日本農芸化学会誌
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42 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • ペクチン質のDEAE-セルロースカラムクロマトグラフィー(2)
    畑中 千歳, 小沢 潤二郎
    1968 年 42 巻 11 号 p. 645-650
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The pectic substances differing from each other in molecular weight, or in content of neutral sugar or methoxyl group, were resolved by the DEAE-cellulose chromatography with a gradient of increasing concentration of acetate buffer, pH 6. Acid-soluble acid polysaccharides (YPG-ASAP) produced from pectic acid with endo-polygalacturonase of Saccharomyces fragilis (YPG) and pectic acid, which had been reported not to be resolved with carbonate-bicarbonate buffer, were separated from each other by using this gradient and 0.1N NaOH. Tailing could not be perfectly eliminated even by the gradient elution. When sodium acetate solution was used instead of acetate buffer, pectinic acid and pectic acid were eluted at the same concentration of the eluent.
  • 乳児糞便の糖質およびL. bifidus菌株によるその利用
    吉岡 八洲男, 岩崎 泰介, 金内 稔郎
    1968 年 42 巻 11 号 p. 651-658
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    乳児糞便の10倍稀釈磨砕液を培地としてL. bifidus A-3株の生育を観察した.
    母乳栄養児および混合栄養児の糞便培地では,供試菌は酸生成を指標とする著明な生育を示した.これに反し,人工栄養児の糞便培地では,供試菌はきわめて貧弱な生育を示すに過ぎないが,培地に乳糖を補強すると著明な生育を示した.
    母乳栄養児の糞便培地には多量のオリゴ糖,多糖類が見いだされた.さらに,少量のガラクトースとフコースもみられたが,乳糖とグルコースは微量あるいは皆無であった.供試菌培養後はオリゴ糖,多糖類の著明な減少と,フコース,ガラクースの増加が認められた.
    人工栄養児の糞便培地には少量の多糖類と痕跡程度のガラクトース,フコースが検出された.供試菌培養後の糖の変化はほとんど認められなかった.
    混合栄養児の糞便培地の糖量は変動が大きく,一般に少なかった.しかし,オリゴ糖,多糖類の存在,および供試藤培養後におけるそれらの減少は明瞭に認められた.
    本実験の結果から,乳児の腸管内容物中のL. bifidus利用性糖類の暴が母乳栄養児,人工栄養児に認められる腸内菌叢の相違に影響を与えているものと推灘される.
  • 乳児糞便のBifidus因子活性およびL. bifidus var. pennsylvanicusによる糞便糖質の利用
    吉岡 八洲男, 岩崎 泰介, 金内 稔郎
    1968 年 42 巻 11 号 p. 659-664
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    L. biftdus var.pennsylvanicus ATCC 11863株は,改変Tomarelii培地に,人乳またはα,β-ethyl-N-ace-tyl-D-glucosaminideを添加すると良好な生育を示した.人乳のBifidus因子活性は牛乳の活性よりも著明に高かった.
    母乳栄養児の糞便は,人工栄養児の糞便と比較して著しく高いBifidus因子渚性を示した.活性は糞便中のアミノ糖の量に対応した.
    供試菌は母乳栄養児の糞便培地に良好に生育し,本培地が供試菌に対する充分量のBifidus因子とエネルギー源を含んでいることを示した.培地中の大量のオリゴ糖,多糖類は供試菌によって利用された.
    供試菌は人工栄養児,混合栄養児糞便の10倍稀釈培地には乳糖およびBiidus因子を添加しなければ生育しなかった.しかしながら,5倍稀釈培地に乳糖を添加すると,良好な生育が得られた.これは,ほぼ充分量のSifidus因子が糞便から供給されていることを示している.
  • 岡田 茂孝, 東原 昌孝, 福本 寿一郎
    1968 年 42 巻 11 号 p. 665-669
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Sacillus subtilis属細菌群の分泌する細菌液化型および細菌糖化型アミラーゼ(BLAおよびBSA)を還元性末端に放射性を有するオリゴ糖に作用せしめ,初期分解物を分析すると,それぞれ特定の結合位置が分解を受けることが知られている.
    さらに高分子の糖への反応について検討したところ,
    (1)重合度23付近の直鎖デキストリンにBSAを作用した場合,ほぼオリゴ糖の場合と同様に非還元性来端より3番目以上内側の結合が最も作用を受けやすい傾向を示した.
    (2) BSAは反応中間物として生ずるオリゴ糖のうちG4, G5に対して高い作用性を示し,速やかにG1~G3を生ずることが明らかとなった.
    (3) Starch, β-limit dextrinのBSA分解物はmaltodextrinの場合とほぼ同様で,これら多糖体分解の際もオリゴ糖に見出されたような規則性がある程度成立するものと推察された.
  • 樟脳の微生物転換
    林 哲吾, 酒井 正浩, 上田 博夫, 辰巳 忠次
    1968 年 42 巻 11 号 p. 670-675
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    土壌より新しく分離した1菌株strain CはPseudomonas riboflavinaに属するようである.strain Cは樟脳を転換して好収量でcamphorlactoneを生成した.また中間産物としてcamphorquinone, camphoric acidなどを含んでいて,既報されている樟脳の代謝経路とは,異なった経路をとるようである.
  • 製剤中,アレスリン,フタルスリンのガスクロマトグラフィーによる定量
    村山 普, 京極 和旭, 井口 辰興
    1968 年 42 巻 11 号 p. 676-682
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 9種の充填剤を検討し,さらに協力剤の分離能を併せ考慮し,SE-30 5%を選択した.次に,カラム温度220°Cにおいて,アレスリン,フタルスリンともに,ガスクロマトグラム上の変化がみられず,GC前後の赤外スペクトルの比較から,化学変化,とくにトランス,シスの変化を認めず,さらにトランス,シス体のRtが一致し分離ピークを生じなかった.別に,水素流量の感度への影響を検討した.これらからFIDによるGC定量条件を設定し得た.
    (2) 内部標準物質として,アレスリン用にデルドリン,フタルスリン用にD. O. P.を選択した.アレスリン対デルドリンが0.3~0.6対1,フタルスリン対D. O. P.が2~6対1(各重量比)の範囲では検量線は直線を示した.
    (3) アレスリン,フタルスリンに協力剤S-421, MGK-264, Synepirin 500, P. butoxideを加えた複合処方の6成分を5E-30にて同時分離し得,DEGS,PPGAは一部に不十分な分離を示した.
    カラム温度は,アレスリン,フタルスリンが250°C以上から,また,5-421, MGK-264, P. butoxideが保持時間を長くした場合,200°C以上から分解を開始し,Synepirin 500は230°Cでも安定であった.
    (4) S-421またはP.butoxide配合下のエアゾール複合製剤で,アレスリン,フタルスリンを同時定量し,回収率はともに良好であったが,変動係数は,フタルスリンの方がやや大キく,これは同時定量が原因と思われる.
  • ガスクロマトグラフィーによる蚊取線香中のアレスリン揮散率の測定
    村山 普, 京極 和旭, 井口 辰興
    1968 年 42 巻 11 号 p. 683-687
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 蚊取線香中アレスリンをFIDでGC定量するために,粉砕後アセトンを加え,ソックスレー法で抽出した.抽出液をGC定量し,アレスリン回収率97.8~100.1%を収めた.
    (2) 燻煙捕集装置はFig. 1のごとくし,捕集溶剤はGCピーク阻害物を溶解しにくいη-ヘキサンを選択した.η-ヘキサン溶液と洗液計約41を50mlに濃縮し,GC (FID)で定量した.ECDはアレスリン以外の捕集物も高感度に検出し,適用し得なかった.
    (3) 以上から,アレスリンの揮散率は,GC法で求めることができた,同一試料から4回捕集して得た揮散率の結果から,平均値の上下2%(絶対値)の範囲に入ることがわかり,比較的誤差が少なかった.
    (4) アレスリン含量0.505~0.808%の蚊取線香では,含有量が多いほど,燻煙中アレスリン絶対量は増加したが,揮散率は0.708%のときが最高であった.
    (5) 通常の同1系統の形状,性状を有する市販蚊取線香4種にGC法を用い,アレスリン含有最は0.539~0.708%で,揮散率は30~36%であることを知った.
  • 内山 正昭, 大場 和正
    1968 年 42 巻 11 号 p. 688-691
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The Synthesis of dl-Maackiain (II c), a naturally-occurring pterocarpinoid, via the 2'-hydroxyisoflavone (II a) is described.
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