フラビン存在下における光酸化反応を利用して, cyclicPIN-PのPAL-Pへの転換について検討した.その結果,
(1)本光酸化反応によるPAL-Pの生成には,芳香族1級アミンのある種の化合物,たとえばアニリン,スルファニル酸などの添加が有効であった.
(2)アニリンなどの芳香族1級アミンのみの存在では, PAL-Pの生成率は低く,その収率向上のためには脂肪族アミンのある種の化合物たとえばイソプロパノールアミン, n-ブチルアミンなどを添加することが必要であった.
(3)アニリンなどの芳香族1級アミンは,フラビン存在下における光照射に対するPAL-Pの安定化に作用し,一方イソプロパノールアミンなどの脂肪族アミンは,共存するアニリンなどの芳香族アミンの安定化に作用しているものと推定した.
(4) PAL-P生成のための至適pHは, 8~9であった.
(5) PAL-P生成のための至適反応組成は, FMN,アニリンおよびイソプロパノールアミンを使用する場合, cyclicPIN-P:FMN:アニリン:イソプロパノールアミン=1:1/40~1/50:1~2:3のモル比であった.この反応組成の水溶液に可視光を照射することにより, cyclicPIN-P はほぼ定量的にPAL-Pに転換された.
(6)本光酸化反応により, cyclicPIN-Pから生成する化合物を単離し, PAL-Pであることを確認した.
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