日本農芸化学会誌
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37 巻, 12 号
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  • 穀類の微生物に関する研究 第6報
    飯塚 廣, 駒形 和男, 内野 忠治
    1963 年 37 巻 12 号 p. 701-705
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 日本・タイ・ビルマ・中国大陸などで著者らが採集した籾・玄米・白米・その他の試料より次の細菌を分離・同定した.
    Aerobacter cloacae (Jordan) Bergey et al. 7株
    Aerobacter cloacae var. rugosum nov. var. 1株
    Bacillus megaterium De Bary 4株
    Bacillus cereus Frankland and Frankland 2株
    Bacillus subtilis Cohn emend. Prazmowski 2株
    Bacillus pumilus Gotteil 1株
    Bacillus sphericus Neide 1株
    Micrococcus luteus (Schroeter) Cohn 1株
    (2) これらは前報までに述べた正常な籾や玄米の主要細菌である著者らのChromogenic group及びFluorescent groupのPseudomonasとは異なり,二次的に汚染した細菌であろうと推定した.これらのことから米穀検定における微生物検査への考慮について述べた.
  • Pullularia pullulansの液内培養によるアミラーぜの生産
    山田 覃洋
    1963 年 37 巻 12 号 p. 706-711
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Pullularia pullulans No. 97株アミラーゼを製造する目的で,まずその液体培地の組成を検討した.その結果炭素源としてはマルトーズ,グルコーズ,可溶性澱粉などの糖類が,また窒素源としてはコーン・スチープ・リカー,硝酸アンモニウム,ペプトン,米ぬか,酵母菌体,大豆粉などが有効であり,特に炭素源としてはマルトーズと澱粉質が,窒素源としては大豆粉と酵母菌体とがすぐれていた,これらの知見にもとづき炭素源として可溶性澱粉,窒素源としてクエン酸アンモニウム,または大豆粉と乾燥酵母とを用いる培地組成を用いてタンク培養を行ない,糊精化力400DU/ml前後,糖化力40GU/ml前後の培養液を得ることができた.
  • Pullularia pullulansアミラーゼの分離精製と性質
    山田 覃洋
    1963 年 37 巻 12 号 p. 712-717
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Pullularia pullutans (No. 97株)の生産する糊精化ならびに糖化アミラーゼをその培養濾液から精製し,つぎの性質を明らかにした.
    糖化アミラーゼ標品は超遠心的に単一の蛋白質から成り,その沈降定数はS20w=1.36S,等電点はほぼpH 5.8である.
    両アミラーゼは濾紙電気泳動においてAspergillus issamiiあるいはA. oryzaeのアミラーゼとは異なる挙動を示した.
    P. pullulans糊精化ならびに糖化アミラーゼは作用最適pHがそれぞれ4.2~4.4ならびに4.6~4.8,最適温度はそれぞれ45°ならびに54°付近,安定pH域はともに3.5~5.0,安定温度は40°以下であった.両酵素ともエチレンジアミン四酢酸によって失活を受けない.
  • 食餌中の脂肪並びにメチオニン含量と成長肝臓成分との関係
    中村 延生蔵, 山田 幸二, 高橋 効
    1963 年 37 巻 12 号 p. 718-720
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    5.9%カゼインを蛋白源として食餌中の脂肪を2%と15%とし,これにメチオニンを0, 0.05, 0.15, 0.25gと添加量をかえて,その時の白ねずみの成長を中心として肝臓成分,血清成分について測定し,その影響を検討した.食餌中の脂肪2%の場合も脂肪15%の場合も,食餌中のメチオニンの添加量は0.25gで最高の体重増加を示した.しかし,メチオニンの添加量が0.15g以上では両群ともに肝臓の脂肪の蓄積が顕著に認められ,カゼインの低蛋白食における白鼠の成長並びに肝臓成分への影響は肪脂含量の高低によるよりも,メチオニンの添加量によることの大きいことが認められた.
  • フィチン酸並びにそれに関連する蛋白質の変性
    斎尾 恭子, 久保 彰治
    1963 年 37 巻 12 号 p. 721-724
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    長い貯蔵期間を経過した玄米,および取獲されてまもない玄米とを材料とし,その中に含まれるイノシトールリン酸化合物を分離定量した結果,本標品については,貯蔵によりIP6の一部が分解してIP5, IP4などに変化していることをみとめた.また当標品のグルテリンを精製し,その酸,アルカリの滴定によるpH値変化, およびIP6, IP5, IP4との複合体中の窒素とリン酸の定量,紫外部吸収曲線の比較を行ない,貯蔵によりグルテリン中の酸,アルカリ性の反応基および240mμのアルカリ性における吸収が増大することをみとめ,フィチン酸による沈澱生成物中のリン酸含量は古米の方が多かった.これらの性質の変化とグルテリンの貯蔵中の変性および玄米抽出液の白濁度が貯蔵中に変ることとの関連について考察した.
  • 大桃 洋一郎, 津郷 友吉
    1963 年 37 巻 12 号 p. 725-728
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Sr90およびCs137の牛乳中における分布を明らかにし,牛乳を乳製品に加工した場合に,どの部分に移行するかを知る目的で,トレーサーとして牛乳にSr89およびCs134を添加し,バターおよびチーズを製造して実験を行なった.その結果,バターに移行するSr89およびCs134は非常に少なく,またバター中に移行したSr89およびCs134はすべてバター中の水の相に存在し,脂肪球の皮膜には吸着されていないことが明らかにされた.
    ゴーダ型チーズにおいては,全乳中のSr89の約45%が生チーズに移行し,カテージチーズにおいては脱脂乳のわずか1.9%が移行するに過ぎないことが確められた.このSr89の移行は,カード形成におけるCaの行動とよく一致することが認められ,牛乳に添加したSr89の32~39%はカゼインに結合した状態で存在することが明らかにされた.
    一方, Cs134は,ゴーダ型チーズにおいてもカテージチーズにおいても,全乳または脱脂乳から生チーズへ移行する量が非常に少ないことが認められた.またその移行する割合が同程度であることおよび生チーズをすりつぶして水洗することによって,生チーズ中のCs134のほとんどを除去しうることから,牛乳中のCs134のすべては,ホエー中に存在するものと考えられる.
  • 赤色蛋白質の分離ならびにその性状について
    前野 正久, 清沢 功
    1963 年 37 巻 12 号 p. 729-734
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    人乳の乳清から硫酸アンモニウムによりアルブミン画分を分別し, DEAEセルロースカラムクロマトグラフィーによって赤色蛋白質を分離した.
    赤色蛋白質は電気泳動図および沈降図ともに均一であり, pHによる図の変化は認められなかった.電気泳動易動度は-0.66×10-5cm2・volt-1・sec.-1 (pH 8.5)であり,等電点はpH 6.1であった.ヘキソース2.50%.ヘキソサミン1.52%およびシアル酸0.76%を含有し, TCA可溶性窒素9.3%が存在した. 460mμの吸光値はpH 2では0.092, pH 10では0.410であり,酵素作用によってもTCA可溶性窒素の遊離に伴って減少した.
  • 林屋 慶三, 内藤 謙一, 西田 順, 浜村 保次
    1963 年 37 巻 12 号 p. 735-737
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    家蚕を桑粉またはその抽出物を全く含まない人工飼料で,蟻蚕より営繭,産卵までの全令飼育をおこなった. 5令起蚕までの減蚕は5%, 5令起蚕に死亡蚕があり,約60%が上簇し,営繭を全うしたものは約50%であった.
    前報の飼育成績に比べて向上した点は,特にアセチルコリンおよび王乳の添加により,飼料を強化したためと考えられる.コリンおよびアセチルコリンが脱皮促進効果を有すること,および王乳はコリン類以外に栄養価にとむ物質が含まれることを指摘した.
  • ピンク系着色原因の究明(その2) と着色色素について
    菅野 能範, 若沢 正
    1963 年 37 巻 12 号 p. 738-742
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    SMあるいはSBAの塩酸加熱処理液の着色において,窒素化合物による促進現象および着色反応の進行に伴う反応液のpHの低下,紫外部吸収の発現,カラメル臭の発生等が認められた.また着色時におけるガスの影響として窒素ガスが着色を濃厚化せしめたのに対して酸素は抑制的に作用した. SMの分解物であるマルトール, STDは着色を促進せしめなかった、なおSMおよびSBAの塩酸加熱処理液にもとづく着色色素はともに4種の色素の混合系であり,全く同じものであることを認めた.かつ塩酸加熱処理時の条件の相違により構成色素の成分数が異るものであった.
    上記結果よりSM分子中のSB部分がSM着色の前駆物質であり,かつその着色反応が一種のアミノ・カルボニル反応であろうと考えた.
  • StreptobiosamineおよびStreptidineのペーパークロマトグラフィーについて
    菅野 能範, 若沢 正
    1963 年 37 巻 12 号 p. 743-746
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Methyl streptobiosaminide dimethyl acetal (SBA), Crude streptobiosamine (crude SB), Streptidine (STD)等のPPCによる分離について検討を行った.
    (2) 展開剤としては, n-ブタノール:ピリジン:水(4:8:3),フーゼル油(b. p. 90~100°):ピリジン:水(1:1:1)が良好であった.酸性展開剤の場合はSBAのtailingが認められる.
    (3) 呈色試薬としてはアルカリ性硝酸銀が好適である.
    (4) SM精製工程中の試料についてSTDの消長を追究することは可能である. SBに関しては試料をそのままスポットし展開した場合,明瞭なスポットとして検出し得ないので,前処理によりSM, STD等を除去しておく必要がある.
    (5) SM複塩およびSM複塩結晶分離廃液中にSTDの存在が認められた.またSM複塩結晶分離廃液中にSTD以外の未知の物質の存在を認めた.
    (6) SM硫酸塩製品中には分解物は認められなかった.
  • Aspergillus nigerの結晶トランスグルコシダーゼの作用機作について
    辻阪 好夫, 福本 寿一郎
    1963 年 37 巻 12 号 p. 747-752
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Asp. nigerのトランスグルコシダーゼをマルトース分解作用の見地から検討し,同時に糸状菌の糖化型アミラーゼのマルトース加水分解作用と比較した.
    トランスグルコシダーゼは基質の濃度によって作用の形式を異にし,低濃度の基質に対してはほとんど加水分解作用のみを行い,濃度の増加とともに転移作用による生成物を生じる.また基質の濃度が等しければ,酵素量のいかんを問わず最終的には同じ分解値に達し,転移生成物の量も等しい.これらの事実はこの酵素の分解と転移の両作用の間には基質の濃度によって一定の平衡関係が存するためと推論される.
    これに対し,糖化型アミラーゼは,マルトースに対しいかなる濃度において作用しても,加水分解のみを行い常に100%近い分解値を示す.
    トランスグルコシダーゼのこのような性質は,この酵素を含む糸状菌の澱粉分解系の最終糖化率に大きな影響を与えることはα,糖化型両アミラーゼとトランスグルコシダーゼの混合系における実験からも明らかになったが,特に高濃度の澱粉の存在のもとで行われるアルコール醗酵の前段の糖化工程や,ブドウ糖製造工業における使用酵素の是非を決定する上で重大な因子となるものと推察される.次にトランスグルコシターゼの示す転移作用の機作について,生成物の組成を検討した結果から若干の考察をのべる.すでにPazur(6)Asp. oryzaeのトランスグルコシダーゼのマルトースに対する作用機作について,この酵素がα-1, 4 glucoside結合のα-1, 6 glucoside結合への転移を触媒するものとみなし,次表のごときschemaを提出している.すなわち第1段階においてマルトースと酵素はグルコースとグルコース-酵素複合体(G・E)にわかれ,第2段階においてG・Eから受容体となる糖の非還元性末端のグルコース残基の6位にダルコースが移るものと推論している.
    著者らのマルトースを基質とした実験においても,反応の初期には多量のパノースが蓄積し,反応が進むとともにイソマルトースの増加が見られるという事実は, Pazurのschemaの第1段階によって生じたG・Eが,はじめ多量に存在しているマルトースを主な受容体としてパノースを生成し,爾後,反応液中のグルコースの濃度が高まるとともに,これが受容体となってイソマルトースを生じる故であると考えられ, Pazurの推論はある程度首肯できるものと考える.しかL,著者らの実験では,反応の後期に至っても, Pazurらがその存在を特に指摘している4-isomaltotriosyl-glucoseの存在はほとんど認められず,むしろ僅少といわれているイソマルトトリオースの生成量が高い.このことはパノースを出発物質とした場合に反応の初期から多量のイソマルトースが生じる事実とともに,パノースに対するこの酵素の作用が,パノースを受容体として4-isomaltotriosyl-glucoseを生じるのみならず,何らかの態でパノースの分解をも行っていることを示唆するものと考えられる.
    なお,中村,菅原らによって得られた麹菌の結晶マルターゼ(13)も,マルトースからの生成物の種類はこの酵素によって得られるものとほぼ等しく,マルトースに対しては同様の作用機作をなすものと考えられる.
    またいずれの糖を基質とした場合にも,比較的少量ではあるが,ニゲロース等の糖の生成がみとめられる事実は,この酵素がα-1, 4結合からα-1, 6結合への転移のみならず, α-1, 2, α-1, 3結合の生成をも触媒するものと解せられる.
    次にこの酵素のマルトペンタオースに対する作用力はマルトトリオース等の三糖類に比して著しく劣り,さらに平均重合度6.5のα-β-リミットデキストリン,及びそれ以上の高分子の基質には全く作用しないことから,この酵素の作用し得る基質の大きさの限度がグルコース重合度で5~7の間にあるものと推察される.また,生成した糖の側から考察すると,いずれの基質からも三糖類以上の糖の生成は僅少であり,ぺーパークロマトグラムからの判断では,重合度5ないし6以上の糖の生成は皆無とみなされる.これはまた合成される糖の大きさについても分解と同様の限度が存するものと推論され,酵素と基質との親和性の限界を示す一事実と考えられる.
  • 米粒各部のアミノ酸含量
    田村 真八郎, 劔持 久仁子
    1963 年 37 巻 12 号 p. 753-756
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    米粒各部分すなわち白米,ヌカ層,胚芽の総アミノ酸分布をみると(第3表),だいたい各アミノ醗の60~80%が白米部分に含まれており(チロシン,シスチン,プロリンは回収率が100%近くにならないので考察から除いた),ヌカ層には15~22%,胚芽には3~15%の各アミノ酸が分布している.
    第5表に玄米,白米,ヌカ層,胚芽の総アミノ酸含量を16g窒素中の各アミノ酸g数に換算し,文献値とともに示した.
    玄米の場合は著者らの結果は,平(6)の文献値よりも,リジン,スレオニン,プロリン,アラニン,バリン,イソロイシンでは低く,セリン,シスチン,フェニルアラニンでは高い測定値を示した.この原因は試料として用いた玄米の違いによるものか,アミノ酸定量法(カラムクロマト法と微生物定量法)の違いによるものかは明らかでない.
    白米については著者らの測定値は木村(7),属(8)の報告よりも全般的に低い測定値を示した.これは著者らが白米よりタンパク質を抽出することなく塩酸加水分解したのに対し,文献値はタンパク質を分離してから加水分解しているための差であると考えられる.このことは著者らが第2報で報告したように,デンプン混合試料を加水分解してアミノ酸測定をする場合,測定値の低下のいちじるしいチロシン,アルギニンが文献値との差が大きいことからもうかがわれる.白米粉末をそのまま加水分解する方法と,白米粉末からタンパク質を分離して加水分解する方法のいずれがよいかは充分検討されていないが,前の方法ではアミノ酸がかなり破壊され回収率が悪くなることは明らかであり,また後の方法では白米のタンパク質を全部とりきることは困難なので,分離したタンパク質が白米の全タンパク質を代表できるかどうかに問題が残り,この両法で得られた測定値を慎重に検討して白米中の総アミノ酸含量を推定するのが妥当と思われる.
    ヌカ層,胚芽のアミノ酸含量に関しては,今後さらに測定値が発表されるのを待って検討するのがよいと考えられる.
    米の遊離アミノ酸に関しては松下(10)が,またヌカについては西原ら(9)が報告しているが,著者らの測定はまだ予備的なものなので,今後さらに研究を続けた上で検討したいと考える.
    玄米を90%にとう精し,白米,ヌカ層,胚芽に分け,おのおののアミノ酸含量を測定し各アミノ酸の分布率および回収率を計算した.
  • 新村 正純, 伊藤 智夫
    1963 年 37 巻 12 号 p. 757-760
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    人工飼料(厳密にはsemi-defined diet)を用いて家蚕に対する無機物の栄養効果を調べた.あらかじめ添加無機物を含まないsemi-defined dietを用いれば,家蚕幼虫は成長も発育もせずにほとんど死亡した. Wesson無機塩混合物,桑葉粉末灰化物,脱脂大豆粉末灰化物,脱脂大豆水溶性区分灰化物の添加は飼料効果を著増し,その至適添加量の下では成長,発育が良好であった.中でも桑葉粉末灰化物が若干他よりすぐれた効果を示した.なお供試無機物はいずれも家蚕の摂食を促進することはなく,したがって今回認められた無機物添加の効果は完全に栄養的なものであると結論される.
  • 春日井 愛子
    1963 年 37 巻 12 号 p. 761-765
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) “リョクトウ”もやしのα-アミラーゼの生成には必ずしも幼根の生長を必要としない.しかし必ず種子を発芽段階におかねばならない.
    (2) α-アミラーゼの生成増加は水溶性の有機リン化合物と消長を同じくするホスホリラーゼカとほぼ反比例的である.
    (3) 種子発芽中においてはα-アミラーゼの生成は種子中のデンプン様多糖類の消失を伴うので,その間に密接な関係があると考えられる.
  • 窒素気流中におけるニコチンの熱分解
    小橋 友助, 宝積 寿子, 渡辺 美穂子
    1963 年 37 巻 12 号 p. 766-768
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    不活性ガス内でのニコチンの熱に対する挙動について考察した.
    (1) ニコチンを空気気流中で熱分解した場合には300~350°で分解するのに対して,窒素気流中で熱分解した場合には650~700°にならないと分解しない.
    (2) 分解生成物としては空気気流中で分解したときと同様に,主成分としてミオスミン, 3-ビニルピリジンおよび3-シアンピリジンが得られ,そのほかに少量のピリジン, 3-ピコリン, 3-エチルピリジン,ピロール,キノリン,イソキノリン,ノルニコチンおよび2, 2'-ジピリジルを見出した.
    (3) ニコチンのN-メチルピロリジン環は不活性ガス内では酸素が存在する揚合よりも熱に対して安定であるが,分解過程は酸素の有無に関係なく同一であり,ニコチンは加熱によりまずミオスミンを生成し,このものはさらに3-ビニルピリジンと3-シアンピリジンに分解するものと考えられる.
  • 1963 年 37 巻 12 号 p. e5a
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 37 巻 12 号 p. e5b
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 37 巻 12 号 p. e5c
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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