日本農芸化学会誌
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30 巻, 4 号
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  • 前川 一之, 田代 豊雄
    1956 年 30 巻 4 号 p. 183-187
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1) As trypsin was oxidized by sodium meta-periodate, the enzymatic activity diminished during the process of the reaction. After oxidizing for 2 hrs. at 5°, the oxidized trypsin which kept 91% of the original activity was obtained in crystalline form.
    2) The optimum pH for proteolytic activities of trypsin and pepsin shifted toward neutral after periodate oxidation.
    3) The optimum pH for proteolytic activities of trypsin and pepsin shifted toward neutral after periodate oxidation.
    3) Trypsin which was after oxidized for 45 hours consumed 42 moles of periodate per mole of enzyme and the activity diminished to 40% using hemoglobin and casein as substrates. As compared with pepsin, trypsin consumed slowly but more oxidants per mole of enzyme, but the decrease in tryptic activity was far less.
    4) In case of gelatin liquefaction it was found that diminution of tryptic and peptic activity was markedly different from the above-mentioned facts, i. e. pepsin retained 51% of gelatin liquefying activity after oxidation for 45 hrs, whereas trypsin retained only 5% after same period.
    Considering together the above-mentioned fact and the tendency of consuming NaIO4, it is deduced that trypsin possesses more groups which are slowly oxidized than pepsin and that these groups may contribute to the gelation liquefaction.
  • (第1報)干柿の白粉について
    麻生 清, 渡辺 敏幸, 大久保 増太郎, 山崎 哲雄
    1956 年 30 巻 4 号 p. 187-191
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    宮城県及び福島県産蜂屋渋柿を用いての定量分析並びにPPCによる実験の結果は次の如くであつた.
    1. 干柿の白粉の主成分はブドウ糖と果糖からなる糖分であつて,そのうち前者が約90%を占め,マンニットの存在を認め得なかつた.
    2. 干柿の果肉も主成分はブドウ糖と果糖であつて,その両糖の量的割合は大約60:40位で,生柿の時よりも果糖の含有割合が増加し,ブドウ糖量が減少している結果を示した.
    3. 生柿のPPCでは糖としてブドウ糖,果糖,蔗糖及びketoseを含むoligosaccharideを,有機酸としてリンゴ酸を見つけ,それが干柿のPPCでは蔗糖及びoligosaccharideが見つけられなかつた.
  • (第2報)果糖含有物の全糖定量法について
    麻生 清, 渡辺 敏幸
    1956 年 30 巻 4 号 p. 191-195
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    果糖は0.1% HCl 30分間水浴上加熱という総転化糖定量の条件では殆んど変化しないが, 2.5% HCl 2.5時間加熱という全糖定量の条件では果糖の約83%が分解し,その中かなりの量がhydroxymethyl furfuralに迄分解していて,それがアルドース値として低くあらわれる為果糖含有物質の糖分定量分析に於て全糖値が総転化糖値や直糖値よりも少い値を与えたり,又HCl溶液中加熱後WILLSTÄTTER-SCHUDEL法によるブドウ糖(アルドース)と果糖(ケトース)の分離定量を行う場合に誤差を生じたりする原因となるので注意を要する.しかしブドウ糖,キシロース,アラビノースではそのような加熱条件では殆んど変化しない.
    なお果糖は2.5% HCl水浴上30分間加熱で大体18%位分解され, 0.5% HCl 2.5時間加熱で約15%分解される. H2SO4はHClより分解力弱く,分解度はHClの40%以下である.
    終りにhydroxymethyl furfuralを合成して貰つた当研究室の杉沢 博氏並びにPPC用ピリジンをお世話頂いた富士製鉄KK釜石製鉄所に深謝する.
  • (第3報) Asp. oryzaeの表面培養経過について
    飴山 実
    1956 年 30 巻 4 号 p. 196-198
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Asp. oryzaeの表面培養によるglucoseからのkojic acid生成状況を観察し,一次培養と, glucose単用培養基による二次培養を比較した.二次培養によるkojic acidの生成は,一次培養に比して迅速且つ多量であり,最大蓄積量に達する培養日数も半減する.培養pHは, pH 2~6でこれまでの文献と異り酸性よりもむしろ中性に近いほど培養液中におけるkojic acidの最大蓄積は早く且つ大であつた.培養後期では,これまでの文献と一致した. phosphateの影響は認められなかつた.
  • (第4報) Asp. oryzaeの表面培養と振盪培養による培養経過の比較
    飴山 実
    1956 年 30 巻 4 号 p. 199-201
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    使用したAsp.の全生長量乾重(g/l)/初ブドウ糖濃度(g/l)は0.224で,これは表面培養でも振盪培養でも等しく,菌体はこれ以上に生育しない.
    振盪培養では,糖が60%消費されたとき菌体の生育は極限に達し(培養3日目), kojic acidの蓄積は10日目に極大になる.その蓄積量は表面培養の蓄積極大の2倍であつた.
    表面培養では,菌体の生育速度は遅く,生育がmax.になつたときには既に糖は完全に消費されている(32日目). kojic acidの蓄積は24日目に極大になるが,その量は少ない.即ち,O2供給量を高めることで,培養基中の糖のkojic acidへの転化を著しく有効にすることがでぎる.そしてこのことについて考察を加えた.
  • (第5報) Asp. oryzeaの振盪法による二次培養について
    飴山 実
    1956 年 30 巻 4 号 p. 201-203
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Asp. oryzaeのglucose単用培地による振盪培養について実験をおこない,合成培地による一次培養との比較もおこなつた. kojic acidの生成は,表面培養におけると同様,むしろそれ以上の割合で,一次培養より二次培養の方が沢山生成される.
    前培養の日数を変えて,それが二次培養経過にどのように影響するかをしらべたところ, Fig. 3が示すように,前培養日数が長いほど,二次培養では糖の消費は減退するが,消費糖に対するkojic acidの生成量の比率は,前培養日数とは無関係に一定の値を示した.このことに関し, glucoseがkojic acidに転化される細胞内生理について考察を加えた.
  • (第5報)キンモクセイ雄花瓣の炭水化物 (1)
    水野 卓, 金兵 忠雄
    1956 年 30 巻 4 号 p. 203-206
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    キンモクセイ雄花瓣の炭水化物の種類を検索同定し,次の結果を得た(Table 2参照).
    1. 遊離糖類としてはフラクトース,グルコース,シュクロース,マルトース,ラフィノース(?)及びスタキオースを検出し,それらの量的分布状況を明らかにした(Table 4参照).
    2. 配糖体構成糖類としてはグルコース,ガラクトース,キシロース,フラクトース,ガラクチュロン酸,マンノ一ス及びマンヌュロン酸(?)を検出した.
    3. 熱50%エタノール可溶性多糖類の構成糖としてはアラビノース,ガラクトース,ガラクチュロン酸,ラムノース,リボース及びデソキシリボースが検出される.
    4. 冷水可溶性多糖類の構成糖にはガラクトース,ガラクチュロン酸,キシロース,アラビノース,リボース及びデソキシリボースが検出され,熱水可溶区分に於いてもその種類は殆ど同じである.
    5. 熱0.5%蓚安可溶性多糖類の構成糖としてはガラクチュロン酸,ガラクトース及びアラビノースが検出される.
    6. ヘミセルロース構成糖としてキシロース,アラビノース,グルコース,ガラクトース,ラムノース及びデソキシリボースが見出される.
    7. セルロース及び少量のリグニンも存在する.
  • (第6報)紅椿花瓣の炭水化物 (1)
    水野 卓, 金兵 忠雄
    1956 年 30 巻 4 号 p. 206-209
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The carbohydrates in the petals of Camellia japonica L., camellia, were studied (see Table 2). The following results were obtained.
    Glucose, fructose, sucrose, maltose, and two unknown spots were detected as the free sugars.
    Galactose, glucose, rhamnose, arabinose, ribose, fructose, mannose, galacturonic acid (?) and mannuronic acid (?) were detected as the components of glycosides.
    Glucose, galactose, arabinose, fructose and galacturonic acid were found to be the component sugars of hot ethanol-soluble polysaccharides.
    Arabinose, galacturonic acid, glucose and galactose as the components of the cold water-soluble polysaccharides, and more, arabinose, ribose, glucose and galacturonic acid were found as those of hot water-soluble polysaccharides, respectively.
    Arabinose galactose and galacturonic acid were those of the protopectin fraction (hot 0.5% ammonium oxalate aq.-soluble polysaccharides).
    Xylose, rhamnose, arabinose, ribose, mannose, galactose, galacturonic acid, glucuronic acid, glucose and desoxyribose were the components of hemicellulose.
    α-Cellulose and a small amount of lignin were found as usual.
  • 牛乳凝固酵素に関する研究V
    佐々木 林治郎, 津郷 友吉, 山内 邦男
    1956 年 30 巻 4 号 p. 209-213
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    脱脂乳から酸及び各種凝乳酵素(レンネット,ペプシン,パパイン及びフイシン)によつて凝固分離したカードを同一条件下で電気泳動的に比較した(pH 7.6, μ=0.09燐酸緩衝液, NaClを0.08N含有).これらの酵素をNa caseinate溶液に作用させた場合も同様に比較した.結果は次の通りである.
    1) 脱脂乳カード及びNa caseinate溶液における場合も共にレンネットとペプシンの作用は相似していた.両者においてα-カゼインの部位が特に不均一になる.
    2) パパイン及びフィシンで凝固した脱脂乳カードはレンネット及びペプシンのそれとかなり異る.その電気泳動図からみて,より以上の分解が進行するのではないかと思われる.
    3) Na caseinate溶液に牛乳を凝固ぜしめる程度の量のパパイン及びフィシンを加えると瞬時に凝固沈澱が生成する.レンネット及びペプシンではこのようなことは全く認められない.パパイン及びフィシンが牛乳中におけるよりもNa caseinate溶液においてより速かにカゼインを分解することが電気泳動的観察からも認められる.
    4) 酸性脱脂乳(pH 5.1)から凝固分離したカードの電気泳動図は酸カゼインのそれと殆んど変らないが, pH 6.6又は5.5の脱脂乳から凝固分離したものとは相異した.このことはカードの性質がそれを調製する牛乳の酸度によつて変化することを示すものと思われる.
    5) レンネット及びペプシン・ホエーはβ-ラクトグロブリンの峰において酸ホエーと若干相異していた.即ちこれらの酵素で分離したホエーはβ-ラクトグロブリンが2つの峰に分離した.パパイン及びフィシン・ホエーでは酸ホエーと同様このような分離は認められなかつた.
  • (第2報)トランスアミネーションとアミド生成反応について
    大宝 明, 白川 正治
    1956 年 30 巻 4 号 p. 213-218
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1) 暗所発芽のtransaminaseは子葉部よりも胚部に於て活性度が高く,発芽時のアミド蓄積と平行している.又, Asp-α-KGA系のtransaminaseよりも逆反応のGlu-OAA系のtransaminationが活性であり, Asp-PA transaminaseは比較的弱い.
    2) 胚培養に於ては,アラニン及びグルタミン酸塩を供給した場合にやや高いtransaminationを与えるが,アミドの蓄積と共にかなりのアンモニアの増加を伴う.
    3) 胚培養に於てグルタミン酸塩と共に供給されたピリドキシン外二三の物質は,アミドの蓄積及びtransaminationに著しい影響は与えなかつた.
    4) 発芽種子のアスバラギナーゼは極めて弱く,又アスパルターゼは認められなかつたので,アミドの分解によつて生ずるアンモニアは問題にならない.
    5) 砂耕培養に於て供給された窒素源は胚培養時の如きアンモニアの増加を斎らさず, transamination及びアミドの変化は寧ろ子葉の貯蔵窒素化合物により影響を受けるように思われる.
    6) アンモニアの増加と平行的に,強い脱アミノ反応が起ることを直接証明することは出来なかつたが,胚を切り取ることによつてアンモニア態窒素のアミド態窒素への変化を阻害されているようである.
  • (第1報)乳酸菌の1株No. 353の栄養について(その1)
    児玉 礼次郎
    1956 年 30 巻 4 号 p. 219-224
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1. 自然界から改変THOMPSON合成培地に生育し得ない乳酸菌1株を分離した.この菌株はTJに含まれる少くとも2物質をその生育に要求する.これら2物質の1つは非吸着性であり,他は吸着性であつて,それぞれをFactor A, Factor Bと仮称した.
    2. Factor Bを結晶状に抽出し得,かつその本体がniacinamideに一致することを確認した.
    3. Strain No. 353は供試niacin群化合物のうちniacinamideだけを特異的に利用し,また本菌にたいしてはniacinamideとCo. Iとは分子量的に等量の活性を示すことを認めた.
  • (第2報)乳酸菌の1株No. 353の栄養について(その2)
    児玉 礼次郎
    1956 年 30 巻 4 号 p. 224-228
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1種の乳酸菌Strain No. 353がその生育に必須的に要求する栄養素の1つFactor Aの本体を追求し,これがフラクトースであると判定した.
  • N. A. KRASSILNIKOV
    1956 年 30 巻 4 号 p. A43-A48
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 明治
    1956 年 30 巻 4 号 p. A49-A52
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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