日本農芸化学会誌
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44 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • ガス噴射法によるPediococcus halophilusの分離と保存
    中村 清, 中村 従子, 東 量三, 須藤 恒二, 梅田 勇雄
    1970 年 44 巻 3 号 p. 103-106
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 炭酸ガスを用いたガス噴射法によって醤油諸味中のPc. halophilusの分離を行なった.その結果,平板法に比較してかなり分離能が改善されることがわかった.
    (2) ガス噴射法によってPc. halophilusの保存を行なうと,少なくとも12カ月以上の室温保存が可能であり,その後も十分に生育能を有していることがわかった.
  • 清水 徹, 荒木 真喜子
    1970 年 44 巻 3 号 p. 107-110
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ばれいしょデンプンを有機溶媒中でモノクロル酢酸によりカルボキシメチル化すると水溶性デンプン誘導体を得るが,エーテル化度1.0前後になるとエーテル化度0.5前後のものより水溶液粘度が減少する.この理由は,エーテル化度1.0前後のものはカルボキシメチル基が過剰であるのみならず,分布が不均一であることによると考えられる.
  • 富田 繁, 寺島 一生
    1970 年 44 巻 3 号 p. 111-117
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    デンプンの溶媒であるDMSOおよびNH4SCN水溶液とデンプンの親和性をみるため,デンプン溶液の選択的吸着および溶媒和をしらべた.
    溶液中における溶媒和を測定する従来の方法は,定性的知見を得るには間接的で煩雑すぎる欠点があるので,吸着を直接的に迅速かつ容易にしらべる方法を考案した.すなわち,溶媒-非溶媒-高分子系からなる溶液と,溶媒-非溶媒系からなる混合溶媒とが界面をつくったとき,吸着によって両方の混合溶媒系に濃度差が生ずれば拡散が起こり,シュリーレン図形で高分子の界面の周囲の凹みまたは突起として観察することができる.この方法をデンプン-DMSO-水またはジオキサン系に適用したところ, DMSOはデンプンに選択的に吸着することが示され,デンプン-NH4SCN-水系でも同様であった.さらにデンプンの他の塩類水溶液について検討したところ,陰イオンの被吸着性は離液系列に対応することが見出された.
    ついでSitohla-Svedbergの方法に従い,超遠心法によりアミロペクチンとDMSO-ジオキサン系,水-ジメチルホルムアミド系について溶媒和を測定した結果,アミロペクチンの溶媒和はグルコース残基1個当りDMSO 3個という結果が得られ, DMSOの吸着はOH基に対し1対1であろうと考えられ,また水和量は約6個と計算され, DMSOの吸着量のほぼ2倍である結果が得られた.
  • κ-カゼインの加熱変化
    中西 武雄, 伊藤 敞敏
    1970 年 44 巻 3 号 p. 118-123
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    κ-功ゼイン溶液を加熱した場合の変化について調べ,次のような結果を得た.
    (1) κ-カゼインを単独で加熱した場合には, 110°C 30分以上の加熱によってデンプンゲル電気泳動図に変化が認められるようになるが, 5%のラクトースを含む場合には100°C, 30分の加熱によって変化する.
    (2) 7M尿素および2-メルカプトエタノールを含んだ緩衝液を用いてのSephadex G-200によるゲル濾過溶出曲線は,加熱温度の上昇にともなって主なピークの溶出範囲が拡がり,ピークが平担化する.
    (3) 加熱によるNPNおよび遊離のシアル酸量は,加熱温度の上昇とともに増加するが, NPN結合型のシアル酸量は, 110°C以上の加熱では,温度によってあまり変動しない.
    (4) κ-カゼイン溶液を90°C付近で加熱した場合のκS-カゼインに対する安定化力の低下は,とくにNaClなどの塩類を添加した場合,顕著に現われることが確認された.β-ラクトグロブリンを添加しても,安定化力がとくに低下することはなかった.
    (5) κ-カゼインの加熱による変化は,一般に加熱温度の上昇とともに顕著となるものであり,レンニン作用による場合のような特徴ある変化は示さない.
  • 田代 重毅, 笹本 忠夫, 相川 高利, 徳永 清吾, 谷口 栄二, 江藤 守総
    1970 年 44 巻 3 号 p. 124-129
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    PCP-14C (U)を合成し,家兎,マウスおよびラットにおける代謝について検討した.家兎に経口投与されたPCPは大部分が未変化のまま,相当の部分が強酸性物質として,また少量がクロラニルに代謝されて尿中に排泄される.皮下注射によってPCPナトリウム塩を投与されたラットの排泄物中には未変化のPCPは認められず,大部分が強酸性物質として検出された.マウスに腹腔内注射によって投与した場合, 2時間で臓器内に少量のクロラニルが認められた.強酸性代謝物はPCPを投与した家兎の尿より単離され, pentachlorophenyl-β-glucuronideと同定された.
  • 中村 幸人, 岩佐 順吉, 小野 博史
    1970 年 44 巻 3 号 p. 130-135
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Grayanotoxin-II (Ia) was converted to an ether compound (IIa) by treatment with mercuric acetate. This fact and other chemical evidence proved that C1-hydrogen of Grayanotoxin-II was α and C5-hydroxyl was β. On the same treatment, pentaacetyl Grayanotoxin-II (Ic) lost acetic acid to give a conjugated diene (VIII).
  • 長沢 太郎, 清沢 功, 朝内 ひろ美, 桑原 邦介
    1970 年 44 巻 3 号 p. 136-141
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    人乳カゼインのアクリルアミドゲル電気泳動ならびにDEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーによって分画した各画分のアミノ酸組成を分析し,次のような結果を得た.
    (1) 人乳全カゼインのアクリルアミドゲル電気泳動図のパターンは分娩後10日までは不完全であるが,それ以後では6本の完全なバンドパターンを示した.
    (2) 人常乳カゼインは通常6本の完全なバンドパターンを示すが,各個人および泌乳期によって異なり, 12例中1例では分娩後10日以内と同様不完全なバンドパターンを示した.
    (3) 人乳全カゼインの窒素,燐およびシアル酸含量はアクリルアミドゲル電気泳動図のパターンと同様,かなりの変動を示した.
    (4) DEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーによって分画した9つの画分のうち,β-カゼインを主成分とするF-2からF-5はほぼ同様なアミノ酸組成を示した.γ-カゼインを含むF-1はF-2からF-5と比較してプロリンとロイシン含量が高かった.牛乳κ-カゼインと同様糖を多く含み,アクリルアミドゲル電気泳動で幅広いバンドを示すF-9はF-2からF-5と比較して,アスパラギン酸,グリシン,アラニン,シスチン,アルギニンおよびトリプトファン含量が高く,プロリン,ロイシンおよびリジン含量が低かった.
  • 1970 年 44 巻 3 号 p. N36
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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