Duboisらのフェノール硫酸法による糖の定量法を,おもにに夾雑物の影響について検討した.乳糖(50μg/m1)の回収率を比較することにより,次の結果を得た.
1) Na
+,K
+,NH4
+,Mg
2+(硫酸塩,0.01M),Ca
2+,Ba
2+(塩化物,0.01M),Cl
-,Br
-,SO
-23,PO
-34(Na塩,0,01M),酢酸,コハク酸(0.1M),シュウ酸(0.02M)は大きな影響を及ぼさなかった.
2) Cu
2+(硫酸塩),NO
-2,NO
-3(Na塩),I
-)(K塩)は,回収率を著しく増加させる.Fe2+, AI3+(硫酸塩,0.01M),ホウ酸塩(Na塩,0.01M)もかなうの影響がある.これらの許容限度は,Fe
2+,Al
3+,ホウ酸塩;0.001,Cu
2+,NO
-3,I
-;1×10
-4,NO
-2;1×10
-5Mであった.
3) 乳酸,酒石酸,クエン酸,リンゴ酸もかなり回収率を大きくし,許容限度は,乳酸;0.001以下,酒石酸;2×10
-4,クエン酸;0.02,リンゴ酸;0.002Mであった.これらの酸による影響は,乳酸以外は,酸をCa塩として沈殿除去することにより除き得た.
4) 除蛋白剤のうち,10%メタリン酸,メタノール,クロロホルムは影響が認められなかったが,CdSO
4,HgSO
4,塩基性酢酸鉛,エタノールは十分よく除く必要がある.
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