日本農芸化学会誌
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41 巻, 6 号
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  • シトロネラールの転換(その1)
    林 哲吾, 平野 勝久, 上田 博夫, 辰巳 忠次
    1967 年 41 巻 6 号 p. 247-253
    発行日: 1967年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    シトロネラールを転換して,主としてシトロネリン酸を生成する一株のPseudomonas aeruginosaを土壌より分離して,その性質を検討した.またその生酸条件の若干を検討した.
    なお,シトロネリン酸は発酵が進むと次第に代謝されて消失した.
  • シトラールの転換
    林 哲吾, 高芝 宏樹, 上田 博夫, 辰巳 忠次
    1967 年 41 巻 6 号 p. 254-259
    発行日: 1967年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    土壌中より,シトラールをゲラニウム酸に酸化するPseudomonas属の一菌株を分離し,その生産条件について検索した.
  • 米蛋白質と米澱粉の相互作用について (1)
    竹内 五男, 島田 潔, 中村 精二
    1967 年 41 巻 6 号 p. 260-270
    発行日: 1967年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    化学的結合の可能性が少ない米蛋白質と米澱粉の間に,醪中で静電気的な結合が起こり得るという仮説を証拠づける手段として,均一な溶液を用いて粘度法による相互作用の検討を行ない,次の結果を得た.
    (1)米蛋白質と米澱粉について,粘度に関する加成性が成立する濃度範囲で検討した結果,両者間には高いpHで相互作用が認められず,低いpHで分子が長くなるような相互作用が存在した.この性質はα-カゼインについても認められたので,蛋白質の等電点を中心とした上下域における蛋白質と澱粉間の一般的な性質ではないかと考えられた.
    (2)蛋白質,澱粉はともに高分子電解質の挙動を示した.高分子電解質が有する性質から推して,相互作用とは解離基の解離に基づくものと推定され,前に提出した仮説と矛盾しなかった.
    (3)粘度に関する加成性が成立しない稀薄な範囲で,米澱粉は塩酸系溶媒中で異常な挙動を示したが,これは米アミロペクチンに起因することがわかった.同様の異常はトウモロコシアミロペクチンには認められたが,バレイショアミロペクチン,および米,トウモロコシ,バレイショのアミロースには認められなかった.
  • リジンからの5-アミノ吉草酸の生成
    萩野 浩志, 中山 清
    1967 年 41 巻 6 号 p. 271-275
    発行日: 1967年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Pseudomonasに属する数種の細菌がL-リジンから著量の5-アミノ吉草酸を培養液中に生成することを, 5-アミノ吉草酸の結晶を分離し,融点,元素分析値,赤外線吸収スペクトルからの同定により確認した.
    (2) 5-アミノ吉草酸の生成活性はL-リジンの存在で誘導され,グルコースの存在で抑制された.したがってL-リジンが培養初期に存在することが必要であり,培地のグルコース濃度は1~2%が適当であった.
    (3)生菌体,アセトン菌体にも顕著な5-アミノ吉草酸の生成活性が認められ,その反応系の至適なpHは9.0付近に存在した.
    (4) 5-アミノ吉草酸はL-リジンからはほぼ定量的に生成したが, DL-リジンからはその半量の生成が認められ,未反応のリジンの残存が認められた.
    (5)少量のL-リジンの存在で培養し, 5-アミノ吉草酸の生成活性の誘導された培養液に高濃度のL-リジンを添加,培養し, 10~20mg/ml, 40~60mg/mlのL-リジン塩酸塩からそれぞれ75%, 65%の収率で5-アミノ吉草酸をえ.アセトン菌体を用いた場合は40mg/mlのL-リジン塩酸塩からほぼ100%に近い収率で25.2mg/mlの5-アミノ吉草酸が生成蓄積した.
  • ヒマ種子の生育条件,成熟度と油脂の性状および脂肪酸組成について
    竹内 芳一, 櫛笥 隆弘, 野口 知雄, 高良 忠, 岩狭 与三郎
    1967 年 41 巻 6 号 p. 276-281
    発行日: 1967年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ヒマ種子は成熟過程において,その初期では油脂の性状が変わるが,後半では主として油脂含量が増加する.酸価,ヨウ素価は初期の油脂では大きく,成熟するにつれて減少し,一定値となった.
    成熟時期の気温の影響については,ヒマ油脂中の油脂含量は平均最高温度31~33°の間で最高に達した.また低温のもとで成熟した種子の油脂は高温のもとでの油脂に比較してアセチル価が大きかった.
    〓果の付着部位と気象条件の影響を調べた結果,〓果の付着部位の影響よりも気象条件の影響の方が明らかに認められた.
    完熟したヒマ種子は油脂を45%も含有しているが,油脂中の遊離脂肪酸はわずか0.3%である.開花後日数16日の未熟種子では油脂含量は1%であるが,そのうちの36.5%は遊離脂肪酸である.
    未熟種子油中には完熟種子油中に少ない炭素数10~14の脂肪酸が比較的多く存在していた.
    ヒマ種子油の脂肪酸のガスクロマトグラフィーで5種類の未確認物質を検出し,そのうち2種は未熟期の種子油脂中,しかも遊離脂肪酸中にのみ見出された.
  • ツノロウムシの成育過程におけるロウ殻の形成状況と脂質組成の変動
    橋本 皓, 向井 克憲
    1967 年 41 巻 6 号 p. 282-289
    発行日: 1967年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ツノロウムシの生活史を調べ,成育過程におけるロウ殻の形成状況および脂質の量的,組成的推移について検討した.
    孵化後寄主植物へ定着したムシは,樹液を吸収し急速に発育する.これにともないロウ状物質が虫体から分泌蓄積し,各令期により特徴的にロウ殻が形成される.ロウ殻脂質中のワックス含量は2令幼虫期に最高で,令期により質的相違が認められ,たとえば3令幼虫,成虫期には環式ワックスが検出された.
    虫体中の脂質含有率は卵および成虫期に高く,幼虫期に低い値を示した.トリグリセリドの量的変動も同様であったが,リン脂質は幼虫期に高い値を示した.脂肪酸はカプリン,ラウリン,ミリスチン酸の組成的変動が顕著であった.
  • ツノロウムシのオクタデセン酸,オクタデカジエン酸の単離とその構造
    橋本 皓, 増井 武次, 向井 克憲
    1967 年 41 巻 6 号 p. 290-293
    発行日: 1967年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    カタカイガラムシの一種ツノロウムシから,オクタデセン酸,オクタデカジエン酸をそれぞれのメチルエステルとして単離した.これはこのムシからの単離の最初である.これらの酸の化学構造はcis-9-octadecenoic acidおよびcis-9, cis-12-octadecadienoic acidであることが決定された.
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