粕酢中よりガスクロマトグラフィー,薄層クロトグラフィーを使用し,少なくとも51種類の化合物を分離確認した.アルコール類としてエタノール,イソブチルアルコール,ノルマルブチルアルコール,イソアミルアルコール,活性アミルアルコール,テトラヒドロフルフリルアルコール, 2, 3-ブチレングライコール,フェノール,オルトークレゾール, β-フェネチルアルコール,オルト-ニトロフェノール,カルポニル化合物類としてアセトアルデヒド,アセトン,ダイアセチル,アセトイン,フルフラール,フェニルアセトアルデヒド,パラ-オキシベンツアルデヒド,バニリン,エステル類として酢酸エチル,酢酸イソブチル,酢酸イソアミル,乳酸エチル, β-フェネチルアセテイト,カプリン酸エチル,
pオキシ安息香酸ブチルを確認したが,残り25種類の化合物は未同定である.
以上の化合物中,今までに果実酢でも粕酢でも報告されていない化合物は,テトラヒドロフルフリルアルコール, 2, 3-ブチレングライコール,フェノール,オルト-クレゾール,オルト-ニトロフェノール,フルフラール,フェニルアセトアルデヒドパラ-オキシペンツアルデヒド,カプリン酸エチル,パラ-オキシ安息香酸ブチルの10種類の化合物である.
食酢芳香成分を酸性区分,塩基性区分を除いて中性区分のみから論ずることはできないが,ダイアセチル,アセトイン, 2, 3-ブチレングライコール,ジアセチルメチルカルビノール,アセチルブタンジオール系統の香りが中心であると思われる.
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