日本農芸化学会誌
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16 巻, 8 号
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  • 北原 覺雄
    1940 年 16 巻 8 号 p. 697-714
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 實驗室にて調製せる穀類醪(時により結晶糖又は腸内容物を投入せるものあり)を適宜の温度に放置して得たる23株,甘酒よりたる3株,紅曲又は紅酒醪より得たる8株,一酒精工場の酸醪より得たる8株,及び一乳酸工場の醪より得たる2株,計44株の乳酸菌(内10株は球菌にして34株は桿菌なり)に就て其の性質を檢討せり.
    (2) 第一群Streptococcusとしては2株を得,これらは何れもEnterococcusに屬し1株はSc. faecalisに1株はSc. glycerinaceusに該當するを知のたり.
    (3) 第二群Pediococcusとしては6株を記載しこれらは2株のPc. hennebergiと4株のPc. lindneriに分け得られたり.
    (4) 第三群Leuconostocとしては2株を得これらは共にLeuc. mesenteroidesに屬し1株は明かなるα-typeなるも他の1株は寧ろβ-typeに近き事を知りたり.
    (5) 第四群True-Lactobacillus (catalaseを有せず, homo-fermentationを行ふ)としては8株得られこれはL. casei 1株, L. acidophilus 1株, L. plantarum 1株及びL. delbrückii 2株の他pentose中特にxyloseを選擇醗酵し常にd-乳酸を生産する短桿菌L. xylosus nov. sp. 3株に分ち得たり.
    (6)第五群Beta-Lactobacillus (catalaseを有せず, hetero-fermentationを行ふ)としては15株を得これらのraffinoseの醗酵性は形態,蔗糖粘化,マンニツト生産力及び温度關係と密接なる關係を有しこれとpentoseの醗酵性とを組合すことによりL. brevis α 1株, L. brevis β 3株, L. fermentum α 7株, L. fermentum β 3株及び特に醪と高温を好み醪中に速かに多量の乳酸を造り寒天培養基に聚落を作り難き特性を有する新菌種L. betadelbrückii nov. sp. 1株に分ちたり.
    (7) 第六群Wild-Lactobacillus (catalaseを有す)としてはOrla-JensenのMicrobacteriumに該當するものは得られざりしもL. thermophilus 6株の他硝酸還元力を有するL. ciliatus nov.sp.2株及び硝酸還元力を有し揮發酸を生産するL. caneus nov. sp. 3株,計11株を得たり.
    (8) 醪中に於ける菌種の分布に就て乳製品と比較考察しStreptococcusの分布少きも特にPediococcusが普通に見らるヽ點を指摘し桿菌としては. Beta-, Wild-,及True-Lactobacillusが比較的平等に存在するを指摘せり.
    (9) 前報に於て見たると同様に醪中の乳酸菌は乳製品中のそれに比しpentoseを醗酵するもの多くこれに反し牛乳を凝固するもの少なきを知り得られこれは培養條件による菌種の淘汰作用に關する前報の結論を肯定せるものと謂ふべし.
    稿を終るに臨み本研究も前報と並びて片桐教授等の乳酸醗酵に關する研究の準備として行ひたるものにして同教授には終始御懇篤なる御指導を賜りたり謹みて御禮申し上ぐ.尚實驗に助力せられたる青山房三君にも謝意を表す.
  • 三須 英雄
    1940 年 16 巻 8 号 p. 715-724
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    江原道に於ける水田及畑兩土壌の活性並置換性石灰及苦土に關する成績を要約すれば次の如くである.
    1. 水田作土の活性並置換性性石灰は埴土及結晶片岩土壤最も大にして埴壤土及花崗岩土壤最も小である.置換性苦土についても同様である. 2. 畑作土の活性並置換性石灰は埴土及朝鮮系土壤最も大にして砂土及第四系土壤最も小である.置換性苦土は埴土及朝鮮系土壤最も大にして砂壤土及第四系土壤最も小である.
    3. 活性石灰の分布状態をみるに水田作土は「活性石灰を含む」畑作土は「活性石灰に頗富む」と認められる.耕作地土壤は「活性石灰を含む」である.
    4. 本道に於ける活性並置換性石灰及苦土の平均値は右の如くである.
    咸鏡南道に於けろ水田及畑兩土壤の活性並置換性石灰及苦土に關する成績を要約すれば次の如くである.
    1. 水田作土の活性並置換性石灰は砂壤土及玄武岩土壤最も大にして埴壤土及佛國寺層土壤最も小である.置換性苦土は壤土及玄武岩土壤最も大にして砂壤土及佛國寺層土壤最も小である.
    2. 畑作土の活性並置換性石灰は壤土及玄武岩土壤最も大にして砂土及結晶片岩土壤最も小である.置換性苦土は壤土及佛國寺層土壤最も大にして砂土及結晶片岩土壤最も小である.
    3. 活性石灰の分布状態をみるに水田作土,畑作土,耕作地土壤共に「活性石灰を含む」程度である.本道には他道と異り「活性石灰に頗缺乏す」と認むべき土壤が存在する.
    4. 本道に於けるも活性並置換性石灰及苦土の干均値は右の如くである.
  • 竹下 正雄
    1940 年 16 巻 8 号 p. 725-730
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 大麻木質部纖維成分と生長時期及び性別との關係(附)大麻木質部のパルプとしての價値に就て
    木原 芳次郎, 中原 彦之丞, 小寺 五郎
    1940 年 16 巻 8 号 p. 731-738
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 玉露中のArgininに就て
    酒戸 彌二郎
    1940 年 16 巻 8 号 p. 739-740
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 神立 誠
    1940 年 16 巻 8 号 p. 741-750
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 櫻井 芳人, 稻垣 長典
    1940 年 16 巻 8 号 p. 751-754
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    著者等は曩に(1)p-Aminoacetophenoneを用ふるビタミンB1の比色定量法に就て報告した.同方法により生ずる呈色は遊離ビタミンB1に由來するものであり,結合せるビタミンB1は呈色しない.然も生物體殊に動物體には燐酸鹽の如き結合せるビタミンB1も存在し,同様の生理作用を有するのであるから,全ビタミンB1を測定するには豫め之を遊離状態になしたる後操作しなければならない.
    結合ビタミンB1殊に燐酸鹽より燐酸を離し遊離ビタミンとするには化學的操作では困難であり酵素による分解が行はれる(2).酵素としては腎臓より得たる酵素(3),タカヂアスターゼ(4)(5)或は酵母中の酵素(6)等が使用される.
    著者等は初め牛の腎臓よりフオスフアターゼを分離する方法に從ひ製したる2種の酵素製品に就て試驗したが結果不良であつたので,次に市販のタカヂアスターゼをそのまヽ用ひ好結果を得た.然しビタミンB1は生體内に於て蛋白質と結合して存する憂があるを以て蛋白分解酵素と並用した方がよいと思はれる.蛋白分解酵素としてはペプシンが用ひられてゐるが(5)ペプシンとタカヂアスターゼとは作用の最適pHを異にするため2段の操作を行はねばならぬ不利があり,且つペプシンだけ作用させた場合に測定せるB1値に疑義を生じたるを以て蛋白質分解酵素としてパパイン製品「スメレチン」を使用した.このものヽ作用pHはタカヂアスターゼと略々同一なので兩方を同時に並用することが出來て便である.然し乍ら生體中のビクミンB1測定に斯る蛋白質分解酵素の使用が必要なりや否やに就ては尚疑問あり,タカヂアスターゼの單用にても充分と考へられる場合が多い.尚之等酵素製品は同定量法で測定の結果ビタミンB1は殆ど全く含んでゐない.
    試料の浸出法に就ては著者等は多く30%アルコールを使用し鹽酸々性にして行つたが,鹽酸酸性の水にても可なる如く,又酵母,豚肉に就て實驗の結果は更に濃いアルコールにても同一のB1値を得た.又結合ビタミンB1も之にて充分浸出される.
  • 烝解法を異にせるパルプの灰分及び二三の性質に就て
    土屋 穰, 今井 昌男
    1940 年 16 巻 8 号 p. 755-760
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • Asp. niger Radiumrasse IIIの枸櫞酸醗酵條件
    霜 三雄
    1940 年 16 巻 8 号 p. 761-771
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 青葉アルコールのtrans-cis問題
    武居 三吉, 大野 稔, 篠崎 一義
    1940 年 16 巻 8 号 p. 772-780
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 中沸點部中性物質に就て
    山本 亮, 伊東 謙, 陳 發清
    1940 年 16 巻 8 号 p. 781-790
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 含硫黄化合物に就て
    山本 亮, 陳 發清, 伊藤 謙
    1940 年 16 巻 8 号 p. 791-799
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 含窒素中性物質に就て
    山本 亮, 伊東 謙, 陳 發清
    1940 年 16 巻 8 号 p. 800-802
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 1940 年 16 巻 8 号 p. A137-A143
    発行日: 1940年
    公開日: 2008/11/21
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