生成物より不鹸化物を分離檢索し,多量のリノレィルアルコホルに相當する高度不飽和の高級アルコホル分の存在を證したり.
  • 助觸媒として低級アルコホル添加の影響に就て
    篠崎 侑一, 角 静夫
    1939 年 15 巻 6 号 p. 537-541
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) グリセライド及びその組成脂肪酸の低級アルコホルエステルの二,三につき亞鉛末觸媒による高壓還元を行ひ,不飽和高級アルコホル生成の状況を比較したるに,メチルエステルが斷然他のエステル及グリセライドに比し高き生成率を示す事を認めたり.
    (2) 大豆油につき亞鉛末を觸媒とし,高壓還元により不飽和高級アルコホルを生成せしむるに當り原料に一定量(原料に對して5%以上)のメタノールを故意に添加したるに,添加せざる場合に比し極めて著しく生成率を増進せしむる事を得たり.而して亞鉛末以外の觸媒を使用するときはメタノール添加により生成率を増進せしむる事を得ずして却つて反應を阻止する結果となりたり.
    (3) 亞鉛末を觸媒とする高壓還元による不飽和高級アルコホルの生成に於て添加低級アルコホル中生成率に増進の効果を與ふるものはメタノール及びエタノールに止まり他は總べて添加せざる場合より却つて生成率を低下せしめたり.
    (4) 8種の一般油脂類につきメタノール添加の下に亞鉛末觸媒により高壓還元を行ふに,何れもメタノールを添加せざる場合に比し,著しく反應を促進せしむることを得たり.即ち諸種の油脂類より80%(主として乾性油)乃至90%(半乾性油,不乾性油)の收得率を以つて不飽和高級アルコホルを製收し得たり.
  • 滿洲國興安嶺産ダフリカカラマツの化學成分並に蒸解試驗
    志方 益三, 山根 元雄, 金 判述
    1939 年 15 巻 6 号 p. 542-546
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • Aspergillus niger Radiumrasseの生酸變異に就て
    中澤 亮治, 霜 三雄
    1939 年 15 巻 6 号 p. 547-552
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 大島 幸吉, 板谷 眞一
    1939 年 15 巻 6 号 p. 553-562
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 朝井 勇宣, 菊池 進
    1939 年 15 巻 6 号 p. 563-574
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1) 菊芋蒸煮液の直接醗酵に對する種々なる窒素物の影響を調べた.其の結果ペプトンは醗酵率を向上する効果あることを知つたが,硫安,大豆粕,米糠,麸,魚粕,メンザイ等はその効果なくメンザイは寧ろ醗酵率を低下した.
    2) 硫安,アスパラギン,ペプトンの3種窒素形態に就いて種々なる量に加へて醗酵速度及醗酵率に及ぼす影響を調べた.其の結果何れも初期の醗酵速度を促進する傾向を見られだが醗酵率を明らかに向上したものはペプトン丈けであつた.ペプトン添加の最適量は窒素として醗酵原液の0.01-0.02%である.
    要するに菊芋蒸煮液中には酵母の繁殖及び醗酵に對して殆んど十分なる窒素の形態及び量を含むのであつて若し添加するとせばペプトン態窒素を適當とする.但し酵母としてSchizosaccharomyces Pombeを使用した場合なることを附記する.
    3) 菊芋蒸煮液の直接醗酵に對す燐酸鹽添加の影響を調べた.其の結果燐酸二加里を醗酵原液に對しP2O5として0.08%迄の添加は初期の醗酵速度を促進し,又醗酵率を稍々向上することが認められた.併しその効果は顯著ではない.
    4) 酵母の混合培養による菊芋蒸液の直接醗酵試驗を行つた.これによつて從來のSchizosaccharomyces Pombeの單用醗酵が常に最高の醗酵率を與ふるも湧付きが遲いといふ缺點を除去し得ることが知られた.即ちPombeに,湧付きの早い酒精酵母No. 35を混合使用し,No. 35やRasse XIIの湧付成績と略匹敵せしめ得,且つ醗酵率をもPombe單用より稍々増進せしむることを得た.菊芋の蒸煮液のやうに,多糖類と單糖類と共に含むものの醗酵に對しては多糖類醗酵性酵母と單糖類醗酵性酵母の夫々の優秀なる種類を混用すべきである.
    5) 滲出法による膠の調製は特に夫れが濃厚醪の調製を目的とする點に於て甚だ有利である.滲出法によつて菊芋炭水化物は損失なく(滲出率約97%)收得され,又窒素灰分等の成分も十分に滲出される.全糖含量20.13%の濃厚醪を調製し夫れを直接醗酵せしめ,醗酵時間88~96時間で酒精含量11.41容%の酒精醪を得,醗酵率88.6%の優秀なる成績を得た.
    終りに本研究に對し研究費を援助せられだる財團法人服部報公會に對して厚く感謝の意を表す.
  • 三須 英雄, 李 鳳煕
    1939 年 15 巻 6 号 p. 575-588
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 小原 哲二郎
    1939 年 15 巻 6 号 p. 589-601
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 小原 哲二郎
    1939 年 15 巻 6 号 p. 602-608
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • (第一報)新細菌Bacillus butanolo-acetoni Yukawa-Horieの分離及び該細菌に依るカツサバの醗酵
    湯川 又夫, 堀江 重美
    1939 年 15 巻 6 号 p. 609-623
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 大豆種皮の細胞膜質に就いて
    佐々木 周郁, 藤 正太郎
    1939 年 15 巻 6 号 p. 624-628
    発行日: 1939年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    大豆種皮の細胞膜を構成する物質の分離を試みた.その結果を要約すれば次の如し.
    1) 大豆種皮は大部分所謂細胞膜質よりなり,尚少量の含窒素化合物及び無機質物と,僅少の粗脂油を含む.
    2) 細胞膜質は,種皮の約50%の粗纖維,約18%のペクチン及び少量のヘミセルローズ類とよりなる.リグニンは存在せざるものの如し.
    3) 種皮のペクチンは,種實より分離したるペクチン樣物質と異り,他の果實又は根菜類より分離せられたる普通のペクチン類とその理化學的性質に於て大差なし.尚大豆種皮にかく多量のペクチンを含有する事は興味ある事と思はれる.
    4) 種皮に含まれるヘミセルローズ類はその量僅少にして,而も種々の形態のものを混ずるが如し.
    5) 種皮を冷4%苛性曹達にて浸出した殘渣は種實を同樣に處理して得たるものに比して, Poly〓ronideを含む事少し.
    本研究に當り終始御懇篤なる御指導を賜つた奧田,滿田兩先生に深謝す.
    尚本研究は帝國學士院よりの研究補助によりて行ひたるものの一部なる事を附記す.
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