(1) 香気捕集法により清酒もろみの香気を捕集し,成分の分析を行った.
(2) 捕集液の種類,量,ガス量,時間,温度等の条件を検討し,捕集液は目的によって選択できること,香気液の強弱は,液量,ガス量,時間に比例すること,温度は低い方がよいことなどを明らかにした.またトラップは2個で充分である.
(3) 香気液の成分をガスクロマトグラフで分析し,その相対保持時間によって,酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸イソブチル,酢酸イソアミル,酢酸フェニルエチル,プロピオン酸エチル,酪酸エチル,カプロン酸エチル,カプリル酸エチル,カプリン酸エチル,ラウリン酸エチル,乳酸エチル,プロピルアルコール,イソブチルアルコール, n-ブチルアルコール,活性アミルアルコール,イソアミルアルコール,β-フェニルエチルアルコール,アセトアルデヒドを検出した。なかでも酢酸イソブチル,酢酸イソアミルは,これまで清酒中にその存在を認められていなかったものである.
(4) 量的には酢酸イソアミル,イソアミルアルコール,活性アミルアルコール,イソブチルアルコール,カプロン酸エチル,カプリル酸エチル,酢酸イソブチル,酪酸エチルが多く,これらが清酒もろみ香気の主要成分である.
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