日本農芸化学会誌
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49 巻, 5 号
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  • 木幡 守, 高山 健一郎, 阿部 重雄
    1975 年 49 巻 5 号 p. 237-243
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ノルマルパラフィンから著量のL-グルタミン酸を生成する細菌を宿主とするファージ, H-1, H-2を分離し,以下の諸性質を明らかにした.
    (1) H-1ファージはテンペレート・ファージであり, H-2ファージはH-1ファージのclear plaque mutantである.
    (2) H-1ファージに耐性を示すことで分離した“耐性株”はすべて溶原株であり, H-2ファージにも耐性を示した.プロファージを持っていない耐性株は, H-2ファージを用いることにより容易に得られたが,高いm. o. i.の使用がその分離に効率的であった.
    (3) Arthrobacter paraffineus, Corynebacterium hydrocarboclastus, Nocardia erythropolisおよび未同定のCorynebacteriumなどの菌株が,両ファージの宿主となった.
    (4) 両ファージは, S型集落形成菌よりはR型集落形成菌上で大きいプラークを形成した.
    (5) 両ファージはおたまじゃくし型で,頭部70mμ,尾部10×290mμ,潜伏期120~130分,平均放出数約100であった.
    (6) 両ファージはノルマルパラフィンによっては不活化されないが,ノルマルパラフィン含有の液体培地では増殖が認められなかった.
  • 仁井 晧迪, 古川 靖, 岩切 三雄
    1975 年 49 巻 5 号 p. 245-249
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    セイタカアワダチソウの葉茎部の精油成分を明らかにするために,大阪府茨木市に自生するものを水蒸気蒸留し,その精油を減圧分留して,カラムクロマト, GLC分取などによう単離を行って, GLCおよびIR, UV, MS, NMRスペクトルなどを用いて検索を行った.その結果はTable IIIに示した.茎部にはモノテルペン炭化水素が65%と多いのにくらべて,葉部には約40%のgermacrene-Dが存在して本精油の特徴をなすものであった.
  • 野田 万次郎, 小畑 登紀夫
    1975 年 49 巻 5 号 p. 251-256
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) エゴマ種子脂質中の各種エステル型脂質,すなわちステロールエステル,アシルステロールグリコシド,トリグリセリド,モノガラクトシルジグリセリド,ジガラクトシルジグリセリド,ボスファチジルエタノールアミン,ボスファチジルセリン,およびボスファチジルイノシトールを単離し,それぞれの脂肪酸組成を調査,比較した.またグリセロ脂質においては, sn-グリセリ.ル基の各位置に結合する脂肪酸の組成を調べ,各脂質の構成脂肪酸の分子内位置分布の特徴を明らかとした.
    (2) ステロール誘導体のうち,ステロールエステルの脂肪酸組成はトリグリセリドのそれに近似していた.
    (3) トリグリセリドはグリセロ脂質中で最も不飽和度が高く,その構成脂肪酸のうち飽和酸の大部分がsn-グリセリル基の1, 3位置に集中していた.また他のグリセロ脂質においても,すべて同様の分布傾向を示し, 1位置に飽和酸のほとんどが集まり, 2位置では不飽和酸,特にリノレン酸とリノール酸が大部分を占めていた.
    (4) トリグリセリド,モノーおよびジガラクトシルジグリセリド,ホスファチジルエタノールアミシの1群と,ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジルセリンの1群との間には, 1位置の飽和酸の比率の点で明らかに差が認められ,これは両群の生合成経路の相違が影響している可能性がある.
    (5) トリグリセリドおよびホスファチジルエタノールアミンを,それぞれシリカゲルー硝酸銀薄層クロマトグラフィーでその分子種にまで分別し,この実測分子種組成を,各位置の脂肪酸組成から計算した分子種組成と比較したところ,いずれの場合も大体において両者間に大きな差は認められなかった.従ってこの結果から, 1-ランダム, 2-ランダム, 3-ランダム型のアシル化反応を推定することもできる.また両脂質とも,主体となる分子種は,リノレン酸,リノール酸を構成分とする完全不飽和分子種であった.
  • 内田 絅, 鈴木 幸雄
    1975 年 49 巻 5 号 p. 257-262
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    藤の木の癌腫より分離した植物病原細菌Erwiniamilletiaeが,振盪培養においてD-ガラクトースよりD-ガラクトン酸および2-ケト-D-ガラクトン酸, L-アラビノースよりL-アラボソ酸, D-キシロースよりD-キシロン酸および酸性の還元性物質,をそれぞれ生成することを認めた.
  • 松尾 勝, 安井 恒男, 小林 達吉
    1975 年 49 巻 5 号 p. 263-270
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1) 自然界より,キシラナーゼ産生高温性糸状菌を分離した.その中の1株, No. 48菌は, Malbranchea pulchella var. sulfurea No. 48と同定され,その生産する酵素の性質,この酵素によるキシランの糖化が検討された.
    2) キシラナーゼ生産培地が検討され, C. S. L.の添加が有効であった.
    3) 本菌のキシラナーゼの至適pHは中性域(pH 6~8)にある酵素で,至適温度は55°C,熱安定性は, 30分の加熱処理で, 50°Cでは影響をうけず, 60°Cで57%の残存活性を示し, 70°Cで完全に失活した.
    4) キシランの分解限度は約93%で,その水解物のペーパークロマトグララィーでは,ほとんどキシロースのみ検出された.
    5) 放線菌キシラナーゼによるキシラン水解物(D. P., 1.39)に約15%糖濃度において,種々の糸状菌酵素を作用させたとき, Asp. niger, C. trilaterale, T. virideの酵素では,D. P.の低下が著しくなかったが, Malbranchea pulchella var. sulfurea No. 48菌の酵素では,キシロースの結晶化が可能なほどD. P. (1.06)が低下した.
    6) 放線菌によるキシラン水解物を, Malbranchea pulchella var. sulfurea No. 98菌の酵素で水解することより,キシラン15.4gからll.6gのキシロース結晶が得られた.
  • 小倉 長雄, 中川 弘毅, 竹花 秀太郎
    1975 年 49 巻 5 号 p. 271-274
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The activities of Polygalacturonase (PG) and Pectinesterase (PE) were determined at intervals during storage of tomato fruits at 4°C, 33°C and room temperature.
    The activity of PG was low in mature green fruits and increased rapidly with ripening at room temperature. However, the activity in fruits stored at 4°C and 33°C did not increase. In fruits previously stored at 33°C for several days and afterwards ripened at room temperature, the activity developed to one-third the activity of normal ripening fruits.
    The PE activity in mature green fruits also increased with ripening at room temperature, but the activity in fruits stored at 4°C and 33°C did not increase.
    These results suggest that one of the reason on extension of the storage life of tomato fruits previously stored at 33°C for several days may be due to a repression of the development of PG and PE activities during storage.
  • 舩引 龍平
    1975 年 49 巻 5 号 p. 275-277
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The practical methods for estimation of fractional turnover rate in the precursorproduct relationship were proposed.
    In one dose method, when the fractional turnover rate of precursor and the time at which product reaches its maximum specific activity are available, the fractional turnover rate of product are easily obtained by the nomograph described in this paper.
    Availability of integral method for determinating the fractional turnover rate of product in continuous isotope administration method was confirmed theoretically.
  • 小幡 斉, 鹿田 幸治, 徳山 泰
    1975 年 49 巻 5 号 p. 279-281
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Trimethylsilyl (TMS) derivatives of reductones (triose reductone, reductic acid and L-ascorbic acid) were prepared by mixing reductones with hexamethyldisilazane (in pyridine) under a stream of nitrogen. In order to ensure their chemical structures, some physical properties (IR, NMR and mass spectrum) were measured and they were proved that the products had the structure of TMS-triose reductone, TMS-reductic acid and TMS-ascorbic acid.
  • 1975 年 49 巻 5 号 p. N48
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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