日本農芸化学会誌
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40 巻, 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • Aspergillus属菌株によるγ-pyrone化合物の生成について
    石家 駿治
    1966 年 40 巻 10 号 p. 353-358
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Aspergillus属の13群, 56種, 166株について,表面および振盪培養におけるγ-pyrone化合物の生成を比較検討した.
    (2) 麹酸の生成は,同一菌種内の菌株間において明らかな差があるが, Tamarii群およびFlavus-oryzae群に属す菌株の約半数が麹酸生成力を有する.また,表面培養の方が振盪培養よりも麹酸の生成に優位である菌株数が圧倒的に多かった.
    (3) 麹酸生成力を有する菌株のうち数株は未知のγ-pyrone化合物をも生成することが認められた.
  • Aspergillus oryzaeのUV-照射菌株による麹酸の生成について
    石家 駿治
    1966 年 40 巻 10 号 p. 359-363
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Aspergillus oryzaeの1株について紫外線照射による人工変異がいかに麹酸生成型に変化をおよぼすかを検討した.その結果,原株と同じ培養形態を示す菌株は麹酸生成型も原株と同じであった.しかうして全体としての生成型には余り大きい影響を与えないが,麹酸生成量および生成速度に対して“positive effect”を示すことがわかった.
  • アルカン資化性カビのスクリーニングとカビによるアルカンの酸化生成物
    山田 浩一, 鳥越 靖
    1966 年 40 巻 10 号 p. 364-370
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) n-Nonaneからn-octadecaneまでの10種のアルカンの混合物を炭素源とする合成培地を用いて, 230の土壌,天然有機物等の試料より,炭化水素資化性カビ380株を得た.
    (2) これらの炭化水素資化性カビは,精油所付近等の炭化水素を含む土壌中のみならず,広く一般の畑,水田,帯街地土壌,果実等に一様に存在している.
    (3) 新たに分離した380株および当教室に既に保存されていた70株の炭化水素資化性カビ中より, 10株の有機酸生成能を有するカビを得た.
    (4) これら10珠のカビによって生成される有機酸の主体をなすものは,基質アルカンの一端または両端がカルボキシル化された,モノおよびジカルボン酸である.すなわち,カビによるアルカンの酸化過程には, mono-およびditerminal oxidationの段階が存在する.
    (5) これら10株のカビのうち,振とう培養によっても生酸能を有する唯一の株であるS547株は,その形態的特徴から不完全菌のBotrytis属に属するものと考えられる.
  • 兎腎ライソソームの安定性(その1)
    小笠原 八十吉
    1966 年 40 巻 10 号 p. 371-376
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 兎腎からライソソームを分離し,そのなかに存在するカテプシンの膜外遊離性を比較検討した.
    (2) ライソソームの安定性は,凍結融解,磨砕,γ線照射,温度および共存成分などに大きく左右される.
    (3) ライソソーム膜が破壊されて内部の酵素類が膜外に遊離すれば,そこには自已消化が促進される.したがって本来のままのライソソームを保持するために,ライソソーム膜の安定剤を加える必要がある.
    (4) 生鮮食品内のライソソームの特性をよく比較検討の上,そのよりよい加工・貯蔵法を開発していかねばならない.
  • 中山 清, 萩野 浩志
    1966 年 40 巻 10 号 p. 377-380
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Corynebacterium glutamicumのアルギニン要求変異株KY9396株がL-チトルリンを蓄積することを培養液から結晶を分離し,融点,元素分析値,赤外線吸収スペクトル,旋光度からの同定により確認した.
    (2) 若干の培養条件を検討した.L-チトルリンの蓄積は培地中のL-アルギニンが生育にsuboptimumのとき良好であり,窒素源として硫安,尿素が好適であった.培地中の無機リン酸塩濃度がL-チトルリン蓄積に顕著な影響を与え,リン酸濃度が低いときグルタミン酸の生成は減少を示し, L-チトルリンの蓄積は増加した.培地にアルギニン源として酵母エキスを添加することにより,L-チトルリンの蓄積が顕著に増加することが認められた.
    かくして,培養条件を検討した結果,グルコースを10%含む培地を使用した場合, 10.7mg/mlのL-チトルリンの蓄積を認めた.
  • 菅野 道広, 知念 功, 和田 正太
    1966 年 40 巻 10 号 p. 381-386
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    市販の配合飼料で飼育した正常の白色レグホン種雄鶏および産卵鶏肝臓脂質の脂肪酸組成を比較検討した.
    (1) 雄鶏肝臓の全脂質中の脂肪酸では,順次ステアリン酸,オレイン酸,パルミチン酸,リノール酸が主成分であった.産卵鶏でも同様であったが,雄鶏に比べ,ステアリン酸,リノール酸の占める割合は低く,オレイン酸で高かった.量的には雄鶏と比べ産卵鶏では,オレイン酸,パルミチン酸が著しく多かった.
    (2) コレステロールエステルの脂肪酸では,両鶏とも質的,量的によく似た結果が得られた.オレイン酸が多く(約40%),次いでリノール酸,パルミチン酸,ステアリン酸の順であった.リノール酸の占める割合は分画した脂質成分中で最も高く,パルミチン酸は最も低かった.
    (3) トリグリセリドの脂肪酸ではオレイン酸の占める割合が高いのが特徴であったが,パルミチン酸,ステアリン酸などの飽和酸も多かった.産卵鶏では,この画分の脂質量の増加は極めて顕著で,オレイン酸の量は雄鶏の約13倍,パルミチン酸,リノール酸の量は約9倍にも及んだ.
    (4) リン脂質の脂肪酸では他の脂質画分に比べ,アラキドン酸,ステアリン酸の占める割合が高いことが特徴であった.主成分は両鶏ともステアリン酸,パルミチン酸,オレイン酸,リノール酸であったが,産卵鶏ではオレイン酸の占める割合はかなり高かった.リン脂質量は雄鶏・産卵鶏で差がなかったので,その各脂肪酸の量にも大差はなかった.
  • 大林 晃
    1966 年 40 巻 10 号 p. R53-R57
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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