(1) 9種の充填剤を検討し,さらに協力剤の分離能を併せ考慮し,SE-30 5%を選択した.次に,カラム温度220°Cにおいて,アレスリン,フタルスリンともに,ガスクロマトグラム上の変化がみられず,GC前後の赤外スペクトルの比較から,化学変化,とくにトランス,シスの変化を認めず,さらにトランス,シス体のRtが一致し分離ピークを生じなかった.別に,水素流量の感度への影響を検討した.これらからFIDによるGC定量条件を設定し得た.
(2) 内部標準物質として,アレスリン用にデルドリン,フタルスリン用にD. O. P.を選択した.アレスリン対デルドリンが0.3~0.6対1,フタルスリン対D. O. P.が2~6対1(各重量比)の範囲では検量線は直線を示した.
(3) アレスリン,フタルスリンに協力剤S-421, MGK-264, Synepirin 500, P. butoxideを加えた複合処方の6成分を5E-30にて同時分離し得,DEGS,PPGAは一部に不十分な分離を示した.
カラム温度は,アレスリン,フタルスリンが250°C以上から,また,5-421, MGK-264, P. butoxideが保持時間を長くした場合,200°C以上から分解を開始し,Synepirin 500は230°Cでも安定であった.
(4) S-421またはP.butoxide配合下のエアゾール複合製剤で,アレスリン,フタルスリンを同時定量し,回収率はともに良好であったが,変動係数は,フタルスリンの方がやや大キく,これは同時定量が原因と思われる.
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