マロン酸エチル法による糖の定量について研究し,以下のことを明らかにした.
(1) 糖とマロン酸エチルとの呈色反応の最適条件を求め,定量操作を次の如くきめた. 1mlの糖溶液(キシロースなどでは40~200μg/ml,グルコースでは0.2~2mg/ml)をミクロキェルダール管(10ml容)にとり,これに2mlの0.325Mの炭酸ソーダ溶液を加え,さらに2mlの5%(v/v)のマロン酸エチルの
n-プロパノール溶液を加える,これをよく攪拌後, 90°で12分間ときどきかくはんして反応させる.発現した色を558mμの波長にて光電比色計で測定する.
(2) この定量法はキシロースのような5炭糖に対しては鋭敏であり,再現性もあり,かつかんたんに操作できるので特にすぐれている.
(3) この定量法はセロビオース,マルトースの存在下におけるグルコースのかんたんな定量法として使用し得ると考える.
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