日本農芸化学会誌
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43 巻, 2 号
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  • 4, 5-不飽和ガラクチュロニド結合を加水分解する酵素について
    畑中 千歳, 小沢 潤二郎
    1969 年 43 巻 2 号 p. 77-84
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    By column chromatographies on Duolite CS-101 and DEAE-cellulose three different exopolygalacturonase (exo-PG) fractions were obtained from the mycelial extracts of Aspergillus niger. Effect of pH on the enzymic activity of these fractions was different. One of these fractions was found to possess hydrolyzing activity on both saturated and unsaturated galacturonidic linkages. This fraction showed higher activity on digalacturonic acid than on pectic acid. Mercuric ion activated this fraction but not the others.
  • 4, 5-不飽和ガラクチュロニド結合を加水分解する酵素とエキソポリガラクチュロナーゼの同一性について
    畑中 千歳, 小沢 潤二郎
    1969 年 43 巻 2 号 p. 85-90
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The present study has been undertaken to determine whether the activity on 4, 5-unsaturated galacturonidic linkage is due to a specific enzyme or to an exopolygalacturonase (exo-PG) which hydrolyzes both saturated and unsaturated galacturonidic linkages. Ratio of activities on 4, 5-unsaturated digalacturonic acid and pectic acid was practically constant before and after heat treatment of the enzyme preparations. The competitive inhibition by galacturonic acid was observed when saturated or unsaturated digalacturonic acid was used as the substrates. The two compounds also inhibited competitively the hydrolysis of the other. These results suggest that the enzyme hydrolyzing 4, 5-unsaturated galacturonidic linkage is identical with exo-PG.
  • リン脂質について
    小原 哲二郎, 湯浅 克己
    1969 年 43 巻 2 号 p. 91-94
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    現行のそば製粉において可食部脂肪の大半を含むサナ粉のリン脂質成分を検索した.
    (1) クロロホルム-メタノール(2:1)混液で冷浸出を行ない,さらにアセトン沈殿法により複合脂質(原料に対し約5.0%)を抽出し,リン脂質の供試材料とした.
    (2) 本サナ粉中にはリン脂質が約3.4%含有されていた.
    (3) ホスファチジルコリン,ボスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルセリンの存在を確認し,またリゾホスファチジルコリン,リゾホスファチジルエタノールアミン,リゾホスファチジルセリン,ホスファチジルイノシトールおよびボスファチジン酸の存在を推定した.
    (4) コリン含有リン脂質が30.1%,エタノールアミン含有リン脂質が17.4%,セリン含有リン脂質が13.6%,ホスファチジン酸が4.7%,ホスファチジルイノシトールが1.5%であった.
  • ガラクトシルグリセリドについて
    小原 哲二郎, 宮田 信夫
    1969 年 43 巻 2 号 p. 95-98
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    そばサナ粉の糖脂質をカラム,ペーパー,ガスクロマトグラフィーを用いて分離,検索したところ次の結果を得た.
    (1) モノガラクトシルグリセリド(複合脂質の0.45%)およびジガラクトシルグリセリド(4.76%)の2成分を認めた.
    (2) 2成分間の脂肪酸組成には大差なく,ともニパルミチン酸,オレイン酸,リノール酸が主成分で90%以上を占めた.
  • 柑橘果汁清澄促進因子について
    岡田 茂孝, 井上 雅資, 福本 寿一郎
    1969 年 43 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 主としてAspergillus nigerに属する菌株(100株)より柑橘類果汁清澄化酵素を最も強力に分泌する菌株を選び出し,次いで麩を主体とする固体培養基に培養して果汁清澄に有効な酵素剤を製造することができた.
    (2) 本酵素剤を部分精製した結果,それ自身は果汁清澄化作用を示さないが,PGによる清澄化を促進する区分が得られた.この区分は柑橘類果汁の清澄化には有効であるが,リンゴ果汁に対しては効果を示さなかった.
    (3) この区分は酵素活性として,PG, PEのほかamlyase, protease等を含まず,イナワラヘミセルロースなどに対して強いヘミセルラーゼ活性を示した.
  • Ovomucin (B) に対するチオグリコール酸ソーダおよび過酸化水素処理の影響について
    中村 良, 加藤 昭夫, 佐藤 泰
    1969 年 43 巻 2 号 p. 105-109
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Ovomucin (B)溶液の相対粘度,極限粘度はチオグリコール酸ソーダおよび過酸化水素で処理することにより著しく低下することが認められた.これらの処理により,主として蛋白質部分に数パーセントの分解が起こり,このような化学的変化によりovomucin (B)溶液は処理前と同様に超遠心釣に単一で,電気泳動的に2成分であるが,沈降定数のより小さい,泳動図の相対面積比の異なるものに変化することが認められた.二つの処理に共通している点は処理による還元粘度または沈降定数の濃度依存性の低下で示される分子間相互作用の低下である.すなわち,チオグリコール酸ソーダおよび過酸化水素の作用部位は多少異なるとしても,その作用をうけた分子はもはや強い相互作用を示すことができず,より小さなユニットを形成するものと考えられる.これらのことから,ovomucin(B)溶液が示す高い粘性はovomucin (B)分子間の強い相互作用の寄与によるものと考えられる.
  • 寒天のゲル化に及ぼす諸因子の影響
    布施 恒明
    1969 年 43 巻 2 号 p. 110-114
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    寒天をアガロース(AG)およびアガロペクチン(AP)に分離し,それぞれを分別して分子量,構成糖比,電解基密度が保水能力に及ぼす影響,ならびにゲル化速度に及ぼす濃度,温度,PHの影響を検討した.
    (1) AG, APいずれも構成糖比および電解基密度が近似している試料では,分子量の増大とともに保水能力は大きくなる.
    (2) 分子量,電解基密度が近似している試料ではAG, APいずれもガラクトース/3,6-アンヒrドロガラクトースの値が小さいほど保水能力は大きい.
    (3) 分子量,構成糖比がそれぞれほぼ一定の試料では電解基密度が小さいものほど保水能力は大きい.
    (4) AG, APともにゲル化の初期過程は2分子反応的に結び目をつくるものと考えられる.
    (5) 活性化エネルギーの比較から,AGはAPよリゲルを形成しやすいことを認めた.
    (6) AG, APはともに弱アルカリ性でゲル化しやすいことを認めた.
  • 二宮 英治, 木崎 忠重
    1969 年 43 巻 2 号 p. 115-118
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Pullularia fermentans var. fermentansは振盪培養により3%グルコース培地から対消費糖収率63%に相当する多糖類([α]20D+162, DP 250) を生産した.この多糖類の特異性を検討した結果,低粘度型であり,耐塩性,耐酸性およぴ耐熱性が高いことが判明した.過沃素酸酸化物の定量,赤外スペクトルおよぴ部分加水分解物のペーパークロマトグラムからα-1, 4結合とα-1, 6結合が2:1の比で構成されるグルカンであることが認められた.
  • 凝集におよぼす諸条件の影響
    百瀬 洋夫, 岩野 君夫, 外池 良三
    1969 年 43 巻 2 号 p. 119-123
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    乳酸菌による酵母の凝集はpH 2~4の間でpH変化に対して可逆的にみられ,凝集の最適pHは3.2である.この凝集には酵母の外層物質は関係がなく,また酵母の凝集で関係しているといわれているカルシウムイオンも必要としない.陽イオン界面活性剤(CTAB)処理により凝集が阻害され,この菌体をさらに陰イオン界面活性剤(SLS)で処理すると凝集が回復すること,硝酸ウラニル処理により凝集が阻害されることから,この凝集には細胞表面の遊離基が関係していると考えられる.さらに中性塩濃度を高くすることにより凝集が阻害される.以上のことから,凝集は細胞表面の遊離基の間に働く,静電的な力によるものと考えた.
  • 1969 年 43 巻 2 号 p. A10
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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