日本農芸化学会誌
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37 巻, 2 号
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  • 穀類の微生物に関する研究 第3報
    飯塚 廣, 駒形 和男
    1963 年 37 巻 2 号 p. 71-76
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 著者らが日本・タイ・ビルマ・中国等の諸地域で採集した正常な籾及び玄米のbacterial floraの主要細菌であり,前報までにYellow Pseudomonasと仮称していた一群の菌株の分類学的研究を行い,これらは著者らがPseudomonas属の分類上提唱した3大群のうちのChromogenic groupに合致することを認めた.これらには植物病源性は認められない.
    (2) 菌株同定の結果は次のごとくであり,2新種を提唱する.
    Pseudomonas cerealis nov. sp. 4株
    Pseudomonas melanogenum nov. sp. 4株
    Pseudomonas perlurida Kellerman et al. 7株
    Pseudomonas trifolii Huss 3株
    Pseudomonas lacunogenes Goresline 14株
    Pseudomonas ochracea (Zimmermann) Chester 2株
  • 穀類の微生物に関する研究 第4報
    飯塚 廣, 駒形 和男
    1963 年 37 巻 2 号 p. 77-80
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    日本・タイ・ビルマ・中国等の諸地域で採集した正常な籾及び玄米のmicrofloraを構成する細菌としてPseudomonas属のChromogenic groupに次いで重要なFluorescent groupに属する菌株の分類学的研究を行った.その結果次の菌種を同定した.
    Pseudomonas schuylkilliensis Chester 7株
    Pseudomonas pavonacea Levine and Soppeland 7株
    Pseudomonas ovalis Chester 3株
    Pseudomonas rugosa (Wright) Chester 2株
    Pseudomonas cinnamona Tsunoda 3株
  • 原田 篤也, 金納 義二, 鎌倉 攻, 戸田 恭子, 中井 礼子
    1963 年 37 巻 2 号 p. 80-84
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    マロン酸エチル法による糖の定量について研究し,以下のことを明らかにした.
    (1) 糖とマロン酸エチルとの呈色反応の最適条件を求め,定量操作を次の如くきめた. 1mlの糖溶液(キシロースなどでは40~200μg/ml,グルコースでは0.2~2mg/ml)をミクロキェルダール管(10ml容)にとり,これに2mlの0.325Mの炭酸ソーダ溶液を加え,さらに2mlの5%(v/v)のマロン酸エチルのn-プロパノール溶液を加える,これをよく攪拌後, 90°で12分間ときどきかくはんして反応させる.発現した色を558mμの波長にて光電比色計で測定する.
    (2) この定量法はキシロースのような5炭糖に対しては鋭敏であり,再現性もあり,かつかんたんに操作できるので特にすぐれている.
    (3) この定量法はセロビオース,マルトースの存在下におけるグルコースのかんたんな定量法として使用し得ると考える.
  • ナリンジナーゼIとヘスペリジナーゼIの結晶化並びにその作用機作
    岡田 茂孝, 岸 清, 東原 昌孝, 福本 寿一郎
    1963 年 37 巻 2 号 p. 84-89
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    〓麩麹抽出液からナリンジン,ヘスペリジンを分解する酵素を分離,精製し,その酵素的性質並びに〓を比較検討した結果は次の如く要約できる.
    (1) ナリンジン,ヘスペリジンを分解する酵素は全く別々のものであり,またそれらはラムノースとグルコースの間を切る酵素ナリンジナーゼI及びへスペリジナーゼIと,グルコースとアグリコンの間を切る酵素ナリンシナーゼII及びヘスペリジナーゼIIよりなることが明らかとなった.
    〓このうちナリンジナーゼI及びヘスペリジナーゼIはそれぞれ結晶状に得ることができた.
    〓結晶状に得たナリンジナーゼIの作用最適pHは4.5附近,ヘスペリジナーゼIはpH 3.5附近であっ〓作用最適温度はそれぞれ50°及び60°附近であった.
  • グルコン酸によるグルコース異性化酵素の阻害について
    高崎 義幸, 田辺 脩
    1963 年 37 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) グルコース異性化酵素はグルゴースの酸化物であるグルコン酸, 2-ケトグルコン酸により阻害されるのを認めた.しかし5-ケトグルコン酸による阻害は認められなかった.グルコン酸による阻害度は5×10-3Mで約50%である.
    (2) Bacillus megaterium A-1のグルコース脱水素酵素について試験を行い, DPN, FMNにlinkする脱水素酵素の存在を認めた.
    (3) グルコース脱水素酵素はMg++を要求する. PCMB,ヒドラジン, Zn++, Cu++, Hg++, Co++, Ni++等により強く阻害される.砒酸ソーダ,亜砒酸ソーダ,シアン化カリ,ナトリウムアザイドによる阻害は認められなかった.
    (4) 砒酸ソーダあるいは亜砒酸ソーダのグルコース異性化酵素に対する阻害性とグルコース脱水素酵素に対する非阻害性の性質を利用し,グルコース異性化酵素反応(グルコースーフラクトース)は可逆性であることを認めた.
    (5) Glucostatを用いPCMBの存在下でフラクトースから生成するグルコースを定量した.
  • グルコースからフラクトースの生成機作について
    高崎 義幸, 田辺 脩
    1963 年 37 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Bacillus megaterium A-1の無細胞抽出液を酵素液として使用し,グルコースからフラクトースの生成の機作な明らかにするための実験を行った.
    (1) 無細胞抽出液をNorit処理すると活性は低下するが, DPNあるいはTPNを添加することにより活性の回復を認めた.
    またDPNを含む培地に培養するとDPN濃度が2mg/40mlまでは活性は比例的に増加することなどから,この異性化反応はDPNを助酵素とする酸化還元反応により生成するものと推定した.
    (2) 異性化反応の中間体として還元体としてのソルビトール,あるいは酸化体(たとえばグルコソン等)が考えられるが,異性化反応は水素供与体の添加を必要としないこと,反応中の全糖量は変化しないこと,またソルビトールからフラクトースは生成しないことなどから,ソルビトールが中間体ではなく,グルコースの酸化体が中間体と推定されグルコソンについて検討を加えた.
  • アンチレンニン作用物質の分離 (1)
    大条 方義
    1963 年 37 巻 2 号 p. 98-101
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 濾紙電気泳動で豚血清透析膜外成分を分画すると,アンチレンニン作用物質は陽極側前端部に移行するが,ニンヒドリン呈色域を目やすとして分画した6分屑のアンチレンニン作用の強さは各分屑のアミノ糖含量とほぼ平行した.
    (2) グルコサミン塩酸塩はアンチレンニン作用を示さない.
    (3) 濾紙電気泳動で分画した粗アンチレンニン作用成分を,フェノール80:水20を溶媒とするPPCで展開すると,糖反応とニンヒドリンの呈色反応を示す9分屑が観察され,そのうちRF 0.06附近の分屑がアンチレンニン作用を呈した.
  • アンチレンニン作用物質の分離 (2)
    大条 方義
    1963 年 37 巻 2 号 p. 102-106
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) アンパーライトあるいは活性炭セライトを用いるカラムでアンチレンニン作用物質の単離を試みたが,能率よく分画するためにセファデックスを用いることにした.
    (2) セファデックスG-25を用いるジェル濾過法により,粗分屑からアンチレンニン作用物質を分離したが,この物質は結晶状に精製された.
    (3) 血清のアンチレンニン作用は,豚血清0.05mlで,結晶レンエン200μgの凝乳作用を阻止する程度に強力であったが,精製純化した結晶性アンチレンニン作用物質の1mgは100μgのレンニンの凝乳時間を約1.5倍遅延させる程度であっな.
    (4) 血清中に常在する,いわゆる「活性」物質の2, 3についてアンチレンニン作用との関係を検討した.
  • 木灰が胞子成分および自家呼吸におよぼす影響について
    松浦 慎治, 真鍋 勝, 中野 政弘
    1963 年 37 巻 2 号 p. 106-112
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    木灰による種麹胞子の耐久性増大の現象は胞子の生理的性質の変化によるものと考え,胞子の細胞成分,呼吸の変動を追究した.
    その結果,木灰添加による胞子のRNA/DNA,水分,総窒素,自家呼吸の減少と,灰分,リン,カリウム特にカリウムの顕著な増加を認めた.これは木灰添加による胞子の全般的な代謝活性の低下,耐久型への移行を示すものと考察した.
    この効果は木灰をリン酸カリウムあるいはこれに硫酸マグネシウムを加えたもので置き換えても同様で,リン,マグネシウムの適量存在下で主としてカリウムの生理作用に基づくものと考えられる.
  • 水稲粳澱粉のX線回折とヨウ素呈色について
    鈴木 裕, 森 高明, 土井 健二, 二国 二郎
    1963 年 37 巻 2 号 p. 112-115
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    2品種の粳水稲を早期・普通・晩期の各栽培法によって栽培した白米は,早期米,普通米,晩期米の順にアルカリに溶け易くなった.澱粉のヨウ素呈色は早期,普通,晩期澱粉の順に濃くなっていた.晩期米澱粉のx線折図はC図形を示したが,他の試料澱粉はいずれもA図形であった.
  • 加賀 慎一郎, 林 泰三
    1963 年 37 巻 2 号 p. 116-117
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 37 巻 2 号 p. e1
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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