L-GA生産菌
Microbacterium ammoniaphilumを全糖分として7%,自然含有ビオチン量約7.5γ/1の甜菜廃糖蜜培地に培養する際,
(1) HLB値が約8から約17まで,なかんつく約12から15のPOEFEがL-GA著量蓄積に有効であることから,この範囲に入る他系の非イオン界面活性剤のL-GA蓄積性を検討した.この結果HLBまたは界面活性作用一般の問題のみに帰することはできなかった.
すなわちエーテル結合は無効であり,エステル結合も脂肪酸の種類によって有効性が決り,脂肪酸分の同一エステル間についてのみHLBが問題となることが示された.
(2) 培養液単位液量当りのビオチン取り込み速度は上澄液側,菌体側のいずれからもPOEFE添加の有無,種類の如何による差異は認められず,いずれも7時間までに取り込みは終了した.また上澄液側と菌体側との間のビオチン収支が合うことからPOEFE存在下のビオチン定量値は,存在しない場合の定量値に等しくPOEFEがアビジンのようなビオチン不活性化物質とは考えられないことが示された.
(3) POEFEとビオチンの間には, L-GA蓄積性に対して現象的に相剰効果が認められた.
(4) リンモリブデン酸法による定量の結果POEFEの大部分は全培養期間中菌体外に留ることが示された.
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